JP4176956B2 - スラストセンサ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の分野】
この発明は、スラストセンサに関する。この発明は特に、機械的に動作させられるアクチュエータのシャフト内で発生されるスラストの継続的測定に応用可能であるが、いかなる意味でも限定されるものではない。らせん状ねじ山およびナットまたは他の回転運動から線形運動への変換器を使用することによる、シャフトの回転運動の線形運動への変換において、この発明は、シャフトのスラスト軸受によって支えられる軸方向の力の継続的直接測定に関する。
【0002】
この発明は、また、シャフトが、流体で動作させられるピストンに直接的にまたは間接的に接続されるか、または電気油圧式手段または電気流体手段を通じて駆動される、流体の圧力によって動作させられるアクチュエータに適用される。
【0003】
この発明は特に、流体移送システムにおいてバルブおよび水圧管を動作させるために使用されるアクチュエータのギヤケースに適用可能である。
【0004】
上記の文脈において、「流体」という語は液体、気体および蒸気を含むと理解される。
【0005】
【発明の背景】
アクチュエータにおいては、通常、バルブのスピンドルにおいて発生される力またはトルクを継続的にモニタし正確に制御することができることが望ましい。バルブが閉じられているときは、これらの力またはトルクは弁座と可動要素との間に「閉じる(seating)」力または「密封する」力を生成する。さらに、摩擦および閉じられた弁座全体にかかる水圧差の蓄積のために、閉じる力またはトルクよりも著しく大きくなり得る、閉じられたバルブを開くために必要とされる力またはトルクをモニタできることが必要である。
【0006】
いくつかのバルブには、バルブが完全に開いたときの「後部弁座」が設けられる。このため、アクチュエータがバルブを開く方向に動作するとき設備をモニタし制御するさらなる必要が出てくる。
【0007】
バルブアクチュエータにおける主な関心事は、バルブの可動要素にかかる閉じる力をモニタし制御することができるようにすることだが、加えて、バルブがその全可動行程を通じて運動させられるときに作動する力をモニタする必要がある。このような必要のある例としては、水圧および流体力学的圧力勾配のために大きな不均衡な力が弁座にわたって存在するとき、および、所定の臨界設備においてアクチュエータのギヤケースの効率を継続的にモニタする必要があるときである。
【0008】
機械的に動作させられるバルブアクチュエータにおいては、出力シャフトに対する最後の駆動部は通常、ウォームおよびウォーム歯車である。このタイプのギヤ駆動装置においては、上にウォーム歯車が装着された出力シャフトで発生されるトルクを、ウォームシャフトにかかる軸方向の力を測定し、この値をウォーム歯車のピッチ円の半径で乗算することにより決定できる。このように、ウォームシャフト内で発生される軸方向の力をモニタするよう設計された力測定要素を、ギヤケースのウォーム歯車シャフト内で発生されるトルクを判定するために使用できることがわかる。
【0009】
アクチュエータの力およびトルク測定システムは、たとえば、ばねを中心としたウォームシャフトの偏向がポテンショメータを使用することで測定される特許番号GB2 196 494 B号(ロトーク・コントロールズ・リミテッド)、および特許番号DE 4239947 Cl号(ウェルナー・リースター(Werner Riester))およびひずみ計を備えシャフト軸受とアクチュエータハウジングとの間に介装されるダイヤフラム部材に対して軸方向の力が反作用を及ぼし得る特許出願番号EP 0730114 Al号(ニッポン・ギヤ(Nippon Gear Co.))から公知である。US 4 898 362(リバティ・テクノロジー・センター・インク(Liberty Technology Center Inc.))は、ステムナットとステムナットロックとの間に位置付けられたスラストセンサを組入れるアクチュエータを記載する。このセンサは、一旦所定のスラストに達するとモータがオフにされることを可能にするが、継続的スラスト測定を行なうことはできない。
【0010】
工学の他分野で圧縮力センサが公知である。たとえば、EP 0668491(ティムケン(The Timken Co.))は、軸受上のスピンドルのまわりを回転するハブ配置を記載する。軸受にかかる予圧を最適化するため、軸受における予圧を表わす力が、力の大きさを反映する信号を生成する力センサへ伝達される。力センサをモニタすることで、軸受を所望の予圧に調節できる。
【0011】
US 5036714(WABCOファールツォイクレムゼンGmbH(WABCO Fahrzeughremsen GmbH))は、継手装置によって伝達される軸方向の力を測定するための、このような軸方向の力の大きさを示す信号を発生できる、装置を記載する。この場合、比較的大きなエラストマの要素が対向する移送肩の間に装着される。圧力センサは、エラストマの要素と、これら2つの間に介装される小さな軟らかいエラストマのパッドを介して間接的に接触する。
【0012】
EP 0363785(ポリセンスSpA(Polysens SpA))は、2つの対向する表面の間の動力を検出するためのトランスデューサとしての圧電性ガスケットの使用を記載する。
【0013】
このような従来技術においては、軸方向の力の測定は、力測定要素の精密な校正に依存しており、校正が、信号の整合性および精度に影響し得る。ポテンショメータおよびばねパック(spring pack)は、摩耗および疲労し、金属のダイヤフラム上に装着されるひずみ計は組立ておよび校正に費用がかかる。
【0014】
このような既存の技術のさらなる基本的な問題点は、バルブアクチュエータの典型的な範囲においてカバーされる出力される力の範囲が広いために、さまざまな大きさの力測定要素を提供し保管せねばならない点である。これは、たとえば、さまざまな大きさおよびこわさのばねパックまたはダイヤフラムの予備を保管することを含む。この要件は、いくつかのアクチュエータのフレームサイズにまたがる30/1の典型的な出力トルクまたは力の範囲の比率をカバーするために必要とされる。これらの多数の構成要素は、製造および現場での使用の両方のために必要とされ、主な費用がかかる。
【0015】
この発明の主題であるアクチュエータ技術の改良は、シャフトにおいて発生される力が、弾性のポリマー部材が取付けられた剛性の裏当てプレートに対して反作用を及ぼすよう配置することである。ポリマー部材は装着プレートと接触しており、この配置は、軸方向の力が、接触表面領域によって分割される力と実質的に等しい圧縮応力または圧力をポリマー部材内に発生させるようになっている。
【0016】
電子圧力トランスデューサが、その感知面がプレートの表面と同一表面に来、弾性のポリマー部材と接触するよう、装着プレートに挿入される。この配置は、圧力トランスデューサが、ポリマー部材内に存在する均一な圧力と実質的に等しい圧力を示すであろうようになっている。したがって、ポリマー部材の接触面積を変えることによって、シャフトにより支えられる力とトランスデューサの出力との間で実質的に線形のいかなる所望の関係も達成できる。
【0017】
特に、この発明の目的の1つは、範囲内のアクチュエータの任意の構造内に挿入される単一サイズの予め校正された圧力トランスデューサを使用できるようにすることであり、各アクチュエータにおいて発生される力の範囲が単一サイズの圧力トランスデューサの動作範囲内に来るよう、各アクチュエータのフレームサイズ内に弾性のパッド領域を設計することである。
【0018】
上述の従来技術において対処されておらず予期すらされていないさらなる問題は、端縁が拘束されていないエラストマのパッド上に装着された圧縮トランスデューサの応答の非線形性である。拘束されていないパッドを圧縮すると、周辺側部(複数の側部)が膨らむ。すなわち、エラストマのパッドの初期の断面は、トルクがゼロの条件下では実質的に矩形であるのに、トルクを印加すると、パッドが歪み断面がドーナツの形に近くなる。これによって校正および非線形性の問題が生じ、単にエラストマのパッドまたは複数のパッドの接触面積を適切に変更することでバルブのアクチュエータのサイズの範囲をカバーしようとする目的が妨げられることになる。
【0019】
必要とされるトランスデューサは1つだけだが、安全性を補完するために1以上の圧力トランスデューサが使用される場合、臨界区域内にバルブが設けられ得ることは理解されよう。
【0020】
【発明の概要】
本発明のスラストセンサアセンブリは、アクチュエータシャフトに原動力が印加されるタイプのアクチュエータとともに使用するために適したスラストセンサアセンブリである。スラストセンサアセンブリは、第1の圧縮プレート手段と第2の圧縮プレート手段とを含んでいる。第1および第2圧縮プレート手段の少なくとも一方は、シャフトとともに軸方向に運動するようシャフトの上にあるかまたは直接的または間接的にシャフトと係合するよう適合される。第2の圧縮プレート手段は、少なくとも1つの弾性的に圧縮可能な実質的にエラストマのパッドを介装して第1の圧縮プレート手段と対向するよう配置される。圧力トランスデューサが第1および第2の圧縮プレート手段の一方上に装着される。パッドは第1および第2圧縮プレート手段の少なくとも一方と接触する接触領域を備える接触面を有しており、第1および第2の圧縮プレート手段のうち圧力トランデューサを装着した方に接触面は面している。第2の圧縮プレート手段へ向かう第1の圧縮プレート手段の運動が、第1の圧縮プレート手段と第2の圧縮プレート手段との間のエラストマのパッドを押し、エラストマのパッドの一部の接触面が圧力トランデューサを押し、圧力トランデューサを押すことによってアクチュエータシャフトのスラストに対応する信号を圧力トランスデューサから誘導するようにセンサアセンブリは配置され、第1および第2の圧縮プレート手段のうち圧力トランデューサを装着した方に面する圧縮可能なパッドの表面の接触面の全面積は、圧力トランスデューサに伝達されるスラストの割合を変えるように、選択的に変えることができる。接触面の全面積は、パッドを、より大きなまたはより小さなパッドと交換することで、または実質的に同一のパッドの数をより多数またはより少数使用することで、選択的に変えることができる。したがって、圧力トランスデューサに印加される圧力を圧力トランスデューサの動作範囲内に維持しつつ広い範囲のアクチュエータのスラストに対処し得るよう、スラストセンサアセンブリは適合される。
【0021】
この配置は、ばねを必要としない簡潔で空間効率のよいセンサを提供する。この配置はまた、トランスデューサの感知区域よりも大きな区域にわたって高いスラストが作用できるようにすることで、スラストがトランスデューサの通常の動作範囲を大きく上回るとき、圧力トランスデューサがスラストを感知するため動作することを可能にする。これによってトランスデューサ自体を交換する必要がなくなる。
【0022】
好ましい実施例においては、スラストは、圧力トランスデューサからの信号を、トランスデューサ定数(15頁を参照)で乗算し、再びパッド(複数のパッド)の総面積で乗算することで導出される。
【0023】
疑問点をなくすため、第1の圧縮プレート手段は、たとえば、シャフトのまわりの個別のプレートまたはリングであってもよく、またはシャフト上のフランジまたは肩であってもよく、第2の圧縮プレート手段は、たとえば、個別のプレートもしくはリングまたはスラストセンサアセンブリハウジングの端部壁もしくは肩を含んでよい。これらの変形例は、以下の好ましい実施例の説明において詳細に説明され、以下に説明する第1の好ましい実施例の場合には、「裏当てプレート」という語が、第1の圧縮プレート手段を説明するため使用され、「装着プレート」という語が第2の圧縮プレート手段を説明するため使用される。
【0024】
圧力トランスデューサを担持する圧縮プレート手段の一方と面する圧縮可能なパッドまたは複数のパッドの表面の組合せられた総接触面積は、多くの場合、圧力トランスデューサの圧力感知表面面積のみよりも大きく、使用中の、圧縮されているパッドまたは複数のパッドの圧力は、圧力トランスデューサ感知表面および圧力トランスデューサを担持する圧縮プレート手段の既知の大きさの表面区域の両方を含む既知の接触区域にわたって分散される。
【0025】
この発明の第1の局面において、圧縮可能なパッドまたは複数のパッドの総接触面積は、パッドまたは複数のパッドを、1つまたは2つ以上のより大きなパッドもしくはより小さなパッドと交換することによって、または、実質的に同一のパッドをより多数またはより少数使用することによって、選択的に変更可能であり、したがって、圧力トランスデューサに印加される圧力を圧力トランスデューサの動作範囲内に来るように調節することによって、広い範囲のアクチュエータスラストに対処し得る。
【0026】
好ましくは、パッドまたは各パッドは、第1または第2の圧縮プレート手段上に固定して装着される。これによって、動作中にパッドが偶然移動することが避けられる。
【0027】
有利には、パッドまたは各パッドは、剛性の中間部材上に装着され、スラストは、第1の圧縮プレート手段から中間部材を介してパッド(複数のパッド)へ伝達される。この配置では、パッドを容易に変えることか可能であり、パッドの数、大きさおよび構成を随意変えることができる。
【0028】
好ましくは、1または2つ以上の凹部が、圧縮プレート手段の一方の中に設けられ、または、剛性の中間部材が圧縮プレート手段の間に設けられている場合には、任意に中間部材内に設けられ、凹部または各凹部は前記エラストマのパッドそれぞれを収納し、パッドの周囲を完全に拘束し、それによってパッドまたは複数のパッドすべてが使用中完全に周囲が拘束される。パッドの周囲が拘束された配置により、パッド(複数のパッド)の膨らみおよびクリープから生じる誤差の極めて実質的な問題が緩和されかまたは克服される。
【0029】
好ましくは、圧縮プレート手段または圧縮プレート手段の一方に対向しこれを押す中間部材または凹部(複数の凹部)を有する中間部材は、パッド(複数のパッド)を押すよう前記凹部(複数の凹部)に突出するよう構成される。
【0030】
代替的に、圧縮不可能なインサートは、パッド(複数のパッド)上に載置され、使用中のパッド(複数のパッド)に圧縮力を均等に伝達するよう、凹部または各凹部内に設けられ得る。インサートは、凹部に嵌合するよう成形され、たとえば金属のディスクまたは環であり得る。これらの配置のいずれかによって、パッド(複数のパッド)が、対向する圧縮プレート手段または中間部材と接触するよう凹部(複数の凹部)から突出する必要なく、スラストが完全にパッド(複数のパッド)に確実に伝達される。これは、感知されているプレートの運動を通じて、実質的に完全な拘束を維持するため重要である。
【0031】
有利には、特に、各圧縮可能パッドの周囲が拘束されていない配置の場合に、パッドまたは複数のパッドは重ね合わされた構造をとり、1対の弾性的に圧縮可能な層を含み、各々が、より弾性係数の大きい材料の層の側部上に来る。対は、ゴムまたは他のエラストマ材料を含むことが適当であり、介在する層はナイロンまたは同様に弾性係数の大きい材料であることが適当である。この配置は、スラストが印加されるときに圧縮を加える表面に対してパッドが広がることを最小限にとどめるかまたは全くなくしさえすることを助け、それによって、印加されるスラストと圧力トランスデューサからの信号との実質的に単純な関係が確実に維持される。たとえば裏当てプレート内の凹部内に挿入されることにより、弾性のパッドまたは複数のパッドの周囲が拘束される配置においては、シリコーンゴムなどの均質な弾性材料が使用され得る。
【0032】
好ましい一実施例において、アセンブリは、前記シャフト上での端部装着のため適合される。シャフトの上に端部に置いて装着されシャフトの軸と整列された単一のパッドおよびトランスデューサを使用することにより、一方向でのスラストを簡単かつ効率的に測定できる。
【0033】
好ましくは、第2の圧縮プレート手段は、シャフトが逆方向に運動するときシャフトとともに運動するようシャフトに係合可能であり、第1の圧縮プレート手段は、シャフトが逆方向に運動するときシャフトとの運動から脱離可能であり、したがって、逆方向のスラストが感知され得る。
【0034】
圧力トランスデューサは、トランスデューサの圧力感知面が、トランスデューサが中に装着される圧縮プレート手段の面と同一平面上に来るよう、前記圧縮プレート手段の一方の中に組入れられることが適当である。
【0035】
圧縮プレート手段または各圧縮プレート手段は円形および/または環形であることが適当である。
【0036】
好ましくは、弾性パッドまたは各弾性パッドは円形および/または環形である。
【0037】
2つの弾性パッドが設けられ、前記パッドは互いに正反対に対向するよう位置付けられることが適当である。
【0038】
この発明はさらに、ここに説明するようなスラストセンサアセンブリを組入れるバルブアクチュエータも包含する。
【0039】
この発明の好ましい実施例を、単に例として、添付図面を参照し以下に説明する。
【0040】
【詳細な説明】
この発明の実施例を、これから単なる例として説明する。これらの実施例は、この発明が実施され得る唯一の方策ではないが、現在出願人が知る最良の方策である。
【0041】
互いに対して180°をなす2つの方向、すなわちシャフトに沿う両方向のスラストを測定することが必要とされるアクチュエータを参照し、第1の実施例を以下に説明する。
【0042】
簡略化された実施例および一方向のスラストのみを測定するよう適合される実施例を後で説明する。
【0043】
図1および図2を参照し、電動機1が、ウォームシャフト2を回転させ、ウォームシャフトの上に、歯車4と噛み合うウォーム3が機械加工され、歯車4はアクチュエータの出力シャフト5を囲む。ウォーム歯車4は、図1に示していない滑り噛み合いクラッチによって、出力シャフト5へ掛止され得る。
【0044】
アクチュエータが動作させられているときは、外部からの負荷により、ウォーム歯車4上に反作用トルクが発生し、これがウォームシャフト2上で軸方向の力となり、この力はウォーム/ウォーム歯車噛み合い歯6を介して伝達される。ウォームシャフトの軸方向の力のベクトルは、ウォーム歯車4の回転方向に依存して、両方向に存在し得る。1対の深溝玉軸受7および8がウォームシャフト2上に設けられ、これらは組合せられたジャーナルおよびスラスト軸受として作用する。
【0045】
軸受7は、アクチュエータハウジング9内の凹部内に装着され、外側トラックリング10は凹部内に自由嵌合される。軸受は、外側トラックリング10と装着プレート11との間の当接によって凹部内に軸方向に位置付けられる。
【0046】
軸受8は、裏当てプレート12内の凹部内に収納される。軸受8の内側トラックリング13は、ピン15によってウォームシャフトに固定されるスリーブ14と当接する。
【0047】
装着プレート11と裏当てプレート12との間に2つの弾性ポリマーディスク16および17が挟まれる。これらのディスクは同一のピッチ円直径であり、180度離して装着される。ディスクは裏当てプレート12に取付けられ、一方のディスク17は、装着プレート11内の凹部内に位置付けられる電子圧力トランスデューサ18の感知面上に位置付けられるよう配置される。装着プレートの後部から穴20を通じて出るよう、浮遊導線が配置される。トランスデューサは、補償熱抵抗器を備える通常のホイートストン・ブリッジ・ネットワーク内に配置されるひずみ計または圧電抵抗感知素子を用いるタイプのものであることが好ましいであろうし、関連する回路は、トランスデューサから出力される電圧が、トランスデューサの感知面に印加される圧力と線形または線形に近い関係を持つように配置される。しかし、その面における圧力変化を検知できる任意の適当な圧力感知装置を用いることができる。
【0048】
もし、シャフト2に右向きのらせん状ウォーム3が設けられており、図1に見られるようにウォーム歯車が時計回り方向に回転させられるのであれば、軸方向の力の方向は矢印21に示すようになるであろう。軸方向への力は軸受8によって裏当てプレート12へと伝達され、そこから弾性ポリマー部材16および17へと伝達される。これらのディスク型の部材において発生される圧力は、裏当てプレートと接触している2つのディスクの組合せられた領域によって分割される軸方向の力であろう。この配置においては、ディスク17は、この圧力をトランスデューサ18の感知面へと伝達し、シャフト2内の軸方向の力に実質的に比例する信号をそれによって与えるであろう。
【0049】
もしここで、電動機の方向が逆転され、ウォーム歯車が図1に見られるように反時計回り方向に回転させられると、軸受7はシャフト2における軸方向の力を当接部22を介して伝達するであろう。軸受7の静止外側トラックリングは、当接部23を介して装着プレート11へ力を伝達する。そして、弾性ポリマー部材16および17を介して力は裏当てプレート12へと伝達される。この態様においては、そのうち1つのみを図示する3つのテンション肩ボルト24によって裏当てプレートは軸方向および回転方向の運動を抑制される。このように、シャフト2の2方向のいずれへの軸方向のスラストも、弾性ポリマー部材16および17に圧縮圧力を発生させ、それによって、信号トランスデューサ18から力に関連する信号が生成され提供されるよう、スラスト軸受アセンブリが設計されることがわかる。
【0050】
圧力の読取値を得るため、たとえば電圧信号である電気的信号の値に乗算する、線形関係数値係数を、トランスデューサ定数と呼ぶ。印加される圧力と電圧読取値との関係を示すトランスデューサの特性曲線は、実質的に原点を通るかまたは原点近くを通る直線であるため、この簡略化された関係を使用することができる。しかし、他の非線形関係を包含することもこの発明の範囲内にあり、この場合には、電圧読取値から印加された圧力値を導出するため表または図が提供され得、または、代替的に、前記表または図はコンピュータプログラムに組込まれ得る。
【0051】
図3を参照し、弾性のポリマー部材16および17は、シャフト2における軸方向の力が作用する区域を増加させるため、弾性ポリマーディスクの2つの付加的な群25および26によって補強されている。アセンブリはやはり弾性ポリマー部材17と接触している単一の圧力トランスデューサを備える。
【0052】
いくつかの典型的な寸法および値を考慮すると、もし、トランスデューサが中程度の範囲の信号圧力、10バール(=1N/mm2)を示し、2つの弾性ポリマー部材16および17の直径が各々12mmであれば、圧力読取値10バールから、軸方向の力、
π/4×122×2×1=226N
が示されよう。
【0053】
図3の場合には、2つの群25および26の10個の弾性ポリマーディスクの付加によって、総接触面積が増やされている。これらのディスクは、ディスク16および17と同じ寸法に作られているため、トランスデューサの圧力読取値が10バール(1N/mm)の場合、示される軸方向の力は、
π/4×122×12×1=1357N
である。
【0054】
図4を参照し、弾性ポリマー部材の面積を迅速かつ簡単に変更できるようにするため、別個の薄いプレート31に取付けられた弾性のポリマー部材を用い、このプレートを裏当てプレート12と装着プレート11との間に挿入することがより好都合であろう。こうすると、アクチュエータには、既にプレート31に取付けられている代替的な弾性ポリマー部材のセットが提供され得、したがって、迅速なフィールド交換が行なわれ得る。
【0055】
大きさおよびパワー入力の異なるアクチュエータにより生成されるスラストを、同一の圧力トランスデューサを使用して測定する能力は、この発明の重要な特徴である。弾性的に圧縮可能な材料のより大きな区域へと、伝達される力を拡散させることにより、アクチュエータの範囲を、単一圧力トランスデューサ/スラストセンサアセンブリのセットに適合させることができる。
【0056】
もし同一の表面面積を有する弾性材料の円形パッドが使用されるのであれば、パッドの数を増やすことで、測定され得る力が段階的に増加されるので、有利である。この発明が成功裡に作用するためには、パッド17とトランスデューサ18との間に大きな空隙があってはならないことは理解されよう。さらに、この発明は、従来技術におけるようにアクチュエータ構造の部分であるダイヤフラムまたはそれと均等な構成要素のいずれかの撓曲に根本的に依存するのではなく、2つの平らな表面の間の固体の圧縮に依存する。
【0057】
中間プレート上にパッドまたは複数のパッドが装着される代替的実施例は、パッドの位置づけおよび交換を著しく簡単にする。
【0058】
パッドは、たとえばIRHD等級で25と60との間の硬度を有するシリコーンゴムなど、材料の専門家により選択される任意の適当な材料で作られ得る。もちろん、使用される圧縮応力の範囲がパッドにクリープを生じさせず、物理特性が周囲の温度範囲にわたって実質的に一定のままであるならば、パッドは、任意の天然のまたは合成の弾性ポリマー材料で作られ得る。上に述べたように周囲が拘束されていない場合には、パッドは、弾性材料よりも弾性係数が大きい特性を有するたとえばナイロンであり得るプラスチックシートの介在する層を間に挟んだゴムまたは他のエラストマー材料であることが適当である1対の外側弾性ポリマー層で形成される重ね合わされた弾性ポリマーパッドであることが最も好ましい。パッドは、たとえば、0.75mm厚のシリコーンゴムのシートから切出された弾性層を含み得、介在するシートは0.25mm厚のナイロンであり得る。この重ね合わされた構造では、使用中の圧縮する表面に対してパッドの広がりが減じられる。
【0059】
弾性パッドの周囲が拘束されている場合には、図11に示すように、パッドは均質なポリマー材料で作られ得る。
【0060】
図5は、アクチュエータ出力シャフト5を囲むスラスト軸受アセンブリに挿入され、出力シャフトのいずれかの方向において存在する軸方向の力を測定するよう設計される圧力トランスデューサ18を示す。この実施例では、出力シャフトにより、より大きな力が支えられるので、図1に示した組合せられたジャーナルおよびスラスト軸受7および8の代わりに玉スラスト軸受28および29が使用される必要がある。
【0061】
動作原理は、図1に示したアセンブリの原理と同様である。この実施例では、出力シャフトにかかる図示するような上向きの軸方向の力は、保持リング30によって封じ込められる。
【0062】
図6は、図1、図2および図3に示される個別のディスク型の部材16、17、25および26の代わりに嵌合される単一の環形弾性ポリマー部材27を示す。これは可能な限り大きな弾性表面区域を得るためで、典型的には、軸方向の力がウォームシャフトに存在する力よりも著しく大きな場合にアクチュエータ出力シャフトにおいて必要とされよう。環形ポリマー部材の最大の大きさを外径80mm、内径45mmとすると、面積は3436mm2となろう。トランスデューサの読取値が10バールであると、軸方向の力、3436Nを意味するであろう。
【0063】
このように説明のために選んだ特定の例から、トランスデューサの中間範囲信号が、力の範囲を表示するよう、226Nから3436Nへと約15:1の比率で拡張できることがわかる。
【0064】
説明および図示した特定の例においては、弾性のポリマーディスクが、2以上の数で使用されるときには、トランスデューサ18上に位置づけられるディスク17と同じ直径および厚さに維持されたことが留意されよう。これは、ディスクすべてに同じ圧力が印加され、単一のトランスデューサの圧力の読取値をディスク面積の総合計で乗算したものがシャフトにかかる軸方向の力を確実に表わすようにするためである。しかし、ポリマー技術においては圧縮係数は、圧縮されるポリマーブロックの自由表面面積と拘束されるかまたは接触する表面の面積との関係および材料の性質の両方の関数であるという事実を考慮して所定の拘束が使用されるのであれば、アセンブリ内で周囲が拘束されていない異なった形の個別の弾性ポリマー部材を使用することも可能である。この関係は、たとえば、チャップマン・アンド・ホール(Chapman and Hall)出版のピーター・C・パウェル(Peter C. Powell)によるテキストブック『ポリマー工学(Engineering with Polymers)』などに説明される。
【0065】
一群の弾性パッドが単一の力の下で同一の内部応力または圧力にたえるためには、見かけの圧縮係数「E」がすべてのパッドについて同一であることを確実にする必要がある。これは、関係
E=応力または圧力÷歪み
だからである。
【0066】
この関係においては、歪みは、各パッドの偏向を応力のかかっていない時の厚みで割った比率、すなわち図7に示すような比率Δt/tと定義される。
【0067】
したがって、見かけの圧縮係数「E」が一定のままであるとするならば、一群のパッドについての厚み「t」が一定なら、偏向Δtは、したがって各パッドについて同一の歪みを生成し、したがって同一の圧力を生成する。
【0068】
どの特定の弾性ポリマー材料についても、張力または圧縮についての絶対係数は、硬度の関数であり、通常「E0」で表わされる。圧縮下にある単純な円形および矩形のブロックについては、見かけの係数「E」と「E0」との関係は等式
E=E0(1+2kS2
で決定できる。
【0069】
上の等式において、「k」は、0.5から1.0の間の値をとり、材料の硬度に関係する経験上の定数である。
【0070】
項「S」は、形状係数(Shape Factor)と呼ばれ、ブロックの負荷のかけられる面の面積を力のかからないブロックの総面積、すなわち、負荷の下で外向きに膨らみ得る面で除した比率として定義される無次元量である。項「S」は、上の等式では二乗されるので、見かけの係数項「E」が一定のままとなるよう、1つのアセンブリ内のすべての個別のブロックについてこの比率が確実に一定のままとなるようにすることが重要である。
【0071】
直径12mm厚さ2mmのディスクを使用する特定の例では、形状係数の値は、
S=(π/4×122)÷(π×12×2)=1.5
となるであろう。
【0072】
この例では、形状係数が1.5に等しい値のままであるのであれば、図3にディスク25、26の代わりに代替的な形のパッドを加えることが可能であったであろう。さらに側面が直線の矩形ブロックについては、この要件を満たす2つの形は、
正方形12×12×2mm厚 S=122÷(12×4×2)=1.5
矩形18×9×2mm厚 S=(18×9)÷(18+9)×2×2=1.5である。
【0073】
このタイプのアクチュエータは、通常、図1のように、出力シャフトにかかるトルクを測定するため、ウォームシャフトに取付けられた力測定トランスデューサを備えるか、または図5に示すように出力シャフトの軸方向の力を測定するため出力シャフトに取付けられた力測定トランスデューサを備えるであろうと理解されよう。しかし、所定の臨界区域内では、ギアケースの効率の継続的測定値を記録でき、それによって、ギアまたは軸受がじきに故障することを示す効率の低下が始まったときに早期に修正動作を行なうことができるよう、トルクおよび出力力トランスデューサアセンブリ両方を設ける必要があるであろう。
【0074】
同様の状況においては、個別の関連づけられる電子回路を備える2つまたは3つ以上の圧力トランスデューサを設け、トランスデューサ信号間で展開されるいかなるずれもモニタできるようにすることが望ましいであろうし、このようなずれは、圧力トランスデューサまたはそれに関連づけられる回路が故障しつつあるという初期警告を与える。
【0075】
上述の説明は、電子圧力トランスデューサの使用を含むが、光ファイバ信号に関連づけられる小型の偏向ダイヤフラムなどの他の形の圧力トランスデューサも同様にうまく用いられ得ることが理解されよう。
【0076】
上の説明は、シャフトの両軸方向におけるスラストを測定する必要のあるバルブアクチュエータにおいて見られるようなスラストセンサアセンブリに関する。一方向においてのみスラストの測定が必要な場合は、アセンブリを著しく簡略化できる。また、スラストセンサアセンブリを、シャフトの全長に沿っていずれかの他の好都合な点に位置づけるのではなくシャフトの端部に位置づけることもできる。こうした2つの配置例を図8および図9に示す。
【0077】
典型的なアクチュエータ電動機のシャフトの端部を示す図8を参照し、装着プレート34とハウジング35との間に組み入れられる単一の弾性ポリマーディスクを示す。スラスト軸受が、電動機のシャフト33とプレート34との間に挟まれる単一の玉32からなる小型のアクチュエータ電動機については、弾性ポリマーディスク17をプレート34に接着でき、圧力トランスデューサ18は電動機のハウジング35の端部の凹部内に装着される。
【0078】
図9は、スラストが組合わされたジャーナルおよびスラスト深溝玉軸受36により封じ込められる、負荷のより大きな応用例を示す。軸受の外側トラックリングは、電動機ハウジング37内の凹部に摺動自由に嵌合され、やはり同じ凹部に摺動自由に嵌合されるプレート38と当接する。弾性ポリマーディスク17は、プレート38に接着され、圧力トランスデューサ18は、前の例と同様電動機ハウジング37の端部のより小さな凹部内に装着される。
【0079】
図1および図5に示し説明したような2方向シャフトスラスト測定アセンブリの本質的な動作特徴が、シャフト38上のスラストの代替的方向が矢印39および40で示される図10に簡略化された形で示される。
【0080】
シャフト38においてスラストが方向39に作用するとき、シャフトとスラストワッシャ42との間で当接部41を介して反力が伝達され、そこからスラストワッシャ面43を介してハウジング45内の凹部内を自由に軸方向に摺動するプレート44へ反力が伝達される。この力は、プレート44に固定された2つの弾性ポリマーディスク16および17によって伝達され、そこから弾性ポリマーディスク17と協動する単一の圧力トランスデューサ18を含む装着プレート46へ伝達される。装着プレート46は、やはり、ハウジング45内へ摺動自由に嵌合され、力は最終的に、当接部47を介してハウジングへ伝達される。
【0081】
スラストが逆方向40に作用するとき、反力は、ワッシャとカラー50との間の当接部49を介してまずスラストワッシャ48へ伝達される。このカラーは、ピン51によってシャフトに固定される。このとき、力は、スラストワッシャ面52を介して装着プレート46へ伝達され、装着プレートから弾性ポリマーディスク16および17を介してプレート44へ伝達され、最後に、プレート44とハウジング45との間の当接部53を介してハウジング45へ伝達される。
【0082】
このように、矢印39および40によって示される2方向のいずれかに、スラストが作用するとき、圧力トランスデューサ18がスラストに比例する読取値を与えるであろうことがわかる。
【0083】
実際には、圧力トランスデューサおよび弾性ポリマーディスクが所与の径方向位置にとどまることを確実にするため、プレート44および46の径方向位置を、かぎおよびかぎ溝またはこの等価物によって固定する必要があろう。
【0084】
図11は、単一の環形弾性ポリマー部材54がプレート55と56との間に挟まれる実施例を示す。これらのプレートは位置および動作において図1の装着プレート11および裏当てプレート12に対応するが、プレート56は、上に環形弾性ポリマー部材またはエラストマーのパッド54が装着される窪んだ環状表面57を備える。凹部の内側および外側環状壁は、ポリマー部材の内側および外側環状壁と密接して嵌合する。凹部の環状壁は、プレート55上の協動する直径部上に摺動して嵌合するよう延在する。同様に、ポリマー部材が密接に嵌合する孔を備えるよう与えられ、この孔を通じてテンション肩ボルト24が通る。これらの手段により、弾性ポリマー部材は、その動作位置に嵌合されるとき、全く自由端縁区域を持たない。
【0085】
この特定の実施例では、端縁が支持されていないポリマーパッドにおいて生じ得るようなクリープ現象による永久的な区域変化をパッドが受ける危険なく、均一なシリコーンゴムパッドを使用することができる。
【0086】
測定される軸方向スラストの範囲が、圧力トランスデューサの通常の動作信号範囲を超えるような状況では、環形弾性ポリマー部材14の有効区域を、内径および外径を変化させ、協動するプレート55および56の直径にも対応する変更を行なうことで、変えることができ、それによって、ポリマー部材により伝達される圧力範囲をトランスデューサの作動圧力範囲内に保持できる。
【0087】
これは、多数の均等な間隔をおいて位置づけられた凹部を有するプレートを使用することで達成され得、使用される凹部(複数の凹部)は、パッドのどの数、形および大きさに適するようにも選択され得る。代替的に、適当な寸法の凹部(複数の凹部)を有する最も適当な圧縮プレートの選択は、予め形成されるか、さもなくば容易に交換可能なこのようなプレートの範囲から行なわれ得る。代替的に、ともにまたは別個に運動させられ得る調節可能な側壁を有する凹部は、大きさを調整可能であり得る。
【0088】
図12は、パッドの周囲を拘束することによる驚くべき実質的な利点を示すグラフである。グラフの線Cからわかるように、厚さ2mm、直径19mmの3つの円形シリコーンパッドが、パッドの周囲が拘束されない第1のスラストセンサアセンブリにおいて増加していく圧縮に晒されたとき、線Cに示すように印加される圧縮負荷を増加させると(X軸、0〜1600N)、圧電抵抗圧力センサからの読取値の対応性(Y軸、0〜60mV)は、予測値(線A)から著しくずれた。対照的に、アセンブリが、パッドの周囲を拘束するよう適合されたときは、センサの出力、線Bは、予測値(線A)とよく一致した。
【0089】
硬度の小さいシリコーンゴム材料を使用するときに、弾性部材のすべての端縁がプレート55および56の一方または他方において剛性の周囲壁によって拘束されるとするならば、トランスデューサの作動圧力範囲を維持するため、他の形および数の弾性パッドを、この発明の範囲から逸脱することなく、使用し得ることが理解されるであろう。
【0090】
したがって、要約するとこの発明の目的は以下のとおりである。
1) まず、既知の接触面積を持つ剛性部材の間に挟まれた弾性エラストマーの部材または複数の部材に対して力が反作用を及ぼすよう配置し、第2に、弾性のエラストマー部材または複数の部材においてこのようにして発生された圧力を少なくとも1つの電子圧力トランスデューサによって継続的に測定することによって、アクチュエータのシャフトにおいて発生される軸方向スラストを測定するための手段および方法を提供する。
【0091】
2) 前記シャフトによって発生された反力に耐える剛性および弾性の部材の間の接触領域を変えることができ、それによって、結果として発生される圧力の範囲を前記少なくとも1つの電子圧力トランスデューサの作動範囲内に維持する目的で、範囲の上限の力を比較的大きな接触区域を使用して測定し得、範囲の下限の力を比較的小さな接触区域を使用して測定し得る、手段を提供する。
【0092】
3) ウォームおよびウォーム歯車減速ギヤ駆動装置を使用するアクチュエータにおいて目的(1)および(2)において説明した手段を使用してウォームシャフト内に生じる軸方向反力を測定することで、そして、そのようにして得られた力の値をウォーム歯車のピッチ円半径で乗算することにより、ウォーム歯車により伝達されているトルクを継続的に判定する。
【0093】
4) 上述の目的において、シャフト軸と平行または一致するが、180度離れた方向において作用する力が、常に少なくとも1つの圧力トランスデューサに面する前記弾性部材上に圧縮反力を及ぼすであろうように手段を提供する。
【0094】
5) 上述のアクチュエータにおいて、トランスデューサの感知面に近接する領域内では前記弾性部材の圧力に大きなずれは生じないよう、周囲の装着プレートに対してのトランスデューサの感知面の運動が極めて少なく、1つまたは2つ以上の電子圧力トランスデューサを提供する。この文脈において、トランスデューサ感知面の偏向は、たとえば、有効面直径の1000分の1のオーダであろう。
【0095】
6) 上述の目的において、トランスデューサの感知面がシャフト軸と直角になるがシャフト軸からずれる少なくとも1つの電子圧力トランスデューサを提供する。
【0096】
7) スラストセンサアセンブリにおいて、パッドの周囲が使用中膨らむことを実質的に防止するようヘッドの周囲を拘束することにより、弾性的に圧縮可能なエラストマーのパッドの使用によって生じる誤差を緩和または実質的に防止する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 電動機のシャフトと一体のウォームシャフトおよびアクチュエータの出力シャフトを囲むウォーム歯車を露出させるため、電動機シャフトの中央線と一致する平面でとった電気アクチュエータの部分断面を示す。
【図2】 図1の平面AAで示されるウォームシャフトスラスト軸受アセンブリを通る部分断面図である。
【図3】 図2と同じく平面AAの図であるが、弾性ポリマー部材の代替的配置例を示す。
【図4】 弾性ポリマー部材が別個の薄いプレートに取付けられたスラスト軸受アセンブリの部分を通る代替的断面を示す。
【図5】 出力シャフトにより発生される軸方向の力の測定であるこの発明の代替的実施例を明らかにする、アクチュエータの出力シャフトを通る断面図を示す。
【図6】 個別の弾性ポリマー部材が単一の環形弾性ポリマー部材で置換えられた図5の代替的断面図BBを示す。
【図7】 ポリマーブロックが力の作用下で歪む態様を示す。この図は、ポリマーブロックの圧縮係数を決定するために必要な特別な式の説明を助けるため必要とされる。
【図8】 単一方向のスラストのみを測定するため、シャフトの端部にスラストセンサが位置づけられるセンサ配置例を示す。
【図9】 単一方向のスラストのみを測定するため、シャフトの端部にスラストセンサが位置づけられるセンサ配置例を示す。
【図10】 図1に示すスラストセンサの簡略化されたものを示す。
【図11】 図1に示すようなアクチュエータのさらなる実施例および変更例を示し、環形弾性パッドは、すべての周辺端縁が拘束されるような態様で装着される。
【図12】 パッドの周囲が拘束されていないアセンブリの使用とパッドが拘束されているアセンブリの使用とを比較する、比較テストの結果のグラフである。

Claims (16)

  1. アクチュエータシャフトに原動力が印加されるタイプのアクチュエータとともに使用するために適したスラストセンサアセンブリであって、前記スラストセンサアセンブリは、第1の圧縮プレート手段と第2の圧縮プレート手段とを含み、前記第1および第2圧縮プレート手段の少なくとも一方は、シャフトとともに軸方向に運動するよう前記シャフトの上にあるかまたは直接的または間接的に前記シャフトと係合するよう適合され、前記第2の圧縮プレート手段は、少なくとも1つの弾性的に圧縮可能な実質的にエラストマのパッドを介装して前記第1の圧縮プレート手段と対向するよう配置され、圧力トランスデューサが前記第1および前記第2の圧縮プレート手段の一方上に装着され、前記パッド前記第1および第2圧縮プレート手段の少なくとも一方と接触する接触領域を備える接触面を有し、前記第1および前記第2の圧縮プレート手段のうち前記圧力トランデューサを装着した前記一方に前記接触面は面し、前記第2の圧縮プレート手段へ向かう前記第1の圧縮プレート手段の運動が、前記第1の圧縮プレート手段と第2の圧縮プレート手段との間の前記エラストマのパッドを押し、前記エラストマのパッドの一部の接触面が前記圧力トランデューサを押し、前記圧力トランデューサを押すことによってアクチュエータシャフトのスラストに対応する信号を圧力トランスデューサから誘導するように前記センサアセンブリは配置され、前記第1および前記第2の圧縮プレート手段のうち前記圧力トランデューサを装着した前記一方に面する圧縮可能な前記パッドの表面の前記接触面の全面積は、前記圧力トランスデューサに伝達されるスラストの割合を変えるように、選択的に変えることができ、前記接触面の全面積は、前記パッドを、より大きなまたはより小さなパッドと交換することで、または実質的に同一のパッドの数をより多数またはより少数使用することで、選択的に変えることができ、したがって、前記圧力トランスデューサに印加される圧力を前記圧力トランスデューサの動作範囲内に維持しつつ広い範囲のアクチュエータのスラストに対処し得るよう、前記スラストセンサアセンブリは適合される、スラストセンサアセンブリ。
  2. 前記弾性的に圧縮可能なパッドは重ね合わされた構造であり、前記重ね合わされた構造は1対の弾性的に圧縮可能な層を含み、前記1対の層は、前記1対の層の弾性係数よりも大きな弾性係数を有する層を間に挟んでいる、請求項1に記載のスラストセンサアセンブリ。
  3. 前記パッドは、第1または第2の圧縮プレート手段上に固定して装着される、請求項1または2に記載のスラストセンサアセンブリ。
  4. 前記パッドは、剛性の中間部材上に装着され、スラストは第1の圧縮プレート手段から中間部材を介して前記パッドへ伝達される、請求項1から3のいずれかに記載のスラストセンサアセンブリ。
  5. 部が圧縮プレート手段に設けられ、前記凹部は、前記エラストマのパッドそれぞれを完全に収納し前記パッドの周囲を完全に拘束するようにされ、それによって、前記パッドすべてが完全に周囲を拘束される、請求項1から4のいずれかに記載のスラストセンサアセンブリ。
  6. 前記凹部を有する前記第1および第2の圧縮プレート手段の一方または中間部材に対向しかつ対向する前記第1および第2の圧縮プレート手段の前記一方または前記中間部材を押す圧縮プレート手段または中間部材は、前記パッドを押すように、前記凹部へ突出するよう構成される、請求項5に記載のスラストセンサアセンブリ。
  7. 圧縮不可能なインサートが、前記パッド上に載置されかつ前記パッドへ均等に圧縮力を伝達するよう、前記凹部内に設けられる、請求項5に記載のスラストセンサ。
  8. 第2の圧縮プレート手段は、シャフトが軸方向に沿った一の方向へ運動するときシャフトの前記一の方向の力を前記シャフトから受け、前記第1の圧縮プレート手段は、シャフトが前記一の方向へ運動するとき、前記一の方向への運動を抑制された状態で、前記パッドを介して前記一の方向の力を前記第2圧縮プレート手段から受け、それによって、前記一の方向におけるスラストが感知され得る、請求項1から7のいずれかに記載のスラストセンサアセンブリ。
  9. 前記圧力トランスデューサは、前記圧力トランスデューサの圧力感知面が、前記圧力トランスデューサが中に装着される前記圧縮プレート手段の面と同一平面上に来る状態で前記第1および第2の圧縮プレート手段の一方の中に組入れられる、請求項1から8のいずれかに記載のスラストセンサアセンブリ。
  10. 前記圧縮プレート手段の1つまたは各々は、円形および/または環形である請求項1から9のいずれかに記載のスラストセンサアセンブリ。
  11. 前記弾性的に圧縮可能なパッドの1つまたは各々は円形および/または環形である、請求項1から10のいずれかに記載のスラストセンサアセンブリ。
  12. 2つの前記弾性的に圧縮可能なパッドが設けられ、前記パッドはアクチュエータシャフトのまわりに互いに正反対に対向するよう位置付けられる、請求項1から11のいずれかに記載のスラストセンサアセンブリ。
  13. 前記センサアセンブリは、ウォームおよびウォーム歯車タイプのアクチュエータギヤケースのウォームシャフト上に装着され、それによってウォームシャフト上の軸方向の力が測定されるように配置され、前記力はウォーム歯車のピッチ円半径で乗算され、ウォーム歯車により前記アクチュエータギヤケースの出力シャフトへ伝達されているトルクの値を得る、請求項1から12のいずれかに記載のスラストセンサアセンブリ。
  14. アクチュエータシャフトに原動力が印加されるタイプのアクチュエータとともに使用するために適したスラストセンサアセンブリであって、前記スラストセンサアセンブリは、第1の圧縮プレート手段と第2の圧縮プレート手段とを含み、圧縮プレート手段の少なくとも一方は、シャフトとともに軸方向に運動するよう直接的または間接的に前記シャフトの上にあるかまたは前記シャフトと係合するよう適合され、第2の圧縮プレート手段は、少なくとも1つの弾性的に圧縮可能な実質的にエラストマのパッドを介装して第1の圧縮プレート手段と対向するよう配置され、圧力トランスデューサが圧縮プレート手段の一方上に装着され、それによって第2の圧縮プレート手段へ向かう第1の圧縮プレート手段の運動が2つの圧縮プレート手段間のエラストマのパッド(複数のパッド)を圧力トランスデューサに向けて圧縮し、それによってアクチュエータシャフトのスラストに対応する信号を圧力トランスデューサから誘導し、1つまたは2つ以上の凹部が、圧縮プレート手段の一方の中に設けられるかまたは、圧縮プレート手段間に剛性の中間部材が設けられる場合は、中間部材内に任意に設けられ、凹部または各凹部は、前記エラストマのパッドそれぞれを収納し、使用中のパッドの周囲を拘束し、それによってパッドまたは複数のパッドすべてがそのように拘束される、請求項1から13のいずれかに記載のスラストセンサアセンブリ。
  15. 請求項1から14のいずれかに記載のスラストセンサアセンブリを組入れたアクチュエータ。
  16. 2つ以上のパッドがあり、接触領域は、2つ以上のパッド全ての接触面の組み合わされた領域を含む、請求項1から15のいずれかに記載のスラストセンサアセンブリ。
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