JP4174765B2 - 突き合わせ溶接方法 - Google Patents

突き合わせ溶接方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4174765B2
JP4174765B2 JP2003332751A JP2003332751A JP4174765B2 JP 4174765 B2 JP4174765 B2 JP 4174765B2 JP 2003332751 A JP2003332751 A JP 2003332751A JP 2003332751 A JP2003332751 A JP 2003332751A JP 4174765 B2 JP4174765 B2 JP 4174765B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
laser beam
molten pool
interrupted
pool formed
laser
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003332751A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005095929A (ja
Inventor
明 外舘
潔士 金山
誠 勝木
Original Assignee
Jfe工建株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Jfe工建株式会社 filed Critical Jfe工建株式会社
Priority to JP2003332751A priority Critical patent/JP4174765B2/ja
Publication of JP2005095929A publication Critical patent/JP2005095929A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4174765B2 publication Critical patent/JP4174765B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Laser Beam Processing (AREA)

Description

本発明は、管または板の突き合わせ溶接方法、特に、突き合わせ部の内外面または表裏面をレーザ溶接する、突き合わせ溶接方法に関する。
従来、ラインパイプ等の敷設現場において鋼管同士を突き合わせ溶接する際、あるいは、鉄鋼構造物の加工現場において鋼板同士を突き合わせ溶接する際、MIG溶接やTIG溶接が広く用いられていた。かかる溶接法は、溶接速度が遅く、溶接入熱による変形や残留応力が大きいという問題があった。このため、高速かつ入熱の少ないレーザ溶接の利用が提案されている。
たとえば、管の突き合わせ溶接において、レーザ発振器からのレーザビームをハーフミラーで内側用と外側用の2方向に分配し、それぞれを集光ミーラーで集光して同時に突き合わせ部の同じ位置に照射する技術が開示されている。このとき、管の内側および外側の溶融池は管の厚み中央部で合体するから、全板厚にわたる溶接を実現している(例えば、特許文献1参照)。
さらに、管の突き合わせ溶接において、レーザ発振器からのレーザ光を分光手段によって分光し、それぞれをレーザ導光ファイバケーブルによって突き合わせ部の内周面および外周面に照射する技術が開示されている。このとき、内周面および外周面の照射位置をずらし、先行して厚み方向の途中にまで形成されるキーホールに、追従して厚み方向の途中にまで形成されるキーホールが連通するから、気孔が形成されるという不具合が生じないとされている(例えば、特許文献2参照)。
特開平7−124769号公報(第2−3頁、図1) 特開2002−35971号公報(第5−7頁、図1)
しかしながら、前記技術は、何れもレーザ発振器からのレーザビームを分光して、分光したレーザビームをそれぞれ内周面および外周面に同時に照射している。すなわち、レーザ発振器から発したレーザビーム(出力100%とする)が、それぞれの半分(50%)の出力になって照射されるため、溶け込み深さが浅くなるという問題点があった。つまり、出力が半減すれば、溶け込み深さも略半減するから、一方の面から出力100%で照射する場合に対して、両方の面からそれぞれ50%照射しても、突き合わせ溶接される管の厚さが増すことがほとんどない。このため、より厚い管を溶接しようとすると、大出力のレーザ発振器が必要になっていた。
