次に、本発明の実施の形態について説明する。図1は本発明の冷蔵庫の正面図、図2は本発明の冷蔵庫本体を正面から見た説明図、図3は本発明冷蔵庫の縦断側面図、図4は本発明の給水容器の斜視図、図5は本発明の給水容器と給水路部分の分解斜視図、図6は本発明の給水容器の開閉弁が閉じた状態の断面による説明図、図7は本発明の給水容器の開閉弁が開いた状態の断面による説明図、図8は本発明の自動製氷機に係る冷蔵庫部分の具体的な構造の一つの断面図、図9は図2の製氷室部分の拡大図、図10は本発明の自動製氷機をハウジング部材に支持した状態を下方から見た斜視図、図11は本発明のハウジング部材のカバーを外した斜視図、図12は本発明のハウジング部材にカバーを取り付けた斜視図、図13は本発明のハウジング部材を後方から見た斜視図、図14は本発明の電動機構部カバーを外した斜視図、図15は本発明の製氷皿の後部の従動側軸受け部の軸受け孔を左後方から見た斜視図、図16は本発明の製氷皿の後部の従動側軸受け部の軸受け孔を右後方から見た斜視図、図17は本発明の製氷皿の後部の従動側軸受け部の軸受け孔を製氷皿側から見た斜視図、図18は本発明の保持部材を従動側軸受け部の軸受け孔に嵌め合わせる状態の斜視図、図19は本発明の保持部材の他方側面の斜視図、図20は本発明の保持部材の上面図、図21は本発明の製氷皿の従動側軸受け部の断面図、図22は本発明の自動製氷機への給電コネクタの接続を解除した分解斜視図、図23は本発明のハウジング部材の支持部の拡大図、図24は本発明の貯氷箱内に仕切り板を設けた状態の説明図である。
実施例1に係る冷凍冷蔵庫である冷蔵庫1は、前面開口の本体2内を区画して複数の貯蔵室を形成し、これら各貯蔵室の前面は扉で開閉できる構成である。冷蔵庫本体2は外箱(外壁板)2Aと内箱(内壁板)2Bとの間に発泡断熱材2Cを充填した断熱構造である。冷蔵庫本体2内には、上から冷蔵室3、冷凍室5、野菜室4が区画されて設けられている。
冷蔵室3の前面開口は、冷蔵庫本体2の一側部にヒンジ装置にて横方向に回動する回動式の冷蔵室扉10にて開閉される。野菜室4の前面開口は、野菜室4内に設けた左右のレールとローラによる支持装置18によって前後方向へ引き出し可能に支持した野菜容器15と共に前方へ引き出される引き出し式扉11にて閉塞されている。冷凍室5の前面開口は、冷蔵庫本体2の一側部にヒンジ装置にて横方向に回動する回動式の扉12にて閉塞されているが、野菜室4と同様に、冷凍室内に設けた左右のレールに対して前後方向へ引き出し可能に支持した容器を扉12と共に前方へ引き出される引き出し式とする構成でもよい。
20は冷凍サイクルの冷媒の圧縮機、21は冷凍サイクルの冷媒の凝縮器である。22は凝縮器21の熱によって後述の除霜水を蒸発させるための蒸発皿であり、凝縮器21上に載置して冷蔵庫本体2の前面下部から引き出し自在である。圧縮機20、凝縮器21、蒸発皿22は、冷蔵庫本体2の下部に設けた機械室23に設置されている。24は冷凍室5の背面部に形成した冷却器室26に設置した冷媒の蒸発器(冷却器)である。25は蒸発器(冷却器)24で冷却した冷気を冷凍室5、冷蔵室3、野菜室4へ循環する送風機である。27は蒸発器(冷却器)24の除霜用ガラス管ヒータである。蒸発器(冷却器)24の除霜水は、排水管を通って蒸発皿22へ導かれてそこで蒸発する。
上部に位置する冷蔵室3とその下部に位置する冷凍室5とは断熱仕切り壁28にて区画されており、断熱仕切り壁28は、インジェクション成形の合成樹脂製上板29とインジェクション成形の合成樹脂製下板30との間に、予め所定形状に成形された発泡スチロール等の断熱材31が挟持された断熱構造をなしている。このような断熱仕切り壁28は、冷蔵庫本体2の内箱(内壁板)2Bの左右側壁に前後方向に形成した溝と、内箱(内壁板)2Bの後壁に形成した前面開口の溝に冷蔵庫本体2の前面開口部から挿入されて取り付けられる構成である。
32は冷蔵庫本体2の背壁の前面側に配設した冷蔵室3の背壁部材であり、合成樹脂製背面板とその裏側に取り付けた発泡スチロール等の断熱材との組み合わせ構成され、冷蔵室3の背面側に上下方向の冷気供給通路35と、その左右両側に冷気通路35Aを形成している。
断熱仕切り壁28の後部には、断熱仕切り壁28を上下に貫通した冷気供給通路36が形成され、冷気供給通路36は、その下部が送風機25から供給される冷気の導入部であり、上部が冷気供給通路35に連通した配置である。冷気供給通路36にはダンパ装置50が取り付けられており、ダンパ装置50は、冷蔵室3の温度を感知するセンサの温度感知に基づき制御回路部によって冷気供給通路36を開閉する動作をする。このダンパ装置50の開閉動作によって、冷蔵室3は所定の温度に制御される。
冷凍温度帯室である冷凍室5内は区画板(仕切り板)47によって左側に冷凍温度に保たれる前面開口の製氷室6が、そして右側に冷凍温度に保たれる冷凍小室5Aが区画形成され、製氷室6内には上部に自動製氷機7が配置され、その自動製氷機7の下方には上面開口の貯氷容器8が配置されている。貯氷容器8は、製氷室6の左右側壁に設けられたレール6Aに前後方向へ引き出して取り外し自在に支持されている。レール6Aの一部には窪み6A1があり、この窪み6A1に貯氷容器8の一部に形成した凸部が嵌って位置決めされる構成である。自動製氷機7は電動機構7Aと電動機構7Aによって回転駆動される製氷皿7Bを備えている。製氷室6は扉12を開くことによってその前面開口は開放され、貯氷容器8を前方へ取り出し可能である。
製氷室6と冷凍小室5Aの前面開口をそれぞれ別個の扉で開閉できるようにすることができる。この場合、それぞれ製氷室6内と冷凍小室5A内に設けた左右のレールに対して前後方向へ引き出し可能に支持した各引き出し扉にて開閉可能に閉じる構成とすることができる。そして、製氷室6の引き出し扉の引き出しにて貯氷容器8を一緒に引き出し可能に構成し、また冷凍小室5Aの引き出し扉の引き出しにて冷凍小室5A内の容器を一緒に引き出し可能に構成すれば、製氷室6と冷凍小室5Aを単独で使用できるようになり、利便性が向上すると共に、扉の開閉に伴う気漏れも少なくなる。
9は後述の自動製氷機7へ供給する製氷用水を貯める給水容器(貯水容器ともいう)であり、横幅に比して奥行きが長い矩形状をなし、冷蔵室3内を区画壁45で仕切って形成した小室46に配置されており、冷蔵室3内の温度で冷却され、冷蔵室3の前面扉10を開くことによって取っ手9Sを持って給水容器9を冷蔵庫1の前方へ取り出すことができる。
冷蔵庫1は、圧縮機20で圧縮した冷媒を凝縮器21で凝縮した後、膨張弁又はキャピラリチューブを通して減圧し、蒸発器(冷却器)24で蒸発させて圧縮機20へ帰還せしめ、再び圧縮機20で圧縮して同じ循環を繰り返す冷凍システムを構成する。蒸発器(冷却器)24で冷却した冷気は送風機25によって矢印のように循環する。即ち、送風機25から送出される冷気は冷凍室5の背壁上部の冷気吹き出し口37から冷凍室5と製氷室6の製氷皿7Bへ供給され、冷凍室5の背壁下部の冷気吸込み口38から冷却器室26に帰還して再び蒸発器(冷却器)24にて冷却される循環をする。また、送風機25から送出される冷気は、冷気供給通路36を通って冷気供給通路35へ供給され、冷気供給通路35の左右両側に形成した冷気通路35Aに流通して冷蔵室3の背壁32に形成した冷気吹き出し口39から冷蔵室3へ供給される。
冷蔵室3へ供給された冷気は、冷蔵室3の背壁32の一側下部に形成した冷気吸込み口40から吸い込まれて、冷凍室5の後方に形成した冷気通路41を下方に流れて野菜室4の後部に開口した冷気吹き出し口42から野菜室4に吹き出す。野菜室4に吹き出した冷気は、野菜容器15内の野菜等を冷却して野菜室4の上部又は野菜室4の後部に開口した冷気吸込み口43から冷却器室26に帰還して再び蒸発器(冷却器)24にて冷却される循環をする。
