JP2002357801A - アクティブマトリクス型液晶表示装置 - Google Patents

アクティブマトリクス型液晶表示装置

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JP2002357801A
JP2002357801A JP2002048965A JP2002048965A JP2002357801A JP 2002357801 A JP2002357801 A JP 2002357801A JP 2002048965 A JP2002048965 A JP 2002048965A JP 2002048965 A JP2002048965 A JP 2002048965A JP 2002357801 A JP2002357801 A JP 2002357801A
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crystal display
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electrode
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Shintaro Takeda
新太郎 武田
Hiroyuki Kagawa
博之 香川
Kotaro Araya
康太郎 荒谷
Hitotsugu Oaku
仁嗣 大阿久
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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    • C09K19/00Liquid crystal materials
    • C09K19/04Liquid crystal materials characterised by the chemical structure of the liquid crystal components, e.g. by a specific unit
    • C09K2019/0444Liquid crystal materials characterised by the chemical structure of the liquid crystal components, e.g. by a specific unit characterized by a linking chain between rings or ring systems, a bridging chain between extensive mesogenic moieties or an end chain group
    • C09K2019/0459Liquid crystal materials characterised by the chemical structure of the liquid crystal components, e.g. by a specific unit characterized by a linking chain between rings or ring systems, a bridging chain between extensive mesogenic moieties or an end chain group the linking chain being a -CF=CF- chain, e.g. 1,2-difluoroethen-1,2-diyl

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】液晶組成物に高極性化合物を添加し、粘度の増
大の補償と比抵抗値の低下を抑制し、低駆動電圧を実現
する液晶表示装置の提供。 【解決手段】一対の基板間に挟持された液晶層と、前記
一対の少なくとも一方の基板に電極を配置し、該基板の
一方に能動素子を配置したアクティブマトリクス型液晶
表示装置において、前記液晶層が分子内にシアノベンゼ
ン,モノフルオロシアノベンゼン,ジフルオロシアノベ
ンゼンで代表される構造を有する高極性化合物と、ジフ
ルオロスチルベン構造を有する化合物とを含む液晶組成
物からなるアクティブマトリクス型液晶表示装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アクティブマトリ
クス型液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置は、少なくとも一方の基板
上に電極が形成された一対の基板間に液晶層を挟持する
よう構成されている。そして、液晶層に電界を印加し、
液晶層の配向状態を変化させることによって生ずる液晶
層の光学特性の変化を利用して表示する。
【0003】既に知られている液晶表示装置の一例とし
ては、ツイステッドネマティック(TN)型液晶表示方
式,イン・プレーン・スイッチング(IPS)型液晶表
示装置,垂直配向(VA)型液晶表示装置などがある。
【0004】一方、基板上に容量素子と薄膜トランジス
タ(TFT)に代表される能動素子を形成し、これによ
り液晶層に印加される電界が制御される駆動方法と、前
記の表示方法とを組み合わせた、高精細・高コントラス
トを実現するアクティブマトリクス駆動型の液晶表示装
置がある。
【0005】このアクティブマトリクス型液晶表示装置
においては、液晶層は電気的には容量素子に相当する。
この容量素子、即ち、液晶層には、ある一定の選択周期
毎に電荷が注入され、その電荷により液晶層の配向状態
を保持する。従って、ある選択周期内で、電荷を保持す
るためには、液晶材料の比抵抗値が高い必要がある。
【0006】ところで、IPS型表示方式は、TN型表
示方式が基板に対して垂直に電界を発生させるのに対し
て、基板に対し平行に電界を発生させる。このことか
ら、IPS型表示方式は、アクティブマトリクス駆動時
に容量素子としては液晶層だけでなく、基板や配向膜も
容量素子として利用することができる。つまり、TN型
では、アクティブマトリクス駆動時に前記のように高い
比抵抗値の液晶材料が必要であるが、IPS型では、T
N型に比べて低い比抵抗値の液晶材料を使用できる可能
性を示している。
【0007】このことは、TN型では比抵抗値の問題か
ら使用することができなかった液晶材料も、IPS型で
は利用できることを示唆する。しかしながら、IPS型
表示方式は、TN型表示方式に比べて駆動電圧が高いと
云う問題がある。
【0008】ここでIPS型表示方式には、液晶表示装
置の駆動電圧および応答時間と、液晶材料の物性値との
間には下記の数式(2)および数式(3)で示す関係が
あることが報告されている(大江昌人,近藤克己:アプ
ライド・フィジクス・レターズ,67巻,3895〜3
897頁,1995年、大江昌人,近藤克己:アプライ
ド・フィジクス・レターズ,69巻,623〜625
頁,1996年)。
【0009】
【数2】 Vth ∝ 〔l×√(1/Δε)〕/d …(2)
【0010】
【数3】 τoff ∝ γ1/d2 …(3) ここで、Vthはしきい値電圧、lはくし歯状の電極の電
極間隔(画素電極と共通電極の電極間隔)、Δεは液晶
の誘電率異方性、dは液晶層の厚さを表す。また、τof
f は電圧印加時から無印加時への液晶の応答時間、γ1
は、液晶材料の回転粘性係数を表す。
【0011】なお、数式(2)中のVthはしきい値電圧
を表し、液晶表示装置の駆動電圧を表していないが、V
thが増大すると駆動電圧が増大し、Vthの大小が駆動電
圧の大小にほぼ対応する。
【0012】前記数式(2)から明らかのように、IP
S型表示方式において低駆動電圧化を図るためには、 液晶表示装置のlを小さくする、 液晶表示装置のdを大きくする、 液晶材料のΔεを大きくする、 の3つの方法がある。しかし、については、表示部の
透過率が低下すると云う弊害があり、極端に小さくする
ことはできない。
【0013】一方、のdを大きくすることは、数式
(3)に示すように応答時間τoff の増大が問題とな
る。さらに以上のような素子構成の変化による低電圧化
は、生産プロセスの変更を伴うと云う問題が生ずる。
【0014】また、は液晶材料の開発により実現でき
るので、生産プロセスの変更を伴うことなく課題の克服
を図ることができる。具体的には、シアノベンゼン構造
を有する化合物を液晶組成物中に添加するか、特開20
00−104071号公報に開示される液晶組成物中の
ジフルオロシアノベンゼン構造を有する化合物のような
高極性化合物を液晶組成物中に添加することが考えられ
る。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】IPS型表示方式にお
いて、低駆動電圧化と云う課題を克服するためにはシア
ノベンゼン構造や、前記特開2000−104071号
公報に開示されるジフルオロシアノベンゼン構造を有す
る高極性化合物の添加が有効である。
【0016】しかし、シアノ基を有する化合物に代表さ
れる高極性化合物は、その精製が困難であり、また、液
晶組成物の比抵抗値を低下する。そのため、TN型表示
装置に比べて低比抵抗値の液晶材料の使用が許容される
IPS型液晶表示装置においても、高極性化合物の添加
量には限界がある。
【0017】さらに前記高極性化合物はその粘度が高
い。それ故に液晶組成物に高極性化合物を添加すると、
液晶組成物の粘度が増大するため応答時間が増大する。
この増大した粘度を補償するためには、低極性低粘度の
化合物を添加することが有効である。
【0018】この低極性低粘度の化合物の例としては、
4−プロピルーシクロヘキシル−4−エトキシベンゼン
(PCH302)や、特開2000−80366号公報
に開示されるトリフルオロエチレン化合物がある。とこ
ろが、これらの化合物を用いて粘度の補償を行うと、粘
度の低下に伴い比抵抗値がさらに低下した。これは、粘
度の低下により、イオン性物質のような電荷の移動を担
うキャリアの移動度が増大するためと考えられる。
【0019】以上の課題を纏めると、IPS型表示方式
の低駆動電圧化において高極性化合物が有効ではある
が、応答時間の増大と比抵抗値低下を招くと云うことに
なる。
【0020】従来、低粘度低極性化合物を用いて応答時
間と低駆動電圧を両立しようとすると、比抵抗値はさら
に低下し、アクティブマトリクス駆動したとき、IPS
型表示方式においても電圧が保持できずにフリッカ(ち
らつき)などの表示不良を起こすことが分かっている。
【0021】この高極性化合物を添加した液晶組成物の
比抵抗値低下は、IPS型表示方式に限った問題ではな
く、アクティブマトリクス駆動を行うTFT−LCD全
般に該当する問題であり、前記のTN型表示方式や、V
A(Vertical Arraignment)型表示方式などにおいても
解決しなければならない問題である。
【0022】本発明の目的は、上記の課題を解決したア
クティブマトリクス型液晶表示装置の提供にある。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明者らの検討によれば、ジフルオロスチルベン
骨格有する化合物を用いることにより、高極性化合物を
用いた時の比抵抗値低下の抑制に効果があることを見い
出した。
【0024】図1は本発明の効果を説明する図である。
図1において、LC−1は高極性化合物を含有しない母
体液晶組成物(ここではメルク社製市販液晶組成物ZL
I−4792を用いた)である。また、LC−2からL
C−6の組成比を表1に表した。
【0025】
【表1】
【0026】TN型液晶表示装置では、液晶組成物の比
抵抗値はおよそ10の13乗から14乗以上の高比抵抗
値が必要であるのに対し、IPS型液晶表示装置におい
ては、10の10乗程度の比抵抗値においても高い電圧
保持率を有する。