また、YAGレーザのようなレーザ導光ファイバケーブルによって伝送可能なレーザを使用して装置を小型にしようとする場合、YAGレーザが炭酸ガスレーザに較べて出力が低いため、突き合わせ溶接される管は、その厚さが比較的薄いものに限定されていた。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、小出力のレーザ発振器によって突き合わせ溶接する、突き合わせ溶接方法を提供することを目的とする。
(1)本発明に係る突き合わせ溶接方法は、端面が相互に突き合わされた一対の管材を突き合わせ溶接するものであって、
レーザ発振器から連続的に発せられるレーザビームを所定の時間の間だけ溶接方向に移動させながら前記突き合わせ部の外面側に照射する第一の工程と、
これに続く所定の時間の間だけ、前記レーザビームを溶接方向に移動させながら前記突き合わせ部の内面側に照射する第二の工程と、
前記第一の工程と第二の工程とを繰り返す工程と
を有し、
前記レーザビームの焦点は厚さ方向の略中央であって、
前記第二の工程を再開した際に形成される溶融池と、前記第一の工程が中断した際に形成されている溶融池とが合体するように、前記第二の工程を再開した際のレーザビームの焦点が前記第一の工程が中断した際に形成されている溶融池の内部に位置し、且つ、前記第一の工程を再開した際に形成される溶融池と、前記第二の工程が中断した際に形成されている溶融池とが合体するように、前記第一の工程を再開した際のレーザビームの焦点が前記第二の工程が中断した際に形成されている溶融池の内部に位置することを特徴とする。
(2)また、前記第二の工程を再開した際に生じるキーホールは、前記第一の工程が中断した際に形成されている溶融池の内部に形成され、且つ、前記第一の工程を再開した際に生じるキーホールは、前記第二の工程が中断した際に形成されている溶融池の内部に形成されることを特徴とする。
(3)さらに、端面が相互に突き合わされた一対の管材を突き合わせ溶接する突き合わせ溶接方法であって、
レーザ発振器から連続的に発せられるレーザビームを所定の時間の間だけ溶接方向に移動させながら前記突き合わせ部の外面側に照射する第一の工程と、
これに続く所定の時間の間だけ、前記レーザビームを溶接方向に移動させながら前記突き合わせ部の内面側に照射する第二の工程と、
前記第一の工程と第二の工程とを繰り返す工程と
を有し、
前記レーザビームの焦点は厚さ方向の略中央であって、
前記第二の工程を再開した際に形成される溶融池が、前記第二の工程が中断した際に形成されていた溶融池とが合体するように、前記第二の工程を再開した際のレーザビームの焦点が前記第二の工程が中断した際に形成されている溶融池より所定距離だけ溶接方向の前方に位置すると共に、前記第二の工程を再開した際に形成される溶融池が、前記第一の工程が中断した際に形成されている溶融池とが合体するように、前記第二の工程の再開を終了した際のレーザビームの焦点が前記第一の工程が中断した際に形成されている溶融池の内部に位置し、
且つ、前記第一の工程を再開した際に形成される溶融池が、前記第一の工程が中断した際に形成されていた溶融池とが合体するように、前記第一の工程を再開した際のレーザビームの焦点が前記第一の工程が中断した際に形成されている溶融池より所定距離だけ溶接方向の前方に位置すると共に、前記第一の工程を再開した際に形成される溶融池が、前記第二の工程が中断した際に形成されていた溶融池とが離れているように、前記第一の工程を再開した際のレーザビームの焦点が前記第二の工程を中断した際に形成されている溶融池より所定距離だけ溶接方向の前方に位置することを特徴とする。
本発明に係る突き合わせ溶接方法は、以上であるから、下記の効果を奏する。
(i)端面が相互に突き合わされた一対の材料の一方の面および他方の面のそれぞれに、出力100%のレーザビームが交互に照射されるから、それぞれの面からの溶け込み深さが確保される。よって、レーザ発振器の出力を高めることなく、突き合わせ溶接可能な材料の厚さを略2倍に拡大することが可能になる。また、YAGレーザのようなレーザ導光ファイバケーブルによって伝送可能なレーザを使用して装置を小型にしても、所定の厚さの材料を突き合わせ溶接することが可能になる。
さらに、溶融池への入熱が間欠的になって冷却効果が得られ、歪みを抑制することや溶接部強度の低下を防ぐことができる。
