JP4182558B2 - パネル部材プレカットシステム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、木造住宅等の建物において、床板、野地板、壁面等を構成するパネル部材を、土台、大引、根太、梁、桁、垂木、隅木、棟木、柱、間柱等といった構造部材に釘付けする際の釘打ち位置を、個々のパネル部材に対して予めマーキングしておくためのマーキングシステムを備えたプレカットシステムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、木造住宅においては、その床、壁、屋根等の下地として、合板製のパネル部材を、土台、大引、根太、梁、桁、垂木、隅木、棟木、柱、間柱等といった構造部材に対して釘付けする工法が採用されている。特に、従来の木造軸組工法に代わって近年盛んに実施される様になっているパネル工法やツーバイフォー工法では、これらのパネル部材自体が強度メンバーとして重要な役割を果たしている。また、最近では、在来の軸組工法においても、根太を用いずに、厚手の合板を土台、大引等の横架材に直接釘付けする工法が採用されつつある。
【0003】
このため、パネル部材を釘付けするに当たっては、パネル部材の裏側に隠れてしまう土台、大引、根太、梁、桁、垂木等の構造部材に対して、正しい位置に、強度上必要とされる釘打ちピッチ以内の間隔にて釘打ちをする必要がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来は、こうしたパネル部材の釘付けは、建築現場において作業者がパネル部材を決められた割付位置にセットした後、経験や勘に頼って釘を打つべき位置を決定して釘打ち作業を行っており、熟練工であっても正しい位置に強度等の面から要求されるピッチで等間隔に釘を打つのは困難であるという問題がある。
【0005】
このため、従来は、作業者によって釘のピッチが粗すぎたり、細かすぎたりして品質が安定しなかったり、パネル部材の裏側に隠れる横架材の位置を誤ったりして適切な位置に釘が打てなかったりするという問題が生じている。
【0006】
そこで、本発明は、パネル部材を構造部材に釘付けするに際して、熟練工でなくても適切な位置に正しく釘を打ち込むことができ、また、強度等の面において高品質の住宅を提供できる様にすることを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明は、
(A)建物を構成する複数の横架材及び複数の垂直方向の構造部材の個々の配置位置に関する構造部材配置情報を生成する構造部材配置情報生成手段と、
(B)該構造部材配置情報生成手段によって生成された前記構造部材配置情報に基づいて、前記構造部材に対して規格寸法パネルをできるだけそのまま利用して支持される様に複数のパネル部材の個々の寸法形状及び個々の割付位置に関するパネル割付情報を生成するパネル割付情報生成手段と、
(C)前記パネル割付情報生成手段によって生成された前記パネル割付情報と、前記構造部材配置情報生成手段によって生成された前記構造部材配置情報とに基づいて、前記規格寸法パネルから前記個々のパネル部材を板取りするための加工情報として、各パネル部材毎に、柱、筋違い等を避けるための切欠加工情報を含む規格寸法パネル加工情報を生成する規格寸法パネル加工情報生成手段と、
(D)前記各パネル部材を前記構造部材に釘付けする際の釘打ち位置を決定するための釘打ち位置決定情報を与える釘打ち位置決定情報付与手段と、
(E)該釘打ち位置決定情報付与手段によって与えられた釘打ち位置決定情報と、前記パネル割付情報生成手段によって生成された前記パネル割付情報と、前記規格寸法パネル加工情報生成手段によって生成された規格寸法パネル加工情報と、前記構造部材配置情報生成手段によって生成された前記構造部材配置情報とに基づいて、各パネル部材を個々の割付位置において前記各構造部材に対して釘付けする際の釘打ち位置を前記規格寸法パネルの座標系に対する位置情報として算出する釘打ち位置算出手段と、
(F)該釘打ち位置算出手段の算出結果に基づいてマーキング装置を駆動制御することにより、前記規格パネルの表面に前記釘打ち位置をマーキングするマーキング制御手段と
(G)前記マーキング制御手段によって釘打ち位置をマーキングされた前記規格寸法パネルをプレカット加工装置にセットすると共に、前記規格寸法パネル加工情報に従って該プレカット加工装置を駆動制御して前記各パネル部材をプレカットするプレカット制御手段と
を備え、さらに、以下の構成をも備えていること特徴とする。
(1−1)前記各手段は、各手段を実現するための演算処理プログラムをインストールされたコンピュータによって構成されていること。
(1−2)前記コンピュータは、前記釘打ち位置決定情報付与手段を実現するために、少なくとも、釘打ちラインと、該釘打ちライン上での釘打ち開始位置と、釘打ちピッチとを演算条件として設定しておくメモリを備えていること。
(1−3)前記コンピュータにインストールされた演算処理プログラムには、前記構造部材配置情報生成手段の生成した構造部材配置情報と前記パネル割付情報生成手段の生成したパネル割付情報とを読み込み、これら読み込んだ情報に基づき、各パネル部材の内部に位置する構造部材があるかか否かを判断し、パネル部材の内部に位置する構造部材がある場合には、当該パネルに対しては当該構造部材の中心線を釘打ちラインとする内部の釘打ちラインを決定する演算処理プログラムが含まれていること。
(1−)前記釘打ち位置算出手段を実現するための演算処理プログラムは、前記釘打ちライン上に均等な間隔で釘を打ち付ける様に釘打ちラインの長さを上限のピッチで除算して釘の本数を求め、小数点以下の数値を切り上げて再度釘打ちラインの長さをこの切り上げた釘の本数で除算することによって上限内の釘打ちピッチによる均等な釘打ち位置を決定する演算処理を実行するプログラムであること。
【0008】
同じく、上記目的を達成するためになされた請求項2の発明は、
(A)建物を構成する複数の横架材及び複数の垂直方向の構造部材の個々の配置位置に関する構造部材配置情報を生成する構造部材配置情報生成手段と、
(B)該構造部材配置情報生成手段によって生成された前記構造部材配置情報に基づいて、前記構造部材に対して規格寸法パネルをできるだけそのまま利用して支持される様に複数のパネル部材の個々の寸法形状及び個々の割付位置に関するパネル割付情報を生成するパネル割付情報生成手段と、
(C)前記パネル割付情報生成手段によって生成された前記パネル割付情報と、前記構造部材配置情報生成手段によって生成された前記構造部材配置情報とに基づいて、前記規格寸法パネルから前記個々のパネル部材を板取りするための加工情報として、各パネル部材毎に、柱、筋違い等を避けるための切欠加工情報を含む規格寸法パネル加工情報を生成する規格寸法パネル加工情報生成手段と、
(D)前記各パネル部材を前記構造部材に釘付けする際の釘打ち位置を決定するための釘打ち位置決定情報を与える釘打ち位置決定情報付与手段と、
(E)該釘打ち位置決定情報付与手段によって与えられた釘打ち位置決定情報と、前記パネル割付情報生成手段によって生成された前記パネル割付情報と、前記規格寸法パネル加工情報生成手段によって生成された規格寸法パネル加工情報と、前記構造部材配置情報生成手段によって生成された前記構造部材配置情報とに基づいて、各パネル部材を個々の割付位置において前記各構造部材に対して釘付けする際の釘打ち位置を前記規格寸法パネルの座標系に対する位置情報として算出する釘打ち位置算出手段と、
(F)該釘打ち位置算出手段の算出結果に基づいてマーキング装置を駆動制御することにより、前記規格パネルの表面に前記釘打ち位置をマーキングするマーキング制御手段と
(G)前記マーキング制御手段によって釘打ち位置をマーキングされた前記規格寸法パネルをプレカット加工装置にセットすると共に、前記規格寸法パネル加工情報に従って該プレカット加工装置を駆動制御して前記各パネル部材をプレカットするプレカット制御手段と
を備え、さらに、以下の構成をも備えていること特徴とする。
(2−1)前記各手段は、各手段を実現するための演算処理プログラムをインストールされたコンピュータによって構成されていること。
(2−2)前記コンピュータは、前記釘打ち位置決定情報付与手段を実現するために、釘打ちライン上における釘打ち開始位置を決定するための条件と、最大釘打ちピッチと、最小釘打ちピッチと、釘打ち位置とパネル部材のエッジとの間に確保すべきエッジからの必要距離と、エッジ部分の釘打ちラインのエッジからの距離とを演算条件として設定しておくメモリを備えていること。
(2−3)前記コンピュータにインストールされた演算処理プログラムには、前記構造部材配置情報生成手段の生成した構造部材配置情報と前記パネル割付情報生成手段の生成したパネル割付情報とを読み込み、これら読み込んだ情報に基づき、各パネル部材の内部に位置する構造部材があるかか否かを判断し、パネル部材の内部に位置する構造部材がある場合には、当該パネルに対しては当該構造部材の中心線を釘打ちラインとする内部の釘打ちラインを決定すると共に、各パネル部材のエッジ部分に対しては、前記設定されているエッジからの距離に従ってエッジ部分と平行に前記釘打ちラインを決定する釘打ちライン決定のための演算処理プログラムが含まれていること。
(2−4)前記釘打ち位置算出手段を実現するための演算処理プログラムは、前記釘打ち開始位置を決定するための条件に従って前記釘打ちライン上に1本目の釘打ち位置を決定した後、前記最大ピッチにて順次釘打ち位置を算出していったときに、当該釘打ちラインの終点位置との間に、前記最大ピッチに前記必要距離を加えた距離以上の残り距離がとれなくなったときは、さらに、該残り距離が前記最小ピッチ以上であるか否かを判断し、該判断の結果、前記残り距離が前記最小ピッチ以上であると判断されたときは直前に決定した釘打ち位置(n=n−1の釘打ち位置)と前記釘打ちラインの終点位置との距離を2等分した位置を次の釘打ち位置と決定し、前記残りの距離が最小ピッチ未満であると判断されたときは次の釘打ち位置を決定しないというルールに従った演算処理を実行するプログラムであること。
【0009】
同じく、上記目的を達成するためになされた請求項3の発明は、
(A)建物を構成する複数の横架材及び複数の垂直方向の構造部材の個々の配置位置に関する構造部材配置情報を生成する構造部材配置情報生成手段と、
(B)該構造部材配置情報生成手段によって生成された前記構造部材配置情報に基づいて、前記構造部材に対して規格寸法パネルをできるだけそのまま利用して支持される様に複数のパネル部材の個々の寸法形状及び個々の割付位置に関するパネル割付情報を生成するパネル割付情報生成手段と、
