JP4183812B2 - シートベルト支持装置 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、車体に装備されたシートベルト装置のベルトを移動可能に支持するために使用されるシートベルト支持装置、いわゆるローラースルーアンカー、あるいはスルーリング等に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、自動車等の乗り物の座席には、乗員の安全を図るために、シートベルト装置が取付けられている。このシートベルト装置では、座席に着座した乗員を保護するベルト(ウエビング)の一端が、センターピラーの下方に設けられた巻取装置に連結され、他端が、当該側壁に設けられたアンカープレートに固定されている。さらに、このベルトには、タングプレートが移動自在に設けられており、このタングプレートを、前記座席を挟んで車体床部に設けられたバックル装置に着脱自在に係合することで、ベルトの装着・装着解除を行っている。
【0003】
このベルトは、前記センターピラー上部に固定又は回転可能に支持されたシートベルト支持装置によって、乗員の肩拘束部から巻取装置に至るベルト中間部が挿通自在に支持されている。この従来のシートベルト装置では、前記巻取装置から上方に延出したベルトがシートベルト支持装置によって折り返されるように案内されており、これによってベルトの方向を前方の乗員側に変えている。
【0004】
この従来のシートベルト支持装置は、ベルトが当接して摺動する面と、該ベルトとの間に滑り抵抗が生じるため、ベルトを引出す際にベルトが重くなり、またベルトを巻取る力が弱くなる傾向がある。
【0005】
そこで、このような問題を解決するため、近年では、ベルトが当接する部分を、シートベルト支持装置の本体に対し回転可能なローラから構成したものが種々提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記ベルトが当接する部分をローラから構成した従来のシートベルト支持装置は、ベルトの引出し及び巻取り性は向上するが、その反面、例えば、ベルトがローラの回転により横方向にズレ、片側に寄せられる、いわゆる「ジャミング現象」が起こる虞がある。
【0007】
本発明は、このような従来の問題点を解決することを課題とするものであり、通常時におけるベルトの引出し及び巻取り性を向上すると共に、ベルトに所定値以上の張力が加わっても、ジャミング現象を発生しにくくすることが可能なシートベルト支持装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、本発明は、車体に装備されたシートベルト装置のベルトを移動可能に挿通させる挿通穴と、当該挿通穴に挿通されるベルトが当接する当接面と、を備えたシートベルト支持装置であって、前記当接面は、前記ベルトが転がり接触可能な転がり接触面と、前記ベルトが滑り接触可能な滑り接触面と、を備え、通常の使用条件では、前記転がり接触面が前記滑り接触面より突出して前記ベルトに接触し、前記ベルトに所定値以上の張力が加わった際には、前記滑り接触面が前記転がり接触面と同じ高さ、あるいは該転がり接触面より突出して前記ベルトに接触するシートベルト支持装置を提供するものである。
【0009】
この構成を備えたシートベルト支持装置は、通常の使用条件下では、転がり接触面がベルトに接触するため、該ベルトを引出す、または巻取る際にベルトと当接面(転がり接触面)との間に生じる摩擦抵抗が小さくなる。したがって、ベルトの良好な引出し及び巻取りを行うことができる。
【0010】
一方、例えば、車両衝突事故などの衝撃によって、前記ベルトに所定値以上の張力が加わった際には、滑り接触面がベルトに接触するため、ベルトと当接面(主に滑り接触面)との間に生じる摩擦抵抗が大きくなり、ベルトにジャミング現象が生じることを防止できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態に係るシートベルト支持装置について図面を参照して説明する。
