JP4172836B2 - 2−ヒドロキシ−4−メチルチオ酪酸の製造法、該方法により製造された2−ヒドロキシ−4−メチルチオ酪酸、および該化合物の使用 - Google Patents
2−ヒドロキシ−4−メチルチオ酪酸の製造法、該方法により製造された2−ヒドロキシ−4−メチルチオ酪酸、および該化合物の使用 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、MHA含有生成物溶液を蒸留し、かつそのような留出物から改善された貯蔵安定性を有するMHA生成混合物を製造することによって、一次遊離形で、貯蔵安定性の2−ヒドロキシ−4−メチルチオ酪酸(=メチオニンヒドロキシ類似体、MHA)を製造する方法に関する。留出物は、場合によってはなお溶剤もしくは水を含有する、任意のMHA製造工程からのMHA粗製生成物から直接出発して製造されてもよいし、また購入しうるMHA市販製品から出発して製造されてもよい。
【0002】
【従来の技術】
MHAは、ラセミ形の必須アミノ酸メチオニンのヒドロキシ類似体であり、かつこの化合物と同様に動物の栄養補給の際、殊に鳥類の飼育の際、ひいては多数のその他の範囲でも重要な添加剤である。その上、前記物質は、例えばドイツ連邦共和国特許出願公開第2531299号明細書中に記載されているように、最近ではそのカルシウム塩の形で、腎不全の処置のために、透析処置のための代替物としてかまたはその補助のために製薬的にも使用されている。
【0003】
動物の栄養補給の場合、MHAは大抵水性濃厚物の形で使用され、この場合、これらの濃厚物はモノマーとともになお一定含量のオリゴマー、主に二量体の線状エステル酸、および三量体の線状エステル酸を含有する。これらのオリゴマーの含量は、製造条件および選択された濃度に依存する。しかしながらモノマーMHAと比較して栄養効率が低く、かつ粘度上昇の結果として流動挙動に不利な影響を及ぼすので、パーセント含分を出来る限り低く維持することが望ましい。市販の処方物は、全濃度88〜90重量%の場合、モノマー/オリゴマー比約3:1に相応するオリゴマーを、合計で、約27モル%に相応する24重量%までを有している。
【0004】
【化1】
【0005】
工業的に専ら使用される合成法は、メチルメルカプトプロピオンアルデヒド(MMP)から出発し、HCN付加によって相応するシアノヒドリン(MMP−CH)に変換し、次にこれを、硫酸接触反応でヒドロキシ酸へと加水分解している。更に相応する含量の水もしくは硫酸水素アンモニウム/硫酸アンモニウムをも含有するMHA加水分解物から出発し、ドイツ連邦共和国特許出願公開第19524054号明細書もしくはドイツ連邦共和国特許第4428608号明細書中に簡潔に記載されているように、価値の高い物質MHAのための種々の単離法がある。
【0006】
これらの方法は、一緒に生じる塩からMHAを分離するために、溶剤抽出または沈殿過程あるいは双方の組合わせを内容とする。これらの方法のそれぞれの場合、相応するMHAを含有する溶液は蒸発濃縮によって濃縮される。この場合、MHA二量体およびMHAオリゴマー27モル%までの含量が生じることは、許容されなければならない。
【0007】
専ら、ドイツ連邦共和国特許出願公開第19524054号明細書に記載された、有機MHA抽出溶液を蒸発させる注意深い方法によって、望ましくないオリゴマー含量は比較的僅かに保たれるかもしくは10モル%未満の本来僅かなオリゴマー含分を有する、ほとんど無水のMHA高濃厚物が製造されることができる。しかし、このオリゴマー含分は数ヶ月の貯蔵の後、50モル%を上回るまでに増大する。
【0008】
この場合、最大で20モル%までで平衡した場合のオリゴマー含量を、水を用いて希釈し、かつ付加的にメチオニンもしくはアンモニアを混入し、相応する含量のMHAをMHAアンモニウム塩に変換させることによって減少させることができる。従って工業的なMHA生成物中になお存在する、栄養的に効果の少ないオリゴマーの含量を更に減少させることは、今なお望ましい。
【0009】
更に、ドイツ連邦共和国特許出願公開第19524054号明細書により製造された生成物ならびに従来利用できた市販製品は、オリゴマー含量もしくは詳細には知られていない汚染物に起因するようなヨウ素色数(IFZ)24〜300を上回る濃褐色を示している。無色の生成物は、今日でもなお工業的には製造できていないが、しかし、生成物の品質を絶えず改善するという意味では望ましいと言わざるを得ない。
【0010】
原料製品の浄化法自体として当然と思われる蒸留と比べて、3hPaで約170℃のMHAの高沸点および自触媒によりオリゴマー形成する傾向が著しいことが記載されている。真空蒸留装置内での試験により、予期されるようにMHAオリゴマー生成物およびポリマー生成物の形成に基づき、蒸留されたMHAの理論値の約0.2%の僅かな収率が生じた。
【0011】
主成分は、暗褐色で粘稠な材料として蒸留塔底部内に残留した(比較例3を参照)。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
