JP4184313B2 - チタン酸バリウム粉末の製造方法 - Google Patents

チタン酸バリウム粉末の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、水酸基混入の少ないチタン酸バリウム粉末を製造する方法に関する。さらに詳しくはコンデンサ、PTC素子などの電子部品の構成材料として有用なチタン酸バリウム粉末の製造方法に関する。
電子部品の小型化に伴い、コンデンサの誘電体厚みが薄層化してきている。この誘電体厚みの薄層化に伴って、誘電体材料であるチタン酸バリウム粉末の微粒化が進んでいる。微細なチタン酸バリウムを製造する方法としては、液相法が有利である。特に、水熱合成法が、微細で粒度分布の狭いチタン酸バリウム粉末の製法として適している。
水熱合成法とは、たとえば、水溶性チタン塩(たとえば水酸化チタン)と水溶性バリウム塩(たとえば水酸化バリウム)とを、アルカリ性の高温高圧水中で反応させ、結晶性のチタン酸バリウム粉末を得る方法である(特許文献1参照)。
しかしながら、通常の水熱合成法によりチタン酸バリウムを製造した場合、チタン酸バリウムの結晶内部で、本来、酸素(O2−)が存在すべき格子位置に水酸基(OH)が混入することがある。酸素の電荷は−2であるが、水酸基の電荷は−1である。つまり酸素と水酸基とでは価数が異なるため、酸素が存在すべき格子位置に水酸基が混入すると、結晶内での電荷的バランス(電気的中性)が崩れてしまう。この場合、電荷的バランスを保持するために、本来、バリウムイオン(Ba2+)が入るべき格子位置が空孔となり、バリウムの欠陥が導入される。つまり、バリウム欠陥が生成されると電気的中性が保たれる。
しかしながら、バリウム欠陥が導入されたチタン酸バリウム粉末を加熱すると、水酸基は粒子外に排出されるが、バリウム欠陥は結晶内部の特定箇所に集合して、ポアと呼ばれる空洞が形成されてしまう。このポアが、該粉末を用いて製造されたコンデンサの信頼性を悪化させたり、電気容量を低下させる原因となる。
WO99/59919(特願2000−549542号)
本発明の目的は、バリウム欠陥の少ないチタン酸バリウム粉末の製造方法を、提供することである。
本発明者は、チタン酸バリウムを水熱合成法により製造する際に、チタン化合物及びバリウム化合物とともに、ルビジウム化合物及び/又はカリウム化合物を特定量で添加することにより、バリウム欠陥の少ないチタン酸バリウム粉末が得られることを見出した。
すなわち、本発明によれば、
チタン化合物とバリウム化合物の水熱反応を、前記バリウム化合物中のバリウム1モル又は前記チタン化合物中のチタン1モルに対して0.004〜0.15モルのルビジウム化合物及び/又はカリウム化合物の存在下に行う、チタン酸バリウム粉末の製造方法が提供される。
ルビジウム化合物”及び/又は”カリウム化合物であるので、ルビジウム化合物単独で存在させても良いし、カリウム化合物単独で存在させても良いし、あるいは両者を併せて存在させても良い。
水熱合成法により製造されたチタン酸バリウム中のポア生成機構は、上述した背景技術の欄で述べたように、結晶内部に水酸基が混入することで、結晶内での電荷的バランスが崩れ、これを補うために、バリウム欠陥が導入され、この欠陥がポア生成の原因となる。
これに対し、本発明では、チタン化合物とバリウム化合物の水熱反応を、バリウム欠陥を抑制するための特定量のルビジウム化合物及び/又はカリウム化合物の存在下に行う。酸素が存在すべき格子位置に水酸基が入ることにより、電荷は−2から−1となり、+1である。このとき、結晶内での電荷的バランスが崩れてしまうので、これを補うために、バリウムイオンが入るべき格子位置が空孔となる。この空孔部分に、1価のルビジウムイオン及び/又はとカリウムイオンが入り込み、電荷が+2から+1となり、−1となって、バリウム欠陥が解消される。
つまり、本発明では、バリウムイオンが入るべき格子位置に入ることができる価数の異なる元素(1価の元素)の存在下に、水熱反応を進行させることで、水酸基混入による電荷の変動をキャンセルさせ、その結果、バリウムの欠陥を生成させないようにし、結晶内での電荷的バランスを保つようにするものである。
このようにして製造されたチタン酸バリウム粉末を加熱しても、内部に欠陥を含まないため、ポアが形成されることはない。
従って、上述した方法により製造されるチタン酸バリウム粉末を用いてコンデンサを作製した場合、信頼性を悪化させたり、電気容量を低下させることもなく、高容量かつ高信頼性の製品が得られることが期待される。