【0012】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係るシートベルト支持装置を示す正面図であり、通常状態を示す図、図2は、図1に示すシートベルト支持装置の一部断面図、図3は、図2の側面図、図4は、実施の形態1に係るシートベルト支持装置を示す正面図であり、車両衝突事故などの衝撃によって、前記ベルトに所定値以上の張力が加わった状態を示す図、図5は、図4に示すシートベルト支持装置の一部断面図、図6は、図5の側面図、図7は、実施の形態1に係るシートベルト支持装置の本体(スルー)を示す平面図、図8は、図7に示す本体の側面図、図9は、実施の形態1に係るシートベルト支持装置の一部組立分解図である。
【0013】
図1〜図9に示すように、実施の形態1に係るシートベルト支持装置1は、車体に装備されたシートベルト装置(図示せず)のベルト10を移動可能に挿通可能な開口部12(図7参照)が形成された本体11と、本体11の開口部12内にその一部が設けられて、前記挿通されたベルト10が挿通する挿通穴24を画定すると共に、ベルト10を当接させて案内する当接部13と、を備えて構成されている。
【0014】
本体11は、特に図7に示すように、正面から見て略五角形の略ホームベース形状を備えたプレートから構成されている。この本体11は、その略中央部にベルト10が挿通可能な略四角形の開口部12が形成されており、ここに後に詳述する当接部13の一部が位置される。また、本体11の開口部12に連通する下部と両側(図1では左右方向)には、当接部13を収納・支持するための空間15が形成された収納部14が設けられている。すなわち、本体11は、図8に示すように側面から見ると、下部が空間15を画定するように略長方体状に広げられた形状を備えている。
【0015】
また、本体11の上部略中央部には、シートベルト支持装置を、図示しない車体のボディ等に回動可能に固定するための螺子やボルト等が挿入される固定穴16が形成されている。さらに、固定穴16の下には、後に詳述する上部当接部21を固定するための固定穴17が形成されている。
【0016】
当接部13は、特に図9に示すように、上部当接部21と、下部当接部22と、を備えて構成されている。この当接部13は、特に図9に示すように、下部当接部22を本体11の空間15に挿入した後、上部当接部21を嵌め込むことで、下部当接部22の構成要素であるローラガイド28が本体11から外れない構造となっている。
【0017】
上部当接部21は、挿通するベルト10の上面に当接して、ベルト10をガイドするものであり、後に詳述する下部当接部22と組み合わされて、ベルト10が挿通する挿通穴24を画定する。この上部当接部21は、後に詳述する下部当接部22を本体11の収容部14に固定するよう、下部当接部22上に当接した状態で配置される。この上部当接部21は、その上部略中央部に設けられた固定部材23によって、本体11に固定される。
【0018】
下部当接部22は、3個のローラ25a、25b及び25cと、ローラ25a、25b及び25cの中心を貫通し、ローラ25a、25b及び25cを支持する軸26と、軸26の両端を支持する軸受27a及び27bと、軸26が上下方向に移動可能に貫通されると共に、ローラ25a、25b及び25cを軸方向にガイドするローラガイド28と、軸受27a及び27bを上方に押上げるばね29と、を備えて構成されている。
【0019】
ローラ25a、25b及び25cは、ベルト10の幅方向に所定の間隔をおいて軸26に配設されている。このローラ25a、25b及び25cは、ローラ25aから25cまでの長さがベルト10の幅より短くなるように配置されている。また、このローラ25a、25b及び25cは、軸受27a及び27bに支持された軸26のまわりを回転する。
【0020】
なお、ローラ25a、25b及び25cが軸26と一体とされ、軸26が軸受27a及び27bに対し回転するようになっていても勿論差し支えない。
【0021】
ローラガイド28は、軸27が貫通する上下方向に長く開口された長穴30と、ローラ25a、25b及び25cが上下方向に移動可能に収容される収容部31a、31b及び31cが形成されている。このため、後に詳述するが、車両衝突事故などの衝撃によって、ベルト10に所定以上の張力がかかり、ばね29が下方に撓んだ際に、軸26及びローラ25a、25b及び25cが下方に移動できるようになっている。また、ローラガイド28の上面32(挿通穴24に面した面)は、略水平な面となっている。
