JP4180884B2 - ロック装置及びスロット機構 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ロック装置及びスロット機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、車両においては、その基本性能や安全性の向上はもとより、その操作性の向上が求められており、その1つとしてスマートイグニッション装置が知られている。スマートイグニッション装置は、車両の所有者が電子キーを所持した状態で車内に乗り込み、メカニカルキーを用いずに車両側に設けられたスイッチを操作するだけでエンジンを始動又は停止させることができるようにするものである。
【0003】
ところが、スマートイグニッション装置は、無線通信により電子キーと車両との間でID照合を行うものであるため、電池消耗時等の非常時には、インストルメントパネルに設けた電子キーのスロット機構(以下、単にスロット機構)に電子キーを差し込んでトランスポンダ信号によるID照合を行わなければならない。そして、その際に挿入された電子キーは、運転中の脱落を防ぐ観点からスロット機構内にロックする必要がある。
【0004】
スロット機構に挿入された電子キーは、電子キー挿入孔を閉塞するシャッタとともに当該シャッタを収容するホルダに構造的にロックされた状態で当該ホルダとともにスロット機構内部を電子キーの挿入方向に移動する。そして、ロック装置により当該ホルダをロックすることにより、電子キーをスロット機構内にロックする。
【0005】
従来より、このような用途に用いられるロック装置のアクチュエータとしては、有極ソレノイドが知られている。ソレノイドは、励磁コイルへの通電により生ずる磁気力により可動鉄心(プランジャ)に直線的運動を与える機能部品であり、印加する電流の方向を変えることによりプランジャが往復運動をしソレノイド本体から出没する。有極ソレノイドは、ソレノイドに永久磁石を組み込んだものであり、作動したプランジャを当該永久磁石によって吸着し、通電を止めた後もその状態を保持する機能を有する。
【0006】
図5,図6に示すように、ロック装置1は、有極ソレノイド10を備え、当該有極ソレノイド10は、当該有極ソレノイド10の作動により出没するプランジャ11と、戻しバネ12とを備える。戻しバネ12は、その一端がプランジャ11に形成された係止リング13に、他端が有極ソレノイド10の当該プランジャ11が突出する面に当接するように配設されている。そして、戻しバネ12は、その弾性力によってプランジャ11を当該プランジャ11の先端が突出する方向に向かって常時付勢している。
【0007】
前記ホルダ(図示せず)には、電子キーの挿入方向(図面において左側)に向かって延びるロックアーム14が設けられており、ロックアーム14には、貫通孔15が形成されている。貫通孔15は、ホルダがロックされる位置までロックアーム14が移動したときに、その中心がプランジャ11の先端と対向する位置に形成されている。貫通孔15の直径は、前記係止リング13の直径と略同一となるように形成されており、貫通孔15の外縁には、ロックアーム14の先端方向に向かって延びる長孔17が形成されている。
【0008】
ロック装置1は、プランジャ11が突出する方向が前記ロックアーム14に略直交するように配設されており、有極ソレノイド10の作動によりプランジャ11が突出し、前記係止リング13がロックアーム14の貫通孔15に挿入することにより、前記ホルダの移動を規制しその位置に前記ホルダをロックする。
【0009】
図5に示すように、非ロック時、プランジャ11は没入した状態にあり、その先端はロックアーム14の前記長孔17に挿入されている。このとき、プランジャ11の有極ソレノイド10内部側の端部は、有極ソレノイド10の底部(図において下側)に内蔵された永久磁石(図示せず)に吸着されており、その吸引力が戻しバネ12の弾性力に勝っているため、プランジャ11は、没入した位置で保持されている。
【0010】
次に、前記ホルダが移動し、ロックアーム14がロック位置、即ち前記貫通孔15の中心がプランジャ11の先端と対向する位置まで移動すると、ロック装置1は、プランジャ11を突出させ当該ホルダのロックを行う。詳述すると、有極ソレノイド10の励磁コイル(図示せず)に電流が印加されると、プランジャ11には、当該プランジャ11が有極ソレノイド10から突出する方向に磁気力が働く。このとき、励磁コイルによる磁気力と前記戻りバネ12の弾性力の和が永久磁石による吸着力を上回ることで、プランジャ11は、その有極ソレノイド10の内部側の端部が永久磁石から脱離しその先端が有極ソレノイド10から突出する。
【0011】
