JP4182199B2 - 半導体装置の設計方法、半導体装置の設計プログラム及び半導体設計装置 - Google Patents

半導体装置の設計方法、半導体装置の設計プログラム及び半導体設計装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体装置の設計方法、半導体装置の設計プログラム及び半導体設計装置に関し、特にダミーパターンによる容量変動を考慮する半導体装置の設計方法、半導体装置の設計プログラム及び半導体設計装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、半導体装置では、配線パターン密度の偏りによる、チップ表面上の平坦のばらつきや、配線パターンの太さのばらつきを抑えるため、配線パターン間にダミーパターンを挿入することが必須技術となっている。そこで、ダミーパターンを挿入した半導体装置を設計するための設計ツールがある。
【0003】
例えば、アルミニウム配線では、配線形成のためのエッチング時に配線パターンの側壁に側壁保護膜を形成するが、配線パターン密度に偏りがあると、厚さの異なった側壁保護膜が形成される。このため、配線パターン間に、ダミーパターンを挿入するよう設計ツールで設計し、配線パターン密度の一様化を図る。
【0004】
銅配線では、配線パターン密度に偏りがあると、CMP(Chemical Mechanical Polishing)研磨時に、配線パターンの中央が窪む(ディッシング)現象が生じる。このため、配線パターンに、ダミーパターンを挿入するよう設計ツールで設計し、配線パターン密度の一様化を図る。
【0005】
一方、電位差を持たない(フローティング状態)ダミーパターンを、配線パターン間に挿入すると、配線パターン間の物理距離は、ダミーパターンの幅分小さくなる。このため、配線パターン間の容量値が変動してしまう。
【0006】
図10は、従来の設計ツールの処理の流れを示す。設計ツールは、コンピュータにインストールされ以下の処理を行う。
[ステップS21]配線層毎における配線パターンの配線構造に関する、配線幅、配線間隔、配線高さ、及び誘電率などのプロセス情報を受け付ける。
【0007】
[ステップS22]プロセス情報に基づいた配線パターンの、配線間隔毎における容量値を算出し、この内容を記述したRCルールファイルを生成する。RCルールファイルは、RCルールDB(データベース)に記憶される。
【0008】
[ステップS23]レイアウトDBに記憶されている、設計、製造しようとする半導体装置のレイアウトデータの、配線パターン間に生じる容量値を、RCルールファイルを参照して算出する。
【0009】
[ステップS24]算出された容量値に基づいて、レイアウトデータの、配線パターンの信号の動作解析を行う。
[ステップS25]信号が所望の動作をするか否かの判断を行う。所望の動作をしなかった場合、ステップS26へ、所望の動作をした場合、ステップS28へ進む。
【0010】
[ステップS26]信号が所望の動作をするように、レイアウトデータの配線パターンを修正する。配線パターンが修正されたレイアウトデータは、レイアウトDBに記憶される。
【0011】
[ステップS27]修正されたレイアウトデータが、加工寸法などの設計デザインルールを満たしているかを検証する。
[ステップS28]レイアウトデータの配線パターン間に、ダミールールDBに記憶されているダミーパターンを挿入する。
【0012】
[ステップS29]配線パターン間にダミーパターンが挿入されたレイアウトデータより、マスクデータを生成する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の設計ツールでは、ダミーパターンの挿入による容量値の変動がRCルールファイルに反映されておらず、そのまま動作解析が行われ、ダミーパターンを挿入したマスクデータを生成している。このため、半導体装置は、ダミーパターンの挿入による、配線パターン間の容量変動が考慮されずに設計されているという問題点があった。