【0022】
この下部当接部22は、通常状態では、特に図2及び図3に示すように、ばね29によって軸受27a及び27bが上方に押上げられているため、軸26は、ローラガイド28の長穴30の上部に位置した状態になる。このため、この軸26を貫通しているローラ25a、25b及び25cは、ローラガイド28の上面32より上方に突出した状態になっている。
【0023】
一方、車両衝突事故などの衝撃によって、ベルト10に所定以上の張力がかかり、ばね29の両端が下方に沈んだ際には、軸受27a及び27bが下方に下げられ、軸26は、ローラガイド28の長穴30の下部に位置した状態になる。このため、この軸26を貫通しているローラ25a、25b及び25cは、特に図4〜図6に示すように、ローラガイド28の上面32と同じ高さになる。
【0024】
次に、この構成を備えたシートベルト支持装置1の具体的動作について説明する。
【0025】
通常状態で、ベルト10を引出す、または巻取る際には、ローラ25a、25b及び25cが、ローラガイド28の上面32より挿通穴24側に突出しているため、ベルト10は、主に、ローラ25a、25b及び25cに転がり接触する。また、ローラ25a、25b及び25cは、ローラ25aから25cまでの長さがベルト10の幅より短くなるように配置されているため、ベルト10は、これらのローラ25a、25b及び25cと確実に転がり接触することができる。したがって、ベルト10の引出し及び巻取りの際に生じる摩擦力が低く抑えられるので、スムーズなベルトの引出し、巻取りが行える。
【0026】
一方、車両衝突事故などの衝撃によって、ベルト10に所定以上の張力がかかった際には、ベルト10が、ローラ25a、25b及び25cに圧力をかけるため、軸26が軸受27a及び27bを下方に押圧し、これによってばね29が押し下げられる。この結果、ローラ25a、25b及び25cは、特に図4〜図6に示すように、ローラガイド28の上面32と同じ高さになるため、ベルト10は、ローラガイド28の上面32及びローラ25a、25b及び25cの両方に接触することになる。したがって、ベルト10の引出しの際に生じる摩擦力が、前述した通常状態に比べ、滑り摩擦の分、大きくなるため、ジャミング現象を発生しにくくすることができる。
【0027】
なお、実施の形態1では、車両衝突事故などの衝撃によって、ベルト10に所定以上の張力がかかった際に、ローラ25a、25b及び25cと、ローラガイド28の表面32とが同じ高さになるように構成したが、これに限らず、ローラ25a、25b及び25cは、ローラガイド28の表面32より下がった状態、すなわち、ローラガイド28の表面32の方が、ローラ25a、25b及び25cより、挿通穴24側に突出した状態となるようにしてもよい。このようにすることで、ベルト10に所定以上の張力がかかった際には、ベルト10がローラガイド28の表面32に滑り接触することになり、ベルト10の摩擦抵抗が大きくなり、ジャミング現象の発生をさらに防ぐことができる。
【0028】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2に係るシートベルト支持装置について、図面を参照して説明する。
【0029】
図10は、実施の形態2に係るシートベルト支持装置の一部断面図であって、通常状態を示す図である。
【0030】
なお、実施の形態2では、実施の形態1に係るシートベルト支持装置1と同様の部材には、同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0031】
実施の形態2に係るシートベルト支持装置2の、実施の形態1に係るシートベルト支持装置1と異なる点は、下部当接部の構成要素であるローラを軸の中央部に1ヶ所設置した点である。
【0032】
すなわち、実施の形態2に係る下部当接部33は、図10に示すように、1個のローラ35と、ローラ35の中心を貫通し、ローラ35を支持する軸26と、軸26の両端を支持する軸受27a及び27bと、軸26が上下方向に移動可能に貫通されると共に、ローラ35を軸方向にガイドするローラガイド37と、軸受27a及び27bを上方に押上げるばね29と、を備えて構成されている。
【0033】
ローラ35は、ベルト10の幅方向の略中央に位置するように、軸26の中央部に配設されている。このローラ35は、軸受27a及び27bに支持された軸26の回転によって回転する。
【0034】
ローラガイド37は、実施の形態1で説明した収容部31a、31b及び31cの代わりに、ローラ35を上下方向に移動可能に収容する収容部36が、ベルト10の幅方向中央部に形成されている以外は、実施の形態1に係るローラガイド28と同様の構成を備えている。
【0035】
この下部当接部33は、通常状態では、実施の形態1に係るシートベルト支持装置1と同様に、ローラ35がローラガイド37の上面38より上方に突出した状態になっている。また、車両衝突事故などの衝撃によって、ベルト10に所定以上の張力がかけられた際には、ローラ35がローラガイド37の上面38と同じ高さになるよう下げられる。
【0036】
したがって、通常状態で、ベルト10を引出す、または巻取る際には、ベルト10は、主に、ローラ35に転がり接触するため、ベルト10の引出し及び巻取りの際に生じる摩擦力が低く抑えられるので、スムーズなベルトの引出し、巻取りが行える。
【0037】
一方、車両衝突事故などの衝撃によって、ベルト10に所定以上の張力がかかった際には、ベルト10が、ローラ35に圧力をかけるため、軸26が軸受27a及び27bを下方に押圧し、これによってばね29が押し下げられる結果、ローラ35がローラガイド37の上面38と同じ高さになる。このため、ベルト10は、ローラガイド37の上面38とローラ35の両方に接触することになる。したがって、ベルト10の引出しの際に生じる摩擦力が、前述した通常状態に比べ大きくなるため、ジャミング現象を発生しにくくすることができる。
【0038】
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3に係るシートベルト支持装置について、図面を参照して説明する。
【0039】
図11は、実施の形態3に係るシートベルト支持装置の一部断面図であって、通常状態を示す図である。
【0040】
なお、実施の形態3では、実施の形態1に係るシートベルト支持装置1と同様の部材には、同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0041】
実施の形態3に係るシートベルト支持装置3の、実施の形態1に係るシートベルト支持装置1と異なる点は、下部当接部の構成要素であるローラを軸の一端側に1ヶ所と、中央部に1ヶ所設置した点である。
【0042】
すなわち、実施の形態3に係る下部当接部43は、図11に示すように、2個のローラ45a及び45bと、ローラ45a及び45bの中心を貫通し、ローラ45a及び45bを支持する軸26と、軸26の両端を支持する軸受27a及び27bと、軸26が上下方向に移動可能に貫通されると共に、ローラ45a及び45bを軸方向にガイドするローラガイド47と、軸受27a及び27bを上方に押上げるばね29と、を備えて構成されている。
【0043】
ローラ45aは、ベルト10の幅方向の一方の端部に位置するように、軸26の一端側に配設されている。また、ローラ45bは、ベルト10の幅方向中央部から他方の端部側に若干ずれた部分に位置するように、軸26の中央部より他端側に配設されている。この構成により、ベルト10の幅方向他端部は、通常状態では、ローラガイド47の上面48に接触し、この部分は滑り接触することになる。これらのローラ45a及び45bは、軸受27a及び27bに支持された軸26に支持されて回転する。
【0044】
ローラガイド47は、実施の形態1で説明した収容部31a、31b及び31cの代わりに、ローラ45a及び45bを上下方向に移動可能に収容する収容部46a及び46bが形成されている以外は、実施の形態1に係るローラガイド28と同様の構成を備えている。
【0045】
この下部当接部43は、通常状態では、実施の形態1に係るシートベルト支持装置1と同様に、ローラ45a及び45bがローラガイド47の上面48より上方に突出した状態になっている。また、車両衝突事故などの衝撃によって、ベルト10に所定以上の張力がかけられた際には、ローラ45a及び45bがローラガイド47の上面48と同じ高さになるよう下げられる。
【0046】
この構成を備えたシートベルト支持装置3は、通常状態で、ベルト10を引出す、または巻取る際には、ベルト10の幅方向他端部は、ローラガイド47の上面48に滑り接触し、それ以外のローラ45a及び45bと接触している部分は、転がり接触する。このため、ベルト10の幅方向他端部は、摩擦抵抗が大きくなるため、こちら側でジャミング現象が起こりにくくすることができる。
【0047】
ここで、ジャミング現象は、シートベルト支持装置の取付け位置によって、車両の前方側に起き易いか、後方側に起き易いかが決まる。このため、ジャミング現象が起き易い側のベルト10の摩擦抵抗を、前述のような態様で大きくすることで、このジャミング現象を防止することができる。
【0048】
なお、図12は、ベルト10の一端側(図11とは反対側)が、ローラガイド47の上面48と滑り接触するように構成した例であるが、その基本的な構造は、図11に示すシートベルト支持装置3と同様であるため、その説明は省略する。
【0049】
このように、図11及び図12に示す2種類のシートベルト支持装置を用意することで、ジャミング現象の起こる方向に応じて、シートベルト支持装置を選択して車体に取付けることができ、さらに効果的なジャミング現象を起こりにくくする効果を得ることができる。
【0050】
一方、車両衝突事故などの衝撃によって、ベルト10に所定以上の張力がかかった際には、前述した実施の形態1と同様に、ローラ45a及び45bがローラガイド47の上面48と同じ高さになり、ベルト10が滑り接触する面積が増加するため、ベルト10の引出しの際に生じる摩擦力が、前述した通常状態に比べ大きくなる。さらに、ジャミング現象が起き易い側の摩擦力が、実施の形態1に係るシートベルト支持装置1より大きくなっているため、さらにジャミング現象の発生を防ぐことができる。
【0051】
(実施の形態4)
次に、本発明の実施の形態4に係るシートベルト支持装置について、図面を参照して説明する。
【0052】
図13は、実施の形態4に係るシートベルト支持装置の正面図であって、通常状態を示す図、図14は、実施の形態4に係るシートベルト支持装置を示す正面図であり、車両衝突事故などの衝撃によって、前記ベルトに所定値以上の張力が加わった状態を示す図である。
【0053】
なお、実施の形態4では、実施の形態1に係るシートベルト支持装置1と同様の部材には、同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0054】
実施の形態4に係るシートベルト支持装置4の、実施の形態1に係るシートベルト支持装置1と異なる点は、ローラガイド28の上面32のベルト10が接触可能な部分に、複数の細かい凹凸50を形成し、この部分の摩擦係数を大きくした点である。
【0055】
この構成を備えたシートベルト支持装置4は、通常状態では、実施の形態1に係るシートベルト支持装置1と同様の動作を示す。
【0056】
また、車両衝突事故などの衝撃によって、ベルト10に所定以上の張力がかかった際にも、同様の動作を示すが、ベルト10が滑り接触する部分の摩擦係数が大きくなっているため、及び、凹凸により横方向へのベルトのズレに対する抵抗が大きくなっているため、より一層ジャミング現象を発生しにくくすることができる。
【0057】
なお、実施の形態4では、ローラガイド28の上面32のベルト10が接触可能な部分に、複数の細かい凹凸50を形成した場合について説明したが、これに限らず、凹凸50は、ローラガイド28の上面32のジャミング現象が起こり易い側にのみ形成してもよい。
【0058】
また、凹凸50を形成する代わりに、摩擦力付与剤を塗布してもよく、ローラガイド28自身を高い摩擦材料で形成するなど、ローラガイド28の上面32の摩擦係数を向上させる種々の方法を採用することができる。
【0059】
さらにまた、図15に示すように、ローラ25a、25b及び25cの表面に、軸26の軸線方向と直交する溝51を形成し、ローラ25a、25b及び25cの表面の摩擦抵抗を大きくすると共に、ベルトの横方向へのズレに対する抵抗を大きくすることで、ジャミング現象を発生しにくくすることができる。
【0060】
また、ローラ25a、25b及び25cの表面の摩擦抵抗を大きくする方法としては、前述の溝51の形成の他、ローラ表面に摩擦力付与剤を塗布してもよく、ローラ自身を高い摩擦材料で形成するなど、種々の方法を採用することができる。
