JP4178734B2 - 組立コンテナおよび分割型側板の回動ストッパ機構 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、組立コンテナおよび分割型側板の回動ストッパ機構に関する。
【０００２】
【従来の技術】
組立コンテナとしては、従来から種々のものが知られているが、従来のコンテナでは、各側板を単一のパネルで構成することが一般的である。このため、コンテナの内部に収容物を収納する作業、収容物を取り出す作業、あるいはコンテナ備品をコンテナの内部に取り付ける作業は、コンテナの上部開口部を通しての作業となり、それらの作業性が悪かった。
【０００３】
そこで、コンテナにおける側板の内の少なくとも１つを分割構造とし、上側の側板を外側に折り返して回動可能とする構造も考えられる。このようなコンテナでは、側板の上部にも開口部が形成され、上述した作業性が向上することが期待される。
【０００４】
ところが、単に上側の側板を外側に折り返して回動可能とする側板構造では、組立式の側板が折り畳まれた状態から、当該側板を引き上げようとする場合に、上側の側板が下側の側板に対して折れ曲がり、一枚のパネルで構成された側板に比較して、引き上げ難いと言う課題を有する。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、コンテナ内部への付属備品または内容物を収納ないし取り出す作業が容易であると共に、コンテナ側板の組立時の作業性にも優れた組立コンテナを提供することを第１の目的とする。
【０００６】
本発明の第２の目的は、本発明の第１の目的を達成することができる組立コンテナなどに用いて好適な分割型側板の回動ストッパ機構を提供することである。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る組立コンテナは、
搬送台と、
前記搬送台の上に組立自在に取り付けられ、内部に収容空間を形成する複数の側板とを有する組立コンテナであって、
前記複数の側板の内の少なくとも一つが、下側側板と、下側側板の上側に取り付けられて外側に回動可能な上側側板とから成り、
前記上側側板における下側側板との境界部分には、係止部材の上端部が自由回動自在に保持してあり、
前記下側側板における上側側板との境界部分には、ストッパ部材が具備してあり、
前記上側側板および下側基板が水平位置である場合には、前記係止部材の先端部が前記ストッパ部材に対して係止し、前記上側側板および下側基板が垂直位置である場合には、前記係止部材の先端部の前記ストッパ部材に対する係止が解除されるように、前記ストッパ部材の配置位置および突出高さが調節してあることを特徴とする。
【０００８】
本発明において、搬送台としては、特に限定されないが、フォークリフトなどによる搬送が可能なパレットであることが好ましい。
前記上側側板は、前記下側側板に対して、たとえば蝶番により回動自在に装着される。
【０００９】
上記第２の目的を達成するために、本発明に係る分割型側板の回動ストッパ機構は、下側側板と、下側側板の上側に取り付けられて外側に回動可能な上側側板とから成る分割型側板のための回動ストッパ機構であって、
前記上側側板における下側側板との境界部分には、係止部材の上端部が自由回動自在に保持してあり、
前記下側側板における上側側板との境界部分には、ストッパ部材が具備してあり、
前記上側側板および下側基板が水平位置である場合には、前記係止部材の先端部が前記ストッパ部材に対して係止し、前記上側側板および下側基板が垂直位置である場合には、前記係止部材の先端部の前記ストッパ部材に対する係止が解除されるように、前記ストッパ部材の配置位置および突出高さが調節してあることを特徴とする。
【００１０】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
図１に示すように、本発明の１実施形態に係るコンテナ２は、フォークリフトなどのリフト手段の爪部が挿入可能な凹所４が形成してあるパレット６を有する。本実施形態では、パレット６はプラスチックで構成してある。パレット６の上面には、コンテナ２の４つの側板１０〜１３を折り畳み自在に取り付けるための台枠材４０が、パレット６に対してボルトやビスなどで固定される。