(C)前記パネル割付情報生成手段によって生成された前記パネル割付情報と、前記構造部材配置情報生成手段によって生成された前記構造部材配置情報とに基づいて、前記規格寸法パネルから前記個々のパネル部材を板取りするための加工情報として、各パネル部材毎に、柱、筋違い等を避けるための切欠加工情報を含む規格寸法パネル加工情報を生成する規格寸法パネル加工情報生成手段と、
(D)前記各パネル部材を前記構造部材に釘付けする際の釘打ち位置を決定するための釘打ち位置決定情報を与える釘打ち位置決定情報付与手段と、
(E)該釘打ち位置決定情報付与手段によって与えられた釘打ち位置決定情報と、前記パネル割付情報生成手段によって生成された前記パネル割付情報と、前記規格寸法パネル加工情報生成手段によって生成された規格寸法パネル加工情報と、前記構造部材配置情報生成手段によって生成された前記構造部材配置情報とに基づいて、各パネル部材を個々の割付位置において前記各構造部材に対して釘付けする際の釘打ち位置を前記規格寸法パネルの座標系に対する位置情報として算出する釘打ち位置算出手段と、
(F)該釘打ち位置算出手段の算出結果に基づいてマーキング装置を駆動制御することにより、前記規格パネルの表面に前記釘打ち位置をマーキングするマーキング制御手段と
(G)前記マーキング制御手段によって釘打ち位置をマーキングされた前記規格寸法パネルをプレカット加工装置にセットすると共に、前記規格寸法パネル加工情報に従って該プレカット加工装置を駆動制御して前記各パネル部材をプレカットするプレカット制御手段と
を備え、さらに、以下の構成をも備えていること特徴とする。
(3−1)前記各手段は、各手段を実現するための演算処理プログラムをインストールされたコンピュータによって構成されていること。
(3−2)前記コンピュータは、前記釘打ち位置決定情報付与手段を実現するために、釘打ちライン上での釘打ちの開始位置と終点位置とを決定するための距離αと、釘打ち最大ピッチPmaxと、釘打ち最小ピッチPminと、エッジ部分の釘打ちラインのエッジからの距離とを演算条件として設定しておくメモリを備えていること。
(3−3)前記コンピュータにインストールされた演算処理プログラムには、前記構造部材配置情報生成手段の生成した構造部材配置情報と前記パネル割付情報生成手段の生成したパネル割付情報とを読み込み、これら読み込んだ情報に基づき、各パネル部材の内部に位置する構造部材があるかか否かを判断し、パネル部材の内部に位置する構造部材がある場合には、当該パネルに対しては当該構造部材の中心線を釘打ちラインとする内部の釘打ちラインを決定すると共に、各パネル部材のエッジ部分に対しては、前記設定されているエッジからの距離に従ってエッジ部分と平行に前記釘打ちラインを決定する釘打ちライン決定のための演算処理プログラムが含まれていること。
(3−4)前記釘打ち位置算出手段を実現するための演算処理プログラムは、前記釘打ちラインの始点及び終点からそれぞれ距離αだけ離れた位置に釘打ちの開始位置と終点位置とを決定し、該開始位置と該終点位置の間の距離Lを、均等なピッチPとなる様に2本目以降の釘打ち位置を決定する手段として構成され、均等割りにおける間隔nを、下記式を満足し、かつ、nが最小となる様に決定する演算処理を実行するプログラムであること。
Pmax ≧ (L−2α)/n ≧ Pmin …(1)
Pmax ≧ 2Pmin …(2)
【0010】
同じく、上記目的を達成するためになされた請求項4の発明は、
(A)建物を構成する複数の横架材及び複数の垂直方向の構造部材の個々の配置位置に関する構造部材配置情報を生成する構造部材配置情報生成手段と、
(B)該構造部材配置情報生成手段によって生成された前記構造部材配置情報に基づいて、前記構造部材に対して規格寸法パネルをできるだけそのまま利用して支持される様に複数のパネル部材の個々の寸法形状及び個々の割付位置に関するパネル割付情報を生成するパネル割付情報生成手段と、
(C)前記パネル割付情報生成手段によって生成された前記パネル割付情報と、前記構造部材配置情報生成手段によって生成された前記構造部材配置情報とに基づいて、前記規格寸法パネルから前記個々のパネル部材を板取りするための加工情報として、各パネル部材毎に、柱、筋違い等を避けるための切欠加工情報を含む規格寸法パネル加工情報を生成する規格寸法パネル加工情報生成手段と、
(D)前記各パネル部材を前記構造部材に釘付けする際の釘打ち位置を決定するための釘打ち位置決定情報を与える釘打ち位置決定情報付与手段と、
(E)該釘打ち位置決定情報付与手段によって与えられた釘打ち位置決定情報と、前記パネル割付情報生成手段によって生成された前記パネル割付情報と、前記規格寸法パネル加工情報生成手段によって生成された規格寸法パネル加工情報と、前記構造部材配置情報生成手段によって生成された前記構造部材配置情報とに基づいて、各パネル部材を個々の割付位置において前記各構造部材に対して釘付けする際の釘打ち位置を前記規格寸法パネルの座標系に対する位置情報として算出する釘打ち位置算出手段と、
(F)該釘打ち位置算出手段の算出結果に基づいてマーキング装置を駆動制御することにより、前記規格パネルの表面に前記釘打ち位置をマーキングするマーキング制御手段と
(G)前記マーキング制御手段によって釘打ち位置をマーキングされた前記規格寸法パネルをプレカット加工装置にセットすると共に、前記規格寸法パネル加工情報に従って該プレカット加工装置を駆動制御して前記各パネル部材をプレカットするプレカット制御手段と
を備え、さらに、以下の構成をも備えていること特徴とする。
(4−1)前記各手段は、各手段を実現するための演算処理プログラムをインストールされたコンピュータによって構成されていること。
(4−2)前記コンピュータは、前記釘打ち位置決定情報付与手段を実現するために、釘打ちライン上での釘打ちの開始位置と終点位置とを決定するための距離αと、釘打ち最大ピッチPmaxと、釘打ち最小ピッチPminと、エッジ部分の釘打ちラインのエッジからの距離とを演算条件として設定しておくメモリを備えていること。
(4−3)前記コンピュータにインストールされた演算処理プログラムには、前記構造部材配置情報生成手段の生成した構造部材配置情報と前記パネル割付情報生成手段の生成したパネル割付情報とを読み込み、これら読み込んだ情報に基づき、各パネル部材の内部に位置する構造部材があるかか否かを判断し、パネル部材の内部に位置する構造部材がある場合には、当該パネルに対しては当該構造部材の中心線を釘打ちラインとする内部の釘打ちラインを決定すると共に、各パネル部材のエッジ部分に対しては、前記設定されているエッジからの距離に従ってエッジ部分と平行に前記釘打ちラインを決定する釘打ちライン決定のための演算処理プログラムが含まれていること。
(4−4)前記釘打ち位置算出手段を実現するための演算処理プログラムは、前記釘打ちラインの始点及び終点からそれぞれ距離αだけ離れた位置に釘打ちの開始位置と終点位置とを決定し、釘打ち開始位置側から、前記最大釘打ちピッチPmax にて釘打ち位置を決定していき、最後のピッチPnが最小ピッチPmin 以上であれば、これを釘打ち位置と決定し、Pn<Pmin のときは、終点位置直前の釘打ち位置のピッチPxが、Px=(Pmax +Pn)/2となる様に、終点位置より二つ前の釘打ち位置と終点位置との間隔を等分した釘打ち位置を決定する演算処理を実行するプログラムであること。
【0011】
なお、ここでいう構造部材配置情報としては、さらに、個々の構造部材の寸法形状に関する情報も与える様にするとなおよい。特に、在来工法を採用する場合は、床面形成用のパネル部材のプレカット加工等に当たって、柱や筋違い等の垂直方向の構造部材との干渉を避ける様にパネル部材を切り欠いておくことが必要となる。釘打ち位置を決定するに当たっては、こうした切欠部分の情報も必要となるので、構造部材の寸法形状に関する情報も与えることが望ましいのである。しかし、例えば、ツーバイフォー工法であれば、床面にパネルを釘付けするに当たっては、床材を支持する根太等の構造部材の配置情報さえ与えてやれば足りる。よって、請求項1〜請求項4の発明の適用に当たっては、構造部材に関しては少なくともその配置位置に関する情報を与えてやればよく、構造部材の寸法形状については必要に応じて当該情報を与える様にすればよい。
【0012】
この請求項1〜請求項4の発明によれば、各構造部材の少なくとも個々の配置位置に関する構造部材配置情報が与えられると、これに基づいて各構造部材に対して床面等を形成するパネル部材をどの様に支持させたらよいかを決定することができる。従って、まず、構造部材配置情報を与えてやれば、これに基づいて、各パネル部材の個々の寸法形状及び個々の割付位置に関するパネル割付情報を決定することができる。また、本発明では、構造部材の配置情報だけでなく、各パネル部材を前記構造部材に釘付けする際の釘打ち位置を決定するために必要な釘打ち位置決定情報を与えている。従って、構造部材配置情報に基づいてパネル割付情報を決定した後、この釘打ち位置決定情報と、先に決定したパネル割付情報と、最初に与えておいた構造部材配置情報とに基づいて、各パネル部材を個々の割付位置においてそれらを支持する各構造部材に釘付けする際の釘打ち位置を算出することができる。こうした処理は、パーソナルコンピュータやワークステーションの様な演算装置に予め必要なプログラムをインストールしておくと共に、構造部材配置情報と釘打ち位置決定情報とを与えてやれば、容易に実行することができる。本発明では、こうして算出された各パネル部材毎の釘打ち位置に関するデータをプロッタ装置あるいはプロッタ機能付きのパネル材プレカット装置等のマーキング装置に与えてやり、パネル部材に対して釘打ち位置をマーキングする。なお、パネル部材へのマーキングに当たっては、釘打ち位置だけでなく、パネル割付情報に基づいた割付位置に関する情報等も併せてマーキングする様にしておくと一層好適である。
【0013】
この請求項1〜請求項4の発明によって釘打ち位置をマーキングされたパネル部材は、建築現場では、各パネル部材を個々の割り付け位置に配材した後、その表面にマーキングされている釘打ち位置に従って釘打ち作業を行うだけで、要求されているピッチを満足し、かつ、必要とされる釘打ち間隔にてパネル部材を構造部材に釘付けすることができる。現場での釘打ち作業は、マーキング位置に従ってこれを実行するだけなので、熟練工でなくても容易に適切な位置へ釘を打ち込むことができる。従って、本発明によれば、パネル部材の取付に関して質の良い住宅を容易に提供することができ、しかも、現場での検討作業を省略できるので、工数低減にも寄与することができる。
【0014】
