[第1の実施の形態]
〔状態管理システム〕
図1に示すように、状態管理システム100は、無線タグ10aと、複数の移動機20a〜20cと、RFIDデータ管理サーバ30と、状態管理サーバ40と、移動体ネットワーク50とを備える。RFIDデータ管理サーバ30は、移動機20a〜20cのユーザの状態を決定する状態決定装置である。状態管理サーバ40は、移動機20a〜20cのユーザの状態を記憶する状態管理装置である。
無線タグ10aは、移動機20a〜20cに無線情報を近距離無線により送信する無線通信装置である。無線情報とは、無線通信装置が近距離無線により送信する情報をいう。無線情報には、無線通信装置に付与され、無線通信装置を識別する無線通信装置識別データがある。無線タグ10aは、無線情報としてRFID(Radio Frequency Identification)のような無線通信装置識別データを送信する。又、近距離とは、移動通信における移動機と基地局との間の距離に比べて短い距離をいう。無線タグ10aは、無線タグ10aの設置対象物2aに設置される。そして、無線タグ10aは、近距離無線により無線情報を送信できる無線タグ交信エリア3を形成する。無線タグ10aは、無線タグ交信エリア3に進入した移動機20aに、無線情報を送信する。このように、図1では、移動機20aが無線情報を受信可能な距離に位置する無線タグ10aが1つの場合を例にとって説明する。
無線タグ10aは、近距離無線により数メートルから数十メートルの交信が可能である。無線タグ10aの種類には、アクティブタグ、パッシブタグ、セミパッシブタグがある。アクティブタグは、無線タグ10aの方から無線情報を移動機20a〜20cに送信する。パッシブタグは、移動機20a〜20cから無線情報の要求信号を受信し、その要求信号に応じて無線情報を移動機20a〜20cに送信する。セミパッシブタグは、無線タグ10aの方から無線情報を移動機20a〜20cに送信し、かつ、移動機20a〜20cから要求信号を受信した場合には、その要求信号に応じて無線情報を移動機20a〜20cに送信する。無線タグ10aが近距離無線により交信可能な距離は種類によって異なる。例えば、アクティブタグは、50メートル程度の交信が可能であり、パッシブタグやセミパッシブタグは、数メートルから十数メートルの交信が可能である。
無線通信装置は、移動機20a〜20cに無線情報を近距離無線により送信できるものであれば、無線タグ10aに限定されない。例えば、無線通信装置として、IrDAやブルートゥース(Bluetooth、登録商標)を用いてもよい。IrDAやブルートゥースも、IrDAやブルートゥースに付与され、IrDAやブルートゥースを識別するIDのような無線通信装置識別データを、無線情報として送信できる。
移動機20aは、タグリーダ21と、通信部22と、出力部23と、入力部24と、記憶部25と、制御部26とを備える。移動機20b,20cも移動機20aと同様の構成を備える。
タグリーダ21は、無線通信装置である無線タグ10aから近距離無線により無線情報を受信する無線受信手段である。タグリーダ21は、無線タグ10aと近距離無線により数メートルから数十メートルの交信が可能である。移動機20aのユーザ1aが、移動機20aを所持して無線タグ交信エリア3に進入することにより、移動機20aが無線タグ交信エリア3に進入する。そして、無線タグ10aがアクティブタグやセミパッシブタグの場合には、タグリーダ21は、無線タグ10aから送信される無線情報を受信する。無線タグ10aがパッシブタグやセミパッシブタグの場合には、タグリーダ21は、制御部26から無線情報の要求信号を取得する。タグリーダ21は、取得した要求信号を無線タグ10aに送信する。そして、タグリーダ21は、要求信号を契機に送信される無線情報を受信する。
タグリーダ21は、アクティブタグやセミパッシブタグと交信し、無線タグ10aの方から送信される無線情報を受信する場合には、無線情報を受信可能であればよい。タグリーダ21は、パッシブタグやセミパッシブタグと交信し、無線タグ10aに要求信号を送信する場合には、要求信号を送信可能な必要がある。タグリーダ21は、周期的に無線情報を受信する。タグリーダ21は、受信した無線情報を制御部26に入力する。図1では、タグリーダ21は無線情報として、RFID「abcd」を受信する。
通信部22は、無線受信手段であるタグリーダ21が受信した無線情報を、状態決定装置であるRFIDデータ管理サーバ30に通知する無線情報通知手段である。通信部22は、制御部26から状態取得要求を取得する。状態取得要求には、移動機20aのユーザ1aを識別するユーザ識別データと、タグリーダ21が受信した無線情報が含まれる。通信部22は、取得した状態取得要求を移動体ネットワーク50を介してRFIDデータ管理サーバ30に送信することにより、無線情報を通知する。ユーザ識別データとしては、電話番号や、移動機毎にユニークな移動機機体番号のようなユーザIDを用いることができる。図1では、通信部22は、ユーザ1aのユーザID「090−1234−5678」と、受信したRFID「abcd」を含む状態取得要求を送信する。
更に、通信部22は、状態決定装置であるRFIDデータ管理サーバ30が決定した状態を受信する状態受信手段としても機能する。通信部22は、状態に加えて、詳細情報や、RFIDデータ管理サーバ30が提供する付加情報を受信する。詳細情報とは、状態に関する情報をいう。付加情報とは、無線通信装置の設置者である無線タグ設置者が、状態に加えて提供する情報である。通信部22は、RFIDデータ管理サーバ30から、移動体ネットワーク50を介して、状態取得要求に対する応答として状態取得応答を受信する。状態取得応答には、RFIDデータ管理サーバ30が決定したユーザ1a自身の状態、RFIDデータ管理サーバ30が記憶する詳細情報、付加情報が含まれる。図1では、通信部22は、ユーザ1a自身の状態「食事中」、詳細情報「レストランA新宿店」、付加情報「メニューたくさん」を含む状態取得応答を受信する。
又、通信部22は、状態管理サーバ40から移動体ネットワーク50を介して、RFIDデータ管理サーバ30が決定し、状態管理サーバ40が記憶する状態、状態管理サーバ40がRFIDデータ管理サーバ30から取得した詳細情報、付加情報を、ユーザ1a及びユーザ1a以外の他のユーザについて受信する。通信部22は、状態管理サーバ40から自動的に送信される状態を受信する。通信部22は、ユーザ識別データと対応付けられた状態を受信する。図1では、移動機20aの通信部22は、移動機20bのユーザのユーザID「090−2234−5678」に対応付けられて、状態「会議中」を受信する。
更に、通信部22は、制御部26から、状態の参照を要求する状態参照要求や、詳細情報や付加情報の参照を要求する詳細参照要求を取得する。通信部22は、取得した状態参照要求や詳細参照要求を、移動体ネットワーク50を介して状態管理サーバ40に送信する。状態参照要求や詳細参照要求には、参照したいユーザのユーザ識別データが含まれる。そして、通信部22は、状態参照要求に対する応答として状態参照応答を、詳細参照要求に対する応答として詳細参照応答を、状態管理サーバ40から受信する。状態参照応答には、状態参照要求に含めたユーザ識別データが示すユーザの状態が含まれる。詳細参照応答には、詳細参照要求に含めたユーザ識別データが示すユーザの詳細情報、付加情報が含まれる。通信部22は、受信した状態や詳細情報、付加情報を制御部26に入力する。
出力部23は、状態受信手段である通信部22が受信した状態を出力する出力手段である。出力部23は、通信部22が受信した詳細情報や付加情報、記憶部25が記憶する情報、入力部24からの入力内容も出力する。出力部23は、状態や情報、入力内容を、文字や画像、音声により出力する。出力部23は、ディスプレイやスピーカーを用いることができる。
出力部23は、制御部26から状態や情報、入力内容を取得し、出力する。例えば、出力部23は、図2(a)に示す出力部23の画面のように、ユーザ1a自身とユーザ1aが属するグループのメンバについて、各ユーザ名「しん、けん、とむ」、各ユーザの顔の画像、各ユーザの状態「食事中、会議中、暇」の一覧を制御部26から取得し、表示できる。ユーザ1aのユーザ名は「しん」であり、グループのメンバである移動機20bのユーザのユーザ名は「けん」、移動機20cのユーザのユーザ名は「とむ」である。出力部23は、ユーザ1a自身が先頭に位置する一覧を表示する。更に、出力部23は、図2(b)に示す出力部23の画面のように、1ユーザのユーザ名「しん」、顔の画像、状態「食事中」、詳細情報「レストランA新宿店」、RFIDデータ管理サーバ30が提供する付加情報「メニューたくさん」を制御部26から取得し、表示できる。出力部23は、詳細情報や付加情報を出力しなくてもよい。
入力部24は、ユーザ1aからの入力内容を取得し、制御部26に入力する。入力部24は、キーやマイクを用いることができる。例えば、ユーザ1aが図2(a)、(b)に示す出力部23の画面上の更新ボタンをキー操作で選択することにより、入力部24は状態の更新の指示を取得する。例えば、入力部24は、図2(a)に示す一覧を表示した状態で更新ボタンが選択された場合には、一覧に含まれる全ユーザの状態の更新の指示を取得する。又、入力部24は、図2(b)に示す1ユーザについて表示した状態で更新ボタンが選択された場合には、表示されている1ユーザの状態の更新の指示を取得する。又、ユーザ1aが状態を新たに参照したいユーザのユーザ識別データを入力することにより、入力部24は状態参照の指示を取得する。更に、ユーザ1aが図2(a)に示す出力部23の画面上のユーザ名をキー操作で選択することにより、入力部24は選択されたユーザの詳細情報と付加情報の参照の指示を取得できる。
記憶部25は、ユーザ1a自身や他のユーザに関するユーザ情報、タグリーダ21が受信した無線情報、通信部22が受信した状態や詳細情報、付加情報を記憶する。記憶部25は、ユーザ情報として、ユーザ識別データ、ユーザ名、ユーザの顔の画像を記憶する。記憶部25は、ユーザ情報と、そのユーザに関する状態や詳細情報、付加情報を対応付けて記憶する。記憶部25は、他のユーザに関するユーザ情報や状態や詳細情報、付加情報として、例えば、自身が属するグループのメンバの情報を記憶できる。
制御部26は、移動機20aを制御する。制御部26は、タグリーダ21からタグリーダ21が受信した無線情報を取得する。制御部26は、無線タグ10aがパッシブタグやセミパッシブタグの場合には、無線情報の要求信号を生成してタグリーダ21に入力する。制御部26は、前回、タグリーダ21が受信した無線情報を記憶部25から取得する。制御部26は、新たに受信した無線情報と、前回受信した無線情報とを比較する。制御部26は、新たに受信した無線情報と、前回受信した無線情報とが一致せず、無線情報が変更されていることを検出した場合には、記憶部25からユーザ1aのユーザ識別データを取得する。そして、制御部26は、ユーザ識別データと無線情報を含む状態取得要求を生成し、通信部22に入力する。又、制御部26は記憶部25に新たに受信した無線情報を格納し、更新する。
一方、制御部26は、新たに受信した無線情報と、前回受信した無線情報とが一致する場合には状態取得要求を生成せず、記憶部25の更新も行わない。このように、制御部26が無線情報の変更を検出した時にだけ状態取得要求を生成し、通信部22が無線情報を通知することにより、トラヒックの増大を抑制することができる。
制御部26は、通信部22から、通信部22が受信した状態や詳細情報、付加情報を取得する。制御部26は、取得した状態や詳細情報、付加情報を、ユーザ情報に対応付けて記憶部25に格納する。又、制御部26は、通信部22が受信した状態や詳細情報、付加情報を出力部23に入力する。例えば、制御部26は、記憶部25から、ユーザ1a自身とユーザ1aが属するグループのメンバについて、ユーザ名、顔の画像、状態を取得して、ユーザ名、顔の画像、状態の一覧を作成する。制御部26は、作成した一覧を出力部23に入力する。更に、制御部26は、ユーザ1aの指示に従って、1ユーザのユーザ名、顔の画像、状態、詳細情報、付加情報を記憶部25から取得し、出力部23に入力する。制御部26は、設定により、詳細情報や付加情報を出力部23に入力しないようにし、出力部23に出力させないようにできる。
更に、制御部26は、周期的に、又は、ユーザ1aの指示に従って、状態参照要求や詳細参照要求を生成し、通信部22に入力する。ユーザ1aの指示には、参照したいユーザのユーザ識別データが含まれる。制御部26は、例えば、新たに状態を参照したいユーザの状態参照の指示、既に状態を参照しているユーザの状態の更新の指示に従って、或いは、所定の周期に従って、状態参照要求を生成する。更に、制御部26は、詳細情報と付加情報の参照の指示に従って、詳細参照要求を生成する。制御部26は、ユーザ1aの指示又は記憶部25から、ユーザ識別データを取得し、ユーザ識別データを含む状態参照要求や詳細参照要求を生成する。制御部26は、ユーザ1aの指示を入力部24から取得する。
RFIDデータ管理サーバ30は、RFIDデータベース31と、通信部32と、制御部33とを備える。RFIDデータベース31は、無線情報と、無線情報に対応する状態を記憶する対応関係記憶手段である。RFIDデータベース31は、状態に加えて、その状態の詳細情報、RFIDデータ管理サーバ30が提供する付加情報を、無線情報に対応付けて記憶することが好ましい。RFIDデータベース31は、無線情報によって、詳細情報、付加情報を省略できる。状態、詳細情報及び付加情報は、1つの無線情報について、期間、気温、天候のような無線情報以外の条件によって、更に詳細に設定できる。期間の単位は、時間、曜日、週、月、季節などを用いることができ、限定されない。RFIDデータベース31は、無線情報によって、状態、詳細情報、付加情報の無線情報以外の条件による詳細な設定を省略できる。
図1に示すRFIDデータベース31では、無線情報としてRFIDを用い、無線情報以外の条件として時間帯を用いる。RFIDデータベース31は、RFIDをキーとして、RFIDに対応付けて、状態、詳細情報、付加情報を記憶する。更に、RFIDデータベース31は、RFID毎に、各時間帯に対応付けて、状態、詳細情報、付加情報を記憶する。RFIDデータベース31は、無線情報によっては、時間帯毎の状態や詳細情報を設定しておらず、付加情報を設定していない。RFIDデータベース31は、無線タグ設置者により設定された無線情報、詳細情報、付加情報を記憶する。
通信部32は、移動機20a〜20cが無線通信装置である無線タグ10aから近距離無線により受信した無線情報を受信する無線情報受信手段である。通信部32は、ユーザ識別データと、移動機20a〜20cが受信した無線情報を含む状態取得要求を、移動体ネットワーク50を介して移動機20a〜20cから受信する。通信部32は、受信した状態取得要求を制御部33に入力する。図1では、通信部32は、移動機20aから、ユーザID「090−1234−5678」と、RFID「abcd」を含む状態取得要求を受信する。
通信部32は、決定した状態を移動機20a〜20cに通知する状態通知手段としても機能する。更に、通信部32は、状態に加えて、詳細情報又は付加情報の少なくとも1つを移動機20a〜20cに提供する。通信部32は、状態取得応答を制御部33から取得する。状態取得応答には、状態取得要求を送信したユーザ自身の状態、その詳細情報、RFIDデータ管理サーバ30が提供する付加情報が含まれる。通信部32は、取得した状態参照応答を、移動体ネットワーク50を介して移動機20a〜20cに送信することにより、移動機20a〜20cに決定した状態を通知し、詳細情報や付加情報を提供する。図1では、通信部32は、移動機20aに、状態「食事中」、詳細情報「レストランA新宿店」、付加情報「メニューたくさん」を含む状態取得応答を送信する。
更に、通信部32は、状態管理サーバ40に対する状態更新指示を制御部33から取得し、移動体ネットワーク50を介して状態管理サーバ40に送信する。状態更新指示には、状態を決定したユーザのユーザ識別データと、決定した状態と、状態決定の基礎となった無線情報が含まれる。図1では、通信部32は、移動機20aのユーザ1aのユーザID「090−1234−5678」、ユーザ1aの状態「食事中」、移動機20aが受信したRFID「abcd」を含む状態更新指示と、移動機20bのユーザのユーザID「090−2234−5678」、移動機20bのユーザの状態「会議中」、移動機20bが受信したRFID「mnop」を含む状態更新指示を送信する。
又、通信部32は、状態管理サーバ40から、詳細情報、付加情報の提供を要求する情報要求を受信する。情報要求には無線情報が含まれる。通信部32は、受信した情報要求を制御部33に入力する。そして、通信部32は、制御部33から、情報要求に対する応答として情報応答を取得し、状態管理サーバ40に送信する。情報応答には、情報要求に含まれる無線情報に対応付けられている詳細情報、付加情報が含まれる。
制御部33は、無線情報受信手段である通信部32が受信した無線情報に基づいて、移動機20a,20bのユーザの状態を決定する状態決定手段である。制御部33は、通信部32から状態取得要求を取得する。制御部33は、状態取得要求に含まれる無線情報と、期間、気温、天気などの無線情報以外の条件に基づいてRFIDデータベース31を参照することにより、状態、詳細情報、付加情報を決定する。
具体的には、制御部33は、取得したRFIDと時間に基づいてRFIDデータベース31を参照し、RFIDと時間帯に対応付けられている状態、詳細情報、付加情報を、そのユーザの状態、その詳細情報、提供する付加情報に決定する。図1では、制御部33は、状態取得要求に含まれるRFIDが「abcd」であるため、時間が10時であるとすると、状態を「食事中」、詳細情報を「レストランA新宿店」、付加情報を時間帯9時〜21時の「メニューたくさん」に決定する。
又、状態取得要求に含まれるRFIDが同じ「abcd」の場合であっても、時間が22時の場合には、制御部33は、状態を「食事中」、詳細情報を「レストランA新宿店」、付加情報を時間帯21時〜9時の「ワイン割引中」に決定する。又、状態取得要求に含まれるRFIDが「efgh」の場合には、制御部33は時間に関わらず、状態を「近くに人あり」、詳細情報を「けん」に決定する。同様に、状態取得要求に含まれるRFIDが「ijkl」の場合には、制御部33は時間に関わらず、状態を「近くに人あり」、詳細情報を「とむ」に決定する。
このように、制御部33は、移動機20a〜20cが無線タグ10aから無線情報を受信したことを契機として、無線情報を受信した移動機20a〜20cの状態を決定し、自動的に遷移させる。更に、制御部33は、無線情報に加えて、期間、気温、天候などの無線情報以外の条件により状態や詳細情報、付加情報を決定することにより、同じ無線情報であっても無線情報以外の条件により状態や詳細情報、付加情報を変更できる。制御部33は、決定した状態、詳細情報、付加情報を含む状態取得応答を生成し、通信部32に入力する。
更に、制御部33は、状態管理装置である状態管理サーバ40に、状態管理サーバ40が記憶する状態を状態決定手段である制御部33が決定した状態に更新するよう指示する更新指示手段としても機能する。制御部33は、状態管理サーバ40に対する状態更新指示を生成して、更新を指示する。状態更新指示には、状態を決定したユーザのユーザ識別データと、決定した状態と、状態決定の基礎となった無線情報が含まれる。制御部33は、移動機20a〜20cからの状態取得要求に含まれるユーザ識別データと無線情報を、状態更新指示に設定する。制御部33は、生成した状態更新指示を通信部32に入力する。
又、制御部33は、通信部32から、状態管理サーバ40からの情報要求を取得する。制御部33は、情報要求に含まれる無線情報に基づいて、RFIDデータベースを参照し、無線情報に対応付けられている詳細情報、付加情報を取得する。制御部33は、取得した詳細情報、付加情報を含む情報応答を生成し、通信部32に入力する。
状態管理サーバ40は、状態データベース41と、通信部42と、制御部43と、課金部44とを備える。状態データベース41は、移動機20a〜20cのユーザの状態を記憶する状態記憶手段である。状態データベース41は、RFIDデータ管理サーバ30の制御部33が決定した状態を記憶する。状態データベース41は、状態に加えて、状態決定の基礎となった無線情報、状態の通知先を記憶することが好ましい。状態データベース41は、通知先として、例えば、各ユーザが属するグループのメンバのユーザ識別データを記憶することができる。状態データベース41は、ユーザ識別データに対応付けて、状態、無線情報、通知先を記憶する。図1に示す状態データベース41では、ユーザIDをキーとして、ユーザIDに対応付けて、状態、RFID、通知先のユーザIDを記憶する。
通信部42は、無線通信装置である無線タグ10aから移動機20a〜20cが近距離無線により受信した無線情報に基づいて状態を決定する状態決定装置であるRFIDデータ管理サーバ30から、状態記憶手段である状態データベース41が記憶する状態の更新の指示を受信する更新指示受信手段である。通信部42は、移動体ネットワーク50を介してRFIDデータ管理サーバ30から、状態更新指示を受信する。通信部42は、受信した状態更新指示を制御部43に入力する。図1では、通信部42は、ユーザ1aのユーザID「090−1234−5678」、状態「食事中」、RFID「abcd」を含む状態更新指示と、移動機20bのユーザのユーザID「090−2234−5678」、状態「会議中」、RFID「mnop」を含む状態更新指示を受信する。
更に、通信部42は、状態記憶手段である状態データベース41が記憶する状態を移動機20a〜20cに通知する状態通知手段としても機能する。状態データベース41は、RFIDデータ管理サーバ30の制御部33が決定した状態を記憶する。そのため、通信部42は、状態管理システム100全体として見た場合には、制御部33が決定した状態を通知することになる。通信部42は、状態に加えて、詳細情報又は付加情報の少なくとも1つを移動機20a〜20cに提供することが好ましい。
まず、通信部42は、状態データベース41が記憶する状態が更新された際に、更新後の状態を移動機20a〜20cに通知する。通信部42は、状態データベース41において、状態が更新されたユーザのユーザIDに対応付けられている通知先に、状態を自動的に通知する。通信部42は、制御部43からユーザ識別データと対応付けられた状態を取得し、その通知先の指示を受ける。通信部42は、指示された通知先の移動機20a〜20cに、取得した状態を送信する。図1では、通信部42は、通知先の移動機20aに、ユーザID「090−2234−5678」に状態「会議中」を対応付けて送信する。通信部42は、通知先の移動機20bに、ユーザID「090−1234−5678」に状態「食事中」を対応付けて送信する。
更に、通信部42は、移動機20a〜20cから状態参照要求を受信し、制御部43に入力する。そして、通信部42は、制御部43から、状態参照要求に対する応答として状態を含む状態参照応答を取得し、移動機20a〜20cに送信する。更に、通信部42は、移動機20a〜20cから詳細参照要求を受信し、制御部43に入力する。通信部42は、制御部43からRFIDデータ管理サーバ30への情報要求を取得し、RFIDデータ管理サーバ30に移動体ネットワーク50を介して送信する。通信部42は、RFIDデータ管理サーバ30から情報要求に対する応答として詳細情報、付加情報を含む情報応答を受信し、制御部43に入力する。そして、通信部42は、制御部43から詳細参照要求に対する応答として詳細情報、付加情報を含む詳細参照応答を取得し、移動機20a〜20cに送信する。このようにして、通信部42は、移動機20〜20cに状態を通知し、詳細情報や付加情報を提供する。
制御部43は、更新指示受信手段である通信部42が受信した更新の指示に基づいて、状態記憶手段である状態データベース41を更新する更新手段である。制御部43は、通信部42から受信した状態更新指示を取得する。制御部43は、状態更新指示に含まれるユーザ識別データに基づいて、状態データベース41を検索する。そして、制御部43は、状態更新指示に含まれるユーザ識別データに対応付けられている状態、無線情報を、状態更新指示に含まれている状態、無線情報に更新する。
状態更新指示には、RFIDデータ管理サーバ30の制御部33が決定した状態が含まれている。そのため、制御部43は、状態管理システム100全体として見た場合には、制御部33が決定した状態に基づいて、状態データベース41を更新することになる。図1では、制御部43は、ユーザID「090−1234−5678」に対応付けられている状態を「食事中」に、RFIDを「abcd」に更新する。又、制御部43は、ユーザID「090−2234−5678」に対応付けられている状態を「会議中」、RFIDを「mnop」に更新する。
制御部43は、状態データベース41が記憶する状態を更新した際に、移動機20a〜20cに状態を通知するように通信部42を制御する。制御部43は、状態を更新したユーザのユーザ識別データに基づいて状態データベース41を参照し、ユーザ識別データに対応付けられている通知先のユーザ識別データを取得する。制御部43は、状態を更新したユーザのユーザ識別データに対応付けて状態を通信部42に入力し、状態データベース41から取得した通知先に状態を送信するよう通信部42に指示をする。
図1では、制御部43は、通信部42に、状態を更新した移動機20bのユーザのユーザID「090−2234−5678」に状態「会議中」を対応付けて入力し、ユーザID「090−2234−5678」に対応付けられている通知先「090−1234−5678」の移動機20aに、状態を送信するよう指示する。又、制御部43は、通信部42に、状態を更新した移動機20aのユーザ1aのユーザID「090−1234−5678」に状態「食事中」を対応付けて入力し、ユーザID「090−1234−5678」に対応付けられている通知先「090−2234−5678」の移動機20bに、状態を送信するよう指示する。
又、制御部43は、通信部42から状態参照要求を取得する。制御部43は、状態参照要求に含まれるユーザ識別データに基づいて、状態データベース41を参照し、ユーザ識別データに対応付けられている状態を取得する。制御部43は、取得した状態と、状態参照要求に含まれるユーザ識別データを含む状態参照応答を生成し、通信部42に入力する。例えば、制御部43は、ユーザID「090−1234−5678」を含む状態参照要求を取得した場合には、状態データベース41を参照して、状態「食事中」を含む状態参照応答を生成する。
更に、制御部43は、通信部42から詳細参照要求を取得する。制御部43は、詳細参照要求に含まれるユーザ識別データに基づいて、状態データベース41を参照し、ユーザ識別データに対応付けられている無線情報を取得する。制御部43は、取得した無線情報を含む情報要求を生成し、通信部42に入力する。例えば、制御部43は、ユーザID「090−1234−5678」を含む詳細参照要求を取得した場合には、状態データべース41を参照してRFID「abcd」を含む情報要求を生成する。