製氷用水は給水容器9からポンプによって汲み上げられて自動製氷機7の製氷皿7Bへ供給される方式でもよいが、実施例では自然落下方式によって給水路51Aを介して自動製氷機7の製氷皿7Bへ供給される構成を示している。製氷皿7Bは、長手方向を列方向として4個2列、5個2列、又は6個2列のように複数の製氷小室7B1に区分されて8乃至12個の角型氷が作られる合成樹脂製である。また、貯氷容器8は、白色、透明、半透明又はその他の色の合成樹脂製であり、奥行きが左右幅に比して長い上面開口の箱状である。
本発明の給水容器9は、横幅に比して奥行きが長い矩形状の上面開口を形成したタンク本体9Aの上面開口を塞ぐように、タンク本体9Aの前後左右の壁に近接または略密着状態でタンク本体9A内上部に上面開口の主タンク容器9Bが嵌め合わされ、主タンク容器9Bの上端部に形成した外向きフランジ9Pがタンク本体9Aの内面上部に段差部9Qに載置されて主タンク容器9Bがタンク本体9A内に浮いた状態に保持され、主タンク容器9Bはタンク本体9Aに対して取り外し自在である。これによって、主タンク容器9Bが主タンク部を形成し、上面が主タンク容器9Bにて塞がれた補助タンク部9Cがタンク本体9A内底部に形成される。補助タンク部9Cは、後述のように1乃至3回の製氷に必要な製氷用水を貯留する容積を備え、1回毎の製氷用水を供給する部分であるため、計量タンク部とも称する。
また給水容器9は、主タンク容器9Bの上面開口が取り外し自在なカバー9Dによって閉じられている。カバー9Dは下面周縁部に形成した下向き溝9Tがタンク本体9Aの上端に取り外し自在に嵌り合った組み合わせであり、カバー9Dは係脱自在なフック装置9Rによってタンク本体9Aに留められる構成である。給水容器9は、補助タンク部9Cへ空気を供給するように空気通路9Eを備えている。これは、主タンク容器9Bの後部に上下方向に貫通した窪み9E1を形成して、タンク本体9Aと主タンク容器9Bとの間に空気通路9Eを形成しているが、主タンク容器9Bの底壁を貫通して主タンク容器9Bの上部の空間と補助タンク部9Cが連通するパイプを立設した構成でもよい。
主タンク容器9Bの製氷用水を補助タンク部9Cへ自然落下供給するために、主タンク容器9Bの底壁に小径の供給孔9Hを形成している。主タンク容器9Bの上面開口が注水口9Kを有するカバー9Dによって閉じられた状態で、空気通路9Eの上端開口は、主タンク容器9B上の空間に連通する状態である。注水口9Kはカバー9Dの一部である開閉自在な蓋9Mによって閉じられた状態である。主タンク容器9B内への注水は、給水容器9を冷蔵庫1から引き出し、蓋9Mを開いて行えるが、カバー9Dを外して行うこともできる。
給水容器9は、カバー9Dをタンク本体9Aに取り付けた状態において、断熱仕切り壁28上をスライドさせて小室46内に挿入することによって、合成樹脂製上板29の凹部に嵌り所定位置に保持される。給水容器9の所定位置保持機構としては、断熱仕切り壁28の合成樹脂製上板29から上方へ若干突出した弾性部材が給水容器9の底部の係止部に係止する構成とすることにより安定保持ができ、給水容器9をこの弾性部材に抗して前方へ引くことによってこの弾性部材が下方へ押され、給水容器9を小室46から引き出すことができる。
給水容器9が前記弾性部材に係止されて所定位置に保持されたとき、冷蔵室3の背壁3お2の内側に設けたスイッチがONするようになり、このスイッチのONに基づき制御回路部によって後述の製氷サイクルが始動可能とすることができる。
給水容器9は、主タンク容器9Bの底壁の供給孔9Hの直下位置に補助タンク部9Cの底部に円形の給水口60を形成しており、上下動によって給水口60を開閉する合成樹脂製の開閉弁61を備えた開閉弁機構Pを備えている。開閉弁61はその上部に主タンク容器9Bの底壁の供給孔9Hを開閉する弁部61Aを形成しており、弁部61Aは供給孔9Hの下端に形成した円錐形状の広がり座部に嵌り合うようにドーム形状をなす。開閉弁61はその下面に給水口60内に侵入する円形状突出部を形成し、この円形状突出部の周囲にOリング形状の環状シールパッキン64を備え、この環状シールパッキン64によって開閉弁61と給水口60周辺部との密着性を向上させている。開閉弁61の上下動を案内するために、補助タンク部9Cの底部から開閉弁61の周囲に円周に等間隔配置の複数のガイド片95が設けられている。
開閉弁61はその自己の重量によって給水口60を閉じる方式でもよいが、給水口60の閉止機能が弱い場合にはバネ67の付勢にて下降して給水口60を閉じる方式とすればよい。バネ67はドーム形状の弁部61Aの周囲に形成した溝に嵌りあって開閉弁61に保持されている。
給水容器9が冷蔵庫1内に収納されたとき給水口60と対応する直下位置において、断熱仕切り壁28を上下に略垂直方向に貫通して製氷皿7Bの上面に向けて開口した略垂直状に上下方向の給水路51Aを形成している。給水路51Aの下端は製氷皿7Bの後部側の製氷小室の一つに臨む位置に開口している。給水路51Aは横断面が円形状であり、給水口60から流下する製氷用水の受けが良好になるように漏斗状に広がった製氷用水の受け部65を上端部に形成した給水管51によって形成され、図示のように、この給水管51は、断熱仕切り壁28を貫通するように合成樹脂製上板29に一体形成した貫通パイプ部29A内に挿入されている。この給水管51は、貫通パイプ部29A内に接着固定した場合は、給水容器9を取り外した状態で、その管内をブラシ等で洗浄可能であるが、給水管51が貫通パイプ部29Aから上方へ取り外し可能であれば、給水容器9を取外した状態で、給水管51を冷蔵庫1外に取り外して洗浄可能となる。
開閉弁61は、給水路51A内に上下移動可能に収納された永久磁石63付き作動部材90によって開閉作動される。永久磁石63は、上下に離間配置された一対の永久磁石63A、63Bが相互に反発し合う向きに構成され、その一例として、図のように永久磁石63A、63BのS極が向き合う状態で配置されている。
作動部材90の周囲には永久磁石63A、63Bに対応するようにソレノイド66が設けられている。ソレノイド66はホルダー68に保持され、断熱仕切り壁28の合成樹脂製下板30の窪み部30Aに収納される状態で給水路51Aの周囲に位置するように貫通パイプ部29Aの外側に嵌め合わされ、ホルダー93をネジ94によって合成樹脂製下板30に固定している。ソレノイド66への通電制御は、冷蔵庫1に設けた制御回路部によって制御される自動製氷機7への製氷用水の供給制御と関連して行われる。
作動部材90は後述のように、上昇して開閉弁61を開いたとき、作動部材90の周囲と給水管51との間に製氷用水の流下通路が形成されるように、給水管51の内径よりも小径の横断面が円形状の外形をなし、上部が給水路51Aの製氷用水の受け部65の部分に載置される外形をなす。これによって、給水容器9が冷蔵庫外に取り外された状態で、作動部材90は給水路51Aから上方へ取り外すことができるため、作動部材90と給水路51Aの製氷用水の受け部65部分を清掃可能である。作動部材90作動部材90の上端部は、開閉弁61の下面に形成した円錐形状の窪み部61Bに嵌り合うようなドーム形状の凸部90Cを形成しており、凸部90Cが窪み部61Bに入り込むことによって開閉弁61を上方へ開く作動が的確となる。
主タンク容器9Bの底部には、主タンク容器9Bの供給孔9Hを覆う状態でフィルタ92が主タンク容器9Bに形成した保持リブ91によって取り外し自在に保持されている。主タンク容器9Bは、その外向きフランジ9Pがタンク本体9Aの段差部9Qに係止された載置状態であるため、カバー9Dを取り外せばタンク本体9Aから取り出すことができる。このため、補助タンク部9Cを含めてタンク本体9A内を清掃でき、またフィルタ92も取り外し可能であるため、主タンク容器9Bの内外面の清掃も容易となる。更に、開閉弁61も取り外し可能となるため、給水容器9内の清掃は容易である。
図6はソレノイド66が非通電であり、開閉弁61が降下して給水口60を閉じた状態である。この状態において、ソレノイド66への通電によってソレノイド66にはS極が上にN極が下に形成され、作動部材90の永久磁石63A、63Bとの相互作用によって作動部材90が上昇駆動され、作動部材90によって開閉弁61が上方へ押されてバネ67を圧縮しつつ開閉弁61が給水口60を開く。開閉弁61は給水口60を開くと共に上方の主タンク容器9Bの底壁の供給孔9Hを弁部61Aによって閉じる。この状態は図7に示す。
自動製氷機7の製氷運転は、冷蔵庫1に設けた制御回路部によって制御される製氷工程と脱氷工程から構成される。給水容器9内に十分な量の製氷用水が注入された状態で冷蔵庫の所定位置へ収納された状態において、手動操作にて製氷始動スイッチが入ると製氷工程が開始し、前記制御回路部によってソレノイド66へ所定時間通電され、作動部材90が上昇して開閉弁61が給水口60を開き、補助タンク部9Cから製氷皿7Bへ一回の製氷に要する所定量の製氷用水が自然落下にて自動給水される。この給水によって補助タンク部9C内の減少した量の製氷用水は、主タンク容器9Bから供給孔9Hを自然落下することによって補助タンク部9Cへ供給される。
この製氷皿7Bへの給水の後に前記制御回路部によって製氷が行われ、前記制御回路部のタイマ手段によって一定時間経過したとき、または氷の形成を製氷皿センサが製氷皿7Bの低下した温度を検知したとき、前記制御回路部によって脱氷工程が開始し、電動機構7Aが始動して製氷皿7Bを反転して捻り、製氷皿7B内の氷124を下方の貯氷容器8へ落下せしめた後、製氷皿7Bを復帰させ、再び給水して製氷工程に入り製氷運転サイクルを行う。貯氷容器8内の氷の量は、製氷工程ごとに電動機構7Aによって図8の点線位置から実線位置へ向けて下降する検氷レバー7Cを備えている。検氷レバー7Cは製氷皿7Bの回動の邪魔にならないように枠状部101内で製氷皿7Bの側方に配置されている。貯氷容器8内の氷の量は規定の満杯になると、この検氷レバー7Cがその氷によって下降が制限されるため、この状態を電気的に検知して次回の製氷工程へ入る前の製氷皿7Bへの給水を中止する仕組みである。
上記のように、自動製氷機7は電動機構7Aと電動機構7Aによって回転駆動される製氷皿7Bを備えている。電動機構7Aとこの電動機構7Aによって回転駆動される製氷皿7Bを一体に組立てたものを電動機構7Aへの給電ラインの自動着脱を含めて冷蔵庫外に引き出しにて取り外し自在に構成して、自動製氷機7は電動機構7Aと製氷皿7Bを一緒に冷蔵庫1の前方へ引き出しにて取り外し可能である。このため、電動機構7Aと製氷皿7Bを含めた自動製氷機7の取り外しにて、製氷室6を冷凍室として有効に使用可能となる。
自動製氷機7は、電動機構7Aと製氷皿7Bを収納状態に取り囲む枠状部101を形成したハウジング部材100に電動機構7Aと製氷皿7Bが取り付けられ、ハウジング部材100の後部には、冷蔵庫本体2側に設けたコネクタ102に着脱自在に接続されるコネクタ103を備えた構成であり、ハウジング部材100の左右両側部分100Aが製氷室6内の左右両側部分に設けた支持部分104に載置されており、ハウジング部材100は製氷室6の前方へ引き出し自在であると共に、ハウジング部材100は製氷室6内へ収納自在である。このような構成によって、電動機構7Aと製氷皿7Bを含めた自動製氷機7は、冷蔵庫の前方へ引き出しにて取り外し可能であり、また冷蔵庫内へ収納可能である。
これに関する具体的な構成を以下に記載する。製氷室6と冷凍室5Aの天井壁を構成する断熱仕切り壁28の合成樹脂製下板30の中間部には、区画板47が取り付けられる部分30Aが形成され、その左側の製氷室6の天井壁部分の左右両側には、前後方向にレール機能を果たすように合成樹脂製下板30に一体に支持部分104が形成されている。支持部分104は、下板30と一体成形する成形方法の関係から、図では左右それぞれに同一レベルで3箇所に形成されており、これに自動製氷機7のハウジング部材100の左右部分100Aが前後方向に引き出し自在に載置される構成である。このため、この左右それぞれ3箇所の支持部分104は、レール部104と称することもできる。
製氷皿7Bを取り囲む枠状部101横のハウジング部材100の部分には、電動機構7Aへリード線103Aを通って電力を供給するためのコネクタ103が取り付けられている。冷蔵庫本体2側のコネクタ102は、合成樹脂製下板30に取り付けている。自動製氷機7を冷蔵庫1内へ収納すべく支持部分104上へハウジング部材100の左右部分100Aを載せて押し込むことによって、自動製氷機7が冷蔵庫1内の所定位置に達した状態でコネクタ103はコネクタ102に接続される。このハウジング部材100の押し込みを容易にするために、ハウジング部材100と支持部分104との組み合わせには若干の融通性を持たせている関係上、コネクタ103とコネクタ102との結合にも若干の融通性を持たせることによって、コネクタ103とコネクタ102の結合がスムーズに行くようにしている。
この具体的な構成として、コネクタ102は突出ピンで構成し、コネクタ103はこの突出ピンが差し込まれる孔の形態であるが、ハウジング部材100の押し込みによってハウジング部材100が若干上下左右にずれても、コネクタ102の突出ピンがコネクタ103の孔に入り易いように、コネクタ103の孔の入り口が若干広がった形状をしており、更にコネクタ102が余裕をもって侵入するように入口側が広がった窪み100Fがハウジング部材100に形成され、この窪み100Fの奥にコネクタ103は取り付けられている。また、コネクタ103は上下左右に若干動くことができるように、融通性を持たせた取り付け構造になっている。これによって、ハウジング部材100を製氷室6内の支持部材上にスライドさせることによって、コネクタ102が窪み100Fに侵入してコネクタ103と接続される。また、自動製氷機7を冷蔵庫の前方へ引き出すために、ハウジング部材100を前方へ引き出すことに伴って、コネクタ102からコネクタ103が自動的に外れる。
万一コネクタ102とコネクタ103が凍結して、着脱ができなくなるのを防止するために、コネクタ102の近傍には電気ヒータ130が設けられている。ハウジング部材100が冷蔵庫の所定12収納された状態を保つために、ハウジング部材100の左右部分100Aの前寄りの一部に、支持部分104の一つの後端部に係止する凸部を形成することにより達成できる。また、支持部分104は貯氷容器8の支持レール6Aの上方位置にあり、支持レール6Aに沿って貯氷容器8を冷蔵庫の前方へ引き出し取り外す操作の邪魔にならない構成である。