【００１１】
台枠材４０は、台枠用縦金具４２および横補強板４４とから成り、四角枠状に組み立てられ、パレット６の上に固定される。台枠用縦金具２４および横補強板４４は、たとえば厚みが１．０〜２．５mmの金属板などで構成される。
【００１２】
台枠用縦金具４２は、パレット６の四隅に形成され、その内側には、側板１０〜１３の下端部の両側に突出して形成してある回動軸２４を受ける凹溝が形成してあり、この凹溝に回動軸２４が挿入されることにより、これらの側板１０〜１３は、パレット６上で、それぞれ内側に回動自在に折り畳むことが可能になる。また、パレット６の上に側板１０〜１３が立設して組み立てられることで、コンテナの内部には、収容空間が形成され、その空間に、たとえば液体を封入した袋、農産物、工業製品、食品用容器などの収容物が収容可能となる。
【００１３】
組み立てられた側板１０〜１３の上には、上部開口部が形成され、その上部開口部には、各側板１０〜１３の中央上部位置外面に具備してある締付バンド２２により、上蓋２０が着脱自在に取り付けられる。
【００１４】
図１に示すように、台枠材４０の内側で、パレット６の上面には、底板４６が載置される。底板４６は、たとえば金属板で構成される。
【００１５】
パレット６の上に組み立てられる４つの側板のうちの３つの側板１１〜１３は、一枚の金属製パネル（たとえば厚みが０．５〜２．０mm程度のステンレス製パネル）で構成してあり、１つの側板１０のみが、二枚の金属製パネルを組み合わせた構造となっている。すなわち、側板１０は、下側側板１４と、下側側板１４の上側に複数の蝶番１６を介して外側に回動自在に取り付けられた上側側板１５とから成る。下側側板１４と上側側板１５とは、略同一のサイズである。
【００１６】
コンテナの三側面を構成する３つの側板１１〜１３のそれぞれには、その外面に、縦方向に２つの縦補強用棒材１７と、横方向に１つの横補強用棒材１９とが接合してある。側板１０を構成する下側側板１４および１５の外面には、それぞれ、１対の縦補強用棒材１７ａが縦方向に接合してある。これらの棒材１７，１７ａおよび１９は、ステンレスなどの金属で構成され、中空棒材でも中実棒材でも良い。ただし、軽量化の観点からは、中空棒材であることが好ましい。
【００１７】
これらの側板１１〜１３、１４および１５の両側端部には、同様な構造の中空縦枠が具備してあり、その構造を図２に示す。なお、図２では、側板１１の側端部に具備してある中空縦枠６５が図示してあるが、その他の側板の両側端部にも、同様な構造の中空縦枠６５が具備してある。
【００１８】
図２に示すように、側板１１を構成する金属製パネルの側端部には、断面がコ字形状に一体的に折り曲げられた外側枠１１ａが形成してあり、その内部に、補強枠材６０が挿入されて接合してある。接合は、たとえば溶接により行われる。補強枠材６０は、接合用基板部分６２と、その接合用基板部分６２から長方形の三辺形状に一体的に折り曲げられた三辺状折曲部６４と、その三辺状折曲部の内側に沿って重なるように一体的に折り返された折り返し部６６とから成る。たとえば接合用基板部分６２が、側板１１の外面に溶接などで接合される。外側枠１１ａと補強枠材６０とで、横断面矩形の中空縦枠６５を構成している。
【００１９】
図１および図４（Ａ）に示すように、側板１０を構成する下側側板１４と上側側板１５との間の境界部分には、横補強用中空枠３２および３４がそれぞれ具備してある。これらの中空枠３２および３４の構造は、それぞれ、図２に示す中空縦枠６５の構造と略同一である。これらの中空枠３２および３４の外面を掛け渡すように、蝶番１６が連結してあり、図４（Ｂ）および図４（Ｃ）に示すように、上側側板１５を、下側側板１４に対して、コンテナの外側方向Ａ２に回動可能になっている。
【００２０】
図１および図４（Ａ）に示すように、上側側板１５に具備してある中空枠３４の中央部の上側には、四角リング形状の係止部材２８の基端部２８ａを回動自在に保持する保持部材２６が接合してある。また、上側側板１４に具備してある中空枠３２の下部外面には、ストッパ部材３０が固定してある。ストッパ部材３０は、係止部材２８の先端部２８ｂの近傍位置となるように配置される。
【００２１】
また、ストッパ部材３０の突出高さは、図３（Ａ）に示すように、両側板１４および１５が水平に配置された状態で、係止部材２８の先端部２８ｂの軸芯がストッパ部材３０と所定間隔Ｇ１で重なり、図４（Ａ）に示すように、両側板１４および１５が垂直に配置された状態で、係止部材２８の先端部２８ｂの軸芯がストッパ部材３０から所定間隔Ｇ２で外側に離れるように決定される。所定間隔Ｇ１およびＧ２は、異なっても良いが、略同一であることが好ましく、係止部材２８を構成する金属製リングの線材の断面外径の好ましくは１／３〜２／３、さらに好ましくは１／２程度である。
【００２２】
なお、図３（Ａ）に示す状態では、係止部材２８の先端部２８ｂが、基端部２８ａに対して、鉛直方向の下方に沈み、中空枠３２の外面上に位置し、図４（Ａ）に示す状態では、係止部材２８の先端部２８ｂが、基端部２８ａに対して、同一鉛直線上に位置するのは、係止部材２８が基端部２８ａにおいて保持部材２６に対して自由回動自在に装着してあることに基づく重力の影響である。
【００２３】
図５（Ａ）〜（Ｆ）に示すように、本実施形態に係るコンテナ２の側板１０〜１３は、コンテナ２の内部から収容物を取り出した状態で、パレット６の上の台枠材４０の内部に収まるように、折り畳み可能となっており、使用に際して組立自在である。
【００２４】
図５（Ａ）に示すコンテナ２が折り畳まれた状態から、図５（Ｆ）に示す組立状態に至る過程において、図５（Ｂ）から図５（Ｃ）に示すように、側板１０を引き上げる必要がある。その他の側板１１〜１３は、一枚の金属製パネルで構成してあることから、その引き上げ作業は容易である。ところが、側板１０は、二枚の側板１４および１５で構成してあり、側板１５が外側に回動可能であることから、何らの工夫もない場合には、その引き上げ作業には、困難性が伴う。
【００２５】
本実施形態では、図３および図４に示すように、側板１４および１５の境界部分には、前述した係止部材２８およびストッパ部材３０が装着してあることから、図３（Ａ）〜（Ｃ）に示すように、上側の上側側板１５を矢印Ａ１方向に引き上げるのみで、係止部材２８の先端部２８ｂがストッパ部材３０に引っかかり、下側側板１４も追随して矢印Ａ１方向に引き上げられる。したがって、その引き上げ作業が容易である。
【００２６】
また、図５（Ｆ）に示すように、コンテナ２を組み立てた後に、コンテナ２の内部に収容物を収容する作業を行う際には、図４（Ａ）に示すように、係止部材２８の先端部２８ｂは、重力により、ストッパ部材３０との係合が自動的に解除されている。このため、図４（Ｂ）および図４（Ｃ）に示すように、上側側板１５を、下側側板１４に対してコンテナの外側方向Ａ２に自由に回動することができる。ただし、図１に示すように、上側側板１５の上部両側外面には、側板止め金具１８が具備してあり、これを解除しないと、上側基板１５は、下側基板１４に対して、外側に回動することはできない。また、上側基板１５の外面において縦補強用棒材１７ａの下部近傍には、回動防止ピン３１が具備してあり、上側側板１５と下側側板１４とを連結してあるので、これも解除する必要がある。
【００２７】
これらの金具１８およびピン３１を解除し、図４（Ｃ）に示す状態まで、上側側板１５を、下側側板１４に対してコンテナの外側方向Ａ２に折り返すと、コンテナ２の一側面において、側板１５が外側に折り返される。このため、コンテナ２の内部に、コンテナ備品を取り付け（取り外し）する作業および／または収容物を収容（取り出し）する作業が容易になる。
【００２８】
また、本実施形態に係るコンテナ２によれば、各側板の両側端部には、図２に示す中空縦枠６５の構造が具備してあることから、コンテナの側板の機械的強度がさらに向上し、コンテナの全体としての強度も向上する。
【００２９】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変することができる。
【００３０】
たとえば、係止部材２８としては、保持部材に２６に対して回動自在に保持される基端部２８ａと、ストッパ部材３０に対して係合可能な先端部２８ｂとを有する部材であれば、特に限定されず、必ずしも四角リング形状である必要はなく、コ字上の線材などであっても良い。
【００３１】
また、本発明に係る分割型側板の回動ストッパ機構は、コンテナの側板に限らず、容器、建材、家具、電気製品、工作機械などの壁の一部としても適用することができる。
