JP4171599B2 - 茶葉摘採方法並びに茶葉摘採装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は茶園内を茶葉摘採装置が走行して茶葉の摘採を行う方法並びにこの方法に使用する茶葉摘採装置に関するものである。
【0002】
【発明の背景】
従来、摘採する芽が長く伸びている場合、上方の「みる芽」のみを刈り取った後、時間をおいて、その下方の下芽を刈り取ることや、また作業能率を優先した場合には、上方の「みる芽」のみを刈り取ることは行わず、下方の下芽の部分から更に上方の「みる芽」も、ともに一度に刈り取ることが行われている。
【0003】
上記上方のみる芽を刈り取ってから下方の下芽を刈り取る方法は、上質のみる芽を区別して収容することができ、これを製茶加工を行うことにより上質茶が得られることで好ましいが、この手法は当然ながら摘採能率を上げ得ない。一方、下方の下芽の部分から更に上方のみる芽も、ともに一度に刈り取る方法は、摘採能率はよいが、製茶加工された茶葉は良質なものは得られない。また長い芽のままでは刈り取り直後収容部に至るまでの間の移送が円滑にできなかったり、また加工時、製茶しにくい場合には、細かく裁断する必要も生じる。
【0004】
このようなことを考慮すると従来提案されている刈刃を二段等の複数段に具えた摘採機ユニットを用いれば、上方のみる芽と下方の下芽とを分けながらも同時に効率良く摘採できることに思い至るものの、例えばこの装置では、上段刈刃で刈り取った茶葉と、下段刈刃で刈り取った茶葉とを個別に収容する構造を採らなければならないため、例えばみる芽がほとんど存在せず、むしろ区別することなく上段刈刃で刈り取った茶葉と下段刈刃で刈り取った茶葉とを混合して収容した方が良い場合には、不都合が生じることとなる。
【0005】
【開発を試みた技術的課題】
本発明はこのような背景からなされたものであって、一度の走行により、例えばみる芽とその下方の下芽を区別して刈り取り、それぞれを分別して収容することが可能であるとともに、各高さの刈刃で刈り取った茶葉を区別せず混ぜてしまって収容した方が良い場合にも適用できる新規な茶葉摘採方法並びにこの方法に使用する茶葉摘採装置の開発を試みたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち請求項1記載の茶葉摘採方法は、茶園内を走行する走行機体と、これに搭載される刈刃を具えた摘採機ユニットと、前記刈刃により刈り取られた茶葉を収容する収容体と、前記刈刃により刈り取られた茶葉を前記収容体へ移送する移送手段とを具えた茶葉摘採装置によって行う茶葉摘採方法において、前記刈刃は、複数本が複数高さ位置に多段となるように設けられ、また前記収容体は収容コンテナが適用され、この収容コンテナは、底部に摘採茶葉の取出口を有するとともに、前記刈刃の数に応じて複数の収容室に上下に仕切られるものであり、更にこの各収容室の間を仕切る仕切体は、開閉自在に構成され、前記各刈刃により刈り取られたそれぞれの茶葉は、それぞれ別々の茶葉移送経路により収容室に移送されるとともに、前記収容コンテナに収容するにあたっては、それぞれの茶葉が区別された区別収容状態、またはそれぞれが合わせられた混合収容状態とを選択するものであり、前記区別収容状態に茶葉を収容する際には、前記仕切体を閉鎖状態として摘採を行い、一方前記混合収容状態に茶葉を収容する際には、前記仕切体を開放状態として摘採を行い、一方各収容室に収容される茶葉を個別に取り出すにあたっては、最も下方の収容室に収容される茶葉を、収容コンテナ底部の取出口から取り出した後、順次下方に位置する仕切体から開放して前記収容コンテナ底部の取出口から各収容室に収容される茶葉を個別に取り出すことを特徴として成るものである。
【0007】
この発明によれば、茶葉の良質の部位とその他の部位を一度に分別して刈り取ることができるため、上方のみる芽に関しては良質茶が製茶できるとともに下方の下芽等は清涼飲料水の原料等とすることができ、また摘採作業の能率も良い。またみる芽と硬葉等を同時に製茶加工すると、それぞれに適した揉圧や揉み時間等の製茶加工条件があるため、結果として製茶品質を落としてしまうこととなるが、本発明によれば、区別されて収容することが可能であるため、区別された茶葉の性状に一番適した製茶加工が行い得る。
またこの発明によれば、従来装置の基本形態を維持しながら本発明を実施することが可能である。また茶葉の区別収容と混合収容とを、簡単な操作により切り換えることが可能である。更にまたこの発明によれば、複数の取出口を収容コンテナに設けることなく、順序良く摘採茶葉を取り出すことができる。