【0014】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、ダミーパターンの挿入による、配線パターン間の容量変動を考慮した半導体装置の設計をする半導体装置の設計方法、半導体装置の設計プログラム及び半導体設計装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明では、上記課題を解決するために、ダミーパターンによる容量変動を考慮するコンピュータを用いた半導体装置の設計方法において、前記コンピュータは、ダミーパターンのルールに関するダミールール情報及び配線パターンの配線構造に関するプロセス情報を受け付け、前記プロセス情報に基づいた配線パターン間に、前記ダミールール情報に基づいたダミーパターンを挿入した場合の、前記配線パターン間の配線間隔毎の容量値を算出して記憶装置に記憶し、前記記憶装置に記憶した前記容量値を参照して、前記記憶装置に記憶されている設計、製造しようとする半導体装置の配線パターン間の容量値を算出し、前記算出された前記半導体装置の配線パターン間の容量値で、前記半導体装置の配線パターンの信号伝達の解析をし、前記信号伝達が所望の伝達を満たさなかった場合、前記半導体装置の配線パターンを、所望の伝達を満たすように修正し、前記修正は、前記半導体装置の配線パターン間の容量値が、前記ダミーパターンが挿入されない場合の容量値と同じになるまで、前記配線パターンの配線間隔を広げる、ことを特徴とする半導体装置の設計方法が提供される。
【0016】
このような半導体装置の設計方法によれば、ダミーパターンを挿入した場合の配線パターン間の配線間隔毎の容量値を算出し、算出した容量値に基づいて配線パターン間の信号伝達を解析する。そして、信号伝達が所望の伝達を満たさなかった場合、ダミーパターンが挿入されない場合の容量値と同じになるまで、配線パターンの配線間隔を広げるように修正する。
【0017】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の概略について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の原理を説明する原理図である。図1には、本発明に係る半導体装置の設計方法を実現するコンピュータ1が示されている。コンピュータ1は、情報受け付け部1a、容量算出部1b、配線パターン容量算出部1c、レイアウトDB1dを有している。
【0018】
図に示すダミールール情報1aaは、情報受け付け部1aが受け付ける、ダミーパターンのルールに関する情報である。プロセス情報1abは、情報受け付け部1aが受け付ける、配線パターンの配線構造に関する情報である。レイアウトDB1dは、設計、製造しようとする半導体装置の配線パターン、セル、マクロなどの配置、接続情報を含むレイアウトデータが記憶されるデータベースである。レイアウトDB1dは、ハードディスクドライブ、RAM(Random Access Memory)などの記憶装置によって構築される。
【0019】
なお、プロセス情報1abには、少なくともレイアウトDB1dに記憶される配線パターンの配線構造に関する情報が含まれる。
コンピュータ1は、ダミールール情報1aa、プロセス情報1abから、配線パターン間の、ダミーパターンが挿入された場合の、モデルとなる容量値を算出する。そして、コンピュータ1は、算出した容量値を参照して、レイアウトDB1dに記憶されている、設計、製造しようとする半導体装置の配線パターン間の容量値を算出する。
【0020】
情報受け付け部1aは、ダミールール情報1aa、プロセス情報1abを受け付ける。
容量算出部1bは、プロセス情報1abの配線構造に基づく配線パターン間に、ダミールール情報1aaのルールに基づくダミーパターンが挿入された場合の、配線パターン間の配線間隔毎における容量値を算出する。
【0021】
配線パターン容量算出部1cは、容量算出部1bが算出した容量値を参照して、レイアウトDB1dにレイアウトデータとして記憶されている、設計、製造しようとする半導体装置の配線パターン間の容量値を算出する。
【0022】
以下、原理図の動作について説明する。
まず、コンピュータ1の情報受け付け部1aは、ダミールール情報1aa及びプロセス情報1abを受け付ける。
【0023】
容量算出部1bは、ダミールール情報1aa及びプロセス情報より、配線パターン間にダミーパターンが挿入された場合の、配線パターン間の配線間隔毎における容量値を算出する。
【0024】
配線パターン容量算出部1cは、容量算出部1bによって算出された容量値を参照して、レイアウトDB1dにレイアウトデータとして記憶されている配線パターン間の容量値を算出する。
【0025】
このように、本発明では、ダミールール情報及びプロセス情報を受け付け、ダミーパターンが挿入された配線パターンの配線間隔毎における容量値を算出する。そして、算出された容量値を参照して、設計、製造しようとする半導体装置の配線パターン間の容量値を算出する。これによって、ダミーパターンの挿入による、配線パターン間の容量値の変動を考慮した半導体装置を設計することができる。
【0026】
本発明の実施の形態を説明する前に、配線パターン間の間隔と配線パターン間に生じる容量の関係、ダミーパターンが挿入されたときの配線パターン間の間隔と配線パターン間に生じる容量の関係について説明する。