釘打ちラインが決定できれば、釘打ち開始位置によって1本目の釘打ち位置を当該釘打ちライン上に決定することができ、さらにピッチが決定できれば、2本目以降の釘打ち位置を簡単に決定できるからである。こうした情報に基づく釘打ち位置の算出に当たっては、パーソナルコンピュータ等を利用すれば、迅速に処理することができる。
【0015】
なお、ここでいう釘打ち開始位置を決定するのに必要な情報としては、例えば、釘打ちライン上で最初に釘を打ち込む位置を一定の数値で与えておいてもよいし、釘打ちラインがパネル部材のエッジ部分に沿ったものなのか、それともパネル部材の内部を通るものかとか、当該パネル部材が床面用のものなのか、壁面用のものなのか、あるいは野地板なのかといった取付位置等の種々の条件に応じてそれぞれ異なる条件を与えておく様にしてもよい。
【0016】
また、釘打ちピッチの決定に必要な情報としては、釘打ちピッチがある数値内に収まる様にするための上限値を与えてもよいし、常に一定のピッチで釘を打つ様に固定ピッチを与えておいてもよい。釘打ちピッチを決定することができれば、もちろん、これら以外の情報の与え方を採用しても構わない。
【0017】
これら釘打ち位置決定情報の与え方は、住宅建築に当たって採用する工法や、パネル部材が床面を形成するためのものなのか、壁面を形成するためのものなのか、あるいは屋根面を形成する野地板なのかといった様なパネル部材の種類によって異ならせておいてもよいし、パネル部材の種類によらず、全てを最も汎用性の高い条件に合わせる様にしておいてもよく、具体的な条件の与え方は目的等に応じて適宜設定すればよい。
【0018】
また、釘打ちラインを決定するための情報としては、例えば野地板であれば、その内部を通る釘打ちラインを垂木の中心線に合わせるといった決定方法をとることができるので、かかる場合には、構造部材の配置位置に関する情報によってこれを兼ねさせることができる。
【0019】
さらに、これらの情報の他に、例えば、一定のピッチで釘打ち位置を算出していった場合に釘打ちラインの終点部分での余りをどの様に処理するかといった情報も与える様にすれば一層よいものとなる。また、釘打ちラインが定まったら、そのライン上に均等な間隔で釘を打ち付ける様に釘打ちラインの長さを上限のピッチで除算して釘の本数を求め、小数点以下の数値を切り上げて再度釘打ちラインの長さをこの切り上げた釘の本数で除算することによって上限内の釘打ちピッチによる均等な釘打ち位置を決定するといった様に、釘打ち開始位置自体を釘打ちピッチと釘打ちラインとから決定できる様な演算条件をもって釘打ち開始位置の決定に必要な情報としてもよい。請求項1〜請求項4の発明は、こうした点について、釘打ち位置算出手段が如何なる演算処理を実行するとよいかを示している。
【0020】
【0021】
パネル部材に対して釘打ち位置をマーキングする方法としては、まず最初に規格寸法パネルから必要な寸法形状のパネル部材を切り出しておき、その後で各パネル部材にマーキングするといった方法を採用することもできるが、この場合、パネル部材毎に形状が異なることから、マーキング装置へのセッティングが面倒になるおそれがある。これに対し、請求項1〜4の発明によれば、規格寸法パネルに対する各パネル部材の板取り位置を考慮しつつ、規格寸法パネルを対象にして釘打ち位置を算出することにより、パネル部材を切り出す前の規格寸法パネルに対して釘打ち位置をマーキングすることができ、マーキング装置への材料のセッティングが簡単になるという点で一層有利といえる。
【0022】
この場合、請求項の発明の様に、請求項1〜4記載のパネル部材プレカットシステムにおいて、さらに、以下の構成をも備えておくとよい。
−1)前記規格寸法パネル加工情報生成手段を実現する演算処理プログラムは、1枚の規格寸法パネルから複数枚のパネル部材を板取りするための複数取り情報を生成する演算処理を実行するプログラムとして構成されていること。
−2)前記釘打ち位置算出手段を実現する演算処理プログラムは、前記釘打ち位置を算出するに当たっては、前記複数取り情報に基づいて1枚の規格寸法パネルから板取りすべき各パネル部材の板取り位置を参酌し、当該1枚の規格寸法パネルを対象として前記複数取りされる各パネル部材のそれぞれに対する釘打ち位置を算出する演算処理を実行するプログラムとして構成されていること。
【0023】
この請求項の発明によれば、1枚の規格寸法パネルから複数枚のパネル部材を板取りすることができ、しかも、各パネル部材を切り出す前の規格寸法パネルを対象として釘打ち位置のマーキングを行うので、マーキング装置に対するセッティング等が容易になると共に、材料歩留まりも向上させることができる。
【0024】
【0025】
そして、請求項1〜4の発明によれば、既に説明した様に、小さな個々のパネル部材への切断等の加工をマーキングの後で実行することにより、正確なマーキングを簡単に実施することができる。そして、このプレカットシステムによれば、プレカットによって各パネル部材が製造された時には、既に、釘打ち位置のマーキングが完了しているので、この後はパネル部材の梱包等の工程へ簡単に移行させることができる。
【0026】
【0027】
また、請求項1のマーキングシステムによれば、構造部材配置情報生成手段によって建物を構成する複数の構造部材の個々の配置位置に関する構造部材配置情報を生成し、こうして生成された構造部材配置情報に基づいて、パネル割付情報生成手段が、構造部材に対して支持される様に複数のパネル部材の個々の寸法形状及び個々の割付位置に関するパネル割付情報を生成する。
【0028】
ここで、構造部材配置情報生成手段としては、例えば、建築設計図面に従って間取り図等を入力すると共に、構造部材の配置位置を決定するのに必要な条件を与えてやることによって、予め組み込まれている演算処理プログラムにより自動的に構造部材配置情報を生成する手段として構成しておくことができる。また、土台、大引、梁、桁、柱等の構造部材の種類を指定しつつその配置位置をオペレータが入力することにより、この入力結果から、建物の各フロア等における構造部材配置情報を生成する手段として構成してもよい。また、パネル割付情報生成手段としては、例えば、構造部材の配置位置とパネル部材として使用する規格寸法パネルに関する情報等とに従って、各パネル部材がそれぞれのエッジを構造部材によって支持されるように寸法形状及び割付位置を演算するといった構成を採用することができる。また、野地板の様なパネル部材では、その長手方向のエッジは構造部材によって支持されない場合もあるので、必ずしもパネル部材のエッジと構造部材とが一致する様に割付を行わなくてもよい。なお、これらパネル割付情報を生成する場合に、土間や吹き抜け等の様にパネル部材を配置する必要のない区画とパネル部材を配置する必要のある区画とを区別してパネル割付情報を生成する様にするとよい。この場合、構造部材配置情報生成手段において、区画毎の属性情報なども併せて情報化する様にしておくとよい。また、構造部材配置情報生成手段として、可能な限り規格寸法パネルをそのままで割り付けることができる様な構成を採用するとよい。
【0029】
また、本発明のプレカットシステムでは、釘打ち位置決定情報付与手段が、各パネル部材を構造部材に釘付けする際の釘打ち位置を決定するための釘打ち位置決定情報を与える構成となっている。そして、この釘打ち位置決定情報付与手段によって与えられた釘打ち位置決定情報と、パネル割付情報生成手段によって生成されたパネル割付情報と、構造部材配置情報生成手段によって生成された構造部材配置情報とに基づいて、釘打ち位置算出手段が、各パネル部材を個々の割付位置において各構造部材に対して釘付けする際の釘打ち位置を算出する。そして、マーキング制御手段が、この算出結果に基づいてマーキング装置を駆動制御することにより、各パネル部材の表面に前記釘打ち位置をマーキングすることができる。
【0030】
【0031】
【0032】
さらに、本発明のプレカットシステムによれば、規格寸法パネル加工情報生成手段に対して、パネル割付情報生成手段によって生成された個々のパネル部材の寸法形状を与えてやり、規格寸法パネルから個々のパネル部材を板取りするための規格寸法パネル加工情報を生成することができる。そして、釘打ち位置算出手段は、この規格寸法パネル加工情報生成手段の生成した規格寸法パネル加工情報に基づき、規格寸法パネルから板取りされるパネル部材の板取り位置を参酌し、当該規格寸法パネルを対象として釘打ち位置を算出する。この結果、マーキング制御手段は、規格寸法パネルを対象とした釘打ち位置のマーキングを規格寸法パネルに対して実行する。従って、マーキングに際してマーキング装置に材料を投入する場合に、規格寸法パネルをそのまま用いることができ、原点位置合わせなどのセッティング作業が簡単になる。
【0033】
【0034】
特に、請求項の釘打ち位置マーキングシステムによれば、規格寸法パネル加工情報生成手段が、1枚の規格寸法パネルから複数枚のパネル部材を板取りするための複数取り情報を生成し、釘打ち位置算出手段が釘打ち位置を算出するに当たっては、複数取り情報に基づいて1枚の規格寸法パネルから板取りすべき各パネル部材の板取り位置を参酌し、当該1枚の規格寸法パネルを対象として複数取りされる各パネル部材のそれぞれに対する釘打ち位置を算出することになる。この結果、マーキングに当たっての材料のセッティングが容易である上に、複数取りにより、材料の歩留まりを向上させることができる。
【0035】
【0036】
また、本発明のプレカットシステムによれば、規格寸法パネルに対して釘打ち位置のマーキングを行った上で、個々のパネル部材の寸法形状に応じた加工を行う構成となっているので、小さなパネル部材などに対しても釘打ち位置を容易にマーキングしておくことができ、先にプレカットを行ってからマーキングを行う場合に比べて作業性や後工程での処理能率を向上させることができる。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、この実施の形態では、根太を用いずに、床材として25mm〜30mm程度の厚さの合板を土台、大引、梁、桁等の横架材に直接釘付けすることによって床面を形成する工法(「根太なし工法」あるいは「根太レス工法」と呼ばれることがある。)を対象にして、床板材及び野地板として用いるパネル部材に対して、予め釘打ち位置をマーキングした状態のプレカット材を供給するためのパネル部材プレカットシステムを一例として説明する。
【0038】
実施の形態としてのパネル部材プレカットシステム1は、図1に示す様に、建築設計図面3を参照しつつ構造部材及びパネル部材のプレカット加工情報を生成するためのプレカット加工情報生成用コンピュータ10と、このプレカット加工情報生成用コンピュータ10によって生成されたプレカット加工情報の内、特に、床面、野地板等を構成するパネル部材用のプレカット加工情報に基づいて、パネル材マーキング装置30及びパネル材切断加工装置40を駆動制御するためのパネル材加工制御用コンピュータ20とによって構成されている。