【００３２】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明に係る組立コンテナによれば、コンテナ内部への付属備品または内容物を収納ないし取り出す作業性が向上すると共に、コンテナ側板の組立時の作業性も向上する。
【００３３】
また、本発明に係る分割型側板の回動ストッパ機構によれば、コンテナに限らず、容器などの内部に、付属備品または内容物を収納ないし取り出す作業性が向上すると共に、側板の組立時の作業性も向上する。
【図面の簡単な説明】
【図１】 図１は本発明の１実施形態に係る組立コンテナの分解斜視図である。
【図２】 図２は図１に示すII−II線に沿う要部断面図である。
【図３】 図３（Ａ）〜（Ｃ）は図１に示す側板の内の１つである分割回動タイプの側板の要部断面図である。
【図４】 図４（Ａ）〜（Ｃ）は図３（Ａ）〜（Ｃ）と同様な要部断面図である。
【図５】 図５（Ａ）〜（Ｆ）はコンテナの折り畳み方法および組立方法を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
２… 組立コンテナ
６… パレット
１０〜１３… 側板
１４… 下側側板
１５… 上側側板
１６… 蝶番
２６… 保持部材
２８… 係止部材
３０… ストッパ部材
６０… 補強枠材
６５… 中空縦枠
【発明の属する技術分野】
本発明は、組立コンテナおよび分割型側板の回動ストッパ機構に関する。
【０００２】
【従来の技術】
組立コンテナとしては、従来から種々のものが知られているが、従来のコンテナでは、各側板を単一のパネルで構成することが一般的である。このため、コンテナの内部に収容物を収納する作業、収容物を取り出す作業、あるいはコンテナ備品をコンテナの内部に取り付ける作業は、コンテナの上部開口部を通しての作業となり、それらの作業性が悪かった。
【０００３】
そこで、コンテナにおける側板の内の少なくとも１つを分割構造とし、上側の側板を外側に折り返して回動可能とする構造も考えられる。このようなコンテナでは、側板の上部にも開口部が形成され、上述した作業性が向上することが期待される。
【０００４】
ところが、単に上側の側板を外側に折り返して回動可能とする側板構造では、組立式の側板が折り畳まれた状態から、当該側板を引き上げようとする場合に、上側の側板が下側の側板に対して折れ曲がり、一枚のパネルで構成された側板に比較して、引き上げ難いと言う課題を有する。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、コンテナ内部への付属備品または内容物を収納ないし取り出す作業が容易であると共に、コンテナ側板の組立時の作業性にも優れた組立コンテナを提供することを第１の目的とする。
【０００６】
本発明の第２の目的は、本発明の第１の目的を達成することができる組立コンテナなどに用いて好適な分割型側板の回動ストッパ機構を提供することである。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る組立コンテナは、
搬送台と、
前記搬送台の上に組立自在に取り付けられ、内部に収容空間を形成する複数の側板とを有する組立コンテナであって、
前記複数の側板の内の少なくとも一つが、下側側板と、下側側板の上側に取り付けられて外側に回動可能な上側側板とから成り、
前記上側側板における下側側板との境界部分には、係止部材の上端部が自由回動自在に保持してあり、
前記下側側板における上側側板との境界部分には、ストッパ部材が具備してあり、
前記上側側板および下側基板が水平位置である場合には、前記係止部材の先端部が前記ストッパ部材に対して係止し、前記上側側板および下側基板が垂直位置である場合には、前記係止部材の先端部の前記ストッパ部材に対する係止が解除されるように、前記ストッパ部材の配置位置および突出高さが調節してあることを特徴とする。
【０００８】
本発明において、搬送台としては、特に限定されないが、フォークリフトなどによる搬送が可能なパレットであることが好ましい。
前記上側側板は、前記下側側板に対して、たとえば蝶番により回動自在に装着される。
【０００９】