【0008】
また請求項2記載の茶葉摘採方法は、前記請求項1記載の要件に加え、前記刈刃は上下二段で具えられるものであることを特徴として成るものである。
この発明によれば、みる芽とその下方の下芽とを一度に刈り取ることができ、製茶加工にもほぼ適した長さで摘採することができる。
【0009】
更に請求項3記載の茶葉摘採方法に使用する茶葉摘採装置は、茶園内を走行する走行機体と、これに搭載される刈刃を具えた摘採機ユニットと、前記刈刃により刈り取られた茶葉を収容する収容体と、前記刈刃により刈り取られた茶葉を前記収容体へ移送する移送手段とを具えた茶葉摘採装置おいて、前記刈刃は、複数本が複数高さ位置に多段となるように設けられ、また前記収容体は収容コンテナが適用され、この収容コンテナは、底部に摘採茶葉の取出口を有するとともに、前記刈刃の数に応じて複数の収容室に上下に仕切られるものであり、更にこの各収容室の間を仕切る仕切体は、開閉自在に構成され、前記各刈刃により刈り取られたそれぞれの茶葉は、それぞれ別々の茶葉移送経路により収容室に移送されるとともに、前記収容体に収容するにあたっては、それぞれの茶葉が区別された区別収容状態、またはそれぞれが合わせられた混合収容状態とを選択するものであり、前記区別収容状態に茶葉を収容する際には、前記仕切体を閉鎖状態として摘採を行い、一方前記混合収容状態に茶葉を収容する際には、前記仕切体を開放状態として摘採を行い、一方各収容室に収容される茶葉を個別に取り出すにあたっては、最も下方の収容室に収容される茶葉を、収容コンテナ底部の取出口から取り出した後、順次下方に位置する仕切体から開放して前記収容コンテナ底部の取出口から各収容室に収容される茶葉を個別に取り出すように構成されていることを特徴として成るものである。
【0010】
この発明によれば、茶葉の良質の部位とその他の部位を一度に分別して刈り取ることができるため、上方のみる芽に関しては良質茶が製茶できるとともに下方の下芽等は清涼飲料水の原料等とすることができ、また摘採作業の能率も良い。またみる芽と硬葉等を同時に製茶加工すると、それぞれに適した揉圧や揉み時間等の製茶加工条件があるため、結果として製茶品質を落としてしまうこととなるが、本発明によれば、区別されて収容することが可能であるため、区別された茶葉の性状に一番適した製茶加工が行い得る。
またこの発明によれば、茶葉の区別収容と混合収容とを、簡単な操作により切り換えることが可能である。更にまたこの発明によれば、従来装置にわずかな改良で本発明を実施することが可能である。また複数の取出口を収容コンテナに設けることなく、順序良く摘採茶葉を取り出すことができる。
【0011】
更にまた請求項4記載の茶葉摘採方法に使用する茶葉摘採装置は、前記請求項3記載の要件に加え、前記刈刃は上下二段で具えられるものであることを特徴として成るものである。
この発明によれば、みる芽とその下方の下芽とを一度に刈り取ることができ、製茶加工にもほぼ適した長さで摘採することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下本発明を図示の実施の形態に基づき説明する。なお以下の説明にあたっては、まず本発明に係る茶葉摘採方法に使用する茶葉摘採装置について説明し、次いでこの装置の作動態様の説明と併せて本発明に係る茶葉摘採方法について説明する。
図1、2中符号1に示す装置は、本発明の茶葉摘採方法に使用する茶葉摘採装置であり、このものは、一例として茶畝を跨ぐようにして走行する走行機体2と、この走行機体2によって支持される摘採機ユニット3と、摘採機ユニット3により刈り取られた茶葉Aを移送する移送手段たる風送装置4と、この風送装置4により移送された茶葉Aを収容する収容コンテナ5とを具備して成る。
【0013】
まず走行機体2について説明する。この走行機体2は図1に示すように、一例として茶畝を跨ぐように概ね門形状に形成されたフレーム部20を骨格部材とし、このフレーム部20に対し下方にクローラ21を設ける。そしてフレーム部20には摘採機ユニット3が昇降自在に取り付けられる。また更にフレーム部20には、クローラ21や摘採機ユニット3を操作するためのコントロールユニット22、クローラ21や風送装置4等を駆動させるためのエンジンユニット23、摘採機ユニット3及び風送装置4等の昇降に関与するスライダやウインチ、作業者が座る操縦席24等が設けられる。
【0014】
