JP4183965B2 - 硬質ポリウレタンフォームの製造方法 - Google Patents
硬質ポリウレタンフォームの製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4183965B2 JP4183965B2 JP2002112140A JP2002112140A JP4183965B2 JP 4183965 B2 JP4183965 B2 JP 4183965B2 JP 2002112140 A JP2002112140 A JP 2002112140A JP 2002112140 A JP2002112140 A JP 2002112140A JP 4183965 B2 JP4183965 B2 JP 4183965B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- rigid polyurethane
- stock solution
- solution composition
- foaming
- polyurethane foam
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、製造ラインで連続的に生産される硬質ポリウレタンスラブフォームの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
硬質ポリウレタンスラブフォームは、一般的にはクラフト紙、フィルム、金属箔等の下面材を原反より巻き戻して連続的に供給し、この下面材上にポリオール成分とイソシアネート成分とをミキシングヘッドにて混合した発泡原液組成物を撒布、供給して発泡原液組成物層を形成し、この発泡原液組成物層の上に下面材と同じか又は異なる材料にて形成された上面材を供給し、加熱して発泡、硬化させることにより製造されている。連続体として形成された硬質ポリウレタンスラブフォームは、適宜所定長さに裁断され、さらに所定厚み、形状に裁断されて断熱材等の用途に供される。
【0003】
上記の製造工程においては、裁断による幅方向のスクラップの発生を低減するために、断面図にて図1に示したように、発泡原液組成物の撒布前もしくは撒布後上面材を供給する前に、下面材12を折り曲げて断面長方形の容器形状とし、上面材14は硬質ポリウレタンフォーム10の上面を覆うように供給され、上下をダブルコンベアにより挟持し、左右側面をローラーにて押さえつつ発泡硬化が行われ、断面がほぼ長方形ないし正方形であり、ほぼ全周が面材にて被覆された状態で硬質ポリウレタンスラブフォームが連続的に形成され、適宜の長さに裁断されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、硬質ポリウレタンフォームの表面は、硬化反応と発泡、硬化後の冷却により収縮を起こし、フォームのショルダー部であって面材で補強されていない下面材と上面材の近接部(図1の円内P部)において、図2(図1におけるP部の拡大図)にて示したように、フォームにクラックが発生する場合がある。係るクラックの発生により、大きな裁断ロスが発生したり、所定サイズの硬質ポリウレタンフォームパネルが製造できないという問題が発生する。
【0005】
近年、発泡剤であるフロンがオゾン層破壊等を引き起こすことから、発泡剤として水を使用することが求められており、水を発泡剤とした硬質ポリウレタンフォームについてはとりわけクラック発生が起こりやすいという問題がある。
【0006】
本発明の目的は、水を発泡剤の一成分として使用した場合であっても上記のようなクラックを生じない硬質ポリウレタンフォームの製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の硬質ポリウレタンフォームの製造方法は、連続的に供給される下面材上に水を発泡剤の一成分とする発泡原液組成物を撒布、供給して発泡原液組成物層を形成する原液組成物撒布工程、前記発泡原液組成物層の上に上面材を供給して発泡原液組成物積層体とする上面材供給工程、前記発泡原液組成物積層体を加熱して発泡硬化させて硬質ポリウレタンフォームとする発泡工程、前記硬質ポリウレタンフォームの周囲に、長さ方向に間欠的に裁断位置又はその隣接位置に帯状体を巻回固定する帯状体巻回工程、及び前記硬質ポリウレタンフォームを裁断する裁断工程を有することを特徴とする。
【0008】
連続的に生産され、加熱のためのオーブンなどから送り出されてくる硬質ポリウレタンスラブフォームの周囲を帯状体を巻回固定することにより、上面材と下面材との境界部において発生するフォームのクラックの発生が防止される。
【0009】
帯状体は連続的に生産される硬質ポリウレタンスラブフォームにおいて、長さ方向に間欠的に巻き付けるだけでよい。
【0010】
上述の製造方法において、前記帯状体は粘着テープであることが好ましい。
