JP4184029B2 - 作業用車両のキャブ構造 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、作業用車両のキャブ構造に関し、さらに詳細には、車両の前後方向の略中央上部に設置されたキャブと、キャブから車両の後部における左右側部に基端部が上下揺動自在に枢結されて車両前側に延びる左右一対のアームと、左右一対のアームの先端部に取り付けられたバケットとを有してなる作業用車両のキャブ構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
地盤を掘削したり、掘削した土等を移動させる場合、起伏動自在なアームの先端部に上下に揺動自在なバケットを取り付けてなる作業用車両が一般的に使用されている。このような作業用車両には、例えば、走行可能な車両の前後方向の略中央上部に配設されたキャブと、キャブから車両の後部における左右側部に基端部が上下揺動自在に枢結されて車両前側に延びる左右一対のアームと、左右一対のアームの先端部に取り付けられたバケットとを有して構成されているものがある。一対のアームのそれぞれは起伏シリンダにより起伏動するように構成されている。
【0003】
このような作業用車両のキャブは箱状に構成され、キャブの車両前側には作業者がキャブ内に出入りするための開口部が形成され、この開口部の左右いずれか一方の端部にはヒンジを介して繋がれたドアが左右方向に揺動自在に取り付けられている。キャブの左右方向外側に配設された一対のアームは、これを倒伏動させて車両前側に延ばしてバケットを地面上に載置させた状態で車両に格納される。一対のアームのうちヒンジ側のアームの内側面にはキャブ側に突出するステップが設けられ、アームが車両に格納されると、このステップはドアのヒンジ側の前方下側に移動する。このため、作業者がキャブ内に搭乗する場合には、一対のアームを格納状態にしてバケットを接地させて、作業者が車両の前側から車両上を通ってステップ上に移動し、ドアを開けてキャブ内に移動する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ドアを大きく開けてドアがキャブの側板よりもステップを有したアーム側に揺動させた状態で、左右一対のアームを格納状態から所定の起伏角度範囲内で起仰動させると、ステップがドアの下部に当接してドアを損傷させる。このため、作業者のキャブへの出入りは一対のアームを格納状態にさせた場合に制限され、使い勝ってが悪いという問題が生じる。
【0005】
また、作業用車両によって作業を行なっているときに、キャブ内の温度や湿度が上昇してキャブ内の環境が悪化した場合、キャブにドア以外に車外と連通可能な窓が無いときには、キャブ内に外気を導入することが困難となり、キャブ内の環境を低下させるという問題が生じる。
【0006】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、キャブ内の環境を良い状態にすることができ、且つ一対のアームの姿勢に影響されずにキャブへの出入りが可能な作業用車両のキャブ構造を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために本発明の作業用車両のキャブ構造は、車両の前後方向の略中央上部に設置された作業者搭乗用のキャブと、キャブから車両の後部における左右側部に基端部が上下揺動自在に枢結されて車両前側に延びる左右一対のアームと、左右一対のアームの先端部に取り付けられた作業具(例えば、実施形態におけるバケット29)とを有して構成され、キャブは車両前側が開口する開口部を有して箱状に構成され、キャブの空間部内に設けられて作業者が車両前側に向いた状態で座ることができる運転席(例えば、実施形態におけるオペレータシート45)と、運転席に設けられて車両前側に延びて上下に揺動自在なセイフティーバーとを備えて構成され、セイフティーバーは、運転席に作業者が座った状態で作業者を保持する保持位置と、運転席の上方へ揺動して格納される格納位置との間で揺動自在に構成されてなる作業用車両(例えば、実施形態におけるショベルローダ1)のキャブ構造であって、キャブの開口部を覆って閉じるためのフロントドアと、開口部を覆って閉じるドア閉塞位置とキャブ内の空間部の上部に略水平に延びた状態で格納されるドア格納位置との間でフロントドアをスライド移動させるためのスライド機構とを有して構成され、スライド機構は、前記ドア閉塞位置と前記ドア格納位置との間をスライド移動させたときの前記フロントドアの下端部が車両前側に迫り出した移動軌跡を描くように構成され、前記ドア閉塞位置と前記ドア格納位置との間をスライド移動させたときの前記フロントドアの移動軌跡が、前記保持位置と前記格納位置との間を揺動する前記セイフティーバーの先端部の移動軌跡と交差しないように構成され、さらに、スライド機構は、フロントドアの左右両端部の上部及び下部にそれぞれ設けられて左右方向に延びる回転中心軸線の回りを回転自在な上回転体部及び下回転体部と、キャブの左右両側部に配設された一対の側壁部(例えば、実施形態における側板部33)の各内側上部に設けられて前後に延びて前記上回転体部と係合して上回転体部の移動を案内する上案内レール部(例えば、実施形態における上案内レール66)及び一対の側壁部の各内側前部に設けられて上下に延びて前記下回転体部と係合して下回転体部の移動を案内する下案内レール部(例えば、実施形態における下案内レール69)を有してなる案内レールとを有して構成され、フロントドアが垂直に延びた状態において、前記下回転体部は前記上回転体部よりも車両後方側へずれた位置に配設されている。
【0008】
上記構成のキャブ構造によれば、フロントドアをキャブの車両前方側に形成された開口部に設け、このフロントドアをドア閉塞位置とドア格納位置との間をスライド移動可能にし、フロントドアの下端部が車両前側に迫り出した移動軌跡を描くようにすることで、フロントドアがセイフティーバーの先端部に接触することを防ぎ、セイフティーバーの位置に拘わらずフロントドアの開閉を行うことができる。また、フロントドアはキャブの前側に設けられているので、キャブの左右方向に配設された左右一対のアームの揺動位置に拘わらずフロントドアを開閉することができる。このため、アームの姿勢に影響されることなく、キャブの開口部を開放させて作業者がキャブに出入りすることが可能になる。さらに、フロントドアはキャブ内に収容可能であるので、作業具により作業が行われている場合でも、フロントドアをキャブ内に収容し、キャブの前側を開放させて外気をキャブ内に導入してキャブ内の環境を良い状態にすることができる。さらに、フロントドアが垂直に延びた状態において、下回転体部を上回転体部よりも車両後方側へずれた位置に配設し、上回転体部を上案内レールに係合させ、下回転体部を下案内レールに係合させることで、フロントドアの移動軌跡がセイフティーバー先端部の移動軌跡からより遠ざかる側を通るようにすることができ、案内レールの設計の自由度を広げることができる。
【0009】
また、本発明のキャブ構造においては、さらに、下回転体部はフロントドアの左右両端部の下端部よりも上方の中間位置に配設されているように構成されてもよい。
【0010】
上記構成のキャブ構造によれば、下回転体部をフロントドアの左右両端部の下端部よりも上方の中間位置に配設し、上回転体部を上案内レールに係合させ、下回転体部を下案内レールに係合させることで、フロントドアの移動軌跡がセイフティーバー先端部の移動軌跡から遠ざかる側を通るようにすることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態を図1から図7に基づいて説明する。本実施の形態は地盤を掘削したり掘削した土等を移動させる際に使用されるショベルローダの態様を示す。先ず、本発明に係わるキャブ構造を説明する前に、キャブを搭載したショベルローダについて説明する。ショベルローダ1は、図1に示すように、履帯3を有した走行装置5と、走行装置5を左右に一対取り付けた本体フレーム9と、本体フレーム9に取り付けられたローダ装置20と、本体フレーム9の前後方向の略中央部上に設けられたキャブ30とを有して構成されている。なお、走行装置5と本体フレーム9とを併せて、以下、「車両10」と記す。
【0012】