ハウジング部材100は上面には、電動機構7A部分とリード線103Aとコネクタ103とを覆うように、ハウジング部材100の一部を構成するカバー100Dがネジにて取り付けられ、このカバー100Dの前面側の左右両側部分には、指掛け部100Bが窪んで形成されている。またハウジング部材100の下側面には、指掛け部100Bに対応した位置にもう一つの指掛け部となるように窪んだ取っ手部100Cが形成されている。この指掛け部100Bに指を掛けてハウジング部材100を前方へ引き出すことによって、自動製氷機7を冷蔵庫の前方へ引き出すことが容易となる。またハウジング部材100には、給水管51から流下する製氷用水が製氷皿7Bへ供給される位置に開口100Eが形成されている。
電動機構7Aの下側には、電動機構7Aを保持すると共に覆う電動機構部カバー101Aが配置され、ハウジング部材100の上側からネジ等の固定手段によって取り付けられている。電動機構部カバー101Aは、ハウジング部材100の下側には電動機構7Aの前側に取っ手部100Cの窪みが形成されておるため、電動機構部カバー101Aはこの窪みに沿った形状に形成され、電動機構部カバー101Aが取っ手部100Cの窪みの一部である上面と後面を形成しているが、取っ手部100Cの窪みの全部を形成する形態でもよい。
自動製氷機7は冷蔵庫の前方へ引き出しにて取り外し可能に製氷室6の左右支持部分104にハウジング部材100が載置されているが、洗浄などをし易いように、製氷皿7Bはハウジング部材100から容易に取り外し可能である。その構造として、製氷皿7Bの電動機構7A側の駆動側端部には、電動機構7Aから突出した回転駆動軸105と共に回転するように回転駆動軸105と結合する駆動側結合部106を備え、回転駆動軸105が駆動側結合部106に空回りしないように両者が非円形結合構造でもって着脱自在に嵌り込んだ構成である。
製氷皿7Bの電動機構7A側の反対側の従動側端部には、合成樹脂製ハウジング部材100の枠状部101部分に設けた軸受け部107に回転可能に支持された突出軸108を備え、この突出軸108はこの軸受け部107に取り外し自在に組み合わされた構成である。
軸受け部107は、枠状部101部分に形成した軸受け孔120の上部に形成した上側軸受け部109と、この上側軸受け部109に対して下側軸受け部111を形成するよう軸受け孔120に圧入して保持される保持部材110によって、製氷皿7Bの従動側の軸受け部を構成している。
保持部材110の左右両側には、軸受け部107の軸線方向に延びた突出リブ112A、112Bを形成しており、枠状部101側にはこの突出リブ112A、112Bが嵌る溝113A、113Bが形成されている。また保持部材110の左右両側には、突出リブ112A、112Bの上方部分が可撓性を持つように貫通したスリット114Aが形成されてその上部に弾性部115Aを形成している。弾性部115A、115Bにはそれぞれ突起116A、116Bを形成しており、突起116A、116Bの高さは、軸受け孔120への保持部材110の挿入をし易くするために、挿入先端側が低く傾斜した形状である。保持部材110の一側面の突起114Bにバネ118の中間部が保持され、バネ118の固定端118Bは保持部材110の孔に差し込まれ、バネ118の押し圧端118Bは上方へ延びている。
このような構成において、バネ118の押し圧端118Bを押して突起116Aの下側に引っ掛けた状態で保持部材110を準備する。製氷皿7Bの製氷小室7B1が上面を向いた水平状態において、製氷皿7Bの駆動側は駆動側結合部106へ回転駆動軸105が挿入されるように結合する。そして、上側軸受け部109に突出軸108を押し当てた状態で、保持部材110を製氷皿7Bの反対側から突出軸108の下側の軸受け孔120へ差し込む。この差込に伴って、左右の突出リブ112A、112Bを溝113A、113Bに嵌め合わせた状態で軸受け孔120へ押し込むことによって、突起116A、116Bが軸受け孔120の側壁で押されて弾性部115Aが内側へ撓みつつ、終には弾性部115Aの復元力によって軸受け孔120の側壁に形成した係止凹部117A、117Bに突起116A、116Bが入り込む。突起116A、116Bは挿入先端側(製氷皿側)の高さが低く傾斜した形状であるため、軸受け孔120への保持部材110の挿入がし易く、係止凹部117A、117Bに突起116A、116Bが入り込み易い。
係止凹部117A、117Bに突起116A、116Bが入り込んだ状態で、バネ118の押し圧端118Bを突起116Aの下側の引っ掛かりから外すことによって、バネ118の復元力によって軸受け孔120に突出形成したバネ係止部119の内側に押し圧端118Bが係止する。この係止によって、保持部材110はバネ118によって製氷皿7B方向へ付勢され、保持部材110の製氷皿7B側端部110Aが製氷皿7Bの後部7B2を押し圧して、製氷皿7Bの駆動側における回転駆動軸105と駆動側結合部106との結合を保持する。この状態によって、製氷皿7Bの従動側では、上側軸受け部109に対して下側軸受け部111が保持部材110によって形成され、製氷皿7Bの突出軸108を支持する円筒状の従動側軸受け部107が形成される。これによって、製氷皿7Bは電動機構7Aによって回転可能である。
この状態において、突起116A、116Bは係止凹部117A、117Bの前方よりの位置で係止凹部117A、117Bに入り込んだ状態である。
ハウジング部材100を冷蔵庫の前方へ引き出し取り出した状態において、製氷皿7Bをハウジング部材100の枠状部101部分から取り外すためには、保持部材110をバネ118に抗して軸受け孔120から後方へ引っ張ることによって、保持部材110の先端110Aが製氷皿7Bの後部7B2から離れて製氷皿7Bを前方に押す押し圧力が解除され、突起116A、116Bが係止凹部117A、117Bの後端に近づく位置まで保持部材110を引っ張ることによって、製氷皿7Bを後方に移動させることができる。この一連の操作によって、製氷皿7Bの従動側保持がなくなると共に、製氷皿7Bを後方へ移動できるため、製氷皿7Bの駆動側における回転駆動軸105と駆動側結合部106との結合を解除でき、製氷皿7Bをハウジング部材100の枠状部101部分から取り外すことができる。これによって、電動機構7Aをハウジング部材100に残して製氷皿7Bをハウジング部材100から取り外せるため、製氷皿7Bを流し台などに持って行って水洗いなどによって洗浄できる。
ハウジング部材100の枠状部101部分への製氷皿7Bの再度の取り付け、保持部材110をバネ118に抗して軸受け孔120から後方へ引っ張った状態で、製氷皿7Bの駆動側における回転駆動軸105と駆動側結合部106との結合を行い、上側軸受け部109に突出軸108を押し当てた状態で、バネ118に抗した保持部材110の引っ張りを解除することによって、保持部材110はバネ118力によって製氷皿7B側向けて復帰し、保持部材110の先端110Aが製氷皿7Bの後部7B2を前方に押す。このため、製氷皿7Bの駆動側における回転駆動軸105と駆動側結合部106との結合が保持されると共に、製氷皿7Bの従動側では、上側軸受け部109に対して下側軸受け部111が保持部材110によって形成され、製氷皿7Bの突出軸108を支持する円筒状の従動側軸受け部107が形成される。これによって、製氷皿7Bは電動機構7Aによって回転可能となる。
貯氷容器8内の氷の量は、製氷工程ごとに電動機構7Aによって上下動する検氷レバー7Cによって検知され、満氷になった状態を検知すると、次回の製氷工程を停止する作用をする。
ハウジング部材100は、製氷皿7Bが略180°近くまで反転するため、製氷皿7Bを取り囲むように形成した枠状部101部分はその右側部分に比して下方へ突出した状態となる。このため、この枠状部101部分に直下の貯氷容器8内は、その右側の貯氷容器8内の部分に比して高さが低く制限され、高さの高い物品の収納には適さない。このため、この枠状部101部分の右端部に略対応する位置に貯氷容器8内を左右に仕切る仕切り板122が取り外し可能に立設されている。この仕切り板122によって貯氷容器8内は、枠状部101直下の左側の室には製氷皿7Bから落下する氷124を貯蔵できる貯氷室とし、右側の室は氷124よりも高さの高いカップアイス123等の如き比較的背の高い物品を積み重ねて収納可能とすることができる。
このような構成において、ハウジング部材100を製氷室6に残したままで貯氷容器8を前方へ引き出し自在とし、また貯氷容器8を製氷室6に残したままでハウジング部材100を前方へ引き出し自在に構成している。このため、例えば、図8の点線のように検氷レバー7Cは待機位置が枠状部101の下端よりも上方に位置するようにし、且つ枠状部101部分に当接しないように貯氷容器8の前壁を低くした構成とすることができる。このように、貯氷容器8とハウジング部材100のいずれか一方が前方へ引き出されても他方がそれと共に引き出されないような構成において、自動製氷機7を冷蔵庫の前方へ取り出すべくハウジング部材100を前方へ引き出す場合、カップアイス123等の積み重ね具合によって、枠状部101部分の右側端部がこのカップアイス123等を前方へ押し出す場合がある。
これを防止するために、枠状部101前端の右側部には比較的大きな曲面(R面)125を形成している。ハウジング部材100の前方への引き出しによって曲面(R面)125がカップアイス123等に当たっても、カップアイス123等が曲面(R面)125に沿って滑って逃げるため、カップアイス123等が前方へ押し出されることはなくなる。
また、ハウジング部材100の左右端部が支持部分104上に載置されているが、この部分に付着した水滴が凍結してハウジング部材100を前方へ引き出すことができなくなるのを防止するため、ハウジング部材100の左右端部と支持部分104との接触面積を少なくする構成としている。図ではハウジング部材100の左右端部に側方と下方に突出した突部126を形成しているが、ハウジング部材100の左右端部に対応した支持部分104の上面と側面にハウジング部材100に向けて突出した突部を形成する方法でもよい。
実施例2の詳細を以下に記載する。図25は本発明冷凍冷蔵庫の正面図、図26は本発明の冷凍冷蔵庫本体の自動製氷機を設置した製氷室と冷凍室部分の縦断側面図、図27は本発明冷凍冷蔵庫の自動製氷機部分の正面図、図28は本発明冷凍冷蔵庫の製氷室扉を開いた(引き出した)状態の自動製氷機部分の正面斜視図、図29は本発明冷凍冷蔵庫の製氷室扉を開いて(引き出して)自動製氷機全体を若干引き出した状態の正面斜視図、図30は本発明冷凍冷蔵庫の製氷室扉を開いて(引き出して)自動製氷機の製氷皿を引き出した状態の正面斜視図、図31は本発明冷凍冷蔵庫の製氷室扉を開いて(引き出して)自動製氷機の製氷皿を引き出し取り外した状態を説明する正面斜視図、図32は本発明の自動製氷機の分解斜視図、図33は本発明の自動製氷機の正面斜視図、図34は本発明の自動製氷機の背面斜視図、図35は製氷皿を引き出した状態の本発明の自動製氷機の正面斜視図、図36は製氷皿を引き出し取り外した状態の本発明の自動製氷機の正面斜視図、図37は本体部材の上壁の一部を切断した本発明の自動製氷機の正面斜視図、図38は製氷皿が若干回動した状態を示す本発明の自動製氷機の正面斜視図、図39は縦断面で示す本発明の自動製氷機の正面図、図40は製氷皿が若干回動した状態を縦断面で示す本発明の自動製氷機の正面図、図41は本発明の自動製氷機が製氷室へ取り付けられた状態の縦断側面図、図42は本発明の自動製氷機を製氷室前方へ若干引き出した状態を示す縦断側面図、図43は本発明の自動製氷機を図42よりも更に製氷室前方へ若干引き出した状態を示す縦断側面図、図44は製氷皿が収納状態にある本発明の自動製氷機の縦断側面図、図45は製氷皿のロックを外した状態を示す本発明の自動製氷機の縦断側面図、図46はロックを外して製氷皿を若干引き出した状態を示す本発明の自動製氷機の縦断側面図である。
本発明の実施例2に係る冷凍冷蔵庫S1は、前面開口の冷凍冷蔵庫本体S2内を区画して複数の貯蔵室を形成し、これら各貯蔵室の前面は扉で開閉できる構成である。冷凍冷蔵庫本体S2は外箱(外壁板)S2Aと内箱(内壁板)S2Bとの間に発泡断熱材S2Cを充填した断熱構造である。冷凍冷蔵庫本体S2内には、上から冷蔵室S3、冷凍温度室S5、野菜室S4が区画されて設けられている。冷凍温度室S5は、区画板(仕切り板)S41によって上部に冷凍温度に保たれる前面開口の製氷室S6が、そして下部に冷凍温度に保たれる冷凍室S5Aが区画形成されている。製氷室S6内には上部に自動製氷機S7が取り付けられ、自動製氷機S7の下方に貯氷容器S8が配置されている。また製氷室S6の側方には冷凍小室S5Bが区画形成されている。
上部に位置する冷蔵室S3とその下部に位置する冷凍温度室S5(図では製氷室S6と冷凍小室S5B)の間は、断熱仕切り壁S28にて区画されている。断熱仕切り壁S28は、インジェクション成形の合成樹脂製上板S29とインジェクション成形の合成樹脂製下板S30との間に、ポリウレタン樹脂が発泡充填された断熱材S31又は予め所定形状に成形された発泡スチロール等の断熱材S31を備えた断熱構造をなしている。
製氷室S6内には上部に自動製氷機S7が取り付けられており、この自動製氷機S7の直下には上面開口の貯氷容器S8が配置されている。製氷室S6の前面開口は、支持装置S18によって貯氷容器S8と共に前後方向へ移動可能に支持された引き出し式扉S14にて開閉される。支持装置S18は、扉S14の裏側から後方へ水平状態に延びた左右の支持部材S19のレールS16が、製氷室S6の左右壁に取り付けたローラS17に載置される関係で構成され、貯氷容器S8は、上方へ取り外し可能なるように貯氷容器S8の左右両側が左右の支持部材S19に載置されている。この構成によって、自動製氷機S7を製氷室S6内に残した状態で、引き出し式扉S14の引き出し操作に伴って、貯氷容器S8が製氷室S6の前方へ引き出される。図26に示すように、貯氷容器S8はその上面開口内に自動製氷機S7が入り込んで、下方から自動製氷機S7を包み込むような大きさを有し、引き出し式扉S14を引き出した状態で、支持部材S19から上方へ取り外し自在に支持されている。
冷蔵室S3の前面開口は、冷凍冷蔵庫本体S2の一側部にヒンジ装置S21A、S21Bによって横方向に回動する回動式の冷蔵室扉S10にて開閉される。野菜室S4の前面開口は、製氷室S6と同様に、左右のレールとローラの組み合わせによる支持装置によって、野菜容器と共に前後方向へ移動可能に支持された引き出し式扉S11によって開閉される。冷凍室S5Aの前面開口は、製氷室S6と同様に、冷凍室S5A内に設けた左右のレールとローラの組み合わせによる支持装置によって、容器S15と共に前後方向へ移動可能に支持された引き出し式扉S12にて開閉される。冷凍小室S5Bの前面開口は、製氷室S6と同様に、冷凍小室S5Bに左右のレールとローラの組み合わせによる支持装置によって、上面開口の容器と共に前後方向へ移動可能に支持された引き出し式扉S13にて開閉される。
S20は冷凍冷蔵庫本体S2の底部に設けた機械室に設置した冷媒の圧縮機であり、圧縮機S20で圧縮した冷媒は、凝縮器(図示せず)で凝縮され、キャピラリチューブなどの減圧部を通って蒸発器(冷却器)S24で蒸発した後、再び圧縮機S20へ帰還して圧縮される循環を行うものであり、これらによって冷凍サイクルが構成される。S25は蒸発器(冷却器)S24で冷却した冷気を冷凍温度室S5を構成する冷凍室S5A、製氷室6及び冷凍小室S5Bと、更にダクトを通って冷蔵室S3と野菜室S4へ循環する送風機である。なお、冷凍室S5A、製氷室S6及び冷凍小室S5Bは、蒸発器(冷却器)S24で冷却された冷気を送風機S25によって循環することにより冷却されるように構成し、一方、冷蔵室S3と野菜室S4は、前記冷凍サイクルに接続されたもう一つの蒸発器(冷却器)で冷却された冷気をもう一つの送風機によって循環することにより冷却されるように構成してもよい。
自動製氷機S7は電動機構S7Aと電動機構S7Aによって回転駆動される製氷皿S7Bを備えている。電動機構S7Aへの給電ラインの自動着脱を含めて電動機構S7Aと製氷皿S7Bを一緒に冷凍冷蔵庫S1外に引き出しにて取り外し可能なるように構成している。製氷皿S7Bは捻り可能な材質で構成された前後方向に長い形態をなし、長手方向を列方向として4個2列、5個2列、又は6個2列のように複数の製氷セルS7B1に区分されて8乃至12個の角型氷が作られる合成樹脂製である。また貯氷容器S8は、白色、透明、半透明又はその他の色の合成樹脂製であり、奥行きが左右幅に比して長い上面開口の箱状である。
S9は自動製氷機7の製氷皿S7Bへ供給する製氷用水を貯める給水容器(貯水容器ともいう)であり、横幅に比して奥行きが長い矩形状をなし、冷蔵室S3内に区画された小室に配置されて冷蔵室S3内の温度で冷却される。冷蔵室S3の前面扉S10を開くことによって、給水容器S9を冷凍冷蔵庫S1の前方へ取り出して、その上面の蓋S9Aを開けて新たな水を注入することができる。製氷用水は給水容器S9からポンプによって汲み上げられて自動製氷機S7の製氷皿S7Bへ供給される方式でもよいが、実施例では自然落下方式によって断熱仕切り壁S28を縦方向に貫通した給水路S51から自動製氷機S7の製氷皿S7Bへ供給される構成を示している。
給水路S51に周囲にはソレノイドS52が配置され、このソレノイドS52への通電によって給水路S51中に配置した作動棒が上昇して、給水容器S9の底部に設けた開閉弁S53が押し上げられて給水容器S9底部の給水孔S54が開き、給水路S51から製氷皿S7Bへ製氷用水が供給される。そして、ソレノイドS52への非通電によって開閉弁S53がバネ力にて下降して給水容器S9底部の給水孔S54を閉じる仕組みである。
自動製氷機S7は電動機構S7Aと電動機構S7Aによって回転駆動される製氷皿S7Bを本体部材S100に備えており、自動製氷機S7の本体部材S100は各部部材を組み合わせた架構を構成するため、以下、ハウジング部材S100と称することとする。ハウジング部材S100には、電動機構S7Aとその前方に製氷皿S7Bを配置している。ハウジング部材S100の後部には、冷凍冷蔵庫本体S2側に設けたコネクタS121に着脱自在に接続されるコネクタS120を備えた構成であり、ハウジング部材S100の左右両側部分S100Aが製氷室S6内の左右両側部分に設けた支持部分S200に載置されており、ハウジング部材S100は支持部分S200をレールとして製氷室S6の前方へ引き出し自在であると共に製氷室S6内へ収納自在である。このような構成によって、電動機構S7Aと製氷皿S7Bを含めた自動製氷機S7は、冷凍冷蔵庫S1の前方へ引き出しにて取り外し可能であり、また冷凍冷蔵庫S1内へ収納可能である。
これに関する具体的な構成を以下に記載する。製氷室S6と冷凍小室S5Bの天井壁を構成する断熱仕切り壁S28の合成樹脂製下板S30の左右中間部には、製氷室S6と冷凍小室S5Bとの間の区画板S40が取り付けられ、製氷室S6の天井壁部分に近い左右両側部には、前後方向にレール機能を果たすように支持部分S200が形成されている。支持部分S200は、下板S30と一体成形にて形成しているが、製氷室S6の左右壁と一体または別個に、前後方向へ延びたレール形態によって支持部分S200を形成する構造でもよい。この支持部分S200にハウジング部材S100の左右のフランジ部分S100Aが前後方向に引き出し自在に載置される構成である。このため、左右の支持部分S200は、左右のレール部S200と称することができる。
ハウジング部材S100には、前後及び左右の壁S101A、S101B、S101C、S101Dと底壁S101Eによって囲まれた自動製氷部S101を形成している。そして、ハウジング部材S100は、自動製氷部S101の側方に、手動捻り可能な合成樹脂製の補助製氷皿S7Cを前方へ引き出し自在なるように収納する補助製氷部S105を形成している。自動製氷部S101と補助製氷部S105とは、両者の区画壁である自動製氷部S101の右壁S101Dを境界として左右両側に隣接配置状態である。補助製氷部S105は、前後及び左右の壁S105A、S105B、S105C(S101Dと同じ)、S105Dと底壁S105Eによって囲まれ、補助製氷皿S7Cが底壁S105E上に前後スライド自在に載置されている。またハウジング部材S100の形態から、補助製氷部S105の右側壁S105Dと右底壁S105Eは、一体化した部材SQを組み合わせる構造である。
自動製氷部S101の前部分は製氷皿S7Bの収納部S102を形成し、自動製氷部S101の後部分は電動機構S7Aの収納部S103を形成している。ハウジング部材S100は、合成樹脂製であり、本体部材基体(以下、ハウジング本体という)S100Bとその上面を覆うカバーS106とで構成している。カバーS106は、自動製氷部S101と補助製氷部S105を覆うように、ハウジング本体S100Bに固定部S106Bにおいてネジにて取り付けられており、ハウジング部材S100の上壁を形成している。このため、製氷皿S7Bの収納部S102は、このカバーS106と前壁S101A、左右の壁S101C、S101Dと底壁S101Eによって囲まれた領域である。また、電動機構S7Aの収納部S103は、このカバーS106と後壁S101B、左右の壁S101C、S101Dと底壁S101Eによって囲まれた領域である。また、補助製氷部S105は、このカバーS106と前壁S105A、左右の壁S105C、S105Dと底壁S105Eによって囲まれた領域である。製氷皿S7Bの底面からの冷却を良好にするために、収納部S102の底壁S101Eには中空部SRが形成され、また、補助製氷皿S7Cの底面からの冷却を良好にするために、補助製氷部S105の底壁S105Eには中空部SSが形成されている。
製氷皿S7Bの収納部S102には、製氷皿S7Bを支持する枠状の製氷皿支持体S104が底壁S101E上に前後方向へスライド自在に載置されている。電動機構S7Aは、電動機と電動機によって回転する複数の歯車の組み合わせである減速機構とがケースに収納されたものであり、そのケースの前面に減速する駆動軸S110が水平方向へ突出している。電動機構S7Aは、そのケースの前上部に形成した左右の係止爪S7A1が、カバーS106の係止部S106Cに係止した状態で収納部S103に保持されている。
製氷皿S7Bの前部には水平方向軸部S70が形成されており、製氷皿支持体S104の前部には、製氷皿S7Bの軸部S70を回転自在に支持する軸受け部S71を形成している。軸受け部S71は上方へ開いており、製氷皿S7Bの軸部S70は軸受け部S71へ上下方向に取り出しと載置が自在である。また、製氷皿S7Bの後部には従動軸部S72が形成されている。電動機構S7Aの駆動軸S110と製氷皿S7Bの従動軸部S72は、駆動軸S110の非円形部が従動軸部S72に前後方向へ着脱自在に嵌るように、前後方向に着脱自在な非円形結合の動力伝達部S80を構成している。
製氷皿支持体S104の後部には、製氷皿S7Bの後部に設けた従動軸部S72が貫通状態で支持される円形孔の支持部S73を形成している。製氷皿S7B後部の従動軸部S72は、製氷皿S7Bと同時成形したものでもよいが、本実施形態では、製氷皿S7B後部の突出軸S74に対して、前方軸S77が嵌め合わされた従動軸部材S75によって形成されている。従動軸部材S75は、上下の弾性爪S76が突出軸S74に係合して取り付けられている。従動軸部S72は支持部S73に対して緩く嵌り合う関係であるため、製氷皿S7Bの軸部S70を軸受け部S71から若干持ち上げた状態で、製氷皿S7Bを前方へ引くことにより、電動機構S7Aの駆動軸S110から製氷皿S7Bの従動軸部S72が外れるため、製氷皿S7Bを製氷皿支持体S104から上方へ取り外すことができる。
また、製氷皿S7Bが製氷皿支持体S104に載置された状態で、製氷皿支持体S104を前方へ引くことによって、駆動軸S110から従動軸部S72が外れると共に、製氷皿S7Bは前部の軸部S70が軸受け部S71に載置された状態で、後部の従動軸部S72が支持部S73に載置された状態となる。この状態で製氷皿S7Bを略水平状態に保持され、製氷皿S7Bの脱落防止が図られる。そして、製氷皿S7Bを製氷皿支持体S104から上方へ取り外すことができる。このように、製氷皿支持体S104が引き出された状態で、製氷皿S7Bを略水平状態に保持することができるため、製氷皿S7Bを製氷皿支持体S104に載せて正規位置へスライドにて収納する場合、従動軸部S72と駆動軸S110との結合も円滑に行える。
製氷皿支持体S104の前面部には、引き出し用取っ手S78が回動自在に取り付けられている。取っ手S78は、製氷皿支持体S104の前面壁S104Aと間隔を保つように前面壁S104Aの前方に位置し、上部が軸S78Aで回動自在に支持され、付与されたバネ(図示せず)力によって上部に突出形成した係止凸部S79が、カバーS106に形成した係止部S81に係合状態である。この係合状態によって、製氷皿支持体S104は、製氷皿S7Bの収納部S102の正規位置に収納された状態を保ち、電動機構S7Aの駆動軸S110と製氷皿S7Bの従動軸部S72が嵌り合って、動力伝達可能状態である。
製氷皿支持体S104をハウジング部材S100から前方へ引き出す場合は、取っ手S78を前記バネ力に抗して手前(前方)へ引くことによって回動し、係止凸部S79が係止部S81から外れるため、製氷皿支持体S104をハウジング部材S100から前方へ引き出すことができる。製氷皿S7Bの上面全部が殆ど露出するように引き出された状態で、製氷皿支持体S104をハウジング部材S100から脱落しないようにするために、ストッパ装置S111が設けられている。製氷皿S7Bが殆ど全部引き出された状態で、上記のように、製氷皿S7Bを製氷皿支持体S104から取り外すことができる。
このストッパ装置S111は、製氷皿支持体S104を引き出したとき、製氷皿支持体S104の底後部に設けた弾性係止片S112の係止突起S113が、ハウジング部材S100の底壁S101Eの前部分の後端のストッパ部S114に当接して、製氷皿支持体S104の引き出しが阻止される仕組みである。このストッパ装置S111で停止した状態から製氷皿支持体S104を取り外す場合は、弾性係止片S112を下方から手で押し上げてストッパ部S114から係止突起S113を外した状態で、製氷皿支持体S104をハウジング部材S100の前方へ引き出すことにより達成される。
本発明では、電動機構S7Aを製氷室6へ残した状態で、製氷皿S7Bを製氷室S6外へ取り出し可能であるため、製氷皿S7Bを水洗いする場合も電気部品に水が掛かることがない構成である。この効果を発揮する構成として、製氷皿S7Bを回転駆動するための電動機構S7Aが自動製氷部S101の後部に収納されているため、蒸発器(冷却器)S24で冷却された冷気を製氷皿S7Bの真後ろから製氷皿S7Bへ導入することができない。このため、蒸発器(冷却器)S24で冷却された冷気を冷気通路S91から製氷皿S7Bへ導入するために、冷気導入路S90が自動製氷機S7を迂回するように形成されている。冷気導入路S90は、カバーS106の補助製氷部S105に対応する部分を窪ませ、冷気通路S91から供給される冷気が製氷皿S7Bの側方から製氷皿収納部S102へ流入するように、自動製氷部S101の側方に冷気導入路S90を屈曲形成している。
蒸発器(冷却器)S24で冷却された冷気は、送風機S25によって冷気通路S91から冷気導入路S90へ流入すると共に、冷気通路S92から冷凍室S5Aへ流入する。冷気導入路S90へ流入した冷気は、分流壁S90Aによって分流されて製氷皿収納部S102の右側面から製氷皿収納部S102へ流入する。冷凍室S5Aへ流入した冷気は、冷凍室S5Aを冷却した後、吸い込み口S93から蒸発器(冷却器)S24の周囲へ帰還して、再び冷却されて上記の循環をする。
製氷皿収納部S102と補助製氷部S105とは、製氷皿S7B上の冷気が補助製氷皿S7Cへ通過するよう冷気通路で連通している。即ち、カバーS106の補助製氷部S105に対応する部分を窪ませて形成した冷気導入路S90から製氷皿収納部S102へ流入した冷気が、製氷皿S7Bの周囲に流れて製氷皿S7Bを冷却してその中の水を凍られる。この冷気の一部分が、製氷皿支持体S104の右側壁に形成した通気孔S83と、この通気孔S83と重なる位置に明けられた製氷皿収納部S102と補助製氷部S105との区画壁である壁S101D(S105Cと同じ)に形成した通気孔S84を通って、補助製氷部S105内の補助製氷皿S7Cを冷却して、補助製氷皿S7C内の水を凍結させ、中空部SSと右側壁S105Dの通気孔S87から製氷室S6へ流出する。また、製氷皿S7Bの周囲に流れた冷気の他の部分は、そのまま中空部SRから下方の製氷室S6へ流出する部分と、製氷皿支持体S104の左側壁に形成した通気孔S85と、この通気孔S85と重なる位置に空けられた製氷皿収納部S102の左側壁S101Cに形成した通気孔S86を通って、製氷室S6へ流出する部分とがある。製氷室S6へ流出した冷気は、製氷室S6の底板S47の周囲の隙間等から冷凍室S5Aへ流入して、吸い込み口S93から蒸発器(冷却器)S24の周囲へ帰還して、再び冷却されて上記の循環をする。
上記のように、自動製氷機S7は、ハウジング部材S100が冷凍温度室である製氷室S6に設けた左右レール部S200に前後方向にスライド自在に支持されている。このため、前面扉S14を引いて貯氷容器S8を前方へ引き出した状態で、ハウジング部材S100の引き出しによって、自動製氷機S7は製氷室S6外に引き出し可能であり、収納もスライドにて可能である。自動製氷機S7を製氷室S6内の正規の位置へ収納し保持するために、ハウジング部材S100を正規位置に保持するためのロック装置S95が設けられている。ロック装置S95は、製氷室S6の天井壁を構成する断熱仕切り壁S28の合成樹脂製下板S30に上方へ向けて窪んで形成した係止凹部S97と、ハウジング部材S100の前壁に回動自在に取り付けたロックレバーS96との組み合わせで構成されている。
ハウジング部材S100を正規位置に収納した状態で、ロックレバーS96の上端を係止凹部S97に係合させることによって、ハウジング部材S100を正規位置に保持することができる。また、ロックレバーS96を回動して係止凹部S97から外した状態で、ハウジング部材S100を製氷室S6から前方へ引き出すことができる。
給水路S51から製氷皿S7Bへ供給する製氷用水は、製氷皿S7Bの製氷セルS7B1の一つに供給して、そこから他の製氷セルS7B1へオーバーフローによって順次供給されるようにしている。このため、カバーS106には、製氷皿S7Bの後部の一つの製氷セルS7B1に対応した位置に給水用孔S106Aが形成され、この給水用孔S106Aに給水路S51の下端が対応している。ハウジング部材S100の前方への引き出しによって、給水路S51を形成するパイプの下端がカバーS106に当らないように、カバーS106には給水用孔S106Aから後方へ開口した溝S106Dが形成されている。
補助製氷皿S7Cは製氷皿S7Bと同様に、捻り可能な合成樹脂製であり、製氷皿支持体S104への取り付け及び電動機構S7Aの駆動軸S110との嵌り合い構造になっており、製氷皿S7Bの軸部S70と同様の軸部S70Cと、製氷皿S7Bの従動軸部S72と同様の従動軸部S72Cと、後述の突起S7B2と同様の突起S7C2等を形成している。このため、補助製氷皿S7Cと製氷皿S7Bは、製氷皿支持体S104への取り付け及び電動機構S7Aの駆動軸S110との嵌り合いにおいて互換性がある形態である。また、補助製氷皿S7Cは、補助製氷皿S7C内部の製氷セルS7C1の形状及び又は大きさが、製氷皿S7Bの製氷セルS7B1の形状及び又は大きさと異なる形状をなす。製氷皿S7Bが変形、破損などを生じた場合には、補助製氷皿S7Cと交換して、継続して自動製氷を行うことができる。また、補助製氷皿S7Cによって、製氷皿S7Bとは異なる形状の氷を造ることができるため、好みに応じていずれの形の氷を使用するかの選択が可能となる。
上記のように自動製氷機S7は、製氷室S6の上壁に近接して配置されるように、製氷室S6の上壁S30に沿ってハウジング部材S100が取り付けられ、冷凍温度室である製氷室S6に設けた左右レール部S200に前後方向にスライド自在に支持されている。このため、冷凍冷蔵庫本体S2側の電装部や制御回路部と電動機構S7Aとを電気的に結ぶ電気ラインは、着脱自在のコネクタ機構になっている。この具体的な構成を以下に説明することとする。
ハウジング部材S100には自動製氷機S7側コネクタS120が設けられ、冷凍冷蔵庫本体S2側には、冷凍冷蔵庫本体S2の電装部(図示せず)からリード線を通って電力が供給されるコネクタS121が設けられている。電動機構S7Aへ接続される自動製氷機S7側コネクタS120は、ハウジング部材S100の後部、具体的にはハウジング本体S100Bに、後方へ突出して設けられている。冷凍冷蔵庫本体S2側のコネクタS121は、製氷室S6の上壁S30に近接するように合成樹脂製下板S30に取り付けている。自動製氷機S7を冷凍冷蔵庫S1内へ収納すべく支持部分S104上へハウジング部材S100の左右部分S100Aを載せて押し込むことによって、自動製氷機S7が冷凍冷蔵庫S1内の所定位置に達した状態でコネクタS120はコネクタS121に接続される。このハウジング部材S100の押し込みを容易にするために、ハウジング部材S100と支持部分S200との組み合わせには若干の融通性を持たせている関係上、コネクタS120とコネクタS121との結合にも若干の融通性を持たせることによって、コネクタS120とコネクタS121の結合がスムーズになる。
この具体的な構成として、コネクタS120の端子部は突出ピンで構成し、コネクタS121はこの突出ピンが差し込まれる孔の形態の端子部であるが、ハウジング部材S100の押し込みによってハウジング部材S100が若干上下左右にずれても、コネクタS120の突出ピンがコネクタS121の孔に入り易いように、コネクタS121の孔の入口が若干広がった形状である。更にコネクタS120は上下左右に若干動くことができるように、融通性を持たせた取り付け構造になっている。
自動製氷機S7は、ハウジング部材S100が冷凍温度室である製氷室S6に設けた左右レール部S200に前後方向にスライド自在に支持されているため、自動製氷機S7を取り外すために、ハウジング部材S100を引き出して製氷室S6から取り外せば、貯氷容器S8内を冷凍食品の貯蔵容器として利用できる。なお、貯氷容器S8も製氷室S6から取り外せば、製氷室S6を冷凍食品の貯蔵のための冷凍室として使用できる。
ハウジング部材S100を引き出して自動製氷機S7を製氷室S6から取り外した状態で、コネクタS121の端子部をカバーするコネクタカバーS130が設けられている。コネクタカバーS130は、ハウジング部材S100を製氷室S6から引き出した状態では、カバー部分S131がコネクタS121の端子部をカバーするように下降している。この状態で、ハウジング部材S100を製氷室S6内に収納すべく、ハウジング部材S100を左右レール部S200に沿って後方向にスライドさせることにより、カバー部分S131が、ハウジング部材S100の後方へ突出した左右一対の作動部S133の上面の傾斜面に沿って押し上げられ、コネクタS121の端子部が徐々に露出するようになる。更に、ハウジング部材S100が左右レール部S104に沿って後方向にスライドすることに伴って、コネクタS120がコネクタS121に差し込まれ、ハウジング部材S100が正規位置へ収納されたとき、両コネクタが正規の結合状態となる。
左右一対の作動片S133は、コネクタS120の左右両側に近接配置されてコネクタS120を保護すると共に、左右一対の作動片S133を左右両側と下側から覆うように、カバー部S134がハウジング部材S100の後壁に設けられている。ハウジング部材S100を引き出した状態では、このカバー部S134によって、コネクタS120と左右一対の作動片S133が他物との衝突等から保護される。
自動製氷機S7の製氷運転は、冷凍冷蔵庫S1に設けた制御回路部によって制御される製氷工程と脱氷工程から構成される。冷蔵室S3の所定位置にセットされた給水容器S9内に十分な量の製氷用水が入っている状態で、製氷工程が開始されると、前記制御回路部によってソレノイドS52へ所定時間通電され、開閉弁S53が給水口S54を開き、製氷皿S7Bへ一回の製氷に要する所定量の製氷用水が自然落下にて自動給水される。
この製氷皿S7Bへの給水によって、製氷皿S7B内の水が凍り、前記制御回路部のタイマ手段によって一定時間経過したとき、または氷の形成を製氷皿センサが製氷皿S7Bの低下した温度を検知したとき、前記制御回路部によって脱氷工程が開始し、電動機構S7Aが始動して製氷皿S7Bが図32で反時計方向へ回動して反転し、製氷皿S7Bの前部に設けた突起S7B2が製氷皿支持体S104のストッパ部S104Bに当接して製氷皿S7Bに捻りが生じ、製氷皿S7B内の氷を下方の貯氷容器S8へ落下せしめる。この捻り後、図32で製氷皿S7Bを時計方向に復帰回転させ、製氷皿S7Bが水平状態に復帰する。この状態で、次の製氷工程が自動開始し、再び給水した後、上記の動作を行う。このような製氷運転サイクルを行うことにより、貯氷容器S8内に氷が貯えられる。脱氷工程において、図38、図40に示すように、製氷皿S7Bが時計方向へ回動する方式とすることもできる。
貯氷容器S8内の氷の量は、製氷工程ごとに電動機構S7Aによって下降する検氷レバーS140によって検知される。検氷レバーS140は製氷皿S7Bの回動の邪魔にならないように製氷皿S7Bの側方に配置され、中空部SRを通して貯氷容器S8内に侵入して氷の量を検知する。貯氷容器S8内の氷の量は規定の満杯になると、この検氷レバーS140がその氷によって下降が制限されるため、この状態を電気的に検知して次回の製氷工程へ入る前の製氷皿S7Bへの給水を中止する仕組みである。