そして、図6に示すように、ロックアーム14の貫通孔15に前記係止リング13が挿入され、ロックアーム14の移動が規制される。また、プランジャ11の突出方向には、ロック検知スイッチ18が設置されており、プランジャ11が突出してその先端がロック検知スイッチ18をオンし、ロック状態となったことが検知される。
【0012】
尚、突出したプランジャ11は、戻りバネ12の弾性力によって、突出した状態で保持されており、ロック状態を解除する場合には、有極ソレノイド10にプランジャ11の突出時とは逆向きの電流を印加することにより、プランジャ11を有極ソレノイド10内部に引き戻すように没入させる。
【0013】
このように、従来、ロック装置1は、プランジャ11の没入位置では有極ソレノイド10に組み込まれた永久磁石による吸着により、また、突出位置では戻しバネの弾性力により、作動後のプランジャ11の位置が保持される構成となっている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
【0014】
【特許文献1】
特開2001−130381号公報
【特許文献2】
特開2001−132289号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような戻しバネ12の弾性力によってプランジャ11が突出された状態を保持する構成では、プランジャ11は、その先端が常に有極ソレノイド10から突出する方向に付勢されているため、偶発的にプランジャ11が永久磁石から脱離する場合がある。すると、ロックアーム14がロックされたり、ロック検知スイッチ18がオンされたり等が生じるおそれがあった。
【0016】
本発明は、このような従来の技術の問題点に着目してなされたものであり、その目的は、偶発的な作動を回避することができる、ロック装置及びスロット機構を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明では、励磁コイルへの通電によりその通電方向に応じてプランジャを出没させ、該プランジャが没入した第1の位置では永久磁石により該プランジャを保持し、前記プランジャが突出した第2の位置では被保持状態となるソレノイドを備え、該プランジャの出没によりロック対象をロック又は該ロックを解除するロック装置において、前記プランジャは斜面を備え、その先端が前記斜面押圧して前記プランジャを前記第2の位置に保持する保持手段を備え、前記ソレノイドは、前記励磁コイルへの通電により前記保持手段の押圧力に抗して前記プランジャを前記第1の位置へ移動させること、を要旨とする。
【0018】
この発明によれば、前記斜面部を押圧する前記保持手段により、前記プランジャは、突出した位置で保持されてロック対象をロックし、ロック解除時には、前記保持手段の押圧力に抗して、前記プランジャが没入する。そのため、前記プランジャは、ロック時にのみ当該突出した位置が保持される。
【0019】
また、請求項2に記載の発明は、挿入体が挿入される収容空間と、前記挿入体を収容し該挿入体により押圧され前記収容空間を前記挿入方向に移動するホルダとを備えたスロット機構であって、励磁コイルへの通電によりその通電方向に応じてプランジャを出没させ、該プランジャが没入した第1の位置では永久磁石により該プランジャを保持し、前記プランジャが突出した第2の位置では被保持状態となるソレノイドを備え、該プランジャの出没により前記ホルダをロック又は該ロックを解除するロック装置において、前記ロック装置は、前記プランジャに斜面が形成され、その先端が前記斜面押圧して前記プランジャを前記第2の位置に保持する保持手段を備え、前記ソレノイドは、前記励磁コイルへの通電により前記保持手段の押圧力に抗して前記プランジャを前記第1の位置へ移動させること、を要旨とする。
【0020】
この発明によれば、前記ホルダが、前記挿入体に押圧されて移動した位置で突出した前記プランジャによりロックされ、前記保持手段は、該プランジャが突出した位置にある場合のみその位置を保持する。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について、車両における電子キーのスロット機構にを具体化し、図1〜図4を参照して説明する。
【0022】
図1に示すように、車室内に設けられたインストルメントパネル(以下、単にパネル)20には、挿入体としての電子キー21が挿入されるスロット機構23が設けられている。そして、スロット機構23は、電子キー挿入孔27が設けられた正面23aとパネル20の外表面とが略面一となる状態で、パネル20の内部に取り付けられている。
【0023】