上記第２の目的を達成するために、本発明に係る分割型側板の回動ストッパ機構は、下側側板と、下側側板の上側に取り付けられて外側に回動可能な上側側板とから成る分割型側板のための回動ストッパ機構であって、
前記上側側板における下側側板との境界部分には、係止部材の上端部が自由回動自在に保持してあり、
前記下側側板における上側側板との境界部分には、ストッパ部材が具備してあり、
前記上側側板および下側基板が水平位置である場合には、前記係止部材の先端部が前記ストッパ部材に対して係止し、前記上側側板および下側基板が垂直位置である場合には、前記係止部材の先端部の前記ストッパ部材に対する係止が解除されるように、前記ストッパ部材の配置位置および突出高さが調節してあることを特徴とする。
【００１０】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
図１に示すように、本発明の１実施形態に係るコンテナ２は、フォークリフトなどのリフト手段の爪部が挿入可能な凹所４が形成してあるパレット６を有する。本実施形態では、パレット６はプラスチックで構成してある。パレット６の上面には、コンテナ２の４つの側板１０〜１３を折り畳み自在に取り付けるための台枠材４０が、パレット６に対してボルトやビスなどで固定される。
【００１１】
台枠材４０は、台枠用縦金具４２および横補強板４４とから成り、四角枠状に組み立てられ、パレット６の上に固定される。台枠用縦金具２４および横補強板４４は、たとえば厚みが１．０〜２．５mmの金属板などで構成される。
【００１２】
台枠用縦金具４２は、パレット６の四隅に形成され、その内側には、側板１０〜１３の下端部の両側に突出して形成してある回動軸２４を受ける凹溝が形成してあり、この凹溝に回動軸２４が挿入されることにより、これらの側板１０〜１３は、パレット６上で、それぞれ内側に回動自在に折り畳むことが可能になる。また、パレット６の上に側板１０〜１３が立設して組み立てられることで、コンテナの内部には、収容空間が形成され、その空間に、たとえば液体を封入した袋、農産物、工業製品、食品用容器などの収容物が収容可能となる。
【００１３】
組み立てられた側板１０〜１３の上には、上部開口部が形成され、その上部開口部には、各側板１０〜１３の中央上部位置外面に具備してある締付バンド２２により、上蓋２０が着脱自在に取り付けられる。
【００１４】
図１に示すように、台枠材４０の内側で、パレット６の上面には、底板４６が載置される。底板４６は、たとえば金属板で構成される。
【００１５】
パレット６の上に組み立てられる４つの側板のうちの３つの側板１１〜１３は、一枚の金属製パネル（たとえば厚みが０．５〜２．０mm程度のステンレス製パネル）で構成してあり、１つの側板１０のみが、二枚の金属製パネルを組み合わせた構造となっている。すなわち、側板１０は、下側側板１４と、下側側板１４の上側に複数の蝶番１６を介して外側に回動自在に取り付けられた上側側板１５とから成る。下側側板１４と上側側板１５とは、略同一のサイズである。
【００１６】
コンテナの三側面を構成する３つの側板１１〜１３のそれぞれには、その外面に、縦方向に２つの縦補強用棒材１７と、横方向に１つの横補強用棒材１９とが接合してある。側板１０を構成する下側側板１４および１５の外面には、それぞれ、１対の縦補強用棒材１７ａが縦方向に接合してある。これらの棒材１７，１７ａおよび１９は、ステンレスなどの金属で構成され、中空棒材でも中実棒材でも良い。ただし、軽量化の観点からは、中空棒材であることが好ましい。
【００１７】
これらの側板１１〜１３、１４および１５の両側端部には、同様な構造の中空縦枠が具備してあり、その構造を図２に示す。なお、図２では、側板１１の側端部に具備してある中空縦枠６５が図示してあるが、その他の側板の両側端部にも、同様な構造の中空縦枠６５が具備してある。
【００１８】
図２に示すように、側板１１を構成する金属製パネルの側端部には、断面がコ字形状に一体的に折り曲げられた外側枠１１ａが形成してあり、その内部に、補強枠材６０が挿入されて接合してある。接合は、たとえば溶接により行われる。補強枠材６０は、接合用基板部分６２と、その接合用基板部分６２から長方形の三辺形状に一体的に折り曲げられた三辺状折曲部６４と、その三辺状折曲部の内側に沿って重なるように一体的に折り返された折り返し部６６とから成る。たとえば接合用基板部分６２が、側板１１の外面に溶接などで接合される。外側枠１１ａと補強枠材６０とで、横断面矩形の中空縦枠６５を構成している。