【0039】
ここで、プレカット加工情報生成用コンピュータ10は、キーボード、マウス、ディスプレイ、ハードディスク、フロッピーディスクドライブ等の入出力装置を備えたパーソナルコンピュータに、本実施の形態を実現するに当たって必要なプログラムや演算処理用パラメータ等を予めインストールしたものである。特に、そのハードディスクには、後述する様に、プレカット加工情報生成用プログラムや、同プログラムを実行するに当たって、間取りの情報を入力する処理を簡単に実行するための情報、横架材や柱等の入力を簡単にするための情報、継手、仕口の加工条件決定用の情報、釘打ち位置の決定に必要な各種の情報等が予めインストールされている。また、演算結果を記憶するための領域として、間取り情報メモリ11、横架材配置情報メモリ12、横架材プレカット加工情報メモリ13、垂直方向構造部材メモリ14、パネル部材割付情報メモリ15、パネル部材加工情報メモリ16、釘打ち位置マーキング情報メモリ17、パネル材プレカット加工制御情報メモリ18を有すると共に、各パネル部材に対してどの様な条件で釘打ち位置を決定したらよいかに関する情報を与えるための釘打ち位置決定情報記憶部19も有している。
【0040】
また、パネル材加工制御用コンピュータ20も同様のパーソナルコンピュータによって構成され、プレカット加工情報生成用コンピュータ10によって生成された規格寸法のパネル材に対して切断、切欠加工及びマーキングを実行するための各種情報に従って、パネル材マーキング装置30及びパネル材切断加工装置40を駆動制御するための処理プログラムが予めインストールされている。
【0041】
また、パネル材マーキング装置30は、例えば大型のXYプロッタの様な装置であり、パネル材の表面に所定の文字や記号をマーキングするためのマーキングヘッドを備えたものである。
【0042】
また、パネル材切断加工装置40は、規格寸法パネルを所望の長さ、形状のパネル部材に切断したり、切欠を加工したりするための加工ヘッドを備えたものである。なお、マーキング装置と切断加工装置とは1台の装置にマーキングヘッドと加工ヘッドとを備えさせることによって兼用型として構成してもよい。
【0043】
次に、本実施の形態の特徴であるところのパネル部材プレカット加工用情報生成作業の処理手順について、図2〜図6のフローチャート及び図7〜図14の間取り図等を参照しつつ説明する。
【0044】
まず最初に、図2に示す様に、建築設計図面3に基づき、プレカット加工情報生成用コンピュータ10に対し、部屋や浴室等の区画を間取り図に従って入力する(S10)。このとき、各区画に対して、和室、洋室、浴室、土間、吹き抜け等といった区画毎の属性情報も併せて入力する。
【0045】
この属性情報は、例えば、予め、プレカット加工情報生成用コンピュータ10に、和室、洋室、浴室、土間、吹き抜け等といった建築物の間取り図を作成する上で必要となる区画名の選択肢を複数用意しておき、「和室」を選択した上で和室が配置される区画をマウス等の入力装置によってディスプレイ画面上で指定することにより、当該区画に対して「和室」という属性情報が付随した形で間取りの入力を行うことができる様にしておけばよい。この間取り入力の一例として、ある個人住宅の1階の間取り図を図7に示す。
【0046】
こうして入力された間取りに関する情報は、各区画の位置と属性の情報として間取り情報メモリ11に記憶しておく(S20)。この間取り情報メモリ11の記憶内容は、後に説明するパネル部材割付情報の演算処理において、その属性情報に基づいてパネル部材を割付る区画と、割り付けない区画とを区別する際の参照情報となる。
【0047】
次に、この間取り図に基づいて、1階であれば土台、大引等の横架材の配置情報を、2階以上であれば、梁、桁、母屋、垂木、棟木、隅木等の横架材の配置情報を入力する(S30)。なお、屋根の部分については、この処理において屋根勾配の数値も入力しておく。この横架材の配置情報を入力するに当たっては、浴室、土間、吹き抜け等の様に床板を張らない部分以外の区画に関しては、規格寸法パネルを千鳥に配置することを頭に描いて、小割した大引や小梁の位置、垂木の位置等を決定しつつそれぞれの横架材の配置を行っていく。また、図7の階段下区画の様に、間崩れの生じている区画に関しては、規格寸法パネルの長さ等を考慮して、合板受けを適宜追加する様に横架材の配置情報を入力する。図8は、こうして横架材の配置情報を入力した1階部分の構造平面図を示している。図中ハッチングを入れてあるのが間崩れに対応するための合板受けである。また、図9は、野地板の板取りを考慮しつつ決定した屋根の平面図を示している。この屋根の平面図においては、垂木は直線でその配置位置が表現されている。また、この図9では、母屋や軒桁の配置については省略して記載してある。野地板に対して釘打ち位置をマーキングする際に必要となる構造材の配置情報としては、棟木、隅木及び垂木の配置情報及び屋根勾配が利用される。
【0048】
ここで、土台、大引等の横架材の配置情報を入力するに際しては、樹種、寸法等に応じた複数の横架材候補をテーブル等の形式にしてプレカット加工情報生成用コンピュータ10に予めインプットしておき、それらの横架材候補の中から、建築設計図面3による指示や、強度その他の条件に従って適切な樹種、寸法のものを選択しながら、その配置位置を横架材の中心線、始点及び終点の位置情報として入力する様に構成しておくと操作が簡単である。
【0049】
こうして入力された横架材の配置に関する情報は、各横架材の配置位置と寸法形状とからなる情報として横架材配置情報メモリ12に記憶しておく(S40)。このとき、各横架材には、所定の条件に従って、それぞれ固有の部材番号が付与されて上記メモリ12に記憶される。また、和室と洋室の間の様に、畳の高さ分に応じた横架材の上がり寸法又は下がり寸法が併せて各横架材の情報として記憶される。この様な和室と洋室の間では、畳の厚さ分だけ床面高さが相違するため、和室側又は洋室側のパネル割付の際に、和室又は洋室のいずれか一方に使用するパネル部材については横架材の中心線にエッジを合わせる様にし、他方については横架材の中心線より所定距離だけ控えた位置にエッジを合わせる様にパネル割付を実行することが多い。本実施の形態では、洋室側のパネル部材の方を横架材の中心線に対して控えさせる様に、後述のパネル割付情報の演算処理を実行することとしている。
【0050】
次に、横架材同士の継手、仕口の加工条件を決定しながら横架材プレカット加工情報を生成する処理を実行する(S50)。この継手、仕口の加工条件の決定に当たっては、プレカット加工情報生成用コンピュータ10に予めインプットされているプログラムに従って自動生成させる方法と、横架材を個々に指定しながら、加工条件として予め準備されている複数の選択肢の中から適切なものをオペレータが一つずつ指定しつつ決定していく方法のいずれかを選択することができる。このS50の処理によって、各横架材に対する継手、仕口のプレカット加工情報が生成されることになる。
【0051】
このS50の処理によって生成された横架材のプレカット加工情報は、横架材に対する継手、仕口のプレカット加工情報として、部材番号、加工の種類及び加工位置の情報等を関連付けた形式で、横架材プレカット加工情報メモリ13に記憶しておく(S60)。この横架材プレカット加工情報メモリ13に記憶された横架材プレカット加工情報は、横架材をプレカット加工する際にフロッピーディスク等に書き込み、当該フロッピーディスクを横架材用のプレカット加工制御装置にセットし、この継手、仕口のプレカット加工情報に従って横架材プレカット加工装置を駆動制御して各横架材に対する継手、仕口をプレカットするための情報として使用される。
【0052】
次に、柱、間柱、筋違いといった垂直方向の構造部材に関する配置情報を入力する(S70)。ここでも、柱、間柱等の候補としてプレカット加工情報生成用コンピュータ10に予めインプットされている樹種、寸法等に応じた複数の柱、間柱、筋違い等の候補の中から、建築設計図面の指示等に従って、適切な構造部材を選択しながら、柱や間柱であればそれを配置する際の中心位置で配置情報を入力する。また、筋違いについては、その下端側になる柱と上端側になる柱の位置を指定すればよい。図10は、図7,図8に例示した1階平面図中に、このS70の処理によって柱、間柱、筋違いの位置情報が記入された状態の床構造平面図を示すものである。この例では、筋違いは細長い直角三角形の記号で示されており、図面表現上の約束事として三角形の直角側が柱の下端となるものとしている。また、四角形の図形が柱を、二重線が間柱を表している。
【0053】
こうしてS70の処理によって入力された垂直方向の構造部材に関する配置情報は、それぞれの配置される位置情報及び寸法形状情報と共に垂直方向構造部材メモリ14に記憶しておく(S80)。この垂直方向構造部材の位置及び寸法形状等に関する情報は、床面を形成するパネル部材の割付を行った後、各パネル部材に対して切欠加工を施すための情報を生成する際に利用される。
【0054】
こうして、建築物の間取りを構成する各区画及びその属性と、横架材や柱等の構造部材の配置及び各構造部材の寸法形状等に関する情報の入力ができたら、床面を構成するパネル部材の割付情報を演算する処理を実行する(S90)。
【0055】
この処理では、間取り情報メモリ11及び横架材配置情報メモリ12に記憶されている間取り及びその属性と、横架材の配置位置に関する情報とが各メモリ11,12から読み出され、例えば、図7,図8に示す様な1階床構造に対しては、浴室及び土間の属性が付与された区画を除き、自動的にパネル割付が実行される。この自動割付によって、図11に示す様に、パネル番号1−1、2−1〜2−36、3−1〜3−13といった様に、規格寸法パネルをできるだけそのまま利用することができる様に、1階の床面を形成するパネル部材の割付が決定される。
【0056】
なお、屋根についても、同様に、垂木等の配置や屋根勾配等の必要な情報が横架材配置情報として記憶されており、図12に示す様に野地板に関するパネル割付が実行されることになる。なお、図12中の1〜8は、屋根の傾斜面毎に付される番号であって、一部例示した様に、5−1−1,5−1−2,5−2−1,5−2−2,5−2−3等の様に、屋根の面と、当該面における列の位置と、当該列の中での連続番号とによって構成される野地板の部材番号を付与する場合の基準としている
【0057】