【0027】
図2は、半導体装置の断面図その1を示す。図2に示すように、半導体装置20は、絶縁体21と、絶縁体21中に形成された配線パターン22〜24から構成されている。配線パターン22〜24は、半導体装置の横方向(図中水平方向)に並んで配置されている。
【0028】
一般に、配線パターンは、隣接して配置されると容量を生じる。点線で示すコンデンサC1は、配線パターン22−配線パターン23間に生じる容量を示す。コンデンサC2は、配線パターン23−配線パターン24間に生じる容量を示す。
【0029】
図3は、ダミーパターンが挿入された図2の半導体装置の断面図を示す。図に示すように、半導体装置20の配線パターン22−配線パターン23間にダミーパターン25が挿入されている。配線パターン23−配線パターン24間にダミーパターン26が挿入されている。
【0030】
コンデンサC3は、ダミーパターン25が挿入された場合の、配線パターン22−配線パターン23間に生じる容量を示す。コンデンサC4は、ダミーパターン26が挿入された場合の、配線パターン23−配線パターン24間に生じる容量を示す。
【0031】
配線パターン22と配線パターン23の間隔をd1、配線パターン23と配線パターン24の間隔をd2とする。ダミーパターン25のパターン幅をd3、ダミーパターン26のパターン幅をd4とする。
【0032】
一般に配線間の容量は、C=ε×S/d(ε:誘電率、S:配線パターンの面積、d:配線パターン間の距離)で表される。なお、以下では、説明を簡単にするため、配線パターンの対向する面の面積を、すべてSとして説明する。
【0033】
図2に示すコンデンサC1の容量は、ε×S/d1である。図3に示すように、ダミーパターン25が挿入されると、ダミーパターン25は電位差を生じないため、配線パターン22−配線パターン23間の間隔は、実質的にd1−d3に減少するので、コンデンサC3の容量は、ε×S/(d1−d3)に増加する。
【0034】
図2に示すコンデンサC2の容量は、ε×S/d2である。図3に示すように、ダミーパターン26が挿入されると、同様の理由により配線パターン23−配線パターン24間の間隔は、実質的にd2−d4に減少するので、コンデンサC4の容量は、ε×S/(d2−d4)に増加する。
【0035】
図4は、横方向(配線幅方向)に配置された配線パターンの間隔と容量の関係を示す図である。図4の横軸は配線間隔、縦軸は容量を示す。実線A1は、ダミーパターンが挿入されたときの、配線パターンの配線間隔と容量の関係を示す。点線A2は、ダミーパターンが挿入されていないときの、配線パターンの配線間隔と容量の関係を示す。
【0036】
図2,3で説明したように、ダミーパターンの挿入により、配線パターン間に生じる容量は増加する。しかし、配線間隔が広くなると、閾値A3を境に、ダミーパターンが挿入されてない配線パターンの容量と変わらなくなる。
【0037】
すなわち、ダミーパターンの挿入により、配線パターン間の容量は増加するが、配線間隔がある閾値を超えると、ダミーパターンを挿入していない場合の配線パターンの容量と変わらなくなる。
【0038】
図5は、半導体装置の断面図その2を示す。図5に示すように、半導体装置30は、絶縁体31と、絶縁体31中に形成された配線パターン32〜36から構成されている。配線パターン32〜34は、横方向に、配線パターン35,36は、縦方向(図中垂直方向)に配置されている。
【0039】
図2で説明したのと同様に、縦方向(配線高さ方向)に配置された配線パターンにおいても、隣接すると、容量を生じる。点線で示すコンデンサC5は、配線パターン32−配線パターン35間に生じる容量を示す。コンデンサC6は、配線パターン33−配線パターン35間に生じる容量を示す。コンデンサC7は、配線パターン34−配線パターン35間に生じる容量を示す。コンデンサC8は、配線パターン35−配線パターン36間に生じる容量を示す。
【0040】
図6は、ダミーパターンが挿入された図5の半導体装置の断面図を示す。図に示すように、半導体装置30の配線パターン32〜34−配線パターン35間にダミーパターン37が挿入されている。配線パターン35−配線パターン36間にダミーパターン38が挿入されている。
【0041】
コンデンサC9は、ダミーパターン37が挿入された場合の、配線パターン32−配線パターン35間に生じる容量を示す。コンデンサC10は、ダミーパターン37が挿入された場合の、配線パターン33−配線パターン35間に生じる容量を示す。コンデンサC11は、ダミーパターン37が挿入された場合の、配線パターン34−配線パターン35間に生じる容量を示す。コンデンサC12は、ダミーパターン38が挿入された場合の、配線パターン35−配線パターン36間に生じる容量を示す。