【００１９】
図１および図４（Ａ）に示すように、側板１０を構成する下側側板１４と上側側板１５との間の境界部分には、横補強用中空枠３２および３４がそれぞれ具備してある。これらの中空枠３２および３４の構造は、それぞれ、図２に示す中空縦枠６５の構造と略同一である。これらの中空枠３２および３４の外面を掛け渡すように、蝶番１６が連結してあり、図４（Ｂ）および図４（Ｃ）に示すように、上側側板１５を、下側側板１４に対して、コンテナの外側方向Ａ２に回動可能になっている。
【００２０】
図１および図４（Ａ）に示すように、上側側板１５に具備してある中空枠３４の中央部の上側には、四角リング形状の係止部材２８の基端部２８ａを回動自在に保持する保持部材２６が接合してある。また、上側側板１４に具備してある中空枠３２の下部外面には、ストッパ部材３０が固定してある。ストッパ部材３０は、係止部材２８の先端部２８ｂの近傍位置となるように配置される。
【００２１】
また、ストッパ部材３０の突出高さは、図３（Ａ）に示すように、両側板１４および１５が水平に配置された状態で、係止部材２８の先端部２８ｂの軸芯がストッパ部材３０と所定間隔Ｇ１で重なり、図４（Ａ）に示すように、両側板１４および１５が垂直に配置された状態で、係止部材２８の先端部２８ｂの軸芯がストッパ部材３０から所定間隔Ｇ２で外側に離れるように決定される。所定間隔Ｇ１およびＧ２は、異なっても良いが、略同一であることが好ましく、係止部材２８を構成する金属製リングの線材の断面外径の好ましくは１／３〜２／３、さらに好ましくは１／２程度である。
【００２２】
なお、図３（Ａ）に示す状態では、係止部材２８の先端部２８ｂが、基端部２８ａに対して、鉛直方向の下方に沈み、中空枠３２の外面上に位置し、図４（Ａ）に示す状態では、係止部材２８の先端部２８ｂが、基端部２８ａに対して、同一鉛直線上に位置するのは、係止部材２８が基端部２８ａにおいて保持部材２６に対して自由回動自在に装着してあることに基づく重力の影響である。
【００２３】
図５（Ａ）〜（Ｆ）に示すように、本実施形態に係るコンテナ２の側板１０〜１３は、コンテナ２の内部から収容物を取り出した状態で、パレット６の上の台枠材４０の内部に収まるように、折り畳み可能となっており、使用に際して組立自在である。
【００２４】
図５（Ａ）に示すコンテナ２が折り畳まれた状態から、図５（Ｆ）に示す組立状態に至る過程において、図５（Ｂ）から図５（Ｃ）に示すように、側板１０を引き上げる必要がある。その他の側板１１〜１３は、一枚の金属製パネルで構成してあることから、その引き上げ作業は容易である。ところが、側板１０は、二枚の側板１４および１５で構成してあり、側板１５が外側に回動可能であることから、何らの工夫もない場合には、その引き上げ作業には、困難性が伴う。
【００２５】
本実施形態では、図３および図４に示すように、側板１４および１５の境界部分には、前述した係止部材２８およびストッパ部材３０が装着してあることから、図３（Ａ）〜（Ｃ）に示すように、上側の上側側板１５を矢印Ａ１方向に引き上げるのみで、係止部材２８の先端部２８ｂがストッパ部材３０に引っかかり、下側側板１４も追随して矢印Ａ１方向に引き上げられる。したがって、その引き上げ作業が容易である。
【００２６】
また、図５（Ｆ）に示すように、コンテナ２を組み立てた後に、コンテナ２の内部に収容物を収容する作業を行う際には、図４（Ａ）に示すように、係止部材２８の先端部２８ｂは、重力により、ストッパ部材３０との係合が自動的に解除されている。このため、図４（Ｂ）および図４（Ｃ）に示すように、上側側板１５を、下側側板１４に対してコンテナの外側方向Ａ２に自由に回動することができる。ただし、図１に示すように、上側側板１５の上部両側外面には、側板止め金具１８が具備してあり、これを解除しないと、上側基板１５は、下側基板１４に対して、外側に回動することはできない。また、上側基板１５の外面において縦補強用棒材１７ａの下部近傍には、回動防止ピン３１が具備してあり、上側側板１５と下側側板１４とを連結してあるので、これも解除する必要がある。
【００２７】
これらの金具１８およびピン３１を解除し、図４（Ｃ）に示す状態まで、上側側板１５を、下側側板１４に対してコンテナの外側方向Ａ２に折り返すと、コンテナ２の一側面において、側板１５が外側に折り返される。このため、コンテナ２の内部に、コンテナ備品を取り付け（取り外し）する作業および／または収容物を収容（取り出し）する作業が容易になる。
【００２８】
また、本実施形態に係るコンテナ２によれば、各側板の両側端部には、図２に示す中空縦枠６５の構造が具備してあることから、コンテナの側板の機械的強度がさらに向上し、コンテナの全体としての強度も向上する。
【００２９】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変することができる。
【００３０】
たとえば、係止部材２８としては、保持部材に２６に対して回動自在に保持される基端部２８ａと、ストッパ部材３０に対して係合可能な先端部２８ｂとを有する部材であれば、特に限定されず、必ずしも四角リング形状である必要はなく、コ字上の線材などであっても良い。
【００３１】
また、本発明に係る分割型側板の回動ストッパ機構は、コンテナの側板に限らず、容器、建材、家具、電気製品、工作機械などの壁の一部としても適用することができる。
【００３２】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明に係る組立コンテナによれば、コンテナ内部への付属備品または内容物を収納ないし取り出す作業性が向上すると共に、コンテナ側板の組立時の作業性も向上する。
【００３３】
また、本発明に係る分割型側板の回動ストッパ機構によれば、コンテナに限らず、容器などの内部に、付属備品または内容物を収納ないし取り出す作業性が向上すると共に、側板の組立時の作業性も向上する。
【図面の簡単な説明】
【図１】 図１は本発明の１実施形態に係る組立コンテナの分解斜視図である。
【図２】 図２は図１に示すII−II線に沿う要部断面図である。
【図３】 図３（Ａ）〜（Ｃ）は図１に示す側板の内の１つである分割回動タイプの側板の要部断面図である。
【図４】 図４（Ａ）〜（Ｃ）は図３（Ａ）〜（Ｃ）と同様な要部断面図である。
【図５】 図５（Ａ）〜（Ｆ）はコンテナの折り畳み方法および組立方法を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
２… 組立コンテナ
６… パレット
１０〜１３… 側板
１４… 下側側板
１５… 上側側板
１６… 蝶番
２６… 保持部材
２８… 係止部材
３０… ストッパ部材
６０… 補強枠材
６５… 中空縦枠
Claims (2)
- 搬送台と、
前記搬送台の上に組立自在に取り付けられ、内部に収容空間を形成する複数の側板とを有する組立コンテナであって、
前記複数の側板の内の少なくとも一つが、下側側板と、下側側板の上側に取り付けられて外側に回動可能な上側側板とから成り、
前記上側側板における下側側板との境界部分には、係止部材の上端部が自由回動自在に保持してあり、
前記下側側板における上側側板との境界部分には、ストッパ部材が具備してあり、
前記上側側板および下側基板が水平位置である場合には、前記係止部材の先端部が前記ストッパ部材に対して係止し、前記上側側板および下側基板が垂直位置である場合には、前記係止部材の先端部の前記ストッパ部材に対する係止が解除されるように、前記ストッパ部材の配置位置および突出高さが調節してあることを特徴とする組立コンテナ。 - 下側側板と、下側側板の上側に取り付けられて外側に回動可能な上側側板とから成る分割型側板のための回動ストッパ機構であって、
前記上側側板における下側側板との境界部分には、係止部材の上端部が自由回動自在に保持してあり、
前記下側側板における上側側板との境界部分には、ストッパ部材が具備してあり、
前記上側側板および下側基板が水平位置である場合には、前記係止部材の先端部が前記ストッパ部材に対して係止し、前記上側側板および下側基板が垂直位置である場合には、前記係止部材の先端部の前記ストッパ部材に対する係止が解除されるように、前記ストッパ部材の配置位置および突出高さが調節してあることを特徴とする分割型側板の回動ストッパ機構。
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