本実施の形態では床面の構造として「根太なし工法」を採用しているので、例えば、1階であれば、土台、大引及び合板受けによってパネル部材の4辺が支持される様にパネル部材の割付が行われる。このパネル部材割付情報は、パネル部材割付情報メモリ15にパネル部材の番号と配置位置とからなる情報として記憶しておく(S100)。また、野地板の場合には、垂木の位置を基準にして可能な限り野地板用の規格寸法パネルをそのまま利用できる様にそのパネル割付を行っている。
【0058】
こうしてパネル割付が決定されたら、各パネル部材毎に、柱、筋違い等を避けるための切欠加工情報を生成する処理が実行される(S110)。ここで、切欠加工情報を生成するに当たっては、柱や筋違いに対する切欠代に関する条件を予め設定しておき、この条件に従って、垂直方向構造部材メモリ14に記憶されている各柱や筋違いとの干渉を避けることができる様に切欠加工情報が自動生成される。
【0059】
この切欠代に関する条件は、予め固定値を定めておくと簡単である。例えば、図13(A)に示す様に、パネル部材と柱とが重なる部分には、柱の表面に対する隙間(この例では7.5mm)を切欠代の固定値として与えておくことができる。この結果、例えば柱の寸法が105mm×105mmであれば、柱の表面に対して切欠代7.5mmをとる様に、図13(A)の例では120mm×60mmの切欠加工情報が、当該パネル部材に関して柱の配置位置との関係で決定されることになる。また、同様に筋違いと重なる部分に対しても予め切欠代が決定されている。図13(B)の例では筋違いに対する切欠代が120mmに決定されているため、柱に対する切欠代と併せて、232.5mm×60mmの切欠加工情報が、当該パネル部材に関して柱及び筋違いの配置位置に対応して決定されることになる。なお、本実施の形態においては、間柱については合板の上から釘付けすることとしているので、間柱に関する切欠加工は行わない。また、柱、筋違い以外にも、例えば、羽子板ボルトを用いて柱と横架材とを結合する部分については、羽子板ボルトの寸法を考慮した切欠代を予め定めておくなどすればよい。
【0060】
こうしてパネル割付及びパネル加工情報を決定することができたら、この結果が、各パネルの部材番号と共にパネル部材加工情報メモリ16に記憶される(S120)。
【0061】
次に、各パネル部材に対する釘打ち位置のマーキング情報を生成する処理を実行する(S130)。
【0062】
この処理に際しては、予め、釘打ち位置を決定するための条件として、1.釘打ちライン上における釘打ち開始位置を決定するための条件、2.釘打ちラインのパネル部材のエッジからの距離、3.最大釘打ちピッチ及び4.最小釘打ちピッチが予めプレカット加工情報生成用コンピュータ10の釘打ち位置決定情報記憶部19にインプットされているものとする。
【0063】
ここで、3.最大釘打ちピッチとしては、パネル部材の結合強度を確保する等の目的に従って、例えば100mmといった数値が設定される。また、4.最小釘打ちピッチとしては例えば50mmといった任意の数値が設定される。同様に、1.釘打ちライン上における釘打ち開始位置を決定するための条件としては釘打ちラインの始点から25mmといった数値が設定されている。また、2.釘打ちラインのパネル部材のエッジからの距離としては25mm、若しくは、パネル部材の裏面に重なる横架材との重なり幅の半分の内小さい方といった様にその条件を設定しておく。
【0064】
ここで、S130において実行される釘打ち位置マーキング処理についてさらに詳細な手順を図4〜図6のフローチャートを参照しつつ説明する。
【0065】
まず最初に、図4に示す様に、パネル部材加工情報メモリ16及び横架材配置情報メモリ12から、各パネル部材の最終的な寸法形状に関する情報と、これを支持する横架材の配置に関する情報とを、パネル部材に付与された番号に従って一つずつ読み出す(S310)。次に、こうして読み出した横架材の配置情報に従って、各パネル部材に対して釘打ちラインを決定する処理を実行する(S320)。この釘打ちライン決定処理においては、各パネル部材のエッジ部分に関しては、2.釘打ちラインのパネル部材のエッジからの距離に関する設定条件に従ってエッジ部分と平行に釘打ちラインを決定する。また、パネル部材の内部に横架材が存在する場合には、当該横架材の中心線をそのまま釘打ちラインとして決定する。
【0066】
次に、まず、エッジ部分の各釘打ちラインに対する釘打ち位置の決定処理を実行する(S330)。
【0067】
この処理では、図5に示す様に、まず、本数パラメータnを1にして、釘打ち開始位置設定条件に従って1本目の釘打ち位置を決定する(S410)。次に、本数パラメータnをn+1に1つ増加すると共に(S420)、最大ピッチの設定値に従って、開始位置側からn本目の釘打ち位置を決定する(S430)。そして、S430で決定したn本目の釘打ち位置と釘打ちラインの終点位置との間に最大ピッチ+α以上の距離があるか否かを判断し(S440)、最大ピッチ+α以上の距離があれば、再びS420へ戻って本数パラメータnを1増加した後、最大ピッチに従って次の釘打ち位置を決定する(S440:YES→S420,S430)。ここで、+αは、例えば10mmとか25mmといった様な固定値を予め与えておく。この+αを与えるのは、パネル部材のエッジからある程度以上の距離を離して釘を打たないと、釘としての十分な結合力を発揮できなかったり、合板の割れの原因になったりするからである。
【0068】
一方、S430で決定した釘打ち位置と釘打ちラインの終点位置との間に最大ピッチ+α以上の距離がないと判断された場合は(S440:NO)、釘打ちラインの終点までの距離として最小ピッチ以上の距離が残っているか否かを判断する(S450)。ここで最小ピッチ以上の距離があると判断された場合は(S450:YES)、nを1増加すると共に(S460)、直前に決定した釘打ち位置(n=n−1の釘打ち位置)と釘打ちライン終点位置との距離を2等分した位置をn本目の釘打ち位置として決定する(S470)。一方、S450において最小ピッチ未満であると判断された場合には(S450:NO)、次の釘打ち位置を決定することなく本処理を抜ける。
【0069】
こうして、当該パネル部材のエッジ部分の釘打ちラインに対して釘打ち位置の決定ができたら、図4に示す様に、全てのエッジ部分の釘打ちラインについて釘打ち位置の決定処理を実行し終えたか否かを判断する(S340)。未だ釘打ち位置の決定がなされていないエッジ部分の釘打ちラインが存在する場合は(S340:NO)、再びS330へ戻り、上述したS410〜S470の処理を実行する。そして、当該パネル部材の全てのエッジ部分の各釘打ちラインに対する釘打ち位置の決定処理を終えていたら(S340:YES)、次に、当該パネル部材の内部を通る釘打ちラインが存在するか否かを判断する(S350)。当該パネル部材の内部を通る釘打ちラインが存在する場合には(S350:YES)、パネル部材の内部を通る釘打ちラインに対する釘打ち位置を決定するための処理を実行する(S360)。
【0070】
この処理では、図6に示す様に、まず、本数パラメータnを1にして、1本目の釘打ち位置(釘打ち開始位置)が、釘打ちラインの始点から最大ピッチの位置となる様に決定する(S510)。
【0071】
なお、このパネル部材の内部を通る釘打ちラインに対する釘打ち位置の決定に当たって、エッジ部分の釘打ちラインに対する釘打ち開始位置の決定と同じ処理を行ってもよい。しかし、この場合、エッジ部分の釘打ちライン上の釘打ち位置とパネル内部を通る釘打ちライン上の釘打ち開始位置とが接近し過ぎる場合が考えられることから、本実施の形態においては、上述の様に釘打ち位置の開始位置の決定方法をエッジ部分に対する場合と変えている。
【0072】
次に、本数パラメータnをn+1に増加すると共に(S520)、最大ピッチの設定値に従って、開始位置側からn本目の釘打ち位置を決定する(S530)。そして、S530で決定したn本目の釘打ち位置と釘打ちラインの終点位置との間に最大ピッチ+α以上の距離があるか否かを判断し(S540)、最大ピッチ+α以上の距離があれば、再びS520へ戻って本数パラメータnを1増加し、最大ピッチに従って次の釘打ち位置を決定する(S540:YES→S520,S530)。
【0073】
一方、S530で決定した釘打ち位置と釘打ちラインの終点位置との間に最大ピッチ+α以上の距離がないと判断された場合は(S540:NO)、釘打ちラインの終点までの距離として最小ピッチ以上の距離が残っているか否かを判断する(S550)。ここで最小ピッチ以上の距離があると判断された場合は(S550:YES)、nを1増加すると共に(S560)、直前に決定した釘打ち位置(n=n−1の釘打ち位置)と釘打ちライン終点位置との距離を2等分した位置をn本目の釘打ち位置として決定する(S570)。一方、S550において最小ピッチ未満であると判断された場合には(S550:NO)、釘打ち位置を決定することなく本処理を抜ける。
【0074】
このパネル部材の内部を通る釘打ちラインに対する釘打ち位置の決定処理についても、図4に示す様に、パネル内部の全ての釘打ちラインについて釘打ち位置の決定処理を実行し終えたか否かを判断し(S370)、全ての釘打ちラインについて釘打ち位置を決定し終えるまでS510〜S570の処理を繰り返し実行する。そして、当該パネル部材の内部を通る全ての釘打ちラインに対する釘打ち位置の決定処理を終えたら(S370:YES)、図4に示す様に、次のパネル部材が存在するか否かを判断する(S380)。そして、次のパネル部材が存在する場合には、当該パネル部材について、S310以下の処理を実行する。
【0075】
以上の様にして、各パネル部材に対する釘打ち位置の演算処理が終了したら(S380:NO)、図3に示す様に、この間の処理において決定した釘打ち位置に関する情報を、各パネル部材に対する釘打ち位置マーキング情報として釘打ち位置マーキング情報メモリ17に記憶する(S140)。ここで、各釘打ち位置マーキング情報は、各パネル部材毎に設定されるパネル部材固有の原点位置からの位置座標情報としてメモリ17に記憶される。なお、パネル部材の切欠加工情報についても同様に、各パネル部材の原点位置からの位置座標情報として切欠加工ラインがメモリ17に記憶されるものとする。
【0076】
こうして、各パネル部材についての切欠加工情報及び釘打ち位置マーキング情報が決定されたら、次に、規格寸法パネルに対する板取り情報生成処理を実行する(S150)。
【0077】
この板取り情報生成処理においては、できる限り歩留まりをよくする様に板取を行う。例えば図14(A)に示す様に、部材番号1−1のパネルであれば規格寸法パネルからそのまま板取りしても余りが出ないが、部材番号2−1であると約半分の余りが生じる。そこで、図14(B)に示す様に、1枚の規格寸法パネルからさらに、部材番号2−8のパネル部材を合わせて切り出す様に板取りするのである。