【0061】
実施の形態4に係る構成は、他の実施の形態で説明した構成のシートベルト支持装置に組み合わせることも可能であることは勿論である。
【0062】
(実施の形態5)
次に、本発明の実施の形態5に係るシートベルト支持装置について、図面を参照して説明する。
【0063】
図16は、実施の形態5に係るシートベルト支持装置の一部断面図であって、通常状態を示す図である。
【0064】
なお、実施の形態5では、実施の形態1及び2に係るシートベルト支持装置と同様の部材には、同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0065】
実施の形態5に係るシートベルト支持装置5の、実施の形態2に係るシートベルト支持装置2と異なる点は、車両衝突事故などの衝撃によって、ベルト10に所定以上の張力がかかり、ローラ35が下げられた際に、ローラ35の回転が阻止される点である。
【0066】
すなわち、実施の形態5に係るローラガイド57には、実施の形態2に係るローラガイド37の収容部36と同様の収容部56が形成されている。この収容部56の内側であって、ローラ35が下げられた際に、ローラ35の表面と接触することが可能な位置には、内側に向けて突出した凸部52が形成されている。この凸部52は、互いに間隔をおいて任意の数で設けてもよく、収容部57の内壁に沿って周状に形成してもよい。
【0067】
また、凸部52の表面には、ローラ35との摩擦力をより大きくするために、凹凸を形成したり、摩擦力付与剤を塗布したり、凸部52自身を高摩擦材料で形成するなど、種々の摩擦力向上処理を施してもよい。
【0068】
この構成を備えたシートベルト支持装置5は、通常状態では、ローラ35が上方に押上げられているため、凸部52と接触することなく、実施の形態2に係るシートベルト支持装置2と同様の動作を示す。
【0069】
一方、車両衝突事故などの衝撃によって、ベルト10に所定以上の張力がかかった際には、実施の形態2と同様に、ローラ35がローラガイド57の上面58と同じ高さになり、ベルト10は、ローラガイド57の上面58とローラ35の両方に接触することになる。この時、ローラ35は、凸部52と接触してその回転が阻止されるため、ベルト10は、ローラ35と滑り接触することになり、ベルト10の引出しの際に生じる摩擦力が、従来のローラを有しないシートベルト支持装置と同等、もしくはローラ35の表面に摩擦力向上処理が施されている場合は、従来品より一層大きくなる。このため、ジャミング現象の発生をさらに効率よく起こりにくくすることができる。
【0070】
なお、実施の形態5に係る構成は、他の実施の形態で説明した構成のシートベルト支持装置に組み合わせることも可能であることは勿論である。
【0071】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るシートベルト支持装置は、通常の使用条件では、転がり接触面が滑り接触面より突出して前記ベルトに接触し、当該ベルトに所定値以上の張力が加わった際には、前記滑り接触面が前記転がり接触面と同じ高さ、あるいは該転がり接触面より突出して前記ベルトに接触する構造を備えている。したがって、通常の使用状態では、前記ベルトは、シートベルト支持装置に対して主に転がり接触し、ベルトに所定値以上の張力が加わった際には、前記ベルトには、シートベルト支持装置に対して滑り接触により生じる摩擦力が加わることになり、その分摩擦抵抗が大きくなる。
【0072】
この結果、通常の使用状態におけるベルトの引出し及び巻取り性を向上することができると共に、ベルトに所定値以上の張力が加わった際にも、ジャミング現象を発生しにくくすることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係るシートベルト支持装置を示す正面図であり、通常状態を示す図である。
【図2】図1に示すシートベルト支持装置の一部断面図である。
【図3】図2の側面図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係るシートベルト支持装置を示す正面図であり、車両衝突事故などの衝撃によって、前記ベルトに所定値以上の張力が加わった状態を示す図である。