(iii)さらに、それぞれの面におけるレーザビームの照射位置を溶接方向でずらすから、たとえば、一方の面から厚み方向の途中まで溶融池が先行して形成され、これを追うように他方の面から厚み方向の途中まで溶融池が形成され、そして、厚み方向の中央部において該両方の面からの溶融池が連結するから、厚み中央部の加熱時間(溶融時間)が長くなりブローホールの抜けを促進することができる。
また、一方の面側に向かうレーザビームの照射位置と他方に面側に向かうレーザビームの照射位置とが同一線上にないから、仮に一方の面側からの照射によるキーホール内のガス圧等によって他方の面側に形成された溶融池からスパッタが飛散したとしても、該スパッタが他方の面側に向かうレーザノズルに衝突ないし付着することがないため、該レーザノズルの損傷が防止される。
[実施形態1]
図1は本発明の実施形態1に係る突き合わせ溶接方法を説明するための突き合わせ溶接状況を模式的に示す断面図であって、パイプラインにおける鋼管同士の突き合わせ溶接状況を示している。
図1において、パイプライン等において先行して敷設されている既設管1に、新設管2が突き合わせ溶接されている。
(クランプ装置)
すなわち、既設管1と新設管2の突き合わせ部を跨いで、管内面に内面クランプ装置5が配置されている。内面クランプ装置5は既設管1の内面に向けて進退自在なクランプヘッド51と、新設管2の内面に向けて進退自在なクランプヘッド52とが、それぞれ円周方向に複数配置され、それぞれの進退量が同一なるよう制御されている。したがって、クランプヘッド51とクランプヘッド52とを管内面に当接した際、既設管1と新設管2とが同軸に配置されることになる。
また、 既設管1と新設管2の端面には、あらかじめ開先が加工され、相互に当接または所定の隙間を設けて突き合わされている。
(内面レーザトーチ)
また、内面クランプ装置5は内面レーザトーチ4を円周方向で回転するための内面レーザトーチ回転装置42が搭載され、内面レーザトーチ回転装置42に内面レーザトーチ4が設置され、内面レーザトーチ4には照射方向に向けて内面用ノズル41が設置されている。
(外面レーザトーチ)
一方、新設管2の外面には、円周方向に外面ガイドレール35が設置され、外面ガイドレール35に外面レーザトーチ回転装置32が移動自在に設置され、外面レーザトーチ回転装置32に外面レーザトーチ3が設置され、外面レーザトーチ3には照射方向に向けて外面用ノズル31が設置されている。
ている。
(レーザビーム)
レーザ発振器6から発せられたレーザビ−ムは光ファイバケーブル7によってビーム切替器8に伝送され、切換器8において、一定時間の間だけ外面側に切替られ、外面光ファイバケーブル73に導かれて外面レーザトーチ3に伝送され、さらに、外面用ノズル31を経由して突き合わせ部の外面側に照射される。
一方、切換器8において、一定時間の間だけ内面側に切替られたレーザビームは内面光ファイバケーブル74に導かれて内面レーザトーチ4に伝送され、さらに、内面用ノズル41を経由して突き合わせ部の内面側に照射される。
(突き合わせ溶接方法−1)
図2は図1に示す突き合わせ溶接状況における内面側および外面側に照射されるレーザビームの出力を示す説明図である。
図2において、横軸は時間、縦軸のプラス方向(上方向)は外面側に照射されるレーザビームの出力、縦軸のマイナス方向(下方向)は内面側に照射されるレーザビームの出力であって、実線が本発明を、破線が比較のための従来技術を示している。
本発明においては、レーザ発振器9から連続的に発せられるレーザビームが、所定の時間毎に外面側と内面側とに交互に照射されている。すなわち、外面側に着目すると、レーザビームが間欠的に照射され、同様に内面側に着目すると、レーザビームが間欠的に照射されている。
このとき、各時間帯において照射されるレーザビームの出力は、レーザ発振器6から発したレーザビームの出力に同じである。一方、比較のために記載した従来技術(破線にて表示する)では、レーザ発振器から発したレーザビームが内外面用に分光されているから、それぞれ照射されるレーザビームの出力はレーザ発振器から発したレーザビームの出力の略半分に減少している。
したがって、レーザ発振器の出力を高めることなく、突き合わせ溶接可能な材料の厚さが略2倍に拡大することなる。
さらに、溶融池への入熱が間欠的になって冷却効果が得られ、歪みを抑制することや溶接部強度の低下を防ぐことができる。
なお、外面側を照射する時間と内面側を照射する時間は、それぞれ適宜選定されるものであり(図2の(a)、(b)参照)、それぞれ同一の時間であるものに限定するものではなく、一方を他方よりも長くしてもよい(図2の(c)参照)。