記載された公知技術水準を考慮して、本発明の課題は、二量体含量およびオリゴマー含量を減少させ、かつ色彩および貯蔵安定性を改善するような2−ヒドロキシ−4−メチルチオ酪酸(MHA)の大規模工業的に実施可能な製造方法を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
性質が改善された2−ヒドロキシ−4−メチルチオ酪酸(MHA)を、一般的な性質によって貯蔵安定性であると特性決定する場合、MHAのモノマー成分およびオリゴマー成分95重量%を上回る含量を有する高濃度の液体MHAを、減圧下にモノマーMHAの蒸発温度で、1〜1×104秒の蒸留の際のMHAの平均滞留時間で蒸留することによって特徴付けられるような1つの方法を使用することによってかかる生成物が得られる。
【0014】
この方法については、本発明の範囲内では殊に簡易蒸発器が適当であることが判明した。この組成物の高濃度のMHA溶液は、例えばドイツ連邦共和国特許出願公開第19524054号明細書中に記載された方法により得られる。
【0015】
こうして製造されたかあるいはまた可能な場合には他の方法で製造された高濃度のMHAは、次に有利に1×10-3〜5×104Paの圧力で、殊に40〜200℃の温度範囲で蒸留される。有利に、蒸留の際のMHAの平均滞留時間は、1〜1×104秒の時間に達する。
【0016】
図1に本発明による方法の実施態様をまとめた。
【0017】
凝縮器で得られる蒸留されたMHAは、ほとんど無色で、室温で部分結晶質であり、かつ驚くべきことに二量体および高級オリゴマーを全く含有していないことが判明した。暗褐色の塔底生成物は、モノマーMHAをなお僅かに含有するだけである。
【0018】
前記生成物は、主として二量体およびオリゴマーから形成されており、その全体量は蒸留の進行中に幾分増加するだけである。従って、公知技術水準により予期される蒸留中の生成物の損傷は、本発明によれば発生しない。
【0019】
その上更に、市販のMHA溶液を本発明により蒸留できることも見出された。MHA含量88〜90重量%を有する含水溶液は、有利に、図2に記載されたように、例えば薄層蒸発器と簡易蒸発器とからなる1つの二段階蒸留装置内で蒸留される。この場合、第一段階では本質的に水を分離する。
【0020】
第一の蒸発器の塔底出口で得られた高濃度のMHAは、次に、前述のように蒸留できるので、本質的には、既に存在する二量体含量およびオリゴマー含量が塔底生成物として残留する。これに対して、既存のMHAモノマー含量は、オリゴマーを含有しない極めて明るい色の留出物として分離される。
【0021】
留出物の検出されたヨウ素色数は、4〜5であり、蒸留されていない市販の生成物中で測定された315までのヨウ素色数よりも著しく良好である。
【0022】
傑出した色の性質と、望ましくない二量体含量およびオリゴマー含量が一次生成物中に存在しないこととともに、驚くべきことに本発明により製造されたMHAおよび該MHAから製造されたMHA混合生成物は、ドイツ連邦共和国特許出願公開第19524054号明細書中に記載された相応する生成物と比べて明らかに良好な貯蔵安定性を示している。
【0023】
このことは、約120日の貯蔵後に、本発明により蒸留された40モル%のDIM+OLIのMHA高濃厚物が、同様に貯蔵されたドイツ連邦共和国特許出願公開第19524054号明細書による約53モル%のDIM+OLI平衡含量を有する蒸留されていないMHA高濃厚物よりも、明らかに低い平衡含量を示していることによって確認される。平衡の調節は、本発明により蒸留されたMHAの場合、徐々に行われる。これによって、高いモノマー含量を有する生成物の処理間隔は、有利なことに延長される。
【0024】
驚くべきことに、平衡状態に対する同様の有利な効果は、蒸留されたMHAと水とからなる希釈生成物の場合にも確認することができた。蒸留されたMHAを88重量%の市販の濃度に希釈したものは、約90日の貯蔵後、ドイツ連邦共和国特許出願公開第19524054号明細書に記載の、26モル%のDIM+OLIの市販の生成物と比べて、平衡状態で20モル%だけのDIM+OLIのオリゴマー含量を有している(図4)。
【0025】
驚くべきことにオリゴマー含量の更に大きな減少は、ここで製造された蒸留されたMHAから出発して、MHAとMet(メチオニン)からなる混合生成物を製造する場合に観察することができる。このようにして製造された、水中のMHA78%+Met10%からなる溶液は、90日に亙る貯蔵後に平衡状態で13モル%のDIM+OLIだけを有しており(図5参照)、市販のMHA88およびドイツ連邦共和国特許出願公開第19524054号明細書により製造されたDIM+OLI20モル%を有するMHA78+10Metと比べて、更に明らかに少ないオリゴマー含分を示している。
【0026】