【0042】
配線パターン32〜34と配線パターン35の間隔をd11、配線パターン35と配線パターン36の間隔をd12とする。ダミーパターン37の配線高さをd13、ダミーパターン38の配線高さをd14とする。
【0043】
図5に示すコンデンサC5〜C7の容量は、ε×S/d11である。図6に示すように、ダミーパターン37が挿入されると、配線パターン32〜34−配線パターン35間の間隔は、実質的にd11−d13に減少するので、コンデンサC9〜C11の容量は、ε×S/(d11−d13)に増加する。
【0044】
図5に示すコンデンサC8の容量は、ε×S/d12である。図6に示すようにダミーパターン38が挿入されると、配線パターン間の間隔は、実質的にd12−d14に減少するので、コンデンサC12の容量は、ε×S/(d12−d14)に増加する。
【0045】
図7は、縦方向(配線高さ方向)に配置された配線パターンの間隔と容量の関係を示す図である。図7の横軸は配線間隔、縦軸は容量を示す。実線B1は、ダミーパターンが挿入されたときの、配線パターンの配線間隔と容量の関係を示す。点線B2は、ダミーパターンが挿入されていないときの、配線パターンの配線間隔と容量の関係を示す。
【0046】
図5,6で説明したように、ダミーパターンの挿入により、配線パターン間に生じる容量は、増加する。しかし、配線間隔が大きくなると、閾値B3を境に、ダミーパターンを挿入されてない配線パターンの容量と変わらなくなる。
【0047】
すなわち、ダミーパターンの挿入により、縦方向に配置された配線パターン間の容量は増加するが、配線間隔がある閾値を超えると、ダミーパターンを挿入していない場合の配線パターンの容量と変わらなくなる。
【0048】
このように、配線パターン間に生じる容量は、ダミーパターンを挿入することによって、容量が増加するが、ある配線間隔を境に(閾値A3,B3)、ダミーパターンを挿入しない場合の容量と変わらなくなる。
【0049】
次に、本発明の実施の形態を、CAD(CAD(Computer Aided Design)をインストールしたコンピュータ)に適用した場合を例にして説明する。
図8は、CADの機能ブロック図である。図8に示すように、CAD40は、ダミー情報受け付け部41、プロセス情報受け付け部42、RCルールファイル生成部43、RCルールDB44、RC算出部45、動作解析部46、レイアウトDB47、修正部48、デザイン検証部49、ダミールールDB50、及びマスクデータ生成部51を有している。
【0050】
RCルールDB44は、RCルールファイルが記憶されるデータベースである。レイアウトDB47は、設計、製造しようとする半導体装置の、配線パターン、セル、マクロなどのレイアウトデータが記憶されるデータベースである。ダミールールDB50は、配線パターン間に挿入されるダミーパターンのデータが記憶されるデータベースである。レイアウトDB47、ダミールールDB50は、ハードディスクドライブ、RAMなどの記憶装置によって構築される。
【0051】
ダミー情報受け付け部41は、ダミールール情報41aを受け付ける。ダミールール情報41aとは、ダミーパターンの配線層毎における配線幅、配線高さ、ダミーパターン−ダミーパターン間の間隔、配線パターン−ダミーパターン間の間隔、などの配線構造に関する情報である。ダミー情報受け付け部41は、受け付けたダミールール情報41aを、配線パターン間に挿入するダミーパターンのダミールールデータとして、ダミールールDB50に記憶する。ダミー情報受け付け部41は、具体的には、CAD40のキーボードである。
【0052】
プロセス情報受け付け部42は、プロセス情報42aを受け付ける。プロセス情報42aとは、具体的には、配線層毎における配線パターンの、配線幅、配線間隔、配線高さ、誘電率などの配線構造に関する情報である。なお、プロセス情報42aは、少なくとも、レイアウトDB47に記憶される配線パターンの配線構造に関する情報を含む。プロセス情報受け付け部42は、具体的には、CAD40のキーボードである。
【0053】
RCルールファイル生成部43は、プロセス情報受け付け部42が受け付けた、プロセス情報42aに基づく配線パターン間に、ダミー情報受け付け部41が受け付けた、ダミールール情報41aに基づくダミーパターンを挿入した場合の、配線間隔毎の容量値を算出する。
【0054】