そして、制御部43は、情報要求に対する応答として、通信部42から情報応答を取得する。制御部43は、RFID「abcd」を含む情報要求に対する応答として、詳細情報「レストランA新宿店」、付加情報「メニューたくさん」を含む情報応答を取得する。制御部43は、取得した詳細情報、付加情報と、詳細参照要求に含まれるユーザ識別データを含む詳細参照応答を生成し、通信部42に入力する。例えば、制御部43は、ユーザID「090−1234−5678」を含む詳細参照要求を取得した場合には、情報要求を送信することにより、詳細情報「レストランA新宿店」、付加情報「メニューたくさん」を含む詳細参照応答を生成する。
制御部43は、通信部42が状態を移動機20a〜20cに通知する毎に、又、詳細情報、付加情報を移動機20a〜20cに提供する毎に、その移動機20a〜20cのユーザのユーザ識別データを課金部44に入力する。更に、制御部43は、提供する詳細情報、付加情報のデータ量や再生時間を、ユーザ識別データと対応付けて課金部44に入力してもよい。制御部43は、状態データベース41の更新時に状態を通信部42に入力した際や、状態参照応答や詳細参照応答を通信部42に入力した際に、ユーザ識別データを課金部44に入力すればよい。
課金部44は、移動機20a〜20cへの課金処理を行う。課金部44は、移動機20a〜20cを使用することにより発生する通信料やサービス利用料から、状態、詳細情報、付加情報を移動機20a〜20cが参照することによる割引を行って課金する。具体的には、課金部44は、制御部43から、通信部42が状態を移動機20a〜20cに通知したり、詳細情報、付加情報を移動機20a〜20cに提供したりする度に、その移動機20a〜20cのユーザのユーザ識別データを取得する。そして、課金部44は、ユーザ識別データ毎に、状態、詳細情報、付加情報の参照回数を累計する。又、課金部44は、制御部43から、提供する詳細情報、付加情報のデータ量や再生時間を取得した場合には、ユーザ識別データ毎にデータ量や再生時間を累計する。
課金部44は、累計した状態、詳細情報、付加情報の参照回数やデータ量、再生時間に応じて割引料を計算する。課金部44は、通信料やサービス料から割引料を減算した額を課金する。課金部44は、状態、詳細情報、付加情報毎や、参照回数やデータ量、再生時間毎に割引率を変更してもよい。例えば、付加情報の参照による割引率を状態や詳細情報の参照による割引率よりも高く設定できる。又、付加情報の再生時間が長いほど、割引率を高く設定できる。
又、図3に示すように、移動機20aが無線情報を受信可能な距離に位置する無線タグ10a〜10cが複数存在する場合がある。図3では、図1に示した無線タグ10aに加えて、移動機20aが無線情報を近距離無線により受信可能な距離に、無線タグ10b,10cが位置している。無線タグ10b,10cはそれぞれ、ユーザ1b,1cが所持する移動機20b,20cに設置されている。無線タグ10b,10cもそれぞれ無線タグ交信エリアを形成する。
この場合、移動機20aのタグリーダ21は、無線タグ10aからRFID「abcd」を、無線タグ10bからRFID「efgh」を、無線タグ10cからRFID「ijkl」を受信する。このように、移動機20aは、同時に複数の無線情報を受信できる。そして、移動機20aの制御部26は、前回受信した無線情報と一致しない無線情報があり、無線情報が変更されていることを検出した場合には、ユーザ1aのユーザID「090−1234−5678」と、受信した複数のRFID「abcd、efgh、ijkl」を含む状態取得要求を生成する。そして、移動機20aの通信部22がその状態取得要求を、RFIDデータ管理サーバ30に送信する。
RFIDデータ管理サーバ30の制御部33は、移動機20aからの状態取得要求に含まれる複数の無線情報に基づいて、状態、詳細情報、付加情報を決定する。制御部33は、時間が10時であるとすると、取得したRFID「abcd」と時間に基づいてRFIDデータベース31を参照し、RFID「abcd」と時間帯9時〜21時に対応付けられている状態「食事中」、詳細情報「レストランA新宿店」、付加情報「メニューたくさん」を、ユーザ1aの状態、詳細情報、提供する付加情報の1つに決定する。又、制御部33は、取得したRFID「efgh」に基づいてRFIDデータベース31を参照し、RFID「efgh」に対応付けられている状態「近くに人あり」、詳細情報「けん」を、ユーザ1aの状態、詳細情報の1つに決定する。更に、制御部33は、取得したRFID「ijkl」に基づいてRFIDデータベース31を参照し、RFID「ijkl」に対応付けられている状態「近くに人あり」、詳細情報「とむ」を、ユーザ1aの状態、その詳細情報の1つに決定する。
そして、制御部33は、各RFIDに基づいて決定した状態を統合して、ユーザ1aの状態を「食事中、近くに人あり」に決定する。又、制御部33は、各RFIDに基づいて決定した詳細情報を統合して、ユーザ1aの詳細情報を「レストランA新宿店、けん、とむ」に決定する。付加情報については、RFID「abcd」に基づいて決定した1つだけであるため、制御部33は提供する付加情報を「メニューたくさん」に決定する。
このように、制御部33は、複数の無線情報に基づいて状態、詳細情報、付加情報を決定する場合に、各無線情報から決定した状態、詳細情報、付加情報をそのまま全て組み合わせた状態、詳細情報、付加情報に決定できる。制御部33は、各無線情報から決定した状態や詳細情報から、1つの状態や詳細情報を決定するようにしてもよい。例えば、制御部33は、あるRFIDから詳細情報としてビル名を決定し、他のRFIDからそのビルに入居しているテナント名を決定した場合に、より下位概念のテナント名だけで状態の詳細が分かる場合には、詳細情報としてテナント名だけを決定してもよい。又、制御部33は、各無線情報から決定した状態や詳細情報が矛盾する場合には、それらをそのまま全て組み合わせた状態、詳細情報に決定してもよく、制御部33が、矛盾しない状態、詳細情報だけを選択し、組み合わせた状態、詳細情報に決定してもよい。
制御部33は、複数の無線情報から決定した複数の状態、複数の詳細情報、付加情報を含む状態取得応答を生成する。通信部32が生成した状態取得応答を移動機20aに送信する。移動機20aの通信部22は、複数の状態、複数の詳細情報、付加情報を含む状態取得応答を受信する。出力部23は、図4(a)に示す出力部23の画面のように、ユーザ1a自身とユーザ1aが属するグループのメンバについて、各ユーザ名「しん、けん、とむ」、各ユーザの顔の画像、各ユーザの状態「食事中・近くに人あり」の一覧を表示する。更に、出力部23は、図4(b)に示す出力部23の画面のように、1ユーザのユーザ名「しん」、顔の画像、状態「食事中・近くに人あり」、詳細情報「レストランA新宿店、けん、とむ」を表示する。このように、移動機20aは、同時に複数の状態や詳細情報を受信し、出力できる。
又、RFIDデータ管理サーバ30の制御部33は、移動機20aのユーザ1aのユーザID「090−1234−5678」、複数の状態「食事中・近くに人あり」、複数のRFID「abcd、efgh、ijkl」を含む状態更新指示と、移動機20bのユーザ1bのユーザID「090−2234−5678」、複数の状態「食事中・近くに人あり」、複数のRFID「abcd、ijkl」を含む状態更新指示を生成する。通信部32が状態管理サーバ40に生成した状態更新指示を送信する。このように、RFIDデータ管理サーバ30は、複数の状態や無線情報の更新を指示できる。
状態更新指示を受信した状態管理サーバ40の制御部43は、ユーザID「090−1234−5678」に対応付けられている状態を「食事中・近くに人あり」に、RFIDを「abcd、efgh、ijkl」に更新する。又、制御部43は、ユーザID「090−2234−5678」に対応付けられている状態を「食事中・近くに人あり」、RFIDを「abcd、ijkl」に更新する。
そして、制御部43は、通信部42に、状態を更新したユーザ2bのユーザID「090−2234−5678」に状態「食事中・近くに人あり」を対応付けて入力し、ユーザID「090−2234−5678」に対応付けられている通知先「090−1234−5678」の移動機20aに、状態を送信するよう指示する。又、制御部43は、通信部42に、状態を更新したユーザ1aのユーザID「090−1234−5678」に状態「食事中・近くに人あり」を対応付けて入力し、ユーザID「090−1234−5678」に対応付けられている通知先「090−2234−5678」の移動機20bに、状態を送信するよう指示する。そして、通信部42が移動機20a,20bに状態を送信して通知する。このように、状態管理サーバ40は、複数の状態や無線情報を更新し、複数の状態を移動機20a,20bに通知できる。
〔状態、設置対象物、詳細情報、付加情報〕
次に、状態、詳細情報、付加情報、設置対象物について詳細に説明する。図5は、設定できる状態の種類と設置対象物との対応を示す表である。図5に示すように、ユーザの状態は、例えば、必需行動、拘束行動、自由行動、その他の大分類に分けて設定できる。更に、必需行動に分類される状態は、睡眠、食事中、身の回りの用事、療養・静養の中分類に分けて設定できる。中分類を更に細分化しない場合には、小分類と中分類は同じ状態を設定する。
拘束行動に分類される状態は、仕事関連、学業、家事、通勤・通学、社会参加の中分類に分けて設定できる。仕事関連に分類される状態は、更に、仕事、仕事の付き合いの小分類に細分化して設定できる。学業に分類される状態は、更に、授業・学内の活動、学校外の学習の小分類に細分化して設定できる。家事に分類される状態は、更に、炊事・洗濯・掃除、買い物中、子供の世話、家庭雑事の小分類に細分化して設定できる。
自由行動に分類される状態は、会話・交際、レジャー活動、マスメディア接触、休息の中分類に分けて設定できる。レジャー活動に分類される状態は、更に、スポーツ、行楽・散策、趣味・娯楽・教養の小分類に細分化して設定できる。マスメディア接触に分類される状態は、更に、テレビ・ビデオ、ラジオ、CD・テープ、新聞・雑誌・漫画・本の小分類に細分化して設定できる。
その他に分類される状態は、必需行動、拘束行動、自由行動のいずれにも分類できない状態である。その他に分類される状態は、近くに人あり、その他の2つの小分類に細分化して設定できる。尚、図5に示した状態の種類やその分類、設置対象物の分類はあくまで一例であり、状態の種類やその分類、設置対象物の分類は図5に限定されない。図5に示した状態以外にも、例えば、電車移動中、会議中、取り込み中、一時退席中、電話中、昼休み、暇、映画鑑賞中、複数人ありなどの状態を設定できる。
無線通信装置である無線タグは、あらゆる物に設置することができる。無線タグの設置対象物は、図5に示すように、場所を示すことができる物、移動手段、移動機の3つのカテゴリーに分類できる。場所を示すことができる物は、建物のように固定され、移動させることができないものだけでなく、例えば、机などのように移動させることができ、完全に固定されてはいないが、通常、会議室などの特定の場所に置かれ、その場所を示すことができるものも含まれる。場所を示すことができる物は、更に、場所として家庭を示すことができる物、学校・職場を示すことができる物、街中・店舗を示すことができる物に分類できる。
家庭を示すことができる物には、家の部屋の壁や、部屋に置かれる机など、家に存在するあらゆる物がある。学校・職場を示すことができる物には、教室の壁や、会議室に置かれるデスクなど、学校、職場に存在するあらゆる物がある。街中・店舗を示すことができる物には、レストランやデパート、駅に存在する物など、街中・店舗に存在するあらゆる物がある。移動手段には、電車、バス、飛行機などがある。
図5において、設置対象物の分類に対して斜線が引かれている状態は、その設置対象物に設置される無線タグが送信する無線情報に対応付けて設定できない状態である。例えば、睡眠という状態は、家庭を示すことができる物以外の設置対象物に対して、斜線が引かれている。そのため、移動手段に設置される無線タグの無線情報に対応付けて、睡眠という状態を設定することはできない。一方、家庭を示すことができる物、例えば、ベッドに設置される無線タグの無線情報であれば、それに対応付けて、睡眠という状態を設定できる。その他の状態は、例えば、3つのカテゴリーに分類できない設置対象物があった場合に、その設置対象物に設置される無線タグの無線情報に対応付けて設定できる。
無線タグ設置者は、図5に示す表から、設置対象物と、その設置対象物に設置する無線タグが送信する無線情報に対応付ける状態を選択する。そして、図6に示すように、RFIDデータベース31に、設置対象物に設置する無線タグのRFIDと、選択した状態が設定される。更に、図6に示すように、RFIDデータベース31に、時間帯、詳細情報、付加情報が設定される。時間帯は、9:00〜17:00のような時刻の範囲や、朝、昼、夜のような範囲で設定することができる。
詳細情報は、状態に関する情報であり、状態をより詳細に説明する情報であるため、タグ設置者によって状態に無関係な情報が設定されないように、RFIDデータベース31に設定可能な情報は制限することが好ましい。例えば、RFIDデータベース31に設定可能な情報は、設定可能な詳細情報として、設置対象物が場所を示すことができる物の場合には場所の名称を、移動手段の場合には移動手段の名称を、移動機の場合にはその移動機のユーザ名に制限する。ユーザ名は、ユーザの本名であってもニックネームであってもよい。このように、詳細情報も、場所の名称、移動手段の名称、ユーザ名の3つのカテゴリーに分類できる。
付加情報は、無線タグ設置者が状態に加えて提供する情報である。付加情報は、タグ設置者が提供したい情報であれば何でもよく、状態や設置対象物に関係のある情報であっても、無関係な情報であっても構わない。付加情報には、広告情報や多くのユーザに周知させたい情報などがある。例えば、設置対象物がレストランの場合に、付加情報は、そのレストランに関係のあるレストランで行っているサービスに関する情報であってもよく、レストランに関係のない映画に関する情報であってもよい。タグ設置者が提供したい情報を自由に設定できるように、RFIDデータベース31には、付加情報をフリーメッセージで設定できるようにする。尚、図6に示した時間帯や付加情報の設定方法、状態の種類、詳細情報の分類はあくまで一例であり、時間帯や付加情報の設定方法、状態の種類、詳細情報の分類は図6に限定されない。
更に、無線タグの種類は、設置対象物や、無線情報に対応付ける状態や詳細情報に応じて選択することが好ましい。例えば、職場のデスクに設置される無線タグの無線情報に対応付ける状態が「着席中」の場合には、近距離無線により交信可能な距離がアクティブタグに比べて短いパッシブタグやセミパッシブタグを用いることが好ましい。これにより、RFIDデータ管理サーバ30は、実際にユーザがデスクに着席している時にその状態を着席中と決定できる。又、無線タグが移動機に設置される場合にも、パッシブタグやセミパッシブタグを用いることが好ましい。これにより、移動機は、ユーザ付近に存在する移動機からの無線情報だけを受信でき、離れた位置に存在する移動機からも無線情報を受信してしまうことを防止できる。反対に、デパートやレストラン、学校など、ある程度の広さを持つ設置対象物に無線タグを設置する場合には、近距離無線により交信可能な距離がパッシブタグなどに比べて長いアクティブタグを用いることが好ましい。
具体的な設置対象物と、その設置対象物に設置する無線タグの無線情報に対応付ける状態、詳細情報、付加情報、及び、状態や詳細情報の決定の例を、図7を用いて説明する。図7(a)に示すように、無線タグ10d,10eは、バス2dや電車2eなどの移動手段に設置できる。無線タグ10eの無線情報には状態として「電車移動中」、詳細情報として移動手段の名称「B線」が対応付けられる。更に、駅に設置される無線タグの無線情報に、詳細情報として場所の名称「自由が丘付近」が対応付けられているとする。これにより、RFIDデータ管理サーバ30の制御部33は、状態を「電車移動中」、詳細情報を「B線、自由が丘付近」に決定でき、移動機20aの出力部23が決定した状態と詳細情報を出力できる。このように、制御部33は、移動手段に設置された無線タグと、場所を示す物に設置された無線タグからの無線情報を組み合わせて、移動手段の名称と、位置を示すことが可能な場所の名称を組み合わせた詳細情報を決定できる。
図7(b)に示すように、無線タグ10f,10gは、学校2fや会議室2gなどの学校・職場を示すことができる物に設置できる。無線タグ10gの無線情報には状態として「会議中」、詳細情報として場所の名称「2−112会議室、YRP2棟」が対応付けられる。これにより、RFIDデータ管理サーバ30の制御部33は、状態を「会議中」、詳細情報を「2−112会議室、YRP2棟」に決定でき、移動機20aの出力部23が決定した状態と詳細情報を出力できる。
図7(c)、(d)に示すように、無線タグ10h,10iは、レストラン2hやデパート2iなどの街中・店舗を示すことができる物に設置できる。無線タグ10hの無線情報には状態として「食事中」、詳細情報として場所の名称「カフェC、代官山」が対応付けられる。これにより、RFIDデータ管理サーバ30の制御部33は、状態を「食事中」、詳細情報を「カフェC、代官山」に決定でき、移動機20aの出力部23が決定した状態と詳細情報を出力できる。
無線タグ10iの無線情報には状態として「買い物中」、詳細情報として場所の名称「デパートD、×△ショップ」、付加情報として広告情報「最新ジュエリー多数あり」が対応付けられる。これにより、RFIDデータ管理サーバ30の制御部33は、状態を「買い物中」、詳細情報を「デパートD、×△ショップ」、付加情報を「最新ジュエリー多数あり」に決定でき、移動機20aの出力部23が決定した状態と詳細情報を出力できる。
尚、RFIDデータベース31は、階層的な無線情報に対応付けて状態や詳細情報を記憶してもよい。例えば、上位の無線情報に、中位の無線情報、更に下位の無線情報を対応付け、各無線情報とその状態や詳細情報を対応付ける。そして、制御部33は、下位の無線情報に基づいて、下位の無線情報に対応付けられている状態や詳細情報に加えて、その上位、中位の無線情報に対応付けられている状態や詳細情報も、そのユーザの状態や詳細情報に決定できる。
この方法を用いた場合、図7(b)に示す例では、制御部33は、無線タグ10gが送信する下位の無線情報に基づいて、下位の無線情報に対応付けられている詳細情報「2−112会議室」と、その上位の無線情報に対応付けられている詳細情報「YRP2棟」を、詳細情報に決定することができる。又、図7(c)に示す例では、制御部33は、無線タグ10hが送信する下位の無線情報に基づいて、下位の無線情報に対応付けられている詳細情報「カフェC」と、その上位の無線情報に対応付けられている詳細情報「代官山」を、詳細情報に決定することができる。又、図7(d)に示す例では、制御部33は、無線タグ10iが送信する下位の無線情報に基づいて、下位の無線情報に対応付けられている詳細情報「×△ショップ」と、その上位の無線情報に対応付けられている詳細情報「デパートD」を、詳細情報に決定することができる。
図7(e)に示すように、無線タグ10j〜10mは、移動機2j〜2mに設置できる。無線タグ10j〜10mの無線情報には状態として「近くに人あり」、詳細情報として各移動機2j〜2mのユーザ名「Aさん、Bさん、Cさん、Dさん」が対応付けられる。更に、移動機2j〜2mのユーザがいる部屋に設置される無線タグの無線情報に、状態として「会議中」、詳細情報として場所の名称「YRP食堂」を対応付けられているとする。
RFIDデータ管理サーバ30の制御部33は、無線タグ10j〜10mの無線情報に基づいて、各無線情報に基づく各状態を「近くに人あり」に決定する。制御部33は、各無線情報に基づいて決定した状態に「近くに人あり」が複数ある場合には、これらの各状態を統合して「複数人あり」という状態を決定してもよい。その結果、制御部33は、状態を「会議中、複数人あり」、詳細情報を「YRP食堂、周りの人:Aさん、Bさん、Cさん、Dさん」に決定でき、移動機20aの出力部23が決定した状態と詳細情報を出力できる。
尚、制御部33は、複数の無線情報に基づいて詳細情報を決定する場合に、各無線情報から決定した詳細情報のうち、各カテゴリーの詳細情報を1つだけ決定し、異なるカテゴリーの詳細情報であれば複数決定してもよく、同じカテゴリーの詳細情報であれば複数決定しないようにしてもよい。更に、各無線情報から決定した詳細情報が場所の名称であり、複数の場所の名称が決定される場合には、全ての場所を詳細情報として決定してもよく、それらの中で最も大きな範囲や所定の基準よりも大きな範囲を示す場所の名称を詳細情報として決定してもよい。
〔ユーザ、タグ設置者、通信事業者〕
次に、ユーザ、タグ設置者、通信事業者の関係について、図8を用いて説明する。無線タグ設置者は、移動機20aを使用するユーザ1aに対し、設置対象物2aに無線タグ10aを設置して無線情報を提供することにより、ユーザ1aの状態決定や詳細情報決定に寄与する。更に、無線タグ設置者は、付加情報をユーザ1aに提供する。無線タグ設置者は、広告料を通信事業者に支払うことにより、RFIDデータ管理サーバ30に付加情報を設定させてもらい、付加情報を移動機20aに提供してもらう。
オペレータやサービスプロバイダのような通信事業者は、RFIDデータ管理サーバ30や状態管理サーバ40を設置する。通信事業者は、無線タグ設置者から広告料を取得することにより、付加情報をRFIDデータ管理サーバ30に設定し、移動機20aに提供する。更に、通信事業者は、ユーザ1aが支払う通信料やサービス料に対して、状態、詳細情報、付加情報を移動機20aが参照することによる割引を行う。
〔状態管理方法〕
図1に示した状態管理システム100を用いて行う状態管理方法の手順について説明する。まず、図9に示すように、無線タグ10aがパッシブタグやセミパッシブタグの場合、移動機20aは無線情報の要求信号を無線タグ10aに送信してRFIDを要求する(S101)。無線タグ10aは、要求信号に応じて、RFIDを移動機20aに近距離無線により送信する(S102)。尚、無線タグ10aがアクティブタグやセミパッシブタグであり、移動機20aが要求信号を送信しない場合には、ステップ(S101)は省略できる。
RFIDを受信した移動機20aは、RFIDの変更を検出すると(S103)、状態取得要求をRFIDデータ管理サーバ30に送信して、受信したRFIDを通知する(S104)。RFIDデータ管理サーバ30は、受信した状態取得要求に含まれるRFIDに基づいて、移動機20aのユーザ1aの状態を決定する(S105)。RFIDデータ管理サーバ30は、状態管理サーバ40に状態更新指示を送信することにより、新たに決定した状態への更新を指示する(S106)。
状態更新指示を受信した状態管理サーバ40は、状態更新指示に基づいて、状態データベース41が記憶するユーザ1aの状態を、新たに決定した状態に更新する(S107)。状態管理サーバ40は、Ack(Acknowledge、肯定応答)をRFIDデータ管理サーバ30に送信して、更新の完了をRFIDデータ管理サーバ30に通知する(S108)。
Ackを受信したRFIDデータ管理サーバ30は、状態取得応答を移動機20aに送信して、決定した状態を通知し、決定した詳細情報や付加情報を提供する(S109)。状態取得応答を受信した移動機20aは、状態取得応答に含まれる状態、詳細情報、付加情報を出力部23に表示する(S110)。更に、ユーザ1aの状態を更新した状態管理サーバ40は、ユーザ1aの状態の通知先である移動機20bに、更新したユーザ1aの状態を通知する(S111)。移動機20bは、通知された更新後のユーザ1aの状態を出力部23に表示する(S112)。
又、図10に示すように、移動機20aは、他のユーザの状態の参照を要求する状態参照要求を状態管理サーバ40に送信する(S201)。状態管理サーバ40は、状態参照要求に含まれるユーザIDに基づいて状態データベース41から状態を取得する。状態管理サーバ40は、取得した状態を含む状態参照応答を移動機20aに送信して、他のユーザの状態を通知する(S202)。移動機20aは、通知された他のユーザの状態を出力部23に表示する(S203)。
移動機20aのユーザ1aは、他のユーザについて詳細情報や付加情報を知りたい場合には、詳細参照要求を状態管理サーバ40に送信する(S204)。状態管理サーバ40は、詳細参照要求に含まれるユーザIDに基づいて状態データベース41からRFIDを取得する。状態管理サーバ40は、取得したRFIDを含む情報要求をRFIDデータ管理サーバ30に送信する(S205)。RFIDデータ管理サーバ30は、情報要求に含まれるRFIDに基づいてRFIDデータベース31から詳細情報、付加情報を取得する。RFIDデータ管理サーバ30は、取得した詳細情報、付加情報を含む情報応答を状態管理サーバ40に送信する(S206)。情報応答を受信した状態管理サーバ40は、情報応答に含まれる詳細情報、付加情報を含む詳細参照応答を移動機20aに送信して、詳細情報、付加情報を提供する(S207)。移動機20aは、提供された他のユーザの詳細情報、付加情報を出力部23に表示する(S208)。
〔効果〕
このような状態管理システム100、RFIDデータ管理サーバ30、状態管理方法によれば、RFIDデータ管理サーバ30が、移動機20a〜20cが無線タグ10a〜10cから受信したRFIDを受信し、受信したRFIDに基づいてユーザの状態を決定できる。そのため、ユーザは、状態を手動設定する必要がなく、移動機20a〜20cが無線タグ10a〜10cから無線情報を受信することにより、状態が自動的に遷移される。よって、ユーザは面倒な手動設定から解放される。そして、容易にリアルタイムな状態の反映を行うことができ、多様化、詳細化した状態にも対応できる。
特に、無線情報に対応付けられる状態や詳細情報をRFIDデータベース31が記憶することや、状態や詳細情報を、1つの無線情報について、期間、気温、天候のような無線情報以外の条件によって、更に詳細に設定できることにより、多様化、詳細化した状態にも、容易に、細やかに対応することができる。
又、RFIDデータ管理サーバ30の制御部33は、状態管理サーバ40に、状態管理サーバ40が記憶する状態を、決定した状態に更新するよう指示する。そのため、RFIDデータ管理サーバ30は、状態管理サーバ40が記憶する状態を決定した状態に更新させることができる。
更に、RFIDデータ管理サーバ30は、制御部33が決定した状態を、移動機20a〜20cに通知する通信部32を備える。そのため、RFIDデータ管理サーバ30は、決定した状態を移動機20a〜20cに通知することができ、ユーザは、ユーザ自身や他のユーザの決定された状態を把握することができる。
通信部32は、状態に加えて、詳細情報や付加情報を移動機20a〜20cに提供する。そのため、RFIDデータ管理サーバ30が詳細情報を提供することにより、ユーザは状態に関するより詳細な情報を把握することができる。又、RFIDデータ管理サーバ30が付加情報を提供することにより、タグ設置者に、タグ設置者が望む広告情報などの付加情報をユーザに提供できるメリットを与えることができ、無線タグの設置を促すことができる。そのため、無線タグの普及をスムーズに行うことができる。
又、状態管理サーバ40によれば、状態を記憶して管理することができる。そして、状態管理サーバ40は、RFIDデータ管理サーバ30から、移動機20a〜20cが無線タグ10a〜10cから受信した無線情報に基づいて決定した状態の更新の指示を受信し、受信した指示に基づいて、状態データベース41が記憶する状態を決定した状態に更新できる。そのため、ユーザが状態を手動設定しなくても、状態管理サーバ40が記憶する状態が更新される。よって、ユーザは状態を手動設定する必要がなく、容易にリアルタイムな状態の反映を行うことができ、多様化、詳細化した状態にも対応できる。
更に、状態管理サーバ40は、状態データベース41が記憶する状態を移動機20a〜20cに通知する通信部42を備える。そのため、状態管理サーバ40は、状態データベース41に記憶された状態を移動機に通知でき、ユーザは、RFIDデータ管理サーバ30が決定し、状態管理サーバ40が記憶する状態を把握することができる。
又、移動機20a〜20cによれば、無線タグ10a〜10cから無線情報を受信し、RFIDデータ管理サーバ30に受信した無線情報を通知できる。そして、移動機20a〜20cは、RFIDデータ管理サーバ30が決定した状態を受信し、出力することができる。そのため、移動機20a〜20cが、無線情報をRFIDデータ管理サーバ30に通知するだけで、状態が決定される。そして、移動機20a〜20cが決定された状態を受信して出力することにより、ユーザは決定された状態を把握できる。よって、ユーザは状態を手動設定する必要がなく、容易にリアルタイムな状態の反映を行うことができ、多様化、詳細化した状態にも対応できる。
[第2の実施の形態]
〔状態管理システム〕
図11に示すように、状態管理システム200は、無線タグ210aと、複数の移動機220a,20bと、RFIDデータ管理サーバ230と、状態管理サーバ40と、移動体ネットワーク50とを備える。無線タグ210aは、無線情報としてRFID「qrst」を送信する以外は、図1に示した無線タグ10aと同様である。
移動機220aは、タグリーダ21と、通信部22と、出力部23と、入力部24と、記憶部225と、制御部226と、バイブレータ227とを備える。タグリーダ21、通信部22、出力部23、入力部24は、図1と同様であるため、同一の符号を付して説明を省略する。バイブレータ227は、振動することにより移動機220aのユーザ201aに、着信などを知らせる振動手段である。
記憶部225は、状態と、動作モードとの対応関係を記憶する。動作モードには、音により着信を知らせる通常待ち受け、振動により着信を知らせるマナーモード、運転中であることを発信者に伝える応答を行うドライブモード、移動機において留守番電話による応対を行う移動機留守電、移動体ネットワーク50において留守番電話による対応を行うネットワーク留守電などがある。又、記憶部225は、ドライブモードや移動機留守電における応答メッセージを記憶する。
制御部226は、状態受信手段である通信部22が、状態決定装置であるRFIDデータ管理サーバ230から状態に基づく動作モードの指示を受信する場合には、通信部22が受信した動作モードの指示に基づいて、動作モードを制御するモード制御手段として機能する。あるいは、制御部226は、通信部22が動作モードの指示を受信しない場合には、通信部22が受信した状態に基づいて、動作モードを制御するモード制御手段として機能する。この場合、制御部226は、通信部22が受信した状態に基づいて動作モードを自ら決定し、決定した動作モードに従って動作モードを制御する。
具体的には、通信部22は、動作モードの指示を含む状態取得応答又は動作モードの指示を含まない状態取得応答を、移動体ネットワーク50を介して、RFIDデータ管理サーバ230から受信する。制御部226は、通信部222から状態取得応答を取得する。制御部226は、状態取得応答に動作モードの指示が含まれている場合には、その動作モードの指示に従って、バイブレータ227や通信部222を制御する。制御部226は、状態取得応答に動作モードの指示が含まれていない場合には、記憶部225を参照することにより、状態取得応答に含まれる状態に対応する動作モードを決定する。制御部226は、決定した動作モードに従って、バイブレータ227や通信部222を制御する。
指示された動作モードや決定した動作モードがマナーモードの場合には、制御部226はバイブレータ227をオンにする。又、指示された動作モードや決定した動作モードがネットワーク留守電の場合には、制御部226は、着信があったときに通信部222を制御し、移動体ネットワーク50に接続させる。更に、指示された動作モードや決定した動作モードがドライブモードや移動機留守電の場合には、制御部226は、着信があったときに記憶部225から応答メッセージを取得し、通信部222を制御して応答メッセージを送信させる。
又、現在の動作モードがマナーモード、ドライブモード、移動機留守電、ネットワーク留守電で、指示された動作モードや決定した動作モードが通常待ち受けの場合には、制御部226は、バイブレータ227をオフにし、マナーモード、ドライブモード、移動機留守電、ネットワーク留守電を解除する。制御部226は、現在の動作モードと指示された動作モードが一致する場合には、動作モードの変更は行わない。
このように、移動機220aは、通信部22が受信した動作モードの指示や状態に基づいて、動作モードを自動的に切り替えることができる。尚、制御部226は、ユーザ201aの意思により、RFIDデータ管理サーバ230から動作モードの指示を含む状態取得応答を取得しても、動作モードの指示を拒否し、動作モードを変更しないよう設定することもできる。記憶部225、制御部226は、これらの点以外は、図1に示した記憶部25、制御部26と同様である。
RFIDデータ管理サーバ230は、RFIDデータベース231と、通信部32と、制御部233とを備える。通信部32は、図1と同様であるため、同一の符号を付して説明を省略する。RFIDデータベース231は、状態、詳細情報、付加情報に加えて、動作モードを無線情報に対応付けて記憶する。RFIDデータベース231は、1つの無線情報に対応付けて、複数の動作モードを記憶してもよい。
図11に示すRFIDデータベース231では、無線情報としてRFIDを用い、無線情報以外の条件として時間帯を用いる。RFIDデータベース231は、RFIDをキーとして、RFIDに対応付けて、状態、詳細情報、付加情報、動作モードを記憶する。更に、RFIDデータベース231は、RFID毎に、各時間帯に対応付けて、状態、詳細情報、付加情報、動作モードを記憶する。RFIDデータベース231は、無線タグ設置者により設定された無線情報、詳細情報、付加情報、動作モードを記憶する。
制御部233は、決定した状態に基づいて、移動機220aの動作モードを決定するモード決定手段、モード決定手段が決定した動作モードで動作するよう移動機に指示するモード指示手段として機能する。制御部233は、状態取得要求に含まれる無線情報と、期間、気温、天気などの無線情報以外の条件に基づいてRFIDデータベース231を参照することにより、状態、詳細情報、付加情報、動作モードを決定する。
具体的には、制御部233は、取得したRFIDと時間に基づいてRFIDデータベース231を参照し、RFIDと時間帯に対応付けられている状態、詳細情報、付加情報、動作モードを、そのユーザの状態、その詳細情報、提供する付加情報、移動機の動作モードに決定する。図11では、状態取得要求に含まれるRFIDが「qrst」、時間が10時であるとすると、状態を「映画鑑賞中」、詳細情報を「映画館E」、付加情報を「○×上映中」、動作モードを「マナーモード」に決定する。尚、制御部233は、1つの無線情報に対して、複数の動作モードを決定してもよい。制御部233は、決定した状態、詳細情報、付加情報、動作モードを含む状態取得応答を生成し、通信部32に入力して移動機220aに送信するよう指示することにより、決定した動作モードで動作するよう移動機220aに指示できる。
このように、制御部233は、移動機220aが無線タグ210aから無線情報を受信したことを契機として、無線情報を受信した移動機220aの動作モードを決定し、自動的に遷移させる。更に、制御部233は、無線情報に加えて、期間、気温、天候などの無線情報以外の条件により動作モードを決定することにより、同じ無線情報であっても無線情報以外の条件により動作モードを変更できる。制御部223は、これらの点以外は、図1に示した制御部23と同様である。
状態「映画鑑賞中」、詳細情報「映画館E」、付加情報「○×上映中」、動作モード「マナーモード」を含む状態取得応答を受信した移動機220aの制御部226は、バイブレータ227をオンにして動作モードをマナーモードに設定する。更に、出力部23は、図12(a)に示す出力部23の画面のように、ユーザ201a自身の状態として「映画鑑賞中」を表示する。更に、出力部23は、図12(b)に示す出力部23の画面のように、ユーザ201aのユーザ名「しん」、顔の画像、状態「映画鑑賞中」、詳細情報「映画館E」、RFIDデータ管理サーバ230が提供する付加情報「○×上映中」を表示する。更に、出力部23は、マナーモードであることを示す「M」を表示する。
状態管理サーバ40は、状態データベース41が、ユーザ201aのユーザID「090−3234−5678」に対応付けて、状態「映画鑑賞中」、RFID「qrst」を記憶している以外は、図1と同様である。
図13に示すように、RFIDデータベース231に、動作モードが設定される。RFIDデータベース231には、通常待ち受け、マナーモード、ドライブモード、移動機留守電、ネットワーク留守電の中から、タグ設置者が選択した動作モードが設定される。例えば、無線情報に対応付けられる状態が映画鑑賞中や電車移動中の場合には、マナーモードや、ネットワーク留守電が設定される。RFID、時間帯、状態、詳細情報、付加情報については図6と同様である。
〔状態管理方法〕
図11に示した状態管理システム200を用いて行う状態管理方法の手順について説明する。まず、図14に示すように、ステップ(S301)〜(S304)が行われる。ステップ(S301)〜(S304)は、図9に示したステップ(S101)から(S104)と同様である。RFIDデータ管理サーバ230は、受信した状態取得要求に含まれるRFIDに基づいて、移動機220aのユーザ201aの状態、移動機220aの動作モードを決定する(S305)。次に、ステップ(S306)〜(S308)が行われる。ステップ(S306)〜(S308)は、図9に示したステップ(S106)から(S108)と同様である。
Ackを受信したRFIDデータ管理サーバ230は、状態取得応答を移動機220aに送信して、決定した状態を通知し、決定した詳細情報や付加情報を提供し、決定した動作モードで動作するように指示する(S309)。状態取得応答を受信した移動機220aは、状態取得応答に含まれる状態、詳細情報、付加情報を出力部23に表示する。更に、移動機220aは、状態取得応答に含まれる動作モードで動作するように制御する(S310)。最後に、ステップ(S311)、(S312)が行われる。ステップ(S311)、(S312)は、図9に示したステップ(S111)、(S112)と同様である。
〔効果〕
このような状態管理システム200、RFIDデータ管理サーバ230、状態管理サーバ40、移動機220a、状態管理方法によれば、第1の実施の形態に示した状態管理システム100、RFIDデータ管理サーバ30、状態管理サーバ40、移動機20a〜20c、状態管理方法によって得られる効果に加えて、以下のような効果が得られる。
RFIDデータ管理サーバ30は、制御部233が決定した状態に基づいて、移動機220aの動作モードを決定し、決定した動作モードで動作するよう移動機220aに指示する。そのため、RFIDデータ管理サーバ230は、決定した状態に基づいて移動機220aの動作モードを決定し、指示することができる。よって、RFIDデータ管理サーバ230は、ユーザの状態に応じて移動機220aの動作モードを制御できる。
又、移動機220aは、通信部22が、RFIDデータ管理サーバ230から状態に基づく動作モードの指示を受信し、制御部226が、通信部22が受信した動作モードの指示に基づいて、動作モードを制御する。そのため、移動機220aは、RFIDデータ管理サーバ230からの状態に基づく動作モードの指示に従って、動作モードを制御できる。又、制御部226は、通信部22が受信した状態に基づいて、動作モードを制御することもできる。そのため、移動機220aは、決定されたユーザの状態に応じて動作モードを制御できる。これらの結果、移動機220aは、状態に応じた動作モードの変更を手動で行う必要がなく、ユーザの状態遷移と連動した動作モードの変更を行うことができる。
[変更例]
本発明は、上記第1、第2の実施の形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。例えば、ユーザ毎に無線情報に対応する状態や詳細情報、動作モードを設定してもよい。具体的には、RFIDデータベース31,231は、無線情報毎に、各ユーザ識別データに対応付けて状態や詳細情報、動作モードを記憶する。そして、制御部33,233は、無線情報と、ユーザ識別データに基づいて、状態、詳細情報、動作モードを決定する。この場合、状態としてユーザの感情を設定することもできる。
又、状態や詳細情報、付加情報をRFIDデータ管理サーバ30,330や状態管理サーバ40から受信した移動機同士が、受信した状態や詳細情報、付加情報を通知しあってもよい。更に、移動機は、RFIDデータ管理サーバ30,230が決定した状態が誤っている場合や、状態管理サーバ40に状態が記憶されていない場合などに、状態管理サーバ40に、移動機のユーザが設定した状態を含む登録要求を送信して、状態の登録を要求してもよい。状態管理サーバ40は、移動機から登録要求を受信した場合には、登録要求に基づいて、状態データベース41を更新する。
又、図1、図11では、RFIDデータ管理サーバ30,230と、状態管理サーバ40は別々に設置されているが、RFIDデータ管理サーバ30,230と、状態管理サーバ40双方の機能を備えるサーバを設置してもよい。この場合、RFIDデータ管理サーバ30,230と、状態管理サーバ40との間で、移動体ネットワーク50を介して行っていたやりとりは不要となり、そのやりとりに必要な機能も不要となる。
更に、状態管理サーバ40が記憶する状態を削除するための無線通信装置を設置することもできる。移動機が状態を削除するための無線通信装置の無線情報を受信した場合には、RFIDデータ管理サーバ30,230は、移動機のユーザの状態を「状態なし」に決定し、移動機に通知する。又、RFIDデータ管理サーバ30,230は、状態管理サーバ40にその移動機のユーザの状態の削除を指示し、状態管理サーバ40は、そのユーザの状態を削除する。又、移動機は、所定時間、無線情報を受信しなかった場合には、状態管理サーバ40に、状態の削除を要求する削除要求を送信してもよい。削除要求を受信した状態管理サーバ40は、そのユーザの状態を削除する。
又、状態管理サーバ40は、1又は複数のユーザの状態を周期的に移動機20a〜20c,220aに通知するようにしてもよい。以下、状態の通知先となるユーザを「通知先ユーザ」、通知先ユーザにその状態を通知するユーザを「特定ユーザ」という。この場合、状態管理サーバ40は、通知先ユーザのユーザ識別データと、その通知先ユーザに状態を通知する1又は複数の特定ユーザのユーザ識別データとを対応付けて記憶する通知情報データベースを備える。
制御部43は、周期的に特定ユーザの状態を通知先ユーザが使用する移動機に通知するように、通信部42を制御する。制御部43は、周期的に、通知先ユーザのユーザ識別データに基づいて、通知情報データベースを参照し、通知先ユーザのユーザ識別データに対応付けられている特定ユーザのユーザ識別データを取得する。制御部43は、取得した特定ユーザのユーザ識別データに基づいて、状態データベース41を参照し、特定ユーザの状態を取得する。制御部43は、特定ユーザのユーザ識別データに対応付けてその状態を通信部42に入力し、通知先ユーザに特定ユーザの状態を送信するよう通信部42に周期的に指示をする。そして、通信部42が、制御部43の指示に従って、通知先ユーザの移動機に、1又は複数の特定ユーザの状態を周期的に通知する。
又、移動機20a〜20c,220aの制御部26,226は、無線情報の変更を検出せずに、タグリーダ21が無線情報を受信する毎に状態取得要求を生成し、通信部22が無線情報を通知してもよい。又、制御部26は、変更を検出した場合に加えて、周期的に状態取得要求を生成し、通信部22が無線情報を周期的に通知してもよい。移動機20a〜20c,220aが、無線情報の変更を検出せずに受信した無線情報を全て通知する場合、RFIDデータ管理サーバ30,230が無線情報の変更を検出し、変更を検出した場合にだけ新たな無線情報に基づいて状態や詳細情報、付加情報、動作モードを決定してもよい。
例えば、RFIDデータ管理サーバ30,230の制御部33,233が、状態管理サーバ40に、無線情報を通知してきた移動機20a〜20c,220aのユーザについて、状態管理サーバ40が記憶する無線情報を要求する無線情報要求を生成し、通信部32に入力する。無線情報要求には、無線情報を通知してきた移動機20a〜20c,220aのユーザ識別データが含まれる。通信部32が無線情報要求を状態管理サーバ40に送信し、状態管理サーバ40の通信部42が無線情報要求を受信する。制御部43は、受信した無線情報要求に含まれるユーザ識別データに基づいて、状態データベース41からそのユーザの無線情報を取得する。制御部43は、取得した無線情報を含む無線情報応答を生成して通信部42に入力する。通信部42が無線情報応答をRFIDデータ管理サーバ30,230に送信し、RFIDデータ管理サーバ30,230の通信部32が受信する。そして、制御部33,233は、受信した無線情報応答に含まれる無線情報と、移動機20a〜20c,220aから通知された無線情報を比較することにより、無線情報の変更を検出できる。