JP4181088B2 - 超電導コイルの伝熱構造及び超電導マグネット - Google Patents

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Description

本発明は、冷凍機等により超電導コイルが伝熱冷却される際の超電導コイルの伝熱構造及びこの伝熱構造を有する超電導マグネットに関するものである。
従来から、超電導コイルを冷却するための伝熱構造は公知となっている。例えば、下記特許文献1〜3に開示されるものがある。特許文献1のものは、超電導コイルの外周部分に密着する密着面を有し、前記密着面は、絶縁体で構成された第1の面と、金属材料で構成された第2の面からなり、ここで、前記金属材料は、前記密着面で前記絶縁体に形成された複数の凹型構造に埋め込まれている、伝熱ブロックである。特許文献2のものは、伝熱板の片側を超電導コイルの外形に合わせて端面加工し、前記伝熱板の銅線心材を前記超電導コイルに接着したことを特徴とする超電導コイルの冷却構造である。特許文献3のものは、超電導物性を持つ環状コイルと、前記コイルを冷却するための冷却体と、前記コイルと前記冷却体の間に介設される熱伝導体とを含み、前記熱伝導体は、前記コイルに熱的に接合する円周方向熱伝導部分と、前記冷却体に熱的に接合し前記冷却体から放射方向に延びて前記円周方向熱伝導部分に熱的に結合する複数の半径方向熱伝導部分とを備えている直冷型超電導コイルである。
特開2001−52920号公報 特開2001−185414号公報 特開2003−68521号公報
超電導コイルの軸方向の長さに対して、超電導コイルの外表面に密着して設けられる熱伝導部分の超電導コイル軸方向の断面積(熱伝導部分の伝熱面積)が大きいほど、冷凍機と超電導コイルの温度差は少なくなる。しかし、特許文献1及び特許文献2のものは、冷凍機と超電導コイルとの間に十分な伝熱面積を有するものではない。その結果として、冷凍機の冷却端と超電導コイルの冷凍機から離れた側の部分との温度差が大きくなるので、冷却時に超電導転移温度まで下がらない場合や、励磁時(電流を流した時)にコイル温度が上昇するので、伝熱面積が小さい場合には、コイルからの熱流が悪くなり、クエンチ(超電導状態が破れる)することがある。また、特許文献3は、これら特許文献1及び特許文献2の問題を解決するために超電導コイル内径に放射状の熱伝導部分を備えているものであるが、このような構成により超電導コイル内径部分を磁場空間として利用することができないという問題がある。
そこで、本発明の目的は、伝熱効率を向上でき、超電導コイル内部空間を磁場空間として利用できる超電導コイルの伝熱構造及びこの伝熱構造を有する超電導マグネットを提供することである。
課題を解決するための手段及び効果
本発明の超電導コイルの伝熱構造は、超電導コイルの外周に内壁が密着して熱的に接続される金属又は合金からなる筒状部材と、前記筒状部材の外周に内壁が密着して熱的に接続される環状又は筒状の熱伝導部材とを備えてなる。
上記構成により、冷凍機の冷却端と超電導コイルの冷凍機から離れた側の部分との温度差を低減できるので、超電導コイルの伝熱効率を向上でき、超電導コイル内部空間を磁場空間として利用できる超電導コイルの伝熱構造を提供できる。また、熱伝導部材の軸方向の長さを変更することにより、冷凍機の冷却端と超電導コイルの冷凍機から離れた側の部分との温度差の調整も可能である。さらに、超電導コイルの内部空間(磁場空間)を最大限に利用することができる。
本発明の超電導コイルの伝熱構造は、超電導コイルの外周に内壁が密着して熱的に接続される金属又は合金からなる筒状部材と、前記筒状部材の外周に沿って内壁が設けられ、かつ、前記筒状部材の外周と前記内壁とが間隔を空けて設けられる環状又は筒状の熱伝導部材と、前記筒状部材と前記熱伝導部材との間に跨設され、前記筒状部材と前記熱伝導部材とを熱的に接続する金属又は合金からなる少なくとも1つの変形自在な部材とを備えてなる。
上記構成により、例えば、環状又は筒状の熱伝導部材に歪み等があったとしても、熱伝導率の高い金属又は合金からなる変形自在な部材によりその歪みを吸収できるので、筒状部材と熱伝導部材とが密着している場合と同様の状態にできる。その結果として、冷凍機の冷却端と超電導コイルの冷凍機から離れた側の部分との温度差を低減できるので、環状又は筒状の熱伝導部材から超電導コイルまでの伝熱効率を向上でき、超電導コイル内部空間を磁場空間として利用できる超電導コイルの伝熱構造を提供できる。また、熱伝導部材の軸方向の長さを変更することにより、冷凍機の冷却端と超電導コイルの冷凍機から離れた側の部分との温度差の調整も可能である。さらに、超電導コイルの内部空間(磁場空間)を最大限に利用することができる。
本発明の超電導コイルの伝熱構造は、前記熱伝導部材の環状部又は筒状部において前記熱伝導部材の軸方向に貫通し、前記熱伝導部材を保持する保持棒と、前記超電導コイルの両端部に固設され、前記保持棒の両端を固定する固定部材とをさらに備えることが好ましい。
上記構成により、熱伝導部材を超電導コイルの伝熱効率のよい位置に固定できる。
本発明の超電導コイルの伝熱構造は、前記熱伝導部材の外周の一部に固設され、外側に平面部を有する別の熱伝導部材をさらに備えることが好ましい。
上記構成により、別の熱伝導部材は平面部を有するので、例えば、この別の熱伝導部材に冷凍機を取り付ける際、容易にしかも熱的接続のよい状態で取り付けることができる。
本発明の超電導コイルの伝熱構造は、超電導コイルの外周に内壁が密着して熱的に接続される金属又は合金からなる筒状部材と、前記筒状部材と一端が熱的に接続される金属又は合金からなる少なくとも1つの変形自在な部材と、前記変形自在な部材の他端が熱的に接続され、前記変形自在な部材を前記筒状部材とともに支持する板状の熱伝導部材とを備えてなる。
上記構成により、板状の熱伝導部材でも、熱伝導率の高い金属又は合金からなる変形自在な部材により、筒状部材と熱伝導部材とが密着している場合と同様の状態にできる。その結果として、冷凍機の冷却端と超電導コイルの冷凍機から離れた側の部分との温度差を低減できるので、板状の熱伝導部材から超電導コイルまでの伝熱効率を向上でき、超電導コイル内部空間を磁場空間として利用できる超電導コイルの伝熱構造を提供できる。また、熱伝導部材の超電導コイル軸方向の長さや厚み方向を変更することにより、冷凍機の冷却端と超電導コイルの冷凍機から離れた側の部分との温度差の低減も可能である。さらに、超電導コイルの内部空間(磁場空間)を最大限に利用することができる。
本発明の超電導コイルの伝熱構造は、前記筒状部材の外周部を締め付ける巻線を少なくとも1本さらに備えてなることが好ましい。
上記構成により、筒状部材と超電導コイルとの密着性をさらに高めることができ、超電導コイルの伝熱効率をさらに向上させることが可能である。
本発明の超電導マグネットは、上述した超電導コイルの伝熱構造を有するものであることが好ましい。
上記構成により、上述した超電導コイルの伝熱構造の効果を有する超電導マグネットを提供できる。
以下、図を参照しながら本発明に係る実施形態について説明する。図1(a)は、本発明の第1実施形態に係る超電導コイルの伝熱構造を示す正面断面図であって、図1(b)は(a)のI−I矢視断面図である。
第1実施形態に係る超電導コイルの伝熱構造10は、冷却対象である超電導コイル1の外周に内壁が密着して熱的に接続される金属又は合金からなる筒状部材2と、筒状部材2の外周に内壁が密着して熱的に接続され、一部に突部3aを有する環状の熱伝導部材3と、熱伝導部材3の環状部において熱伝導部材3の軸方向に貫通し、熱伝導部材3を所定位置に保持する保持棒4と、超電導コイル1の両端部に固設され、保持棒4の両端を固定する固定部材5と、熱伝導部材3の突部3aに固設され、冷凍機7と熱伝導部材3とを熱的に接続する熱伝導部材6とを備えてなる。また、図示しないが、筒状部材2の外周部を締め付ける巻線を複数本さらに備えてなる。
筒状部材2は、超電導コイル1に十分に伝熱するために、超電導コイル1との密着性が必要であるので、変形が容易な厚さが薄い金属板又は合金板から作製されるものであることが好ましいが、特に、高熱伝導率を有する純銅板等から作製されることが好ましい。
保持棒4は、熱伝導部材3の環状部に設けられた等間隔の6箇所の穴部3bにおいて、熱伝導部材3の環状部を軸方向に貫通することにより垂直方向の荷重を支持し、保持棒4の両端を固定する固定部材5とともに、熱伝導部材3を保持棒4の軸方向中央部で保持するものである。
なお、熱伝導部材3の材質としては、熱の良導体、例えば、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等が挙げられる。保持棒4及び固定部材5の材質としては、ステンレス等の強度部材が挙げられる。
熱伝導部材6は、伝熱構造10外側に平面部6a、6bを有し、断面がL字状の部材であり、平面部6aに冷凍機7が熱的に接続されている。なお、冷凍機7は平面部6bに熱的に接続されるものであってもよい。この場合、平面部6aを含む板状部位は必ずしも必要がなく、平面部6bを含む板状部位のみの熱伝導部材6であってもよい。
図示しない巻線の例としては、バインド線やホースバンド等が挙げられる。なお、巻線を巻いた後、樹脂を含浸することで超電導コイル1と筒状部材2との界面の密着性を増大させてもよい。
次に、超電導コイルの伝熱構造10の伝熱作用について説明する。
まず、冷凍機7によって、固定部材6の有する熱を奪って、固定部材6を冷却する。次に、冷却された固定部材6は、熱伝導部材3の突部3aから熱伝導部材3の有する熱を奪って、熱伝導部材3を冷却する。冷却された熱伝導部材3は、その内壁と密着している部分から筒状部材2の有する熱を奪って、筒状部材2を冷却する。そして、冷却された筒状部材2は、その内壁と密着している超電導コイル1の有する熱を奪って、超電導コイル1を冷却する。このような伝熱作用の繰り返しにより、超電導コイル1を超電導状態となる転移温度以下まで冷却する。
上記構成により、本実施形態の超電導コイルの伝熱構造によれば、冷凍機の冷却端と超電導コイルの冷凍機から離れた側の部分との温度差を低減できるので、超電導コイルの伝熱効率を向上でき、超電導コイル内部空間を磁場空間として利用できる超電導コイルの伝熱構造を提供できる。また、超電導コイルの内部空間(磁場空間)を最大限に利用することができる。また、熱伝導部材6は平面部を有するので、この平面部に冷凍機7を容易にしかも熱的接続のよい状態で取り付けることができる。
また、本実施形態の超電導コイルの伝熱構造によれば、巻線によって筒状部材の外周部を締め付けることにより、筒状部材と超電導コイルとの密着性をさらに高めることができ、超電導コイルの伝熱効率をさらに向上させることが可能である。
本実施形態の変形例としては、上記第1実施形態の超電導コイルの伝熱構造10における熱伝導部材3の軸方向の長さを変更するものが挙げられる。この変形例によれば、上記第1実施形態の超電導コイルの伝熱構造10と同様の作用及び効果を得ることができる。また、筒状部材2は薄いので、軸方向が長い超電導コイルだと、この超電導コイルの長さに対して筒状部材2の超電導コイル軸方向の断面積(筒状部材の伝熱面積)が小さいから、筒状部材2の各上下部と中央部とで温度差が大きくなる。しかし、例えば、図2に示すように、超電導コイル1とほぼ同様の軸方向の長さを有する筒状の熱伝導部材8を用いれば、超電導コイル1より軸方向の長さが短い熱伝導部材3を用いた場合に比べ、筒状部材2と熱伝導部材8とを合わせた総伝熱面積が超電導コイル1の軸方向のほぼ全ての位置において大きくなるので、冷凍機7の冷却端と超電導コイル1の冷凍機7から離れた側の部分との温度差を最小にすることができる。また、熱伝導部材8の径を大きくすることによって、伝熱面積を大きくして温度差を小さくすることもできる。なお、突部8a及び穴部8bは、突部3a及び穴部3bと同様のものであるので説明を省略する。
次に、本発明の第2実施形態に係る超電導コイルの伝熱構造について説明する。図3(a)は、本発明の第2実施形態に係る超電導コイルの伝熱構造を示す正面断面図であって、図3(b)は図3(a)のIII−III矢視断面図である。なお、第1実施形態の超電導コイルの伝熱構造10及びその他の部材等と同様の部分については、説明を省略することがある。以下の変形例や実施形態でも同様である。