具体的には、RCルールファイル生成部43は、プロセス情報42aに含まれる配線幅、配線高さ、誘電率を参照して、配線パターンの配線間隔毎の容量を算出する。そして、配線パターンの配線間隔から、ダミールール情報41aに含まれるダミーパターンの配線幅を減算したときの容量値を、ダミーパターンが挿入された配線パターンの、配線間隔毎の容量値として算出する。なお、配線間隔を横軸に、容量を縦軸に採ると、図4,7に示す実線A1,B1のような図となる。
【0055】
RCルールファイル生成部43は、算出した配線間隔毎に対する容量値を記述したRCルールファイルを生成する。RCルールファイルには、配線間隔毎の容量値が、配線幅方向、配線高さ方向の両方又は一方に対して記述される。RCルールファイル生成部43は、生成したRCルールファイルをRCルールDB44に記憶する。なお、RCルールファイル生成部43で算出された容量値は、以下で説明するレイアウトDB47に記憶されている配線パターン(レイアウトデータとして記憶されている)の、パターン間の容量値を算出するためのモデルとなる。
【0056】
RC算出部45は、レイアウトDB47に記憶されている配線パターンの、配線パターン間の容量値を、RCルールDB44に記憶されているRCルールファイルを参照して算出する。すなわち、ダミールール情報41aに基づいたダミーパターンが、レイアウトDB47に記憶されている配線パターンの、パターン間に挿入されたと仮定した場合の容量値が算出される。
【0057】
動作解析部46は、レイアウトDB47に記憶されている配線パターンの、信号動作解析を、RC算出部45によって算出された容量値で行う。動作解析は、具体的には、配線パターンを伝播する信号の伝播時間、クロストークなどである。動作解析部46は、信号が所望の動作を行ったか否かの判断をする。
【0058】
修正部48は、動作解析部46によって、信号が所望の動作をしなかったと判断された場合、信号が所望の動作をするように、レイアウトDB47に記憶されている配線パターンの修正を行う。例えば、容量値の影響が少なくなるように、配線パターン間の間隔を広げる。具体的には、図4,7に示した図の閾値A3,B3の配線間隔以上になるように広げる。信号の伝播時間が所望の設計値よりも小さい場合には、図4,7に示した配線間隔と容量値の相関関係に基づいて、伝播時間が設計値に等しくなるように配線間隔の調整を行い、配線パターン間の容量値を調整する。修正部48は、修正を行ったレイアウトデータをレイアウトDB47に記憶する。
【0059】
デザイン検証部49は、修正が行われたレイアウトデータが、製造上のルールを満足しているかを検証する。具体的には、配線パターンのオープン、ショート、設計デザインルール(加工寸法)を満足しているかを検証する。
【0060】
マスクデータ生成部51は、動作解析部46によって、信号が所望の動作を行うと判断された場合、マスクデータを生成する。マスクデータ生成部51は、レイアウトDB47に記憶されている配線パターン間に、ダミールールDB50に記憶されているダミールールデータに基づいたダミールールを挿入して、マスクデータを生成する。
【0061】
以下、図8のCAD40の処理の一例をフローチャートを用いて説明する。
図9は、CADの処理の一例を示すフローチャートである。CAD40は、以下のステップに従って、半導体装置の設計を行う。
【0062】
[ステップS1]CAD40のダミー情報受け付け部41、プロセス情報受け付け部42は、ダミールール情報41a及びプロセス情報42aを受け付ける。
[ステップS2]CAD40のRCルールファイル生成部43は、プロセス情報42aに基づく配線パターン間に、ダミールール情報41aに基づくダミーパターンを挿入した場合の、配線間隔毎の容量値を算出する。RCルールファイル生成部43は、算出した配線間隔毎に対する容量値を記述したRCルールファイルを生成し、RCルールDB44に記憶する。
【0063】
[ステップS3]CAD40のRC算出部45は、レイアウトDB47に記憶されている配線パターン間の容量値を、RCルールDB44に記憶されているRCルールファイルを参照して算出する。
【0064】
[ステップS4]CAD40の動作解析部46は、レイアウトDB47に記憶されている配線パターンの信号動作解析を、RC算出部45によって算出された容量値に基づいて行う。
【0065】
[ステップS5]CAD40の動作解析部46は、レイアウトDB47に記憶された配線パターンにおいて、信号が所望の動作を満たすか否かを判断する。信号が所望の動作を満たさなかった場合、ステップS6へ進む。レイアウトが所望の動作を満たす場合、ステップS8へ進む。
【0066】
[ステップS6]CAD40の修正部48は、信号が所望の動作をするように、レイアウトDB47に記憶されている配線パターンのレイアウト修正を行う。修正部48は、修正を行った配線パターンのレイアウトデータをレイアウトDB47に記憶する。
【0067】
[ステップS7]CAD40のデザイン検証部49は、修正がおこなわれたレイアウトが製造上のルールを満足しているかを検証する。
[ステップS8]CAD40のマスクデータ生成部51は、ダミールールDB50に記憶されているダミールールを、レイアウトDB47に記憶されている配線パターン間に挿入してマスクデータを生成する。
【0068】
このように、ダミーパターンが挿入された配線パターンの配線間に対する容量を示すRCルールファイルを生成し、RCルールファイルを参照して、設計、製造しようとするレイアウトDB47に記憶された配線パターン間の容量値を算出する。そして、この容量値に基づいてレイアウトデータの配線パターンの動作解析をするので、実デバイスにあった(ダミーパターンが挿入された)条件で動作解析をすることができる。
【0069】
また、様々なデータのダミールール情報を受け付けることにより、様々な配線構造のダミーパターンを挿入した場合での、配線パターン間の容量値の変動を算出することができる。
【0070】
また、プロセス情報による配線パターンの配線間隔毎に対する容量を算出する。そして、配線パターンの配線間隔から、ダミーパターンの配線幅を減算したときの容量値を、ダミーパターンが挿入された配線パターンの、配線間隔毎の容量として算出するようにした。よって、複雑な計算をすることがなく短時間でRCルールファイルを生成することができる。
【0071】
なお、上記の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、CAD40が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリなどがある。磁気記録装置には、ハードディスク装置(HDD)フレキシブルディスク(FD)、磁気テープなどがある。光ディスクには、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−RAM(Random Access Memory)、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)などがある。光磁気記録媒体には、MO(Magneto-Optical disc)などがある。
【0072】
プログラムを流通させる場合には、例えば、そのプログラムが記録されたDVD、CD−ROMなどの可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
【0073】
プログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。また、コンピュータは、サーバコンピュータからプログラムが転送される毎に、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。
【0074】
(付記1) ダミーパターンによる容量変動を考慮するコンピュータを用いた半導体装置の設計方法において、
ダミーパターンのルールに関するダミールール情報及び配線パターンの配線構造に関するプロセス情報を受け付け、
前記プロセス情報に基づいた配線パターン間に、前記ダミールール情報に基づいたダミーパターンを挿入した場合の、前記配線パターン間の配線間隔毎の容量値を算出し、
前記容量値を参照して、記憶装置に記憶されている設計、製造しようとする半導体装置の配線パターン間の容量値を算出する、
ことを特徴とする半導体装置の設計方法。
【0075】
(付記2) 前記配線間隔から前記ダミールール情報に基づいたダミーパターンの配線幅又は配線高さを減算したときの容量値を、前記ダミーパターンが間に挿入された前記配線パターンの配線間隔毎の容量値として算出する、
ことを特徴とする付記1記載の半導体装置の設計方法。
【0076】
(付記3) 前記算出された半導体装置の配線パターン間の容量値で、前記半導体装置の配線パターンの信号伝達の解析をすることを特徴とする付記1記載の半導体装置の設計方法。
【0077】
(付記4) 前記信号伝達が所望の伝達を満たさなかった場合、前記半導体装置の配線パターンを、所望の伝達を満たすように修正することを特徴とする付記3記載の半導体装置の設計方法。
【0078】
(付記5) 前記修正は、前記信号伝達時間が所定の設計値よりも小さい場合、算出された配線間隔毎の容量値に基づいて、配線間隔を前記信号伝達時間が前記設計値に等しくなるように調整することを特徴とする付記4記載の半導体装置の設計方法。
【0079】