本体フレーム9の後部側の左右両側部には上方へ突出する一対の側部フレーム9aが形成されている。この側部フレーム9aに前述したローダ装置20が取り付けられている。ローダ装置20は一対の側部フレーム9aの上部内側にそれぞれ枢結された一対のアーム21と、一対のアーム21の先端部に上下に揺動自在に枢結されたバケット29と、一対のアーム21のそれぞれを起伏動させる起伏シリンダ23とを有して構成されている。アーム21は側部フレーム9aの上部から車両前方側に延びる直進部21aと、直進部21aの先端部から前方側に進むに従って暫時下方へ屈曲する屈曲部21bとを有してなり、直進部21aと屈曲部21bとは一体化されている。直進部21aの先端部と屈曲部21bの後端部との間には下方へ延びる段部21cが形成されている。この段部21cの下部に起伏シリンダ23のロッド側先端部が枢結され、起伏シリンダ23のシリンダチューブ側端部が側部フレーム9aの下部に枢結されている。このため、起伏シリンダ23が伸縮動すると、アーム21が上下に起伏動する。アーム21は車両前方側へ倒伏動して前後方向に延び、車両前側に傾斜してバケット29が接地された状態で格納される。
【0013】
一対のアーム21の屈曲部21b間には左右方向に延びる補強部材25が取り付けられている。この補強部材25はアーム21が格納された状態において、車両10の前方位置に位置している。
【0014】
次に、本発明の係わるキャブ30について説明する。車両10の前後方向の略中央部に設置されたキャブ30の左右方向の外側には前述した一対のアーム21が配設されている。キャブ30は、図2に示すように、箱状であり、車両前側が開口した開口部31を有し、左右方向に所定の間隔を有して上方へ延びる一対の側板部33と、一対の側板部33の上部間に掛け渡されるとともに、一対の側板部33の後端上部まで延びてキャブ30の上部及び後部を覆う天板部35とを有して構成されている。キャブ30の後端部には図1に示す本体フレーム9に枢結されてキャブ30を上下揺動自在に保持する枢結部37が取り付けられている。一対の側板部33には複数の孔部39が形成され、この孔部39を介してキャブ30内の空間部41と車外とが連通状態にされている。
【0015】
キャブ30の空間部41内には、図3に示すように、作業者Mが車両前側に向いた状態で座ることができるオペレータシート45が配設されている。このオペレータシート45の左右方向外側には車両前側に延びて上下に揺動自在なセイフティーバー49が配設されている。セイフティーバー49は、平面視において逆コ字状であり、その両端部がオペレータシート45の左右方向外側の側板部33に上下に揺動自在枢結され、オペレータシート45に作業者Mが座った状態で略水平方向に延びて作業者Mを保持する保持位置Hと、オペレータシート45の上方へ揺動して作業者Mの頭部の上方位置に格納される格納位置Kとの間で揺動可能に構成されている。
【0016】
オペレータシート45の前側の左右両端部には図1に示すローダ装置20の駆動を操作する操作装置14が配設されている。操作装置14は左操作レバー14aと右操作レバー14bとを有し、左操作レバー14aが傾動操作されると図1に示す走行装置5が作動し、右操作レバー14bが傾動操作されると図1に示すローダ装置20のアーム21が起伏動及びバケット29が掘削動作及び排土動作するように構成されている。
【0017】
オペレータシート45の前方には、図4に示すように、図2(a)に示す開口部31を覆って閉じるフロントドア51が設けられている。このフロントドア51は、スライド機構60を介して図2(a)に示す開口部31を覆って閉じるドア閉塞位置(図4の矢印Aで示す位置)とキャブ30内の空間部41の上部に略水平に延びた状態で格納されるドア格納位置(図4の矢印Dで示す位置)との間をスライド移動するように構成されている。スライド機構60については後述する。フロントドア51は、図5に示すように、図2(a)に示す開口部31と相似形をなす枠体部52と、枠体部52の内側に取り付けられた透明なガラス板53と、枠体部52の左右両端部の上部及び下部にそれぞれ設けられて左右方向に延びる回転中心軸線の回りを回転自在な上回転体部61及び下回転体部63とを有して構成されている。上回転体部61は枠体部52の左右両端部の上部に左右方向に突設された軸部に回転自在に装着され、一方、下回転体部63は枠体部52の左右両端部の下部に左右方向に突設された突出部55の先端に突設された軸部に回転自在に装着されている。なお、上回転体部61及び下回転体部63は前述したスライド機構60の一部を構成している。
【0018】
上回転体部61は、図5(a)に示す上下に延びる中心線Sを中央にして左右対称な位置に配設されている。但し、図5(b)に示すように、フロントドア51が垂直に延びた状態において、下回転体部63は上回転体部61よりも車両後方側(図5の上側)に所定距離Lだけずれた位置に配設されている。このずれ量とフロントドア51の移動軌跡との関係は後述する。なお、ガラス板53の前面にはワイパ56が上下に揺動自在に取り付けられ、ガラス板53の前面上部には前方へ突出する上部握手57が固着された状態で取り付けられている。さらに枠体部52の後面側の下部には左右方向に延びる下部握手58が固着された状態で取り付けられている。
【0019】
図6に示すように、キャブ30の左右一対の側板部33の内側にはスライド機構60の残りの部分を構成する案内レール65が取り付けられている。即ち、スライド機構60は図5に示す上回転体部61、下回転体部63及び案内レール65から構成されている。ここで、案内レール65は一対の側板部33の各内側上部に取り付けられて前後に延び、図5に示す上回転体部61と係合して上回転体部61の移動を案内する上案内レール66と、一対の側板部33の各内側前部に取り付けられて上下に延びて図5に示す下回転体部63と係合して下回転体部63の移動を案内する下案内レール69とを有して構成され、これら上案内レール66及び下案内レール69の断面形状は、図7(a)及び(b)に示すように、コ字状である。上案内レール66は、図6に示すように、先端が側板部33の内側上部の前端近傍位置に配設されてキャブ後部側に斜め上方へ傾斜して延びる傾斜部66aと、傾斜部66aの後端部から下方へ屈曲して上方に凸状を形成する凸部66bと、凸部66bの後端部で再び屈曲して水平方向に延びる水平部66cとを有して形成されている。一方、下案内レール69は、下端が側板部33の前端部下側に配設されてキャブ30の前端側に斜め上方へ延びた第1傾斜部69aと、第1傾斜部69aの上端部で屈曲して略垂直上方へ延びる垂直部69bと、垂直部69bの上端部で屈曲してキャブ内側に斜め上方へ延びて上案内レール66の先端部の下方近傍位置に延びる第2傾斜部69cとを有して形成されている。
【0020】
ここで、案内レール65の形状について図3(b)及び図4を用いてさらに詳述する。図4に示す上回転体部61を上案内レール66に係合させ、且つ下回転体部63を下案内レール69に係合させて、フロントドア51をドア閉塞位置(図4の矢印Aで示す位置)から上方へ引き上げると、上回転体部61は上案内レール66の傾斜部66aに沿って上方へ移動する。これと同時に下回転体部63が下案内レール69の第1傾斜部69aに沿ってキャブ前方側に移動しながら上方へ移動する。このときのフロントドア51の姿勢が図4の矢印Bで示されている。上案内レール66の傾斜部66aは、フロントドア51がドア閉塞位置Aから引き上げられて上回転体部61がセイフティーバー49の格納位置Kの近傍に移動したときに、フロントドア51の先端部がセイフティーバー49の先端部49aと接触しないように、傾斜部66aのキャビン後部側がセイフティーバー49の格納位置Kよりも上方位置を通っている。
【0021】
また、フロントドア51が図4の矢印Bで示す姿勢になるまでに、フロントドア51がセイフティーバー49の先端部の移動軌跡(以下、この軌跡を単に「セイフティーバー49の移動軌跡U」と記す。)の外側を通るように、下案内レール69の第1傾斜部69aはセイフティーバー49の移動軌跡Uから離反する側(車両前方側)に傾斜している。さらに、下回転体部63は突出部55を介して上回転体部61よりもキャビン内側にずれた位置に配設されているので、フロントドア51の移動軌跡はセイフティーバーの移動軌跡Uからより遠ざかる位置を移動する。
【0022】
矢印Bで示された姿勢にあるフロントドア51をさらに上方へ引き上げると、上回転体部61が上案内レール66の凸部66bに移動するとともに、下回転体部63が下案内レール69の垂直部69b内を上方に移動して、フロントドア51が矢印Cで示された姿勢になる。ここで、矢印Bで示された姿勢のフロントドア51を上方へ引き上げる場合、上回転体部61をキャブ後部側に水平方向に移動させるように上案内レール66が形成されていると想定すると、上回転体部61よりも後端側のフロントドア51の部分が格納位置Kに移動したセイフティーバー49の先端部49aに接近移動して、フロントドア51がセイフティーバー49に接触する虞が生じる。このため、上案内レール66にはフロントドア51をさらに上方へ移動させるための凸部66bが形成されている。
【0023】
また、フロントドア51が矢印Bから矢印Cで示す姿勢に至るまでに、フロントドア51がセイフティーバー49の移動軌跡Uの外側を通るようにするとともに、フロントドア51の傾斜角度をより小さくするため、下案内レール69には下回転体部63を垂直上方に移動させる垂直部69bが形成されている。また、下回転体部63は、前述したように突出部55を介して上回転体部61よりもキャビン内側にずれた位置に配設されているので、フロントドア51の移動軌跡はセイフティーバーの移動軌跡Uからより遠ざかる位置を移動する。
【0024】
矢印Cで示された姿勢にあるフロントドア51をさらに上方へ引き上げると、上回転体部61が上案内レール66の水平部66c内を移動し、且つ下回転体部63が下案内レール69の第2傾斜部69c内を移動して、フロントドア51が矢印Dで示された姿勢(略水平状態)になってキャブ30内に格納される。ここで、矢印Cで示された姿勢のフロントドア51をさらに上方へ引き上げる場合、水平部66cの上下位置がセイフティーバー49の格納位置Kよりも下方に配置されていると、上回転体部61が水平部66c内を移動しているときにフロントドア51の前後方向の中間部が格納位置Kに移動したセイフティーバー49の先端部49aに接触する虞が生じる。このため、上案内レール66の水平部66cはセイフティーバー49の格納位置Kよりも上方位置に配設されている。
【0025】
また、フロントドア51が矢印Cから矢印Dで示す姿勢に至るまでに、フロントドア51がセイフティーバー49の移動軌跡Uの外側を通るようにするとともに、フロントドア51が略水平状態になってキャブ30の空間部41の上部内に格納されるように、下回転体部63を上方へ移動させるとともに、キャブ30内側に移動させるため、下案内レール69の第2傾斜部69cは先端部が斜め上方へ延びるように形成されている。また、下回転体部63は、前述したように突出部55を介して上回転体部61よりもキャビン内側にずれた位置に配設されているので、フロントドア51の移動軌跡はセイフティーバーの移動軌跡Uからより遠ざかる位置を移動する。
【0026】
このように上回転体部61、下回転体部63及び案内レール65を有するスライド機構60を構成することで、フロントドア51をドア閉塞位置Aからドア格納位置Dまでスライド移動させると、フロントドア51はセイフティーバー49の移動軌跡Uの外側を通る。このため、フロントドア51がセイフティーバー49の先端部49aに接触することはなく、その結果として、セイフティーバー49の位置に拘わらずフロントドア51の開け閉めを行なうことができる。またフロントドア51はキャブ30の前側に配設されているので、図1に示すローダ装置20のアーム21の揺動位置に拘わらずフロントドア51を開け閉めすることができる。このため、アーム21の姿勢に影響されることなく、作業者のキャブ30への出入りが可能になる。さらに、フロントドア51はキャブ30内に収容可能であるので、図1に示すローダ装置20によって作業が行なわれている場合でも、フロントドア51をキャブ30内に収容して、キャブ30の前側を開放させた状態にすることができる。このため、外気をキャブ30内に導入して、キャブ30内の環境を良い状態にすることができる。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のキャブ構造によれば、フロントドアをキャブの車両前方側に形成された開口部に設け、このフロントドアをドア閉塞位置とドア格納位置との間をスライド移動可能にし、フロントドアの下端部が車両前側に迫り出した移動軌跡を描くようにすることで、フロントドアがセイフティーバーの先端部に接触することを防ぎ、セイフティーバーの位置に拘わらずフロントドアの開閉を行うことができる。また、フロントドアはキャブの前側に設けられているので、キャブの左右方向に配設された左右一対のアームの揺動位置に拘わらずフロントドアを開閉することができる。このため、アームの姿勢に影響されることなく、キャブの開口部を開放させて作業者がキャブに出入りすることが可能になる。さらに、フロントドアはキャブ内に収容可能であるので、作業具により作業が行われている場合でも、フロントドアをキャブ内に収容し、キャブの前側を開放させて外気をキャブ内に導入してキャブ内の環境を良い状態にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るキャブを搭載したショベルローダを示し、同図(a)はショベルローダの正面図を示し、同図(b)はショベルローダの左側面図を示す。
【図2】本発明に係るキャブを示し、同図(a)はキャブの正面図を示し、同図(b)はキャブの左側面図を示す。
【図3】本発明に係るキャブ内に設置されたセイフティーバーを示し、同図(a)は保持位置にあるセイフティーバーの平面図を示し、同図(b)はセイフティーバーの左側面図を示す。
【図4】本発明に係るキャブ内に設けられたフロントドアの移動軌跡を説明するためのキャブの側面図を示す。
【図5】本発明に係るキャブに設けられるフロントドアを示し、同図(a)はフロントドアの正面図を示し、同図(b)はフロントドアの左側面図を示す。
【図6】本発明に係るキャブ内に取り付けられた案内レールの側面図を示す。
【図7】本発明に係るキャブ内に取り付けられた案内レールを示し、同図(a)は図6のVI−VI矢視に相当する部分の断面図を示し、同図(b)は図6のVI’−VI’矢視に相当する部分の断面図を示す。
【符号の説明】
1 ショベルローダ(作業用車両)
10 車両
21 アーム
29 バケット(作業具)
30 キャブ
31 開口部
33 側板部(側壁部)
41 空間部
45 オペレータシート(運転席)
49 セイフティーバー
51 フロントドア
60 スライド機構
61 上回転体部
63 下回転体部
65 案内レール
66 上案内レール(上案内レール部)
69 下案内レール(下案内レール部)
A ドア閉塞位置
D ドア格納位置
H 保持位置
K 格納位置
M 作業者
Claims (2)
- 車両(10)の前後方向の略中央上部に設置された作業者搭乗用のキャブ(30)と、前記キャブから前記車両の後部における左右側部に基端部が上下揺動自在に枢結されて車両前側に延びる左右一対のアーム(21)と、前記左右一対のアームの先端部に取り付けられた作業具(29)とを有して構成され、
前記キャブは車両前側が開口する開口部(31)を有して箱状に構成され、
前記キャブの空間部(41)内に設けられて作業者が車両前側に向いた状態で座ることができる運転席(45)と、前記運転席に設けられて車両前側に延びて上下に揺動自在なセイフティーバー(49)とを備えて構成され、
前記セイフティーバーは、前記運転席に作業者が座った状態で前記作業者を保持する保持位置(H)と、前記運転席の上方へ揺動して格納される格納位置(K)との間で揺動自在に構成されてなる作業用車両(1)のキャブ構造であって、
前記キャブの前記開口部を覆って閉じるためのフロントドア(51)と、
前記開口部を覆って閉じるドア閉塞位置(A)と前記キャブ内の前記空間部の上部に略水平に延びた状態で格納されるドア格納位置(D)との間で前記フロントドアをスライド移動させるためのスライド機構(60)とを有して構成され、
前記スライド機構は、前記ドア閉塞位置と前記ドア格納位置との間をスライド移動させたときの前記フロントドアの下端部が車両前側に迫り出した移動軌跡を描くように構成され、
前記ドア閉塞位置と前記ドア格納位置との間をスライド移動させたときの前記フロントドアの移動軌跡が、前記保持位置と前記格納位置との間を揺動する前記セイフティーバーの先端部(49a)の移動軌跡(U)と交差しないように構成されており、
前記スライド機構は、
前記フロントドアの左右両端部の上部及び下部にそれぞれ設けられて左右方向に延びる回転中心軸線の回りを回転自在な上回転体部(61)及び下回転体部(63)と、
前記キャブの左右両側部に配設された一対の側壁部(33)の各内側上部に設けられて前後に延びて前記上回転体部と係合して前記上回転体部の移動を案内する上案内レール部(66)及び前記一対の側壁部の各内側前部に設けられて上下に延びて前記下回転体部と係合して前記下回転体部の移動を案内する下案内レール部(69)を有してなる案内レール(65)とを有して構成され、
前記フロントドアが垂直に延びた状態において、前記下回転体部は前記上回転体部よりも車両後方側へずれた位置に配設されていることを特徴とする作業用車両のキャブ構造。 - 前記下回転体部は、前記フロントドアの左右両端部の下端部よりも上方の中間位置に配設されていることを特徴とする請求項1記載の作業用車両のキャブ構造。
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