JP4176050B2 - 口唇化粧料 - Google Patents

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本発明は口唇化粧料に関するものであり、更に詳しくは塗布時の使用感、光沢及び化粧効果の持続性に優れた口唇化粧料に関する。
従来、口唇化粧料の化粧効果持続性を高めるために種々の検討が行われている。その中で、揮発性シリコーンや揮発性炭化水素油などの揮発性油分とシリコン系樹脂などの樹脂を配合し、揮発油の揮発後に形成される樹脂皮膜によって化粧効果を持続させる方法が幅広く採用されている。しかしこの方法では、揮発油による唇の乾燥感や化粧塗膜の光沢の消失、樹脂皮膜による唇の違和感等を避けることが困難で、結果として口唇化粧料として総合的に満足できる品質を得ることはできていない。そこで本発明者らはフッ素ポリエーテル共変性シリコーン(以下、FPDと略す)を利用することによって、それらの欠点を避けつつ化粧効果の持続性を向上させる油性化粧料を提案した(特許文献1参照)。
しかしながら、FPDの利用によって化粧効果の持続性は高められたものの、口唇化粧料を塗布した際の光沢を高いレベルで実現するために最も汎用される水添ポリイソブテンなどの高粘度炭化水素油とFPDの相溶性が極めて悪いために、高粘度炭化水素油をほとんど配合することができず、結果として化粧効果の中で光沢に関しては十分満足できるレベルには達していなかった。そこで、塗布時の使用感や光沢及び化粧効果の持続性に関して同時に高いレベルで実現した口唇化粧料の開発が望まれていた。
一方、特定の多分岐型イソステアリン酸とグリセリンあるいはジグリセリンとのエステル化合物は高粘度のエステル油であり、口唇化粧料に用いられる一般的なエステル油や、特定の多分岐型でないイソステアリン酸とグリセリンあるいはジグリセリンとのエステル化合物と比較して、その配合により口唇化粧料の唇への付着性等使用感を向上させることは知られていた。しかしながら、これらをFPDとともに使用した場合の効果については全く知られていなかった。
特開平7−233026号公報
斯かる状況下、本発明の目的は、塗布時の使用感、光沢及び化粧効果の持続性に優れた口唇化粧料を提供することにある。
この目的を達成する本発明は、次の成分(A)及び(B)を含有する口唇化粧料にある。
(A)下記一般式(1)で表されるフッ素ポリエーテル共変性シリコーン。
Figure 0004176050
(但し、l、m、nは整数であって、l=0〜500、m=1〜500、n=1〜500であり、Rは同種、異種の非置換若しくは置換の炭素数1〜20のアルキル基またはアリール基であり、Rは炭素数1〜10のフッ素置換アルキル基であり、Rは−C2pO(CO)(CO)で示されるポリオキシアルキレン基であり、RはR、RまたはRのいずれかであり、Rは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基またはアセチル基であり、a、b、pは整数であって、a=0〜100、b=0〜100、a+bは1以上であり、p=2〜6である。)
(B)一般式(2)もしくは(3)で表されるエステル化合物。
Figure 0004176050
Figure 0004176050
(ただし、一般式(2)のRは以下に示される化学式(4)であり、一般式(3)の4個のRのうち3個は化学式(4)であり1個は水素原子である)
Figure 0004176050
本発明により、塗布時の使用感、光沢及び化粧効果の持続性に優れた口唇化粧料を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いる一般式(1)で示されるFPDのR基、R基、R基、R基には次のものがある。R基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基、トリル基等のアリール基が挙げられ、好ましくはメチル基が挙げられる。
基としては、トリフルオロプロピル基、ナノフルオロヘキシル基、ヘプタデカフルオロデシル基が挙げられ、好ましくはトリフルオロプロピル基である。
基としては、エチレンオキサイドのみからなるものとして、−CO(CO)H、−CO(CO)10H、−CO(CO)20H、−CO(CO)50H、−CO(CO)100H、−CO(CO)CH、−CO(CO)10、−CO(CO)20、−CO(CO)50、−CO(CO)10011、−CHCH(CH)CHO(CO)H、−CHCHCH(CH)O(CO)10CH、−CHCHC(CHO(CO)20が挙げられる。またプロピレンオキサイドのみからなるものとして、−CO(CO)H、−CO(CO)10H、−CO(CO)20H、−CO(CO)50H、−CO(CO)100H、−CO(CO)CH、−CO(CO)10、−CO(CO)20、−CO(CO)50、−CO(CO)10011、−CHCH(CH)CHO(CO)H、−CHCHCH(CH)O(CO)10CH、−CHCHC(CHO(CO)20が挙げられる。エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドの共重合体としては、−CO(CO)(CO)H、−CO(CO)20(CO)20H、−CO(CO)10(CO)20CH、−CO(CO)20(CO)10CH、−CHCH(CH)CHO(CO)50(CO)20、−CHCHCH(CH)O(CO)10(CO)100H、−CHCHC(CHO(CO)100(CO)10CHが挙げられる。ここでエチレンオキサイド単位とプロピレンオキサイド単位はブロック共重合でもランダム共重合でもかまわない。
基としては、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基等のアルキル基またはアセチル基が挙げられる。
本発明に用いるFPDの配合量は、化粧料総量を基準として、0.1〜40質量%が好適であり、発現する効果の程度と化粧料の安定性の観点から、1〜20質量%がさらに好ましい。
本発明に用いられる特定のエステル化合物としては、トリイソステアリン酸グリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリルが挙げられ、それぞれ市販品としてはサラコス3318、コスモール43N(ともに日清オイリオ社製)などが挙げられる。
これらのエステル化合物は必要に応じてそのいずれか一方もしくは両方を用いることが可能であり、このエステル化合物の配合量は、化粧料総量を基準として0.5〜70質量%が好適であり、発現する効果の程度とのびなどの使用感の観点から、3〜60質量%がさらに好ましい。
本発明の口唇化粧料には、本発明の目的を損なわない範囲で、前記の必須成分以外にパラフィン、セレシン、ポリエチレンワックス、エチレンプロピレンコポリマー、キャンデリラロウ、マイクロクリスタリンワックス等の固形油性成分、パルミチン酸デキストリン、12−ヒドロキシステアリン酸等の油性ゲル化剤、ワセリン、オレイン酸フィトステリル、ダイマージリノール酸水添ヒマシ油、ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)等のペースト油、水添ポリイソブテン、スクワラン、トリ(カプリル・カプリン)酸グリセリル、オクチルドデカノール、ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)、ヒドロキシステアリン酸オクチル、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等の液状油性成分、酸化チタン、酸化鉄などの無機着色顔料、赤色202号、黄色4号等の有機色素及びそのレーキ化物、雲母チタン、ベンガラ被覆雲母チタン、酸化チタン被覆ガラスフレーク等の光輝性着色顔料、マイカ、ナイロンパウダー、架橋型シリコーン末等の粉体成分、防腐剤、香料、抗酸化剤等を配合することができる。
本発明の口唇化粧料は、溶解、粉体分散、混合等通常の製法に従って半製品を製造した後、成型、充填などを行い得ることができる。具体的な例としては口紅、リップグロスが挙げられる。
以下、実施例及び比較例を挙げ本発明を詳説する。本発明において使用した方法及び評価項目は下記の通りである。尚、実施例及び比較例に示す%とは質量%である。
(1)均一分散性確認試験方法
成型、充填を行う前の半製品の状態のもの100gをビーカーに入れ、80〜90℃にて完全に溶解した後、攪拌を続けながら80℃の状態を5分間保つ。その後80℃に保ったまま攪拌を停止し、攪拌停止後5分以内に油性成分の分離や顔料の凝集、沈降が起こるかを目視で確認し、以下に従って評価した。
油性成分の分離、顔料の凝集、沈降なし;○
油性成分の分離、顔料の凝集、沈降あり;×
(均一分散性が×の評価だったものの使用特性評価は行わなかった)
(2)使用特性評価試験方法
女性パネラー20名の唇に、実施例、比較例を塗布してもらい、以下の項目について5点から1点までの5段階評価をしてもらった。その際比較例1についての各項目の評価を3点とし、点数が高いほうがより良い評価とした。そして20名のつけた点数の平均をその実施例もしくは比較例の点数とした。(小数点第二位を四捨五入)
塗布時の感触
塗布時の光沢
3時間経過時の化粧効果持続
<調製方法>
成分1〜14を均一に溶解混合し、成分15〜17を加え混練した後18、19を加え均一に分散し、半製品を得る。その半製品を脱気した後金型に流し込み冷却固化し容器に挿して目的の口唇化粧料(口紅)を得る。
<実施例1〜4、比較例1〜4(口紅)>
成分組成及び評価試験結果を表1に示す。
Figure 0004176050
尚、表1に記載したFPDは以下のものである。
Figure 0004176050
Figure 0004176050
Figure 0004176050
Figure 0004176050
表1に示すように、本発明の実施例1〜4のものは、各成分の均一分散性及び塗布時の使用感、光沢及び化粧効果の持続性において比較例1〜4のものより明らかに優れたものであった。
<実施例5(リップグロス)>
パルミチン酸デキストリン 5.0
ヒドロシステアリン酸オクチル 残 量
α−オレフィンオリゴマー 3.0
水添ポリイソブテン 10.0
ラウロイルグルタミン酸ジ
(フィトステリル/オクチルドデシル) 10.0
FPD;化学式(5) 3.0
(多分岐イソステアリン酸型)
トリイソステアリン酸ジグリセリル 30.0
ラウロイルリジン処理赤色201号 0.1
ラウロイルリジン処理雲母チタン 4.0
実施例5のリップグロスは塗布時の使用感及び光沢、化粧効果の持続性に優れたものであった。
以上のように本発明品は、塗布時の使用感、光沢及び化粧効果の持続性に極めて優れた口唇化粧料である。

Claims (2)

  1. 次の成分(A)及び(B)を含有する口唇化粧料。
    (A)下記一般式(1)で表されるフッ素ポリエーテル共変性シリコーン。
    Figure 0004176050
    (但し、l、m、nは整数であって、l=0〜500、m=1〜500、n=1〜500であり、Rは同種、異種の非置換若しくは置換の炭素数1〜20のアルキル基またはアリール基であり、Rは炭素数1〜10のフッ素置換アルキル基であり、Rは−C2pO(CO)(CO)で示されるポリオキシアルキレン基であり、RはR、RまたはRのいずれかであり、Rは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基またはアセチル基であり、a、b、pは整数であって、a=0〜100、b=0〜100、a+bは1以上であり、p=2〜6である。)
    (B)一般式(2)で表されるエステル化合物。
    Figure 0004176050
    (ただし、一般式(2)のRは以下に示される化学式(4)である
    Figure 0004176050
  2. 前記(A)成分の配合量が、口唇化粧料全量に対し、1〜20質量%かつ、前記(B)成分の配合量が口唇化粧料全量に対し、3〜60質量%である請求項1に記載の口唇化粧料。
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