【0078】
こうした歩留まり向上のための板取りを行うに当たっては、例えば、1枚の規格寸法パネルに対して部材番号2−1のパネル部材を切り出すことを決定した後、2−1のパネル部材を切り出した残りの部分に収まるパネル部材が存在するか否かを、部材番号2−2,2−3,2−4,…とパネル部材の部材番号に従って順番に追いかけていき、切り出し可能な2−8のパネル部材を抽出し、1枚の規格寸法パネル上に、これら2−1と2−8のパネル部材の板取り位置を決定することができる様な板取り用のプログラムを予め設定しておけばよい。
【0079】
もちろん、板取り情報生成処理に当たって採用すべきプログラムはこれ以外であってもよく、例えば、パネル割付情報の中から規格寸法パネルをそのまま使用しない様な小さな寸法のパネル部材を全て抽出しておき、これらを種々に組み合わせて規格寸法パネルから板取りした場合の歩留まりを最小にできる組み合わせを決定するといったアルゴリズムのプログラムを組んでおいてもよい。
【0080】
こうして、1枚の規格寸法パネルからどの部材番号のパネル部材を切り出すかについての組み合わせが決定したら、各パネル部材の切欠加工情報及び釘打ち位置マーキング情報を、それぞれを記憶しておいたメモリ16,17から読み出し(S160)、規格寸法パネルの原点位置(例えば左下角)に対して、各パネル部材の固有の原点位置(例えば2−8のパネル部材であればその左下角、2−1のパネル部材であればその右上角)までのオフセット量を算出する(S170)。そして、このオフセット量を各パネル部材の切欠加工情報及び釘打ち位置マーキング情報に加算することにより、1枚の規格寸法パネルに対する切断情報、切欠加工情報及び釘打ち位置マーキング情報を生成する(S180)。また、このとき、各パネル部材に対して、「1−1」、「2−8」、「2−1」等といった部材番号や、「り−3」、「ぬ−1」、「ろ−8」、「い−9」、「ち−9」、「と−10」等といった配置位置情報の記入箇所も、上述のオフセット量を考慮して規格寸法パネル部材の原点位置からの位置座標を基準にして決定する(S190)。
【0081】
そして、こうして決定した規格寸法パネルの加工及びマーキングに必要な情報をパネル材プレカット加工情報メモリ18に記憶する(S200)。
【0082】
以上の様なプレカット加工情報生成用コンピュータ10を用いた処理が終了したら、次に、パネル材プレカット加工情報メモリ18の記憶内容をフロッピーディスクに書き込み、これをパネル材プレカット加工制御用コンピュータ20にセットする。
【0083】
そして、このフロッピーディスクに書き込まれた加工及びマーキング情報を読み出し、まず最初に、マーキング装置30に対して規格寸法パネルを投入し、当該規格寸法パネルの原点位置をマーキング装置30の原点位置に合わせてセッティングを行う。そして、釘打ち位置、部材番号及び配置情報からなるマーキング情報を読み出して、マーキング装置のマーキングヘッド(例えばインクジェット式印字装置)をXY方向に駆動して、釘打ち位置(+)、部材番号(「1−1」,「2−1」,「2−8」等)及び配置情報(「り−3」,「ぬ−1」,「ろ−8」,「い−9」,「ち−9」,「と−10」等)を規格寸法パネルの表面にマーキングしていく。
【0084】
先に説明した図14は、こうしたマーキングが完了した状態を示している。なお、図14中にハッチングで示した部分は、柱、筋違い等に対する切欠代を考慮した切欠加工部位を示すものであって、マーキングをする訳ではない。また、部材番号「2−8」と「2−1」との間に所定幅の隙間が切り欠かれる様に示してあるのは、和室と洋室の間で床面高さが相違する場合に、本実施の形態では洋室側のパネル部材である「2−1」の方のエッジを横架材の中心線からずらすこととしているためである。
【0085】
次に、こうしてマーキング処理が終了した規格寸法パネルをパネル材プレカット装置40に移し替え、フロッピーディスクによって与えられた切断及び切欠加工情報に従って、鋸刃やエンドミルの様な工具を駆動して切断及び切欠加工を行う。この切断及び切欠加工によって、図14に示したハッチングの部分が除去されて各パネル部材のプレカットが完了することになる。
【0086】
こうして釘打ち位置等をマーキングされると共に、所定の寸法形状とされたパネル部材がプレカットによって製造される。建築現場では、構造部材を組み立てた後、こうしてプレカットされた各パネル部材を、その表面にマーキングされた配置情報に従って配置し、同じく表面にマーキングされている釘打ち位置に従って、横架材に対して釘付けしていく。このとき、本実施の形態において供給される建築用パネル部材には釘打ち位置が予めマーキングされているので、熟練工でなくても、適切なピッチで適切な場所に釘を打つことができ、強度面において熟練工による作業と遜色ない状態でパネル部材の釘打ちを実行することができる。
【0087】
なお、野地板に対する板取り状況やマーキング状況については図示しなかったが、野地板の場合も床材と同様に規格寸法パネルからパネル割付情報等を参照しつつ歩留まりを考慮した板取りが行われ、釘打ち位置のマーキングと切断とが実施されて釘打ち位置がマーキングされたプレカット材として供給される。
【0088】
以上説明した様に、本実施の形態によれば、床や屋根の下地を形成するパネル部材を土台や垂木等の構造部材に釘付けする際に、適切な釘打ち位置がマーキングされた状態で各パネル部材を供給することができるので、パネル部材の釘付けに関して品質の揃った住宅を容易に提供することができる。また、現場においては、経験や勘によって釘打ち位置を考える必要がなく、作業時間を短縮することもできる。
【0089】
なお、本発明は上述した実施の形態に限られることなく、その要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々の態様にて実施することができる。
【0090】
例えば、ツーバイフォー工法による場合は、パネル割付や釘打ち位置を決定するに当たって柱等の垂直方向の構造部材を考慮せずに、根太等の横架材の配置情報だけを考慮してパネル割付やパネル部材の加工情報の生成、パネル部材への釘打ち位置の決定等を行う様にすればよい。
【0091】
また、壁面に関しても、壁面を構成する土台、柱、間柱、梁、桁、窓枠部材などの構造部材の配置位置や寸法形状等の情報を与えることによってパネル割付を決定することができる。そして、例えば、間柱に対してはその中心線を釘打ちラインとし、柱に対してはその寸法の1/4の位置を釘打ちラインとするなど壁面用の釘打ち位置決定情報を与えておくことにより、壁面を形成する各パネル部材についても釘打ち位置をマーキングしたプレカット材を供給することができる。
【0092】
さらに、例えば、床板材として、長手方向のエッジ部分に雄雌の嵌合用の凹凸を有する厚板合板を用いる様な場合には、図8,図10に例示した様な小さな大引を追加しない床構造に対して、床板用パネル部材の長手方向のエッジ部分に沿った釘打ちラインに対して釘打ち位置をマーキングする用にしてもよい。
【0093】
加えて、本発明は、根太によって床板を支える通常の在来工法に対しても適用が可能である。この場合は、本発明を実施するために必要な床構造の情報としては、根太の配置情報だけを用いる構成とすることもできる。
【0094】
また、マーキングヘッドと加工ヘッドとを1台の装置に備えさせて、マーキングと切断等の加工とを1台の装置で実行する様にしてもよい。この場合、工場の設備費用等を低減できるメリットがある。ただし、大量にプレカット加工を行う場合には、マーキング装置と切断加工装置とを別々に備える様にした方が効率よく作業を行うことができる。
【0095】
さらに、実施の形態では、規格寸法パネルの状態でマーキングを行う構成を説明したが、個々のパネル部材に加工した後で釘打ち位置のマーキングを行う構成を採用することも可能である。また、マーキング装置として、インクジェットヘッドをXY方向に移動させる大型プロッタの様なものを採用してもよいし、釘打ちマークを印面とするスタンプ部材を用いて釘打ち位置をマーキングする様な構成を採用してもよい。この場合、ローラの表面に釘打ちマーク用印面を所定のピッチで形成しておき、このローラを釘打ちラインに沿って転がして釘打ち位置のマーキングを行う様にすることもできる。加えて、インクジェットヘッド等を備えるマーキング装置においても、マーキングヘッドはY方向にのみ移動させ、パネル材をX方向に移動させることによって釘打ち位置をマーキングする構成とするなど、マーキング装置としては、合板に対して所望の位置に釘打ち位置を示すマークをマーキングできさえすればどの様なものを採用しても構わない。
【0096】
また、インク等による印字方式のマーキングではなく、釘より細い径のドリルで釘打ち位置に下穴をあけることによって釘打ち位置のマーキングを行う様にしてもよい。この場合、下穴が形成されることによって、釘打ち作業が一層スムーズになるというさらなる効果が発揮される。
【0097】
さらに、実施の形態では、横架材の配置情報入力と柱等の垂直方向構造部材の配置情報入力とを別々のステップで行っているが、これら構造部材の配置情報や寸法情報等の入力は同一のステップにおいて行う様にしてもよい。加えて、実施の形態では横架材配置情報メモリ12と垂直方向構造部材メモリ14とを別々に備えたが、構造部材配置情報メモリとして同一のメモリ領域に横架材及び垂直方向構造部材の配置や寸法等に関する情報を記憶する様にしてもよい。
【0098】
また、釘打ち位置の決定方法としても、実施の形態の方法に限られるものではない。例えば、図15(A)に示す様に、釘打ちラインを決定したら、釘打ちラインの始点及び終点からそれぞれαの距離離した位置に、釘打ちの開始位置と終点位置とを最初に決定しておき、この開始位置と終点位置の間の距離Lを均等なピッチPとなる様に2本目以降の釘打ち位置を決定する様にしてもよい。この場合、均等ピッチPの決定方法としては、強度等の要求から定まる釘打ちピッチを最大値Pmax とし、下記の式を満足する均等割り間隔nを算出し、P=(L−2α)/nとして均等ピッチPを算出する方法等を一例としてあげることができる。
【0099】
【数1】
Pmax ≧ (L−2α)/n ≧ Pmin …(1)
Pmax ≧ 2Pmin …(2)
【0100】