40℃で30日に亙る貯蔵後に12もしくは11モル%だけのDIM+OLIを有するMHANH4−塩を含有する混合物MHA78+10MHANH4もしくはMHA69+19MHANH4(図6もしくは図7参照)は、ドイツ連邦共和国特許出願公開第19524054号明細書に記載の蒸留されていないMHA高濃厚物からなる20モル%を有するMHA78+10MHANH4−混合物と比べて、平衡状態で更に低い値および明白な改善を示している。
【0027】
その上更に、作用物質含量88重量%を有するMHA88ならびにMHA/Met溶液もしくはMHA/MHANH4溶液の場合には、従来の利用可能な製品中よりも、十分に有利であるような2.5〜4だけのヨウ素色数が見出された。
【0028】
ここに挙げた全ての生成物は、230日に亙る貯蔵の後にも、色価がほとんど変化していない明るい液体のままである。
【0029】
MHA処方物の粘度特性は、先行する蒸留工程によって、通常有利な影響を及ぼされる(図8〜図11参照)。従って、蒸留されたMHAからなるMHA88の場合、61〜122mm2/sの利用可能な市販製品の粘度範囲を明らかに下回る25℃で50mm2/sの粘度値が検出された(図9)。MHA/Met混合物ならびにMHA/MHANH4混合物は、同じ粘度範囲内にあるが、その他の点では改善されている(図10図もしくは図11)。貯蔵されたMHA留出物は、ドイツ連邦共和国特許出願公開第19524054号明細書に記載の517mm2/sの貯蔵された蒸留されていないMHA高濃厚物を下回る402mm2/s(図8)の粘度値を示している。
【0030】
本発明による方法の利点
貯蔵された蒸留されたMHAの品質のオリゴマー含量が少ないことは、粘度を更に低下させ、ひいては取り扱い時の性質、例えばポンプ送出可能性および運搬可能性を更に改善するので、傑出した利点である。
【0031】
しかし、MHA88もしくはMHA/MHANH4混合物中のモノマーMHAならびにMHA78+10Met中のモノマーMHA+メチオニンの含量が、従来の利用可能な生成物と比較して平衡状態で著しく高いことによって、生物学的価値が明らかに改善されたことは、更に重要である。オリゴマー含量を、製造後の数日中に、生成物を直接更に使用する場合であっても、10モル%を明らかに下回って維持することができ、このことは生物学的価値そのものを更に高めることになる。
【0032】
他の利点は、高い純度および一層明るい色彩であり、これにより、質的に価値の高い飼料を製造する人たちの側からの製品の評価が一層高くなる。
【0033】
その上更に、本発明により蒸留されたMHA高濃厚物は、D,L−MHA医薬品もしくは相応する薬学的処方物、例えば冒頭に挙げた腎不全の処置のためのMHAカルシウム塩の製造に極めて適している。この場合、例えば高価な結晶化を介して製造されたカルシウム塩のオリゴマー分解、抽出および浄化のような多数の工程を含む従来の一般的な浄化は不用にできる。要求される生成物の品質を達成するためには、ここでは、適当なカルシウム塩、例えば水酸化カルシウムを用いた本発明によるMHA留出物の簡単な中和および引続く乾燥で既に十分である。
【0034】
短い滞留時間と関連している本発明による蒸留によって、例えば簡易蒸発器内で、高純度のMHAを提供することができ、これと同時に、高い純度および大きな貯蔵安定性ならびに飼料用添加物として使用する場合に高い生物学的価値によって顕著であるような改善されたMHA生成物の品質を提供することができる。
【0035】
本発明による蒸留と、例えばドイツ連邦共和国特許出願公開第19524054号明細書中に記載されているようなMHAの製造法との組合わせは、特に有利である。この場合、図12に示されているように、3−メチルメルカプトプロピオンアルデヒド(MMP)と青酸(HCN)から出発し、相応する全般的な方法で貯蔵安定性のMHA処方物が直接製造されている。
【0036】
その上更に、ここで見出された高度の浄化法は、また現在市販の88〜90%のMHA溶液および原理的にはまた他の全てのMHA含有溶液にも適用することができ、その結果、相応する改善されたMHAの品質が得られている。
【0037】
主として、望ましくないMHA二量体およびMHAオリゴマーからなるような蒸留の際に沈殿する塔底生成物は、本発明によれば廃棄する必要はない。むしろ、このMHA二量体およびMHAオリゴマーを、10〜90重量%の適当な濃度に水で簡単に希釈することによっておよび場合によっては、適当な量の酸、殊に硫酸を添加しながら、50〜140℃の温度に簡単に加熱することによって、加水分解によりMHAモノマーに変換し、次に、これを新たに蒸留により浄化することが可能である。
【0038】
