JP4174951B2 - 液晶表示装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、同一基板上に形成された電極に電圧を印加することにより液晶層を動作させるアクティブマトリクス型液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置は、一対の基板間に挟持された液晶層の液晶分子に電界を印加して、液晶の配向方向を変化させ、それにより生じる液晶層の光学変化を利用して表示を行う。従来のアクティブマトリクス型液晶表示装置は、液晶に印加する電界の方向が液晶を挟持する基板面にほぼ垂直な方向に設定され、液晶層の光旋光性を利用して表示を行うツイステッドネマチック(TN)表示方式に代表される。
【0003】
一方、櫛歯電極を用い、液晶に印加する電界の方向を基板面にほぼ平行とし、又は基板面に平行な電界成分を主に利用し、液晶の複屈折性を用いて表示を行う横電界方式(In-Plane Switching:IPS)の液晶表示装置が、特公昭63−
21907号公報、米国特許第4345249号、WO91/10936、特開平6−160878号公報等により提案されている。この横電界方式はTN方式に比べて広視野角,低負荷容量等の利点があり、新たなアクティブマトリクス型液晶表示装置として近年急速に進歩している技術である。かかる横電界方式においては、TN方式のように用いる電極が透明である必要はなく、導電性が高く不透明な金属電極が用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
液晶表示装置においては、直流電圧が重畳された液晶駆動電圧波形が液晶層に印加された場合、その直流電圧を除いても液晶層中に直流電圧(直流オフセット電圧)が残留することが知られている。そして、松本正一編著「液晶ディスプレイ技術」産業図書株式会社発行(1996)の第2章の第70頁〜第73頁に論じられているように、アクティブマトリクス型液晶表示装置では通常の液晶駆動においても、直流電圧の重畳された駆動電圧波形が液晶層に印加されることは液晶表示装置のアクティブ駆動素子の構造上起こり得て、階調表示を行う場合など、直流電圧の重畳現象を完全に防止することは困難である。このような現象は従来のTN方式及び横電界方式の何れにも共通する。
【0005】
この残留した直流電圧はTN方式か横電界方式かに関わらず、液晶表示装置での輝度に影響し、直流電圧が印加された部分とされない部分との間、若しくは印加直流電圧の強度が異なる部分間で輝度差を生じさせる。よって、例えば、通常の駆動条件で文字や図形を長時間表示した場合、表示を消去した後でも、先に表示した文字や図形がしばらくの間表示されるという現象を発生させることになる。その結果、表示の均一性は損なわれる。このような現象は液晶表示装置における「残像」と呼ばれており、発現後時間の経過とともに徐々に強度は弱くなって最終的には消失するものの、人の目に見えなくなるまでに30分間以上も時間がかかる場合がある。
【0006】
直流電圧が印加された場合に液晶層に直流のオフセット電圧が残留する機構については、信学技報EID96−89(1997−01)の第29頁〜第34頁により、従来TN方式を例にとって、液晶層中のイオンの挙動によって説明するモデルが提案されている。このモデルによれば、液晶層中に残留する直流電圧の原因として配向膜に充電された直流電圧と、イオンの液晶配向用配向膜への吸着を考える。そして、数分程度の直流電圧の残留は配向膜の充電と緩和に起因し、それ以上の非常に長い直流電圧の残留はイオンの配向膜への吸着が原因であると結論している。そして、残留する直流電圧は吸着イオンの総電気量で決まることが示されており、液晶層中のイオン量が多いほど残留直流電圧は大きくなることが示唆された。
【0007】
なお、上記残留直流電圧のモデルでイオンが吸着するとされる配向膜については、通常のアクティブマトリクス液晶表示装置ではポリイミドが用いられている。配向膜の充電とその緩和に起因する直流電圧の残留現象に対しては、特開平7−159786号公報により、配向膜及び液晶の誘電率と比抵抗を最適化することによって抑制する方法が提案されている。しかしながら、従来から問題とされるのは30分間にも及ぶこともある長時間の残像現象である。上記モデルによれば、長時間の残留直流電圧はイオンの配向膜への吸着が大きく影響しており、長時間の残像もイオンの配向膜への吸着が影響していると推定した。従って、液晶層中のイオン量を少なくして配向膜への吸着に関与しうるイオンの総数を少なくすることが吸着起因の残留直流電圧の低下には有効であり、残像低減においては高比抵抗の液晶を液晶表示装置に使用することが望ましい。しかしながら、横電界方式においては、液晶の高比抵抗化について困難さを伴う場合がある。かかる問題点について以下に説明する。
【0008】
横電界方式では上記のように金属電極を使用しており、不透明な電極部分を表示のための光透過領域にすることはできない。そのため、単位画素当りの光が透過する面積である開口率を大きくすることが必要となる。高開口率化を達成するためには電極間ギャップを大きくすることが有効であるが、十分な開口率を確保するために設定される電極間ギャップは従来TN方式に比べ大きくなることがある。その場合、考慮する必要があるのは液晶表示装置の駆動電圧である。横電界方式における液晶配向変化のしきい値電圧(V)は、リキッド クリスタル、
1997、Vol.22,No.4,第379頁〜第390頁(M.Oh-e and K.Kondo, Liquid Crystals,1997, Vol.22, No.4, 379-390.)によれば、次の〔数1〕に示されるように、電極間ギャップ(L)及び液晶の誘電率異方性(Δε)等の関数で表される。
【0009】
【数1】
V=(π・L/d)/{K2/(ε0・|Δε|)}
L :電極間ギャップ
d :液晶層の厚み
2 :液晶のツイストの弾性常数
ε0 :真空の誘電率
Δε :液晶の誘電率異方性
よって、電極間ギャップを大きくすることの影響を相殺し、しきい値電圧の上昇を抑えるためには、例えば、液晶の誘電率異方性を大きくすること、液晶のツイストの弾性常数を小さくすることなどが有効である。そして、アイディーダブリュー‘97 プロスィーディング、第171頁〜第173頁(Masahito Oh-e et al, IDW ‘97 Proceedings pp171-173.)によれば、高い誘電率異方性の液晶の使用が特に有効とされる。こうして、従来TN方式と比べて使用上問題の無い開口率と駆動電圧を維持しつつ、更に広視野角等の優れた特性を有する横電界方式液晶表示装置の提供を可能としている。
【0010】
この時、高い誘電率異方性の液晶とは、一般に所謂高極性の液晶分子を多く含んで構成されている。従って、高い誘電率異方性の液晶と高極性物質であるイオンとの相互作用は強い。よって、例えば高極性の吸着剤へのイオンの吸着を利用した通常の液晶精製方法により、液晶中から不純物イオンを除くことは難しくなり、液晶として高比抵抗液晶を使用することは困難になる。従って、高い誘電率異方性の液晶は低誘電率異方性の液晶に比べ比抵抗は低いこと、すなわち液晶層中のイオンは多くなってしまう場合が多く、上記のモデルから、直流電圧印加による配向膜へのイオンの吸着量の増大を引き起こす。その結果、残留する直流電圧の抑制、ひいては残像の抑制が難しくなる。従って、横電界方式の液晶表示装置においては、従来TN方式の液晶表示装置に比べ、残像に対する懸念が大きい。
【0011】
本発明は、このような横電界方式の液晶表示装置の問題点を解決した新規な横電界方式液晶表示装置を提供することを目的とする。
【0012】
また、本発明の他の目的は、直流電圧の印加後に残存する表示の不均一な状態、すなわち残像の発生しにくい横電界方式アクティブマトリクス型液晶表示装置を提供することである。
【0013】
また更に本発明の他の目的は、高開口率と低電圧駆動特性を両立するとともに残像の発生しにくい横電界方式アクティブマトリクス型液晶表示装置を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の液晶表示装置の一実施態様によれば、少なくとも一方が透明な一対の基板と、一対の基板の互いに対向する面上に形成された液晶配向制御層と、一対の基板間に前記液晶配向制御層に接触するようにして配置された液晶と、一対の基板の内の一方に形成された電極及びアクティブ素子と、液晶の配向状態に応じて光学特性を変える光学手段とを備え、液晶は、アミン構造,アミド構造,アゾ構造,ジアゾ構造,アジド構造,ニトリル構造,ニトロソ構造,ニトロ構造,アルデヒド構造,グリコール構造,エーテル構造,エステル構造,カルボン酸構造,ケトン構造,キノン構造,チオエーテル構造,チオール構造,スルホン酸構造,スルフェン酸構造,スルフィン酸構造,スルホキシド構造、及び有機リン構造からなる群から選択された少なくとも一の構造を分子内に有する非液晶性分子を含有して構成されるというものである。
【0015】
この液晶表示装置によると、液晶中に含有された前記非液晶性分子が、配向膜上のイオンと相互作用する部位に吸着してその部位を覆い隠すことが可能となり、イオンと配向膜との相互作用をし難くすることが可能となる。従って、直流電圧を印加したときのイオンの配向膜への吸着量を減少させることが可能となり、直流電圧の残留を抑えて、残像の低減された液晶表示装置の提供が可能となる。
【0016】
液晶の、非液晶性分子の含有量は重量で1ppm (1×10-4重量%)以上
10000ppm 以下であることが望ましい。液晶に1ppm 以上10000ppm 以下の前記非液晶性分子を含有させることにより、液晶の液晶性の低下をアクティブマトリクス型液晶表示装置での許容範囲内に抑えつつ、残像の低減が可能となり、優れた液晶特性を具備し、残像の低減された液晶表示装置の提供が可能となる。
【0017】
液晶の、非液晶性分子の含有量は重量で1ppm 以上95ppm 以下であることがより好ましい。液晶に1ppm 以上95ppm 以下の前記非液晶性分子を含有させることにより、液晶の液晶性を低下させることなく残像の低減が可能となり、非常に優れた液晶特性を具備し、残像の低減された液晶表示装置の提供が可能となる。
【0018】
非液晶性分子は、例えばアミン,エーテル構造を有する分子、あるいはポリエーテル構造を有する分子とすることができる。アミン,エーテル構造を有する非液晶性分子あるいはポリエーテル構造を有する非液晶性分子は、配向膜への吸着能力が高いため、イオンと競争してイオンの配向膜への吸着を高効率に抑えることが可能であり、直流電圧の印加したときのイオンの配向膜への吸着量を高効率に減少させ、直流電圧の残留を抑えて、残像の非常に少ない液晶表示装置の提供が可能となる。
【0019】
液晶は、8以上の誘電率異方性を有する液晶とすることができる。液晶が8以上の高誘電率異方性を有することにより高開口率と低駆動電圧特性の両立が可能となる。従って、高開口率と低駆動電圧特性とを両立するとともに、直流電圧の残留を抑えて、残像の非常に少ない液晶表示装置の提供が可能となる。
【0020】
また、液晶はシアノ基を分子構造内に有する液晶分子を含有して構成される液晶とすることができる。シアノ基を分子構造内に有する液晶分子を含有して液晶を構成することで容易に8以上の高誘電率を達成できる。よって、高開口率と低駆動電圧特性の両立が可能となる。従って、高開口率と低駆動電圧特性とを容易に両立するとともに、直流電圧の残留を抑えて、残像の非常に少ない液晶表示装置の提供が可能となる。
【0021】
また、本発明の液晶表示装置の別の実施態様によれば、一対の基板と、一対の基板間に挟持された液晶層と、一対の基板の少なくとも一方の基板に画素電極及び共通電極並びにアクティブ素子を配置し、画素電極及び共通電極間に電圧をかけることにより液晶層の液晶を制御して表示を行い、液晶は、アミン構造,アミド構造,アゾ構造,ジアゾ構造,アジド構造,ニトリル構造,ニトロソ構造,ニトロ構造,アルデヒド構造,グリコール構造,エーテル構造,エステル構造,カルボン酸構造,ケトン構造,キノン構造,チオエーテル構造,チオール構造,スルホン酸構造,スルフェン酸構造,スルフィン酸構造,スルホキシド構造、及び有機リン構造からなる群から選択された少なくとも一の構造を分子内に有する非液晶性分子を含有して構成された液晶であり、画素電極と前記共通電極の少なくとも一方は、透明導電膜を用いて構成されるというものである。
【0022】
この液晶表示装置によると、電極部分を光が透過するため、開口率が増大し、同時に電極間ギャップについても金属電極の場合に比べ小さくすることができ、より低い誘電異方性の液晶、即ちより含有イオンの少ない液晶を使用することができる。しかし、電極間隔を狭めれば、その分電極近傍に集中する電界強度が加速度的に増大し、電極近傍でイオンの吸着が起こりやすくなって、少ないイオンでありながら、強度の高い残像を発生させてしまう可能性を有している。特に、画素電極と共通電極とを、少なくとも一部が絶縁膜を介して重畳され、付加容量を形成する構成とした場合、上記非液晶性分子を添加することによる液晶比抵抗の低下懸念、ひいては液晶表示装置のコントラスト比の低下に繋がる電荷保持特性の低下懸念に対し、電荷保持率の低下を起こり難くする効果を有している。よって、液晶表示装置の表示品位向上の観点からは望ましい構造であるが、画素電極と共通電極の間隔は非常に狭く、上層の配置された電極近傍に集中する電界は非常に大きくなり、イオンの吸着はとても強く発生し、残像強度は著しく高くなってしまう。
【0023】
そこで、液晶中に含有させた前記非液晶性分子により、配向膜上のイオンと相互作用する部位に吸着させ、その部位を覆い隠すことを可能とし、イオンと配向膜との相互作用をし難くする。こうして、直流電圧を印加したときのイオンの配向膜への吸着量を減少させることが可能となり、直流電圧の残留を抑えて、残像の低減された液晶表示装置の提供が可能となる。
【0024】
液晶の、非液晶性分子の含有量は重量で1ppm (1×10-4重量%)以上
10000ppm 以下であることが望ましい。液晶に1ppm 以上10000ppm 以下の前記非液晶性分子を含有させることにより、液晶の液晶性の低下をアクティブマトリクス型液晶表示装置での許容範囲内に抑えつつ、残像の低減が可能となり、優れた液晶特性を具備し、残像の低減された液晶表示装置の提供が可能となる。
【0025】
液晶の、非液晶性分子の含有量は重量で1ppm 以上95ppm 以下であることがより好ましい。液晶に1ppm 以上95ppm 以下の前記非液晶性分子を含有させることにより、液晶の液晶性を低下させることなく残像の低減が可能となり、非常に優れた液晶特性を具備し、残像の低減された液晶表示装置の提供が可能となる。
【0026】
非液晶性分子は、例えばアミン,エーテル構造を有する分子、あるいはポリエーテル構造を有する分子とすることができる。アミン,エーテル構造を有する非液晶性分子あるいはポリエーテル構造を有する非液晶性分子は、配向膜への吸着能力が高いため、イオンと競争してイオンの配向膜への吸着を高効率に抑えることが可能であり、大きな直流電圧を印加したとき、特に、画素電極と共通電極とを、少なくとも一部が絶縁膜を介して重畳して付加容量を形成する構成とした場合にイオンの配向膜への吸着量を高効率に減少させ、直流電圧の残留を抑えて、残像の非常に少ない液晶表示装置の提供が可能となる。
【0027】
液晶は負の誘電率異方性を有することにより、画素電極と共通電極との間に発生する電界の基板に平行な成分に対して反応し、配向変化の動作をすることとなる。すなわち、基板に垂直な成分には反応せず、基板の面内で立ち上がり動作することなく面内での均一なスイッチング動作をすることができ、一部領域で液晶が立ち上がることによる液晶セルの光学特性の分布(液晶のΔnの分布による)は発現せず、均一な、高透過率の液晶表示装置を提供することが可能となる。
【0028】
液晶にシアノ基を分子構造内に有する液晶分子(シアノ液晶と称する)を含有して構成される液晶を使用することができる。シアノ液晶は高誘電異方性の液晶であって、その使用により、液晶表示装置の駆動電圧を低くすることができるが、一方、極性の高い液晶であり、含有しているイオンも多く、またイオンを取り除くことも困難である。よって、液晶中に含有させた前記非液晶性分子により、配向膜上のイオンと相互作用する部位に吸着させ、その部位を覆い隠し、シアノ液晶含有のイオンと配向膜との相互作用をし難くする。こうして、残像の低減された低電圧で駆動できる液晶表示装置の提供が可能となる。
【0029】
電極を構成する透明導電膜は、インジウム−チン−オキサイド(ITO)膜又は酸化インジウム亜鉛(IZO)膜とすることができる。ITO膜又はIZO膜とすることにより、電極の加工が容易となり、所望の構造の電極を容易に形成することができ、高信頼で高透過率の液晶表示装置の提供が可能となる。
【0030】
本発明の液晶表示装置は、少なくとも一方が透明な一対の基板の内の一方に液晶配向層(例えば、ポリイミド膜層)を形成し、他方の基板上に基板面にほぼ平行な電界を形成するための電極とアクティブ素子とを配設するとともに電極上に液晶配向層(例えば、ポリイミド膜層)を形成し、液晶配向層がそれぞれ液晶と触れるように、アミン構造,アミド構造,アゾ構造,ジアゾ構造,アジド構造,ニトリル構造,ニトロソ構造,ニトロ構造,アルデヒド構造,グリコール構造,エーテル構造,エステル構造,カルボン酸構造,ケトン構造,キノン構造,チオエーテル構造,チオール構造,スルホン酸構造,スルフェン酸構造,スルフィン酸構造,スルホキシド構造,有機リン構造からなる群から選択された少なくとも一の構造を分子内に有する非液晶性分子を含有して構成された液晶を前記一対の基板間に挟み込み、液晶の配向状態に応じて光学特性を変える光学手段を設けることで製造することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0032】
本発明は、上記したイオンの挙動により液晶層中に直流電圧が残留するモデルの新たな考察に基づいてなされた。すなわち、上記モデルに従えば、アクティブマトリクス型液晶表示装置で問題となっている残像、とくに長時間の残像は、イオンの配向膜への吸着に起因する。従って、液晶層中のイオン量を減らすことが残像低減には有効であろうことは上記した通りである。そして、液晶の高比抵抗化は電荷保持率の維持、ひいては表示品位の低下を抑制という観点からアクティブマトリクス型液晶表示装置において常々検討されてきた課題である。
【0033】
本発明者らは、ここで従来の検討とは異なる新たな方向から液晶表示装置の残像低減について検討した。すなわち、残像がイオンの吸着に起因するならば、吸着に関与しうるイオンの総量を減らすこと以外に、イオンの吸着をし難くすること、若しくは配向膜にイオンが吸着しても素早く解離するようにすることでも残像は低減できるはずである。かかる新たな考察に従い、液晶中のイオンを配向膜に吸着し難くすること、若しくは配向膜に吸着しても素早く解離するようにして残像を低減することを目的として種々の検討を試みた。
【0034】
その結果、アミン構造,アミド構造,アゾ構造,ジアゾ構造,アジド構造,ニトリル構造,ニトロソ構造,ニトロ構造,アルデヒド構造,グリコール構造,エーテル構造,エステル構造,カルボン酸構造,ケトン構造,キノン構造,チオエーテル構造,チオール構造,スルホン酸構造,スルフェン酸構造,スルフィン酸構造,スルホキシド構造、及び有機リン構造からなる群から選択された少なくとも一の構造を分子内に有する非液晶性分子(以下、適宜、単に非液晶性分子と称する。)を液晶中に添加し、横電界方式液晶表示装置における液晶を構成して使用したところ、該液晶表示装置では残像が低減されることが分かった。なお、本明細書において、非液晶性とは液晶性が無いことを言い、液晶性とは液晶状態を示す事を言う。
【0035】
このような残像低減効果の機構については、以下のように考えられる。アミン構造,アミド構造,アゾ構造,ジアゾ構造,アジド構造,ニトリル構造,ニトロソ構造,ニトロ構造,アルデヒド構造,グリコール構造,エーテル構造,エステル構造,カルボン酸構造,ケトン構造,キノン構造,チオエーテル構造,チオール構造,スルホン酸構造,スルフェン酸構造,スルフィン酸構造,スルホキシド構造、若しくは有機リン構造を分子内に有する非液晶性分子は、イオンと競争しながら、その具備する非共有電子対を介して配向膜を構成するポリイミドと相互作用して吸着する。この非液晶性分子は無電荷(電気的に中性)であり、吸着しても直流電圧の残留は引き起こさない。
【0036】
更に、非液晶性分子が、イオンの吸着しうるポリイミド配向膜の表面部位を自ら吸着して覆い隠す結果となり、イオンの吸着可能な部位は減少する。その結果、イオンは配向膜に吸着できなくなるか、強く相互作用することが困難となる。従って、直流電圧の印加によって、イオンは配向膜上に引き寄せられるものの、そのまま配向膜に吸着する量は減少し、残留する直流電圧が減少して、その消失も速くなる。こうして、残像は低減される。
【0037】
従って、イオンと競争して配向膜上に吸着した場合に、直流電圧が液晶層に残留しないようにするためには、上記非液晶性分子が無電荷であることが望ましい。そして、非液晶性分子は配向膜上のイオンが吸着しうる部位と強く相互作用したまま安定に存在することが望ましい。この時、液晶との相互作用が強いと液晶中に溶解してしまい、配向膜上での安定な吸着状態は保たれ難くなる。よって、非液晶性分子における非液晶性の特性は、配向膜上での安定な吸着状態を保つことを可能にする。
【0038】
また、上記非液晶性分子が無電荷であるとすると、配向膜に吸着する能力はイオンと比べて劣る。よって、配向膜への吸着において上記非液晶性分子がイオンと競争するためには、液晶層中にイオンと比べ大量に存在することが必要である。従って、液晶中に含まれる量は1ppm 以上が望ましく、これより少ない場合、直流電圧の残留を抑え、残像を低減する効果が十分な程度とはならない。そして、非液晶性分子を含有することによる液晶の液晶性の低下(例えば、液晶状態を示す温度範囲の縮小など)を、アクティブマトリクス型液晶表示装置における使用を前提として許容範囲内に抑えるために、液晶に含まれる量は10000ppm 以下が望ましい。さらに、非液晶性分子を含有することによる液晶の液晶性の低下を軽微なものとして、液晶の特性に与える影響をより小さく抑えるためには、液晶に含まれる量を95ppm 以下とすることが望ましい。
【0039】
アミン構造等の上記構造を分子内に有する非液晶性分子としては、具体的にはアミン,アミド,アゾ化合物,ジアゾ化合物,アジド,ニトリル,ニトロソ化合物,ニトロ化合物,アルデヒド,グリコール,エーテル,エステル,カルボン酸、ケトン,キノン,チオエーテル,チオール,スルホン酸,スルフェン酸,スルフィン酸,スルホキシド、若しくは有機リン化合物、更にはそれらの誘導体が使用可能である。
【0040】
特にアミンは、強い求核的性質を有し、配向膜への吸着能力が高いと考えられ、イオンと競争してイオンの配向膜への吸着を高効率に抑えるため好ましい。具体的には、メチルアミン,エチルアミン,t−ブチルアミン,n−ペンチルアミン,ジエチルアミン,トリエチルアミン,トリ−n−ブチルアミン,ピリジン,シクロヘキシルアミン,アニリン,トリフェニルアミン,エチレンジアミン、若しくはそれらの誘導体が使用可能である。
【0041】
また、エーテル構造を分子構造内に有する分子、例えばエーテルについても、アミンと同様の効果を示し得て、イオンと競争してイオンの配向膜への吸着を高効率に抑えるため好ましい分子である。特に、クラウンエーテルなどを含む環状及び直鎖状のポリエーテルは、エーテル構造を数多く有することにより、イオンと競争してイオンの配向膜への吸着を抑える能力がより強く、非常に好ましい分子である。更に、クリプタンド等のエーテル構造部分を分子内に有するアミンのように、アミン構造等の上記構造部分を2種以上分子構造内に持つ分子についても、具備する2種以上の上記構造部分がそれぞれ配向膜との間で相互作用を示すため、一つの分子内で配向膜との間の強い相互作用が示されることになり、好ましい分子である。
【0042】
また、ハロゲン原子を分子内に有するアミン,アミド,アゾ化合物,ジアゾ化合物,アジド,ニトリル,ニトロソ化合物,ニトロ化合物,アルデヒド,グリコール,エーテル,エステル,カルボン酸,ケトン,キノン,チオエーテル,チオール,スルホン酸,スルフェン酸,スルフィン酸,スルホキシド、若しくは有機リン化合物などもハロゲン原子の効果とハロゲン原子以外の構造部分の効果が現れて、イオンと競争してイオンの配向膜への吸着を抑える能力がより強くなり、使用可能である。
【0043】
非液晶性分子について分子量の限定はなく、高分子化合物であっても使用可能である。すなわち、高分子のポリエーテル,カルボン酸及びグリコール、並びに環状及び直鎖状ポリアミンなども使用可能である。更に、液晶表示装置を構成する液晶中にアミン構造等の上記構造を分子内に有する非液晶性分子を2種以上含有することも可能である。すなわち、液晶中に含有されるイオンが複数種ある場合、その種類や特性にしたがって、それぞれと配向膜への吸着を競争しうるよう2種以上の非液晶性分子を含有することが、イオンの配向膜へのイオンの吸着を効率良く抑える点から好ましい。
【0044】
なお、液晶表示装置を構成する液晶中に非液晶性分子を含有することの効果は、上記したように液晶の誘電率異方性が高いために液晶層中に含有されるイオン量が多く、より大きな直流電圧が残留する場合であっても現れる。そして、誘電率異方性が高いためにイオンを多く含む液晶から構成される液晶表示装置の残像は強く発生し、消失までに長時間かかるため、残像を低減する上記非液晶性分子を含有する液晶の効果は、低誘電率異方性の液晶に上記非液晶性分子を含有させた場合に比べてより顕著に現れる。
【0045】
一方、上記したように、高誘電率異方性の液晶の使用は液晶表示装置における高開口率と低駆動電圧の両立を可能とする。従って、液晶表示装置を構成する液晶を非液晶性分子を含み且つ高誘電率異方性の液晶とすることにより、高開口率,低駆動電圧特性とともに、より低い残像特性を同時に満足する液晶表示装置の提供が可能となる。そして、その場合の液晶の誘電率異方性については、従来
TN方式アクティブマトリクス型液晶表示装置と比べても実用上問題とならないような開口率と低駆動電圧を満足するために、具体的には8以上の誘電率異方性であることが望ましい。
【0046】
このとき、8以上の誘電率異方性を有する液晶は、それを構成する液晶分子について特に制限がない。そして、一般に様々な誘電異方性を持つ液晶分子の組成物である液晶を8以上の高い誘電異方性の液晶とするためには、より高い誘電率異方性を有する液晶分子を含有することが好ましい。従って、8以上の誘電率異方性を有する液晶は、高誘電異方性の液晶分子である、シアノ基を分子構造内に有する液晶分子を含有することが好ましい。具体的には、パラ−アルキル置換安息香酸のパラ−シアノフェニルエステル系の液晶分子,シアノ置換ビフェニル系の液晶分子,シアノ置換ターフェニル系の液晶分子,シクロヘキサンカルボン酸パラ−シアノフェニルエステル系液晶分子,パラ−(パラ−置換シクロヘキシル)置換ベンゾトリル系液晶分子、若しくは2−(パラ−シアノ置換フェニル)置換−1,3−ジオキサン系液晶分子等を含んで構成された液晶であることが好ましい。
【0047】
また、負の誘電率異方性を有する液晶を使用する場合も同様に、シアノ基を分子構造内に有する液晶分子(シアノ液晶と称する)を含有して構成される液晶を使用することができる。シアノ液晶はとしては、シアノシクロヘキサン構造,シアノジオキサン構造,シアノベンゼン構造を分子内に有する液晶分子や、2,3−ジシアノハイドロキノン誘導体などのジシアノベンゼン構造を分子内に有する液晶分子が使用可能である。
【0048】
更に、特開平7−159786号公報に開示されるように、横電界方式アクティブマトリクス型液晶表示装置においては、電極及びアクティブ素子を覆って、これらの短絡を防止するための保護絶縁膜を液晶配向制御層と基板との間に設けることが知られている。しかし、このような構成の保護絶縁膜の存在は、液晶に印加される実効電圧の低下と開口率の低下とを招いている。従って、特開平10−186391号公報に開示されているように、電界を印加するための金属若しくはITO(インジウム−チン−オキサイド)電極をこの保護絶縁膜上に設けて高開口率化と液晶の低電圧駆動化を図る構成が提案されている。
【0049】
しかしながら、液晶表示装置においてこのような構成で電極を配置すると、従来の構成と比較した場合、電界を印加するための電極上にはそれを覆う保護絶縁膜が無くなることになる。従って、液晶表示装置の低電圧駆動化と高開口率化は可能となるものの、通常の液晶の駆動において問題となる上述の駆動波形に直流電圧が重畳される現象はより激しいものとなり、残像現象はより強く現れることになってしまう。そこで、上記非液晶性分子を含有して構成された液晶を使用する場合、駆動波形に直流電圧が重畳されたとしても、直流電圧が残留する現象を抑制することができ、直流電圧の重畳現象が激しくなっても残像の低減が可能である。
【0050】
従って、上記非液晶性分子を含有して構成された液晶を使用する場合、液晶に電界を印加するための金属若しくはITOからなる所謂画素電極及び共通(コモン)電極を、保護絶縁膜上であって配向膜との間に設ける構成とした時にも残像を抑えることが可能となり、高開口率化及び低電圧駆動化と、残像の低減とを同時に満足することが可能となる。
【0051】
以下、本発明にかかる具体的な実施例について図面を用いて説明する。
(実施例1)
図1は本発明による液晶表示装置の実施例1の画素部分の横断面図、図2はその液晶表示装置の電極構造を示す平面図、図3はカラーフィルタ基板の構造を説明する図、図4は液晶表示装置を駆動するシステムの構成を説明するシステム図である。
【0052】
図1及び図2に示すように、この液晶表示装置100は、一対の透明なガラス製の基板1,14と、基板1,14の間に配置された液晶9と、基板1の上に形成され基板面にほぼ平行な電界(図1中の符号25で摸式的に示される)を印加するための共通電極2及び画素電極5並びに信号電極6及びアクティブ素子である薄膜トランジスタ(TFT)16と、基板1,14上の液晶9に接触する面上に形成された液晶配向制御層(以下、配向膜と称する)8と、液晶の配向状態に応じて光学特性を変える光学手段の具体例である偏光板15とを備える。液晶9は、非共有電子対を持つ原子を有する非液晶性分子を含有して構成されている。液晶表示装置100は、薄膜トランジスタ16の作用により共通電極2と画素電極5との間に電界25を発生させ、液晶9の液晶分子を電界25に従って基板1とほぼ平行な面内で回転させることによって画像表示を行う。
【0053】
次に、本実施例の液晶表示装置100の製造方法と構成の詳細について説明する。基板1としては、厚みが0.7mm で表面を研磨したガラス基板を用いた。基板1上に、電極2,5,6,17の短絡を防止するための絶縁膜4,薄膜トランジスタ16、薄膜トランジスタ16及び電極5,6を保護する保護絶縁膜7を形成してTFT基板101とした。
【0054】
図2は、薄膜トランジスタ16及び電極2,5,6の構造を示し、図2(a)は平面図、図2(b)はそのA−A′線に沿った断面図、図2(c)はそのB−B′線に沿った断面図である。なお、図1は図2(a)のC−C′線に沿った断面図である。
【0055】
薄膜トランジスタ16は、画素電極5,信号電極6,走査電極17及びアモルファスシリコン18から構成される。共通電極2と走査電極17はアルミニウム膜、そして信号電極6と画素電極5はクロム膜をパターニングして形成した。絶縁膜4と保護絶縁膜7は窒化珪素からなり、膜厚はそれぞれ0.2μm と0.8μmとした。容量素子19は、2本の画素電極5の間に結合する領域において画素電極5と共通電極2で絶縁膜4を挟む構造として形成した。画素電極5は、図2(a)において、3本の共通電極2の間に配置されている。画素数は1024×3(R,G,Bに対応)本の信号電極6と768本の走査電極17とから構成される1024×3×768個とした。
【0056】
次に、TFT基板101の上に配向膜8を80nmの膜厚で形成し、その表面に液晶を配向させるためのラビング処理を施した。基板14上にはブラックマトリクス付きカラーフィルター12を形成し、対向カラーフィルタ基板102とした。
【0057】
図3は、カラーフィルタ基板の構造を説明する図である。図3(a)は、カラーフィルタ基板の平面図であり、図3(b)は図3(a)のA−A′線に沿った横断面図であり、図3(c)は図3(a)のB−B′線に沿った横断面図である。
【0058】
格子状のブラックマトリクス13、R,G,Bの3色からなるカラーフィルタ12,カラーフィルター保護膜11が形成されている。カラーフィルター保護膜11の上にはTFT基板101と同様の配向膜10を80nmの膜厚で形成し、ラビング処理を施した。
【0059】
TFT基板101及びカラーフィルタ基板102における配向膜8,10のラビング方向は互いにほぼ平行とし、かつ印加電界25の方向とのなす角度を75度とした。これらの基板間に平均粒径が4.0μm の高分子ビーズをスペーサとして分散し、TFT基板101とカラーフィルター基板102との間に液晶9を挟み込んだ。
【0060】
液晶9は、シアノベンゼン構造を分子構造中に有する液晶分子を含有して誘電率異方性が+10.1であり、屈折率異方性が0.076(589nm,20℃)であるネマチック液晶をベース液晶として、次式(I)のフェノチアジンを50ppm の濃度となるように添加して調合された液晶を用いた。この時、液晶の比抵抗は3.1×1012Ω・cmであった。
【0061】
【化1】
Figure 0004174951
【0062】
TFT基板101とカラーフィルター基板102とを挟む2枚の偏光板15はクロスニコルに配置した。そして、本実施例1の液晶表示装置においては、低電圧で暗状態,高電圧で明状態をとるノーマリークローズ特性を採用した。こうして高開口率と低電圧駆動を両立する液晶表示装置を得た。
【0063】
液晶表示装置100には、図4に示すように駆動LSIが接続され、TFT基板101の上に走査電極駆動用回路20,信号電極駆動用回路21,共通電極駆動用回路22を接続し、電源回路及びコントロール回路23から走査信号電圧,映像信号電圧,タイミング信号を供給し、アクティブマトリクス駆動を行った。なお、図4においては、薄膜トランジスタ16の負荷として液晶(CLC)と容量素子(CS)が接続される様子を各画素毎に示している。
【0064】
次に、本実施例にかかる液晶表示装置の残像を評価した。6mm角の正方形パターンを60分間表示し、その後、正方形パターンを消去し、現れる残像が時間とともに徐々に強度を弱めて消失し、輝度が回復する様子を目視にて観測した。そして、残像が消失するまでの時間を測定し、残像緩和時間として定義した。本実施例における残像緩和時間は10秒であった。
(比較例1)
用いた液晶が異なる以外は実施例1と同じ構成の液晶表示装置を作製し、比較例1とした。液晶表示装置の装置構成は実施例1と同様であるので、その詳細な説明を省略する。
【0065】
比較例1の液晶表示装置を構成する液晶は、実施例1の液晶用に用いたベース液晶をそのまま使用した。従って、シアノベンゼン構造を分子構造中に有する液晶分子を含有して誘電率異方性が+10.1であり、屈折率異方性が0.076
(589nm,20℃)のネマチック液晶である。比抵抗は4.4×1012Ω・cmであった。
【0066】
この比較例1の液晶表示装置を用いて、実施例1と同様の方法で残像評価を行った。その結果、比較例1の液晶表示装置の残像緩和時間は9分3秒であった。(実施例2)
実施例2の液晶表示装置は、用いた液晶が異なる以外は実施例1と同じ装置構成である。従って、装置構成の詳細な説明は省略する。
【0067】
本実施例の液晶表示装置を構成する液晶は、実施例1の液晶用に用いたベース液晶をそのまま使用し、フェノチアジンを10ppm の濃度となるように添加して調合された液晶である。液晶の比抵抗は3.5×1012Ω・cmであった。
【0068】
この実施例2の液晶表示装置を用いて、実施例1と同様の方法で残像評価を行った。その結果、実施例2の液晶表示装置の残像緩和時間は2分24秒であった。
(実施例3)
実施例3の液晶表示装置は、用いた液晶が異なる以外は実施例1と同じ装置構成である。従って、装置構成の詳細な説明は省略する。
【0069】
本実施例の液晶表示装置を構成する液晶は、実施例1の液晶用に用いたベース液晶をそのまま使用し、フェノチアジンを100ppm の濃度となるように添加して調合された液晶である。液晶の比抵抗は1.3×1011Ω・cmであった。
【0070】
この実施例3の液晶表示装置を用いて、実施例1と同様の方法で残像評価を行った。その結果、実施例3の液晶表示装置の残像緩和時間は9秒であった。
(比較例2)
比較例2の液晶表示装置は、用いた液晶が異なる以外は実施例1と同じ装置構成である。従って、装置構成の詳細な説明は省略する。
【0071】
比較例2の液晶表示装置を構成する液晶は、実施例1の液晶に用いたベース液晶に比べ、シアノベンゼン構造を分子構造中に有する液晶分子を2%多く含有している。そして、シアノベンゼン構造を分子構造中に有していない他の構成液晶分子の構造と各含有率は実施例1の液晶に用いたベース液晶とほぼ同一である。比較例2の液晶は、上述の非液晶性分子は含有していない。この時、液晶誘電率異方性は+10.1であり、屈折率異方性は0.078(589nm,20℃)であった。比抵抗は4.6×1011Ω・cmであった。
【0072】
この比較例2の液晶表示装置を用いて、実施例1と同様の方法で残像評価を行った。その結果、比較例2の液晶表示装置の残像緩和時間は15分29秒であった。
(比較例3)
比較例3の液晶表示装置は、用いた液晶が異なる以外は実施例1と同じ装置構成である。従って、装置構成の詳細な説明は省略する。
【0073】
比較例3の液晶表示装置を構成する液晶は、シアノベンゼン構造を分子構造中に有する液晶分子を含有しているものの、実施例1の液晶に用いたベース液晶と異なる液晶分子から構成されている。上述の非液晶性分子は含有していない。比較例3の液晶の液晶誘電率異方性は+10.2であり、屈折率異方性は0.075(589nm,20℃)であった。比抵抗は2.1×1012Ω・cmであった。
【0074】
この比較例3の液晶表示装置を用いて、実施例1と同様の方法で残像評価を行った。その結果、比較例3の液晶表示装置の残像緩和時間は8分12秒であった。
【0075】
以上、実施例1,実施例2,実施例3,比較例1,比較例2及び比較例3の液晶表示装置による残像の評価結果から、上述の非液晶性分子の一例であるフェノチアジンを含有して構成された液晶を用いた横電界方式アクティブマトリクス型液晶表示装置では、非液晶性分子を含有しないで構成された液晶を使用した従来の横電界方式アクティブマトリクス型液晶表示装置と比較して残像が低減されていることが分かった。
(実施例4)
図5は、実施例4の液晶表示装置の構成を説明する画素部分の横断面図である。この実施例4の液晶表示装置200は、図1に示す実施例1の液晶表示装置100と比較して、基板面にほぼ平行な電界25を印加するための電極2,5がITOからなり、保護絶縁膜7上であって配向膜8との間に設けられていることを除いては同一の構成を有している。従って、構成の詳細な説明は省略する。なお、図5において、実施例1の液晶表示装置100と同一の構成部分については同一の符号を使用した。
【0076】
実施例4の液晶表示装置200を構成する液晶についても、実施例1の液晶表示素子100の液晶と同一の液晶である。
【0077】
この実施例4の液晶表示装置を用いて、実施例1と同様の方法で残像評価を行った。その結果、実施例4の液晶表示装置200の残像緩和時間は20秒であった。
(比較例4)
比較例4の液晶表示装置は、用いた液晶が異なる以外は実施例4と同じ装置構成である。従って、装置構成の詳細な説明は省略する。
【0078】
比較例4の液晶表示装置を構成する液晶は、実施例4の液晶用に用いたフェノチアジン未添加のベース液晶(すなわち、実施例1の液晶用に用いたベース液晶と同一)をそのまま使用した。従って、シアノベンゼン構造を分子構造中に有する液晶分子を含有して、誘電率異方性が+10.1であり、屈折率異方性が0.076(589nm,20℃)のネマチック液晶である。比抵抗は4.4×1012Ω・cmである。
【0079】
この比較例4の液晶表示装置を用いて、実施例1と同様の方法で残像評価を行った。その結果、比較例4の液晶表示装置の残像緩和時間は18分であった。
【0080】
以上、実施例4及び比較例4の液晶表示装置による残像の評価結果から、上述の非液晶性分子の一例であるフェノチアジンを含有して構成された液晶を用い、液晶に電界を印加するための画素電極及び共通電極を保護絶縁膜上であって配向膜との間に設ける構成とした横電界方式アクティブマトリクス型液晶表示装置では、非液晶性分子を含有しないで構成された液晶を使用した同様の構成の横電界方式アクティブマトリクス型液晶表示装置と比較して残像が低減されていることが分かった。
(実施例5)
実施例5の液晶表示装置は、用いた液晶が異なる以外は実施例1と同じ装置構成である。従って、装置構成の詳細な説明は省略する。
【0081】
本実施例の液晶表示装置を構成する液晶は、実施例1の液晶用に用いたベース液晶に、下式(II)に示すトリス{2−(2−メトキシエトキシ)エチル}アミンを10ppm の濃度となるように添加して調合された液晶である。液晶の比抵抗は1.6×1011Ω・cmであった。
【0082】
【化2】
Figure 0004174951
【0083】
この実施例5の液晶表示装置を用いて、実施例1と同様の方法で残像評価を行った。その結果、実施例5の液晶表示装置の残像緩和時間は4分であった。
【0084】
以上、実施例5,比較例1,比較例2及び比較例3の液晶表示装置による残像の評価結果から、上述の非液晶性分子の一例であるトリス{2−(2−メトキシエトキシ)エチル}アミンを含有して構成された液晶を用いた横電界方式アクティブマトリクス型液晶表示装置では、非液晶性分子を含有しないで構成された液晶を使用した従来横電界方式アクティブマトリクス型液晶表示装置と比較して残像が低減されていることが分かった。
(実施例6)
以下、第6実施例について図6及び図7を用いて説明する。
【0085】
本発明にかかる実施例6である液晶表示装置150の製造において、基板131としては、厚みが0.7mm で表面を研磨したガラス基板を用いる。基板131上には電極132,105,106,117の短絡を防止するための絶縁膜104,薄膜トランジスタ116,薄膜トランジスタ116及び電極105,106を保護する保護絶縁膜107を形成してTFT基板151とする。
【0086】
図7は、薄膜トランジスタ116及び電極132,105,106の構造を示し、図7(a)は平面図、図7(b)はA−A′線に沿った断面図、図4(c)はB−B′線に沿った断面図である。尚、図6は図7(a)のC−C′線に沿った断面図である。
【0087】
薄膜トランジスタ116は画素電極105,信号電極106,走査電極117及びアモルファスシリコン118から構成される。走査電極117はアルミニウム膜をパターニングし、信号電極106はクロム膜をパターニングし、そして共通電極132と画素電極105とはITO膜をパターニングして形成する。
【0088】
絶縁膜104と保護絶縁膜107は窒化珪素からなり、膜厚はそれぞれ0.2 μmと0.8μm とした。容量素子119は2本の画素電極105の間に結合する領域及び開口部領域において画素電極105と共通電極132で絶縁膜104を挟む構造として形成する。画素電極105は図7(a)において、3本の共通電極132の間に配置されている。尚、本実施例においては共通電極を3本としているが、画素電極間の櫛歯状部分の間隔を狭めて櫛歯部分の本数を増やし、それに対応して共通電極の本数を増加させることも可能である。画素数は1024×3(R,G,Bに対応)本の信号電極106と768本の走査電極117とから構成される1024×3×768個とする。
【0089】
次に、TFT基板151の上にはポリイミド配向膜108を80nmの膜厚で形成し、その表面には液晶を配向させるためのラビング処理を施す。
【0090】
基板114上には、本発明にかかる第一実施例である液晶表示装置100と同様の構成のブラックマトリクス113付きカラーフィルター112を形成し、対向カラーフィルター基板152とした。カラーフィルター保護膜111の上にはTFT基板131と同様の配向膜110を80nmの膜厚で形成し、ラビング処理を施す。
【0091】
TFT基板151及びカラーフィルター基板152における配向膜108,
110のラビング方向は互いにほぼ平行とし、かつ印加電界125の方向とのなす角度を15度とした。これらの基板間に平均粒径が3μmの高分子ビーズをスペーサとして分散し、TFT基板151とカラーフィルター基板152との間に液晶109を挟み込んだ。
【0092】
液晶109は、化学式(III)に示すシアノ構造を分子内に有する液晶分子を含有して誘電異方性が−4、屈折率異方性が0.1 であるネマチック液晶をベース液晶として、フェノチアジンを1000ppm の濃度となるように添加して調合された液晶を用いた。
【0093】
【化3】
Figure 0004174951
【0094】
TFT基板151とカラーフィルター基板152とを挟む2枚の偏光板115はクロスニコルに配置した。そして、実施例6である液晶表示装置150においては、低電圧で暗状態,高電圧で明状態をとるノーマリークローズ特性を採用した。
【0095】
そして、実施例6である液晶表示装置150を駆動するシステムの構成は実施例1と同様であるので、構成の詳細は省略する。
【0096】
次に、実施例6の液晶表示装置を用いて、実施例1と同様の方法で残像評価を行った。その結果、実施例6の液晶表示装置の残像緩和時間は1分20秒であった。
(比較例5)
用いた液晶が異なる以外は実施例6と同じ構成の液晶表示装置を作製し、比較例5とした。液晶表示装置の装置構成は実施例6と同様であるので、その詳細の説明を省略する。
【0097】
比較例5の液晶表示装置を構成する液晶は、実施例6の液晶用に用いたベース液晶をそのまま使用した。従って、液晶は、化学式(III)に示すシアノ構造を分子内に有する液晶分子を含有して誘電異方性が−4、屈折率異方性が0.1 であるネマチック液晶である。
【0098】
この比較例5の液晶表示装置を用いて、実施例1と同様の方法で残像評価を行った。その結果、比較例5の液晶表示装置の残像緩和時間は3分1秒であった。(実施例7)
実施例7の液晶表示装置は、用いた液晶が異なる以外は実施例6と同じ装置構成である。従って、装置構成の詳細な説明は省略する。
【0099】
実施例7の液晶表示装置を構成する液晶は、実施例6の液晶用に用いたベース液晶に、式(II)に示すトリス{2−(2−メトキシエトキシ)エチル}アミンを50ppm の濃度となるように添加して調合された液晶である。
【0100】
この実施例7の液晶表示装置を用いて、実施例1と同様の方法で残像評価を行った。その結果、実施例7の液晶表示装置の残像緩和時間は1分5秒であった。(実施例8)
以下、実施例8について図8及び図9を用いて説明する。
【0101】
本発明にかかる実施例8である液晶表示装置250の製造において、基板201としては、厚みが0.7mm で表面を研磨したガラス基板を用いる。基板201上には電極202,205,206,217の短絡を防止するための絶縁膜204,薄膜トランジスタ216,薄膜トランジスタ216及び電極205,206を保護する保護絶縁膜207を形成してTFT基板251とする。
【0102】
図9は、薄膜トランジスタ216及び電極202,205,206の構造を示す。
【0103】
薄膜トランジスタ216は画素電極205,信号電極206,走査電極217及びアモルファスシリコン218から構成される。走査電極217はアルミニウム膜をパターニングし、信号電極206はクロム膜をパターニングし、そして共通電極202と画素電極205とはITOをパターニングして形成する。
【0104】
絶縁膜204と保護絶縁膜207は窒化珪素からなり、膜厚はそれぞれ0.2 μmと0.8μm とした。容量素子226は画素電極205と共通電極202で絶縁膜204,207を挟む構造として形成する。
【0105】
画素電極205は、ベタ形状の共通電極202の上層に重畳する形で配置されている。画素数は1024×3(R,G,Bに対応)本の信号電極206と768本の走査電極217とから構成される1024×3×768個とする。
【0106】
このとき、共通電極202をベタ形状とすることにより、上層に配置される画素電極205との間の位置合せが容易となり、また形成される容量素子226の容量にばらつきが無く、面内で均一な表示特性を有する液晶表示装置の製造が容易となった。
【0107】
次に、TFT基板251の上にはポリイミド配向膜208を80nmの膜厚で形成し、その表面には液晶を配向させるためのラビング処理を施す。
【0108】
基板214上には、本発明にかかる第一実施例である液晶表示装置100と同様の構成のブラックマトリクス213付きカラーフィルター212を形成し、対向カラーフィルター基板252とした。カラーフィルター保護膜211の上にはTFT基板251と同様の配向膜210を80nmの膜厚で形成し、ラビング処理を施す。
【0109】
TFT基板251及びカラーフィルター基板252における配向膜208,
210のラビング方向は互いにほぼ平行とし、かつ印加電界225の方向とのなす角度を15度とした。これらの基板間に平均粒径が3μmの高分子ビーズをスペーサとして分散し、TFT基板251とカラーフィルター基板252との間に液晶209を挟み込んだ。
【0110】
液晶209は、実施例6で使用した液晶と同一であり、化学式(III)に示すシアノ構造を分子内に有する液晶分子を含有して誘電異方性は−4、屈折率異方性(Δn)が0.1 であるネマチック液晶をベースとして、フェノチアジンを1000ppm の濃度となるように添加して調合された液晶を用いた。
【0111】
TFT基板251とカラーフィルター基板252とを挟む2枚の偏光板215はクロスニコルに配置した。そして、第七実施例である液晶表示装置250においては、低電圧で暗状態,高電圧で明状態をとるノーマリークローズ特性を採用した。
【0112】
そして、実施例8である液晶表示装置250を駆動するシステムの構成は実施例1と同様であるので、構成の詳細は省略する。
【0113】
次に、実施例8の液晶表示装置を用いて、実施例1と同様の方法で残像評価を行った。その結果、実施例8の液晶表示装置の残像緩和時間は1分16秒であった。
(比較例6)
用いた液晶が異なる以外は実施例8と同じ構成の液晶表示装置を作製し、比較例6とした。液晶表示装置の装置構成は実施例8と同様であるので、その詳細の説明を省略する。
【0114】
比較例6の液晶表示装置を構成する液晶は、実施例8の液晶用に用いたベース液晶をそのまま使用した。従って、液晶は、化学式(III)に示すシアノ構造を分子内に有する液晶分子を含有して誘電異方性が−4、屈折率異方性が0.1 であるネマチック液晶である。
【0115】
この比較例6の液晶表示装置を用いて、実施例1と同様の方法で残像評価を行った。その結果、比較例6の液晶表示装置の残像緩和時間は5分22秒であった。
【0116】
【発明の効果】
本発明によると、直流電圧の印加後に残存する表示の不均一な状態、すなわち残像の発生しにくいアクティブマトリクス型液晶表示装置を得ることができる。また、高開口率と低電圧駆動特性を両立するとともに残像の発生しにくいアクティブマトリクス型液晶表示装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】液晶表示装置の構成の一例を説明する画素部分の横断面図。
【図2】液晶表示装置の電極構造を示す平面図。
【図3】カラーフィルタ基板の構造を説明する図。
【図4】液晶表示装置を駆動するシステムの構成を説明するシステム図。
【図5】液晶表示装置の構成の他の例を説明する画素部分の横断面図。
【図6】液晶表示装置の構成の更に他の例を説明する画素部分の横断面図。
【図7】液晶表示装置の電極構造を示す平面図。
【図8】液晶表示装置の構成の更に他の例を説明する画素部分の横断面図。
【図9】液晶表示装置の電極構造を示す平面図。
【符号の説明】
1,14,131,201,214…基板、2,132,202…共通電極、4,104,204…絶縁膜、5,105,205…画素電極、6,106,206…信号電極、7,107…保護絶縁膜、8,10,108,110,208,210…配向膜、9,109,209…液晶、11,111,211…カラーフィルター保護膜、12,112,212…カラーフィルター、13,113,213…ブラックマトリクス、15,115,215…偏光板、16,116,216…薄膜トランジスタ、17,117,217…走査電極、18,118,218…アモルファスシリコン、19,119,226…容量素子、20…走査電極駆動用回路、21…信号電極駆動用回路、22…共通電極駆動用回路、23…コントロール回路、25,125,225…電界、100,150,200,250…液晶表示装置、101,151,251…TFT基板、102,152,252…カラーフィルター基板。

Claims (12)

  1. 少なくとも一方が透明な一対の基板と、
    前記一対の基板の互いに対向する面上に形成された液晶配向制御層と、
    前記一対の基板間に前記液晶配向制御層に接触するようにして配置された液晶と、
    前記一対の基板の内の一方の基板に形成された画素電極及び共通電極並びにアクティブ素子と、
    前記液晶の配向状態に応じて光学特性を変える光学手段とを備えるアクティブマトリクス型液晶表示装置において、
    前記液晶は、非液晶性分子であるポリエーテル構造を分子内に有するアミンを1ppm以上95ppm以下の量で含有して構成されたことを特徴とするアクティブマトリクス型液晶表示装置。
  2. 請求項1記載のアクティブマトリクス型液晶表示装置において、前記液晶は8以上の誘電率異方性を有する液晶であることを特徴とするアクティブマトリクス型液晶表示装置。
  3. 請求項1または2のいずれかに記載のアクティブマトリクス型液晶表示装置において、前記液晶はシアノ基を分子構造内に有する液晶分子を含有して構成される液晶であることを特徴とするアクティブマトリクス型液晶表示装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項記載のアクティブマトリクス型液晶表示装置において、
    前記アクティブ素子は保護絶縁膜で覆われており、
    前記画素電極及び前記共通電極は当該保護絶縁膜上であって当該保護絶縁膜と前記液晶配向制御層との間に形成されると共に、前記画素電極及び前記共通電極の少なくとも一方が透明導電膜を用いて構成されたものであることを特徴とするアクティブマトリクス型液晶表示装置。
  5. 少なくとも一方が透明な一対の基板と、
    前記一対の基板の互いに対向する面上に形成された液晶配向制御層と、
    前記一対の基板間に前記液晶配向制御層に接触するようにして配置された液晶と、
    前記一対の基板の内の一方の基板に形成された画素電極及び共通電極並びにアクティブ素子と、
    前記液晶の配向状態に応じて光学特性を変える光学手段とを備えるアクティブマトリクス型液晶表示装置において、
    前記液晶は、フェノチアジン及びトリス{2−(2−メトキシエトキシ)エチル}アミンのうちの少なくとも一方を1ppm以上95ppm以下の量で含有して構成されたことを特徴とするアクティブマトリクス型液晶表示装置。
  6. 請求項5記載のアクティブマトリクス型液晶表示装置において、前記液晶はシアノ基を分子構造内に有する液晶分子を含有して構成される液晶であることを特徴とするアクティブマトリクス型液晶表示装置。
  7. 請求項5または6のいずれかに記載のアクティブマトリクス型液晶表示装置において、前記アクティブ素子は保護絶縁膜で覆われており、前記画素電極及び前記共通電極は当該保護絶縁膜上であって当該保護絶縁膜と前記液晶配向制御層との間に形成されると共に、少なくとも一方が、透明導電膜を用いて構成されたものであることを特徴とするアクティブマトリクス型液晶表示装置。
  8. 少なくとも一方が透明な一対の基板と、
    前記一対の基板の互いに対向する面上に形成された液晶配向制御層と、
    前記一対の基板間に前記液晶配向制御層に接触するようにして配置された液晶と、
    前記一対の基板の内の一方の基板に形成された画素電極及び共通電極と、
    前記画素電極及び共通電極に接続されたアクティブ素子と、
    前記液晶の配向状態に応じて光学特性を変える光学手段とを備えるアクティブマトリクス型液晶表示装置において、
    前記液晶は、非液晶性分子であるアミンを1ppm以上95ppm以下の量で含有して構成された液晶であり、
    前記非液晶性分子であるアミンは、ポリエーテル構造を有する分子であり、
    前記画素電極は、画素の開口部において、前記共通電極の上層に重畳する形で、絶縁膜を挟むように配置されている構成を有することを特徴とするアクティブマトリクス型液晶表示装置。
  9. 請求項8に記載のアクティブマトリクス型液晶表示装置において、
    前記液晶は負の誘電率異方性を有する液晶であることを特徴とする液晶表示装置。
  10. 請求項8または9に記載のアクティブマトリクス型液晶表示装置において、
    前記液晶はシアノ基を分子構造内に有する液晶分子を含有して構成される液晶であることを特徴とする液晶表示装置。
  11. 請求項8〜10のいずれか1項記載の液晶表示装置において、
    前記画素電極及び前記共通電極は、前記透明導電膜を用いて構成されたものであることを特徴とするアクティブマトリクス型液晶表示装置。
  12. 請求項8〜11のいずれか1項記載の液晶表示装置において、
    前記共通電極はべた形状であることを特徴とするアクティブマトリクス型液晶表示装置。
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