上記の方法において、αは、釘を打ったときに合板に割れが生じない程度の値、例えば、実施の形態で開始位置決定条件として説明した25mm程度の固定値を採用するとよい。また、nは、上記(1)式を満足するnの内、最小の値、換言するならば、均等ピッチPがPmax に最も近い値となる様に決定するとよい。コンピュータを用いた演算では、n=1,2,3,…とnの値を増大させながら上記(1)式を最初に満足したnをもって均等ピッチP=(L−2α)/nを決定するような演算プログラムを用いるとよい。
【0101】
また、図15(B)に示す様に、上述の図15(A)の場合と同様に、まず最初に、釘打ちラインの始点及び終点からαの位置に開始位置及び終点位置を決定し、釘打ち開始位置側から、強度要求等によって定まる最大釘打ちピッチPmax にて釘打ち位置を決定していき、最後のピッチPnが予め定めておいた最小ピッチPmin 以上であれば、これを釘打ち位置と決定する方法を採用することができる。この場合、Pn<Pmin のときは、図15(C)に示す様に、終点位置直前の釘打ち位置として、Px=(Pmax +Pn)/2となる様に、終点位置より二つ前の釘打ち位置と終点位置との間隔を等分した釘打ち位置を決定する様にするとよい。
【0102】
もちろん、釘打ち位置の決定方法としては、さらに、これらの決定方法以外の条件を採用しても構わない。
【0103】
【発明の効果】
以上説明した様に、本発明によれば、建築現場においては、搬入されたプレカット加工済みのパネル材を、指示書等に従って適切な位置に配置した後、パネル部材の表面に記入されている釘打ち位置のマークに従って釘付けを行うだけで、熟練工でなくても強度等から要求されるピッチでばらつくことなく釘付け作業を行うことができる。この結果、品質の安定した住宅を供給することができる。また、現場での釘打ち作業に当たって、釘打ち位置を決定するために時間を費やすことがなく、工期の短縮にも寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態におけるパネル部材プレカットシステムの概略の構成を示すブロック図である。
【図2】 実施の形態において実行されるパネル部材のプレカット加工のためのデータ生成処理の手順を示すフローチャートである。
【図3】 実施の形態において実行されるパネル部材のプレカット加工のためのデータ生成処理の手順を示すフローチャートである。
【図4】 実施の形態において釘打ち位置決定処理の手順を示すフローチャートである。
【図5】 実施の形態において釘打ち位置決定処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】 実施の形態において釘打ち位置決定処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】 実施の形態を説明する上で例示したある個人住宅の1階の間取りを示す平面図である。
【図8】 図7に例示したある個人住宅の1階の横架材の配置状況を示す平面図である。
【図9】 図7に例示したある個人住宅の屋根における棟木、隅木、垂木の配置状況を示す平面図である。
【図10】 図8に例示した1階の横架材の配置状況に、さらに、柱、間柱、筋違い等の垂直方向の構造部材の配置状況を記入した平面図である。
【図11】 図8に例示した1階の横架材の配置状況に応じて床材のパネル割付を行った状態の平面図である。
【図12】 図9に例示した屋根に対して野地板のパネル割付を行った状態の平面図である。
【図13】 実施の形態においてパネル部材を切欠加工するための設定条件を例示する説明図である。
【図14】 実施の形態において、釘打ち位置、部材番号、配置情報をマーキングすると共に、切断及び切欠加工する部位をハッチングで表した規格寸法パネルへのマーキング例を示す平面図である。
【図15】 釘打ち位置の決定方法に関する変形例の説明図である。
【符号の説明】
1・・・パネル部材プレカットシステム、3・・・建築設計図面、10・・・プレカット加工情報生成用コンピュータ、11・・・間取り情報メモリ、12・・・横架材配置情報メモリ、13・・・横架材プレカット加工情報メモリ、14・・・垂直方向構造部材メモリ、15・・・パネル部材割付情報メモリ、16・・・パネル部材加工情報メモリ、17・・・釘打ち位置マーキング情報メモリ、18・・・パネル材プレカット加工制御情報メモリ、19・・・釘打ち位置決定情報記憶部、20・・・パネル材加工制御用コンピュータ、30・・・パネル材マーキング装置、40・・・パネル材切断加工装置。

Claims (5)

  1. (A)建物を構成する複数の横架材及び複数の垂直方向の構造部材の個々の配置位置に関する構造部材配置情報を生成する構造部材配置情報生成手段と、
    (B)該構造部材配置情報生成手段によって生成された前記構造部材配置情報に基づいて、前記構造部材に対して規格寸法パネルをできるだけそのまま利用して支持される様に複数のパネル部材の個々の寸法形状及び個々の割付位置に関するパネル割付情報を生成するパネル割付情報生成手段と、
    (C)前記パネル割付情報生成手段によって生成された前記パネル割付情報と、前記構造部材配置情報生成手段によって生成された前記構造部材配置情報とに基づいて、前記規格寸法パネルから前記個々のパネル部材を板取りするための加工情報として、各パネル部材毎に、柱、筋違い等を避けるための切欠加工情報を含む規格寸法パネル加工情報を生成する規格寸法パネル加工情報生成手段と、
    (D)前記各パネル部材を前記構造部材に釘付けする際の釘打ち位置を決定するための釘打ち位置決定情報を与える釘打ち位置決定情報付与手段と、
    (E)該釘打ち位置決定情報付与手段によって与えられた釘打ち位置決定情報と、前記パネル割付情報生成手段によって生成された前記パネル割付情報と、前記規格寸法パネル加工情報生成手段によって生成された規格寸法パネル加工情報と、前記構造部材配置情報生成手段によって生成された前記構造部材配置情報とに基づいて、各パネル部材を個々の割付位置において前記各構造部材に対して釘付けする際の釘打ち位置を前記規格寸法パネルの座標系に対する位置情報として算出する釘打ち位置算出手段と、
    (F)該釘打ち位置算出手段の算出結果に基づいてマーキング装置を駆動制御することにより、前記規格パネルの表面に前記釘打ち位置をマーキングするマーキング制御手段と
    (G)前記マーキング制御手段によって釘打ち位置をマーキングされた前記規格寸法パネルをプレカット加工装置にセットすると共に、前記規格寸法パネル加工情報に従って該プレカット加工装置を駆動制御して前記各パネル部材をプレカットするプレカット制御手段と
    を備え、さらに、以下の構成をも備えていること特徴とするパネル部材プレカットシステム。
    (1−1)前記各手段は、各手段を実現するための演算処理プログラムをインストールされたコンピュータによって構成されていること。
    (1−2)前記コンピュータは、前記釘打ち位置決定情報付与手段を実現するために、少なくとも、釘打ちラインと、該釘打ちライン上での釘打ち開始位置と、釘打ちピッチとを演算条件として設定しておくメモリを備えていること。
    (1−3)前記コンピュータにインストールされた演算処理プログラムには、前記構造部材配置情報生成手段の生成した構造部材配置情報と前記パネル割付情報生成手段の生成したパネル割付情報とを読み込み、これら読み込んだ情報に基づき、各パネル部材の内部に位置する構造部材があるかか否かを判断し、パネル部材の内部に位置する構造部材がある場合には、当該パネルに対しては当該構造部材の中心線を釘打ちラインとする内部の釘打ちラインを決定する演算処理プログラムが含まれていること。
    (1−)前記釘打ち位置算出手段を実現するための演算処理プログラムは、前記釘打ちライン上に均等な間隔で釘を打ち付ける様に釘打ちラインの長さを上限のピッチで除算して釘の本数を求め、小数点以下の数値を切り上げて再度釘打ちラインの長さをこの切り上げた釘の本数で除算することによって上限内の釘打ちピッチによる均等な釘打ち位置を決定する演算処理を実行するプログラムであること。
  2. (A)建物を構成する複数の横架材及び複数の垂直方向の構造部材の個々の配置位置に関する構造部材配置情報を生成する構造部材配置情報生成手段と、
    (B)該構造部材配置情報生成手段によって生成された前記構造部材配置情報に基づいて、前記構造部材に対して規格寸法パネルをできるだけそのまま利用して支持される様に複数のパネル部材の個々の寸法形状及び個々の割付位置に関するパネル割付情報を生成するパネル割付情報生成手段と、
    (C)前記パネル割付情報生成手段によって生成された前記パネル割付情報と、前記構造部材配置情報生成手段によって生成された前記構造部材配置情報とに基づいて、前記規格寸法パネルから前記個々のパネル部材を板取りするための加工情報として、各パネル部材毎に、柱、筋違い等を避けるための切欠加工情報を含む規格寸法パネル加工情報を生成する規格寸法パネル加工情報生成手段と、
    (D)前記各パネル部材を前記構造部材に釘付けする際の釘打ち位置を決定するための釘打ち位置決定情報を与える釘打ち位置決定情報付与手段と、
    (E)該釘打ち位置決定情報付与手段によって与えられた釘打ち位置決定情報と、前記パネル割付情報生成手段によって生成された前記パネル割付情報と、前記規格寸法パネル加工情報生成手段によって生成された規格寸法パネル加工情報と、前記構造部材配置情報生成手段によって生成された前記構造部材配置情報とに基づいて、各パネル部材を個々の割付位置において前記各構造部材に対して釘付けする際の釘打ち位置を前記規格寸法パネルの座標系に対する位置情報として算出する釘打ち位置算出手段と、
    (F)該釘打ち位置算出手段の算出結果に基づいてマーキング装置を駆動制御することにより、前記規格パネルの表面に前記釘打ち位置をマーキングするマーキング制御手段と
    (G)前記マーキング制御手段によって釘打ち位置をマーキングされた前記規格寸法パネルをプレカット加工装置にセットすると共に、前記規格寸法パネル加工情報に従って該プレカット加工装置を駆動制御して前記各パネル部材をプレカットするプレカット制御手段と
    を備え、さらに、以下の構成をも備えていること特徴とするパネル部材プレカットシステム。
    (2−1)前記各手段は、各手段を実現するための演算処理プログラムをインストールされたコンピュータによって構成されていること。
    (2−2)前記コンピュータは、前記釘打ち位置決定情報付与手段を実現するために、釘打ちライン上における釘打ち開始位置を決定するための条件と、最大釘打ちピッチと、最小釘打ちピッチと、釘打ち位置とパネル部材のエッジとの間に確保すべきエッジからの必要距離と、エッジ部分の釘打ちラインのエッジからの距離とを演算条件として設定しておくメモリを備えていること。