(付記6) 前記修正は、前記半導体装置の配線パターン間の容量値が、前記ダミーパターンが挿入されない場合の容量値と同じになるまで、前記配線パターンの配線間隔を広げることを特徴とする付記4記載の半導体装置の設計方法。
【0080】
(付記7) 前記配線間隔毎の容量値を記述したルールファイルを生成することを特徴とする付記1記載の半導体装置の設計方法。
(付記8) 前記ルールファイルは、前記配線パターンの配線幅方向及び/又は配線高さ方向の配線間隔に対して生成されることを特徴とする付記7記載の半導体装置の設計方法。
【0081】
(付記9) 前記半導体装置の配線パターン間の容量値は、前記ルールファイルを参照して算出されることを特徴とする付記7記載の半導体装置の設計方法。
(付記10) 前記半導体装置の配線パターン間に、前記ダミーパターンを挿入したマスクデータを生成することを特徴とする付記1記載の半導体装置の設計方法。
【0082】
(付記11) ダミーパターンによる容量変動を考慮する半導体装置の設計プログラムにおいて、
コンピュータに、
ダミーパターンのルールに関するダミールール情報及び配線パターンの配線構造に関するプロセス情報を受け付け、
前記プロセス情報に基づいた配線パターン間に、前記ダミールール情報に基づいたダミーパターンを挿入した場合の、前記配線パターン間の配線間隔毎の容量値を算出し、
前記容量値を参照して、記憶装置に記憶されている設計、製造しようとする半導体装置の配線パターン間の容量値を算出する、
処理を実行させることを特徴とする半導体装置の設計プログラム。
【0083】
(付記12) ダミーパターンによる容量変動を考慮する半導体装置の設計プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体において、
コンピュータに、
ダミーパターンのルールに関するダミールール情報及び配線パターンの配線構造に関するプロセス情報を受け付け、
前記プロセス情報に基づいた配線パターン間に、前記ダミールール情報に基づいたダミーパターンを挿入した場合の、前記配線パターン間の配線間隔毎の容量値を算出し、
前記容量値を参照して、記憶装置に記憶されている設計、製造しようとする半導体装置の配線パターン間の容量値を算出する、
処理を実行させることを特徴とする半導体装置の設計プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【0084】
(付記13) ダミーパターンによる容量変動を考慮する半導体設計装置において、
ダミーパターンのルールに関するダミールール情報及び配線パターンの配線構造に関するプロセス情報を受け付ける情報受け付け部と、
前記プロセス情報に基づいた配線パターン間に、前記ダミールール情報に基づいたダミーパターンを挿入した場合の、前記配線パターン間の配線間隔毎の容量値を算出する容量算出部と、
前記容量値を参照して、記憶装置に記憶されている設計、製造しようとする半導体装置の配線パターン間の容量値を算出する配線パターン容量算出部と、
を有することを特徴とする半導体設計装置。
【0085】
【発明の効果】
以上説明したように本発明では、ダミーパターンを挿入した場合の配線パターン間の配線間隔毎の容量値を算出し、算出した容量値に基づいて配線パターン間の信号伝達を解析する。そして、信号伝達が所望の伝達を満たさなかった場合、ダミーパターンが挿入されない場合の容量値と同じになるまで、配線パターンの配線間隔を広げるように修正するようにした。これにより、ダミーパターンの挿入による、配線パターン間の容量変動を考慮した半導体装置の設計をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理を説明する原理図である。
【図2】半導体装置の断面図その1を示す。
【図3】ダミーパターンが挿入された図2の半導体装置の断面図を示す。
【図4】横方向(配線幅方向)に配置された配線パターンの間隔と容量の関係を示す図である。
【図5】半導体装置の断面図その2を示す。
【図6】ダミーパターンが挿入された図5の半導体装置の断面図を示す。
【図7】縦方向(配線高さ方向)に配置された配線パターンの間隔と容量の関係を示す図である。
【図8】CADの機能ブロック図である。
【図9】CADの処理の一例を示すフローチャートである。
【図10】従来の設計ツールの処理の流れを示す。
【符号の説明】
1,40 コンピュータ
1a 情報受け付け部
1aa,41a ダミールール情報
1ab,42a プロセス情報
1b 容量算出部
1c 配線パターン容量算出部
1d,47 レイアウトDB
20,30 半導体装置
21,31 絶縁体
22〜24,32〜36 配線パターン
25,26,37,38 ダミーパターン
41 ダミー情報受け付け部
42 プロセス情報受け付け部
43 RCルールファイル生成部
44 RCルールDB
45 RC算出部
46 動作解析部
48 修正部
49 デザイン検証部
50 ダミールールDB
51 マスクデータ生成部

Claims (7)

  1. ダミーパターンによる容量変動を考慮するコンピュータを用いた半導体装置の設計方法において、
    前記コンピュータは、
    ダミーパターンのルールに関するダミールール情報及び配線パターンの配線構造に関するプロセス情報を受け付け、
    前記プロセス情報に基づいた配線パターン間に、前記ダミールール情報に基づいたダミーパターンを挿入した場合の、前記配線パターン間の配線間隔毎の容量値を算出して記憶装置に記憶し
    前記記憶装置に記憶した前記容量値を参照して、前記記憶装置に記憶されている設計、製造しようとする半導体装置の配線パターン間の容量値を算出
    前記算出された前記半導体装置の配線パターン間の容量値で、前記半導体装置の配線パターンの信号伝達の解析をし、
    前記信号伝達が所望の伝達を満たさなかった場合、前記半導体装置の配線パターンを、所望の伝達を満たすように修正し、
    前記修正は、前記半導体装置の配線パターン間の容量値が、前記ダミーパターンが挿入されない場合の容量値と同じになるまで、前記配線パターンの配線間隔を広げる、
    ことを特徴とする半導体装置の設計方法。
  2. 前記配線間隔から前記ダミールール情報に基づいたダミーパターンの配線幅又は配線高さを減算したときの容量値を、前記ダミーパターンが間に挿入された前記配線パターンの配線間隔毎の容量値として算出する、
    ことを特徴とする請求項1記載の半導体装置の設計方法。
  3. 前記配線間隔毎の容量値を記述したルールファイルを生成することを特徴とする請求項1記載の半導体装置の設計方法。
  4. 前記半導体装置の配線パターン間の容量値は、前記ルールファイルを参照して算出されることを特徴とする請求項3記載の半導体装置の設計方法。
  5. 前記半導体装置の配線パターン間に、前記ダミーパターンを挿入したマスクデータを生成することを特徴とする請求項1記載の半導体装置の設計方法。
  6. ダミーパターンによる容量変動を考慮する半導体装置の設計プログラムにおいて、
    コンピュータに、
    ダミーパターンのルールに関するダミールール情報及び配線パターンの配線構造に関するプロセス情報を受け付け、
    前記プロセス情報に基づいた配線パターン間に、前記ダミールール情報に基づいたダミーパターンを挿入した場合の、前記配線パターン間の配線間隔毎の容量値を算出し、
    前記容量値を参照して、記憶装置に記憶されている設計、製造しようとする半導体装置の配線パターン間の容量値を算出し、
    前記算出された前記半導体装置の配線パターン間の容量値で、前記半導体装置の配線パターンの信号伝達の解析をし、
    前記信号伝達が所望の伝達を満たさなかった場合、前記半導体装置の配線パターンを、所望の伝達を満たすように修正し、
    前記修正は、前記半導体装置の配線パターン間の容量値が、前記ダミーパターンが挿入されない場合の容量値と同じになるまで、前記配線パターンの配線間隔を広げる、
    処理を実行させることを特徴とする半導体装置の設計プログラム。
  7. ダミーパターンによる容量変動を考慮する半導体設計装置において、
    ダミーパターンのルールに関するダミールール情報及び配線パターンの配線構造に関するプロセス情報を受け付ける情報受け付け部と、
    前記プロセス情報に基づいた配線パターン間に、前記ダミールール情報に基づいたダミーパターンを挿入した場合の、前記配線パターン間の配線間隔毎の容量値を算出する容量算出部と、
    前記容量値を参照して、記憶装置に記憶されている設計、製造しようとする半導体装置の配線パターン間の容量値を算出する配線パターン容量算出部と、
    前記算出された前記半導体装置の配線パターン間の容量値で、前記半導体装置の配線パターンの信号伝達の解析を行う解析部と、
    前記信号伝達が所望の伝達を満たさなかった場合、前記半導体装置の配線パターンを、所望の伝達を満たすように修正する修正部と、を有し、
    前記修正部は、前記半導体装置の配線パターン間の容量値が、前記ダミーパターンが挿入されない場合の容量値と同じになるまで、前記配線パターンの配線間隔を広げることを特徴とする半導体設計装置。
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