JP4172476B2 - 光ディスク装置 - Google Patents

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Description

本発明は光ディスク装置、特にMSK変調されたウォブル信号からアドレス情報を復調する技術に関する。
従来より、光ディスクのアドレス情報を光ディスクのウォブル信号に埋め込む方式が採用されている。変調方式としてはMSK(Minimum Shift Keying)変調方式、PSK(Phase shift Keying)変調方式、FSK(Frequency Shift Keying)変調方式が単独で用いられる他、Blu−rayディスクのようにMSK変調方式とHMW(Hermonic Wave)変調方式を併用する方式がある。ここで、MSK変調方式では、一方を基準キャリア信号と同一の周波数とし、他方を基準キャリア信号の1.5倍の周波数として周波数変調する。基準キャリア信号をcos(ωt)とすると、「0」はcos(ωt)またはその反転信号−cos(ωt)となり、「1」はcos(1.5ωt)またはその反転信号−cos(1.5ωt)となる。MSK変調マークは、cos(1.5ωt)、−cos(ωt)、−cos(1.5ωt)の3キャリア周期区間で構成される。
下記の特許文献には、MSK変調されたウォブル信号からアドレス情報を復調する際に、ウォブル信号と、このウォブル信号からPLL回路で生成したキャリア信号(基準クロック信号)の乗算を行い、乗算結果をキャリア周期毎に積算した値が負の値となるところをMSK変調マークとして検出すること、あるいは乗算結果をローパスフィルタに入力し、ローパスフィルタ出力値が負の値となるところをMSK変調マークとして検出することが開示されている。
特開2004−310958号公報
このように、MSK変調マークはウォブル信号と基準クロック信号から検出することが可能であるが、より簡易かつ確実に変調マークを検出することが望まれている。また、光ディスクの高密度化に伴って隣接トラックからのクロストークの影響が無視できなくなり、クロストークによりウォブル信号の位相がシフトする事態も想定されるため、クロストークの影響によらずにMSK変調マークを確実に検出する必要もある。
本発明の目的は、MSK変調されたウォブル信号からMSK変調部分(MSK変調マーク)を確実に検出できる装置を提供することにある。
本発明は、MSK変調されたウォブル信号からMSK変調部分を検出することでアドレスを復調する光ディスク装置であって、前記ウォブル信号を再生する再生手段と、前記ウォブル信号を2値化する2値化手段と、2値化されたウォブル信号から前記ウォブル信号のキャリア周波数と同一周波数の基準クロック信号を生成するPLL回路と、2値化された前記ウォブル信号と前記基準クロック信号との排他的論理和を演算する演算手段と、前記基準クロックの半周期において前記排他的論理和値が1となる比率を所定のしきい比率と比較し、前記所定のしきい比率以上となる連続区間を抽出する抽出手段と、前記連続区間が所定区間数以上ある場合に前記連続区間を前記MSK変調部分として検出する検出手段とを有することを特徴とする。本発明の1つの実施形態では、前記ウォブル信号に隣接トラックからのクロストークが重畳されている場合に前記所定のしきい比率あるいは前記所定区間数の少なくともいずれかを変更する手段を有する。
本発明によれば、2値化されたウォブル信号と基準クロック信号から簡易にMSK変調部分(MSK変調マーク)を検出することができる。また、クロストークが存在しても、MSK変調部分を検出するためのしきい値を適応的に変更するので、クロストークによらずMSK変調部分を検出できる。
以下、図面に基づき本発明の実施形態について説明する。
図1に、本実施形態に係る光ディスク装置の全体構成図を示す。光ディスク10はスピンドルモータ(SPM)12により回転駆動される。スピンドルモータSPM12は、ドライバ14で駆動され、ドライバ14はサーボプロセッサ30により所望の回転速度となるようにサーボ制御される。光ディスク10の一例はBlu−rayディスクである。
光ピックアップ16は、レーザ光を光ディスク10に照射するためのレーザダイオード(LD)や光ディスク10からの反射光を受光して電気信号に変換するフォトディテクタ(PD)を含み、光ディスク10に対向配置される。光ピックアップ16はスレッドモータ18により光ディスク10の半径方向に駆動され、スレッドモータ18はドライバ20で駆動される。ドライバ20は、ドライバ14と同様にサーボプロセッサ30によりサーボ制御される。また、光ピックアップ16のLDはドライバ22により駆動され、ドライバ22はオートパワーコントロール回路(APC)24により駆動電流が所望の値となるように制御される。APC24は、光ディスク10のテストエリア(PCA)において実行されたOPC(Optimum Power Control)により選択された最適記録パワーとなるようにドライバ22の駆動電流を制御する。OPCは、光ディスク10のPCAに記録パワーを複数段に変化させてテストデータを記録し、該テストデータを再生してその信号品質を評価し、所望の信号品質が得られる記録パワーを選択する処理である。信号品質には、β値やγ値、変調度、ジッタ等が用いられる。
光ディスク10に記録されたデータを再生する際には、光ピックアップ16のLDから再生パワーのレーザ光が照射され、その反射光がPDで電気信号に変換されて出力される。光ピックアップ16からの再生信号はRF回路26に供給される。RF回路26は、再生信号からフォーカスエラー信号やトラッキングエラー信号を生成し、サーボプロセッサ30に供給する。サーボプロセッサ30は、これらのエラー信号に基づいて光ピックアップ16をサーボ制御し、光ピックアップ16をオンフォーカス状態及びオントラック状態に維持する。
光ピックアップ16は、光ディスク10のグルーブに対して記録/再生を行う。光ディスク10にはグルーブがウォブル形成されている。また、RF回路26は、再生信号に含まれるアドレス信号をアドレスデコード回路28に供給する。アドレスデコード回路28はPLL回路を有し、ウォブル信号から基準クロックを生成して光ディスク10のアドレスデータを復調し、サーボプロセッサ30やシステムコントローラ32に供給する。
アドレスデータは、モノトーンユニット、レファレンスユニット、SYNCユニット(SYNC0〜3ユニット)、データユニット(data0、data1)から構成され、各ユニットの先頭にMSK変調マークが配置される。SYNC0ユニット、SYNC1ユニット、SYNC2ユニット、SYNC3ユニットは先頭以外のそれぞれ異なる位置にMSK変調マークがさらに配置される。アドレス値はデータユニットで規定され、data0、data1も先頭以外のそれぞれ異なる位置にMSK変調マークが配置される。アドレス値は変調マークに続き2種類のsawtooth波形で0、1を規定して表現される。
RF回路26は、再生RF信号を2値化回路34に供給する。2値化回路34は、再生信号を2値化し、得られた信号をエンコード/デコード回路36に供給する。エンコード/デコード回路36では、2値化信号を復調及びエラー訂正して再生データを得、当該再生データをインタフェースI/F40を介してパーソナルコンピュータなどのホスト装置に出力する。なお、再生データをホスト装置に出力する際には、エンコード/デコード回路36はバッファメモリ38に再生データを一旦蓄積した後に出力する。
光ディスク10にデータを記録する際には、ホスト装置からの記録すべきデータはインターフェースI/F40を介してエンコード/デコード回路36に供給される。エンコード/デコード回路36は、記録すべきデータをバッファメモリ38に格納し、当該記録すべきデータをエンコードして変調データとしてライトストラテジ回路42に供給する。ライトストラテジ回路42は、変調データを所定の記録ストラテジに従ってマルチパルス(パルストレーン)に変換し、記録データとしてドライバ22に供給する。記録ストラテジは、例えばマルチパルスにおける先頭パルスのパルス幅や後続パルスのパルス幅、パルスデューティから構成される。記録ストラテジは記録品質に影響することから、通常はある最適ストラテジに固定される。OPC時に記録ストラテジを併せて設定してもよい。記録データによりパワー変調されたレーザ光は光ピックアップ16のLDから照射されて光ディスク10にデータが記録される。データを記録した後、光ピックアップ16は再生パワーのレーザ光を照射して当該記録データを再生し、RF回路26に供給する。RF回路26は再生信号を2値化回路34に供給し、2値化されたデータはエンコード/デコード回路36に供給される。エンコード/デコード回路36は、変調データをデコードし、バッファメモリ38に記憶されている記録データと照合する。ベリファイの結果はシステムコントローラ32に供給される。システムコントローラ32はベリファイの結果に応じて引き続きデータを記録するか、あるいは交替処理を実行するかを決定する。
このような構成において、ウォブル信号に含まれるMSK変調マークは、基本的に従来技術と同様にウォブル信号とこのウォブル信号からPLL回路で生成された基準クロック信号に基づき検出される。
図2に、アドレスデコード回路28におけるMSK変調マーク検出回路を示す。また、検出回路はRF信号から抽出されたウォブル信号を2値化する2値化器28a、排他的論理和(EOR)ゲート28b、比率カウンタ28c及び判別器28dを有する。排他的論理和ゲート28bは、2値化されたウォブル信号とPLL回路からの基準クロック信号との排他的論理和を演算する。比率カウンタ28cは、基準クロック半周期における排他的論理和のHi(ハイレベル)のパルス幅の基準クロック半周期全体に対する比率を計測する。判別器28dは、比率カウンタ28cで計測した比率を判定しきい比率と大小比較して0度位相か180度位相かを判別し、判別結果をシステムコントローラ32に供給する。すなわち、判定しきい比率以上であれば「1」、それ未満は「0」と規格化して判別結果をシステムコントローラ32に供給する。判別器28dでの判定しきい比率は、システムコントローラ32により適応的に設定される。
図3に、図2の各部における信号波形を示す。図3(a)はMSK変調されたウォブル信号波形である。図2のa部の波形である。MSK変調では、一方を基準キャリア信号と同一の周波数とし、他方を基準キャリア信号の1.5倍の周波数として周波数変調する。基準キャリア信号をcos(ωt)とすると、MSK変調マークは、cos(1.5ωt)、−cos(ωt)、−cos(1.5ωt)の3キャリア周期区間で構成される。図において、MSK変調マーク100がウォブル信号のほぼ中央に示されている。図3(b)は2値化器28aで2値化したウォブル信号波形である。図2のb部の波形である。図3(c)は図3(b)の2値化したウォブル信号をPLL回路に供給し、PLL回路で生成した基準クロック信号波形である。図2のc部の波形である。図3(d)は排他的論理和ゲート28bで2値化ウォブル信号と基準クロック信号の排他的論理和を演算した結果の信号波形である。図2のd部の波形である。図3(d)の波形は、ウォブル信号と基準クロック信号がともにHi(1)あるいはLow(0)のときにLow(0)、いずれかがHi(1)の場合にHi(1)となる波形である。ウォブル信号のMSK変調マークでは周波数が異なるとともに位相が反転しているため、排他的論理和にHiが生じることになる。本実施形態では、このHiの比率を利用する。
図3(e)は図3(d)に示す排他的論理和がHi(1)となる比率、すなわち基準クロックの半周期におけるHiの比率を算出した結果であり、図2の比率カウンタ28cでの計測結果である。ウォブル信号のうち、MSK変調マーク以外の信号区間ではウォブル信号の位相と基準クロック信号の位相とが一致しているため比率は0となる。一方、MSK変調マークで上述したようにウォブル信号と基準クロック信号との位相がずれてくるため比率は増大し、MSK変調マークのうち位相反転している区間においては比率は1(100%)となる。つまり、MSK変調マークでは、その中心で比率が最も高く1となり、その前後の区間において有限の比率が存在することになる。比率にはノイズが含まれているため、判別器28dは比率カウンタ28cから供給された各区間の比率を所定の判定しきい比率と大小比較し、所定の判定しきい比率以上の比率を1に規格化する。
例えば、比率カウンタ28cで算出された比率が15区間において
0,0,0,0,1/6,1/2,5/6,1,5/6,1/2,1/6,0,0,0,0
であったとする(図3(e)参照)。判定しきい比率を1/2とすると、判別器28dでの判別結果は同じ15区間において
0,0,0,0,0,1,1,1,1,1,0,0,0,0,0
となる。ここで1/6は0、5/6は1、1/2は1にそれぞれ規格化される。これらの規格化比率のうち、0と1の境界が非MSK変調マークとMSK変調マークの境界を示す。MSK変調マークは3区間から構成されるため、規格化比率が1となる区間は連続した複数区間となる。したがって、判別器28dは、規格化比率が1となる区間が少なくとも所定区間だけ連続して存在するか否かを判定し、少なくとも所定区間だけ連続して存在する場合にはその区間をMSK変調マークとして検出し、システムコントローラ32に検出信号を供給する。所定区間としては3区間が好適であり、4区間あるいは5区間としてもよい。所定区間数もシステムコントローラ32から供給する。
なお、図3からも明らかなように、比率カウンタ28cで算出された比率が1となる区間及びその隣接区間で基準クロック信号の位相はHi−Low−Hiと変化し、Lowの区間がMSK変調マークの中心であるため、単にMSK変調マークを検出するだけでなく、その中心を検出することもできる。あるいは、規格化比率の中心に対応する区間において、基準クロック信号の位相がHi−Low−Hiの位相変化(あるいはその極性の+、−、+変化)のうちのLow(−)に該当するか否かを判定し、該当する場合に確かにMSK変調マークであると検証することもできる。
以上まとめると、以下の検出アルゴリズムでMSK変調マークを確実に検出できる。
(1)基準クロックの半周期において排他的論理和がHi(1)となる比率が所定の判定しきい比率以上となる区間が連続して所定区間以上存在する場合に該連続区間をMSK変調マークとして検出する
(2)該連続区間の中心区間が、基準クロック信号がHi−Low−Hiと位相変化あるいは極性変化する際のLow区間に相当する場合に該連続区間をMSK変調マークとして検証する
一方、ウォブル信号に隣接トラックからのクロストークが存在すると、ウォブル信号の位相がシフトするため、比率カウンタ28cで算出される比率も変化し得る。したがって、固定的な判定しきい比率を用いて比率を規格化した場合、本来存在するはずのMSK変調マークを検出できないおそれがある。具体的には、クロストークの影響によりウォブル信号の振幅が変動して2値化ウォブル信号が変化し、またクロストークの影響によりウォブル信号の位相がシフトして排他的論理和の比率が変化する。そこで、システムコントローラ32は、クロストークの有無を検出し、クロストークが存在する場合に判定しきい比率を適応的に調整する。例えば、クロストークが存在する場合に判定しきい比率を1/2から1/3あるいは1/4に低下させる。しきい比率を低下させることでMSK変調マークを検出しやすくなる。また、システムコントローラ32は、クロストークの有無に応じて判定区間数を変化させてもよい。例えば、クロストークが存在する場合に判定区間数を3から5に増加する等である。クロストークの有無はウォブル信号の振幅変動あるいはエンベロープから検出できる。
また、システムコントローラ32は、当初は判定のしきい比率及び区間数をデフォルト値に設定しておき、MSK変調マークが検出されずに再試行(リトライ)処理に移行する場合にクロストークの影響があると判定してしきい比率、区間数の少なくともいずれかを変更してもよい。
さらに、クロスロークの影響がない場合に上記の(1)のみを実行してMSK変調マークを検出し、クロストークの影響がある場合に上記の(1)、(2)をいずれも実行してMSK変調マークを検出してもよい。
光ディスク装置の構成ブロック図である。 アドレスデコーダのMSK変調マーク検出回路の構成図である。 図2の各部の信号波形を示すタイミングチャートである。
符号の説明
10 光ディスク、28 アドレスデコード回路、32 システムコントローラ。

Claims (3)

  1. MSK変調されたウォブル信号からMSK変調部分を検出することでアドレスを復調する光ディスク装置であって、
    前記ウォブル信号を再生する再生手段と、
    前記ウォブル信号を2値化する2値化手段と、
    2値化されたウォブル信号から前記ウォブル信号のキャリア周波数と同一周波数の基準クロック信号を生成するPLL回路と
    2値化された前記ウォブル信号と前記基準クロック信号との排他的論理和を演算する演算手段と、
    前記基準クロックの半周期において前記排他的論理和値が1となる比率を所定のしきい比率と比較し、前記所定のしきい比率以上となる連続区間を抽出する抽出手段と、
    前記連続区間が所定区間数以上ある場合に前記連続区間を前記MSK変調部分として検出する検出手段と、
    を有することを特徴とする光ディスク装置。
  2. 請求項1記載の装置において、さらに、
    前記ウォブル信号に隣接トラックからのクロストークが重畳されている場合に前記所定のしきい比率あるいは前記所定区間数の少なくともいずれかを変更する手段と、
    を有することを特徴とする光ディスク装置。
  3. 請求項1、2の装置において、さらに、
    前記連続区間の中心区間における前記基準クロック信号の極性が特定極性であるか否かにより前記MSK変調部分を検証する手段と、
    を有することを特徴とする光ディスク装置。
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