【図5】図4に示すシートベルト支持装置の一部断面図である。
【図6】図5の側面図である。
【図7】本発明の実施の形態1に係るシートベルト支持装置の本体(スルー)を示す平面図である。
【図8】図7に示す本体の側面図である。
【図9】本発明の実施の形態1に係るシートベルト支持装置の一部組立分解図である。
【図10】本発明の実施の形態2に係るシートベルト支持装置の一部断面図であって、通常状態を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態3に係るシートベルト支持装置の一部断面図であって、通常状態を示す図である。
【図12】本発明の実施の形態3に係るシートベルト支持装置の一部断面図であって、通常状態を示す図である。
【図13】本発明の実施の形態4に係るシートベルト支持装置の正面図であって、通常状態を示す図である。
【図14】本発明の実施の形態4に係るシートベルト支持装置を示す正面図であり、車両衝突事故などの衝撃によって、前記ベルトに所定値以上の張力が加わった状態を示す図である。
【図15】本発明の実施の形態4に係るシートベルト支持装置の構成要素であるローラの斜視図である。
【図16】本発明の実施の形態5に係るシートベルト支持装置の一部断面図であって、通常状態を示す図である。
【符号の説明】
1、2、3、4、5 シートベルト支持装置
10 ベルト
11 本体
12 開口部
13 当接部
21 上部当接部
22、33、43 下部当接部
24 挿通穴
25a、25b、25c、35、45a、45b ローラ
25 軸
27a、27b 軸受
28、37、47、57 ローラガイド
29 ばね
32、38、48、58 上面
Claims (7)
- 車体に装備されたシートベルト装置のベルトを移動可能に挿通させる挿通穴と、当該挿通穴に挿通されるベルトが当接する当接面と、を備えたシートベルト支持装置であって、
前記当接面は、前記ベルトが転がり接触可能な転がり接触面と、前記ベルトが滑り接触可能な滑り接触面と、を備え、
前記転がり接触面は、収容部に上下方向に移動可能に収容され且つ前記ベルトと転がり接触するローラによって形成され、
通常の使用条件では、前記転がり接触面が前記滑り接触面より突出して前記ベルトに接触し、前記ベルトに所定値以上の張力が加わった際には、前記ローラが下がり、前記滑り接触面が前記転がり接触面と同じ高さ、あるいは該転がり接触面より前記挿通穴に突出した状態で前記ベルトに接触するシートベルト支持装置。 - 前記滑り接触面は、前記収容部を備えるローラガイドの上面によって構成され、前記収容部は、当該ローラガイドに形成されてなる請求項1記載のシートベルト支持装置。
- 前記ローラは、当該ローラの中心を貫通し支持する軸によって回転可能に支持されてなり、当該軸は、その両端を軸受により支持され、当該軸受は、ばねによって支持されてなる請求項1または請求項2記載のシートベルト支持装置。
- 前記ローラを複数備え、当該各々のローラは、互いに所定の間隔をおいて前記軸に配設され、当該軸方向一端側に配設されたローラの当該一端側の端面から、前記軸方向他端側に配設されたローラの当該他端側の端面までの長さが、前記ベルトの幅よりも短い請求項3記載のシートベルト支持装置。
- 前記ローラを複数備え、当該各々のローラは、互いに所定の間隔をおいて前記軸に配設され、当該軸方向一端側に配設されたローラは、前記ベルトの幅方向の一方の端部に位置し、前記軸方向他端側に配設されたローラは、前記ベルトの幅方向中央部から他方の端部側に若干ずれた部分に位置してなる請求項3または請求項4記載のシートベルト支持装置。
- 前記滑り接触面に、複数の細かい凹凸が形成されてなる請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載のシートベルト支持装置。
- 前記収容部の内側に、前記ローラが下げられた際に、当該ローラと接触して当該ローラの回転を阻止する凸部を形成してなる請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載のシートベルト支持装置。
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