【0011】
帯状体として、樹脂テープや紐を使用してもよいが、粘着テープの使用により、巻き付け、貼着するだけで、特に縛り付ける作業が不要であり、帯状体巻回工程が簡便に行える。
【0012】
本発明の硬質ポリウレタンフォームの製造方法は、連続的に供給される下面材上に水を発泡剤の一成分とする発泡原液組成物を撒布、供給して発泡原液組成物層を形成する原液組成物撒布工程、前記発泡原液組成物層の上に上面材を供給して発泡原液組成物積層体とする上面材供給工程、前記発泡原液組成物積層体を加熱して発泡硬化させて硬質ポリウレタンフォームとする発泡工程、前記硬質ポリウレタンフォームの長さ方向に間欠的に裁断位置又はその隣接位置に前記下面材上端部と上面材の端部とを粘着テープにて貼着固定する粘着テープ貼着工程、及び前記硬質ポリウレタンフォームを裁断する裁断工程を有することを特徴とする。
【0013】
係る構成によっても、上面材と下面材との境界部において発生するフォームのクラックの発生が防止される。
【0014】
粘着テープによる貼着固定は、上述の発明と同様に連続的に生産される硬質ポリウレタンスラブフォームに対して、長さ方向に間欠的に行うだけでよい。
【0015】
上述のいずれの製方法においても、硬質ポリウレタンフォームの発泡剤はHFCないしHCFCに加えて水を1成分とするものであることが好ましい。
【0016】
本発明にいう硬質ポリウレタンフォームは、ウレタン結合とウレア結合にて重合体が形成された通常の硬質ポリウレタンフォームであってもよく、イソシアヌレート結合をも重合体を形成する結合して含むイソシアヌレートフォームであってもよい。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図3は、発泡工程を終了して加熱装置から送り出されてきた硬質ポリウレタンスラブフォームの一部を示したものであり、図4はX−Xの断面図である。該硬質ポリウレタンスラブフォームは硬質ポリウレタンフォーム10と下面材12、上面材14にて構成されており、帯状体16が連続的に送り出される長さ方向に所定の間隔をおいて、間欠的に巻き付けられている。
【0018】
帯状体16の間隔は特に限定されるものではなく、狭くてもよいが、間隔が大きすぎるとクラックが発生する。帯状体16の間隔は、1.0m以下であることが好ましい。ただし、等間隔である必要はない。帯状体16の貼着位置は、裁断して得られるパネル状の硬質ポリウレタンフォームの裁断端部とその間であることが好ましい。かかる構成により、裁断時のクラック発生が防止できる。
【0019】
帯状体は、公知の樹脂製ないし繊維製のリボン、紐、テープ、ロープ等が限定なく使用可能であるが、上述のように粘着テープの使用が好ましい。
【0020】
図5は、下面材12の上端部と上面材14の端部とを粘着テープ20にて貼着固定した例を示したものである。
【0021】
図6は、連続生産される硬質ポリウレタンフォームに粘着テープ20を貼着し、裁断してパネル状のフォームを製造する例を示したものである。図6(a)は裁断位置に粘着テープを隣接して貼着し、その間で裁断する例である。また図6(b)は、裁断位置に幅の広い粘着テープを貼着し、その幅の中央部近傍で裁断する例である。これらの方法により、端部に帯状体が設けられたフォームが得られる。いずれのパネル状のフォームにおいても、中央部に粘着テープ20が巻回、貼着されている。
【0022】
図3〜図5において使用する粘着テープは、特に限定されるものでなく、クラフト紙の片面に粘着剤を塗布したクラフトテープ(紙粘着テープ)、樹脂フィルムの片面に粘着剤を塗布した粘着テープ、織布と樹脂フィルムの複合フィルムに粘着剤を塗布した粘着テープなどが例示される。テープの幅は特に限定されるものではないが、10mm〜200mm程度であることが取り扱い上好ましい。使用するテープの幅は貼着位置により異なってもよい。
【0023】
帯状体巻回工程、粘着テープ貼着工程は、手作業で行ってもよく、機械的に行ってもよい。機械的に行う場合には、巻き取った粘着テープを硬質ポリウレタンスラブフォームの周囲に設置したガイドを移動させてフォームに巻き付け、或いは貼着する方法が例示される。
【0024】
上述の発泡原液組成物の撒布は、トラバース方式にて行ってもよく、ミキシングヘッドにて混合された組成物を、流路を分岐させて直線状に配列された吐出孔から供給するいわゆるトーナメントノズル方式にて行ってもよい。
【0025】
【実施例】
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例等について説明する。
下面材、上面材共に100g/m2 のクラフト紙を使用し、硬質ポリウレタンフォーム原液組成物として、ソフラン原液P−201−5(イソシアネート成分)/314−57C(ポリオール成分)の組合せ(東洋ゴム工業製)を使用し、幅1080mm,厚さ350mmの硬質ポリウレタンスラブフォームを製造した。この硬質ポリウレタンフォーム原液組成物の発泡剤は、ポリオール成分中のポリオール化合物100重量部に対して発泡剤としてHCFC−141bを12.0重量部、水を1.0重量部含有するものであった。
【0026】
発泡工程においては、上下方向に厚みを規制するダブルコンベアを、また左右方向に幅を規制するローラーを備えたオーブンを使用し、40℃にて加熱、発泡硬化した。
【0027】
オーブンを出たところで0.6m間隔で幅50mmの市販の紙粘着テープを手作業にてフォームの周囲に巻き付けた。次いで長さ2mとなるようにカッターにて裁断した。
【0028】
得られた硬質ポリウレタンフォームの下面材と上面材の境界部には、クラックは全く認められなかった。
【0029】
比較のために紙粘着テープを巻き付けずに製造したフォームには、下面材と上面材の境界部において深さが0.3m程度のクラックの発生が認められた。
【図面の簡単な説明】
【図1】断面視にて容器状に折り曲げられた下面材と平坦な上面材とを備えた硬質ポリウレタンスラブフォームの断面図
【図2】図1に示した硬質ポリウレタンスラブフォームの下面材上端部と上面材の境界部Pに発生したクラックを示した図
【図3】連続生産される硬質ポリウレタンスラブフォームに、帯状体を間欠的に巻き付けた状態を示した図
【図4】帯状体を間欠的に巻き付けた硬質ポリウレタンスラブフォームの断面図
【図5】連続生産される硬質ポリウレタンスラブフォームの下面材上端部と上面材端部を粘着テープで貼着固定した状態を示した斜視図
【図6】裁断端部に粘着テープを巻回貼着した例を示した図
【符号の説明】
10 硬質ポリウレタンフォーム
12 下面材
14 上面材
16 帯状体
Claims (3)
- 連続的に供給される下面材上に水を発泡剤の一成分とする発泡原液組成物を撒布、供給して発泡原液組成物層を形成する原液組成物撒布工程、前記発泡原液組成物層の上に上面材を供給して発泡原液組成物積層体とする上面材供給工程、前記発泡原液組成物積層体を加熱して発泡硬化させて硬質ポリウレタンフォームとする発泡工程、前記硬質ポリウレタンフォームの周囲に、長さ方向に間欠的に裁断位置又はその隣接位置に帯状体を巻回固定する帯状体巻回工程、及び前記硬質ポリウレタンフォームを裁断する裁断工程を有する硬質ポリウレタンフォームの製造方法。
- 前記帯状体が粘着テープである請求項1に記載の硬質ポリウレタンフォームの製造方法。
- 連続的に供給される下面材上に水を発泡剤の一成分とする発泡原液組成物を撒布、供給して発泡原液組成物層を形成する原液組成物撒布工程、前記発泡原液組成物層の上に上面材を供給して発泡原液組成物積層体とする上面材供給工程、前記発泡原液組成物積層体を加熱して発泡硬化させて硬質ポリウレタンフォームとする発泡工程、前記硬質ポリウレタンフォームの長さ方向に間欠的に裁断位置又はその隣接位置に前記下面材上端部と上面材の端部とを粘着テープにて貼着固定する粘着テープ貼着工程、及び前記硬質ポリウレタンフォームを裁断する裁断工程を有する硬質ポリウレタンフォームの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002112140A JP4183965B2 (ja) | 2002-04-15 | 2002-04-15 | 硬質ポリウレタンフォームの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002112140A JP4183965B2 (ja) | 2002-04-15 | 2002-04-15 | 硬質ポリウレタンフォームの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003305735A JP2003305735A (ja) | 2003-10-28 |
JP4183965B2 true JP4183965B2 (ja) | 2008-11-19 |
Family
ID=29394734
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002112140A Expired - Fee Related JP4183965B2 (ja) | 2002-04-15 | 2002-04-15 | 硬質ポリウレタンフォームの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4183965B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CA2679240C (en) * | 2007-02-28 | 2016-02-02 | Basf Se | Process for producing composite elements based on foams based on isocyanate |
-
2002
- 2002-04-15 JP JP2002112140A patent/JP4183965B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2003305735A (ja) | 2003-10-28 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CA1271118A (en) | Adhesive tapes having foamed backing | |
EP2223002B1 (en) | Pre-applied protective jacketing to grooved insulation | |
KR100964142B1 (ko) | 방수층 보호시트 제조장치 | |
JP4183965B2 (ja) | 硬質ポリウレタンフォームの製造方法 | |
JP2011106112A (ja) | 断熱パネル及びその製造方法 | |
KR101970305B1 (ko) | 방수층 보호재 연속 제조장치 및 제조방법 | |
JP4005349B2 (ja) | ハニカム芯材の製造方法及び製造装置 | |
FR2565522A1 (fr) | Procede de fabrication d'un article en mousse renforcee de fibres | |
JPH0569689B2 (ja) | ||
JP4199098B2 (ja) | 真空断熱パネルの製造方法 | |
JP3787501B2 (ja) | 壁面の断熱層施工法 | |
JP2557901B2 (ja) | 建築用断熱パネル及びその連続製造方法 | |
US7862669B2 (en) | Method of insulation formation and application | |
KR20170130235A (ko) | 단열보드 제조방법 및 이 제조방법으로 제조된 단열보드 | |
JP2928444B2 (ja) | ポリスチレン系樹脂発泡板断熱材を用いた構築物への断熱施工方法 | |
JP2005132042A (ja) | 硬質発泡ポリウレタンスラブの製造方法とその製造装置 | |
JP2008307824A (ja) | サンドイッチパネルの製造方法 | |
KR102125648B1 (ko) | 디스플레이 패널 부착용 폼패드 스트립의 제조장치 | |
JPS6245807B2 (ja) | ||
JP3790907B2 (ja) | サイディングボードの製造装置 | |
JP2005132046A (ja) | 硬質発泡ポリウレタンスラブの製造方法と製造装置 | |
JP2008238551A (ja) | サンドイッチパネル製造設備及びサンドイッチパネル製造方法 | |
JPS5933115B2 (ja) | 硬質面材サンドイツチパネルの製造方法 | |
JPS6224028B2 (ja) | ||
JP2006316422A (ja) | 硬質ポリウレタンフォーム断熱材用表面材及び硬質ポリウレタンフォーム断熱層の施工方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050408 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20061220 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070223 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070423 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20071211 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20080208 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20080220 |
|
A911 | Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20080225 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20080902 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20080903 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110912 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |