JP4176199B2 - エンジンの制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃焼直後の燃焼室にイオン電流を発生させ、このイオン電流を検出することで点火限界、リーンバーン運転時のリーン限界空燃比を検出するエンジンの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車などの車両に搭載されているエンジンの燃焼状態を、点火放電直後の点火プラグの両極に電位を与え、燃焼で発生するイオン電流を計測し、その計測値に基づいて評価する技術が種々提案されている。このイオン電流は燃焼状態との因果関係が強く、電流値を解析することで、失火のみならず、ノッキング発生の有無を検出することが可能であるばかりでなく、実際の空燃比をも計測することが可能である。
【0003】
例えば特開平5−149230号公報には、ノッキングが発生していないときのイオン電流は、燃焼直後、早期に減衰する点に着目し、点火から所定時間経過後、或いは所定クランク角後のイオン電流を検出し、このイオン電流が所定レベル以上のときにはノッキング有りと判定する技術が開示されている。
【0004】
又、例えば、特開平5−222989号公報には、イオン電流と空燃比との間に一定の相関が存在する点に着目し、測定したイオン電流に基づき実際の空燃比を算出し、この空燃比と目標空燃比とに差があるときは、実際の空燃比が目標空燃比に収束するように燃料噴射量を補正することで、適正なリーン限界空燃比制御を可能にする技術が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、エンジンの運転状態を安定させるには、空燃比と点火時期との双方を適正に制御する必要がある。又、イオン電流の検出感度はバイアス電圧を低くするほど良好になるが、バイアス電圧を低くするとイオン量が減少する傾向にあることが知られている。
【0006】
ノッキング発生の有無をイオン電流に基づいて検出するには、イオン量の変化を緻密に計測しなければならず、検出範囲をある程度狭く設定する必要があるため、バイアス電圧を低めに設定して検出感度を向上させる必要がある。
【0007】
一方、リーンバーン運転時のリーン限界空燃比をイオン電流に基づいて検出する場合、リーン空燃比の状態ではイオン電流が流れ難く、検出量が少ないため、バイアス電圧をかなり高く設定しなければ、リーン限界空燃比を精度良く計測することは困難である。
【0008】
このように、イオン電流に基づいて検出するノッキング発生の有無と、リーン限界とは、検出用のバイアス電圧が著しく相違しているため双方を同時に検出することが困難であり、従来は何れか一方のみの検出を余儀なくされていた。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑み、燃焼直後に発生するイオン電流に基づき点火時期とリーン限界空燃比との双方を高精度で制御することのできるエンジンの制御装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明による第1のエンジンの制御装置は、燃焼室に設けた点火プラグと、前記点火プラグの両極に与えるバイアス電圧に基づいて、前記燃焼室に発生するイオン電流を検出するイオン電流検出手段とを備えるエンジンの制御装置において、前記イオン電流検出手段で検出したイオン電流に基づいて空燃比がリーン限界空燃比に達しているかを判定するリーン限界判定手段と、前記イオン電流検出手段で検出したイオン電流に基づいて燃焼状態がノッキング限界に達しているかを判定するノッキング判定手段と、前記バイアス電圧を空燃比がリーン方向へ移動するに従い高くするように制御する印加電圧制御手段と、運転領域が高負荷領域と低負荷領域との何れであるかを判定する運転領域判定手段とを有し、前記印加電圧制御手段は、前記運転領域判定手段により前記高負荷領域と判定された場合、前記バイアス電圧を低く設定して前記イオン電流検出手段で検出したイオン電流を前記ノッキング判定手段によるノッキング判定に用い、又前記運転領域判定手段により前記低負荷領域と判定された場合、前記バイアス電圧を高く設定し、前記イオン電流検出手段で検出されたイオン電流を前記リーン限界判定手段によるリーン限界判定に用いることを特徴とする。
【0011】
第2のエンジンの制御装置は、第1のエンジンの制御装置において、空燃比制御手段と点火時期制御手段とを備え、前記空燃比制御手段は、前記運転領域判定手段により前記低負荷領域と判定された場合、前記イオン電流が失火直前の空燃比に対応する値に設定されるリーン限界判定値以下となったとき空燃比をリッチ補正し、前記点火時期制御手段は、前記運転領域判定手段により前記高負荷領域と判定された場合、前記イオン電流がノッキング発生とイオン電流との関係に基づきノッキング限界到達直前の値に設定されるノッキング判定値を越えたときは点火時期を遅角補正することを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の一実施の形態を説明する。図1の符号1は、燃料噴射制御、点火時期制御等、エンジンの運転状態を制御する電子制御装置(ECU)で、このECU1の入力側にエンジン回転数検出手段2、スロットル開度検出手段3、吸入空気量検出手段4等、エンジンの運転状態を検出する各種検出手段が接続されている。又、ECU1の出力側にインジェクタ5、点火回路6を構成するパワートランジスタ9のベース等、エンジン運転状態を制御するアクチュエータ類が接続されている。
【0017】
尚、本実施の形態で採用するエンジンは、リーンバーンエンジンであり、低負荷或いは中負荷領域ではリーン空燃比による運転(リーンバーン運転)を行い、高負荷領域では、理論空燃比による運転(ストイキオ運転)或いはリッチ空燃比による運転(パワー運転)を行う。そして、リーンバーン運転時は失火限界に達するまで空燃比をリーン化させるリーン限界空燃比制御を行い、又ストイキオ運転或いはパワー運転時は、MBT(最大トルクを得る最小点火進角)制御を行う。
【0018】
点火回路6に設けた点火コイル7の一次巻線7aの高圧側に、該一次巻線7aに一次電流を供給するバッテリ8が接続され、低圧側に一次電流を通電遮断可能なエミッタ接地のパワートランジスタ9が接続されている。
【0019】
又、点火コイル7の二次巻線7bの高圧側が接地され、低圧側に、二次巻線7bへの逆方向電流を阻止する高電圧ダイオード10を介して、正極性の火花点火を発生する点火プラグ11の正電極(いわゆる中心電極)が接続され、この点火プラグ11の負電極(いわゆる外側電極)が接地されている。
【0020】
更に、高電圧ダイオード10のカソードと点火プラグ11の正電極との間に、点火プラグ11の両極にイオン電流を検出するためのバイアス電圧Vを印加する印加電源12が、イオン電流検出抵抗13、及びイオン電流検出抵抗13への逆方向電流を阻止する高電圧ダイオード14を介して接続されている。この印加電源12は、点火プラグ11の放電が完了した後、即ち、点火直後にバイアス電圧Vを印加するように制御される。
【0021】
又、上記イオン電流検出抵抗13と高電圧ダイオード14のアノードとの間に、イオン電流検出装置15が接続されている。このイオン電流検出装置15は、イオン電流検出抵抗13の両端電圧を検出することで、バイアス電圧Vを印加した後の点火プラグ11の両極間に流れるイオン電流値Iiを検出する。
【0022】
ECU1では、イオン電流検出装置15で検出したイオン電流値Ii、エンジン回転数検出手段2で検出したエンジン回転数Ne、スロットル開度検出手段3で検出したスロットル開度θth、吸入空気量検出手段4で検出した吸入空気量Q等のエンジン運転状態を検出する各パラメータに基づき、空燃比制御、点火時期制御によりエンジンを制御する。
【0023】
図2に示すように、上記ECU1で処理される空燃比制御、点火時期制御によるエンジン運転状態を制御する機能として、運転領域判定手段21、印加電圧制御手段22、リーン限界判定手段23a、ノッキング判定手段23b、空燃比制御手段24、点火時期制御手段25等が構成されている。
【0024】
運転領域判定手段21では、運転領域に基づき、リーン限界空燃比検出処理と、ノッキング検出処理との何れを実行するかを判定する。尚、本実施の形態では、運転状態が低中負荷領域にあるときリーン限界空燃比検出処理を実行し、高負荷領域にあるときノッキング検出処理を実行する。
【0025】
即ち、運転領域が低中負荷領域にあるとき、運転状態はリーンバーン運転となり、高負荷運転へ移行するとストイキオ運転、或いはパワー運転に切り替わる。リーンバーン運転中におけるリーン限界空燃比制御の際に失火が発生したときは、燃焼が起こらないのでイオンが発生せず、イオン電流も流れない。従って、運転領域が低中負荷領域にあるときは、イオン電流値Iiに基づきリーン限界を検出することで、リーンバーン運転時の空燃比を適正に制御することが可能となる。
【0026】
一方、高負荷運転では、エンジン出力を最大限に発揮させるため、点火時期をノック限界まで進角させる制御を行う。従って、高負荷運転時には、イオン電流値Iiに基づきノッキング発生の有無を検出することで、MBT制御が可能となる。
【0027】
印加電圧制御手段22では、ノッキング検出処理を行う際の、印加電源12から点火プラグ11に対して印加するバイアス電圧Vを低電圧VLに設定し、リーン限界空燃比検出処理を行う際のバイアス電圧Vを高電圧VHに設定し、且つ、そのときのバイアス電圧Vの印加タイミングを制御する。尚、本実施の形態では、低電圧VLが50V、高電圧VHが5〜10KVに設定されている。
【0028】
即ち、イオン電流値Iiの検出感度は、バイアス電圧Vを低くするほど強くなるが、イオン量はバイアス電圧Vを高くするほど多くなることが知られている。ノッキング検出は、イオン量を綿密に計測しなければならず、高い検出感度が要求されるため、バイアス電圧Vを低電圧VLとして、検出感度の向上を図っている。
【0029】
一方、リーン空燃比の状態ではイオン電流が流れ難く、イオン量が少ないため、バイアス電圧Vを高電圧VHに設定することで、イオン量を確保しリーン限界空燃比の高精度な検出を可能とする。
【0030】
リーン限界判定手段23aでは、イオン電流検出装置15で検出したイオン電流値Iiに基づき燃焼状態を把握し、リーン限界空燃比に達しているか否かを判定する。
【0031】
ノッキング判定手段23bでは、上記イオン電流値Iiに基づきノッキングが発生する進角限界に達しているか否かを判定する。
【0032】
空燃比制御手段24では、リーン限界判定手段23aでリーン限界空燃比に達したと判定されるまで燃料噴射量Trを減量し、又、リーン限界空燃比に達したと判定されたときは燃料噴射量Trを増量するリーン限界空燃比制御を行う。
【0033】
点火時期制御手段25では、ノッキング判定手段23bでノッキングが発生する進角限界に達したと判定するまで、点火時期ADVを進角補正し、又、ノッキング限界に達したと判定されたときは、点火時期ADVを遅角補正する点火時期制御を行う。
【0034】
上記ECU1における空燃比制御、及び点火時期制御は、具体的には、図3〜図7に示すフローチャートに従って処理される。
【0035】
図3に示す運転領域別制御ルーチンは、点火直後の所定時間毎に実行され、先ず、ステップS1で、エンジン負荷の代表である基本燃料噴射量Tpとエンジン回転数Neとに基づき、図8に示す特性を有するマップを補間計算付きで参照し、運転領域が低負荷領域、中負荷領域、高負荷領域の何れにあるかを調べる。そして、低負荷領域或いは中負荷領域にあるときはステップS2へ進み、又、高負荷領域にあるときはステップS4へ進む。
【0036】
ステップS2へ進むと、印加電源12から点火プラグ11に印加するバイアス電圧Vを高電圧VH(本実施の形態では、5〜10KV)に設定し、点火プラグ11に印加する。
【0037】
次いで、ステップS3へ進み、燃料補正係数算出サブルーチンを、図4に示すフローチャートに従って実行し、ルーチンを抜ける。
【0038】
このサブルーチンでは、先ず、ステップS11で、イオン電流値Iiを読込み、続く、ステップS12で、イオン電流値Iiとリーン限界判定値I1とを比較する。
【0039】
図9に示すように、イオン電流値Iiは空燃比がリーン化するほど減少し、やがて失火限界に達すると、失火により燃焼が起こらないのでイオンが発生せずイオン電流値Iiが0となる特性がある。本実施の形態では、この特性に基づき失火限界よりもややリッチ側の空燃比に対応するイオン電流をリーン限界判定値I1として設定している。
【0040】
上記ステップS12で、Ii>I1のリーン限界空燃比に達していないと判定したときは、ステップS13へ進み、燃料補正係数Knを設定値α分減少させてルーチンを抜ける。
Kn=Kn-1−α
ここで、Kn-1は前回算出した燃料補正係数である。
【0041】
又、ステップS12で、Ii≦I1のリーン限界に達したと判定したときは、ステップS14へ分岐し、燃料補正係数Knを設定値α分増加させてルーチンを抜ける。
Kn=Kn-1+α
【0042】
一方、図3に示す運転領域別制御ルーチンのステップS1で、高負荷運転と判定されて、ステップS4へ進むと、上記バイアス電圧Vを低電圧VL(本実施の形態では、50V)に設定し、点火プラグ11に印加する。
【0043】
次いで、ステップS5へ進み、点火時期補正量算出サブルーチンを、図5に示すフローチャートに従って実行し、ルーチンを抜ける。
【0044】
このサブルーチンでは、先ず、ステップS21で、イオン電流値Iiを読込み、続くステップS22で、イオン電流値Iiとノッキング判定値I2とを比較する。図10の時間t1に示すように、ノッキングが発生していないときのイオン電流値Iiは、点火完了後早期に減衰するが、時間t2に示すように、ノッキングが発生すると振動することが知られている。これは、ノッキングによる振動の影響を受けて点火プラグ11の電極付近のイオン濃度が変動し、イオン電流値Iiに振動が発生するものと考えられる。上記ノッキング判定値I2は、ノッキング発生とイオン電流との関係に基づき、ノッキング限界到達直前の値に設定されている。
【0045】
そして、ステップS22で、Ii≦I2のノッキング無しと判定されたときはステップS24へ進み、又、Ii>I2のノッキング有りのときはステップS26へ進む。
【0046】
ステップS23へ進むと、点火時期ADVを進角補正する点火時期補正量CMPを次式から算出する。
CMP=CMP+DRT
ここで、DRTは設定値である。
【0047】
そして、ステップS24へ進み、点火時期補正量CMPと進角限界値LMAとを比較し、CMP≦LMAの進角補正に余裕のあるときは、そのままルーチンを抜ける。一方、CMP>LMAの進角限界に達しているときは、ステップS25へ進み、点火時期補正量CMPを進角限界値LMAで固定して、ルーチンを抜ける。
【0048】
又、ステップS22で、Ii>I2のノッキング有りと判定されてステップS26へ進むと、点火時期ADVを遅角補正する点火時期補正量CMPを次式から算出する。
CMP=CMP−DRT
【0049】
次いで、ステップS27で、点火時期補正量CMPと遅角限界値LMRとを比較し、CMP≧LMRの遅角補正に余裕のあるときは、そのままルーチンを抜ける。一方、CMP<LMRの遅角限界に達しているときは、ステップS28へ進み、点火時期補正量CMPを遅角限界値LMRで固定して、ルーチンを抜ける。
【0050】
燃料補正係数算出サブルーチンで算出した燃料補正係数Knは、図6に示す空燃比制御ルーチンで読込まれる。
【0051】
このルーチンは、所定周期毎に実行され、先ず、ステップS31で、燃料補正係数Knを読込み、続く、ステップS32で、冷却水温補正、加速補正等の各フィードバフォワード補正を加算した各種補正係数を読込み、この各種補正係数に上記燃料補正係数Knを加算して、最終的な各種補正係数Kmを設定する。
【0052】
そして、ステップS33で、基本燃料噴射量Tpを各種補正係数Kmで補正し、その値に、インジェクタ5の無効噴射時間Tsを加算して、インジェクタ5から実際に噴射する燃料噴射量Trを算出する。尚、基本燃料噴射量Tpは、次式から求める。
Tp=K・Q/Ne
ここで、Kはインジェクタ特性補正係数である。
【0053】
次いで、ステップS34へ進み、燃料噴射量Trに対応する燃料噴射パルス幅を噴射タイマにセットして、ルーチンを抜ける。
【0054】
そして、所定噴射タイミングで噴射タイマを起動させ、インジェクタ5から燃焼室へ燃料を噴射させる。
【0055】
燃料噴射量Trは、燃料補正係数Knによりリーン限界に達するまで減量され、リーン限界に達したとき増量されるため、失火を回避しつつ、良好なリーン限界空燃比制御を行うことができる。
【0056】
又、点火時期補正量算出サブルーチンで算出した点火時期補正量CMPは、図7に示す点火時期制御ルーチンで読込まれる。
【0057】
このルーチンは所定クランク角毎に実行され、先ず、ステップS41で点火時期補正量CMPを読込み、続く、ステップS42で、基本点火時期ADVBASEに点火時期補正量CMPを加算して、圧縮上死点(TDC)を基準とする点火時期ADVを算出する。
【0058】
尚、基本点火時期ADVBASEは、エンジン負荷の代表である基本燃料噴射量Tpとエンジン回転数Neとに基づきマップを補間計算付きで参照して、設定される。
【0059】
次いで、ステップS43で、点火基準クランク角から点火時期ADVに到達するまでの時間を点火タイマにセットし、ルーチンを抜ける。
【0060】
そして、点火基準クランク角に達したとき点火タイマを起動させ、点火信号を所定タイミングでパワートランジスタ9へ出力する。
【0061】
点火時期ADVは、点火時期補正量CMPにより、ノッキングが発生する直前の進角限界まで進角され、進角限界に達したとき遅角制御されるので、良好なMBT制御を行うことができる。
【0062】
このように、本実施の形態では、ノッキング発生の有無を判定するイオン電流値Iiは高負荷領域で検出し、リーン限界空燃比に達したか否かを判定するイオン電流値Iiは低負荷或いは中負荷領域で検出するようにしたので、イオン電流値Iiに基づきノッキング発生有無の判定と、リーン限界空燃比に達したか否かの判定とを両立することが可能となり、しかも、高負荷運転時に点火プラグ11へ印加する、イオン電流値Iiを検出するためのバイアス電圧Vは低く設定して検出感度を高め、又、低中負荷運転時に印加するバイアス電圧Vは高く設定してイオン量を確保するようにしたので、ノッキング発生の有無とリーン限界空燃比に達したか否かとを、それぞれ高精度に検出することが可能となる。
【0063】
尚、本発明は上記実施例に限るものではなく、例えば点火プラグ11に印加するバイアス電圧Vを、図11に示すように、運転領域に応じて、高電圧VH、中電圧VM、低電圧VLの3段階に設定するようにしても良く、又、空燃比に応じて可変設定するようにしても良い。この場合、図12に示すように、高負荷運転等のリッチ空燃比からリーンバーン運転時等のリーン空燃比へ移行するに従い、バイアス電圧Vを二次曲線により次第に高く設定するようにしても良い。
【0064】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、ノッキングを検出する運転領域と、リーン限界空燃比を検出する運転領域とを区分し、しかもイオン電流検出のために点火プラグの両極に与えるバイアス電圧を、ノッキング検出を行うときは低く設定して検出感度を高め、又、リーン限界空燃比検出を行うときは高く設定することでイオン量を確保するようにしたので、ノッキング検出とリーン限界検出との双方を高精度に行うことができ、点火時期制御とリーン限界空燃比制御との両立を図ることができる。
又、バイアス電圧を空燃比がリーン方向へ移行するに従い高く設定することで、検出対象に応じた良好なイオン電流特性を得ることができる。
【0065】
この場合、エンジン負荷に応じ高負荷領域ではノッキング検出を行い、低負荷或いは中負荷領域ではリーン限界空燃比検出を行うようにしたので、高負荷運転時のノッキング制御とリーンバーン運転時のリーン空燃比制御とを高精度に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】イオン検出回路を示す構成図
【図2】制御装置の機能ブロック図
【図3】運転領域別制御ルーチンを示すフローチャート
【図4】燃料補正係数算出サブルーチンを示すフローチャート
【図5】点火時期補正量算出サブルーチンを示すフローチャート
【図6】空燃比制御ルーチンを示すフローチャート
【図7】点火時期制御ルーチンを示すフローチャート
【図8】エンジン運転領域を示すマップの説明図
【図9】イオン電流値と空燃比との関係を示す特性図
【図10】点火完了後のイオン電流値の特性を示すタイムチャート
【図11】運転領域に対するバイアス電圧の設定態様を示す説明図
【図12】空燃比に対するバイアス電圧の設定態様を示す説明図
【符号の説明】
1…制御装置
11…点火プラグ
21…運転領域判定手段
22…印加電圧制御手段
23a…リーン限界判定手段
24…空燃比制御手段
25…点火時期制御手段
ADV…点火時期
Ii…イオン電流値
V…バイアス電圧
VH…高電圧
VL…低電圧
VM…中電圧
Claims (2)
- 燃焼室に設けた点火プラグと、前記点火プラグの両極に与えるバイアス電圧に基づいて、前記燃焼室に発生するイオン電流を検出するイオン電流検出手段とを備えるエンジンの制御装置において、
前記イオン電流検出手段で検出したイオン電流に基づいて空燃比がリーン限界空燃比に達しているかを判定するリーン限界判定手段と、
前記イオン電流検出手段で検出したイオン電流に基づいて燃焼状態がノッキング限界に達しているかを判定するノッキング判定手段と、
前記バイアス電圧を空燃比がリーン方向へ移動するに従い高くするように制御する印加電圧制御手段と、
運転領域が高負荷領域と低負荷領域との何れであるかを判定する運転領域判定手段とを有し、
前記印加電圧制御手段は、前記運転領域判定手段により前記高負荷領域と判定された場合、前記バイアス電圧を低く設定して前記イオン電流検出手段で検出したイオン電流を前記ノッキング判定手段によるノッキング判定に用い、又前記運転領域判定手段により前記低負荷領域と判定された場合、前記バイアス電圧を高く設定し、前記イオン電流検出手段で検出されたイオン電流を前記リーン限界判定手段によるリーン限界判定に用いる
ことを特徴とするエンジンの制御装置。 - 空燃比制御手段と点火時期制御手段とを備え、
前記空燃比制御手段は、前記運転領域判定手段により前記低負荷領域と判定された場合、前記イオン電流が失火直前の空燃比に対応する値に設定されるリーン限界判定値以下となったとき空燃比をリッチ補正し、
前記点火時期制御手段は、前記運転領域判定手段により前記高負荷領域と判定された場合、前記イオン電流がノッキング発生とイオン電流との関係に基づきノッキング限界到達直前の値に設定されるノッキング判定値を越えたときは点火時期を遅角補正する
ことを特徴とする請求項1記載のエンジンの制御装置。
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