次に摘採機ユニット3について説明する。摘採機ユニット3は、茶畝の全面を一度に摘採するタイプの茶畝全面摘採機が用いられるものであり、本実施の形態の特徴として二本の刈刃31が異なる高さに設けられるとともに、上段の刈刃31が下段の刈刃31よりも前方に位置されるものであり、二段刈りが行われる。なお以下上段の刈刃31を上段刈刃31A、下段の刈刃31を下段刈刃31Bと呼称する。
【0015】
刈刃31は、上段刈刃31A及び下段刈刃31B共に、二枚の上下一対に組み合わせた長杆状の部材に多数の歯を形成し、この上下一対の刈刃を、偏心板やエキセントリックシャフトから成る往復摺動ユニット32A、32Bにより往復摺動させることにより刈り取りを行ういわゆるバリカン式の刈刃を用いる。なお往復摺動ユニット32A、32Bの駆動は、一基の油圧モータ33の駆動軸33aによって行うものであるが、上段刈刃31A用の油圧モータと下段刈刃31B用の油圧モータを個別に具えるようにしても構わない。なお油圧モータ33の露出する駆動軸33aの部位は、ベローズ34で覆われる。なお刈刃31としては、バリカン式の刈刃の他、例えばロータリー式の回転刃を用いることも可能である。上段刈刃31A及び下段刈刃31Bの後方には、それぞれ風送装置4の茶葉移送ダクト43A、43Bと連結される案内筒36A、36Bが設けられる。
【0016】
また上段刈刃31Aと下段刈刃31Bの間隔は調整自在とされるものであり、一例として100〜150mmの間隔に調整可能とされている。具体的には摘採機フレーム30に固定された下段刈刃31Bに対し、上段刈刃31Aが接近離反可能なように構成されるものであり、一例として摘採機フレーム30に対し、上段刈刃31Aの往復摺動ユニット32A及び上段刈刃31Aを支持するフレーム部材を、上下動自在に支持し、これらをモータシリンダ35により昇降させる。もちろんその他駆動モータとボールネジ機構等を用いて昇降させるようにしてもよい。
【0017】
次に風送装置4について説明する。風送装置4は、刈刃31により刈り取られた茶葉Aを収容コンテナ5まで移送するためのものであり、一例としてメインファン40と、この送風ダクト41と、上段刈刃31A及び下段刈刃31Bのそれぞれ前方上方に設けられ複数の分岐ノズル42aを有する送風管42と、二つの茶葉移送ダクト43A、43Bと、前記茶葉移送ダクト43A、43Bの途中から補助的な送風を行うアシストファン44と、この送風ダクト45とから成る。
【0018】
前記メインファン40は、前記走行機体2のフレーム部20上に設けられ、前記エンジンユニット23により駆動されるものであり、これにより生起された移送風が前記送風管42に対し、送風ダクト41を介して送られる。因みにこの送風ダクト41は、摘採機ユニット3の昇降に合わせて伸縮できるように、複数の管状部材を嵌合して伸縮自在とされるものであるが、その他蛇腹状の管状部材を用いて伸縮自在としてもよい。また前記送風管42は刈刃31と同一長さのものを一本用い、分岐ノズル42aの長さを異ならせて、上段刈刃31A用と下段刈刃31B用の分岐ノズル42aをほぼ交互に形成されている。もちろん上段刈刃31A用と下段刈刃31B用の送風管42を二本用いるようにしてもよい。この場合には例えば送風ダクト41は途中において分岐させて二本の送風管に連接するものである。
【0019】
前記上段刈刃31A及び下段刈刃31Bの後方には、それぞれ案内筒36A、36Bが設けられ、これら案内筒36A、36Bにそれぞれ茶葉移送ダクト43A、43Bが連結される。上段刈刃31A側に連結された茶葉移送ダクト43Aは、前記収容コンテナ5の上段収容室R1上側部に連結され、下段刈刃31B側に連結された茶葉移送ダクト43Bは、前記収容コンテナ5の下段収容室R2上側部に連結される。またアシストファン44が、例えば走行機体2上に設けられるマスト等に設けられ、これにより生起された移送風が前記茶葉移送ダクト43A、43Bの途中に送風ダクト45により送り込まれる。
【0020】
次に本発明に係る収容コンテナ5について説明する。収容コンテナ5は、図2に示されるように底部体50及びその上方の周枠体51と、周枠体51を水平方向にずらす周枠体水平ずらし機構55とを具えて成る。
【0021】
前記底部体50は一例としてベルトコンベヤを適用するものであり、前記底部体50のコンベヤフレーム50A上に周枠体51が底部のコロ51Cによって水平方向にスライド自在に設けられる。周枠体51は、一例として周枠フレーム51Aと、その内側に張設される複数の通気孔を穿孔した金属製の通気パネル51Bから成るが、通気パネル51Bに代え、軟性のネットを用いて実施することも可能である。また周枠体51の前端下部は、底部体50の上部搬送面に固定して取り付けられており、周枠体51が水平ずれ移動することにより、同時に搬送面側のベルトが牽引されて底部体50が駆動される。