【0027】ところが、液晶組成物の高極性化合物の含
有量が増加に伴い、即ち、図1中LC−1,LC−2,
LC−3の順で比抵抗値が低下し粘度が増大する。LC
−3では、比抵抗値がIPS型表示方式における比抵抗
値の許容範囲よりも低い比抵抗値であり、LC−3の使
用は表示不良の原因となる。
【0028】一方、低粘度低極性化合物(PCH30
2)を用いて、LC−2の粘度をLC−1の粘度まで低
粘度化すると、LC−6のように比抵抗値は、LC−2
に比べてさらに低下する。
【0029】また、LC−6においても、LC−3と同
様に比抵抗値がIPS型表示方式における比抵抗値の許
容範囲よりも低い比抵抗値であるために、LC−6の使
用は難しい。
【0030】ところが、表1に示すようにジフルオロス
チルベン骨格を有する化合物を添加すると、LC−4,
LC−5のように、高極性化合物による液晶組成物の粘
度増大を補償できると共に、比抵抗値を向上できること
が分かった。
【0031】上記により、LC−3のように、より低駆
動電圧化が可能な液晶組成物で、比抵抗値が低いために
IPS型液晶表示装置に使用が困難な場合であっても、
ジフルオロスチルベン骨格を有する化合物を添加するこ
とにより、IPS型表示方式における比抵抗値の許容範
囲まで比抵抗値を向上させることができる。即ち、低駆
動電圧化に有効な高極性化合物とジフルオロスチルベン
骨格有する化合物により比抵抗値の制御ができ、かつ、
液晶表示装置のフリッカ等の表示不良を低減することが
できる。
【0032】一方、ジフルオロスチルベン骨格を有する
化合物には、低粘度で、かつ、Δεが大きい構造の化合
物が存在し、従来の低粘度低極性化合物に比べて低駆動
電圧化に有効である。加えて、ジフルオロスチルベン骨
格を有する化合物は、従来、低粘度低極性化合物と同様
に低粘度であるために、高極性化合物により増大する液
晶組成物の粘度を補償することができる。
【0033】具体的には、シアノベンゼン構造やモノフ
ルオロシアノベンゼン構造、ジフルオロシアノベンゼン
構造に代表される構造を分子内に有する高極性化合物
と、下記の一般式〔1〕で表されるジフルオロスチルベ
ン構造有する化合物とを含有した液晶組成物を用いたア
クティブマトリクス型液晶表示装置により、本発明の目
的を達成するものである。
【0034】
【化4】
【0035】(但し、Y1はハロゲン原子,シアノ基,
トリフルオロメチル基,トリフルオロメトキシ基,水素
原子,炭素数1〜8のアルキル基,アルコキシ基,アル
ケニル基またはアルケニルオキシ基であり、X1,X2
それぞれ独立に水素原子,ハロゲン原子またはシアノ基
であり、R1は炭素数1〜8のアルキル基,アルコキシ
基,アルケニル基またはアルケニルオキシ基を表す)。
【0036】低駆動電圧化のために母体液晶組成物に添
加する高極性化合物は、1重量%以上添加することが望
ましい。該高極性化合物は下記の一般式〔2〕で示され
る。
【0037】
【化5】
【0038】(但し、Y2 はシアノ基,イソチオシアノ
基,トリフルオロメチル基,トリフルオロメトキシ基ま
たはハロゲン原子を表し、X3,X4はそれぞれ独立に水
素原子,シアノ基またはハロゲン原子を表し、Y2
3,X4 の少なくとも一つはシアノ基,イソチオシア
ノ基,トリフルオロメチル基またはトリフルオロメトキ
シ基を表し、n,mはそれぞれ独立に0または1を表
し、S1は−CH2−CH2−,−COO−,−OCO
−,−CH=CH−または−C≡C−表し、S2は1,
4−フェニレン基,トランス−1,4−シクロヘキシレ
ン基または1,3−ジオキサン−1,5−ジイル基を表
し、R2 は炭素数1〜8のアルキル基,アルコキシ基,
アルケニル基またはアルケニルオキシ基を表す)。
【0039】本発明においては、高極性化合物に対する
ジフルオロスチルベン構造有する化合物の添加量の比に
より、比抵抗値を制御することができる。高極性化合物
による比抵抗値低下を、高極性化合物を添加する前の母
体液晶組成物の比抵抗値とほぼ同等まで補償するために
は、高極性化合物の添加量(重量%)に対してジフルオ
ロスチルベン構造を有する化合物の添加量(重量%)を
15倍量とすることが望ましい。
【0040】さらに比抵抗値は、高極性化合物の含有量
の増大に伴い、ほぼ線形的に低下する。検討の結果、母
体液晶組成物に高極性化合物を30重量%以上添加する
と、比抵抗値は母体液晶組成物に比べて約5桁低下し、
これ以上の比抵抗値低下はジフルオロスチルベン構造を
有する化合物を用いても、IPS型表示方式で使用可能
な比抵抗値の許容範囲内に達することが難しいことが判
った。
【0041】そこで、本発明の液晶組成物を、アクティ
ブマトリクス駆動の液晶表示装置に適用するためには、
高極性化合物の添加量は30重量%以下であることが望
ましい。さらに、より表示不良の少ない液晶表示装置を
得るためには、25重量%以下がより望ましい。
【0042】一方、高極性化合物添加による液晶組成物
の粘度増大を補償するために必要なジフルオロスチルベ
ン構造を有する化合物の必要量は、以下のように考える
ことができる。
【0043】液晶化合物、あるいは、液晶組成物におい
て、それらの混合物の粘度はほぼ加成則が成り立つ。い
ま、母体液晶組成物の粘度がジフルオロスチルベン構造
を有する化合物よりも大きく、高極性化合物より小さい
場合、高極性化合物を添加して増大する粘度を補償する
に必要なジフルオロスチルベン構造を有する化合物の量
は数式(1)で表すことができる。
【0044】
【数4】 A=〔ln(ηp/ηm)〕/〔ln(ηm/ηd)〕 …(1) ここでAは高極性化合物の添加量(重量%)に対するジ
フルオロスチルベン構造を有する化合物の添加量(重量
%)の比、ηpは高極性化合物の粘度、ηmは母体液晶組
成物の粘度、ηd はジフルオロスチルベン構造を有する
化合物の粘度である。
【0045】高極性化合物により増大した液晶組成物の
粘度を補償して、高極性化合物を含まない母体液晶組成
物の粘度と等しくするためには、高極性化合物の添加量
(重量%)に対するジフルオロスチルベン構造を有する
化合物の添加量(重量%)の比が少なくともAでなけれ
ばならない。なお、前記の添加量の比は、A以上でもよ
く、この場合、母体液晶組成物よりも低粘度化すること
ができるために、応答時間が小さい液晶表示装置を得る
ことができる。
【0046】以上より、ジフルオロスチルベン構造を有
する化合物の添加量は、数式〔1〕に従うことが望まし
く、ジフルオロスチルベン構造を有する化合物の含有量
は、高極性化合物の含有量のA倍以上であることが望ま
しい。
【0047】従って、上記の条件を鑑み、高極性化合物
の含有量(重量%)に対するジフルオロスチルベン構造
を有する化合物の含有量(重量%)の比は、A〜15で
あることが望ましい。
【0048】また、本発明を実施するに当たっては、ジ
フルオロスチルベン構造の化合物は高極性化合物の添加
量の0.5倍量(即ち、Aが0.5以上)用いれば、高極
性化合物を添加したことによる粘度の増大を、おおよそ
補償することができる。
【0049】上記のように、高極性化合物とジフルオロ
スチルベン構造を有する化合物により比抵抗値の制御を
行うことができるので、TN型液晶表示方式に比べて液
晶組成物の比抵抗値に対する許容範囲の広い表示方式が
望ましい。例えば、IPS型表示方式のように、液晶層
以外に基板や配向膜を容量素子として用いることができ
る素子構成が望ましい。あるいは、画素の表示部におい
て絶縁層を介して共通基板と画素電極が重畳するような
素子構成でもよい。
【0050】このような素子構成においては、液晶層と
電極間の絶縁層や配向膜が容量素子として用いることが
できるため、TN型液晶表示方式に比べて液晶組成物の
比抵抗値に対する許容範囲が広く、高極性化合物とジフ
ルオロスチルベン構造を有する化合物により、比抵抗値
の制御を行うことができる。なお、この場合、共通電極
と画素電極の距離が小さいので、素子構成と液晶組成物
の両方の効果により低駆動電圧化することができる。こ
のとき、画素表示部の透過領域を確保するため共通電極
と画素電極のいずれか一方を、透明電極で構成されるこ
とが望ましい。
【0051】さらにIPS型表示方式のように、同一基
板上の一画素内に共通電極,画素電極を配置した場合、
前記のように容量素子として液晶層以外に基板,配向膜
を用いることができると云う利点がある。しかし、反
面、開口率が低下し透過光強度が低下すると云う問題も
ある。
【0052】そこで、液晶層の透過率は、より高いこと
が望ましい。いまクロスニコルに配置した偏光板の間に
液晶層を配置し、液晶層の複屈折を利用した表示方式の
場合、透過光強度は数式(4)で表されることが知られ
ている。
【0053】数式(4)より、透過光強度が最大になる
条件は数式(5)で表される。
【0054】
【数5】 I ∝ sin2(πΔnd/λ) …(4)
【0055】
【数6】 Δnd/λ=m+0.5 …(5) (但し、m=0,1,2,…) ここで、Iは透過光強度、Δnは液晶材料の屈折率異方
性、dは液晶層の厚さ、λは透過光の波長である。
【0056】本発明の液晶表示装置において、高極性化
合物と一般式〔4〕で表される化合物を含有する液晶組
成物のΔnと液晶層の厚さdは、Δnd=λ/2,3λ
/2,5λ/2,…の条件を満たすことが望ましい。
【0057】特に、可視光の領域の波長(400〜80
0nm)において、波長依存性が小さく、白色光を得る
ためにはΔnd=λ/2、即ち、Δndが0.2〜0.4
であることがより望ましい。
【0058】さらに、本発明の液晶表示装置の構成は、
更に透過率を向上させるため、くし歯状に形成される共
通電極を信号電極と液晶層の間に形成、すなわち信号電
極上に共通電極を重畳し開口部の面積を増大できという
ものである。
【0059】
【発明の実施の形態】本発明のアクティブマトリクス型
液晶表示装置を実施例に基づき説明する。図2は実施例
1で用いた液晶表示装置の構成を説明する画素部分の詳
細を表す横断面と平面の模式図である。また、図3は実
施例1に用いた液晶表示装置の電極構造を示す模式図、
図6は実施例1,実施例4で用いた液晶表示装置の構成
を説明するカラーフィルタ部の断面と平面の模式図であ
る。
【0060】〔実施例1〕図2,図3に示すように本実
施例の液晶表示装置は一対のガラス製の基板4,5と、
該基板4,5の間に配置される液晶層と、基板4の上に
形成された共通電極9,画素電極8、および、信号電極
10と能動素子であるTFT19と、ガラス製基板4,
5の液晶層に接触する面上に形成された液晶層の配向を
制御する配向膜と、液晶層の配向状態に応じて液晶表示
装置の光学特性を変える光学手段である偏光板6を有す
る。
【0061】さらに、本実施例の液晶表示装置は、TF
T19の作用により、共通電極9と画素電極8との間に
基板面に対しほぼ平行な電界(図2中の符号16で模式
的に示す)を発生させて、液晶層の液晶分子1を電界1
6により基板4とほぼ平行な面内で回転させることによ
って画像表示を行う。
【0062】次に、本実施例の液晶表示装置の製法と、
その構成について図2,図3、および、図5を用いて説
明する。
【0063】本実施例においては、基板4,5としては
厚さ0.7mm の表面を研磨したガラス板を用いた。基板
4上には電極8,9,10,18の短絡を防止する絶縁
膜15を形成した。
【0064】図3は、TFT19,電極8,9,10,
18の構造を示し、図3(A)は平面図、図3(B)は
A−A′線に沿った断面図、図3(C)はB−B′線に
沿った断面図である。
【0065】TFT19は、信号電極10,画素電極
8,走査電極18およびアモルファスシリコン17で構
成される。共通電極9と走査電極18はアルミニウム
膜,信号電極10と画素電極8はクロム膜をパターンニ
ングして形成した。
【0066】保護絶縁膜11,絶縁膜15は窒化珪素で
形成され、膜厚はそれぞれ0.8μm,0.2μm であ
る。画素電極8は図3(A)において、3本の共通電極
9の間に配置されている。
【0067】図6は、カラーフィルタ12を形成する基
板の構成を示すものである。図6(G)は平面図、図6
(H)はE−E′線に沿った断面図、図6(I)はF−
F′線に沿った断面図を表している。
【0068】基板105の液晶層に接触する面側には、
ブラックマトリクス7が付いたカラーフィルタ保護膜3
を形成し、その上にカラーフィルタ12を形成した。
【0069】次に、ガラス基板4,5上に配向膜2をそ
れぞれ80nmの膜厚で形成し、その表面は液晶を配向
させるためのラビング処理を施した。
【0070】ガラス基板4,5における配向膜2のラビ
ング方向をお互いにほぼ平行とし、かつ、電界の方向1
4とラビング方向13との成す角を75度とした。これ
らの基板間に平均粒径3.0μm の高分子ビーズをスペ
ーサとして分散し、基板4,5を配向膜2が向き合うよ
うに重ね合わせた。
【0071】ガラス基板4,5を挟む偏光板6はクロス
ニコルに配置した。そして、本実施例の液晶表示装置に
おいては、低電圧で暗状態,高電圧で明状態となるノー
マリクローズ特性を採用した。
【0072】本実施例の液晶表示装置のガラス基板間に
挟持される液晶組成物は、以下のとおり調製した。
【0073】市販液晶組成物であるZLI−4792
(メルク社製)の80重量%に、式〔4〕で示される化
合物10重量%、式〔5〕で示される化合物10重量%
を加えた。なお、本実施例、および、以下の実施例2,
3,4においては、前記の一般式〔1〕から一般式
〔3〕で規定される構造の化合物の代表例として、式
〔4〕,式〔5〕で示される化合物と、上記のZLI−
4792を用いた。
【0074】
【化6】
【0075】上記の液晶組成物の物性値は表2に示し
た。以下、特に断らない限り、液晶物性値、および、液
晶表示装置の駆動電圧,応答時間は25℃における測定
値、Δnは589nmの波長における値である。
【0076】
【表2】
【0077】実施例1の液晶表示装置において、液晶組
成物の比抵抗値は3.1 ×1010Ωcmであり、液晶表示
装置の透過率が最大となるときの電圧は8.1Vであっ
た。また応答時間は14.6msecであった。
【0078】〔比較例1〕本比較例の液晶表示装置の構
成は、液晶組成物の組成が異なること以外は、実施例1
のものと同じである。使用した液晶組成物は、市販液晶
組成物ZLI−4792(メルク社製)を用いた。この
とき、液晶組成物の比抵抗値は、2.5×1012Ωcm、
液晶表示装置の透過率が最大となる時の電圧は12.0
V であり、応答時間は15.2msecであった。
【0079】本比較例の液晶表示装置で用いた液晶組成
物(ZLI−4792)は、本発明において規定される
高極性化合物を含まないために、実施例1に比べて駆動
電圧が高かった。
【0080】〔比較例2〕本比較例の液晶表示装置の構
成は、液晶組成物の組成が異なること以外は、実施例1
のものと同じである。使用した液晶組成物は、市販液晶
組成物ZLI−4792(メルク社製)の90重量%
に、前記式〔4〕で示される化合物10重量%を加えて
調製したものを用いた。
【0081】このときの液晶組成物の比抵抗値は、2.
4×1010Ωcm、液晶表示装置の透過率が最大となる時
の電圧は8.0V で、応答時間は16.2msecであっ
た。
【0082】本比較例の液晶表示装置は、前記式〔4〕
で示される高極性化合物を添加することにより、比較例
1に示す液晶表示装置に比べて低電圧化することができ
た。しかし、比抵抗値が著しく低下し、さらに応答時間
が増大した。
【0083】本発明の実施例1では、前記式〔5〕の化
合物と前記式〔4〕の化合物との含有量の比は1:1と
した。この値は前記数式(1)に示すAの値(=0.6)
以上であるため、式〔4〕で示される化合物により増大
した粘度を補償することができた。このために、比較例
1,2に示す液晶表示装置よりも応答時間が小さく、か
つ、低駆動電圧のものを得ることができた。
【0084】さらに、比較例2の液晶表示装置に用いた
液晶組成物の比抵抗値よりも、実施例1の液晶表示装置
の液晶組成物では比抵抗値が上昇した。
【0085】つまり、実施例1においては、応答時間が
大きくならずに低駆動電圧化が実現でき、さらに、比抵
抗値が改善されることにより表示不良の少ない液晶表示
装置を得ることができた。
【0086】また、前記式〔4〕で示される化合物にお
いて、R1 は炭素原子数3と5のアルキル基、前記式
〔5〕で示される化合物において、R2 は炭素原子数
1,2または3のアルキル基についても実施したが、同
様に応答時間が大きくなることなく、低駆動電圧化が実
現できた。さらに比抵抗値が改善されることにより、表
示不良の少ない液晶表示装置を得ることができた。
【0087】〔実施例2〕本実施例の液晶表示装置は、
スペーサとして分散される高分子ビーズの平均粒径が
2.5μm であることと、液晶組成物の組成が異なるこ
と以外は、実施例1の液晶表示装置の構成と同じであ
る。
【0088】本実施例の液晶表示装置のガラス基板間に
挟持される液晶組成物は、以下のとおり調製した。
【0089】市販液晶組成物ZLI−4792(メルク
社製)70重量%に、前記式〔4〕で示される化合物1
0重量%、前記式〔5〕で示される化合物20重量%を
加えた。この液晶組成物の物性値を表3に示した。
【0090】該液晶組成物の比抵抗値は4.3×1010
Ωcmであり、液晶表示装置の透過率が最大になるときの
電圧は10.0Vであった。また、応答時間は10.5m
secであった。
【0091】
【表3】
【0092】〔比較例3〕本比較例の液晶表示装置の構
成は、液晶組成物の組成が異なる以外は、実施例2の液
晶表示装置と同じである。液晶組成物は、市販液晶組成
物ZLI−4792(メルク社製)を用いた。
【0093】このときの液晶組成物の比抵抗値は、2.
5×1012Ωcm、液晶表示装置の透過率が最大となる時
の電圧は12.0Vであり、応答時間は15.2msecで
あった。
【0094】実施例2の液晶表示装置と本比較例を比較
したとき、実施例2のものが、より低駆動電圧化が可能
となった。さらに、前記式〔4〕で示される化合物の含
有量(重量%)に対する前記式〔5〕で示される化合物
の含有量(重量%)比は1:2であり、前記数式(1)
で規定される式から得られる値以上であるために、比較
例3よりも応答時間を改善することができた。
【0095】また、実施例2の液晶表示装置において
は、前記式〔4〕で表される化合物を10重量%添加し
たため、比較例3の液晶表示装置よりも比抵抗値が低下
した。しかし、実施例1の液晶表示装置に比べて、前記
式〔4〕で表される化合物の添加量を増大させたことに
より、比抵抗値が改善された。
【0096】〔実施例3〕本実施例の液晶表示装置の構
成は、スペーサとして分散した高分子ビーズの平均粒径
が2.0μm であることと、液晶組成物の組成が異なる
以外は、実施例1での液晶表示装置と同じである。
【0097】本実施例の液晶表示装置のガラス基板間に
挟持される液晶組成物は以下のとおり調製した。
【0098】市販液晶組成物ZLI−4792(メルク
社製)50重量%に、前記式〔4〕で示される化合物を
10重量%、前記式〔5〕で示される化合物40重量%
を加えた。この液晶組成物の物性値を表4に示した。
【0099】
【表4】
【0100】本実施例の液晶表示装置における液晶組成
物の比抵抗値は8.8×1010Ωcmであった。
【0101】図8は、Δεと比抵抗値との関係を示すグ
ラフである。実施例3の液晶表示装置の液晶組成物は、
比較例1に比べ、比抵抗値は低下したが、Δεが増大
し、低駆動電圧化に有効であった。また、前記式〔4〕
で示される化合物に対する前記式〔5〕で示される化合
物の重量比を変化させることにより、比抵抗値を制御す
ることができた。
【0102】これにより、実施例1,2とほぼ同じΔε
でありながら実施例3では、より高い比抵抗値の液晶組
成物を用いることができ、より表示不良の少ない液晶表
示装置を得ることができた。
【0103】さらに、図9の粘度と比抵抗値との関係を
示すグラフから明らかなように、前記式〔4〕で示され
る化合物による粘度増大を補償することができた。よっ
て本発明の液晶表示装置においては、比抵抗値が高く低
駆動電圧で、かつ、応答時間の小さい液晶表示装置を得
ることができた。
【0104】〔実施例4〕図4,図5に示すように本実
施例の液晶表示装置は一対のガラス製基板104,10
5と、該基板間に配置される液晶層と、基板104上に
形成された共通電極109,画素電極108、および、
信号電極110と能動素子であるTFT119と、基板
104,105の液晶層との接触面上に形成された液晶
層の配向を制御する配向膜102を有し、液晶層の配向
状態に応じて液晶表示装置の光学特性を変える光学手段
の偏光板106を備えている。
【0105】さらに、本実施例の液晶表示装置では、T
FT119の作用により共通電極9と画素電極8との間
に、基板面に対しほぼ平行な電界(図4中の符号116
で模式的に示す)を発生させて、液晶層の液晶分子10
1を電界116により基板104とほぼ平行な面内で回
転させることで画像表示を行う。
【0106】以下、本実施例の液晶表示装置の製法と、
その構成について図4,図5を用いて説明する。
【0107】本実施例の液晶表示装置は、基板104,
105として厚さ0.7mm で、表面を研磨したガラス板
を用いた。基板104上には、電極108,109,1
10,118の短絡を防止するための絶縁膜115を形
成した。
【0108】図5は、TFT119,電極108,10
9,110,118の構成を示し、図5(D)は平面
図、図5(E)はC−C′線に沿った断面図、図5
(F)はD−D′線に沿った断面図を示す。
【0109】TFT19は、信号電極110,画素電極
108,走査電極118およびアモルファスシリコン1
17から構成される。走査電極118はアルミニウム膜
を、信号電極110はクロム膜をそれぞれパターンニン
グし、共通電極109と画素電極108は透明電極であ
るITO(Indium Tin Oxide)をパターンニングして形
成する。
【0110】保護絶縁膜111,絶縁膜115は窒化珪
素で形成され、膜厚はそれぞれ0.8μm,0.2μm で
ある。画素電極108は図5(A)において、3本の共
通電極109の間に配置されている。なお、本実施例で
は、共通電極は3本であるが、くし歯状の画素電極の電
極間隔を小さくし、共通電極の本数を増やすことも可能
である。また逆に、画素電極の電極間隔を大きくし、共
通電極の本数を減らすことも可能である。
【0111】図6はカラーフィルタ12を形成する基板
の構造を示す模式図である。図6(G)は平面図、図6
(H)はE−E′線に沿った断面図、図6(I)はF−
F′線に沿った断面図を示す。
【0112】基板105の液晶層に接触する面側には、
ブラックマトリクス7の付いたカラーフィルタ12を形
成し、さらにカラーフィルタ保護膜3を形成した。
【0113】次に、ガラス基板104,105上に配向
膜102をそれぞれ80nmの膜厚で形成し、その表面
には液晶を配向させるためのラビング処理を施した。
【0114】ガラス基板104,105における配向膜
102のラビング方向をお互いにほぼ平行とし、かつ、
電界の方向114とラビング方向113との成す角を7
5度とした。
【0115】これらの基板間に平均粒径3.0μm の高
分子ビーズをスペーサとして分散し、基板104,10
5を、配向膜102が向き合うように重ね合わせた。
【0116】ガラス基板104,105を挟む偏光板1
06はクロスニコルに配置し、低電圧で暗状態,高電圧
で明状態となるノーマリクローズ特性を採用した。
【0117】液晶表示装置のガラス基板間に挟持される
液晶組成物は実施例1と同様に調製した。
【0118】本実施例の液晶表示装置においては、液晶
組成物の比抵抗値は3.1×1010Ωcmであり、液晶表
示装置の透過率が最大となる電圧は5.0Vであった。
なお、図7に本発明の液晶表示装置の回路システムの一
例を表す。
【0119】〔比較例4〕本比較例の液晶表示装置の構
成は、液晶組成物の組成が異なる以外は、実施例4の液
晶表示装置の構成と同じである。
【0120】さらに本比較例で使用した液晶組成物は、
比較例1と同様に市販液晶組成物ZLI−4792(メ
ルク社製)を用いた。このときの液晶組成物の比抵抗値
は、2.5×1012Ωcm、透過率が最大となる電圧は7.
8Vであった。
【0121】〔比較例5〕本比較例の液晶表示装置の構
成は、液晶組成物の組成が異なる以外は、実施例4の液
晶表示装置の構成と同じである。
【0122】本比較例で使用した液晶組成物は、市販液
晶組成物ZLI−4792(メルク社製)90重量%
に、前記式〔4〕で示される化合物10重量%を加えて
調製した液晶組成物を用いた。該液晶組成物の比抵抗値
は2.4 ×1010Ωcm、透過率が最大となる電圧は5.
0Vであった。
【0123】実施例4、および、比較例4,5に示す液
晶表示装置においては、容量素子として共通電極109
と画素電極108間の保護絶縁膜111,115を用い
ることができる。実施例1〜3の液晶表示装置と同様
に、液晶組成物の比抵抗値に対する許容範囲が広くする
ことが可能である。
【0124】比較例5の液晶表示装置は、前記式〔4〕
で示される高極性化合物を添加することにより、比較例
4の液晶表示装置に比べて、低駆動電圧化することが可
能になった。しかし、比較例5の液晶表示装置は比抵抗
値が著しく低下した。
【0125】一方、実施例4では、前記式〔5〕で示さ
れる化合物を高極性化合物と同量加えた液晶組成物を用
いた。駆動電圧は比較例4の液晶表示装置よりも低下
し、かつ、比較例5の液晶表示装置とほぼ同等であっ
た。
【0126】比較例5の液晶表示装置に用いた液晶組成
物に比べ、実施例4の液晶表示装置に用いた液晶組成物
は比抵抗値が増大した。このことから実施例4の液晶表
示装置では、比較例5の液晶表示装置に比べて、より表
示不良の少ない液晶表示装置を得ることができた。
【0127】さらに、実施例4では、実施例1の液晶表
示装置よりも低駆動電圧であり、共通電極に透明電極を
用いたことで、透過光強度が大きく明るい表示の液晶表
示装置を得ることができた。
【0128】〔実施例5〕実施例5に実施される液晶表
示装置の構成を図10a,図10bに示す。この液晶表
示装置の作成方法は、実施例1に実施される液晶表示装
置とほぼ同じである。また用いた液晶組成物は実施例1
と同様である。
【0129】実施例5に実施される液晶表示装置の構成
では、共通電極と信号電極が重畳した分だけ、画素内の
開口部、すなわち電極により透過光が遮蔽される領域が
低減されるので透過率を高くすることができる。さら
に、本発明にかかる液晶組成物を用いることにより、比
抵抗値が高く低駆動電圧で、かつ、応答時間の小さい液
晶表示装置を得ることができた。
【0130】〔実施例6〕実施例6に実施される液晶表
示装置の構成を図11a,図11bに示す。この液晶表
示装置の作成方法および用いた液晶組成物は、実施例5
に実施される液晶表示装置と同じである。
【0131】実施例6に実施される液晶表示装置の構成
は、実施例5に記載される液晶表示装置とほぼ同様であ
るが、くし歯状に形成された画素電極と共通電極が同一
の層上に形成され、かつ前記画素電極および共通電極と
液晶層の間には配向膜形成されている。実施例5と比較
すると、実施例6では、画素電極と液晶層の間に、保護
絶縁層が存在しないため、低電圧化が可能である。さら
に実施例5と同様に、共通電極と信号電極が重畳した分
だけ、画素内の開口部、すなわち電極により透過光が遮
蔽される領域が低減されるので透過率を高くすることが
できる。さらに、本発明にかかる液晶組成物を用いるこ
とにより、比抵抗値が高く低駆動電圧で、かつ、応答時
間の小さい液晶表示装置を得ることができた。
【0132】
【発明の効果】本発明によれば、IPS型表示装置で代
表されるアクティブマトリクス駆動のTFT−LCDに
おいて、高極性化合物を用いた際の課題であった比抵抗
値の低下を抑制し、応答性を妨げることなく低駆動電圧
を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶表示装置の効果を説明するグラフ
である。
【図2】実施例1,2に用いた液晶表示装置の断面と電
極付き基板平面の概略を表す模式図である。
【図3】実施例1,2に用いた液晶表示装置の電極構造
の概略を表す模式図である。
【図4】実施例4に用いた液晶表示装置の断面と電極付
き基板平面の概略を表す模式図である。
【図5】実施例4に用いた液晶表示装置の電極構造の概
略を表す模式図である。
【図6】本発明の液晶表示装置のカラーフィルタ付き基
板の構造を示す模式図である。
【図7】実施例における液晶表示装置の回路システムの
一例を表す図である。
【図8】実施例1〜3、および、比較例1,2における
液晶組成物のΔεと比抵抗値の関係を示すグラフであ
る。
【図9】実施例1〜3、および、比較例1,2における
液晶組成物の粘度と比抵抗値の関係を示すグラフであ
る。
【図10】実施例5に用いた液晶表示装置の断面と電極
付き基板平面の概略を表す模式図である。
【図11】実施例6に用いた液晶表示装置の断面と電極
付き基板平面の概略を表す模式図である。
【符号の説明】
1,101…液晶分子、2,305…配向膜、3,30
9…カラーフィルタ保護膜、4,5,104,105,
301,302…基板、6,106,308…偏光板、
7,107,311…ブラックマトリクス、8,10
8,313…画素電極、9,109,207,315…
共通電極、10,110,208,316…信号電極、
11,15,111,115,303,304…保護絶
縁膜、12,310…カラーフィルタ、13,113…
ラビング方向、14,114…電界方向、16,116
…電界、17,117,314…アモルファスシリコ
ン、18,118,206,312…走査電極、19,
119,205,307…薄膜トランジスタ(TF
T)、201…コントロール回路、202…信号電極駆
動用回路、203…走査電極駆動用回路、204…共通
電極駆動用回路、209…表示部、306…液晶層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 荒谷 康太郎 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 大阿久 仁嗣 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 Fターム(参考) 2H088 HA03 HA08 JA04 KA06 KA07 MA20 2H092 GA14 JA24 JB22 JB31 JB51 KA05 NA01 NA26 NA29 PA02 PA03 PA08 QA06

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一対の基板と、該基板間に挟持された液晶
    層と、前記基板の少なくとも一方に、共通電極,画素電
    極,映像信号電極を配置し、前記共通電極と前記画素電
    極との間に電圧を印加し、前記液晶層の配向を制御して
    表示するアクティブマトリクス型液晶表示装置におい
    て、 前記一対の基板の一方に能動素子を配置し、 前記液晶層は一般式〔1〕 【化1】 (但し、Y1はハロゲン原子,シアノ基,トリフルオロ
    メチル基,トリフルオロメトキシ基,水素原子,炭素数
    1〜8のアルキル基,アルコキシ基,アルケニル基また
    はアルケニルオキシ基であり、X1,X2はそれぞれ独立
    に水素原子,ハロゲン原子またはシアノ基であり、R1
    は炭素数1〜8のアルキル基,アルコキシ基,アルケニ
    ル基またはアルケニルオキシ基を表す)で示される化合
    物と、 一般式〔2〕 【化2】 (但し、Y2 はシアノ基,イソチオシアノ基,トリフル
    オロメチル基,トリフルオロメトキシ基またはハロゲン
    原子を表し、X3,X4はそれぞれ独立に水素原子,シア
    ノ基またはハロゲン原子を表し、Y2,X3,X4 の少な
    くとも一つはシアノ基,イソチオシアノ基,トリフルオ
    ロメチル基またはトリフルオロメトキシ基を表し、n,
    mはそれぞれ独立に0または1を表し、S1は−CH2
    CH2−,−COO−,−OCO−,−CH=CH−ま
    たは−C≡C−表し、S2 は1,4−フェニレン基,ト
    ランス−1,4−シクロヘキシレン基または1,3−ジ
    オキサン−1,5−ジイル基を表し、R2 は炭素数1〜
    8のアルキル基,アルコキシ基,アルケニル基またはア
    ルケニルオキシ基を表す)で示される正の誘電率異方性
    を有する高極性化合物とを含有し、 前記一般式〔1〕で示される化合物は、前記一般式
    〔2〕で示される高極性化合物に対して重量比でA〜1
    5含有され、 前記Aは数式(1) 【数1】 A=〔ln(ηp/ηm)〕/〔ln(ηm/ηd)〕 …(1) (但し、ηpは高極性化合物の粘度、ηdは一般式〔1〕
    で表される化合物の粘度、ηmは高極性化合物と一般式
    〔1〕で表される化合物を除いた液晶組成物の粘度を示
    し、かつ、ηp>ηm>ηd である)で規定されるもので
    あることを特徴とするアクティブマトリクス型液晶表示
    装置。
  2. 【請求項2】前記液晶層に含有される前記高極性化合物
    の少なくとも一種が一般式〔3〕 【化3】 (但し、X5 はフッ素原子,水素原子またはシアノ基を
    表し、o,pはそれぞれ独立に0または1を表し、S3
    は−CH2−CH2−,−COO−,−OCO−,−CH
    =CH−または−C≡C−を表し、S4 は1,4−フェ
    ニレン基,トランス−1,4−シクロヘキシレン基また
    は1,3−ジオキサン−1,5−ジイル基を表し、R3
    は炭素数1〜8のアルキル基,アルコキシ基,アルケニ
    ル基またはアルケニルオキシ基を表す)で示されるフル
    オロシアノベンゼン構造を分子内に有し、 該一般式〔3〕の高極性化合物は、前記液晶層に対し
    0.5 〜15重量%含有されている請求項1に記載のア
    クティブマトリクス型液晶表示装置。
  3. 【請求項3】前記液晶層に含まれる前記一般式〔2〕ま
    たは前記一般式〔3〕で示される高極性化合物が液晶層
    を構成する液晶組成物に0.5 〜30重量%含有されて
    いる請求項1または2に記載のアクティブマトリクス型
    液晶表示装置。
  4. 【請求項4】前記一対の基板のうち一方の基板に、共通
    電極および画素電極をそれぞれ配置し、両電極間に電界
    を印加することにより液晶の配向を制御するよう構成さ
    れた請求項1,2または3に記載のアクティブマトリク
    ス型液晶表示装置。
  5. 【請求項5】前記共通電極と画素電極のいずれか一方
    が、くし歯状に形成されている請求項4に記載のアクテ
    ィブマトリクス型液晶表示装置。
  6. 【請求項6】前記共通電極と画素電極の少なくとも一方
    が透明電極で形成されている請求項5に記載のアクティ
    ブマトリクス型液晶表示装置。
  7. 【請求項7】前記液晶層の厚さ(d)と該液晶層を構成す
    る液晶組成物の屈折率異方性(Δn)の積(Δnd)が
    0.2〜0.4である請求項1〜6のいずれかに記載のア
    クティブマトリクス型液晶表示装置。
  8. 【請求項8】請求項5から7に記載の液晶表示装置にお
    いて、共通電極と信号電極が重畳しており、共通電極と
    信号電極の間には絶縁層を含むことを特徴とした液晶表
    示装置。
  9. 【請求項9】請求項8に記載の液晶表示装置において、
    共通電極と画素電極は、くし歯状に形成されかつ、該共
    通電極と該画素電極とは同層にあって、該共通電極と該
    画素電極と液晶層の間に、配向膜が形成されることを特
    徴とした液晶表示装置。
  10. 【請求項10】請求項8に記載の液晶表示装置におい
    て、共通電極と画素電極は、くし歯状に形成されかつ、
    該共通電極は、該画素電極と異なる層上に形成され、か
    つ該共通電極と液晶層の間に、配向膜が形成されること
    を特徴とした液晶表示装置。
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JP2002180048A (ja) * 2000-12-04 2002-06-26 Merck Patent Gmbh 液晶性媒体
JP2019534354A (ja) * 2016-10-24 2019-11-28 メルク・パテント・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツングMerck Patent GmbH 液晶媒体

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