以上は鋼管の突き合わせ溶接を例に説明しているが、本発明はこれに限定するものではなく、鋼板の突き合わせ溶接に適用できるものである。さらに、溶接される材料は鉄鋼材料やステンレス鋼に限定するものはなく、アルミニウム等の軽金属であってもよい。
また、レーザ発振器の形式は限定するものではなく、光ファイバー等のフレキシブルな導波路を用いるレーザ、例えば、YAGレーザやLD、出力の低いCO2レーザ等何れであってもよい。特に、大出力が期待できないYAGレーザを用いる場合であっても、所定の厚さの材料を突き合わせ溶接することが可能になる。
図3は図1に示す突き合わせ溶接状況における溶接部を模式的に説明する推定図であって、突き合わせ面に至近で突き合わせ面に平行な断面を示している。なお、溶接方向(図中、右から左へ向かう)を矢印で示す。
図3の(a)において、鋼管100の外面から外面レーザビーム30が所定の時間の間だけ照射されている。この間に外面レーザビーム30の焦点は位置Aから位置Bに移動している。
そして、外面レーザビーム30は位置Bに焦点があるとき、外面レーザビーム30Bの周囲にはキーホール131Bが生じ、キーホール131Bの溶接前方(図中、左側)に比較的薄い層状の溶融層132Bが、溶接後方(図中、右側)に比較的広い範囲に溶融池133Bが形成されている。
図3の(b)において、前記(a)に続いて、外面レーザビーム30の焦点が位置Bに到達した直後に、外面レーザビーム30の照射が中断され、内面レーザビーム40の照射が開始される。内面レーザビーム40の焦点は位置Cにあるため、内面レーザビーム40Cの周囲にはキーホール141Cが生じ、キーホール141Cの周囲に比較的薄い層状の溶融層142Cが形成されている。
なお、位置Bと位置Cとは半径方向で同一位相にあるから、キーホール141Cは溶融状態にある溶融池133Bの内部に形成されることになる。
図3の(c)において、前記(b)に続いて、鋼管100の内面から内面レーザビーム40が所定の時間の間だけ照射されている。すなわち、外面レーザビーム30の焦点が位置Bに到達した直後に、外面レーザビーム30の照射が中断され、内面レーザビーム40の照射が開始されるから、内面レーザビーム40の焦点は位置Cから位置Dに移動している。
そして、内面レーザビーム40は位置Dに焦点があるとき、内面レーザビーム40Dの周囲にはキーホール141Dが生じ、キーホール141Dの溶接前方(図中、左側)に比較的薄い層状の溶融層142D、溶接後方(図中、右側)に比較的広い範囲に溶融池143D形成されている。したがって、内面側の溶融池243Dは外面側からの溶融池133Bと合体して溶融、凝固することになる。
なお、キーホール141Dは外面からの溶融層132Bの溶接前方にあるから、未溶解の鋼管100内に形成されている。
図3の(d)において、前記(c)に続いて、鋼管100の外面から外面レーザビーム30が所定の時間の間だけ照射されている。すなわち、内面レーザビーム40の焦点が位置Dに到達した直後に、内面レーザビーム40の照射が中断され、外面レーザビーム30の照射が再度開始されるから、外面レーザビーム30の焦点は位置Eから位置Fに移動している。そして、前記(c)と同様にして、外面側からの溶融池133Fは内面側からの溶融池143Dおよび外面側からの溶融池133Bに合体して溶融、凝固することになる。
よって、厚さ方向の全域にわたる溶接が可能になる。なお、レーザビームの焦点は厚さ方向の略中央であればよく、必ずしも、厚さ半分以上に深くする必要がない。
なお、外面レーザビーム30および内面レーザビーム40のそれぞれの照射時間や、溶接速度は適宜選定自在であるから、図示する溶融池の重なり状況は該選定内容に伴って変化するものである。
たとえば、それぞれの照射時間が短い場合(溶接速度が遅い場合に同じ)には、外面側からの溶融池133Bが溶融している間(凝固する前)に外面側からの溶融池133Fが形成される。
さらに、それぞれの照射時間が極めて短い場合には、外面側からのキーホール131Fが内面からの溶融層142D内、さらに、外面側からのキーホール132B内に形成されることになる。
一方、それぞれの照射時間が長い場合(溶接速度が速い場合に同じ)には、外面側からの溶融池133Bが凝固した後に外面側からの溶融池133Fが形成されることになる。
(実施例1)
以下の仕様で管の突き合わせ溶接を実施した。
レーザ溶接仕様:YAGレーザ発振器:最大出力4KW
ビーム品質:25mm・mrad.
光ファイバー:コアー直径0.6mm、
シールドガス:Ar
突き合せ溶接試料:SUS304鋼管:外径508mm×板厚6.0mm
開先:内外端面に2mmV開先
加工試験条件:溶接速度:1.0m/分
外面照射時間:0.12秒
内面照射時間:0.12秒
出力:3KW(内面および外面とも)
溶接パス:内面および外面とも各1パス
添加ワイヤー:有り(SUSワイヤー、ワイヤー直径1.2mm)
ワイヤー添加速度:外面;1.1m/分、内面;1.0m/分
試験回数:5回
上記5回の試験のいずれにおいても、溶接欠陥は認められず、所望の溶接品質が得られた。すなわち、外面側と内面側とにそれぞれ交互にレーザビームを照射することによって、低い出力でありながら、全板厚にわたる良好な溶け込みが得られている。
[実施形態2]
(突き合わせ溶接方法−2)
図4は本発明の実施形態2に係る突き合わせ溶接方法を説明するための突き合わせ溶接状況を模式的に示す断面図である。なお、実施形態1(図1)と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
図4において、外面レーザトーチ3と内面レーザトーチ4とが同一半径方向になく、外面レーザトーチ3が内面レーザトーチ4に対して円周方向で所定の角度先行している。すなわち、外面側が先行して溶接され、これに追従するように内面側が遅れて溶接される。
図5および図6は、図4に示す突き合わせ溶接状況における溶接部を模式的に説明する推定図であって、図3に準じて、図3と同じ部分には下二桁をこれと同じ符号を付し、また、位置を示すアルファベットABC等を付し、一部の説明を省略して記載する。
図5の(a)において、鋼管200の外面側において、外面レーザビーム30Bの周囲にはキーホール231Bが生じ、キーホール231Bの溶接前方(図中、左側)に比較的薄い層状の溶融層232Bが、溶接後方(図中、右側)に比較的広い範囲に溶融池233Bが形成されている。
図5の(b)において、前記(a)に続いて、外面レーザビーム30の焦点が位置Bに到達した直後に、外面レーザビーム30の照射が中断され、内面レーザビーム40の照射が開始される。内面レーザビーム40の焦点は位置Cにあるため、内面レーザビーム40Cの周囲にはキーホール241Cが生じ、キーホール241Cの周囲に比較的薄い層状の溶融層242Cが形成されている。
なお、位置Bと位置Cとは溶接方向(円周方向に同じ)でずれているから、キーホール241Cは溶融池233Bの溶接後方部に形成されることになる。すなわち、それぞれの照射時間、該ずれの大きさ、および溶接速度によって、キーホール241Cは溶融状態または凝固している溶融池233B内に形成されたり、溶融池233Bから外れた溶接後方に形成されることになる。
図6の(c)において、前記(b)に続いて、鋼管200の内面から内面レーザビーム40が所定の時間の間だけ照射されている。すなわち、外面レーザビーム30の焦点が位置Bに到達した直後に、外面レーザビーム30の照射が中断され、内面レーザビーム40の照射が開始されるから、内面レーザビーム40の焦点は位置Cから位置Dに移動している。
そして、内面レーザビーム40は位置Dに焦点があるとき、内面レーザビーム40Dの周囲にはキーホール241Dが生じ、キーホール241Dの溶接前方(図中、左側)に比較的薄い層状の溶融層242D、溶接後方(図中、右側)に比較的広い範囲に溶融池243D形成されている。したがって、内面側の溶融池243Dは外面側からの溶融池233Bと合体して溶融、凝固することになる。
なお、キーホール241Dは外面からの溶融池233B内に形成されている。したがって、それぞれの照射時間、外面レーザビーム30と内面レーザビーム40との溶接方向のずれの大きさ、および溶接速度によって、キーホール241Dは溶融状態または凝固している溶融池233B内に形成されることになる。
図6の(d)において、前記(c)に続いて、鋼管200の外面から外面レーザビーム30が所定の時間の間だけ照射されている。すなわち、内面レーザビーム40の焦点が位置Dに到達した直後に、内面レーザビーム40の照射が中断され、外面レーザビーム30の照射が再度開始されるから、外面レーザビーム30の焦点は位置Eから位置Fに移動している。そして、前記(c)と同様にして、外面側からの溶融池233Fは外面側からの溶融池233Bに合体して溶融、凝固することになる。
このとき、内外面からのそれぞれの照射時間が短い場合(溶接速度が遅い場合に同じ)には、外面側からの溶融池233Bが溶融している間(凝固する前)に外面側からの溶融池233Fが形成される。
さらに、それぞれの照射時間が極めて短い場合には、外面側からのキーホール231Bが外面からの溶融層232B内に形成されることになる。
一方、内面からの溶融池243Dは外面からの溶融池233Bの溶接方向の後方に位置しているため、外面側からの溶融池233Fが内面からの溶融池243Dに合体することがない。
図6の(e)において、前記(d)に続いて、鋼管200の内面から内面レーザビーム40が所定の時間の間だけ照射されている。すなわち、外面レーザビーム30の焦点が位置Fに到達した直後に、外面レーザビーム30の照射が中断され、内面レーザビーム40の照射が開始されるから、内面レーザビーム40の焦点は位置Gから位置Hに移動している。
そして、内面レーザビーム40は位置Hに焦点があるとき、前記(c)と同様に、キーホール241H、溶融層242H、溶融池243H形成されている。
このとき、内面側の溶融池243Hは外面側からの溶融池233Fおよび溶融池233B、さらに、内面側からの溶融池243Dに合体して溶融、凝固することになる。
なお、キーホール241Hは外面からの溶融池233F内に形成されている。したがって、それぞれの照射時間、外面レーザビーム30と内面レーザビーム40との溶接方向のずれの大きさ、および溶接速度によって、キーホール241Hは溶融状態または凝固している溶融池233F内に形成されることになる。
このとき、内外面からのそれぞれの照射時間が短い場合(溶接速度が遅い場合に同じ)には、外面側からの溶融池233Bが溶融している間(凝固する前)に内面側からの溶融池243Hが形成される。
さらに、それぞれの照射時間が極めて短い場合には、内面側からのキーホール241Hが内面からの溶融層242D内に形成されることになる。
よって、実施形態1と同様に、厚さ方向の全域にわたる溶接が可能になる。
さらに、外面レーザビーム30と内面レーザビーム40とが同一線上で対向して照射されないから、外面レーザトーチ3および内面レーザトーチがスパッタ等の飛散によって損傷することがない。
(実施例2)
以下の仕様で管の突き合わせ溶接を実施した。
レーザ溶接仕様:YAGレーザ発振器:最大出力4KW
ビーム品質:25mm・mrad.
光ファイバー:コアー直径0.6mm、
シールドガス:Ar
外面側の照射位置と内面側の照射位置との溶接方向のずれ量(距離):5mm
突き合せ溶接試料:SUS304鋼管:外径508mm×板厚6.0mm
開先:I開先
加工試験条件:溶接速度:1.0m/分
外面照射時間:0.12秒
内面照射時間:0.10秒
出力:2.5KW(内面および外面とも)
溶接パス:内面および外面とも各1パス
添加ワイヤー:無し
試験回数:5回
前記実施例1が外面レーザトーチと内面レーザトーチとが何れも管の半径方向の同一線上で対向していたのに対し、実施例2では、外面レーザトーチと内面レーザトーチとが何れも管の半径方向を向いているものの、同一線上で対向していない。このため、何れのレーザトーチにもスパッタ等の衝突は付着がなく、照射性能が劣化することがなかった。また、低い出力でありながら、全板厚にわたる良好な溶け込みが得られ、溶接欠陥ない所定の溶接品質を満足するものであった。
本発明は、管、板または所定断面の材料同士を突き合わせ溶接する突き合わせ溶接方法に広く利用することができる。
本発明の実施形態1に係る突き合わせ溶接方法を説明するための突き合わせ溶接状況を模式的に示す断面図である。 図1に示す突き合わせ溶接状況における内面側および外面側に照射されるレーザビームの出力を示す説明図である。 図2において、横軸は時間、実施形態1に係るプロジェクションテレビの背面側斜視図。 図1に示す突き合わせ溶接状況における溶接部を模式的に説明する推定図である。 本発明の実施形態2に係る突き合わせ溶接方法を説明するための突き合わせ溶接状況を模式的に示す断面図である。 図4に示す突き合わせ溶接状況における溶接部を模式的に説明する推定図である。 図4に示す突き合わせ溶接状況における溶接部を模式的に説明する推定図である。
符号の説明
1 既設管 2 新設管 3 外面レーザトーチ
4 内面レーザトーチ 5 内面クランプ装置 6 レーザ発振器
7 光ファイバケーブル 8 ビーム切替器 9 レーザ発振器
30 外面レーザビーム 30B 外面レーザビーム 31 外面用ノズル
32 外面レーザトーチ回転装置 35 外面ガイドレール
40 内面レーザビーム 41 内面用ノズル
42 内面レーザトーチ回転装置 51 クランプヘッド 52 クランプヘッド
73 外面光ファイバケーブル 74 内面光ファイバケーブル
100 鋼管 131B キーホール 132B 溶融層 133B 溶融池
200 鋼管 241D キーホール 242D 溶融層 243D 溶融池

Claims (3)

  1. 端面が相互に突き合わされた一対の管材を突き合わせ溶接する突き合わせ溶接方法であって、
    レーザ発振器から連続的に発せられるレーザビームを所定の時間の間だけ溶接方向に移動させながら前記突き合わせ部の外面側に照射する第一の工程と、
    これに続く所定の時間の間だけ、前記レーザビームを溶接方向に移動させながら前記突き合わせ部の内面側に照射する第二の工程と、
    前記第一の工程と第二の工程とを繰り返す工程と
    を有し、
    前記レーザビームの焦点は厚さ方向の略中央であって、
    前記第二の工程を再開した際に形成される溶融池と、前記第一の工程が中断した際に形成されている溶融池とが合体するように、前記第二の工程を再開した際のレーザビームの焦点が前記第一の工程が中断した際に形成されている溶融池の内部に位置し、且つ、前記第一の工程を再開した際に形成される溶融池と、前記第二の工程が中断した際に形成されている溶融池とが合体するように、前記第一の工程を再開した際のレーザビームの焦点が前記第二の工程が中断した際に形成されている溶融池の内部に位置することを特徴とする突き合わせ溶接方法。
  2. 前記第二の工程を再開した際に生じるキーホールは、前記第一の工程が中断した際に形成されている溶融池の内部に形成され、且つ、前記第一の工程を再開した際に生じるキーホールは、前記第二の工程が中断した際に形成されている溶融池の内部に形成されることを特徴とする請求項1記載の突き合わせ溶接方法。
  3. 端面が相互に突き合わされた一対の管材を突き合わせ溶接する突き合わせ溶接方法であって、
    レーザ発振器から連続的に発せられるレーザビームを所定の時間の間だけ溶接方向に移動させながら前記突き合わせ部の外面側に照射する第一の工程と、
    これに続く所定の時間の間だけ、前記レーザビームを溶接方向に移動させながら前記突き合わせ部の内面側に照射する第二の工程と、
    前記第一の工程と第二の工程とを繰り返す工程と
    を有し、
    前記レーザビームの焦点は厚さ方向の略中央であって、
    前記第二の工程を再開した際に形成される溶融池が、前記第二の工程が中断した際に形成されていた溶融池とが合体するように、前記第二の工程を再開した際のレーザビームの焦点が前記第二の工程が中断した際に形成されている溶融池より所定距離だけ溶接方向の前方に位置すると共に、前記第二の工程を再開した際に形成される溶融池が、前記第一の工程が中断した際に形成されている溶融池とが合体するように、前記第二の工程の再開を終了した際のレーザビームの焦点が前記第一の工程が中断した際に形成されている溶融池の内部に位置し、
    且つ、前記第一の工程を再開した際に形成される溶融池が、前記第一の工程が中断した際に形成されていた溶融池とが合体するように、前記第一の工程を再開した際のレーザビームの焦点が前記第一の工程が中断した際に形成されている溶融池より所定距離だけ溶接方向の前方に位置すると共に、前記第一の工程を再開した際に形成される溶融池が、前記第二の工程が中断した際に形成されていた溶融池とが離れているように、前記第一の工程を再開した際のレーザビームの焦点が前記第二の工程を中断した際に形成されている溶融池より所定距離だけ溶接方向の前方に位置することを特徴とする突き合わせ溶接方法。
JP2003332751A 2003-09-25 2003-09-25 突き合わせ溶接方法 Expired - Fee Related JP4174765B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003332751A JP4174765B2 (ja) 2003-09-25 2003-09-25 突き合わせ溶接方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003332751A JP4174765B2 (ja) 2003-09-25 2003-09-25 突き合わせ溶接方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005095929A JP2005095929A (ja) 2005-04-14
JP4174765B2 true JP4174765B2 (ja) 2008-11-05

Family

ID=34460962

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003332751A Expired - Fee Related JP4174765B2 (ja) 2003-09-25 2003-09-25 突き合わせ溶接方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4174765B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4674696B2 (ja) 2007-04-03 2011-04-20 日本特殊陶業株式会社 スパークプラグの製造方法
JP6956328B2 (ja) 2016-11-22 2021-11-02 パナソニックIpマネジメント株式会社 レーザ加工装置及びレーザ加工方法
US10859769B2 (en) 2018-09-06 2020-12-08 Mitsubishi Electric Research Laboratories, Inc. Compact photonic devices

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005095929A (ja) 2005-04-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5496152B2 (ja) T型継手のレーザ溶接とアーク溶接の複合溶接方法
US6740845B2 (en) Laser welding with beam oscillation
JP5294573B2 (ja) レーザとアークの複合溶接装置及び方法
US7154065B2 (en) Laser-hybrid welding with beam oscillation
JP5601003B2 (ja) レーザ・アーク複合溶接方法、及び突き合わせ溶接用金属板の開先
JP5495118B2 (ja) 亜鉛めっき鋼板のレーザ重ね溶接方法
JP2004306084A (ja) レーザ溶接とア−ク溶接の複合溶接方法
JPH09201687A (ja) 狭開先レーザ溶接方法
JP6391412B2 (ja) レーザ溶接方法及びレーザ溶接装置
JP5318543B2 (ja) レーザ・アーク複合溶接法
JP2011230158A (ja) 亜鉛めっき鋼板のレーザ重ね溶接方法
RU2679858C1 (ru) Способ гибридной лазерно-дуговой сварки стальных толстостенных конструкций
JP4797659B2 (ja) レーザー溶接方法
JP2009178761A (ja) T型継手の貫通溶接方法及び貫通溶接構造物
US20080206586A1 (en) Penetration welding method of t-type joint and penetration welding structure of t-type joint
JP4174765B2 (ja) 突き合わせ溶接方法
JP2014079783A (ja) レーザ・アークハイブリッド溶接方法、ハイブリッド溶接用ヘッド、及びハイブリッド溶接装置
JP5121420B2 (ja) ハイブリッド溶接用継手
JP2007090397A (ja) 重ね隅肉溶接方法
JP2012223799A (ja) 溶接継手の製造方法
JP2003001453A (ja) 複合熱源溶接法
JP2002210576A (ja) 合成yagレーザによる薄手鋼板の溶接方法
JPH10225782A (ja) レーザとアークによる複合溶接方法
JP2001205465A (ja) レーザ−アーク複合溶接方法および溶接装置
JPH07246484A (ja) レーザ溶接方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050926

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20071225

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080108

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080306

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080520

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080703

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080729

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080807

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110829

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110829

Year of fee payment: 3

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110829

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110829

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110829

Year of fee payment: 3

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110829

Year of fee payment: 3

R370 Written measure of declining of transfer procedure

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R370

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110829

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110829

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120829

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120829

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130829

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees