JP4181094B2 - 接合構造体 - Google Patents

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本発明は、柱状構造部材と他の構造部材との接合構造に関する。
従来、鋼製の柱状構造部材と他の構造部材(例えば板状構造部材或いは柱状構造部材と交差する柱状構造部材)との間に板状補強材或いはU字状またはV字状の補強材を溶接した接合構造体が考案されている。(例えば、特許文献1、特許文献2参照)
図9に示される従来の鋼製の柱状構造部材10と他の構造部材11との間に板状の補強材12を溶接して接合する接合構造体においては、柱状構造部材10に他の構造部材11に対する曲げモーメントが作用した時、板状の補強材12の止端部14に近い柱状構造部材10に大きい応力集中が生じ、構造性能が低下するという問題があった。更に、板状の補強材12を柱状構造部材10に溶接した場合には、板状の補強材12の上端の回し溶接部が、溶接残留応力と溶接止端部14の熱影響部材質劣化との重複により構造欠陥になりやすく、耐力や疲労性能が低下するという問題があった。
また、図10に示される従来の鋼製の柱状構造部材10と他の構造部材11との間にU字形またはV字形の補強材13を溶接した接合構造体においては、柱状構造部材10と補強材13の接合部は、柱状構造部材10の表面に沿って形状がU字形またはV字形とされている。そのため、柱状構造部材10に大きい曲げモーメントや軸力が作用したとき、柱状構造部材10に溶接された補強部材13のU字形またはV字形の止端部15に近い柱状構造部材10に作用する大きな応力集中が大幅に緩和される。U字形またはV字形の補強材13を柱状構造部材10に溶接した場合、止端部15への応力集中の緩和に加えて、溶接残留応力を大幅に緩和することができるが、U字形またはV字形の補強材13の開放端部16での他の構造部材11との接合部では、柱状構造部材10に曲げモーメントが作用した時、U字形またはV字形の補強材13の開放端部16の止端部付近の他の構造部材11に大きい応力集中が生じ、構造性能が低下するという問題があった。更に、U字形またはV字形の補強材13の開放端部16を他の構造部材11に溶接した場合には、U字形またはV字形の補強材13の開放端の回し溶接部が、溶接残留応力と溶接止端部の熱影響部材質劣化との重複により構造欠陥になりやすく、耐力や疲労性能が低下するという問題があった。
特開2001−132102号公報 特開2003−1476号公報
本発明は、上記した従来の問題点を解決し、補強材による柱状構造部材および他の構造部材の止端部の応力集中を大幅に緩和し、また補強材を溶接した場合には溶接引張残留応力を大幅に緩和し、その結果として耐力や疲労性能を従来より大幅に向上することができる柱状構造部材と他の構造部材との接合構造体を提供することを目的とする。
本第1発明は、前記課題を解決するために、柱状構造部材に、複数の他の柱状の構造部材が隣接して接合され、そのうち、二つの隣り合う他の柱状の構造部材と該柱状構造部材の表面に沿って補強材が接合された接合構造体であって、該補強材は、該表面に沿った断面形状がリング状で、且つ該二つの隣り合う他の柱状の構造部材と該柱状構造部材との接合部から遠い側にそれぞれ、U字状またはV字状である屈曲部を有し、少なくとも該屈曲部は該二つの隣り合う他の柱状の構造部材に溶接により接合され、更に該隣接する二つの隣り合う他の柱状の構造部材と接していない側にリング状の開口部を有することを特徴とする。
本第2発明は、柱状構造部材に他の構造部材が接合され、該両方の構造部材の表面に沿って補強材が接合された接合構造体であって、該補強材は、該表面に沿った断面形状がリング状で、且つ該両方の構造部材の接合部から遠い側にそれぞれ、U字状またはV字状である屈曲部を有し、少なくとも該屈曲部は該両方の構造部材に溶接により接合され、更に該両方の構造部材と接していない側にリング状の開口部を有し、前記リング状の開口部の長径が、前記補強材における前記柱状構造部材側の屈曲部頂点と、前記補強材における前記他の構造部材側の屈曲部頂点とを結んだ直線距離の0.5倍以上1倍未満であることを特徴とする。
第3発明は、本第1発明の接合構造体において、前記リング状の開口部の長径が、前記補強材における前記二つの隣り合う他の柱状の構造部材側の屈曲部頂点同士を結んだ直線距離の0.5倍以上1倍未満であることを特徴とする。
第4発明は、本第2発明合構造体において、前記他の構造部材が板状部材であることを特徴とする。
第5発明は、本第2発明合構造体において、前記他の構造部材が前記柱状構造部材と交差する柱状部材であることを特徴とする。
第6発明は、本第2、4、5の発明のいずれか1つの接合構造体において、前記補強材は、その幅が前記柱状構造部材の幅の0.7〜0.95倍で、該柱状構造部材に対して1対の相対する位置のみに配置されることを特徴とする。
第7発明は、本第5発明の接合構造体において、前記補強材は、その幅が前記柱状構造部材と交差する柱状部材の幅の0.7〜0.95倍で、該柱状構造部材に対して1対の相対する位置のみに配置されることを特徴とする。
第8発明は、本第1〜7の発明のいずれか1つの接合構造体において、前記リング状の開口部に蓋を設置することを特徴とする。
第9発明は、本第1〜8の発明のいずれか1つの接合構造体において、前記補強材が、筒状部材を成形加工して製作された部材であることを特徴とする
本発明の接合構造体は、リング状の開口部を有する補強材と柱状構造部材および他の構造部材との端部接合部において、補強材が従来の三角リブであった場合に、柱状構造部材に曲げモーメントや軸力が発生したときに生じる、柱状構造部材及び他の構造部材の最大引張応力又は最大圧縮応力の方向(柱状構造部材側においては軸方向、他の構造部材側においては補強材との接合部の外周線の中心軸方向(屈曲部を挟んで両側の外周線に略平行な方向))から離れる方向に、本発明で使用するリブは、U字形またはV字形に屈曲しているため、補強材の端部接合部を低剛性構造とすることができる。その結果、補強材と柱状構造部材および他の構造部材との端部接合部における応力集中が大幅に緩和されるとともに、溶接部の溶接残留応力も大幅に緩和され、接合構造体としての耐力や疲労性能が大幅に向上する。
補強材の幅を柱状構造部材の幅に近く、柱状構造部材に対して1対の相対する位置のみに配置することにより、ベースプレート等の板状構造部材の片方の幅にスペース上から制約があり、90度ピッチで補強材を4つ配置することは幾何学上無理な場合でも、本発明の補強材で大きな断面二次モーメント及び断面係数を確保できるばかりでなく、耐疲労性能も圧倒的に向上させることが可能となり、材料費の低減、施工コストの低減を図ることができる。
補強材のリング状の開口部に蓋部材を設置することにより、開口部内への雨水、塵埃の侵入を防止し、補強材、構造部材の腐食を抑制することができる。
本発明の実施形態を図により説明する。図1は、本発明の一実施形態である柱状構造部材と他の構造部材として板状構造部材との間に90度間隔で4つの補強材を設置した接合構造体を示す斜視図であり、図2(a)、図2(b)は、柱状構造部材と板状構造部材との間に180度間隔で2つの補強材を配置した接合構造体を示す平面図であり、図3(a)、図3(b)は、柱状構造部材とそれに交差する他の柱状構造部材との間に補強材を配置した接合構造体を示す斜視図であり、図4、図5は、柱状構造部材に複数の他の柱状構造部材が隣接して接合され、そのうち、二つの隣り合う他の柱状の構造部材と柱状構造部材との間に補強材を配置した接合構造体を示す斜視図である。
図6は、図1における補強材のリング状の開口部の一部を閉塞した状態の接合構造体を示す斜視図である。図7(a)、図7(b)、図7(c)は、成形加工された二つ以上の板状部材を溶接し、補強材を製作する方法の例を示した斜視図である。図8は、成形加工された筒状部材からなる補強材を製作する方法を示した斜視図である。
図1に示される接合構造体の実施形態において、1は柱状構造部材であり、2は他の構造部材として柱状構造部材1の下端に溶接されている板状構造部材であり、3は柱状構造部材1と板状構造部材2との間に90度間隔に溶接される補強材である。補強材3は、柱状構造部材1と板状構造部材2の両方の構造部材の表面に沿って接合され、その表面に沿った断面形状が閉じられた空間を持つ略リング状となっている。柱状構造部材1側に溶接された補強材3は、柱状構造部材1と板状構造部材2との接合部17から遠い側の端部、すなわち上端部4において、柱状構造部材1の表面に沿った補強材3の断面形状が、U字状又はV字状に屈曲して屈曲部を形成している。また、板状構造部材2側に溶接された補強材3は、柱状構造部材1と板状構造部材2との接合部17から遠い側の端部、すなわち下端部5において、板状構造部材2の表面に沿った断面形状が、U字状又はV字状に屈曲して屈曲部を形成している。少なくともこれらの屈曲部の基端部はそれぞれ両方の構造部材1,2に溶接により接合される。
これら上下端部4、5にそれぞれ有する屈曲部により、補強材3には、柱状構造部材1、板状構造部材2と接しない側に、補強材3の板厚trを含まない空間であるリング状の開口部6aが形成される。すなわち、リング状の開口部6aは、図1において補強材3の柱状構造部材1及び板状構造部材2の両構造部材と接しない側の端部によって囲まれて補強材3の内縁によって形成されるリング状の空間である。ここで、リング状の開口部6aが存在することによる上下端部4,5での応力集中緩和効果について説明する。仮に開口部がリブ板と同等の板厚をもつ部材で塞がれていた場合、上下端部4,5を結ぶ最短距離に近い位置に剛性の高い部材が存在することとなり、柱状構造部材1に作用する曲げモーメントが他の構造部材(ここでは板状構造部材)2に伝達される過程で多くの断面力(断面応力)がその塞がれた部材に流れる。結果として上下端部4,5では、開口部が存在する場合と比べた応力集中が高くなる。しかし、上記開口部6aが設けられた場合には、断面力は開口部周辺のリブ(補強材3の両側板)に分散されて流れ、結果として上下端部4,5に応力が集中せず、該当箇所の応力は緩和される。更に、開口部6aの存在により上下端部4,5を結ぶラインの補強材剛性が弱まり、結果として溶接材料の溶接熱収縮による上下端部4,5付近の溶接止端部引張残留応力が小さくなる。以上の二つの事象により、開口部が無い場合と比較して、開口部6aの存在は接合構造体としての耐力や疲労性能により優れた構造を提供することを可能としている。その際、リング状の開口部6aの長径は、補強材における前記柱状構造部材側の屈曲部頂点28と、補強材における他の構造部材側の屈曲部頂点28とを結んだ直線距離の0.5倍以上1倍未満であることが好ましい。
また、図1において、リング状端面6bは、屈曲部を有するリング状断面の、補強材3の柱状構造部材1及び板状構造部材2の両構造部材と接していない側の端部端面であり、補強材3の板厚trを含む。通常、リング状の開口部6a及びリング状端面6bは、長径、短径を有して楕円形状となる。なお、この実施形態では、リング状の開口部6aの大きさは、リング状端面6bから補強材3の板厚trを除いた大きさである。この実施形態の接合構造体においては、補強材3の上下端部4,5を柱状構造部材1及び板状構造部材2の前述した最大引張応力又は最大圧縮応力の方向から逃げる方向(離れる方向)にU字形またはV字形に屈曲させているため、補強材3の上下端部4,5を低剛性構造とすることができる。その結果、補強材3の上下端部4,5における応力集中が大幅に緩和されるとともに、溶接部の溶接残留応力も大幅に緩和され、接合構造体としての耐力や疲労性能が大幅に向上する。この効果を十分に発揮させるためには、補強材の上下端部4,5の屈曲部の曲率半径を補強材3の板厚の3倍以上としておくことが好ましい。曲率半径がこれより小さいと補強材3を湾曲させる際に材質劣化が生じ易くなり、また剛性を低下させる効果も小さくなる。なお、補強材3と柱状構造部材1及び板状構造部材2との溶接は補強材3の外側のみ行っても良いが、補強材3の内側からも溶接することが好ましい。また、柱状構造材1と板状構造部材2との溶接部と補強材3との重なりを避けるために、補強材3の柱状構造材1と板状構造部材2の溶接による接合部17に対応する位置、すなわちリング状の開口部と反対側の補強材3の内側の角部に円弧状の切り欠き等によるスカーラップを設けても良い。補強材3のリング状の開口部6aには、内部に雨水、塵埃の侵入を防止するための蓋部材7(図1の網目模様で示す)を設置することが好ましい。蓋部材7の板厚が補強材3の板厚以下であると補強材3に作用する応力が緩和される。なお、蓋部材7の板厚は、補強材3の板厚の0.5倍以下であることが好ましい。また、蓋部材7の材質は、補強材3の材質よりも軟質であることが好ましい。蓋部材7を設置する代わりに、開口部に発泡樹脂等の充填材を充填してもよい。
図2(a)、図2(b)に示される接合構造体の実施形態は、柱状構造部材1の下端に幅狭の板状構造部材2が溶接され、柱状構造部材1と幅狭の板状構造部材2との間に図1に示される実施形態と同様の補強材3が柱状構造部材1に対して1対の相対する位置のみに溶接されて配置される。図2(a)はY軸方向の板幅制約は強いが、X軸方向の板幅制約は緩やかな場合であり、図2(b)はX軸方向の板幅制約も強い場合(板状構造部材2のX軸方向の幅が、柱状構造部材1の外径の3倍程度しかとれない場合)である。図2(b)のような場合、補強材3の幅W、すなわち、補強材3の中心と柱状構造部材1の中心とを結ぶ軸線に直交する方向(Y軸方向)の長さは、柱状構造部材1の幅に近く、柱状構造部材1の幅の70%以上にすることが好ましく、上限は加工性を考慮すると95%以下が好ましい。更に、好ましくは、補強材3のリング状の開口部6aには蓋部材7を設置する。
柱状構造部材1に対して1対の相対する位置のみに配置される補強材3は、その中心線面と板状構造部材2の面との交線X軸回り及びこれと直交するY軸回りの曲げモーメントに対して充分な剛性及び強度を確保するように設計される。Y軸回りの曲げモーメントに対向するには、補強材3の板厚trと張り出し長さLを必要分確保することにより実現できるので、ベースプレート等の板状構造部材2が幅狭の形状であっても対応可能である。
X軸回りの曲げモーメントに対向するためには、幅狭の板状構造部材2とした場合、幅方向(Y軸方向)に補強材3を設置できないという制限下では、補強材3の幅W(踏ん張り幅)を広げることが好ましい。
補強材3の幅(踏ん張幅)Wとは、図2(a)、(b)に示すように、補強材3の板状構造部材2に溶接された部分のY軸方向の幅の最大値をいう。
柱状構造部材1が円形鋼管柱の場合、柱状構造部材1の幅を直径のD、板厚をtとして、断面二次モーメント(I)と断面係数(Z)は、
=(π/64)×{D−(D−2・t)}≒(π/8)×D・t
=(π/32)×{D−(D−2・t)}≒(π/4)×D・t
一方、補強材3の底面の断面二次モーメント(I)と断面係数(Z)は、
=L・W・t
=2L・W・t
従って、IがIと同等であるためのWの下限値Waは、
Wa=√{(π/8L)×D
がZと同等であるためのWの下限値Wbは、
Wb=(π/8L)×D
である。
ここで、実際の施工では、図2(b)のようにX方向の板幅制約もある場合が多く、L=0.75D程度であることが多いので、
Wa=√{(π/6D)×D}=0.72D
Wb=(π/8L)×D=0.52D
従って、補強材3の幅Wは、柱状構造部材1の幅に近いことが好ましく、具体的には加工性も考慮して柱状構造部材1の幅の0.7〜0.95倍であることが好ましい。
図3(a)、図3(b)に示される接合構造体の実施形態は、柱状構造部材1の下端に前記柱状構造部材1と交差する方向に延びる他の柱状構造部材8が接合され、柱状構造部材1と他の柱状構造部材8との間に、図1及び2に示されると同様の補強材3を配置したものである。図では、補強材3は1個だけ配置されているが、より補強が必要な場合は、柱状構造部材1を挟んで対面に更に補強材3を配置しても構わない。また、補強材3のリング状の開口部6aには蓋部材7を設置することが好ましい。
図4、図5に示される接合構造体の実施形態は、柱状構造部材1に複数の他の柱状の構造部材8が隣接して接合され(図は2本の例)、その複数の他の柱状の構造部材8のうち、二つの隣り合う他の柱状の構造部材9と柱状構造部材1の表面に沿って、図1、図2、図3に示されると同様の補強材3を接合する。補強材3は、表面に沿った断面形状が閉じられた空間を持つ略リング状で、且つ二つの隣り合う他の柱状の構造部材9と柱状構造部材1との接合部から遠い側にそれぞれ、U字状またはV字状である屈曲部を有する。補強材3は、少なくとも屈曲部の基端部は二つの隣り合う他の柱状の構造部材9に溶接により接合され、二つの隣り合う他の柱状の構造部材9と接していない側にリング状の開口部6aを有する。リング状の開口部6aの長径は、二つの隣り合う他の柱状の構造部材9の屈曲部頂点28同士を結んだ直線距離の0.5倍以上1倍未満であることが好ましい。
複数の他の柱状構造部材8の柱状構造部材1への交差角度は90度に限らずどのような角度で交差するものにも適用可能である。補強材3のリング状の開口部6aには蓋部材7を設置することが好ましい。
図6に示される接合構造体の実施形態は、図1に示した接合構造体のリング状の開口部6aの一部を補強材3の板厚と同等以上の板厚を有する板状部材18によって塞いだものである。すなわち、図6に示される補強材3のリング状の開口部6aの長径(斜め上下方向)は、補強材3の、屈曲部を有するリング状断面の、柱状構造部材1および他の構造部材2と接しない側の端部端面により形成される面、すなわちリング状端面6bの長径よりも短くなっており、リング状の開口部6aの大きさは屈曲部を有するリング状断面の大きさ及びリング状端面6bの大きさよりも小さくなっている。このリング状の開口部6aの長径は、補強材における前記柱状構造部材側の屈曲部頂点28と、補強材における他の構造部材側の屈曲部頂点28とを結んだ直線距離の0.5倍以上であれば補強材3に作用する応力を緩和することができる。なお、リング状の開口部6aの長径は、両方の構造部材それぞれの屈曲部頂点28同士を結んだ直線距離の0.8倍以上であることが応力緩和上より好ましい。上限は1倍未満である。
本発明において使用する補強材は、二つ以上の板状部材を曲げ加工し、溶接することによって形成することができる。例えば、図7(a)に示すように、補強材3を一点鎖線に平行な縦断面により屈曲部で二分割した形状の板状部材19,20をプレス加工によって形成し、屈曲部同士を突き合わせて溶接すれば良い。また、図7(b)に示すように、補強材を短径に平行な断面で、例えば補強材のリング状の開口部の短径と柱状構造部材と他の構造部材との接合部近傍となる角部とを結ぶ一点鎖線に平行な断面で、二分割した形状の板状部材21,22を曲げ加工によって形成し、二つの部材をリング状の開口部を形成するように突合せて溶接しても良い。また、図7(c)に示すように、U字形状部分を分離して、二つの5角形の板状部材23,24と二つのU字状部材25,26を製作し、四つの部材を一点鎖線で示される位置で突き合わせて溶接しても良い。
また、本発明において使用する補強材は、図1のリング状の開口部が底面となるような形状に板材をプレス加工することによっても製造することができる。この場合、プレス加工の板材の底面の一部または前部を切断して孔を設けることにより、リング状の開口部を形成することができる。板材の材質、板厚によっては、プレス加工する前に板材を加熱しても良い。
さらに、本発明において使用する補強部材は、図8に示すように、筒状の部材27を切断することによって製造することができる。この筒状の部材27の円形状の断面をリング状の開口部6とし、これを柱状構造部材1と他の構造部材2との接合部から遠い側になるように溶接すれば良い。この場合、図8に一点鎖線で示した筒状の部材27の切断部は、柱状構造部材1及び他の構造部材2に溶接される位置に対応する両構造部材の表面形状に沿うような形状にすれば良い。また、筒状の部材27は扁平にして断面を楕円形状としても構わない。筒状の部材27は、例えば電縫鋼管またはシームレス鋼管をそのままの形状、又は扁平形状にプレス加工して製造することができる。このようにして製造した補強材を、例えば、板状構造部材に柱状構造部材を垂直に接合した構造体に溶接する場合、補強材のU字状またはV字状の屈曲部の頂部における稜線は、柱状構造部材の軸線に対して傾斜している状態となる。
また、本発明において使用する補強材は、例えば図10に示した従来の補強材3の開放端部16の先端をU字形状に屈曲させ、先端同士を突き合わせて溶接することにより製造しても良い。すなわち、図10に示した上端15にU字形又はV字形の屈曲部を有し、他端に開放端部16を有する補強材3の、柱状構造部材10及び板状構造部材11と接触しない側に形成された開放面が開放端部16の場合には、その先端をU字形又はV字形に屈曲させ、その先端同士が溶接接合されることにより、リング状の開口部6を形成できる。
本発明の接合構造体は、リング状の開口部を有する補強材と柱状構造部材および他の構造部材との端部接合部において、補強材が従来の三角リブであった場合に、柱状構造部材に曲げモーメントや軸力が発生したときに生じる、柱状構造部材及び他の構造部材の最大引張応力又は最大圧縮応力の方向(柱状構造部材側においては軸方向、他の構造部材側においては補強材との接合外周面の中心軸方向(屈曲部を挟んで両側の外周部に略平行な方向))から離れる方向に、本発明で使用する補強材は、U字形またはV字形に屈曲しているため、補強材の端部接合部を低剛性構造とすることができる。その結果、補強材と柱状構造部材および他の構造部材との端部接合部における応力集中が大幅に緩和されるとともに、溶接部の溶接残留応力も大幅に緩和され、接合構造体としての耐力や疲労性能が大幅に向上する。
補強材の幅を柱状構造部材の幅に近く、柱状構造部材に対して1対の相対する位置のみに配置することにより、ベースプレート等の板状構造部材の片方の幅にスペース上から制約があり、90度ピッチで補強材を4つ配置することは幾何学上無理な場合でも、本発明において使用する補強材で大きな断面二次モーメント及び断面係数を確保できるばかりでなく、耐疲労性能も圧倒的に向上させることが可能となり、材料費の低減、施工コストの低減を図ることができる。
補強材のリング状の開口部に蓋部材を設置することにより、開口部内への雨水、塵埃の侵入を防止し、補強材、構造部材の腐食を抑制することができる。
図1に示される実施形態において、柱状構造部材の外径D:163mm、柱状構造部材の肉厚tp:4.5mm、板状構造部材の肉厚tb:25mm、補強材の肉厚tr:6.0mm、補強材の柱状構造部材側の長さhp:200mm、補強材の板状構造部材側の長さhb:100mm、補強材の幅W:40mm、補強材の柱状構造部材側(上端部)の曲率半径rp:40mm、補強材の板状構造部材側(下端部)の曲率半径rb:40mmとして、柱状構造物1に静的水平力を負荷する試験を実施した結果、図10に示される従来型のU字リブ構造(補強材の板状構造部材側が屈曲しておらず、リング状でない以外は、実施例と同条件)と同等の耐力が確認された。また、基部公称応力振幅250MPaに相当する繰り返し曲げ荷重を与えた場合では、図10に示される構造で疲労寿命が80万回であったのに対し、上記の実施形態での疲労寿命は230万回であった。
本発明の接合構造体は、十分な耐力を有し、疲労性能が大幅に上昇することが確認された。
本発明の実施形態を示す斜視図である。 (a)は、本発明の他の実施形態を示す平面図である。 (b)は、本発明の他の実施形態を示す平面図である。 (a)は、本発明の他の実施形態を示す斜視図である。 (b)は、本発明の他の実施形態を示す斜視図である。 本発明の他の実施形態を示す斜視図である。 本発明の他の実施形態を示す斜視図である。 図1の補強材におけるリング状の開口部の一部を閉塞した実施形態を示す斜視図である。 (a)は、二つの板状部材からなる補強材を製作する方法を示した斜視図である。 (b)は、二つの板状部材からなる補強材を製作する他の方法を示した斜視図である。 (c)は、四つの板状部材からなる補強材を製作する方法を示した斜視図である。 筒状部材からなる補強材を製作する方法を示した斜視図である。 従来の接合構造体の斜視図である。 従来の接合構造体を示す斜視図である。
符号の説明
1 柱状構造部材
2 板状構造部材
3 補強材
4 上端部
5 下端部
6a リング状の開口部
6b リング状端面
7 蓋部材
8 他の柱状の構造部材
9 隣接する二つの隣り合う他の柱状の構造部材
10 柱状構造部材
11 他の構造部材
12 板状の補強材
13 補強材
14 止端部
15 止端部
16 開放端部
17 (構造部材の)接合部
18 板状部材
19 屈曲部で二分割した形状の板状構造部材
20 屈曲部で二分割した形状の板状構造部材
21 二分割した形状の板状構造部材
22 二分割した形状の板状構造部材
23 二つの5角形の板状部材
24 二つの5角形の板状部材
25 二つのU字状部材
26 二つのU字状部材
27 筒状の部材
28 屈曲部頂点

Claims (9)

  1. 柱状構造部材に、複数の他の柱状の構造部材が隣接して接合され、そのうち、二つの隣り合う他の柱状の構造部材と該柱状構造部材の表面に沿って補強材が接合された接合構造体であって、該補強材は、該表面に沿った断面形状がリング状で、且つ該二つの隣り合う他の柱状の構造部材と該柱状構造部材との接合部から遠い側にそれぞれ、U字状またはV字状である屈曲部を有し、少なくとも該屈曲部は該二つの隣り合う他の柱状の構造部材に溶接により接合され、更に該隣接する二つの隣り合う他の柱状の構造部材と接していない側にリング状の開口部を有することを特徴とする接合構造体。
  2. 柱状構造部材に他の構造部材が接合され、該両方の構造部材の表面に沿って補強材が接合された接合構造体であって、該補強材は、該表面に沿った断面形状がリング状で、且つ該両方の構造部材の接合部から遠い側にそれぞれ、U字状またはV字状である屈曲部を有し、少なくとも該屈曲部は該両方の構造部材に溶接により接合され、更に該両方の構造部材と接していない側にリング状の開口部を有し、前記リング状の開口部の長径が、前記補強材における前記柱状構造部材側の屈曲部頂点と、前記補強材における前記他の構造部材側の屈曲部頂点とを結んだ直線距離の0.5倍以上1倍未満であることを特徴とする接合構造体。
  3. 前記リング状の開口部の長径が、前記補強材における前記二つの隣り合う他の柱状の構造部材側の屈曲部頂点同士を結んだ直線距離の0.5倍以上1倍未満であることを特徴とする請求項1に記載の接合構造体。
  4. 前記他の構造部材が板状部材であることを特徴とする請求項2に記載の接合構造体。
  5. 前記他の構造部材が前記柱状構造部材と交差する柱状部材であることを特徴とする請求項2に記載の接合構造体。
  6. 前記補強材は、その幅が前記柱状構造部材の幅の0.7〜0.95倍で、該柱状構造部材に対して1対の相対する位置のみに配置されることを特徴とする請求項2、4、5のいずれか1項に記載の接合構造体。
  7. 前記補強材は、その幅が前記柱状構造部材と交差する柱状部材の幅の0.7〜0.95倍で、該柱状構造部材に対して1対の相対する位置のみに配置されることを特徴とする請求項5に記載の接合構造体。
  8. 前記リング状の開口部に蓋を設置することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の接合構造体。
  9. 前記補強材が、筒状部材を成形加工して製作された部材であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の接合構造体。
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