なお、ルビジウムRbとカリウムKは、ともにアルカリ金属群に属する元素である。アルカリ金属元素としては、Rb及びKの他に、リチウムLi、ナトリウムNa、セシウムCsも含まれるが、本発明では、Li、Na、Csは除外される。RbとKは、バリウムBaと同程度のイオン半径を持つため、チタン酸バリウム粉末内部でのバリウム欠陥位置に入りやすいと考えられる。これに対し、Li、Naは、Baと比較してイオン半径が小さく、CsはBaと比較してイオン半径が大きいので、いずれも本発明には適さない元素であると考えている。
本発明の方法により製造されるチタン酸バリウム粉末は、コンデンサ、PTC素子などの電子部品の構成材料として、好適に用いることができる。
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。図1は本発明の一実施形態に係る積層セラミックコンデンサの概略断面図である。
図1に示すように、本発明の電子部品の一例としての積層セラミックコンデンサ1は、層間誘電体層2と内部電極層3とが交互に積層された構成のコンデンサ素子本体10を有する。このコンデンサ素子本体10の両側端部には、素子本体10の内部で交互に配置された内部電極層3と各々導通する一対の外部電極4が形成してある。内部電極層3は、各側端面がコンデンサ素子本体10の対向する2端部の表面に交互に露出するように積層してある。
一対の外部電極4は、コンデンサ素子本体10の両端部に形成され、交互に配置された内部電極層3の露出端面に接続されて、コンデンサ回路を構成する。
コンデンサ素子本体10の形状に特に制限はないが、通常、直方体状とされる。また、その寸法にも特に制限はなく、用途に応じて適当な寸法とすればよいが、通常、縦(0.6〜5.6mm)×横(0.3〜5.0mm)×高さ(0.3〜1.9mm)程度である。
コンデンサ素子本体10において、内部電極層3および層間誘電体層2の積層方向の両外側端部には、外側誘電体層20が配置してあり、素子本体10の内部を保護している。
層間誘電体層2および外側誘電体層20の組成は、本発明では特に限定されないが、たとえば以下の誘電体磁器組成物で構成される。
本実施形態の誘電体磁器組成物は、後述の水熱合成法により製造されたチタン酸バリウムを主成分として有する。誘電体磁器組成物中に主成分と共に含まれる副成分としては、Mn,Cr,Ca,Ba,Mg,V,W,Ta,Nb及びR(RはYなどの希土類元素の1種以上)の酸化物並びに焼成により酸化物になる化合物を一種類以上含有するものが例示される。
内部電極層3は、実質的に電極として作用する卑金属の導電材で構成されることが好ましい。導電材として用いる卑金属としては、Ni又はNi合金が好ましい。
外部電極4としては、通常Ni,Pd,Ag,Au,Cu,Pt,Rh,Ru,Ir等の少なくとも1種又はそれらの合金を用いることができる。通常は、Cu,Cu合金、Ni又はNi合金等や、Ag,Ag−Pd合金、In−Ga合金等が使用される。
本実施形態に係る積層セラミックコンデンサ1を製造するには、たとえば、まず、焼成後に図1に示す層間誘電体層2及び外側誘電体層20を形成するための焼成前層間誘電体層及び焼成前外側誘電体層を構成することとなる誘電体層用ペーストと、焼成後に図1に示す内部電極層3を形成するための焼成前内部電極層を構成することとなる内部電極層用ペーストとを準備する。
本実施形態での、誘電体層用ペースト中の誘電体原料に含まれるチタン酸バリウムは、水熱合成法により製造される。具体的には、以下の通りである。
チタン酸バリウム粉末の製造方法
(1)まず、出発原料としての、チタン化合物と、バリウム化合物と、ルビジウム化合物及び/又はカリウム化合物とを、準備する。
チタン化合物としては、ハロゲン化物、水酸化物、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、過塩素酸塩、しゅう酸塩およびアルコキシドから選択される1種又は2種以上が用いられる。具体的には、水酸化チタン、含水酸化チタン、四塩化チタンおよびその加水分解物又は酸化チタンなどであり、これらの中でも酸化チタン微粒子が好ましく用いられる。酸化チタン微粒子としては、特に限定されないが、アナターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チタン、あるいはその混合体であることが好ましい。好ましくは、酸化チタン微粒子の比表面積が35m/g以上である。すなわち、酸化チタン微粒子の粒径は、小さい方が好ましい。酸化チタン微粒子の粒径が大きすぎると、反応が不十分となる傾向にある。
バリウム化合物としては、ハロゲン化物、水酸化物、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、過塩素酸塩、しゅう酸塩およびアルコキシドから選択される1種又は2種以上が用いられる。特に水溶性バリウム化合物が好ましく用いられる。水溶性バリウム化合物としては、特に限定されず、水酸化バリウム、水酸化バリウム8水和物、酢酸バリウム、塩化バリウムが例示されるが、これらの中でも、水酸化バリウム又は水酸化バリウム8水和物が好ましく用いられる。
なお、必要に応じて、水酸化ナトリウム、アンモニア、水酸化カリウム、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等のアミン類などのアルカリ性化合物を加えても良い。
ルビジウム化合物としては、塩化ルビジウム、酢酸ルビジウム、臭化ルビジウム、水酸化ルビジウム−水和物、炭酸ルビジウム、塩素酸ルビジウム、硫酸ルビジウムの1種又は2種以上が用いられる。特に塩化ルビジウム、水酸化ルビジウム−水和物が好ましく用いられる。
カリウム化合物としては、塩化カリウム、酢酸カリウム、臭化カリウム、炭酸カリウム、塩素酸カリウム、水酸化カリウム、くえん酸カリウムの1種又は2種以上が用いられる。特に塩化カリウム、水酸化カリウムが好ましく用いられる。
本実施形態では、これらの各化合物として、予め、粉末状、水溶液状又は懸濁液状に調製されたものを用いても良い。
(2)次に、これらの各化合物を、圧力容器などの反応釜に入れ、水熱反応を行わせ、反応物を得る。
具体的には、チタン化合物と、バリウム化合物とが、所定のBa/Ti比となるように投入する。好ましくは、チタン化合物のモル数に対して等モル以上のモル数で、バリウム化合物を加える。チタン化合物のモル数をAとし、バリウム化合物のモル数をBとした場合に、好ましくは、B/Aは、1〜2である。この場合において、チタン酸バリウム粉末と共に得られた過剰なバリウム化合物を除去することが好ましい。さらに好ましくは、チタン化合物のモル数に対して、実質的に等モルで、バリウム化合物を加える。この場合には、過剰なバリウム化合物を除去する必要がない。
なお、アルカリ性化合物を添加する場合、水溶液中の水素イオン濃度(pH)が、好ましくは11以上となるように加える。
また、ルビジウム化合物及び/又はカリウム化合物の添加量(混合割合)は、バリウム化合物中のバリウム1モル又は前記チタン化合物中のチタン1モルに対して、0.004〜0.15モル、好ましくは0.01〜0.12モル、より好ましくは0.05〜0.10モルとなるように投入する。ルビジウム化合物及び/又はカリウム化合物の添加量が少なすぎると効果が少なく、多すぎると得られるチタン酸バリウム粉末中に異相が生成し、該粉末を用いて、たとえば積層セラミックコンデンサを製造した場合、該積層セラミックコンデンサの誘電率の低下を招いてしまう。
本発明では、チタン化合物とバリウム化合物の水熱反応を、特定量のルビジウム化合物及び/又はカリウム化合物の存在下に行う点が特徴である。酸素が存在すべき格子位置に水酸基が入ることで結晶内での電荷的バランスが崩れてしまい、これを補うために、バリウムイオンが入るべき格子位置が空孔となるが、この空孔部分に、1価のルビジウムイオン及び/又はとカリウムイオンが入り込み、バリウム欠陥が解消される。つまり、水酸基混入による電荷の変動をキャンセルさせ、その結果、バリウムの欠陥を生成させないようにし、結晶内での電荷的バランスが保たれる。
なお、各化合物の投入の際には、所定量の、たとえばイオン交換水などを併せて投入しても良い。
水熱反応は、通常、水溶液の水素イオン濃度(pH)が高い、好ましくは11以上のアルカリ性水溶液中で行われる。
水熱反応温度は、反応率を高める必要から、好ましくは80℃以上、より好ましくは150℃以上である。溶液の圧力上昇を防止するとの観点から、反応温度の上限は、好ましくは500℃程度である。
水熱反応時間は、特に限定されないが、好ましくは30分以上、より好ましくは60分以上である。あまりに長すぎると不経済なので、反応時間の上限は、好ましくは360分程度である。
水熱反応は、二酸化炭素が存在しない雰囲気下で行うことが好ましい。二酸化炭素が存在する雰囲気で水熱反応を行うと、炭酸バリウム相が生成する不都合を生じうる。
水熱反応は、好ましくは1.0気圧以上、より好ましくは4.5気圧以上の高圧で行われる。
(3)次に、得られた反応物(スラリー)を乾燥させて、チタン酸バリウム粉末を得る。乾燥は、従来公知の方法により行うことができる。
なお、得られた反応物を一度大気中で乾燥させた後、酢酸水溶液などの弱酸溶液中で洗浄してもよい。こうすることで、過剰なバリウム(炭酸バリウム)のみを除去することができる。
このようにして水熱合成法で製造されたチタン酸バリウムは、一定の球状であり、比表面積の逆数から算出された粒子径が、好ましくは0.02〜0.20μmで、かつ粒度分布が狭く、かつ結晶性も良好である。また、Ba/Tiの原子比は、0.99〜1.01と1.00に極めて近い。さらに、スラリー化した際の分散性が極めて高い。したがって、誘電体層用ペースト中の誘電体原料に含まれる主成分原料として好適である。
また、水熱合成法で製造されたチタン酸バリウムは、ルビジウム及び/又はカリウムを合計で0.01〜0.30モル%含み、内部にバリウム欠陥が少ない。このため、製造されたチタン酸バリウム粉末を加熱しても、ポアが少なく、該チタン酸バリウム粉末を用いてコンデンサを作製した場合、信頼性を悪化させたり、電気容量を低下させることもなく、高容量かつ高信頼性の製品が得られることが期待される。
こうして得られたチタン酸バリウムを含む誘電体原料を有する誘電体層用ペーストと、内部電極層用ペーストとを用いて、焼成前誘電体層と焼成前内部電極層とが積層されたグリーンチップを作製し、脱バインダ工程、焼成工程、必要に応じて行われるアニール工程を経て形成された、焼結体で構成されるコンデンサ素子本体10に、外部電極4を形成して、積層セラミックコンデンサ1が製造される。
本実施形態の積層セラミックコンデンサ1は、本発明のチタン酸バリウム粉末を用いて製造されているので、信頼性の悪化や、電気容量の低下もなく、高容量かつ高信頼性を有する。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
次に、本発明の実施の形態をより具体化した実施例を挙げ、本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
実施例1
1モルの水酸化バリウムと、1モルの酸化チタンと、0.1モルの塩化ルビジウムとを、1リットルのイオン交換水とともに高圧容器に入れ、300℃で、1時間、水熱反応を行った。
反応後のスラリーを濾過乾燥し、濾紙上のチタン酸バリウム粉末を、大気雰囲気で110℃のオーブンで乾燥させた。
得られたチタン酸バリウム粉末をX線回折で同定したところ、立方晶チタン酸バリウムであることが確認できた。また、得られたチタン酸バリウム粉末の粒子径を比表面積の逆数から算出したところ、約50nmであった。また、得られたチタン酸バリウム粉末のルビジウム含有量を蛍光X線分析の方法で測定したところ、0.20モル%であった。
このようなチタン酸バリウム粉末の内部のポア量を確認するために、該チタン酸バリウム粉末を900℃で1時間、熱処理した後にTEM観察した。なお、このような熱処理をするのは、水酸基を排出してポアを特定箇所に集合させるためである。その結果、ポア量が非常に少ないことが確認された。
また、得られたチタン酸バリウム粉末のポア量を定量的に表現するために、該チタン酸バリウム粉末の比重をピクノメーターを用いて測定したところ、5.89g/cmであった。この値は、ポア量が略ゼロのときの比重:約6.00g/cmに非常に近く、ポア量が少ないことを反映して比重が大きいことが確認された。
実施例2
塩化ルビジウムの添加量を0.02モルとした以外は、実施例1と同様にして、チタン酸バリウム粉末を得た。そして、実施例1と同様の評価を行った。その結果、得られたチタン酸バリウム粉末は、立方晶チタン酸バリウムであり、粒子径が約50nm、ルビジウム含有量が0.05モル%、比重が5.85g/cmであった。ポア量が少ないことを反映して比重が大きいことが確認された。
実施例3
塩化ルビジウムの代わりに塩化カリウムを用いた以外は、実施例1と同様にして、チタン酸バリウム粉末を得た。そして、実施例1と同様の評価を行った。その結果、得られたチタン酸バリウム粉末は、立方晶チタン酸バリウムであり、粒子径が約50nm、カリウム含有量が0.15モル%、比重が5.81g/cmであった。ポア量が少ないことを反映して比重が大きいことが確認された。
実施例4
塩化カリウムの添加量を0.02モルとした以外は、実施例3と同様にして、チタン酸バリウム粉末を得た。そして、実施例3と同様の評価を行った。その結果、得られたチタン酸バリウム粉末は、立方晶チタン酸バリウムであり、粒子径が約50nm、カリウム含有量が0.03モル%、比重が5.77g/cmであった。ポア量が少ないことを反映して比重が大きいことが確認された。
実施例5
0.1モルの塩化ルビジウムの代わりに、0.05モルの塩化ルビジウム及び0.05モルの塩化カリウムを用いた以外は、実施例1と同様にして、チタン酸バリウム粉末を得た。そして、実施例1と同様の評価を行った。その結果、得られたチタン酸バリウム粉末は、立方晶チタン酸バリウムであり、粒子径が約50nm、ルビジウム及びカリウムの合計含有量が0.19モル%、比重が5.87g/cmであった。ポア量が少ないことを反映して比重が大きいことが確認された。
比較例1
塩化ルビジウムを添加しなかった以外は、実施例1と同様にして、チタン酸バリウム粉末を得た。そして、実施例1と同様の評価を行った。その結果、得られたチタン酸バリウム粉末は、立方晶チタン酸バリウムであり、粒子径が約50nmであったが、実施例1〜5と比較して比重が5.56g/cmと小さかった。このことから比較例1では、乾燥後のチタン酸バリウム粉末は、多くのポアを含むことが予想できた。
比較例2
塩化ルビジウムの代わりに塩化ナトリウムを用いた以外は、実施例1と同様にして、チタン酸バリウム粉末を得た。そして、実施例1と同様の評価を行った。その結果、得られたチタン酸バリウム粉末は、立方晶チタン酸バリウムであり、粒子径が約50nm、ナトリウム含有量が0.01モル%であったが、実施例1〜5と比較して比重が5.52g/cmと小さかった。このことから比較例1では、乾燥後のチタン酸バリウム粉末は、多くのポアを含むことが予想できた。
比較例3
塩化ルビジウムの代わりに塩化リチウムを用いた以外は、実施例1と同様にして、チタン酸バリウム粉末を得た。そして、実施例1と同様の評価を行った。その結果、得られたチタン酸バリウム粉末は、立方晶チタン酸バリウムであり、粒子径が約50nm、リチウム含有量が0.01モル%であったが、実施例1〜5と比較して比重が5.60g/cmと小さかった。このことから比較例1では、乾燥後のチタン酸バリウム粉末は、多くのポアを含むことが予想できた。
比較例4
塩化ルビジウムの添加量を0.2モルとした以外は、実施例1と同様にして、チタン酸バリウム粉末を得た。そして、実施例1と同様の評価を行った。その結果、得られたチタン酸バリウム粉末は、粒子径が約50nm、ルビジウム含有量が0.37モル%であったが、粉末のx線回折を測定したところ、立方晶チタン酸バリウムであったが、チタン酸バリウム以外の同定不能なピークが検出され、不純物相の存在が確認された。また、得られたチタン酸バリウム粉末を用いてコンデンサを作製したところ、室温の誘電損失(tanδ)が増大してしまい、コンデンサ用の材料としては適していないことが確認された。
図1は本発明の一実施形態に係る積層セラミックコンデンサの概略断面図である。
符号の説明
1… 積層セラミックコンデンサ
10… コンデンサ素子本体
2… 層間誘電体層
20… 外側誘電体層
3… 内部電極層
4… 外部電極

Claims (5)

  1. チタン化合物とバリウム化合物の水熱反応を、前記バリウム化合物中のバリウム1モル又は前記チタン化合物中のチタン1モルに対して0.004〜0.15モルのルビジウム化合物及び/又はカリウム化合物の存在下に行う、チタン酸バリウム粉末の製造方法。
  2. 前記チタン化合物として、水酸化チタン、含水酸化チタン、四塩化チタン加水分解物又は酸化チタンを用いる、請求項1に記載のチタン酸バリウム粉末の製造方法。
  3. 前記チタン化合物として、酸化チタン微粒子を用いる、請求項1に記載のチタン酸バリウム粉末の製造方法。
  4. 前記バリウム化合物として、水溶性バリウム化合物を用いる、請求項1に記載のチタン酸バリウム粉末の製造方法。
  5. 前記水溶性バリウム化合物が、水酸化バリウム又は水酸化バリウム8水和物である、請求項4に記載のチタン酸バリウム粉末の製造方法。
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