第2実施形態に係る超電導コイルの伝熱構造30は、超電導コイル1の外周に内壁が密着して熱的に接続される金属又は合金からなる筒状部材2と、筒状部材2の外周に沿って内壁が設けられ、かつ、筒状部材2の外周と前記内壁とが間隔を空けて設けられる環状の熱伝導部材31と、筒状部材2と熱伝導部材31との間に跨設され、筒状部材2と熱伝導部材31とを熱的に接続する金属又は合金からなる複数の変形自在な部材32と、熱伝導部材31の環状部において熱伝導部材31の軸方向に貫通し、熱伝導部材31を所定位置に保持する保持棒4と、超電導コイル1の両端部に固設され、保持棒4の両端を固定する固定部材5と、熱伝導部材31の突部31aに固設され、冷凍機7と熱伝導部材31とを熱的に接続する熱伝導部材6とを備えてなる。また、図示しないが、筒状部材2の外周部を締め付ける巻線を複数本さらに備えてなる。
保持棒4は、熱伝導部材3の環状部に設けられた等間隔の6箇所の穴部31bにおいて、熱伝導部材31の環状部を軸方向に貫通することにより垂直方向の荷重を支持し、保持棒4の両端を固定する固定部材5とともに、熱伝導部材31を保持棒4の軸方向中央部で保持するものである。
変形自在な部材32は、その両端が各々筒状部材2と熱伝導部材31とに半田付け又はネジ止め(不図示)されて、筒状部材2と熱伝導部材31との間に跨設されるものである。図3においては、変形自在な部材32の一端を熱伝導部材31の上面部又は下面部にネジ止めし、他端を筒状部材2に半田付けしているものを示している。なお、変形自在な部材32は、熱伝導率のよい金属又は合金からなるものがよいが、特に、純銅からなる平編み線等が好ましい。
次に、超電導コイルの伝熱構造30の伝熱作用について説明する。
まず、冷凍機7によって、固定部材6の有する熱を奪って、固定部材6を冷却する。次に、冷却された固定部材6は、熱伝導部材31の突部31aから熱伝導部材31の有する熱を奪って、熱伝導部材31を冷却する。冷却された熱伝導部材31は、変形自在な部材32のそれぞれから変形自在な部材32の有する熱を奪って、変形自在な部材32を冷却する。冷却された変形自在な部材32は、筒状部材2と熱的に接触する部分から筒状部材2の有する熱を奪って、筒状部材2を冷却する。そして、冷却された筒状部材2は、その内壁と密着している超電導コイル1の有する熱を奪って、超電導コイル1を冷却する。このような伝熱作用の繰り返しにより、超電導コイル1を超電導状態となる転移温度以下まで冷却する。
上記構成により、本実施形態の超電導コイルの伝熱構造によれば、例えば、環状又は筒状の熱伝導部材に歪み等があったとしても、熱伝導率の高い金属又は合金からなる平編み線によりその歪みを吸収できるので、筒状部材と熱伝導部材とが密着している場合と同様の状態にできる。その結果として、冷凍機の冷却端と超電導コイルの冷凍機から離れた側の部分との温度差を低減できるので、超電導コイルの伝熱効率を向上でき、超電導コイル内部空間を磁場空間として利用できる超電導コイルの伝熱構造を提供できる。また、超電導コイルの内部空間(磁場空間)を最大限に利用することができる。
また、本実施形態の超電導コイルの伝熱構造によれば、熱伝導部材を超電導コイルの伝熱効率のよい位置に固定できる。また、熱伝導部材6は平面部を有するので、この平面部に冷凍機7を容易にしかも熱的接続のよい状態で取り付けることができる。
また、本実施形態の超電導コイルの伝熱構造によれば、巻線によって筒状部材の外周部を締め付けることにより、筒状部材と超電導コイルとの密着性をさらに高めることができ、超電導コイルの伝熱効率をさらに向上させることが可能である。
本実施形態の変形例としては、上記第2実施形態の超電導コイルの伝熱構造30における熱伝導部材31の軸方向の長さを変更し、変形自在な部材32を熱伝導部材31の軸方向に複数増設するものが挙げられる。この変形例によれば、上記第2実施形態の超電導コイルの伝熱構造30と同様の作用及び効果を得ることができるだけでなく、筒状部材2と熱伝導部材との間の熱伝導箇所(変形自在な部材32)を増設することにより、冷凍機7の冷却端と超電導コイル1の冷凍機7から離れた側の部分との温度差の低減も可能である。例えば、図4(a)、(b)に示すように、超電導コイル1とほぼ同様の軸方向の長さを有する筒状の熱伝導部材31と、超電導コイル1とほぼ同様の軸方向の長さを有する保持棒9と、熱伝導部材31の軸方向に多数増設された変形自在な部材32とを備える超電導コイルの伝熱構造40を用いれば、筒状部材2と熱伝導部材31との間の熱伝導箇所が増大するので、冷凍機7の冷却端と超電導コイル1の冷凍機7から離れた側の部分との温度差を最小にすることができる。なお、突部33a及び穴部33bは、突部3a及び穴部3bと同様のものであるので説明を省略する。
次に、本発明の第3実施形態に係る超電導コイルの伝熱構造について説明する。図5(a)は、本発明の第3実施形態に係る超電導コイルの伝熱構造を示す正面断面図であって、図5(b)は図5(a)のV−V矢視断面図である。
第3実施形態に係る超電導コイルの伝熱構造50は、超電導コイル1の外周に内壁が密着して熱的に接続される金属又は合金からなる筒状部材2と、筒状部材2と一端が熱的に接続される金属又は合金からなる複数の変形自在な部材32と、変形自在な部材32の他端が熱的に接続され、変形自在な部材32を筒状部材2とともに支持する板状の熱伝導部材51と、超電導コイル1の両端部に固設され、熱伝導部材51の両端を固定する固定部材52と、熱伝導部材51の外側に固設された熱伝導部材6とを備えてなる。また、図示しないが、筒状部材2の外周部を締め付ける巻線を複数本さらに備えてなる。なお、固定部材6には冷凍機7が熱的に接続されている。
次に、超電導コイルの伝熱構造50の伝熱作用について説明する。
まず、冷凍機7によって、固定部材6の有する熱を奪って、固定部材6を冷却する。次に、冷却された固定部材6は、熱伝導部材51から熱伝導部材51の有する熱を奪って、熱伝導部材51を冷却する。冷却された熱伝導部材51は、変形自在な部材32のそれぞれから変形自在な部材32の有する熱を奪って、変形自在な部材32を冷却する。冷却された変形自在な部材32は、筒状部材2と熱的に接触する部分から筒状部材2の有する熱を奪って、筒状部材2を冷却する。そして、冷却された筒状部材2は、その内壁と密着している超電導コイル1の有する熱を奪って、超電導コイル1を冷却する。このような伝熱作用の繰り返しにより、超電導コイル1を超電導状態となる転移温度以下まで冷却する。
なお、変形自在な部材32は、図5(a)では、同じ高さ位置に3つ並べられているが、1つ以上設けられていればよい。ただし、変形自在な部材32が多数取付けられている方が、伝熱効率がよいのは言うまでもない。また、筒状部材2外周にならって板状の熱伝導部材51を湾曲させたものとしてもよい。
本実施形態の超電導コイルの伝熱構造によれば、板状の熱伝導部材でも、熱伝導率の高い金属又は合金からなる変形自在な部材により、筒状部材と熱伝導部材とが密着している場合と同様の状態にできる。その結果として、冷凍機の冷却端と超電導コイルの冷凍機から離れた側の部分との温度差を低減できるので、板状の熱伝導部材から超電導コイルまでの伝熱効率を向上でき、超電導コイル内部空間を磁場空間として利用できる超電導コイルの伝熱構造を提供できる。また、熱伝導部材の超電導コイル軸方向の長さや厚みを変更することにより、冷凍機の冷却端と超電導コイルの冷凍機から離れた側の部分との温度差の調整も可能である。さらに、超電導コイルの内部空間(磁場空間)を最大限に利用することができる。
また、本実施形態の超電導コイルの伝熱構造によれば、巻線によって筒状部材の外周部を締め付けることにより、筒状部材と超電導コイルとの密着性をさらに高めることができ、超電導コイルの伝熱効率をさらに向上させることが可能である。また、熱伝導部材6は平面部を有するので、この平面部に冷凍機7を容易にしかも熱的接続のよい状態で取り付けることができる。
なお、コイル径が大きいと上記実施形態や変形例の伝熱構造では、熱伝導部材の径も大きくなって、冷却時間が延びるものとなるが、本実施形態の伝熱構造によれば、板状の熱伝導部材を用いているので、上記実施形態や変形例の伝熱構造に比べ、冷却時間が低減でき、かつ、熱伝導部材の重量を小さくでき、運搬や製造コスト的にも適したものとなる。
なお、上記各実施形態や各変形例では、冷却対象となる超電導コイルの軸方向が、地面に対し垂直方向である超電導コイルの伝熱構造を示したが、当然、上記各実施形態や各変形例と同構成で、冷却対象となる超電導コイルの軸方向が、地面に対し水平方向である超電導コイルの伝熱構造であってもよい。
また、本発明は、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で設計変更できるものであり、上記実施形態や変形例に限定されるものではない。
本発明の超電導コイルの伝熱構造は、磁気共鳴イメージング装置や核磁気共鳴計測装置等の磁場発生装置に適用できる。
(a)は、本発明の第1実施形態に係る超電導コイルの伝熱構造を示す正面断面図であって、(b)は(a)のI−I矢視断面図である。 図1に示す第1実施形態に係る超電導コイルの伝熱構造の変形例であって、(a)は、この変形例に係る超電導コイルの伝熱構造を示す正面断面図であって、(b)は(a)のII−II矢視断面図である。 (a)は、本発明の第2実施形態に係る超電導コイルの伝熱構造を示す正面断面図であって、(b)は(a)のIII−III矢視断面図である。 図3に示す第2実施形態に係る超電導コイルの伝熱構造の変形例であって、(a)は、この変形例に係る超電導コイルの伝熱構造を示す正面断面図であって、(b)は(a)のIV−IV矢視断面図である。 (a)は、本発明の第3実施形態に係る超電導コイルの伝熱構造を示す正面断面図であって、(b)は(a)のV−V矢視断面図である。
符号の説明
1 超電導コイル
2 筒状部材
3、5、6、8、31、51 熱伝導部材
3a、8a、31a、33a 突部
3b、8b、31b、33b 穴部
4、9 保持棒
7 冷凍機
10、20、30、40、50 超電導コイルの伝熱構造
32 平編み線

Claims (5)

  1. 超電導コイルの外周に内壁が密着して熱的に接続される金属又は合金からなる筒状部材と、
    前記筒状部材の外周に内壁が密着して熱的に接続される環状又は筒状の熱伝導部材と
    前記熱伝導部材の環状部又は筒状部において前記熱伝導部材の軸方向に貫通し、前記熱伝導部材を保持する保持棒と、
    前記超電導コイルの両端部に固設され、前記保持棒の両端を固定する固定部材とを備えてなる超電導コイルの伝熱構造。
  2. 超電導コイルの外周に内壁が密着して熱的に接続される金属又は合金からなる筒状部材と、
    前記筒状部材の外周に沿って内壁が設けられ、かつ、前記筒状部材の外周と前記内壁とが間隔を空けて設けられる環状又は筒状の熱伝導部材と、
    前記筒状部材と前記熱伝導部材との間に跨設され、前記筒状部材と前記熱伝導部材とを熱的に接続する金属又は合金からなる少なくとも1つの変形自在な部材と
    前記熱伝導部材の環状部又は筒状部において前記熱伝導部材の軸方向に貫通し、前記熱伝導部材を保持する保持棒と、
    前記超電導コイルの両端部に固設され、前記保持棒の両端を固定する固定部材とを備えてなる超電導コイルの伝熱構造。
  3. 前記熱伝導部材の外周の一部に固設され、外側に平面部を有する別の熱伝導部材をさらに備える請求項1又は2に記載の超電導コイルの伝熱構造。
  4. 前記筒状部材の外周部を締め付ける巻線を少なくとも1本さらに備えてなる請求項1〜3のいずれかに記載の超電導コイルの伝熱構造。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の超電導コイルの伝熱構造を有する超電導マグネット。
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