JP4176555B2 - 咬合器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、顎の交合運動を再現して義歯等の補綴物の製作に供する咬合器に係る技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
現在、普及している咬合器としては、生体の下顎側にある顆頭(下顎頭)に相当する顆頭球と生体の上顎側にある関節窩に相当する顆路指導部とからなるカム構造で咬合運動を再現するアルコンタイプがある。
【0003】
アルコンタイプの咬合器では、側方への咬合運動の際に作業側の顆頭が側外方へ相対的に小さく移動し平衡側(非作業側)の顆頭が内下前方へ相対的に大きく移動する動きについて、作業側の顆頭の動きである「ベネット運動」を正確に再現するのが困難であるという不具合がある。このため、アルコンタイプの咬合器について、「ベネット運動」を正確に再現する技術の開発が切望されている。
【0004】
従来、「ベネット運動」の正確な再現を指向したアルコンタイプの咬合器としては、例えば、以下に記載のものが知られている。
【特許文献1】
特許第2866084号公報
特許文献1には、前述のカム構造(第1のカム構造)に加えて第2のカム構造(ベネットリフト機構)を備え、側方への咬合運動の際に第1のカム構造を構成している作業側の顆頭球を顆路指導部(コンダイルボックス)から離間(乖離)させ第2のカム構造で作業側の移動が誘導されるように構成された咬合器が記載されている。
【特許文献2】
特開2002−35014号公報。
特許文献2には、特許文献1の第2のカム構造が第1のカム構造の顆頭球,顆路指導部(コンダイルボックス)に近似した構造に構成され、第1のカム構造と第2のカム構造とが同一軸線上に配置された咬合器が記載されている。
【0005】
特許文献1,特許文献2に係る咬合器は、作業側の移動の誘導を第1のカム構造から第2のカム構造に切換えることで「ベネット運動」を正確に再現するものである。
【0006】
図12〜図15には、特許文献2に係る咬合器が詳細に示されている。
【0007】
この咬合器は、上顎模型がセットされる上顎フレーム1と、下顎模型がセットされる下顎フレーム2と、上顎フレーム1,下顎フレーム2を連結する第1のカム構造3,第2のカム構造4とを備えている。第1のカム構造3は、移動方向(上下,左右,前後)をそれぞれ規制する3枚の規制板311,312,313が角度調整可能に組付けられて上顎フレーム1に支持された左右1対の第1のコンダイルボックス31(図11参照)と、球体形に形成され下顎フレーム2に支持された左右1対の第1の顆頭球32とからなる。第2のカム構造4は、移動方向(上下)を規制する規制板411が支持片412を介して角度調整可能に組付けられて上顎フレーム1に支持された左右1対第2のコンダイルボックス41(図12参照)と、球体形に形成され下顎フレーム2に支持された左右1対第2の顆頭球42とからなる。第1のカム構造3の第1の顆頭球32と第2のカム構造4の第2の顆頭球42とは、同一軸線A上に配置されている。なお、上顎フレーム1は、バネ材からなる軸固定機構5で弾圧されて、下顎フレーム2に離脱することなく回動可能に支持されている。
【0008】
この咬合器では、図15に示すように、例えば、平衡側で第1のカム構造3の第1の顆頭球32が第1のコンダイルボックス31の規制板311,312で上下,左右の移動を規制されて移動すると、作業側の第1のカム3の第1の顆頭球32が第1のコンダイルボックス31から離れて規制を受けなくなるとともに、第2のカム構造4の第2の顆頭球42が第2のコンダイルボックス41の規制板411で上下の移動を規制されて移動することになる。この結果、作業側の顆頭が側外方へ相対的に小さく移動し(図15(B)参照)、平衡側の顆頭が内下前方へ相対的に大きく移動する(図15(A)参照)。この結果、前述の「ベネット運動」が正確に再現されることになる。なお、図15では、上下の移動を規制する規制板311,411のみが図示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1,特許文献2に係る咬合器では、2つのカム構造を備えるために、全体構造が複雑化,大型化してしまうという問題点がある。また、2つのカム構造を別個に配置するため、個体差に対応して調整を行うとカム構造間の連係精度が損なわれることがあるという問題点がある。
【0010】
本発明は、このような問題点を考慮してなされたもので、全体構造が簡素,小形でカム構造間の連係精度を損なうことなく個体差に対応した調整が可能な咬合器を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前述の課題を解決するため、本発明に係る咬合器は、次のような手段を採用する。
【0012】
即ち、本発明に係る咬合器は、上顎模型がセットされる上顎フレームと、下顎模型がセットされる下顎フレームと、上顎フレーム,下顎フレームを連結する第1のカム構造,第2のカム構造とを備え、第2のカム構造が側方への咬合運動の際に作業側の移動を誘導する咬合器において、第1のカム構造は移動方向をそれぞれ規制する複数枚の規制板が角度調整可能に組付けられて上顎フレーム1に支持された第1のコンダイルボックスと球体形に形成され下顎フレームに支持された第1の顆頭球とからなり、第2のカム構造は上下の移動方向を規制する規制板が角度調整可能に上顎フレームに支持された第2のコンダイルボックスと球体形に形成され下顎フレームに支持された第2の顆頭球とからなり、第1のカム構造の第1の顆頭球と第2のカム構造の第2の顆頭球とは共通化され、第2のカム構造の第2のコンダイルボックスは第1のカム構造の第1のコンダイルボックスに規制板の一部が共通化されて組込まれていることを特徴とする。
【0013】
この手段では、第1のカム構造,第2のカム構造の一部が共通化されることで、第1のカム構造,第2のカム構造の一体化が指向される。
【0015】
この手段では、第1のカム構造,第2のカム構造が共通の顆頭球に対して機能する。
【0016】
また、咬合器において、第2のカム構造の第2のコンダイルボックスの上下の移動を規制する規制板は円弧面を介して第1のカム構造の第1のコンダイルボックスの前後の移動を規制する規制板に連続されていることを特徴とする。
【0017】
この手段では、第1のカム構造の第1のコンダイルボックスの一部と第2のカム構造の第2のコンダイルボックスの一部とが顆頭球との衝突を回避する円弧面を介して連続される。
【0018】
また、咬合器において、第2のカム構造の第2のコンダイルボックスの上下の移動を規制する規制板は第1のカム構造の上下の移動を規制する規制板に支持されていることを特徴とする。
【0019】
この手段では、第1のカム構造の上下の移動を規制する規制板の一部が第2のカム構造の第2のコンダイルボックスの上下の移動を規制する規制板になる格好となる。
【0020】
また、咬合器において、第1のカム構造の第1のコンダイルボックスの前後の移動方向を誘導する規制板は前後の移動方向から退避可能であることを特徴とする。
【0021】
この手段によると、第1のカム構造の第1のコンダイルボックスの前後の移動方向を誘導する規制板の退避で第1の顆頭球の真後ろへの後退域が形成される。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る咬合器の実施の形態を図1〜図12に基づいて説明する。
【0023】
図1〜図6は、本発明に係る咬合器の実施の形態(1)を示すものである。
【0024】
この実施の形態では、特許文献2に係る咬合器の上顎フレーム1,下顎フレーム2等からなる基本構造に適用されるものを示してある。
【0025】
この実施の形態は、上顎フレーム1に固定された円柱形の軸受部6にコンダイル部材7,支持部材8を介して第1のカム構造3,第2のカム構造4の一部を支持している。
【0026】
コンダイル部材7は、軸受部6の端面に当接する円弧形の基部片71と基部片71から屈曲された変形の長方形の突出片72とでL字形に形成されている。基部片71には、軸受部6に回動可能(角度調整可能)に嵌合支持するための円柱形の軸部711が取付けられている。突出片72には、支持部材8を回動可能(角度調整可能)に支持するためのピン10が挿通されるピン孔721と、回動する支持部材8に取付けられたネジピン20の移動を可能にする円弧溝722とが貫通して設けられている。
【0027】
支持部材8は、長方形の基部片81と基部片81から屈曲された細長形の突出片82とでL字形に形成されている。基部片81には、第1のカム構造3のコンダイルボックス31を構成する規制板311,312,313を回動可能(角度調整可能)に支持するためのピン30が挿通されるピン孔811と、第1のカム構造3のコンダイルボックス31の回動する規制板311,312,313に取付けられたネジピン40,50の移動を可能にする2つの円弧溝812,813とが貫通して設けられている。ネジピン50の移動を可能にする円弧溝813は、前述の軸線Aに到達するように90度以上の角度で延びている。また、基部片81の1つの円弧溝813の周りと端面とには、第1のカム構造3のコンダイルボックス31の規制板311,312,313の調整角度を数値的に目視可能にする目盛814,815が刻設されている。突出片82には、前述のピン10が挿通されるピン孔821が貫通して設けられるとともに、前述のネジピン20が取付けられている。
【0028】
この支持部材8は、前述のピン10によってコンダイル部材7の突出片72に回動可能に支持され、コンダイル部材7の突出片72の円弧溝722に侵入したネジピン20にワッシャ60,ネジナット70を螺合させて締付けることにより固定される。支持部材8の回動点と固定点とが別個に構成されていることは、支持部材6の角度調整を容易に微小に実施することを可能にする。
【0029】
この実施の形態の第1のカム構造3は、前述のように、コンダイルボックス31として上下,左右,前後の移動を規制する3枚の規制板311,312,313が備えられる。上下の移動を規制する規制板311は、左右の移動を規制する規制板312とL字形に一体化され、段差部311aを介して低い面に前後の移動を規制する規制板313が積層される。上下の移動を規制する規制板311には、段差部311aを介した高い面に前述のネジピン40が取付けられ、段差部311aを介した低い面に前述のピン30が挿通されるピン穴311bが非貫通で設けられている。前後の移動を規制する規制板313は、下端面313aが円弧面に形成され、下端面313aの中心に第2のカム構造4を回動可能に(角度調整可能)に支持するためのピン80が挿通されるピン孔313bが貫通して設けられ、上部にT字形になるように支持片313cが設けられている。規制板313の支持片313cには、前述のネジピン50が取付けられるとともに、前述のピン30が挿通されるピン穴313dが貫通して設けられている。
【0030】
この第1のカム構造3のコンダイルボックス31は、前述のピン30によって支持部材8の基部片81に回動可能に支持され、支持部材8の基部片81の円弧溝812に侵入したネジピン40にワッシャ90,ネジナット100を螺合させて締付けることにより規制板311,312が固定され、支持部材8の基部片81の円弧溝813に侵入したネジピン50にネジナット200を螺合させて締付けることにより規制板313が固定される。第1のカム構造3のコンダイルボックス31の回動点と固定点とが別個に構成されていることは、第1のカム構造3のコンダイルボックス31の規制板311,312,313の角度調整を容易に微小に実施することを可能にする。なお、前述のピン30,ネジピン50には、支持部材8の基部片81上で目盛814を指示する指針板300が積層される。
【0031】
さらに、この実施の形態の第1のカム構造3は、前述のように、顆頭球32が備えられる。
【0032】
この実施の形態の第2のカム構造4は、コンダイルボックス41として上下,移動を規制する規制板411が備えられる。規制板411は、円弧面413を介して支持片412に連続されるとともに、第1のカム構造3のコンダイルボックス31の規制板313を挟込むことができるように裏当片414が設けられてコ字形に形成されている。裏当片414には、前述のピン80が挿通されるピン孔415が貫通して設けられている。支持片412の裏当片414に対面する面には、前述のピン80が挿通されるピン穴416が非貫通で設けられている。裏当片414,支持片412の間には、第1のカム構造3のコンダイルボックス31の規制板313の端面313aに突当てられる突当ネジ400が螺合されるネジ孔417が設けられている。
【0033】
この実施の形態の第2のカム構造4のコンダイルボックス41は、前述のピン80によって第1のカム構造3のコンダイルボックス31の規制板313に回動可能に支持され、突当ネジ400をネジ孔417に螺合させて第1のカム構造3のコンダイルボックス31の規制板313の端面313aに突当てることで固定される。
【0034】
さらに、この実施の形態の第2のカム構造4は、顆頭球42が省略されている。即ち、第2のカム構造4の顆頭球42は、第1のカム構造3の顆頭球32と共通化されている。
【0035】
この実施の形態によると、図3に示すように、第2のカム構造4のコンダイルボックス41の支持片412が第1のカム構造3のコンダイルボックス31の前後の移動を規制する規制板313を機能的に代替えしている。即ち、第1のカム構造3のコンダイルボックス31の前後の移動を規制する規制板313が第2のカム構造4のコンダイルボックス41の取付部材にすぎなくなっている。従って、第1のカム構造3の顆頭球32を共通部材として、第1のカム構造3,第2のカム構造4の一体化が構成されている。このため、全体構造を簡素,小型にすることができる。また、第1のカム構造3,第2のカム構造4の一体化は、2つのカム構造3,4の配置を近接させることになって、カム構造3,4を個体差に対応して調整してもカム構造3,4間の連係精度を損なうことがない。
【0036】
なお、第2のカム構造4のコンダイルボックス41の上下の移動を規制する規制板411は、図5に示すように、角度調整によって作業側で第1のカム構造3の顆頭球32を第1のカム構造3のコンダイルボックス31の上下の移動を規制する規制板311から離間させて、側方への移動を誘導する。従って、特許文献1,2に開示される移動の誘導の切換えが支障なく確保される。
【0037】
第2のカム構造4のコンダイルボックス41の上下の移動を規制する規制板411の角度調整では、前述のピン30,80の軸線B,Cが第1のカム構造3の顆頭球32の中心を通るように構成することで、円弧面413の第1のカム構造3の顆頭球32との無用の衝突を回避する。
【0038】
また、図6に示すように、支持部材8の基部片81の円弧溝813でネジピン50をの軸線Aに到達する位置にまで移動させることで、第1のカム構造3の第1のコンダイルボックス31の後方側に位置する規制板313を側方側に退避させることができる。この結果、第1のカム構造3の第1の顆頭球32を後退させることができるようになる。
【0039】
図7〜図10は、本発明に係る咬合器の実施の形態(2)を示すものである。
【0040】
この実施の形態では、前述の実施の形態(1)の第2のカム構造4のコンダイルボックス41を第1のカム構造3のコンダイルボックス31の上下の移動を規制する規制板311に支持している。なお、この実施の形態でも、第2のカム構造4の顆頭球42が省略されている。
【0041】
この実施の形態のコンダイルボックス41は、上下方向を規制する規制板411のみからなる。即ち、支持片412が第1のカム構造3のコンダイルボックス31の前後の移動を規制する規制板313に構造的に代替えされ省略されている。規制板411は、断面円弧柱形に形成されて、第1のカム構造3のコンダイルボックス31の上下の移動を規制する規制板311に設けられた円弧形の収容溝311cに収容されている。規制板411には、ネジピン500が設けられ、第1のカム構造3のコンダイルボックス31の上下の移動を規制する規制板311に設けられた円弧形の収容溝311cに貫通されたスリット311dを通過してネジナット600で固定されるように構成されている。
【0042】
この実施の形態によると、前述の実施の形態(1)と同様に一部の部材が共通化,代替えされて、第1のカム構造3,第2のカム構造4の一体化が構成されている。このため、全体構造を簡素,小型にすることができる。また、第1のカム構造3,第2のカム構造4の一体化は、2つのカム構造3,4の配置を近接させることになって、カム構造3,4を個体差に対応して調整してもカム構造3,4間の連係精度を損なうことはない。
【0043】
なお、第2のカム構造4のコンダイルボックス41の上下の移動を規制する規制板411は、図10に示すように、角度調整によって作業側で第1のカム構造3の顆頭球32を第1のカム構造3のコンダイルボックス31の上下の移動を規制する規制板311から離間させて、側方への移動を誘導する。従って、特許文献1,2に開示される移動の誘導の切換えが支障なく確保される。
【0044】
第2のカム構造4のコンダイルボックス41の上下の移動を規制する規制板411の角度調整では、前述のピン30の軸線Bと前述の収容溝311cの円弧の中心軸線Dとが第1のカム構造3の顆頭球32の中心を通るように構成することで、平板な規制板411が第1のカム構造3の顆頭球32と無用に衝突するのを回避することができる。
【0045】
さらに、この実施の形態によると、第1のカム構造3のコンダイルボックス31の前後の移動を規制する規制板313の周囲が簡素化されるため、前述の実施の形態(1)よりもさらに全体構造が簡素,小形になる。
【0046】
なお、この実施の形態では、ネジナット600の入会いスペースを確保するために、第1のカム構造3のコンダイルボックス31の上下の移動を規制する規制板311と支持部材8の基部片81との間にスペーサ700を介装している。このスペーサ700については、規制板311に段差を形成することで省略することができる。
【0047】
図11は、本発明に係る咬合器の実施の形態(3)を示すものである。
【0048】
この実施の形態では、前述の実施の形態(1)の支持部材8をコンダイル部材7に回動可能に支持しているピン10をネジ孔付きのピン800としてある。そして、ピン800にネジ棒900を螺合挿通してある。
【0049】
この実施の形態によると、ネジ棒900を回動させて第1のカム構造3の第1の顆頭球32に対して進退させることで、第1のカム構造3の第1の顆頭球32の後退量Sを調節することができる。
【0050】
なお、この実施の形態については、前述の実施の形態(2)への適用も可能である。
【0051】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る咬合器は、第1のカム構造,第2のカム構造の一部が共通化され、第1のカム構造,第2のカム構造の一体化が指向されるため、全体構造がコンパクト化されて簡素,小形になる効果がある。
【0052】
さらに、第1のカム構造,第2のカム構造の一部が共通化され、第1のカム構造,第2のカム構造の一体化が指向されるため、2つのカム構造の配置が近接されてカム構造間の連係精度を損なうことなく個体差に対応した調整が可能になる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る咬合器の実施の形態(1)を示す要部の分解状態の斜視図である。
【図2】 図1の組立状態図である。
【図3】 図2の一部の拡大縦断面図である。
【図4】 図3の縦断面図である。
【図5】 図2の動作を示す要部の拡大正面図である。
【図6】 図2の動作図である。
【図7】 本発明に係る咬合器の実施の形態(2)を示す要部の分解状態の斜視図であるである。
【図8】 図7の組立状態図である。
【図9】 図8の一部の拡大縦断面図である。
【図10】 図9の動作図である。
【図11】 本発明に係る咬合器の実施の形態(3)を示す要部の断面図である。
【図12】 従来例を示す斜視図である。
【図13】 図12の要部の拡大分解斜視図である。
【図14】 図12の他の要部の拡大分解斜視図である。
【図15】 図13,図14の動作を示す簡略図であり、(A)に平衡側が示され(B)に作動側が示されている。
【符号の説明】
1 上顎フレーム
2 下顎フレーム
3 第1のカム構造
31 第1のコンダイルボックス
311,312,313 規制板
32 顆頭球
4 第2のカム構造
41 第2のコンダイルボックス
411 規制板
412 支持片
413 円弧面
Claims (4)
- 上顎模型がセットされる上顎フレームと、下顎模型がセットされる下顎フレームと、上顎フレーム,下顎フレームを連結する第1のカム構造,第2のカム構造とを備え、第2のカム構造が側方への咬合運動の際に作業側の移動を誘導する咬合器において、第1のカム構造は移動方向をそれぞれ規制する複数枚の規制板が角度調整可能に組付けられて上顎フレーム1に支持された第1のコンダイルボックスと球体形に形成され下顎フレームに支持された第1の顆頭球とからなり、第2のカム構造は上下の移動方向を規制する規制板が角度調整可能に上顎フレームに支持された第2のコンダイルボックスと球体形に形成され下顎フレームに支持された第2の顆頭球とからなり、第1のカム構造の第1の顆頭球と第2のカム構造の第2の顆頭球とは共通化され、第2のカム構造の第2のコンダイルボックスは第1のカム構造の第1のコンダイルボックスに規制板の一部が共通化されて組込まれていることを特徴とする咬合器。
- 請求項1の咬合器において、第2のカム構造の第2のコンダイルボックスの上下の移動を規制する規制板は円弧面を介して第1のカム構造の第1のコンダイルボックスの前後の移動を規制する規制板に連続されていることを特徴とする咬合器。
- 請求項1の咬合器において、第2のカム構造の第2のコンダイルボックスの上下の移動を規制する規制板は第1のカム構造の上下の移動を規制する規制板に支持されていることを特徴とする咬合器。
- 請求項1〜3のいずれかの咬合器において、第1のカム構造の第1のコンダイルボックスの前後の移動方向を誘導する規制板は前後の移動方向から退避可能であることを特徴とする咬合器。
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