図2に示すように、スロット機構23は、その筐体30と、シャッタホルダ31と、シャッタ32と、ロック装置33と、を備える。
本実施形態では、筐体30は箱型に形成され、そのスロット機構の正面23aを構成する一面(図において右側)は長方形状に形成されている。そして、当該正面23aには、筐体30の内部空間と連通する電子キー挿入孔27が形成されている。電子キー挿入孔27は、正面23aの中央部から長手方向(図において上下方向)に沿って形成されている。電子キー挿入孔27は、その断面形状が、電子キー21の挿入方向に対する直交断面の形状と略同一になるように形成されている。尚、以下、説明のため、電子キー21が挿入される方向を奥行き方向とする。
【0024】
筐体30の内部空間には、シャッタホルダ31が配設されている。シャッタホルダ31は、有底角筒形状に形成されている。シャッタホルダ31は、その開口部が前記電子キー挿入孔27の方向を向くように配設されている。シャッタホルダ31の側壁外周の直交断面の形状は、筐体30の内部空間の断面形状と略同一となっている。従って、筐体30の内部空間に配設されたシャッタホルダ31は、筐体30の内壁面に沿って筐体30の内部空間を奥行き方向に摺動可能となっている。
【0025】
シャッタホルダ31の内部空間には、シャッタ32が配設されている。シャッタ32は、略四角柱形状に形成されている。シャッタ32は、その奥行き方向に対する直交断面の形状がシャッタホルダ31の内部空間の断面形状と略同一となるように形成されており、シャッタホルダ31の内壁面に沿ってシャッタホルダ31の内部を奥行き方向に摺動可能となっている。
【0026】
尚、本実施形態では、筐体30とシャッタホルダ31との間及びシャッタホルダ31とシャッタ32との間にはホルダ用コイルバネ40及びシャッタ用コイルバネ45がそれぞれ配設されており、シャッタホルダ31及びシャッタ32は、前記電子キー挿入孔27方向に向かって常時付勢されている。即ち、電子キー21の未挿入時は、シャッタ32が筐体30の内部空間側から当該電子キー挿入孔27を閉塞する構成となっている。そして、シャッタホルダ31は、図示しない電子キーロック機構を備え、前記電子キー挿入孔27から電子キー21が挿入されることにより、シャッタホルダ31内部にシャッタ32とともに電子キー21をロックした状態で筐体30の内部空間を奥行き方向に移動する。
【0027】
シャッタホルダ31は係止部材としてのロックアーム50を備える。ロックアーム50は、シャッタホルダの底部外面31aから筐体30の内部空間の奥行き方向の内壁面(図において左側)30a方向に向かって突設されている。そして、ロックアーム50には、貫通部としての貫通孔51が形成されている。
【0028】
貫通孔51は、ロックアーム50の先端近傍に形成されており、貫通孔51の外縁には、ロックアーム50の先端方向に向かって延設された長孔53が形成されている。そして、ロックアーム50の一面には、押圧体としての押圧板54が立設されている。
【0029】
次に、ロック装置33の構成について説明する。
図2〜図4に示すように、ロック装置33は、有極ソレノイド60を備え、有極ソレノイド60は、プランジャ61を備える。
【0030】
プランジャ61は、その先端61aが有極ソレノイド60の一面から突出するように延びており、当該有極ソレノイド60が作動することにより出没する。ロック装置33は、有極ソレノイド60からプランジャ61の突出する方向と前記ロックアーム50とが略直交するように、筐体30の前記奥行き方向の内壁面30a近傍の内部空間に配設されている。
【0031】
図2に示すように、非ロック時、プランジャ61は没入した状態にあり、その先端61aはロックアーム50の前記長孔53に挿入されている。尚、当該長孔53の幅は、プランジャ61の先端61aの直径よりも若干広く、前記貫通孔51の直径は、後述するロックピースの半径の直径と略同一となっている。
【0032】
このとき、プランジャ61は、当該プランジャ61の有極ソレノイド60内部側の端部は、有極ソレノイド60の底部(図において下側)に内蔵された永久磁石(図示せず)に吸着されているため、没入した位置で保持されている。
【0033】
プランジャ61には、ロックピース63が設けられている。ロックピース63は、プランジャ61の先端61aの方向に向かって太くなるテーパ状をなすテーパ部64を有し、当該ロックピース63の中心をプランジャ61が貫通するようにプランジャ61の先端61aの近傍に固着されている。
【0034】
ロック装置33は、保持手段としての作動子62を備える。作動子62は、断面L字型をなすバネホルダ部65と、保持ロッド66と、検知板67と、からなり、前記ロックアーム50と平行方向に移動可能な状態で筐体30の内部空間に配設されている。
【0035】
バネホルダ部65は、前記ロックアーム50と並行するように延設された長枝部65aと、当該長枝部65aの奥行き方向(図において左側)側の端部からロックアーム50の方向(図において上側)に向かって立設された短枝部65bからなる。
【0036】
バネホルダ部65には、その長枝部65aに沿うように弾性部材としての調整バネ70が配設されており、調整バネ70は、その一端が前記短枝部65bに固着されている。尚、調整バネ70の他端(自由端)の方向には、前記ロックアーム50の押圧板54が位置するが、電子キー21の未挿入時にはこれらは当接しておらず、調整バネ70は伸びきった状態で配設されている。
【0037】
保持ロッド66は、バネホルダ部65の短枝部65bから筐体30の奥行き方向に向かって突設されている。保持ロッド66は、プランジャ61と直交する方向に沿って延びるように形成されており、その先端は前記テーパ部64のテーパ面64aに対向している。そして、非ロック時においては、当該保持ロッド66の先端部は、テーパ面64aの前記先端61a側の断面半径の大きい部分と対向している。
【0038】
前記長枝部65aの前記短枝部65bと反対側の端部には、検知板67がロックアーム50の反対方向(図において下側)に向かって立設されている。そして、筐体30の内部空間には、検知板67よりも奥行き方向側の位置に当該検知板67に対向するようにロック検知スイッチ75が配設されている。
【0039】
尚、ロック装置は、前記押圧体としての押圧板54を含み、非ロック状態においては、押圧板54は、調整バネ70の他端(自由端)の方向に位置するが、電子キー21の未挿入時にはこれらは当接していないので、プランジャ61には、永久磁石による吸着力以外の力は作用していない。即ち、プランジャ61に作用する力は没入方向のみであるため、突発的にプランジャ61の有極ソレノイド60内部側の端部が永久磁石から脱離したとしても、ロック装置33が作動することはない。
【0040】
次に、上記のように構成されたロック装置の作用について説明する。
図3に示すように、スロット機構23に電子キー21が挿入されると、前記シャッタホルダ31が筐体30の内部空間を奥行き方向に移動し、前記ロックアーム50は、その前記貫通孔51の中心とロック装置33のプランジャ61の先端61aとが、互いに対向する位置まで移動する。
【0041】
ロックアーム50の移動により、前記作動子62の調整バネ70の自由端の方向に位置していた前記押圧板54は、当該調整バネ70を押し込むように奥行き方向に移動する。そして、前記作動子62は、その調整バネ70が押圧されることにより奥行き方向、即ち、プランジャ61の方向に向かって付勢される。そして、作動子62の前記保持ロッド66の先端が前記テーパ面64aの前記先端61a側の断面半径の大きい部分に当接する。
【0042】
このとき、前記作動子62は、押圧板54によりプランジャ61方向に付勢されているため、プランジャ61には、前記テーパ面64aに当接する保持ロッド66によって押圧され、当該プランジャ61をその先端61aが突出する方向に押圧する力が働いている。詳述すると、テーパ面64aは、保持ロッド66が押圧する方向に対し、当該保持ロッド66が当接するプランジャ61の先端部側の断面半径の大きい部分から有極ソレノイド60側の断面半径の小さい部分に向かう斜面を形成している。従って、プランジャ61には、斜面としてのテーパ面64aが当該保持ロッド66に押圧されることにより、その当接位置をプランジャ61の先端部側の断面半径の大きい部分から有極ソレノイド60側の断面半径の小さい部分へと移動させる力、即ち、当該プランジャ61を突出方向に押圧する力が働いている。
【0043】
しかし、前記保持ロッド66が前記テーパ面64aを有する前記ロックピース63を介して前記プランジャ61を突出方向に押圧する力よりも、前述の有極ソレノイド60の永久磁石による吸着力の方が勝っているため、プランジャ61は、没入した状態で保持されている。そして、前記調整バネ70は、前記押圧板54により押圧され圧縮された状態で保持されている。
【0044】
次に、電子キー21に内蔵されたトランスポンダ(図示せず)によるID認証が完了すると、車両側制御装置(図示せず)は、運転中の電子キー21の脱落防止等の目的から電子キー21をスロット機構23内にロックするため、有極ソレノイド60に電流を印加し作動させる。有極ソレノイド60の励磁コイル(図示せず)に電流が印加されると、プランジャ61には、当該プランジャ61が有極ソレノイド60から突出する方向に磁気力が働く。このとき、励磁コイルによる磁気力と前記調整バネ70の弾性力に基づく前記プランジャ61を突出させる方向の力との和が、永久磁石による吸着力を上回ることで、プランジャ61は、その有極ソレノイド60の内部側の端部が永久磁石から脱離し、その先端61aが有極ソレノイド60から突出する。
【0045】
図4に示すように、プランジャ61が突出し、ロックアーム50の貫通孔51に前記ロックピース63が挿入することにより、シャッタホルダ31は、ロックアーム50とプランジャ61が係止されることで移動が規制される。
【0046】
このとき、プランジャ61の突出に伴いロックピース63が当該突出方向移動(図において上側)すると、前記作動子62は、前記押圧板54により圧縮された調整バネ70の弾性力によって付勢されているため、その保持ロッド66が当接するテーパ面64aに沿うように、奥行き方向に移動する。
【0047】
そして、保持ロッド66の先端が当接するテーパ面64aの位置は、テーパ部64のプランジャ61の先端部側の断面半径の大きい部分から有極ソレノイド60側の断面半径の小さい部分に移動する。これにより、プランジャ61は、テーパ面64aに当接する保持ロッド66により没入方向への移動が規制されるため、突出した状態で保持されている。
【0048】
尚、当該作動子62の移動は、当該作動子62に移動方向に設けられたストッパ80に前記短枝部65bが当接することにより前記保持ロッド66がテーパ面64aに当接する範囲内に規制されている。
【0049】
また、前記ロック検知スイッチ75は、前記検知板67が作動子62の移動に伴って移動することにより、当該ロック検知スイッチ75と当接する位置に配設されている。即ち、プランジャ61が突出し、作動子62が移動することによりロック検知スイッチ75がオンされて、ロック状態が検知される。
【0050】
ロック解除時は、車両側制御装置は、ロック時とは逆向きの電流を有極ソレノイド60に印加し、プランジャ61を没入させることで、ロック状態を解除する。
【0051】
このとき、プランジャ61の没入に伴いロックピース63が当該没入方向に移動するため、保持ロッド66の先端が当接するテーパ面64aの位置は、テーパ部64の有極ソレノイド60側の断面半径の小さい部分からプランジャ61の先端部側の断面半径の大きい部分に移動する。これにより、プランジャ61には、当該プランジャ61を突出方向に押圧する力が働く。
【0052】
しかし、調整バネ70の弾性力は、当該プランジャ61を没入させる方向に働く磁気力よりも弱く設定されているため、調整バネ70が圧縮されながら、作動子62が、保持ロッド66の先端が当接する前記テーパ部64のテーパ面64aに沿うように、電子キー挿入孔27方向に移動する(図3参照)。
【0053】
そして、スロット機構23から電子キー21を抜脱するために前記シャッタホルダ31が電子キー挿入孔27方向に移動することにより、前記押圧板54が当該電子キー挿入孔27方向に移動して、ロック装置33は、電子キー21の未挿入時の状態に復帰する(図2参照)。
【0054】
従って、本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)ロック装置33は、有極ソレノイド60と、作動子62と、を備え、有極ソレノイド60は、当該有極ソレノイド60の作動により出没するプランジャ61を備え、プランジャ61には、斜面としてのテーパ面64aを有するロックピース63を設けた。そして、作動子62の保持ロッド66の先端が、前記テーパ面64aを押圧することにより、ロック時は、当該プランジャ61の突出した位置を保持することとし、ロック解除時には、前記有極ソレノイド60は、当該作動子62の押圧力に抗して前記プランジャ61を没入位置に移動させることとした。
【0055】
その結果、プランジャ61は、ロック時にテーパ面64aに当接する保持ロッド66により没入方向への移動が規制されるのみであるため、偶発的な作動を回避することができる。
【0056】
(2)作動子62は、前記ロックアーム50と平行方向に移動可能な状態で筐体30の内部空間に配設されることとし、作動子62のバネホルダ部65には、伸びきった状態の調整バネ70の一端を固着して配設することとした。そして、シャッタホルダ31が移動すると、ロックアーム50の押圧板54が前記調整バネ70の自由端に当接して調整バネ70を圧縮し、当該調整バネ70の弾性力によって、作動子62が奥行き方向に押圧されることとした。その結果、電子キー21の非挿入時には、作動子62は押圧されていないため、作動子62の保持ロッド66がプランジャ61を押圧しないので、偶発的な作動を回避することができる。
【0057】
(3)スロット機構23は、その筐体30と、シャッタホルダ31と、ロック装置33と、を備える。シャッタホルダ31は、電子キー21の挿入により筐体30の内部空間を奥行き方向に移動する。ロック装置33は、有極ソレノイド60からプランジャ61の突出する方向と前記ロックアーム50とが略直交するように、筐体30に配設することとした。その結果、ロック装置33は、偶発的な作動をしないので、偶発的な作動をすることがないスロット機構を提供することができる。
【0058】
(4)筐体30は、内部空間の作動子62の検知板67よりも奥行き方向側の位置に、ロック検知スイッチ75を備えた。そして、プランジャ61が突出し、作動子62の移動により検知板67がロック検知スイッチ75をオンすることとした。その結果、シャッタホルダ31の移動方向に部品を集約することができるので、全体的にスロット機構23の小型化を図ることができる。
【0059】
(5)シャッタホルダ31は、貫通孔51が形成されたロックアーム50を備えることし、プランジャ61の突出により、前記ロックピース63が当該貫通孔51に貫入することにより、ロックアーム50とプランジャ61が係止され、シャッタホルダ31の移動を規制することとした。その結果、シャッタホルダ31を確実にロックすることができる。
(別の実施形態)
本発明の実施形態は以下のように変更してもよい。
【0060】
・本実施形態においては、ロック装置33は、プランジャ61に設けられたロックピース63をロックアーム50の貫通孔51に挿入することにより、ロックすることとした。しかし、これに限らず、プランジャ61にロックレバーを連結し、ロックレバーによりロックを行うこととしてもよい。
【0061】
・また、プランジャ61の突出によりロックを行うこととしたが、例えば、プランジャ61が没入したときに、ロックレバーが貫通孔51に挿入する構成とすれば、プランジャの没入によってロックを行うこととしてもよい。
【0062】
・さらに、非ロック時にはプランジャ61の先端61a及びロックピース63が貫通孔51を貫通した状態で保持し、ロック時にはプランジャ61が没入し、ロックピース63が当該貫通孔51に挿入される構成としてもよい。
【0063】
・本実施形態においては、ロックピース63がテーパ状のテーパ部64を有し、作動子62の保持ロッド66の先端がテーパ面64aを押圧する構成とした。しかしこれに限らず、例えば、ロックピース63が保持ロッド66の先端に直交する位置にプランジャ61の先端方向に次第に作動子62に近づくような斜面部を形成することとすれば、ロックピース63の形状はどのような形状であってもよい。
【0064】
・本実施形態においては、作動子62のバネホルダ部65に調整バネ70を配設し、ロックアーム50の押圧板54は当該調整バネ70に当接し調整バネ70を圧縮することとした。しかし、これに限らず、保持ロッド66に可撓性を有する素材を使用することとし、ロックアーム50の押圧板54が作動子62の一部に直接当接することにより作動子62を押圧する構成としてもよい。
【0065】
・また、弾性部材としては、コイルバネの他、板バネ等その他のバネであってもよく、また、スポンジ等のバネ以外の弾性部材を用いてもよい。
・本実施形態においては、作動子62によりプランジャ61の没入方向の移動を規制し、ロックアーム50に挿入されたロックピース63によりシャッタホルダの移動を規制することとした。しかし、これに限らず、ロックアーム50を貫通したプランジャ61の先端61aが挿入される凹部を設け、プランジャ61がロックアーム50を両持ちする状態でロックする構成としてもよい。
【0066】
・本実施形態では、押圧体としての押圧板54は、ロックアーム50と一体となる構成としたが、ロックアーム50とは、独立して設けることとしてもよい。次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施形態によって把握される技術的思想を以下に示す。
【0067】
(1)前記保持手段は前記先端を前記斜面に押圧するための弾性部材を備え、前記ソレノイドは、前記弾性部材の弾性力に抗して前記プランジャを前記第1の位置へ移動させること、を特徴とする請求項1に記載のロック装置。
【0068】
この発明によれば、前記プランジャは前記弾性部材を圧縮しながら没入する。
(2)前記ロック対象の移動に応じて前記弾性部材と接触して該弾性部材の弾性力により前記保持手段の先端を前記斜面に押圧する押圧位置と、前記弾性部材と接触しない非接触位置との間で移動する押圧体を備え、前記押圧位置に配置された該押圧体により前記保持手段が前記プランジャの軸方向に対して略直交方向に向かって付勢されること、を特徴とする前記(1)に記載のロック装置。
【0069】
この発明によれば、前記プランジャは、前記押圧体が押圧位置にある場合にのみ、前記保持手段が前記斜面を押圧する。
(3)前記保持手段は前記先端を前記斜面に押圧するための弾性部材を備え、前記ソレノイドは、前記弾性部材の弾性力に抗して前記プランジャを前記第1の位置へ移動させること、を特徴とする請求項2に記載のスロット機構。
【0070】
(4)前記ホルダの移動に応じて前記弾性部材と接触して該弾性部材の弾性力により前記保持手段の先端を前記斜面に押圧する押圧位置と、前記弾性部材と接触しない非接触位置との間で移動する押圧体を備え、前記押圧位置に配置された該押圧体により前記保持手段が前記プランジャの軸方向に対して略直交方向に向かって付勢されること、を特徴とする前記(3)に記載のスロット機構。
【0071】
(5)前記押圧体は、前記ホルダと一体的に成形されたこと、を特徴とする前記(4)に記載のスロット機構。
(6)前記プランジャが第1の位置へ移動するときは、前記弾性部材が圧縮されて前記保持手段が前記付勢方向と逆方向に移動すること、を特徴とする前記(4)又は前記(5)に記載のスロット機構。
【0072】
(7)前記保持手段は、前記プランジャが前記第2の位置に移動することにより前記挿入方向に移動し、該移動によりオンされるスイッチを備えたこと、
を特徴とする請求項2、前記(3)〜(6)のうちの何れか1つに記載のスロット機構。
【0073】
(8)前記ホルダは、貫通部を有する係止部材を備え、前記ロック装置は、前記第2の位置にて前記プランジャが前記貫通部に挿入することにより前記ホルダの移動を規制すること、を特徴とする請求項2、前記(3)〜(7)のうちの何れか1つに記載のスロット機構。
【0074】
(9) 請求項2、前記(3)〜(8)のうちの何れか1つに記載のスロット機構を備えたこと、を特徴とするスマートイグニッション装置。
【0075】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、偶発的な作動を回避することができる、ロック装置及びスロット機構を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 スロット機構が設けられたインストルメントパネルの外観図。
【図2】 スロット機構の側断面図。
【図3】 スロット機構の部分断面図。
【図4】 同じくスロット機構の部分断面図。
【図5】 従来のロック装置を備えたスロット機構の部分断面図。
【図6】 同じく従来のロック装置を備えたスロット機構の部分断面図。
【符号の説明】
23…スロット機構、31…シャッタホルダ、33…ロック装置、50…ロックアーム、51…貫通孔、60…有極ソレノイド、61…プランジャ、62…作動子、64…テーパ部、64a…テーパ面、66…保持ロッド、67…検知板、70…調整バネ、75…ロック検知スイッチ。

Claims (2)

  1. 励磁コイルへの通電によりその通電方向に応じてプランジャを出没させ、該プランジャが没入した第1の位置では永久磁石により該プランジャを保持し、前記プランジャが突出した第2の位置では被保持状態となるソレノイドを備え、該プランジャの出没によりロック対象をロック又は該ロックを解除するロック装置において、
    前記プランジャは斜面を備え、
    その先端が前記斜面押圧して前記プランジャを前記第2の位置に保持する保持手段を備え、
    前記ソレノイドは、前記励磁コイルへの通電により前記保持手段の押圧力に抗して前記プランジャを前記第1の位置へ移動させること、
    を特徴とするロック装置。
  2. 挿入体が挿入される収容空間と、前記挿入体を収容し該挿入体により押圧され前記収容空間を前記挿入方向に移動するホルダとを備えたスロット機構であって、
    励磁コイルへの通電によりその通電方向に応じてプランジャを出没させ、該プランジャが没入した第1の位置では永久磁石により該プランジャを保持し、前記プランジャが突出した第2の位置では被保持状態となるソレノイドを備え、該プランジャの出没により前記ホルダをロック又は該ロックを解除するロック装置において、
    前記ロック装置は、
    前記プランジャに斜面が形成され、
    その先端が前記斜面押圧して前記プランジャを前記第2の位置に保持する保持手段を備え、
    前記ソレノイドは、前記励磁コイルへの通電により前記保持手段の押圧力に抗して前記プランジャを前記第1の位置へ移動させること、
    を特徴とするスロット機構。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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