    (2−3)前記コンピュータにインストールされた演算処理プログラムには、前記構造部材配置情報生成手段の生成した構造部材配置情報と前記パネル割付情報生成手段の生成したパネル割付情報とを読み込み、これら読み込んだ情報に基づき、各パネル部材の内部に位置する構造部材があるかか否かを判断し、パネル部材の内部に位置する構造部材がある場合には、当該パネルに対しては当該構造部材の中心線を釘打ちラインとする内部の釘打ちラインを決定すると共に、各パネル部材のエッジ部分に対しては、前記設定されているエッジからの距離に従ってエッジ部分と平行に前記釘打ちラインを決定する釘打ちライン決定のための演算処理プログラムが含まれていること。
    (2−4)前記釘打ち位置算出手段を実現するための演算処理プログラムは、前記釘打ち開始位置を決定するための条件に従って前記釘打ちライン上に1本目の釘打ち位置を決定した後、前記最大ピッチにて順次釘打ち位置を算出していったときに、当該釘打ちラインの終点位置との間に、前記最大ピッチに前記必要距離を加えた距離以上の残り距離がとれなくなったときは、さらに、該残り距離が前記最小ピッチ以上であるか否かを判断し、該判断の結果、前記残り距離が前記最小ピッチ以上であると判断されたときは直前に決定した釘打ち位置(n=n−1の釘打ち位置)と前記釘打ちラインの終点位置との距離を2等分した位置を次の釘打ち位置と決定し、前記残りの距離が最小ピッチ未満であると判断されたときは次の釘打ち位置を決定しないというルールに従った演算処理を実行するプログラムであること。
  3. (A)建物を構成する複数の横架材及び複数の垂直方向の構造部材の個々の配置位置に関する構造部材配置情報を生成する構造部材配置情報生成手段と、
    (B)該構造部材配置情報生成手段によって生成された前記構造部材配置情報に基づいて、前記構造部材に対して規格寸法パネルをできるだけそのまま利用して支持される様に複数のパネル部材の個々の寸法形状及び個々の割付位置に関するパネル割付情報を生成するパネル割付情報生成手段と、
    (C)前記パネル割付情報生成手段によって生成された前記パネル割付情報と、前記構造部材配置情報生成手段によって生成された前記構造部材配置情報とに基づいて、前記規格寸法パネルから前記個々のパネル部材を板取りするための加工情報として、各パネル部材毎に、柱、筋違い等を避けるための切欠加工情報を含む規格寸法パネル加工情報を生成する規格寸法パネル加工情報生成手段と、
    (D)前記各パネル部材を前記構造部材に釘付けする際の釘打ち位置を決定するための釘打ち位置決定情報を与える釘打ち位置決定情報付与手段と、
    (E)該釘打ち位置決定情報付与手段によって与えられた釘打ち位置決定情報と、前記パネル割付情報生成手段によって生成された前記パネル割付情報と、前記規格寸法パネル加工情報生成手段によって生成された規格寸法パネル加工情報と、前記構造部材配置情報生成手段によって生成された前記構造部材配置情報とに基づいて、各パネル部材を個々の割付位置において前記各構造部材に対して釘付けする際の釘打ち位置を前記規格寸法パネルの座標系に対する位置情報として算出する釘打ち位置算出手段と、
    (F)該釘打ち位置算出手段の算出結果に基づいてマーキング装置を駆動制御することにより、前記規格パネルの表面に前記釘打ち位置をマーキングするマーキング制御手段と
    (G)前記マーキング制御手段によって釘打ち位置をマーキングされた前記規格寸法パネルをプレカット加工装置にセットすると共に、前記規格寸法パネル加工情報に従って該プレカット加工装置を駆動制御して前記各パネル部材をプレカットするプレカット制御手段と
    を備え、さらに、以下の構成をも備えていること特徴とするパネル部材プレカットシステム。
    (3−1)前記各手段は、各手段を実現するための演算処理プログラムをインストールされたコンピュータによって構成されていること。
    (3−2)前記コンピュータは、前記釘打ち位置決定情報付与手段を実現するために、釘打ちライン上での釘打ちの開始位置と終点位置とを決定するための距離αと、釘打ち最大ピッチPmaxと、釘打ち最小ピッチPminと、エッジ部分の釘打ちラインのエッジからの距離とを演算条件として設定しておくメモリを備えていること。
    (3−3)前記コンピュータにインストールされた演算処理プログラムには、前記構造部材配置情報生成手段の生成した構造部材配置情報と前記パネル割付情報生成手段の生成したパネル割付情報とを読み込み、これら読み込んだ情報に基づき、各パネル部材の内部に位置する構造部材があるかか否かを判断し、パネル部材の内部に位置する構造部材がある場合には、当該パネルに対しては当該構造部材の中心線を釘打ちラインとする内部の釘打ちラインを決定すると共に、各パネル部材のエッジ部分に対しては、前記設定されているエッジからの距離に従ってエッジ部分と平行に前記釘打ちラインを決定する釘打ちライン決定のための演算処理プログラムが含まれていること。
    (3−4)前記釘打ち位置算出手段を実現するための演算処理プログラムは、前記釘打ちラインの始点及び終点からそれぞれ距離αだけ離れた位置に釘打ちの開始位置と終点位置とを決定し、該開始位置と該終点位置の間の距離Lを、均等なピッチPとなる様に2本目以降の釘打ち位置を決定する手段として構成され、均等割りにおける間隔nを、下記式を満足し、かつ、nが最小となる様に決定する演算処理を実行するプログラムであること。
    Pmax ≧ (L−2α)/n ≧ Pmin …(1)
    Pmax ≧ 2Pmin …(2)
  4. (A)建物を構成する複数の横架材及び複数の垂直方向の構造部材の個々の配置位置に関する構造部材配置情報を生成する構造部材配置情報生成手段と、
    (B)該構造部材配置情報生成手段によって生成された前記構造部材配置情報に基づいて、前記構造部材に対して規格寸法パネルをできるだけそのまま利用して支持される様に複数のパネル部材の個々の寸法形状及び個々の割付位置に関するパネル割付情報を生成するパネル割付情報生成手段と、
    (C)前記パネル割付情報生成手段によって生成された前記パネル割付情報と、前記構造部材配置情報生成手段によって生成された前記構造部材配置情報とに基づいて、前記規格寸法パネルから前記個々のパネル部材を板取りするための加工情報として、各パネル部材毎に、柱、筋違い等を避けるための切欠加工情報を含む規格寸法パネル加工情報を生成する規格寸法パネル加工情報生成手段と、
    (D)前記各パネル部材を前記構造部材に釘付けする際の釘打ち位置を決定するための釘打ち位置決定情報を与える釘打ち位置決定情報付与手段と、
    (E)該釘打ち位置決定情報付与手段によって与えられた釘打ち位置決定情報と、前記パネル割付情報生成手段によって生成された前記パネル割付情報と、前記規格寸法パネル加工情報生成手段によって生成された規格寸法パネル加工情報と、前記構造部材配置情報生成手段によって生成された前記構造部材配置情報とに基づいて、各パネル部材を個々の割付位置において前記各構造部材に対して釘付けする際の釘打ち位置を前記規格寸法パネルの座標系に対する位置情報として算出する釘打ち位置算出手段と、
    (F)該釘打ち位置算出手段の算出結果に基づいてマーキング装置を駆動制御することにより、前記規格パネルの表面に前記釘打ち位置をマーキングするマーキング制御手段と
    (G)前記マーキング制御手段によって釘打ち位置をマーキングされた前記規格寸法パネルをプレカット加工装置にセットすると共に、前記規格寸法パネル加工情報に従って該プレカット加工装置を駆動制御して前記各パネル部材をプレカットするプレカット制御手段と
    を備え、さらに、以下の構成をも備えていること特徴とするパネル部材プレカットシステム。
    (4−1)前記各手段は、各手段を実現するための演算処理プログラムをインストールされたコンピュータによって構成されていること。
    (4−2)前記コンピュータは、前記釘打ち位置決定情報付与手段を実現するために、釘打ちライン上での釘打ちの開始位置と終点位置とを決定するための距離αと、釘打ち最大ピッチPmaxと、釘打ち最小ピッチPminと、エッジ部分の釘打ちラインのエッジからの距離とを演算条件として設定しておくメモリを備えていること。
    (4−3)前記コンピュータにインストールされた演算処理プログラムには、前記構造部材配置情報生成手段の生成した構造部材配置情報と前記パネル割付情報生成手段の生成したパネル割付情報とを読み込み、これら読み込んだ情報に基づき、各パネル部材の内部に位置する構造部材があるかか否かを判断し、パネル部材の内部に位置する構造部材がある場合には、当該パネルに対しては当該構造部材の中心線を釘打ちラインとする内部の釘打ちラインを決定すると共に、各パネル部材のエッジ部分に対しては、前記設定されているエッジからの距離に従ってエッジ部分と平行に前記釘打ちラインを決定する釘打ちライン決定のための演算処理プログラムが含まれていること。
    (4−4)前記釘打ち位置算出手段を実現するための演算処理プログラムは、前記釘打ちラインの始点及び終点からそれぞれ距離αだけ離れた位置に釘打ちの開始位置と終点位置とを決定し、釘打ち開始位置側から、前記最大釘打ちピッチPmax にて釘打ち位置を決定していき、最後のピッチPnが最小ピッチPmin 以上であれば、これを釘打ち位置と決定し、Pn<Pmin のときは、終点位置直前の釘打ち位置のピッチPxが、Px=(Pmax +Pn)/2となる様に、終点位置より二つ前の釘打ち位置と終点位置との間隔を等分した釘打ち位置を決定する演算処理を実行するプログラムであること。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか記載のパネル部材プレカットシステムにおいて、さらに、以下の構成をも備えていることを特徴とするパネル部材プレカットシステム。
    −1)前記規格寸法パネル加工情報生成手段を実現する演算処理プログラムは、1枚の規格寸法パネルから複数枚のパネル部材を板取りするための複数取り情報を生成する演算処理を実行するプログラムとして構成されていること。
    −2)前記釘打ち位置算出手段を実現する演算処理プログラムは、前記釘打ち位置を算出するに当たっては、前記複数取り情報に基づいて1枚の規格寸法パネルから板取りすべき各パネル部材の板取り位置を参酌し、当該1枚の規格寸法パネルを対象として前記複数取りされる各パネル部材のそれぞれに対する釘打ち位置を算出する演算処理を実行するプログラムとして構成されていること。
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