JP4175175B2 - 超音波探傷方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は欠陥などに超音波を入射した際、透過波が歪むことを利用して検出を行う非線形超音波探傷方法に関し、特に、従来の非破壊探傷方法では検出が困難であった溶接部における微小な未溶融部など亀裂界面同士が密着し、その間に空隙を有しない欠陥を検出する方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
溶接部には溶接条件が不適切な場合、種々の原因により割れ等の欠陥が発生しやすいため、溶接後、X線検査、超音波探傷、渦流探傷などの非破壊検査が行われることが多く、種々の技術が提案されている。
【0003】
特許文献1は、溶接部を非破壊検査する際、溶接後の鋼管に扁平歪を加え、欠陥を成長させた後、超音波探傷、渦流探傷することが記載されている。
【0004】
特許文献2には、超音波探傷により得られる情報と製管の際の情報を組合せて欠陥の種類を弁別することが記載され、超音波探傷情報として斜角法、直射法、表面波法における欠陥エコー高さ、欠陥エコー継続長さ、ビーム路程の差を利用し、製管情報としてアーキング検出結果、溶接入熱の変動、使用帯鋼の材質、内面ビード監視装置の結果を利用している。
【0005】
従来の超音波探傷や渦流探傷では検出が困難な、微小亀裂を検出する技術として特許文献3がある。
【0006】
特許文献3は、非線形超音波により微小亀裂を検出する技術に関し、固体内部及び界面に存在する微視剥離などの開口量と同程度の入射振幅の超音波を入射し、入射波波形に対する透過または反射波波形のひずみ及びそれに伴う高調波振幅をデジタル的に検出し、界面の接合強度、健全性を非破壊的に評価する内部微視亀裂検出方法が記載されている。
【0007】
【特許文献1】
特開平10−153581号公報
【0008】
【特許文献2】
特開平6−11489号公報
【0009】
【特許文献3】
特開2001−305109号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上述した微小亀裂の場合、見かけ上密着しているように観察されるが亀裂界面間に僅少な空隙を有し、超音波による検出が可能とされている。しかしながら、溶接部には更に微小な欠陥として互いに押し付けられている開先部の接合面で微小領域が未溶融の状態で強く圧着されその界面間に全く空隙を有しない状態の欠陥も発生する。
【0011】
従来、このような欠陥は品質に影響を与えないものとして検査対象にされることは無かったが、溶接鋼管、特に電縫鋼管に対する品質要求の厳格化に伴い、その検出方法の確立が必要とされるようになっている。
【0012】
そこで本発明は互いに押し付けられている開先部の接合面でのこのような欠陥を精度良く検出する方法およびその装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、微小な領域の界面が強く圧着されその界面間に全く空隙を有しない微小な欠陥(以下、微小冷接性欠陥)、例えば溶接開先部の接合面における微小な領域が未溶融の状態で強く圧着されその界面間に全く空隙を有しない微小な欠陥であっても、振幅や周波数を調整した超音波に対しては不連続性を示し、入射された超音波を受信し周波数解析を行うと高次の周波数(高調波)が確認されることを見出した。
【0014】
本発明は上記知見を基に更に検討を重ねてなされたものであり、すなわち、本発明は
1.接合面へ超音波を入射し、入射波に対する透過波の波形を周波数分析して基本波と高調波を求め、前記基本波の振幅と前記高調波の振幅の比をとり、前記振幅の比より微小冷接性欠陥の有無を判定する接合部の超音波探傷方法。
2.接合面へ超音波を振幅が接合面に垂直になるように、振幅を変えて複数回入射し、各入射毎に入射波に対する透過波の波形を周波数分析して基本波と高調波の振幅比を求め、各入射毎に得られた前記振幅比を比較して微小冷接性欠陥の有無を判定する接合部の超音波探傷方法。
3.接合面へ超音波を振幅が接合面に平行になるように、周波数を変えて複数回入射し、各入射毎に入射波に対する透過波の波形を周波数分析して基本波と高調波の振幅比を求め、各入射毎に得られた前記振幅比を比較して微小冷接性欠陥の有無を判定する接合部の超音波探傷方法。
4.接合面に集束するように超音波を入射させることを特徴とする1乃至3のいずれか一つに記載の超音波探傷方法。
5.接合面に垂直方向に引張応力を付与した後、超音波を入射させることを特徴とする1乃至4のいずれか一つに記載の超音波探傷方法。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について図面を用いて詳細に説明する。
【0016】
[微小冷接性欠陥]
図1は、本発明が検出対象とする微小冷接性欠陥を説明するもので、図では溶接鋼管のシーム溶接部断面における開先突き合わせ面を微小冷接性欠陥として説明を行う。(a)は溶接後、溶接不良により開先突き合わせ面(微小冷接性欠陥に相当)が残存した状態を示す。(b)は仮想的に、突き合わせ面を解放した場合の状態を示す。
【0017】
図において1は継手を形成する左側母材、2は継手を形成する右側母材、3は左側母材の端面、4は右側母材の端面、5は溶接不良のため端面3、4が残存している開先突き合わせ面(本発明における微小冷接性欠陥)、6は仮想的に継手を解放した場合における右側母材の端面4の仮想的位置、7は仮想的に継手を解放した場合における左側母材の端面3の仮想的位置を示す。
【0018】
溶接鋼管のシーム溶接部に端面3、4からなる開先突き合わせ面5が残存すると、その前後の開先突き合わせ面(紙面に対し鉛直方向となる)が溶接されているため端面3と端面4が密着するように圧縮力が作用し、圧縮歪が生じている。
【0019】
圧縮歪を生じる範囲は開先突き合わせ面5を解放したと仮定した際、圧縮歪が解消されるように左側母材1と右側母材2が移動する範囲となる。すなわち、開先突き合わせ面5において左側母材の端面3は右側母材の端面4があるため、移動できず、突き合わせ開先5が解放されて右側母材の端面4がないと仮定すると、圧縮歪が解放される位置(仮想的位置6)まで移動する。
【0020】
右側母材の端面4も同様に圧縮歪を解放するため仮想的位置7まで移動するので、圧縮歪は仮想的位置6〜7の範囲でその周囲の母材より高くなる。このような微小冷接性欠陥は溶接部の他に、鍛接などでも観察される。
【0021】
[測定原理]
微小冷接性欠陥は上述したように微小亀裂の界面が圧着している欠陥であり、超音波により界面を移動させて、空隙や位置ずれを生じさせると入射波に対して透過波に歪みが観察されるようになる。超音波を縦波、横波とした場合の測定原理を説明する。
【0022】
1.縦波を利用する場合
図2は微小冷接性欠陥に超音波が入射された際、入力波形に対し、出力歪が生じる原理を説明する図で(a)〜(i)は超音波が入射された際に微小冷接性欠陥が動く様子を鋼管の径方向断面から観察したものを示し、超音波は微小冷接性欠陥に対し振幅が垂直方向となるように入射され、透過後受信される。説明においては入射する超音波の振幅が微小冷接性欠陥5と仮想位置6(または7)の間隔より大きいものとする。
【0023】
(a)は端面3、4が密着した微小冷接性欠陥5に超音波の入射が開始されたときの状態を示す。時間軸8と変位量軸10からなる波形図において黒点は端面3の位置を示す。
【0024】
(a)〜(e)は入射波の膨張相(引張相)の波が微小冷接性欠陥5の端面3,4を移動させる状態を示し、膨張相(引張相)の波が端面3側から入射されるため仮想位置7を超えても端面3と端面4は密着した状態で入射波の最大振幅値に相当する距離まで移動し、入射波の波形と透過波の波形はほぼ同じである。
【0025】
一方、(f)〜(i)は入射波の収縮相(圧縮相)の波により微小冷接性欠陥5の端面3,4が移動する状況を示す。収縮相(圧縮相)の波の場合、端面3は最大振幅値まで移動するが、端面4は歪が解放される仮想位置6を超えると移動しなくなり、端面3と端面4の間には空隙が生じるようになる。そのため、入射波の波形の一部が伝播せず、入射波に対し、透過波の波形が非線形を示す領域が生じる(g)。
【0026】
尚、入射する超音波の振幅が微小冷接性欠陥5と仮想位置6(または7)の間隔より小さい場合は(f)〜(i)における端面3,4は共に仮想位置6を超えないため両端面間に空隙を生ずることがなく、透過波と入射波の波形はほぼ同一で線形性を示す。
【0027】
微小冷接性欠陥の有無は透過波の波形を周波数解析して行う。図3に得られた透過波の波形を周波数解析した結果を模式的に示す。基本周波数の位置に大きなスペクトルのパワーP0が観察され、非線形性の伝播により基本周波数の高調波の位置にスペクトルのパワーP1が観察される。本図は2倍の2次高調波が生じている状態を示す。
【0028】
入射波に対する透過波の波形の非線形性は、微小冷接性欠陥がなく健全な溶接部であっても母材の介在物や組織変化などにより生じる。そのため、溶接部の健全性を評価する際は、予め健全な溶接部について基本周波数のパワーP0と基本周波数の高調波のパワーP1との比を求めておき、検査対象の溶接部における比と対比させる。
【0029】
または、入射する超音波の振幅を突き合わせ開先面から仮想位置までの距離より小さくした際に得られる基本周波数のパワーP0と基本周波数の高調波のパワーP1との比を健全部におけるものとみなして、測定結果と比較する。
2.横波を利用する場合
図4は超音波が横波の場合の測定原理を説明する図で、微小冷接性欠陥5の界面3、4が横波によって動く様子を模式的に示している。本図では横波により微小冷接性欠陥5の界面3、4がずれて動く様子を説明するため、両界面間に開口量gを設けている。尚、界面3,4の動きは図2の縦波の場合と同じ方向から観察したものとし、また、図4の(a)〜(c)で縦方向は界面3,4の移動量、横方向は時間軸とする。
【0030】
微小冷接性欠陥5に界面3側から振幅が界面3に平行になるように横波が入射されると横波の振動に同調して界面3が移動を始め、界面3との静摩擦力によって界面4が界面3に追随して移動する。
【0031】
超音波の周波数が低い場合は界面3の動きに同調して界面4も動くが、周波数が高くなるにつれて、界面4は界面3の動きに追随できなくなり透過波形には波形歪が生じるようになる。そのような場合、透過波形の周波数解析を行うと高調波が観察されるため溶接部の健全性を評価することが可能となる。
【0032】
図4(a)は入射波の周波数が低く界面3の動きに同調して界面4が移動している場合、(b)は入射波の周波数が高くなり界面3の動きに対し、界面4が追随しきれず位置ずれd1を生じている状況、(c)は更に入射波の周波数が高くなりより大きな位置ずれd2を生じている状況を示す。
【0033】
図5は図4(a),(b),(c)の各場合における微小冷接性欠陥への入射波と透過波の波形を模式的に示すもので11は入射波、12は透過波を示す。図において(a),(b),(c)が示す入射波と透過波の関係は図4の(a),(b),(c)が示す界面3,4の状態に対応する。
【0034】
微小冷接性欠陥の有無の判定は、縦波の場合に準じ、健全部における測定結果と対比したり、縦波の場合における入射波の振幅に換えて、入射波の周波数を変化させて行う。
【0035】
[検出装置]
図6に以上に述べた測定原理を用いた検出装置の一例を示す。図において13は超音波発信機、14は送信探触子、15は受信探触子、16は周波数分離器、17は計算機、18は被検査鋼管、19は溶接部や鍛接部などの接合面を示す。
【0036】
検出装置は超音波発信機13、送信探触子14、受信探触子15、周波数分離器16、計算機17を備え、超音波発信機13で基本周波数からなる入射波を作り、送信探触子14で接合面19に向けて発進し、受信探触子15で透過波を受信する。
【0037】
送信探触子14と受信探触子15は接合面19を挟んで対向するように配置する。高い音圧を得るため送信探触子14をコンポジット探触子とし、受信感度を向上させるため受信探触子15をポリマー探触子、コンポジット探触子とすることが好ましい。
【0038】
また、検出感度を向上させるため送信探触子や受信探触子をくさびを介して被検査鋼管に接触させることも有効で、低減衰のポリイミド系樹脂、ポリスチレン樹脂製とすることが好ましい。
【0039】
くさびは鋼管外周に密着させると検出感度が良好で、被検査鋼管の径に応じて交換可能とすることが好ましい。鋼管の径から探触子位置、入射角を計算で求め、くさびの設計を行う。図10にくさびを用いた場合の探触子の配置を模式的に示す。
【0040】
更に、検出感度を向上させるためフォーカス型探触子を用い入射波を接合部へ集束させることも良い。フォーカス型探触子は超音波を集中させるため、焦点をもつような形状に圧電素子を並べたり、一列に並べた圧電素子の駆動時間をずらすことを特徴とする。
【0041】
また、接合面への超音波の入射を安定して行うため、鋼管の接合面を追従する機構を付加することが望ましい。但し、超音波を板波モードとすると厚みの全域に亘って超音波が伝播することになるので追従機構は必要でない。
【0042】
鋼管全長に亘って測定する場合、鋼管18か、送信探触子14と受信探触子15のいずれかを固定または移動させる。
【0043】
周波数分離器16は受信した透過波を基本周波数成分の振幅A0と高調波成分A1とに分離する。計算機17は周波数分離機16で求めた基本周波数成分の振幅A0と高調波成分の振幅A1との比を求め、判定プログラムで接合部の健全性を判定する。
【0044】
判定プログラムは健全部など判定の際基準となるような、透過波の基本周波数成分の振幅A0と高調波成分の振幅A1との比と、検査対象の接合部における透過波の基本周波数成分の振幅A0と高調波成分の振幅A1との比を対比させ、接合部における微小冷接性欠陥有無の判定を行う。
【0045】
本発明に係る検出装置で接合部の健全性評価を行う手順について説明する。
手順1:基本周波数からなる入射波の振幅を微小冷接性欠陥と界面の仮想位置より大きくした場合(以下、大振幅の入射波)と小さくした場合(以下小振幅の入射波)で計測を行い、それぞれの場合における透過波の基本周波数成分の振幅と高調波成分の振幅の比:振幅比を求める。
【0046】
図7は大振幅の入射波とした際に得られる透過波を周波数分離器で基本周波数と高調波成分に分離して得られる波形を模式的に示し、(a)は基本周波数の波形、(b)は高調波成分の波形を示す。
【0047】
図8は入射波を小振幅とした場合を示し、(a)は基本周波数の波形、(b)は高調波成分の波形を模式的に示す。
【0048】
尚、図8は基本周波数と高調波成分の振幅比がほぼ1となるようにゲインを調整している。図7も入射波を小振幅とした場合に、基本周波数と高調波成分の振幅比がほぼ1となるように調整したゲインを用いて、大振幅の入射波に対して得られる高調波の波形を示している。
【0049】
手順2:判定プログラムにより小振幅の入射波を用いた場合に得られる振幅比と大振幅の入射波を用いた場合に得られる振幅比との対比を行う。
【0050】
小振幅の入射波の場合、微小冷接性欠陥による透過波の歪は生じないため、大振幅の入射波を用いた場合に得られる振幅比との比をとることにより、大振幅の入射波とした場合の透過波の歪における母材の組織変化や微小欠陥による影響を低減でき、微小冷接性欠陥の有無の判定が可能となる。
【0051】
入射波の振幅は被検査対称物によって適宜調整し、例えば電縫鋼管の溶接部の場合、入射波の基本周波数は5−20MHzとし、微小冷接性欠陥を検出しない小振幅値を0dBとして大振幅値は10−40dBとすることが望ましい。
【0052】
図9は図7、8に示した測定結果の比を鋼管の長手方向Lに沿って示す図で、長手方向L1,L2,L3,L4において大振幅での振幅比が大きく、すなわち高調波成分の振幅が大きく、微小冷接性欠陥が検出されている状況が模式的に示されている。
【0053】
尚、溶接部における冷間割れなど亀裂の界面が開口している欠陥の場合、透過波の歪が大きくなることから、微小冷接性欠陥との弁別は容易である。
【0054】
入射波を横波とする場合は、縦波の場合の振幅に変えて周波数を適宜変更して検査を行う。
【0055】
以上に説明した検査装置は、電縫鋼管、鍛接管、レーザ溶接鋼管等の品質検査に適用可能である。製造工程でこれらの鋼管のシーム部を溶接、あるいは鍛接後、検査工程において本発明に係る超音波測定方法によりシーム部の品質検査を行う。図11に本発明に係る超音波測定方法を用いたERW(電気抵抗溶接鋼管)鋼管の製造ラインの一例をブロック図で示す。
【0056】
検査作業では予め鋼種毎に溶接部の健全部について入射波の振幅を変化させ、振幅毎に基本周波数と高調波周波数との振幅比を記録しておくと、微小冷接性欠陥の有無の判定が容易となり望ましい。
【0057】
また、接合面の押し付け圧を軽減させると入射波に対する透過波の非線性が生じ易くなるため、検査前に被検査鋼管を拡管することなどが好ましい。
【0058】
【発明の効果】
本発明によれば、溶接部や鍛接部における微小冷接性欠陥の検出が可能となり、溶接鋼管や鍛接管の品質保証がより高精度となる。例えば、電縫鋼管の場合、その信頼性が向上するため、従来、中実棒鋼が使用され、その軽量化が要望されていたドライブシャフトなどの自動車部品への適用可能性が増大する。
【図面の簡単な説明】
【図1】微小冷接性欠陥を説明する図。
【図2】本発明に係る超音波検査方法の測定原理を説明する図で縦波の超音波を用いた場合を示す。(a)〜(e)は膨張相の縦波による微小冷接性欠陥の界面の動きを示し、(f)〜(i)は収縮相の縦波による微小冷接性欠陥の動きを示す。
【図3】透過波における基本周波数と高調波成分の観測例を示す図。
【図4】本発明に係る超音波検査方法の測定原理を説明する図で横波の超音波を用いた場合を示す。(a)は周波数が低くて界面間に位置ずれを生じない場合、(b),(c)は周波数が高くて界面間に位置ずれを生じている場合を示す。
【図5】図4の(a)〜(c)に対応する入射波と透過波の波形を示す図。
【図6】本発明の一実施例に係る検出装置の構成を示す図。
【図7】大振幅の基本周波数からなる入射波に対する透過波を周波数分析して得られる基本周波数と倍周波の波形を示す図。
【図8】小振幅の基本周波数からなる入射波に対する透過波を周波数分析して得られる基本周波数と倍周波の波形を示す図。
【図9】管軸方向における探傷結果の一例を示す図。
【図10】くさびを用いた超音波測定方法を説明する図。
【図11】鋼管の生産工程の一例を示すブロック図。
【符号の説明】
1、2 母材
3、4 界面
5 微小冷接性欠陥
6、7 母材端面の仮想的位置
8 時間軸
9 縦波の波形
10 変位量軸
11 横波の入射波形
12 横波の透過波形
13 超音波発信機
14 送信探触子
15 受信探触子
16 周波数分離器
17 計算機
18 被検査鋼管
19 接合面
20a,20b くさび
Claims (5)
- 接合面へ超音波を入射し、入射波に対する透過波の波形を周波数分析して基本波と高調波を求め、前記基本波の振幅と前記高調波の振幅の比をとり、前記振幅の比より微小冷接性欠陥の有無を判定する接合部の超音波探傷方法。
- 接合面へ超音波を振幅が接合面に垂直になるように、振幅を変えて複数回入射し、各入射毎に入射波に対する透過波の波形を周波数分析して基本波と高調波の振幅比を求め、各入射毎に得られた前記振幅比を比較して微小冷接性欠陥の有無を判定する接合部の超音波探傷方法。
- 接合面へ超音波を振幅が接合面に平行になるように、周波数を変えて複数回入射し、各入射毎に入射波に対する透過波の波形を周波数分析して基本波と高調波の振幅比を求め、各入射毎に得られた前記振幅比を比較して微小冷接性欠陥の有無を判定する接合部の超音波探傷方法。
- 接合面に集束するように超音波を入射させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つに記載の超音波探傷方法。
- 接合面に垂直方向に引張応力を付与した後、超音波を入射させることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一つに記載の超音波探傷方法。
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2003
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