蒸留による塔底生成物を相応するエステル加水分解工程に連続的に供給し、引き続き、MHAモノマーの豊富なエステル加水分解物を蒸留工程に返送することによって、このようなMHA再生および再循環を相応する循環過程に実現できることは、特にすぐれている。この場合もまた、塔底生成物をMHAアミドの硫酸加水分解のいずれにしても実施されるべき工程へ返送することができるので(図12の方法a)参照)、例えばドイツ連邦共和国特許出願公開第19524054号明細書中に記載されているようなMHA法との組合わせが特に有利である。一般に、付加的に加水分解されるMHAエステル含分を含めて25モル%以下のMHAエステル含分を、例7の試験1および2が明確に示しているように、前記の工程中で問題なく常用の二量体含分およびオリゴマー含分約5〜15モル%に減少させることができる。この場合、蒸留塔底物を加水分解工程の開始前ならびに反応中のいずれか任意の後の時点で、その時までに形成されたMHA加水分解物に添加することも可能である。この場合、アミド加水分解工程には、重要でない程度に負担がかかるにすぎず、付加的な加水分解工程を節約できる。蒸留塔底物から再生されたMHAの含量は、生成物流と一緒に、抽出および蒸発濃縮を介して、再び蒸留工程に供給される。
【0039】
しかし、二量体のMHAエステル酸およびオリゴマーMHAエステル酸を、付加的な工程において加水分解することも同様に可能である(図12の方法b)参照)。この場合、自触媒的に実施可能な反応を促進するため、例7の試験3が明らかにするように、僅かな量の酸、殊に鉱酸、例えばHClまたはH3PO4、しかし有利にはH2SO4を添加することは、特に有利である。またこの場合、酸性イオン交換体の使用も、例7の試験4が示すように可能であり、この場合、ここでは付加的な酸が蒸留工程に導入されないという利点がある。最後に挙げた変法は、主として、市販のMHA製品から出発しなければならない場合に、使用されるものである。
【0040】
従って、MHAの蒸留およびMHA塔底生成物からのモノマーMHAの回収は、高純度でかつ貯蔵安定性のMHA処方物を製造するための、図12に示されたMHA法全体の構成要素であってもよい。
【0041】
【発明の効果】
MHA塔底生成物の再生を伴うMHA蒸留法並びに前記の方法全体は、高度に精製されたモノマーMHAが最終生成物として製造されるけれども、実際にはMHAの損失なしに作業される。これは、殊に経済的並びに最近の生態学的観点では、特に有利である。
【0042】
次に調製例につき、本発明の対象を更に詳説する:
分析的測定法および定義
MHAモノマーもしくはメチオニンの含量を、プロセス溶液中でHPLCにつき定量的に、外部標準(純粋な物質)との比較によって測定した。この場合、分析的には遊離酸としてのモノマーと、場合によってはMHA−NH4塩としても存在するモノマー含量とを区別することができない。この場合、MHA−NH4含量は、NH4含量から計算する。
【0043】
MHA全体(MHAges)=MHAモノマー+MHA(二量体+オリゴマー)+メチオニン(場合により)+MHA−NH4(場合により)の含量を、KBr/KBrO3測定溶液を用いたチオエーテル官能性の滴定によっておよび相応するMHAモノマー当量の合計として[重量%]もしくは[g]もしくは[モル]もしくは[モル%]で表わした。
【0044】
MHA二量体+MHAオリゴマー(DIM+OLI)の含量は、MHA全体とMHAモノマー(+場合によってはメチオニン)との差を計算することによって定め、かつ相応するMHAモノマー当量の合計として、[重量%]もしくは[g]もしくは[モル]もしくは[モル%]で表わした。
【0045】
含水量を、カール・フィッシャーによる滴定によって測定し、硫酸塩含量もしくはアンモニウム含量を、標準処理によるイオンクロマトグラフィーによって測定した。
【0046】
ヨウ素色数(IFZ)を、DIN 6162により測定した。
【0047】
【実施例】
例1
図1中には、例1に使用した装置の構成が略示されている。この図は、次の配置からなる:
001 0.35m2の交換面、加熱した二重マントルおよび温度処理される凝縮面を備えた工業用金属簡易蒸発器
002 冷却トラップ
003 高真空発生用工業用システム
004 蒸留生成物用捕集容器
005 塔底生成物用捕集容器。
【0048】
MIBK−MHA抽出溶液からMHA高濃厚物を取得するための蒸発濃縮システム(ドイツ連邦共和国特許出願公開第19524054号明細書に相当)から、MHA高濃厚物8.9kg/hを簡易蒸発器001中へと供給した。MHA留出物7.4kg/hが捕集容器004中で得られ、塔底生成物1.4kg/hが捕集容器005中で得られた。試験パラメーターを次の表中にまとめた:
簡易蒸発器001中への供給:
MHA高濃厚物の流入速度: 8.9kg/h
MHA高濃厚物の組成:
MHA全体 99.6 重量% 100 モル%
MHAモノマー 84.6 重量% 84.9モル%
MHA−DIM+OLI 15.0 重量% 15.1モル%
H2O 0.2 重量%
SO4 2- 0.2 重量%
例2
図2中には、例2に使用した装置の構成が略示されている。この図は、次の配置からなる:
001 0.06m2の交換面を備えたガラス−薄層−蒸発器(Sambay)
002 水冷したガラス冷却器
003 凝縮物用捕集容器
004 真空ポンプ
005 0.05m2の交換面を備えたガラス−簡易蒸発器
006 冷却トラップ
007 高真空ポンプ
008 蒸留した生成物用捕集容器
009 塔底生成物用捕集容器
薄層蒸発器001の中にMHA88市販製品(アリメット(Alimet)TMもしくはロジメット(Rhodimet)AT88TM)を連続的に供給した。蒸発の際に得られた水を、捕集容器003中で捕集した。塔底流出生成物を簡易蒸発器005に連続的に供給した。MHA留出物を捕集容器008中で捕集し、かつMHA二量体およびMHAオリゴマーを含有する塔底生成物を捕集容器009中で捕集した。
【0049】
生成物量:
捕集容器003中の凝縮物 0.035kg/h
冷却トラップ006中の凝縮物 0 kg/h
次の組成物を有する捕集容器008中のMHA留出物 0.113kg/h:
MHA全体 100重量% 100モル%
MHAモノマー 100重量% 100モル%
MHA−DIM+OLI 0重量% 0モル%
H2O 0重量%
SO4 2- 0重量%
IFZ 5
次の組成物を有する捕集容器009中の塔底生成物 0.038kg/h:
MHA全体 100 重量% 100 モル%
MHAモノマー 14.0重量% 14.0モル%
MHA−DIM+OLI 86.0重量% 86.0モル%
H2O 0 重量%
SO4 2- 4.6重量%
生成物量:
捕集容器003中の凝縮物 0.042kg/h
冷却トラップ006中の凝縮物 0 kg/h
次の組成物を有する捕集容器008中のMHA留出物 0.129kg/h:
MHA全体 99.9重量% 100 モル%
MHAモノマー 99.4重量% 99.5モル%
MHA−DIM+OLI 0.5重量% 0.5モル%
H2O 0.1重量%未満
SO4 2- 0 重量%
IFZ 5
次の組成物を有する捕集容器009中の塔底生成物 0.050kg/h:
MHA全体 100 重量% 100 モル%
MHAモノマー 8.0重量% 8.0モル%
MHA−DIM+OLI 92.0重量% 92.0モル%
H2O 0 重量%
SO4 2- 4.3重量%
生成物量:
捕集容器003中の凝縮物 0.013kg/h
冷却トラップ006中の凝縮物 0 kg/h
次の組成物を有する捕集容器008中のMHA留出物 0.057kg/h:
MHA全体 100 重量% 100 モル%
MHAモノマー 100 重量% 100 モル%
MHA−DIM+OLI 0 重量% 0 モル%
H2O 0 重量%
SO4 2- 0 重量%
IFZ 3.5
次の組成物を有する捕集容器009中の塔底生成物 0.035kg/h:
MHA全体 100 重量% 100 モル%
MHAモノマー 42.0重量% 42.0モル%
MHA−DIM+OLI 58.0重量% 58.0モル%
H2O 0 重量%
SO4 2- 4.8重量%
例3
比較例:公知技術水準による蒸留
MHA留出物の収率: 理論値の0.2%
ドイツ連邦共和国特許出願公開第19524054号明細書の例3と同様に製造したMHA加水分解物(MHA全体37.4重量%およびDIM+OLI10.7モル%)800gを、分液漏斗中で、メチルイソブチルケトン(MIBK)480gを用いて抽出し、抽出溶液を水50gを用いて洗浄した。抽出溶液を、回転型蒸発器で噴流真空中で蒸発濃縮させた。MHAモノマー81.9モル%およびMHA−DIM+OLI18.1モル%を有するMHA全体91.2重量%からなる油状蒸発濃縮残分を、蒸留橋を介してオイルポンプ真空中で分留した。
【0050】
2時間後、次のものが得られた:
次の組成物を有する受容フラスコ中のMHA留出物 0.5 g:
MHA全体 97.9重量% 100 モル%
MHAモノマー 86.8重量% 88.6モル%
MHA−DIM+OLI 0.1重量%未満 0.1モル%未満
未知の副生成物 約11.1重量%
次の組成物を有する蒸留フラスコ中の塔底生成物 246 g:
MHA全体 100 重量% 100 モル%
MHAモノマー 8.7重量% 8.7モル%
MHA−DIM+OLI 92.3重量% 92.3モル%
例4
MHA処方物の製造
試験1
MHA留出物
MHA全体99.9重量%の含量を有するMHA留出物を、例1と同様に製造した。
【0051】
試験2
MHA88
電磁撹拌機を備えたビーカー中で、例1からの新鮮なMHA留出物88.0g(0.59モル)を、撹拌しながら水12.0gを用いて希釈してMHA全体濃度を88.0重量%にした。
【0052】
試験3
MHA 78+10 Met
電磁撹拌機を備えたビーカー中で、例1により新たに製造されたMHA留出物78.0g(0.52モル)に、撹拌しながら99%を上回るD,L−メチオニン10.0g(0.067モル)および水12.0gを添加し、かつこの場合、次の組成を有する均質な溶液が得られた:
試験4
MHA留出物
MHA全体100重量%の含量を有するMHA留出物を例2、試験1と同様に製造した。
【0053】
試験5
MHA 88
電磁撹拌機を備えたビーカー中で、例2、試験1により新たに製造された100%のMHA留出物44.0g(0.29モル)を、水6.0gを用いて希釈してMHA全体88.0重量%の濃度にした:IFZ 4
試験6
MHA 78+10 Met
電磁撹拌機を備えたビーカー中で、例2、試験1により新たに製造された100%のMHA留出物39.0g(0.26モル)に、撹拌下に99%を上回るD,L−メチオニン5.0g(0.034モル)および水6.0gを添加し、かつこの場合、次の組成を有する均質な溶液が得られた:
試験7
MHA 78+10 MHA−NH4
電磁撹拌機を備えたビーカー中で、例2、試験1により新たに製造されたMHA留出物60.0g(0.40モル)に、撹拌しながら30.5%のアンモニア溶液2.26g(0.040モル)および水6.71gを添加し、かつこの場合、次の分析による組成を有する均質溶液を製造した:
試験8
MHA 69+19 MHA−NH4
電磁撹拌機を備えたビーカー中で、例2、試験1により新たに製造されたMHA留出物60.0g(0.40モル)に、撹拌しながら30.5%のアンモニア溶液4.58g(0.082モル)および水5.19gを添加し、かつこの場合、次の組成物を有する均質な溶液を製造した:
試験9
MHA留出物
MHA全体100重量%の含量を有するMHA留出物を、例2、試験3と同様に製造した。
【0054】
例5
MHA−処方物の貯蔵
図3〜図7に挙げられた生成物を、それぞれ密閉したガラス容器中で撹拌せずに、この場合に記載された温度で、230日に及ぶ期間に亙って貯蔵した。規則的な間隔で試験体を取り出し、かつMHA全体、MHAモノマー、MHA−(二量体+オリゴマー)ならびに場合によってはMetの含量を測定した(前述の方法参照)。
【0055】
図3
例4、試験1により製造された、MHA留出物は、25℃で約120日の貯蔵後、次のものからなる調節された平衡を示す
MHAモノマー(1) 60モル%、
MHA−(二量体+オリゴマー)(2) 20モル%。
【0056】
図4
例4、試験2により製造された、MHA88は、25℃で約90日の貯蔵後、次のものからなる調節された平衡を示す
MHAモノマー(1) 80モル%、
MHA−(二量体+オリゴマー)(2) 20モル%。
【0057】
この割合は、明らかに市販の製品の割合を下回る。
【0058】
図5
例4、試験3により製造されたMHA78+10Metは、25℃で約90日の貯蔵後、次のものからなる調節された平衡を示す
MHAモノマー+Met(1) 87モル%、
MHA−(二量体+オリゴマー)(2) 13モル%。
【0059】
図6
例4、試験7により製造された、MHA78+10MHANH4は、40℃で約6日の貯蔵後、次のものからなる調節された平衡を示す
MHAモノマー(1) 88モル%、
MHA−(二量体+オリゴマー)(2) 12モル%。
【0060】
図7
例4、試験8により製造された、MHA69+19MHANH4は、40℃で約6日の貯蔵後、次のものからなる調節された平衡を示す
MHAモノマー(1) 89モル%、
MHA−(二量体+オリゴマー)(2) 11モル%。
【0061】
図3から図7までの比較は、MHA処方物中の望ましくないDIM+OLI−含量の平衡含量の減少を、MHA留出物、MHA88、MHA78+10Met、MHA78+10MHANH4、MHA69+19MHANH4の順序で示している。ここに挙げた全てのMHA処方物は、ドイツ連邦共和国特許出願公開第19524054号明細書から得られる相応する処方物よりも、有利な(二量体+オリゴマー)−含量を有する。全ての88%処方物は、MHA88ー市販製品よりも十分に有利な(二量体+オリゴマー)−含量を有する。
【0062】
例6
キャノンフェンスケ(Canon Fenske)による粘度の測定
図8〜図11中に見られるように、動粘度を温度に依存したISO 3105−1976の方法により、キャノン・フェンスケ・オパーク(Canon Fenske Opaque)型の粘度計を用いて、次のMHAの品質について測定した:
例4、試験1により製造されたMHA留出物および例5により25℃で230日を上回る貯蔵、図8の参照符号1の曲線に相応する、粘度(25℃):402mm2/s
例4、試験4により新たに製造されたMHA留出物、図8の参照符号2の曲線に相応する、粘度(25℃):555mm2/s
例4、試験9により新たに製造されたMHA留出物、図8の参照符号3の曲線に相応する、粘度(25℃):717mm2/s
例4、試験5により新たに製造されたMHA88、図9の参照符号4の曲線に相応する、粘度(25℃):50mm2/s
MHA 88、市販製品アリメットTM(NOVUS)、図9の参照符号5の曲線に相応する、粘度(25℃):61mm2/s
MHA 88、市販製品ロジメットATTM(Rhone Poulenc)、図9の参照符号6の曲線に相応する、粘度(25℃):122mm2/s
例4、試験7により新たに製造されたMHA78+10MHANH4、図10の参照符号7の曲線に相応する、粘度(25℃):74mm2/s
例4、試験7により製造されたMHA78+10MHANH4および例5により40℃で30日貯蔵、図10の参照符号8の曲線に相応する、粘度(25℃):79mm2/s
例4、試験8により新たに製造されたMHA69+10MHANH4、図10の参照符号9の曲線に相応する、粘度(25℃):96mm2/s
例4、試験8により製造されたMHA 69+10 MHANH4および例5により40℃で30日貯蔵、図10の参照符号10の曲線に相応する、粘度(25℃):100mm2/s
例4、試験3により製造されたMHA 78+10 Metおよび例5により25℃で230日を上回って貯蔵、図11の参照符号11の曲線に相応する、粘度(25℃):113mm2/s
例4、試験6により新たに製造されたMHA 78+10 Met、図11の参照符号12の曲線に相応する、粘度(25℃):122mm2/s
25℃での粘度値の比較が示すように、MHA高濃厚物の粘度は、他のMHA処方物の粘度よりも明らかに高く、この場合、長期の貯蔵は粘度の低下を生じる(図8〜図11参照)。
【0063】
新たに蒸留された高濃厚物からなるMHA88は、間隔をおいて極めて有利な粘度値50mm2/sを示し、またこの粘度値は、市販製品の粘度範囲61〜122mm2/sを下回っている(図9参照)。
【0064】
(MHA+MHANH4)−混合物の粘度は、粘度範囲の中央に至るまでの下端にあり(図10参照)、(MHA+Met)−混合物の粘度は市販製品の粘度範囲の上端にあり(図11参照)、従ってこれに関しては市販の製品は比較可能である。
【0065】
例7
蒸留の塔底生成物からのMHAの再生
試験1
還流冷却器、内部温度計および電磁撹拌機を備えた100mlの三口フラスコ中に、65重量%のH2SO414.33g(0.095モル)を25℃で装入し、撹拌しながら5分間で97.7%の4−メチルチオ−2−ヒドロキシ酪酸ニトリル(MMP−シアノヒドリン)13.43g(0.1モル)を滴加した。反応混合物を50℃で更に60分撹拌し、この場合に製造された硫酸MHAアミド溶液を、引き続き例2、試験1によるMHA留出物からなる塔底生成物3.73g(0.025モル)および水17.59gと一緒に混合した。MHA全体38重量%の含量を有する均質溶液を、15分間、沸騰するまで108℃に加熱し、更にこの温度で105分間撹拌した。分析により判明した溶液の組成は、時間とともに次のように変化した:
試験2
還流冷却器、内部温度計および電磁撹拌機を備えた100mlの三口フラスコ中に、ドイツ連邦共和国特許出願公開第19524054号明細書例4により4−メチルチオ−2−ヒドロキシ酪酸ニトリルを硫酸加水分解することによって製造された37.4重量%のMHA−加水分解物(MHA全体0.15モル、NH4HSO40.15モルを有する)60.0g(0.15モル)と、例2、試験1によるMHA留出物からなる塔底生成物5.6g(0.037モル)および水8.2gと一緒に混合した。MHA全体38重量%の含量を有する均質な溶液を、20分間で沸騰するまで106℃に加熱し、この温度で更に70分撹拌した。分析により判明した溶液の組成は、時間とともに次のように変化した:
試験3
ガラス装入物、電磁撹拌機および内部温度計を備えた250mlの実験室用オートクレーブ中に、例2、試験1によるMHA留出物からなる塔底生成物16.74g(0.111モル)と、水27.32gおよびH2SO40.44g(4.5ミリモル)とを混合した。混合物を密閉したオートクレーブ中で20分で130℃の内部温度になるまで加熱し、前記温度および3.5バールの圧力で更に90分間撹拌した。約25℃に迅速に冷却した後、反応溶液を分析した。溶液の組成は、次のように変化した:
試験4
ガラス装入物、電磁撹拌機および内部温度計を備えた250mlの実験室用オートクレーブ中に、例2、試験1によるMHA留出物からなる塔底生成物16.74g(0.111モル)と水27.32gおよびイオン交換体アンバーリスト(Amberlyst)15TM(ローム&ハース(Rohm&Haas)、SO3H/l 1.8当量)0.62mlとを一緒に混合した。混合物を密閉したオートクレーブ中で45分間で124℃の内部温度になるまで加熱し、更にこの温度および2バールの圧力で120分間撹拌した。迅速に冷却して約25℃にし、かつイオン交換体を沈殿させた後、反応溶液を分析した。溶液の組成は、次のように変化した:
【図面の簡単な説明】
【図1】例1に使用した装置を示す系統図。
【図2】例2に使用した装置を示す系統図。
【図3】例4、試験1による化合物の貯蔵に依存した物質含量を示す線図。
【図4】例4、試験2による化合物の貯蔵に依存した物質含量を示す線図。
【図5】例4、試験3による化合物の貯蔵に依存した物質含量を示す線図。
【図6】例4、試験7による化合物の貯蔵に依存した物質含量を示す線図。
【図7】例4、試験8による化合物の貯蔵に依存した物質含量を示す線図。
【図8】MHA−蒸留物の動粘度の測定値を示す線図。
【図9】MHA 88の動粘度の測定値を示す線図。
【図10】MHA 78+10 MHANH4およびMHA 69+10 MHANH4の動粘度の測定値を示す線図。
【図11】MHA 78+10 Metの動粘度の測定値を示す線図。
【図12】本発明による全方法の工程順序を示す系統図。
【符号の説明】
001 工業用金属簡易蒸発器またはガラス−薄層−蒸発器、 002 冷却トラップまたはガラス冷却器、 003 高真空発生用工業用システムまたは凝縮用捕集容器、 004 蒸留生成物用捕集容器または真空ポンプ、 005 塔底生成物用捕集容器またはガラス−簡易蒸発器、 006 冷却トラップ、 007 高真空ポンプ、 008 留出用捕集容器、 009 塔底生成物用捕集容器、 1 MHAモノマー、 2 MHA−(二量体+オリゴマー)、 3MHA留出物、 4 MHA、 5 市販のアリメットTM(NOVUS)、 6 市販のロジメットATTM、 7、8 MHA78+10MHANH4、 9、10 MHA69+10MHANH4、 11、12 MHA78+10Met
Claims (16)
- 貯蔵安定性の2−ヒドロキシ−4−メチルチオ酪酸(MHA)を製造する方法において、MHAのモノマー成分およびオリゴマー成分95重量%を上回る含量を有する高濃度の液体MHAを、減圧下にモノマーMHAの蒸発温度で、1〜1×10 4 秒の蒸留の際のMHAの平均滞留時間で蒸留することを特徴とする、貯蔵安定性の2−ヒドロキシ−4−メチルチオ酪酸(MHA)を製造する方法。
- 高濃度の液体MHAを1×10-3〜5×104Paの圧力で蒸留する、請求項1記載の方法。
- 高濃度の液体MHAを40〜200℃の範囲の温度で蒸留する、請求項1または2に記載の方法。
- 高濃度の液体MHAを、任意の高濃度でないMHAを予め蒸発濃縮することによって取得する、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
- MHAの貯蔵安定性が、比較可能な含水量を有する、使用される液体MHAの貯蔵安定性よりも1.3〜約2.5倍大きいMHAを生成物として取得し、この場合、比較可能な含水量を有する生成物の平衡状態に調節されるMHAの二量体含量とオリゴマー含量とを比較することによって貯蔵安定性を測定する、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
- MHAが固体で、部分的または完全に結晶質の生成物として得られる、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
- ジョブ色数が0〜20未満の範囲内にある、色彩を有する生成物が得られる、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
- 簡易蒸留装置として、装置内で蒸留の際のMHAの平均滞留時間が1〜1×104秒であるような装置を使用する、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
- 本質的にオリゴマーを含有しないMHAを生じる、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
- 蒸発器の出口で0〜5重量%の範囲のオリゴマー含分を有するMHAを生じる、請求項9記載の方法。
- 高濃度の液体MHAを、本質的にMHAモノマーを含有する蒸留物および本質的にMHA二量体およびオリゴマーを含有する塔底生成物を製造するように蒸留し、この場合、この塔底生成物をMHAモノマーを再生するためにMMP−CHおよび/またはMHAアミドの加水分解に供給する、請求項1から10までのいずれか1項記載の方法。
- MHA蒸留の際に得られた、MHAモノマー、二量体およびオリゴマーからなる塔底生成物を再生工程に供給し、この場合、二量体含分およびオリゴマー含分を、加水分解によって、MHA全体に対して30モル%以下の値に低下させる、請求項1から11までのいずれか1項記載の方法。
- 加水分解工程に1つ以上の鉱酸および/または鉱酸塩および/またはMHAおよび/または酸性イオン交換体を供給する、請求項11または12記載の方法。
- 鉱酸がH2SO4、HClおよび/またはH3PO4であり、かつ対応する鉱酸塩が相応するアンモニウム塩である、請求項13記載の方法。
- MHA蒸留による塔底部生成物の加水分解を、MHAアミドの加水分解と同時に実施する、請求項11、12または13記載の方法。
- 反応混合物からMHAを単離し、このMHAを、メチルメルカプトプロピオンアルデヒド(MMP)に青酸(HCN)を付加し、かつその際に得られたシアノヒドリン(MMP−CH)を鉱酸を用いて加水分解することによって取得し、この場合、反応混合物と、本質的に水と混合不可能な有機溶剤とを液/液抽出系中で接触させ、この場合に溶剤、および反応混合物から変換されたMHAを有する抽出溶液を製造し、かつこの抽出溶液からの抽出物としてのMHAを蒸発濃縮によって取得するような2−ヒドロキシ−4−メチルチオ酪酸(MHA)を製造する方法において、引き続き抽出物を、減圧下にモノマーMHAの蒸発温度で、1〜1×10 4 秒の蒸留の際のMHAの平均滞留時間で蒸留し、本質的にMHAモノマーを含有する蒸留物および本質的にMHA二量体およびオリゴマーを含有する塔底生成物を製造し、この場合、この塔底生成物をMHAモノマーを再生するためにMMP−CHおよび/またはMHAアミドの加水分解に供給することを特徴とする、2−ヒドロキシ−4−メチルチオ酪酸(MHA)の製造法。
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