JPWO2017099124A1 - 光学応答を改善する方法及びそれを用いた液晶表示素子 - Google Patents

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Abstract

本発明では、液晶層を有する液晶セル(2)と、背面側の第1の偏光板(3)及び前面側の第2の偏光板(4)と、光学補償板(5)とを備える液晶表示素子(1)において、光学補償板(5)の配置を省略した場合の駆動電圧の立下り時の透過光量をI1とし、光学補償板が配置された場合の駆動電圧の立下り時の透過光量I2とし、各透過光量I1,I2の時間t に対する微分係数が|∂Ι2/∂t|>|∂Ι1/∂t|の関係を満足するように、第1の偏光板(3)の透過軸と光学補償板(5)の異常光線軸とのなす角度を調整することにより、駆動電圧V1から駆動電圧V2(<V1)への立ち下がり時の光学応答を改善する。

Description

本発明は、液晶表示素子の光学応答を改善する方法及びそれを用いた液晶表示素子に関する。
例えば、液晶表示素子は、各種の測定機器、自動車、電子手帳、プリンター、コンビューター、テレビ、時計、広告表示板、スマートフォンなどの表示部に広く用いられている。
液晶表示素子の代表的な駆動方式としては、例えば、TN(ツイステッド−ネマチック)モード、STN(スーパー・ツイステッド・ネマチック)モード、ECB(電界効果複屈折)モードなどが知られている。TFT(薄膜トランジスタ)を用いたアクティブマトリクス型の液晶表示素子では、液晶分子を垂直配向させるVA(垂直配向)モードや、液晶分子を水平配向させるIPS(イン・プレーン・スイッチング) モード又はFFS(フリンジ・フィールド・スイッチング)モードなどの駆動方式が採用されている。IPSモードの駆動方式は、液晶分子の垂直方向の傾きが発生しないため、視野角による輝度変化や色変化が少ないという利点を有する。このような利点を有することから、IPSモードの駆動方式は、観賞用や医療用のディスプレイに多く採用されている。その他の液晶表示素子の駆動方式として、連続階調を表示可能なHalf V−FLCD(強誘電性液晶ディスプレイ)も知られている。
最近の液晶表示素子では、大型や中小型の各種用途に対して、4K×2K、8K×4Kなどの高精細化・高解像度化や、400ppi、600ppiなどの表示容量の増加などが行われている。
液晶表示素子では、これらに適合すべき新たな課題の一つとして光学応答の改善が挙げられる。具体的に、液晶表示素子の光学応答を改善する方法としては、以下の(1)から(5)などがある。
(1)液晶層の厚みを下げる。
(2)液晶材料の粘弾性を低減させる。
(3)過電圧印加による中間階調応答を改善する(オーバードライブ方式という)。
(4)リフレッシュレート増で動画フレーム聞をつなぐ映像を補間する(倍速駆動という)。
(5)液晶セルを光学的補償位置に配置した2層パネルを特定の条件で駆動する(非特許文献1参照)。
一方、液晶表示素子において、上述した高精細化−高解像度化や、表示容量の増加を図るためには、広視野角化や色再現性などの改善が必要である。このため、多くの研究開発が現在も行われている。
これらに有用な方法としては、例えば、ネガAプレートや、ポジAプレー卜、ネガCプレート、ポジCプレート、二軸性プレート、1/2波長板、1/4波長板などの位相差板(光学補償板)を用いる方法がある。
しかしながら、これらの技術の中には、位相差板の設計により光学応答を改善したものはない(特許文献1から特許文献4を参照。)。したがって、液晶表示素子の光学応答を改善する方法としては、上述した従来の考え方から変わっていない。
また、液晶表示素子の駆動電圧に対する応答時間は、外場に対するトルク方程式の解である以下の式A及びBに従うと考えられている。しかしながら、この考え方は、根本的な間違いではないが不正確であった。
Figure 2017099124
式(A),(B)において、「τ」は立ち上がり(オン)時の応答時間[s]、「τ 」は立ち下がり(オフ)時の応答時間[s]、「γ」は液晶の粘性率、「K」は液晶の実効的な弾性係数[N]、「d」は液晶の層厚[m]、「Δε」は液晶の誘電率異方性の絶対値、「V」は駆動電圧[V]、「Vth」は閾値電圧[V]を表す。
すなわち、式(A),(B)は、液晶分子そのものの動きを表すのみで、液晶表示素子の透過光量の時間変化を直接的に表したものではないということである。したがって、液晶表示素子の光学応答とは、例えば液晶表示素子中にある一つの画素を光が透過するときの透過光量の所定変化に対応した時間と考えられる。
液晶表示素子の透過光量は、偏光板の配置や、液晶層の位相差、位相差フィルムの位相差などによって決まるものである。したがって、式(A),(B)は、液晶層の分子運動のみを表しているに過ぎず、液晶表示素子の光学応答に直接かかわっている透過光量の時間的変化を表したものではない。
特開平11−249126号公報 特開2007−78854号公報 特開2008−139769号公報 特開2010−72658号公報
IDW2010 DIGEST,p.605
本発明は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、IPSモード等の駆動方式のように基板と平行な面内で回転する液晶を含む液晶表示素子の透過光量の時間変化に対する光学応答を改善する方法、並びにそのような方法を用いた液晶表示素子を提供する。
上述の目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
〔1〕液晶セルと、第1の偏光板及び第2の偏光板と、光学補償板と、を有する液晶表示素子の光学応答を改善する方法であって、
前記液晶セルは、
互いに対向して配置された第1の基板及び第2の基板と、
前記第1の基板及び前記第2の基板の間に挟持され、前記第1の基板及び前記第2の基板と平行な面内で回転する液晶を含む液晶層と、
前記第1の基板及び前記第2の基板の間で前記液晶層の配向状態を制御する配向層と、
前記液晶層の配向状態を駆動電圧の印加により発生する電界によって変化させる電極と、を備え、
前記第1の偏光板は、前記液晶セルの背面側に配置され、
前記第2の偏光板は、前記液晶セルの前面側に配置され、
前記光学補償板は、前記第1の偏光板及び前記第2の偏光板と前記液晶セルとの間のうち少なくとも一方の間に配置され、
前記光学補償板の配置が省略された場合の前記駆動電圧がオン状態からオフ状態となるときの透過光量Ιの時間tに対する微分係数を∂Ι/∂tとし、前記光学補償板が配置された場合の前記駆動電圧がオン状態からオフ状態となるときの透過光量Ιの時間tに対する微分係数を∂Ι/∂tとしたときに、立下り(オフ)時の応答時間(τ)に関わる領域において、以下の式(1)の関係を満足するように、前記第1の偏光板の透過軸と光学補償板の異常光線軸とのなす角度を調整することによって、
高低関係がV1>V2である駆動電圧V1から駆動電圧V2への立下り(オフ)時の光学応答を改善する方法。
Figure 2017099124
〔2〕前記第1の偏光板の透過軸及び前記第2の偏光板の透過軸の向きは、法線方向から見て互いに直交し、
前記立ち下がり(オフ)時の応答時間(τ)に関わる領域において、以下の式(2)の関係を満足するように、前記液晶層の位相差と前記光学補償板の位相差との光学設計を行うことにより、
高低関係がV1>V2である駆動電圧V1から駆動電圧V2への立ち下がり(オフ)時の、前記〔1〕に記載の光学応答を改善する方法。
Figure 2017099124
但し、式(2)において、配向角度(即ち、駆動初期の配向角度)φは、前記駆動電圧がオフ状態である場合(即ち、電圧が印加されていない場合)において、法線方向に沿って前面から背面に向かって見たときに前記液晶の初期配向軸が前記第1の偏光板の透過軸に対して反時計回りになす角度である。配向角度φは、(π/4)[rad]で表される。前記駆動電圧がオフ状態である場合(即ち、電圧が印加されていない場合)において、法線方向に沿って前面から背面に向かって見たときに前記光学補償板の異常光線軸が前記第1の偏光板の透過軸に対して反時計回りになす角度は(3π/4)+α[rad]で表される。αは、−(π/4)<α≦0である。
〔3〕前記光学補償板は、位相差板である、前記〔1〕又は〔2〕に記載の光学応答を改善する方法。
〔4〕前記位相差板は、Aプレート、Cプレート、二軸性プレートのうちの何れかを含む、前記〔3〕に記載の光学応答を改善する方法。
〔5〕前記光学補償板は、光学補償用の液晶セルである、前記〔1〕又は〔2〕に記載の光学応答を改善する方法。
〔6〕前記液晶セルは、前記電極と電気的に接続された非線形アクティブ素子を含む、前記〔1〕から〔5〕の何れか一項に記載の光学応答を改善する方法。
〔7〕前記配向層は、ポリイミド、ポリアミド、カルコン、シンナメート、シンナモイルのうちの何れかを含む、前記〔1〕から〔6〕の何れか一項に記載の光学応答を改善する方法。
〔8〕液晶セルと、第1の偏光板及び第2の偏光板と、光学補償板と、を有する液晶表示素子であって、
前記液晶セルは、
互いに対向して配置された第1の基板及び第2の基板と、
前記第1の基板及び前記第2の基板の間に挟持され、前記第1の基板及び前記第2の基板と平行な面内で回転する液晶を含む液晶層と、
前記第1の基板及び前記第2の基板の間で前記液晶層の配向状態を制御する配向層と、
前記液晶層の配向状態を駆動電圧の印加により発生する電界によって変化させる電極と、を備え、
前記第1の偏光板は、前記液晶セルの背面側に配置され、
前記第2の偏光板は、前記液晶セルの前面側に配置され、
前記光学補償板は、前記第1の偏光板及び前記第2の偏光板と前記液晶セルとの間のうち少なくとも一方の間に配置され、
前記光学補償板の配置が省略された場合の前記駆動電圧がオン状態からオフ状態となるときの透過光量Ιの時間tに対する微分係数を∂Ι/∂tとし、前記光学補償板が配置された場合の前記駆動電圧がオン状態からオフ状態となるときの透過光量Ιの時間tに対する微分係数を∂Ι/∂tとしたときに、立下り(オフ)時の応答時間(τ)に関わる領域において、以下の式(1)の関係を満足する液晶表示素子。
Figure 2017099124
以上のように、本発明では、上述の式(1)を満足するように、入射側偏光板(第1の偏光板)の透過軸と光学補償板の異常光線軸とのなす角度を調節することによって、高低関係がV1>V2である駆動電圧V1から駆動電圧V2への立下り(オフ)時の光学応答を改善することができる。したがって、IPSモードの駆動方式等のように基板と平行な面内で回転する液晶を含む液晶表示素子に対しても、液晶材料の物性の改善を行う方法以外の方法で、優れた光学応答を得ることができる。
本発明に係る液晶光学素子を構成する各部の光学配置の一例を示す模式図である。 図1に示す液晶光学素子から位相差板(光学補償板)の配置を省略した場合の模式図である。 IPSモードで駆動される液晶光学素子の構成を示す模式図であって、駆動電圧が閾値電圧よりも低い場合の図である。 IPSモードで駆動される液晶光学素子の構成を示す模式図であって、駆動電圧が閾値電圧よりも高い場合の図である。 図1に示す液晶光学素子の二次元的な光学配置を示す模式図である。 図1に示す液晶光学素子の液晶分子と電極との配置を示す模式図であり、誘電率異方性が正の場合である。 図1に示す液晶光学素子の液晶分子と電極との配置を示す模式図であり、誘電率異方性が負の場合である。 図1及び図2に示す液晶光学素子の透過率の配向角度φによる変化の一例について、式(3a),(4a)を用いたシミュレーションの結果を示すグラフである。 図1及び図2に示す液晶光学素子のF値の配向角度φによる変化の一例について、式(1)を用いたシミュレーションの結果を示すグラフである。 Half−V FLCDにおけるV−T曲線を示すグラフである。 図1に示す液晶光学素子の液晶セル(IPSセル)の断面図の一例である。 図1に示す液晶光学素子の液晶セル(FFSセル)の断面図の一例である。 図1に示す液晶光学素子の液晶セル(Half−V FLCD)の断面図の一例である。 実施例1−1,1−2及び比較例1における印加電圧に対する透過率の特性曲線を示すグラフである。 実施例2−1,2−2及び比較例2における印加電圧に対する透過率の特性曲線を示すグラフである。 実施例3−1,3−2及び比較例3における印加電圧に対する透過率の特性曲線を示すグラフである。 実施例4−1,4−2及び比較例4における印加電圧に対する透過率の特性曲線を示すグラフである。 実施例5及び比較例5における印加電圧に対する透過率の特性曲線を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下の説明で用いる図面は、液晶光学素子の特徴をわかりやすく示すために、便宜上特徴となる部分を模式的に示している場合がある。各図面における構成要素の寸法比率などは、実際と同じであるとは限らない。また、以下の説明において例示される材料、寸法等は一例である。本発明は、それらの一例に必ずしも限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
先ず、本発明を適用した液晶表示素子の光学応答を改善する方法の一例について、図面を参照して説明する。
図1に示すように、液晶光学素子1は、液晶セル2と、第1の偏光板3及び第2の偏光板4と、位相差板(光学補償板)5と、を概略備えている。
液晶セル2は、不図示の第1の基板及び第2の基板と、液晶と、を含む。液晶は、第1の基板及び第2の基板の面内に平行に回転し、例えば、IPSモード又はFFSモード、Half V−FLCDモードで駆動する液晶等が挙げられる。液晶は、第1の基板及び第2の基板の間に挟持されている。
IPSモードは、液晶を基板と平行な面内(in−plane)で回転させ、複屈折の変化によって光をスイッチングする駆動方式である。IPSモードで駆動可能な液晶は、基板の面方向に印加された電界によって駆動され、電界が存在しない無電圧状態で光を遮断する。表示の度合いにムラが生じないようにし、且つ駆動電圧を低く抑える点から、図3に示すように、画素電極が櫛歯状に形成されている(以下、櫛歯電極とする)場合がある(例えば、Journal of Applied Physics,Vol.45,No.12,pp.5466−5468等参照)。
第1の偏光板3は、偏光子Pとして液晶セル2の背面側に配置されている。第2の偏光板4は、検光子Aとして液晶セル2の正面側に配置されている。
本実施形態では、図1に示すように、第1の偏光板3の透過軸と第2の偏光板4の透過軸は、法線方向から見て互いに直交している。なお、図1では、第1の偏光板3及び第2の偏光板4の法線方向をXYZ座標のZ軸方向としている。第1の偏光板3の透過軸は、XYZ座標のX軸方向と一致するように向けられている。第2の偏光板4の透過軸は、XYZ座標のY軸方向と一致するように向けられている。図1などに示す配向角度φは、法線方向に沿って前面から背面に向かって見たときにX軸に対して第1の偏光板3の透過軸が反時計回りになす角度である。図1などに示す配向角度φは、法線方向に沿って前面から背面に向かって見たときに第1の偏光板3の透過軸に対して第2の偏光板4の透過軸が反時計回りになす角度である。
液晶セル2における液晶層の遅相軸は、スイッチオンの初期状態としてX軸方向から45°(即ち、(π/4))となる方向と一致するように向けられている。位相差板5は、例えば、液晶セル2と第2の偏光板4との聞に配置されたAプレートである。位相差板5の遅相軸は、X軸方向から(3π/4)+αとなる方向と一致するように向けられている。
液晶セル2では、図4に示すような二次元的な光学配置がなされている。図4において、e,oは、液晶光学素子1の異常光線軸及び常光線軸を示す。同図において、e,oは、位相差板5の異常光線軸及び常光線軸を示す。「P」と「A」は、互いに直交する偏光板のPolarizer(即ち、第1の偏光板3)とAnalyzer(即ち、第2の偏光板)である。
従来(即ち、本発明を適用していない、IPSモードで駆動する液晶光学素子)では、電圧無印加時のe軸は配向角度φ=0°で、電圧印加によってe1軸が時計方向に配向変化するとすれば、誘電率異方性が正(即ち、Δε>0)の場合は櫛歯電極が10°方向に配向され、誘電率異方性が負(Δε<0)の場合は櫛歯電極が100°方向に配置される。上述の構成において、位相差板5にECB(TB)セルを用いて、適当な液晶の屈折率及び液晶層の厚みが設定されれば、液晶光学素子1の明るさが向上する。
液晶光学素子1には、上述のΔε>0の場合と、Δε<0の場合がある。また、Half−V FLCDにおいては、電気偏極は正である。FFS(Fringe Field
Switching)方式は、IPSモードを発展させた方式である。図5及び図6に示すように、Δε>0の場合とΔε<0の場合とでは、液晶分子の回転の様子やe軸の相対配置が異なる。
Δε>0の場合、従来のように一枚のIPS(図5及び図6の“Single IPS”)モードでは、液晶分子の配向方向が0°から80°まで変化し、スイッチングオンでは、配向角度φ=80°となる。本実施形態のように、光学補償を行うIPSモードでは、配向角度φを45°から−35°まで変化させる。
Δε<0の場合、電極の配置がΔε>0の場合とは異なるが、液晶分子自体の回転の様子はΔε>0の場合と同様である。
Half V−FLCDモードでは、電極の配置がIPSモードとは異なるが、液晶分子自体の回転の様子はIPSモードと同様である。
図4は、動作説明とシミュレーション計算を行うための光学配置、及び、液晶セルと位相差板(光学補償板)5の異常光線軸(遅相軸)の角度関係を表している。実施例は、図5及び図6に示す。シミュレーション計算において、位相差板5がないと想定した場合には、φを−80°から0°までの範囲で変化させ、位相差板5があると想定した場合には、φを−35°から+45°の範囲で変化させることによって、液晶光学素子1の動作を調べた。電圧印加によって液晶分子が時計方向に配向変化するならば、誘電率異方性の正負によって、櫛形電極の配置が異なる。図5及び図6に例示すように、位相差板5がないときには、Δε>0の場合、櫛歯電極は10°方向(あるいは−170°方向)に向くと想定した。一方、Δε<0の場合、櫛歯電極は100°方向(あるいは−80°方向)に向くと想定した。
位相差板5があるときには、Δε>0の場合、櫛歯電極は55°方向(あるいは−125°方向)に向くと想定した。一方、Δε<0の場合、櫛歯電極は−35°方向(あるいは145°方向)に向くと想定した。
位相差板5の配向角度φについては、φ=(3π/4)+α[rad]とし、α≦0とした。
ここで、図1に示す液晶光学素子1から位相差板5の配置を省略した図2に示す液晶光学素子1‘の透過光量をIとする。一方、位相差板5が配置された場合の液晶光学素子1の透過光量をIとする。また、図1及び図2に示す液晶光学素子1,1‘には、それぞれの液晶セル2の背面側から波数kの入射光が垂直(Z軸と平行な方向)に入射し、液晶セル2の前面側から透過光が垂直(Z軸と平行な方向)に出射するものとする。
液晶セル2における液晶層の位相差をΓとし、位相差板5の位相差をΓとしたとき、位相差板5の位相差Γは、駆動電圧や時聞に対して変化しない。一方、液晶セル2の基板間距離をdとし、駆動電圧をVとし、時間をtとし、液晶層の複屈折をΔn(V,t)としたとき、液晶層の位相差Γで表される。したがって、液晶層の位相差Γは、駆動電圧や時間的に対しても変化しない。配向角度φのみが時間変化する。
透過光量Iについては、次に示す式のように表される。
Figure 2017099124
Figure 2017099124
一方、透過光量Iについては、次に示す式のように表される。
Figure 2017099124
Figure 2017099124
従って、図2に示す液晶光学素子1‘の光透過率T及び位相差板5が配置された場合の液晶光学素子1の光透過率Tは、次に示す式のように表される。
Figure 2017099124
は入射光量を表す。液晶セル2に駆動電圧を印加していない状態では、以下の式が成り立つ。
配向角度φは−45°以上+45°以下である。
Figure 2017099124
液晶光学素子1における暗状態からの光漏れ(即ち、暗状態から明るくなる状態)については、以下の式が成り立つ。
Figure 2017099124
明状態では、以下の式が成り立つ。
Figure 2017099124
ここで、α=−0.10[rad]≒−5.7[deg]では、液晶光学素子1の暗状態からの光漏れは4.0%となった。また、α=−0.12[rad]≒−6.8[deg]では、液晶光学素子1の暗状態からの光漏れは5.8%となった。液晶光学素子1の明状態からの光漏れは、α=0.10[rad]のときは4.0%となり、α=−0.12[rad]のときは5.8%となった。しかしながら、配向角度φ=(π/4)+α(α≦0)の角度では、完全な暗状態が得られた(後述の式(5)参照)。
なお、図4に示す光学配置は、印加電圧が0(零)の状態で黒を表示する動作であり、所謂Normally black(以下、NBとする)についての配置である。本実施形態を含む殆どのIPSモードは、図4に示す光学配置をとる。印過電圧が0(零)の状態で白を表示する動作、所謂Normally white(以下、NWとする)についての配置も実現可能である。
NBでは、位相差板5を省略したときに、φ=0°(初期の液晶配向方向が0°)であり、位相差板5を配置したときに、φ=45°(初期の液晶配向方向が0°)、φ=(135+α)°である。これに対し、NWでは、位相差板5を省略したときに、φ=45°(初期の液晶配向方向が45°)であり、位相差板5を配置したときに、φ=0°、φ=(135+α)°をとる。
前述の式(3a)に、例えばφ=(3π/4)+αを代入すると、次に示す式(5)が得られる。
Figure 2017099124
α=−0.10[rad]≒−5.7[deg]及び、α=−0.12[rad]≒−6.8[deg]とし、G=1、G=1の条件では、Γ,Γは(π/2)又は(3π/2)が好適となる。
上述した式により、透過光量I,Iの配向角度φ微分は、前述の式(5)及び次に示す式(6),(7)のように表される。
Figure 2017099124
本実施形態のように光学補償を行ったIPSモードにおいて、規格化された透過光量I ,Iの配向角度φ依存性については、図7に示すグラフのように示される。図7のグラフでは、立ち下がり(decay)時の透過光量Iは配向角度φ=−80[deg]から配向角度φ=0[deg]への変化となっている。立ち下がり(decay)時の透過光量Iは、φ=−35[deg]からφ=45[deg]への変化となっている。このように、透過光量Iと透過光量Iでは、初期の配向角度φが45[deg]だけずれている。また、図7のグラフの第一横軸;φforIにおいて、−45[deg]では規格化された透過光量の微分が略0(零)である。一方、図7のグラフの第二横軸;φforIでは、0[deg]で既に、規格化された透過光量の微分が負(有限)となっている。
前述の式(6),(7)で示された透過光量I,Iの配向角度φ微分の比F(F関数といわれる場合もあり、以下、F値とする)をとると、次に示す式が成り立つ。
Figure 2017099124
ここで、G=1とする。
図8に示すように、F関数のグラフからわかるように、例えば、G=1とすると、α=−0.10[rad]≒−5.7[deg]及び、α=−0.12[rad]≒−6.8[deg]が好適である。
図8は、F関数(式(10))の配向角度φ依存性を調べたシミュレーションの結果である。図8の左端はスイッチオフの過程を示し、F>1となり、IはIより高速度となっている。配向角度φ=45°近傍でF関数が負の値になっているが、φ=45−α(α=−0.12[rad]であれば、37°から39°)[deg]からスイッチングオンが始まるので、液晶光学素子1の低速度応答にはならない。スイッチングオンでは、所謂Over drivingによって、高速度応答となる。
本発明の課題である透過光量の時間変化に対する光学応答の改善には、位相差板5の配置を省略した場合の駆動電圧Vがオン状態からオフ状態となる(立下り)ときの透過光量I の時間tに対する微分係数を∂I/∂tとし、位相差板5が配置された場合の駆動電圧Vがオン状態からオフ状態となる(立ち下がり)ときの透過光量Iの時間tに対する微分係数を∂I/∂tとしたときに、次に示す式(1)の関係を満足するように、光学設計を行う必要がある。
Figure 2017099124
実際の液晶では、液晶分子の回転に、立ち上がり(スイッチングオン)ではdrive
forceが、また立ち下がり(スイッチングオフ)では液晶分子の緩和が影響を与える。従って、次に示す式が成り立つ。
Figure 2017099124
液晶の立ち上がり及び立ち下がりでは、それぞれ、ある電圧を印加したとき液晶分子が回転した配向角度φをφ(=φ(t=0))とおくと、次に示す式が成り立つ。
Figure 2017099124
上述の式(8),(9)において、τは立ち上がり(スイッチングオン)時の透過光量I,Iの時間変化に対する光学応答(立ち上がり時間)である。τは立ち下がり(スイッチングオフ)時の透過光量I,Iの時間変化に対する光学応答(立ち下がり時間)である。そのため、配向角度φの時間微分が0(零)になっても、液晶分子の回転は進行する。図8に示すグラフで縦軸の値が0(零)になる条件があっても、∂T/∂tが∂T/∂tより大きくなるので、液晶光学素子1の高速化が促進される。
以上から、次に示す式が成り立つ。
Figure 2017099124
上述のGは、Γ=Γ=(π/2)または(3π/2)とすることにより、G=(G/G)=1とすることができる。
以上のことから、上述の式(1)を満足するように、液晶層の位相差Γと位相差板の位相差Γとの光学設計を行うことによって、透過光量の時間変化に対する光学応答の改善が可能となることが明らかとなった。
さらに、少なくとも法線方向から入射する波長λの入射光に対して、液晶層の位相差Γ と位相差板5の位相差Γが等しく、且つΓの駆動電圧がオフ状態での遅相軸φと位相差板5の位相差Γの遅相軸φの差、即ちφ−φ≦(π/2)であることが好ましい。より具体的には、第1の偏光板3の透過軸と位相差板5の異常光線軸とのなす角度を調整することが好ましい。
これにより、立ち下がり(スイッチングオフ)時の透過光量I,Iの時間変化に対する光学応答(立ち下がり時間)τを、位相差板5の配置を省略した場合に比べて速めることができる。
また、位相差板5の配置を省略した場合の駆動電圧又は駆動電圧振幅をVLC1とし、位相差板5が配置された場合の駆動電圧又は駆動電圧振幅をVLC2としたときに、次に示す式(13)の関係を満足するように、液晶セル2の駆動を行うことが重要である。
Figure 2017099124
なお、Half−V FLCDにおけるV−T曲線は、図9に示すグラフのようになる。
そして、IPSモードとは異なり、電極は既に知られているTN−LCD,VA−LCDの様に上下方向に沿って配置される。NBにする際には、位相差板5としてAプレートが配置される。
これにより、駆動電圧がオフ状態からオン状態になる立ち上がり時の透過光量の時間変化に対する光学応答(立ち上がり時間)は、立ち下がり時の透過光量の時間変化に対する光学応答(立ち上がり時間)よりも遅くなる。しかしながら、上述の式(10)の関係を満足するように、液晶セル2の駆動を行うことで、立ち上がり時の透過光量の時間変化に対する光学応答を改善しながら、立ち下がり時の透過光量の時間変化に対する光学応答を著しく改善することが可能である。
以上のように、本発明では、第1の偏光板3の透過軸と位相差板5の異常光線軸とのなす角度を調整する。このことにより、広視野角が重要な大型の液晶表示素子や、高解像度化を追求する中小型の液晶表示素子に対しても、液晶材料の物性改善を行う以外の方法で、優れた光学応答を得ることができる。
本発明によれば、本発明は光学補償された、IPS,FFS等の駆動方式やHalf−V FLCDのように基板に平行な面内で回転する液晶を含む液晶光学素子1において、その光学補償板の設定角度を僅かに変えることによって、少なくともスイッチングオフのときに液晶光学素子1の応答速度を早くすることができる。
[液晶セル]
液晶セル2の具体的な構成について、図10から図12を参照し、説明する。
図10に示す液晶セル2は、第1の基板31と、第2の基板32と、第1の基板31と第2の基板32との間に挟持された液晶層33と、を有する。
図12に示す液晶セル2の第1の基板31と第2の基板32との互いに対向する面には、液晶層33の配向状態を制御する配向層34a,34bが設けられている。また、第1の基板31の第2の基板32と対向する面には、液晶層33の配向状態を駆動電圧の印加によって発生する電界によって変化させる透明電極(電極)35が設けられている。
すなわち、図12に示す液晶セル2では、第1の基板31と第2の基板32とのうち、一方の基板(図12では、第1の基板31)のみに透明電極35,36が設けられている。IPSモードの場合、配向層34a,34bは、駆動電圧の無印加時に液晶層33の液晶分子33aを、基板に対して実質的に水平な方向に配向(即ち、水平配向)させる。IPSモードの場合、透明電極35は、共通電極と画素電極とからなる櫛歯電極を構成している。
アクティブマトリクス表示方式を採用した場合には、例えば、複数の画素電極がマトリクス状に配列された構造を有し、各画素電極と電気的に接続された不図示の非線形アクティブ素子によって、各画素電極と電気的に接続された不図示の非線形アクティブ素子の駆動がそれぞれ独立に制御される。したがって、アクティブマトリクス表示方式では、透明電極のうち、何れか一方が画素電極であり、もう一方が共通電極である。
[液晶層]
次に、液晶層33について具体的に説明する。
液晶層33には、例えば、ネマチック液晶、スメクチック液晶、強誘電性液晶、コレステリック液晶などの液晶材料を使用できるが、その中でも、ネマチック相を有する液晶を用いることが特に好ましい。
液晶層33の誘電率異方性については、正、負ともに使用できる。2πdΔn/λが(π/2)又は(3π/2)であることが好ましいとの結果から、液晶層の複屈折率Δnがこの条件を満たすような液晶材料を用いることが好ましい。
このことから、本発明の液晶層には、次に示す一般式(L1)から式(L3)で表される液晶化合物を含有することがより好ましい。
Figure 2017099124
上述の一般式(L1)から式(L3)において、R11からR32は、それぞれ独立して炭素数1から15のアルキル基、アルコキキシ基、アルケニル基又はアルケニルオキシ基を表す。A11からA32は、それぞれ独立して下記の何れかの構造を表す。
Figure 2017099124
上述の一般式(L1)から式(L3)において、Z11からZ32は、それぞれ独立して単結合、−CH=CH−、−C≡C−、−CHCH−、−(CH−、−OCH−、−CHO−、−OCF−、又は−CFO−を表す。m11からm31は、それぞれ独立して0から3の整数を表す。X11,X12は、それぞれ独立して−H、−Cl、−Fを表す。Y11は、−CN、−CI、−F、−OCHF、−CF、−OCF、炭素数2から5のフッ素化されたアルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、またはアルケニルオキシ基を表す。
上記の光学測定で使用した液晶材料は、前述の一般式(L1)で表される化合物と下記一般式(L3)で表される化合物を含有している。実用化されている液晶層の厚みΛは1μmから4μm程度であることから、液晶材料の複屈折率Δnは0.04から0.15までの範囲から選ぶことができるが、0.05から0.12までの範囲から選ばれることが好ましく、0.06から0.10までの範囲から選ばれることがさらに好ましい。
液晶層33の光学応答は、配向層34a,34bからも優劣の影響を受けている。したがって、配向層34a,34bには、液晶層33とのアンカリングエネルギーが比較的大きな材料を用いることが好ましく、具体的には、ポリイミド(PI)、ポリアミド、力ルコン、シンナメー卜又はシンナモイルの中から選ばれる少なくとも1つを用いることが好ましい。
以上、本発明の好ましい形態について詳述したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
以下、本発明の実施例を示し、本発明を更に詳細に説明する。しかしながら、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
水平配向され、横電界駆動される液晶セル(IPS/FFSセル)及び水平配向され縦電界駆動される液晶セル(Half−V FLCセル)の印加電圧に対する透過率の特性曲線を、電気光学測定装置(型番:DMS 703、Autronic Melchers GmbH社製)で測定した。測定温度は25℃とした。
この際、透過率特性曲線の測定における座標系を右手座標系で定義した。X軸方向を偏光子の透過軸方向、Y軸方向を検光子の透過軸方向、XY平面を液晶セルおよび位相差板の面内方向、Z軸方向を液晶セルおよび位相差板の厚み方向とした。液晶セルおよび位相差板は、偏光子と検光子の間に配置した。
液晶セルおよび位相差板を机などに置いて上から(即ち、法線方向に沿って)眺めた場合、親指方向をX軸正方向とし、人差し指方向をY軸正方向とし、机の下から上に向かう方向を正とした。光は、常にZ軸の小さい方(即ち、背面側)から入射し、Z軸の大きい方(即ち、前面側)に通り抜けていくものとした。
液晶セルの配向角度φは、液晶への電圧無印加状態における液晶層の遅相軸とX軸とのなす角度で表し、反時計回り方向を正と定義した。同様に、位相差板の配向角度φは、位相差板の遅相軸とX軸とのなす角度で表した。本実施例で用いる位相差板は、上述の液晶セルと同一のものをもう一つ同じ作製方法で複製した。複製した位相差板は、元の位相差板と同じ位相差を持っている。2つの位相差板のうち、一つは駆動用、もう一つは位相差板(電圧無印加であれば、便宜上、正のAプレートとして使用可能である)用とした。
〔p型IPS液晶セル〕
(実施例1−1)
縦25mm×横20mm×厚み1.1mmの1対のガラス基板の片方に線幅10μm、間隔10μmの櫛形電極をITOで形成した。この後、1対のガラス基板の片側(電極のある基板は電極側)にポリイミド水平配向膜を厚さ100nmで成膜し、ナイロン生成の布で電極長手方向に対し、10°の角度でラビングした。配向膜を内側にして平均粒径3.5μmの樹脂製スペーサーでギャップを保持しつつ、ラビング方向がアンチパラレルになるように1対のガラス基板同士を対向させ、ギャップにネマチック液晶(誘電率異方性:Δε=6.2(25℃)、屈折率異方性:Δn=0.088(589nm、25℃))を注入し、IPS液晶セルを作製した。このような構成のIPS液晶セルにおいて、液晶への電圧無印加状態では、液晶層の遅相軸はラビング方向と一致する。
配向角度φ=45°(即ち、電極長手方向は55°又は235°方向を表す)、配向角度φ=135°(すなわちα=0°である)の条件でIPSセルおよび位相差板(便宜上IPSセルである)を配置した場合の印加電圧に対する透過率の特性曲線を図13に示す。IPS液晶セルに対して60Hzの矩形波を0Vから15Vまで印加した後、透過率が極大になる電圧から電圧0Vへの立ち下がりの応答時間(τ)を測定した。本実施例では、τとは、電圧印加で極大になる透過率を100%、電圧0Vでの透過率を0%と規格化したとき、透過率が90%から10%へと変化するのに要した時間のことを示す。透過率が極大となる印加電圧とともに、求めたτを表1に示す。
(実施例1−2)
配向角度φ=128°(即ち、α=−7[deg]≒−0.12[rad])として条件設定をしたこと以外は、上述の実施例1−1と同じ方法で測定を行った。印加電圧に対する透過率の特性曲線を図13に示す。IPS液晶セルに対して60Hzの矩形波を0Vから15Vまで印加した後、透過率が極大になる電圧から電圧0Vへの立ち下がりの応答時間(τ)を測定した。透過率が極大となる印加電圧とともに、求めたτを表1に示す。
(比較例1)
配向角度φ1=90°(即ち、電極長手方向は100°又は280°方向)とし、加えて位相差板は配置しない(即ち、配向角度φが存在しない)条件で設定した以外は、上述の実施例1−1と同じ方法で測定を行った。印加電圧に対する透過率の特性曲線を図13に示す。IPS液晶セルへ60Hzの矩形波を0Vから15Vまで印加した後、透過率が極大になる電圧から電圧0Vへの立ち下がりの応答時間(τ)を測定した。透過率が極大となる印加電圧とともに、求めたτを表1に示す。
Figure 2017099124
表1に示すように、本発明を適用し、光学補償を行った実施例1−1,1−2では、比較例1よりもτが短くなった。
〔n型IPS液晶セル〕
(実施例2−1)
縦25mm×横20mm×厚み1.1mmの1対のガラス基板の片方に線幅10μm、間隔10μmの櫛形電極をITOで形成し、1対のガラス基板の片側(電極のある基板は電極側)にポリイミド水平配向膜を厚さ100nmで成膜し、ナイロン生成の布で電極長手方向に対し、80°の角度でラビングした。配向膜を内側にして平均粒径3.5μmの樹脂製スペーサーでギャップを保持しつつ、ラビング方向がアンチパラレルになるように1対のガラス基板同士を対向させ、そのギャップにネマチック液晶(誘電率異方性:Δε=−4.1(25℃)、屈折率異方性:Δn=0.110(589nm、25℃))を注入し、IPS液晶セルを作製した。液晶への電圧無印加状態では、液晶層の遅相軸はラビング方向と一致する。
配向角度φ=45°(即ち、電極長手方向は125°又は305°方向)、配向角度φ=135°(即ち、α=0°である)の条件でIPS液晶セルおよび位相差板(便宜上、IPS液晶セルである)を配置した場合の印加電圧に対する透過率の特性曲線を図14に示す。IPS液晶セルに対して60Hzの矩形波を0Vから15Vまで印加した後、透過率が極大になる電圧9.4Vから電圧0Vへの立ち下がりの応答時間(τ)を測定した。透過率が極大となる印加電圧とともに、求めたτを表2に表す。
(実施例2−2)
配向角度φ2=128°(即ち、α=−7[deg]≒−0.12[rad])として条件設定したこと以外は、上述の実施例2−1と同じ方法で測定を行った。印加電圧に対する透過率の特性曲線を図14に表す。IPS液晶セルに対して60Hzの矩形波を0Vから15Vまで印加した後、透過率が極大になる電圧10.0Vから電圧0Vへの立ち下がりの応答時間(τ)を測定した。透過率が極大となる印加電圧とともに、求めたτを表2に表す。
(比較例2)
配向角度φ=90°(即ち、電極長手方向は10°又は190°方向)とし、加えて位相差板は配置しない(即ち、配向角度φは存在しない)条件で設定した以外は、上述の実施例2−1と同じ方法で測定を行った。印加電圧に対する透過率の特性曲線を図14に示す。IPS液晶セルへ60Hzの矩形波を0Vから15Vまで印加した後、透過率が極大になる電圧9.4Vから電圧0Vへの立ち下がりの応答時間(τ)を測定した。透過率が極大となる印加電圧とともに、求めたτを表2に表す。
Figure 2017099124
表2に示すように、本発明を適用し、光学補償を行った実施例2−1,2−2では、比較例1よりもτが短くなった。
〔p型FFS液晶セル〕
(実施例3−1)
縦25mm×横20mm×厚み1.1mmの1対のガラス基板の片方にコモン電極としてITOを形成し、その上にSiNxを形成し、さらにその上に線幅3μm、間隔4μmの櫛形電極をITOで形成した。もう片方のガラス基板には電極は形成しなかった。1対のガラス基板の片側(電極のある基板は電極側)にポリイミド水平配向膜を厚さ100nmで成膜し、ナイロン生成の布で電極長手方向に対し、5°の角度でラビングした。配向膜を内側にして平均粒径3.5μmの樹脂製スペーサーでギャップを保持しつつ、ラビング方向がアンチパラレルになるように1対のガラス基板同士を対向させ、そのギャップにネマチック液晶(誘電率異方性:Δε=11.9(25℃)、屈折率異方性:Δn=0.110(589nm、25℃))を注入し、FFS液晶セルを作製した。液晶への電圧無印加状態では、液晶層の遅相軸はラビング方向と一致する。
配向角度φ=45°(即ち、電極長手方向は50°又は230°方向)、配向角度φ2=135°(即ち、α=0°である)の条件でFFS液晶セルおよび位相差板(便宜上、FFS液晶セルである)を配置した場合、印加電圧に対する透過率の特性曲線を図15に示す。FFS液晶セルに対して60Hzの矩形波を0Vから15Vまで印加した後、透過率が極大になる電圧4.5Vから電圧0Vへの立ち下がりの応答時間(τ)を測定した。透過率が極大となる印加電圧とともに、求めたτを表3に示す。
(実施例3−2)
配向角度φ=128°(即ち、α=−7[deg]≒−0.12[rad]である)として条件設定したこと以外は、上述の実施例3−1と同じ方法で測定を行った。印加電圧に対する透過率の特性曲線を図15に示す。FFS液晶セルに対して60Hzの矩形波を0Vから15Vまで印加した後、透過率が極大になる電圧5.5Vから電圧0Vへの立ち下がりの応答時間(τ)を測定した。透過率が極大となる印加電圧とともに、求めたτを表3に示す。
(比較例3)
配向角度φ=90°(即ち、電極長手方向は95°又は275°方向)とし、加えて位相差板は配置しない(即ち、配向角度φは存在しない)という条件で設定したこと以外は、上述の実施例3−1と同じ方法で測定を行った。印加電圧に対する透過率の特性曲線を図15に示す。FFS液晶セルに対して60Hzの矩形波を0Vから15Vまで印加した後、透過率が極大になる電圧4.0Vから電圧0Vへの立ち下がりの応答時間(τ)を測定した。透過率が極大となる印加電圧とともに、求めたτを表3に示す。
Figure 2017099124
表3に示すように、本発明を適用し、光学補償を行った実施例3−1,3−2では、比較例1よりもτがより短くなった。
〔n型FFS液晶セル〕
(実施例4−1)
縦25mm×横20mm×厚み1.1mmの1対のガラス基板の片方に、コモン電極としてITOを形成し、その上にSiNxを形成し、さらにその上に線幅3μm、間隔4μmの櫛形電極をITOで形成した。もう片方のガラス基板には電極は形成しなかった。1対のガラス基板の片側(電極のある基板は電極側)にポリイミド水平配向膜を厚さ100nmで成膜し、ナイロン生成の布で電極長手方向に対し、85°の角度でラビングした。
配向膜を内側にして平均粒径3.5μmの樹脂製スペーサーでギャップを保持しつつ、ラビング方向がアンチパラレルになるようにガラス基板同士を対向させ、そのギャップにネマチック液晶(誘電率異方性:Δε=−4.1(25℃)、屈折率異方性:Δn=0.110(589nm、25℃))を注入し、FFS液晶セルを作製した。液晶への電圧無印加状態では、液晶層の遅相軸はラビング方向と一致する。
配向角度φ=45°(即ち、電極長手方向は140°又は320°方向を表す)、配向角度φ=135°(即ち、α=0°である)の条件でFFS液晶セルおよび位相差板(便宜上、FFS液晶セルである)を配置した場合、印加電圧に対する透過率の特性曲線を図16に示す。FFS液晶セルに対して60Hzの矩形波を0Vから15Vまで印加した後、透過率が極大になる電圧から電圧0Vへの立ち下がりの応答時間(τ)を測定した。透過率が極大となる印加電圧とともに、求めたτは表4に表す。
(実施例4−2)
配向角度φ=128°(即ち、α=−7[deg]≒−0.12[rad]である)として条件設定したこと以外は、上述の実施例4−1と同じ方法で測定を行った。印加電圧に対する透過率の特性曲線を図16に表す。FFS液晶セルに対して60Hzの矩形波を0Vから15Vまで印加した後、透過率が極大になる電圧から電圧0Vへの立ち下がりの応答時間(τ)を測定した。透過率が極大となる印加電圧とともに、求めたτは表4に示す。
(比較例4)
配向角度φ1=90°(即ち、電極長手方向は5°又は185°方向を表す)とし、加えて位相差板は配置しない(即ち、配向角度φは存在しない)という条件で設定したこと以外は、上述の実施例4−1と同じ方法で測定を行った。印加電圧に対する透過率の特性曲線を図16に示す。FFS液晶セルに対して60Hzの矩形波を0Vから15Vまで印加した後、透過率が極大になる電圧から電圧0Vへの立ち下がりの応答時間(τ)を測定した。透過率が極大となる印加電圧とともに、求めたτは表4に示す。
Figure 2017099124
表4に示すように、本発明を適用し、光学補償を行った実施例4−1,4−2では、比較例4よりもτが短くなった。
〔Half−V FLCセル〕
(実施例5)
縦25mm×横20mm×厚み1.1mmのITO透明電極付きのガラス基板に、ポリイミド配向膜(型番:RN−1199、日産化学工業(株)製)を30nmの厚さで形成した後、ラビング処理又は光配向処理を施して方位角アンカリングエネルギーの異なるポリイミド配向膜付きガラス基板を得た。これらの基板1枚ずつをそれぞれ配向膜が形成された面が内側になるようにして2μmの間隔をもって、ラビング方向がアンチパラレル配向になるように対向させた。ガラス基板同士のギャップに強誘電液晶R2301(単位面積あたりの自発分極の大きさPs:3.2nC/cm、カイラルスメクティックC−カイラルネマティック相転移温度:66℃、カイラルネマティック−等方性液体相転移温度:87℃から90℃、クラリアント社製)を100℃に保ちながら等方性液体相のまま注入した。得られた液晶セルにカイラルネマティック相からカイラルスメクティックC相にかけて5Vの直流電圧を印加し、均一配向を確認後、直流電圧の印加を止めて室温まで温度を下げることにより、強誘電性液晶セルを作製した。
φ1=45°、φ2=128°(即ち、α=−7[deg]≒−0.12[rad])の条件でHalf−V FLC液晶セルおよび位相差板(便宜上、Half−V FLC液晶セルである)を配置した場合、印加電圧に対する透過率の特性曲線を図17に示す。
Half−V FLCセルに対して60Hzの矩形波を0Vから10Vまで印加した後、透過率が極大になる電圧8Vから電圧0Vへの立ち下がりの応答時間(τ)を測定した。求めたτは表5に示す。
(比較例5)
配向角度φ1=0°とし、加えて位相差板は配置しない(即ち、配向角度φは存在しない)条件で設定した以外は、上述の実施例5と同じ方法で測定を行った。印加電圧に対する透過率の特性曲線を図17に示す。Half−V FLCセルに対して60Hzの矩形波を0Vから10Vまで印加した後、透過率が極大になる電圧10Vから電圧0Vへの立ち下がりの応答時間(τ)を測定した。求めたτは表5に示す。
Figure 2017099124
表5に示すように、本発明を適用し、光学補償を行った実施例5では、比較例5よりもτが短くなった。
以上説明した実施例及び比較例により、本発明によれば、前述の式(1)を満足するように、液晶層の位相差と光学補償板の位相差との光学設計を行うことにより、高低関係がV1>V2である駆動電圧V1から駆動電圧V2への立ち下がり(オフ)時の光学応答を改善できることを確認した。
1…液晶表示素子
2…液晶セル
3…第1の偏光板
4…第2の偏光板
5…位相差板(光学補償板)
31…第1の基板
32…第2の基板
33…液晶層
34a,34b…配向層
35,36…透明電極(電極)

Claims (8)

  1. 液晶セルと、第1の偏光板及び第2の偏光板と、光学補償板と、を有する液晶表示素子の光学応答を改善する方法であって、
    前記液晶セルは、
    互いに対向して配置された第1の基板及び第2の基板と、
    前記第1の基板及び前記第2の基板の間に挟持され、前記第1の基板及び前記第2の基板と平行な面内で回転する液晶を含む液晶層と、
    前記第1の基板及び前記第2の基板の間で前記液晶層の配向状態を制御する配向層と、
    前記液晶層の配向状態を駆動電圧の印加により発生する電界によって変化させる電極と、を備え、
    前記第1の偏光板は、前記液晶セルの背面側に配置され、
    前記第2の偏光板は、前記液晶セルの前面側に配置され、
    前記光学補償板は、前記第1の偏光板及び前記第2の偏光板と前記液晶セルとの間のうち少なくとも一方の間に配置され、
    前記光学補償板の配置が省略された場合の前記駆動電圧がオン状態からオフ状態となるときの透過光量Ιの時間tに対する微分係数を∂Ι/∂tとし、前記光学補償板が配置された場合の前記駆動電圧がオン状態からオフ状態となるときの透過光量Ιの時間tに対する微分係数を∂Ι/∂tとしたときに、立ち下がり(オフ)時の応答時間(τd)に関わる領域において、以下の式(1)の関係を満足するように、前記第1の偏光板の透過軸と光学補償板の異常光線軸とのなす角度を調整することによって、
    高低関係がV1>V2である駆動電圧V1から駆動電圧V2への立ち下がり(オフ)時の光学応答を改善する方法。
    Figure 2017099124
  2. 前記第1の偏光板の透過軸及び前記第2の偏光板の透過軸の向きは、法線方向から見て互いに直交し、
    前記立ち下がり(オフ)時の応答時間(τd)に関わる領域において、以下の式(2)の関係を満足するように、前記液晶層の位相差と前記光学補償板の位相差との光学設計を行うことにより、
    高低関係がV1>V2である駆動電圧V1から駆動電圧V2への立ち下がり(オフ)時の、請求項1に記載の光学応答を改善する方法。
    Figure 2017099124
    但し、式(2)において、配向角度φは、前記駆動電圧がオフ状態である場合において、法線方向に沿って前面から背面に向かって見たときに前記液晶の初期配向軸が前記第1の偏光板の異常光線軸に対して反時計回りになす角度であり、(π/4)[rad]である。前記駆動電圧がオフ状態である場合(即ち、電圧が印加されていない場合)において、法線方向に沿って前面から背面に向かって見たときに前記光学補償板の異常光線軸が前記第1の偏光板の異常光線軸に対して反時計回りになす角度は(3π/4)+α[rad]で表される。αは、−(π/4)<α≦0である。
  3. 前記光学補償板は、位相差板である、請求項1又は2に記載の光学応答を改善する方法。
  4. 前記位相差板は、Aプレート、Cプレート、二軸性プレートのうちの何れかを含む、請求項3に記載の光学応答を改善する方法。
  5. 前記光学補償板は、光学補償用の液晶セルである、請求項1又は2に記載の光学応答を改善する方法。
  6. 前記液晶セルは、前記電極と電気的に接続された非線形アクティブ素子を含む、請求項1から5の何れか一項に記載の光学応答を改善する方法。
  7. 前記配向層は、ポリイミド、ポリアミド、カルコン、シンナメート、シンナモイルのうちの何れかを含む、請求項1から6の何れか一項に記載の光学応答を改善する方法。
  8. 液晶セルと、第1の偏光板及び第2の偏光板と、光学補償板と、を有する液晶表示素子であって、
    前記液晶セルは、
    互いに対向して配置された第1の基板及び第2の基板と、
    前記第1の基板及び前記第2の基板の間に挟持され、前記第1の基板及び前記第2の基板と平行な面内で回転する液晶を含む液晶層と、
    前記第1の基板及び前記第2の基板の間で前記液晶層の配向状態を制御する配向層と、
    前記液晶層の配向状態を駆動電圧の印加により発生する電界によって変化させる電極と、を備え、
    前記第1の偏光板は、前記液晶セルの背面側に配置され、
    前記第2の偏光板は、前記液晶セルの前面側に配置され、
    前記光学補償板は、前記第1の偏光板及び前記第2の偏光板と前記液晶セルとの間のうち少なくとも一方の間に配置され、
    前記光学補償板の配置が省略された場合の前記駆動電圧がオン状態からオフ状態となるときの透過光量Ιの時間tに対する微分係数を∂Ι/∂tとし、前記光学補償板が配置された場合の前記駆動電圧がオン状態からオフ状態となるときの透過光量Ιの時間tに対する微分係数を∂Ι/∂tとしたときに、立ち下がり(オフ)時の応答時間(τd)に関わる領域において、以下の式(1)の関係を満足する液晶表示素子。
    Figure 2017099124
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