JP4178503B2 - セメントモルタル又はコンクリート補強用繊維状物 - Google Patents

セメントモルタル又はコンクリート補強用繊維状物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、疎水製構造体に使用するセメントモルタル又はコンクリート補強用繊維状物に関する。
【0002】
【従来の技術】
セメントモルタル、コンクリートの構造材として欠点である脆性を改善する方法として、例えば金属繊維・ガラス繊維・炭素繊維・ポリビニルアルコール繊維・各種オレフィン繊維を各種セメントモルタル・コンクリートに練り混ぜた繊維補強コンクリートが開発されている(例えば、特公昭58−18343,特許2510671他)。しかしながらこれら補強用繊維も、例えば鋼繊維に代表される金属繊維は、コンクリートマトリックスとの付着による補強効果は優れるものの、本質的に比重が大きく、構造物が重くなってしまう欠点があり、また、錆の発生による構造物の強度の低下が発生するため、港湾施設あるいは軽量化の求められる超高層ビルなどの構造材としては、不適である。一方、無機繊維であるガラス繊維は耐アルカリ性に劣る課題があり、炭素繊維においては練混ぜ中に繊維が折れ曲がったり、切断したりする課題がある。そして有機繊維であるポリビニルアルコール繊維やポリオレフィン系繊維、特にポリプロピレン繊維は、強力が低い為、十分な効果を得る為には繊維の混入量を大幅に増やす必要があり、スランプ低下の課題がある。超高分子量ポリエチレン繊維は、強度や耐アルカリ性には十分優れているけれども、断面形状が扁平なため、繊維の剛性が低く、練混ぜにおいて繊維同士が絡まって塊になりやすいという課題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
軽量かつ耐アルカリ性に優れ、曲げ強度、耐久性、靱性、耐湿に優れるセメントモルタル又はコンクリート補強用繊維および補強用繊維状物を提供する。
【0004】
【課題を解決するための手段】
かかる状況を改善するために、本発明者らは鋭意努力し以下の発明に到達した。
1.繊維状態での重量平均分子量が300,000以下、重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)が4.0以下であり、強度15cN/dtex以上、弾性率500cN/dtex以上の高強度ポリエチレン繊維を主成分とするセメントモルタル又はコンクリート補強用繊維状物。
2.高強度ポリエチレン繊維の単繊維繊度が1.5dtex以下であることを特徴とする上記第1記載のセメントモルタル又はコンクリート補強用繊維状物。
3.繊維が、チョップドフィラメントであることを特徴とする上記第1又は2記載のセメントモルタル又はコンクリート補強用繊維状物。
4.繊維が、適当な長さにカットされた複数の高強度ポリエチレン繊維が収束されたチップであることを特徴とする上記第1〜3のいずれかに記載のセメントモルタル又はコンクリート補強用繊維状物。
5.上記第4記載のチップを含んでなることを特徴とするコンクリート組成物。
以下本発明を詳述する
【0005】
本発明におけるセメントモルタル又はコンクリート補強用繊維又は繊維状物を製造する方法は、新規な製造法を採用する必要であり、例えば以下のような方法が推奨されるが、それに限定されるものでは無い。
【0006】
本発明におけるポリエチレンとは、その繰り返し単位が実質的にエチレンであることを特徴とし、少量の他のモノマー例えばα−オレフィン,アクリル酸及びその誘導体,メタクリル酸及びその誘導体,ビニルシラン及びその誘導体などとの共重合体であっても良いし、これら共重合物どうし、あるいはエチレン単独ポリマーとの共重合体、さらには他のα−オレフィン等のホモポリマーとのブレンド体であってもよい。特にプロピレン,ブテンー1などのαオレフィンと共重合体を用いることで短鎖あるいは長鎖の分岐をある程度含有させることは本繊維を製造する上で、特に紡糸・延伸においての製糸上の安定を与えることとなり、より好ましい。しかしながらエチレン以外の含有量が増えすぎると反って延伸の阻害要因となるため、高強度・高弾性率繊維を得るという観点からはモノマー単位で0.2mol%以下、好ましくは0.1mol%以下であることが望ましい。もちろんエチレン単独のホモポリマーであっても良い。。また、繊維状態での重量平均分子量が300,000以下であり、重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)が4.0以下となる事が重要である。好ましくは、繊維状態での重量平均分子量が250,000以下であり、重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)が3.5以下となる事が重要である。さらに好ましくは、繊維状態での重量平均分子量が200,000以下であり、重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)が3.0以下となる事が重要である。
【0007】
繊維状態のポリエチレンの重量平均分子量が300000を越えるような重合度のポリエチレンを原料と使用した場合では、溶融粘度が極めて高くなり、溶融成型加工が極めて困難となる。又、繊維状態の重量平均分子量と数平均分子量の比が4.0以上となると同じ重量平均分子量のポリマーを用いた場合と比較し最高延伸倍率が低く又、得られた糸の強度は低いものとなる。これは、同じ重量平均のポリエチレンで比較した場合、緩和時間の長い分子鎖が延伸を行う際に延びきる事ができずに破断が生じてしまう事と、分子量分布が広くなる事によって低分子量成分が増加するために分子末端が増加する事により強度低下が起こると推測している。また、繊維状態での分子量と分子量分布をコントロールする為に溶解・押し出し工程や紡糸工程で意図的にポリマーを劣化させても良いし、予め狭い分子量分布を持つポリエチレンを使っても良い。
【0008】
本発明の推奨する製造方法においては、このようなポリエチレンを押し出し機で溶融押し出ししギアポンプにて定量的に紡糸口金を介して吐出させる。その後冷風にて該糸状を冷却し、所定の速度で引き取る。この時充分素早く引き取る事が重要である。即ち、吐出線速度と巻き取り速度の比が100以上で有ることが重要である、好ましくは150以上、さらに好ましくは200以上である。吐出線速度と巻き取り速度の比は、口金口径、単孔吐出量、溶融状態のポリマー密度、巻き取り速度から計算することが出来る。このように、ゲル紡糸とことなり溶剤を用いない為、例えば丸形の口金を使用した場合、繊維の断面が丸形状となり紡糸・延伸時の張力化に於いても圧着が発生しづらい。
【0009】
さらに該繊維を以下に示す様な方法で延伸することが非常に重要である。即ち該繊維を、該繊維の結晶分散温度以下の温度で延伸を行い、該繊維の結晶分散温度以上融点以下の温度でさらに延伸を行うことにより驚く程繊維の物性が向上する事を見いだした。また、融点以下の温度で延伸を行う事で繊維の融着・圧着が発生しづらい。この時さらに多段に繊維を延伸しても良い。
【0010】
本発明では、延伸に際して、1台目のゴデットロールの速度を5m/minと固定して、その他のゴデットロールの速度を変更する事により所定の延伸倍率の糸を得た。
【0011】
チョップドフィラメントのセメントモルタル又はコンクリート補強用繊維状物は、得られた繊維を所定の長さにカットする事により得ることが出来る。特にチョップドフィラメントはモルタル補強用途に有効であり、カット長は、30mm以下であることが望ましい。30mm以上となると練り混ぜの際に繊維が塊状(ファイバーボール)となり均一性の面から好ましくない。ここで、モルタル補強用途として、プレミックスと呼ばれる砂とセメントと繊維を混ぜ合わせた混合物が良く用いられる。プレミックスを作製する場合、繊維の分散が均一であるほど、繊維の特性を有効に発揮できることがわかっている。本発明の繊維は、断面形状が円形であるため、融着や圧着が殆ど無いため、1本1本が補強効果に寄与することができ、また剛性もあるので、均一に分散し易い特徴を有していると考えられる。
【0012】
モノフィラメント型有機繊維のセメントモルタル又はコンクリート補強用繊維状物は、得られた繊維を所定の太さに引き揃え、集束剤もしくは熱融着繊維を用い、各々のフィラメントを結着させ、その後所定の長さにカットする事により得る事が出来る。特にモノフィラメント型有機繊維は、コンクリート補強用途に特に有効である。集束材としては、耐アルカリ性に優れている樹脂を選ぶことが好ましく、エポキシ樹脂やフェノール樹脂などの熱硬化性樹脂やエチレン系樹脂やウレタン樹脂、アクリル樹脂などの熱可塑性が挙げられる。熱融着繊維は、スキンコア構造でスキン部分の融点が120℃以下である繊維や、繊維全体の融点が120℃以下である繊維を選ぶことができる。このように得られたモノフィラメント型有機繊維は、カットして適当な長さのチップにして使用する。カット長としては、最大粗骨材径に対し、1倍から2倍までの間の長さに合わせることが好ましい。モノフィラメント型有機繊維の場合は、繊維に樹脂を付着させて集束させるため、補強効果の低い樹脂の含有量はできる限り少ないほうが好ましい。本発明の繊維は断面形状が円形であるため、樹脂の付着が均一に付着する効果が期待できる。また、熱融着糸などで集束させる場合として、本発明の繊維に熱融着糸をカバリングする方法が挙げられる。このデザインにおいても、繊維の形状が丸断面である方が、表面積を小さくする効果があり、異形断面の繊維よりも水の吸収が小さくなり、引いてはスランプロスも小さくなる効果が期待できる。モルタルに使用する場合には、30mm以下で使用することが好ましい。
【0013】
本発明のコンクリート組成物は、セメントは一般的に使用されているもので例えば、ポルトランドセメントや早強セメントなどが挙げられる。水や砂、砂利に関しても、特に地域や種類に限定することなく、一般に使用されているもので作製することができる。また、フライアッシュや高炉スラグ微粉末も適宣選んで使用することができる。
【0014】
以下に本発明における特性値に関する測定法および測定条件を説明する。
【0015】
(強度・弾性率)
本発明における強度,弾性率は、オリエンティック社製「テンシロン」を用い、試料長200mm(チャック間長さ)、伸長速度100%/分の条件で歪ー応力曲線を雰囲気温度20℃、相対湿度65%条件下で測定し、曲線の破断点での応力を強度(cN/dtex)、曲線の原点付近の最大勾配を与える接線より弾性率(cN/dtex)を計算して求めた。なお、各値は10回の測定値の平均値を使用した。
【0016】
(重量平均分子量Mw、数平均分子量Mn及びMw/Mn)
重量平均分子量Mw、数平均分子量Mn及びMw/Mnは、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によって測定した。GPC装置としては、Waters製GPC 150C ALC/GPCを持ち、カラムとしてはSHODEX製GPC UT802.5を一本UT806Mを2本用いて測定した。測定溶媒は、o−ジクロロベンゼンを使用しカラム温度を145度した。試料濃度は1.0mg/mlとし、200マイクロリットル注入し測定した。分子量の検量線は、ユニバーサルキャリブレーション法により分子量既知のポリスチレン試料を用いて構成されている。
【0017】
(動的粘弾弾性測定)
本発明における動的粘度測定は、オリエンテック社製「レオバイブロンDDV−01FP型」を用いて行った。繊維は全体として100デニール±10デニールとなるように分繊あるいは合糸し、各単繊維ができる限り均一に配列するように配慮して、測定長(鋏金具間距離)が20mmとなるように繊維の両末端をアルミ箔で包みセルロース系接着剤で接着する。その際の糊代ろ長さは、鋏金具との固定を考慮して5mm程度とする。各試験片は、20mmの初期幅に設定された鋏金具(チャック)に糸が弛んだり捩じれたりしないように慎重に設置され、予め60℃の温度、110Hzの周波数にて数秒、予備変形を与えてから本実験を実施した。本実験では−150℃から150℃の温度範囲で約1℃/分の昇温速度において110Hzの周波数での温度分散を低温側より求めた。測定においては静的な荷重を5gfに設定し、繊維が弛まない様に試料長を自動調整させた。動的な変形の振幅は15μmに設定した。
【0018】
(吐出線速度と紡糸速度の比(ドラフト比))
ドラフト比(Ψ)は、以下の式で与えられる。
ドラフト比(Ψ)=紡糸速度(Vs)/吐出線速度(V)
【0019】
(モルタルプレミックスの分散性評価)
砂とセメント(S/C=40)の混合物をビニール袋に入れ、繊維を0.1%ずつ混入し、ファイバーボールが発生するまでの混入量を測定した。繊維はできる限り分散させた状態で投入し、30秒間攪拌して、5mm以上の塊が発生したら、ファイバーボールが発生したと判断した。この試験を5回繰り返し、平均値を算出して、限界混入量とした。
【0020】
(モルタル曲げ試験)
モルタルプレミックスの分散性評価で得られた最大混入量のプレミックス材に水セメント比が45%になるよう水を混入し、2分間攪拌した。モルタルペーストを10×10×40(cm)の供試体に作製した。養生期間は14日と取った。曲げ試験条件は、たわみ速度はスパンの1/1500、スパン30cmの4点曲げ試験を実施した。そして繊維の効果を確認する為、中央の変位点が2mm撓んだ位置での荷重値を比較し、繊維の靭性性能とした。
【0021】
(スランプ試験)
本発明の繊維を樹脂もしくは熱融着繊維で集束させ、モノフィラメント型有機繊維を得た。
スランプ試験として、細骨材とセメントを1分間攪拌し、更に最大粗骨材径20mmの粗骨材と水を加え2分間練混ぜ、更にモノフィラメント型有機繊維と減水剤を加え、コンクリートペーストを作製した。各配合比は、水セメント比が50%、細骨材比が50%、単位水量が190kg/m3、最大粗骨材径が20mm、繊維混入量が1vol%、減水剤はポリカルボン酸系でセメント量に対し、2%加えた。スランプ試験はJIS−A1101に従い、測定した。
【0022】
(コンクリート曲げ試験)
スランプ試験で得られたコンクリートペーストを、JCI−SF4「繊維補強コンクリートの曲げ強度及び曲げタフネス試験方法」にある試験法に従い、10×10×40(cm)の供試体に作製した。養生日数は28日取った。曲げ試験の条件は、たわみ速度はスパンの1/1500、スパン30cmの4点曲げ試験を実施した。評価項目としては、最大曲げ強度と2mm換算曲げ強度を評価した。
【実施例】
以下、実施例をもって本発明を説明する。
【0023】
(実施例1)
重量平均分子量115,000、重量平均分子量と数平均分子量の比が2.3、5個以上の炭素を有する長さの分岐鎖が炭素1,000個あたり0.4個である高密度ポリエチレンをφ0.8mm、390Hからなる紡糸口金から290℃で単孔吐出量0.5g/minの速度で押し出した。押し出された繊維は、15cmの保温区間を通りその後20℃、0.5m/sのクエンチで冷却され、300m/minの速度で巻き取られる。該未延伸糸を、複数台の温度コントロールの可能なネルソンロールにて延伸した。1段延伸は、25℃で2.8倍の延伸を行った。さらに115℃まで加熱し5.0倍の延伸を行い、延伸糸を得た。単糸破断強度18.0cN/dtex、引張弾性率が820cN/dtex、単繊維繊度1.5dtex、断面形状は丸形であった。この繊維を12mmにカットして、モルタルプレミックスの分散性評価とモルタル曲げ試験を実施した。また、スランプ試験とコンクリート曲げ試験用に、876dtexにフィラメントを束ねてエポキシ樹脂で硬化(樹脂含浸量71wt%)したものを作製した。
【0024】
(実施例2)
実施例1の延伸糸を125℃に加熱し、さらに1.3倍の延伸を行った。単糸破断強度19.1cN/dtex、引張弾性率が890cN/dtex、単繊維繊度1.4dtex、断面形状は丸形であった。この繊維を12mmにカットして、モルタルプレミックスの分散性評価とモルタル曲げ試験を実施した。また、スランプ試験とコンクリート曲げ試験用に、672dtexにフィラメントを束ねてエポキシ樹脂で硬化(樹脂含浸量75wt%)したものを作製した。
【0025】
(比較例1)
繊維として、単糸破断強度29.8cN/dtex、引張弾性率が1008cN/dtex、単繊維繊度1.2dtex、断面形状は1:7の楕円形状である超高分子量ポリエチレン繊維を12mmにカットして、モルタルプレミックスの分散性評価とモルタル曲げ試験を実施した。また、スランプ試験とコンクリート曲げ試験用に、超高分子量ポリエチレン繊維880Tをエポキシ樹脂で硬化(樹脂含浸量160wt%)したものを作製した。
【0026】
(比較例2)
繊維として、単糸破断強度7.5cN/dtex、引張弾性率240cN/dtex、単糸繊度が378dtex、断面形状はほぼ丸型のポリビニルアルコール繊維を6mmにカットして、モルタルプレミックスの分散性評価とモルタル曲げ試験を実施した。また、スランプ試験とコンクリート曲げ試験用に、破断強度6.1cN/detx、引張弾性率241.9cN/dtex、繊度1650dtexのポリビニルアルコール繊維を使用した。
【0027】
モルタルプレミックスの分散性評価、モルタル曲げ試験、スランプ試験、コンクリート曲げ試験の結果を表1にまとめる。表1より、プレミックスの分散性が高く、より多くの繊維を混入できる為、モルタル曲げ試験でも高靭性の補強効果が確認できた。また、スランプ試験、曲げ試験からは、樹脂付着量をコントロールでき、樹脂付着量を少なくできる為、曲げ試験における最大破断荷重値、2mm換算曲げ強度とも高い性能を付与することができることがわかる。
【0028】
【表1】
Figure 0004178503
【0029】
次に熱融着糸で本発明の繊維をカバリングしたモノフィラメント型有機繊維の特性を実施例3と比較例3で比較した。この特性はスランプ試験とコンクリート曲げ試験で評価した。
【0030】
(実施例3)
実施例1で得られた本発明の繊維を、繊度190Tの芯PP、鞘PEのスキンコア型熱融着繊維でカバリングを行った。得られたモノフィラメント型有機繊維を30mmにカットして、特性を評価した。ここで、カバリングターン数として、10ターン/30mmであった。
【0031】
(比較例3)
比較例1で使用した超高分子量ポリエチレン繊維を用いて、繊度190Tの芯PP、鞘PEのスキンコア型熱融着繊維でカバリングを行った。得られたモノフィラメント型有機繊維を30mmにカットして、特性を評価した。ここで、カバリングターン数として、10ターン/30mmであった。
【0032】
スランプ試験、コンクリート曲げ試験の結果を表2にまとめる。表2より、スランプロスが小さくなることがわかる。
【0033】
【表2】
Figure 0004178503
【0034】
【発明の効果】
本発明によると、その繊維断面形状から、プレミックスモルタルを作製した場合には、分散性に優れた繊維となり、且つその高い強度から、高靭性を付与することができる。また、集束材などでモノフィラメント型有機繊維に形状を付与しても、コンクリート補強材として高破断荷重、高靭性を付与し、スランプロスも低減することを可能とした。

Claims (5)

  1. 繊維状態での重量平均分子量が300,000以下、重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)が4.0以下であり、強度15cN/dtex以上、弾性率500cN/dtex以上の高強度ポリエチレン繊維を主成分とするセメントモルタル又はコンクリート補強用繊維状物。
  2. 高強度ポリエチレン繊維の単繊維繊度が1.5dtex以下であることを特徴とする請求項1記載のセメントモルタル又はコンクリート補強用繊維状物。
  3. 繊維が、チョップドフィラメントであることを特徴とする請求項1又は2記載のセメントモルタル又はコンクリート補強用繊維状物。
  4. 繊維が、適当な長さにカットされた複数の高強度ポリエチレン繊維が収束されたチップであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のセメントモルタル又はコンクリート補強用繊維状物。
  5. 請求項4記載のチップを含んでなることを特徴とするコンクリート組成物。
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