【0022】
また周枠体51の後端面(図2中左方)下部は、一例として裾広がりの傾斜面51sに形成されるとともに、前端面(図2中右方)下部も後方へ向かって傾斜した傾斜面51sに形成されている。このように周枠体51を構成した場合、茶葉Aの最初の取り出しが少量取り出しとなるため、最初の投入時におけるトラックT及び茶葉摘採装置1の受けるショックが少なくなり、好ましい投入が行える。また因みに前端面下部も傾斜面51sとなっているため、最後の茶葉Aの排出もスムーズに行われる。なお本明細書において、周枠体51の後端面とは、茶葉Aの取り出し方向の面をいい、前端面とはその逆の面をいうものと定義する。もちろん周枠体51の後端面や前端面を傾斜面51sに形成するほか、周枠体51を単に矩形枠状に形成して実施することも可能である。
【0023】
そして本発明の特徴として、収容コンテナ5内は、ほぼ中央高さ付近において開閉自在な仕切体52が設けられ、上段収容室R1と下段収容室R2とに仕切ることが可能とされている。これにより、仕切体52を閉鎖した状態における上段刈刃31Aと下段刈刃31Bとで刈り取られた茶葉Aをそれぞれ区別して収容する区別収容状態と、仕切体52を開放した状態における混合収容状態とを選択することができるよう構成されている。
【0024】
具体的には、通気構造を有した矩形板状の二枚の仕切体52を、前端辺及び後端辺において回動自在に設け、下方へ観音開きとなるよう構成するとともに、水平状態より上方へは回動しないように適宜個所にストッパが設けられる。そして周枠体51上部の側面に油圧シリンダ53をシリンダロッド53aを下向きに回動自在に設けるものであり、このシリンダロッド53aにチェーン54を取り付け、このチェーン54の先端に前記仕切体52を連結するものである。
以上のように構成された仕切体52は、シリンダロッド53aを収縮した状態で閉鎖され、シリンダロッド53aが伸張した状態で開放される。またその他、リンク機構を用いたり、モータとギヤ機構を用いるなどして開放するようにしても構わない。なお仕切体は、上述したような開き扉で構成する他、例えば矩形板状のものを周枠体51外部へ水平移動して開放するような構成のものを適用しても構わない。
【0025】
次に周枠体水平ずらし機構55について説明すると、図2に示されるようにコンベヤフレーム50A上に水平ずらしレール55Aが設けられ、ここに前記周枠体51の底部のコロ51Cが係止され、周枠体51は油圧シリンダ等により前後方向に摺動自在とされる。
以上のような構成により周枠体51は、周枠体水平ずらし機構55の油圧シリンダのシリンダロッド等を伸張することにより、底部体50の上部搬送面側のベルトを引っ張りながら後方にスライド移動し、底部体50との間に取出口51bが開口されるとともに、その位置姿勢を維持する。
なおこのような取出口の他、例えば周枠体51の後端面下部の張り出し形状部位に、上ヒンジタイプの跳ね上がりハッチ状の扉体を設けるなどして、第二の取出部を設けるようにしても構わない。
【0026】
次に収容コンテナ5の昇降を行う昇降機構6について説明する。昇降機構6は、種々の構造のものを採れるが、具体的には図2に示すように走行機体2に設けられたマスト61に対し、コンベヤフレーム50Aが昇降自在に係止され、マスト61の上下のスプロケットに巻回されたチェーン62に前記コンベヤフレーム50Aが連結した構造のものを採ることが可能である。このような構成ではチェーン62を駆動することにより、コンベヤフレーム50Aを上下動させる。
【0027】
なお昇降機構6は、上述したような構造のものの他、上下移動させる種々の機構を適用できるものであり、骨格的に示すようにモータシリンダやエアシリンダまたは油圧シリンダを用いて昇降させるものや、ボールネジ機構を用いるもの、更にパンタグラフ形態のリンク機構を用いるものでも構わない。
【0028】
本発明の茶葉摘採装置1は、以上のような具体的な形態を有するものであって、以下この使用態様とともに、本発明の茶葉摘採方法について説明する。
(1)区別収容、混合収容の選択
まず摘採するにあたって、刈り取りの茶樹の生育状態を見て上段刈刃31Aと下段刈刃31Bで刈り取った茶葉Aを収容コンテナ5内で区別収容状態と混合収容状態と、どちらにしたら好適であるか選択決定する。例えばみる芽A1が長く伸びた生育状態のときや、みる芽A1が刈り取られた後の場合などには、混合収容とするが、みる芽A1が普通に伸びた状態では、みる芽A1とその下の下芽A2を区別して収容する区別収容とする。区別収容とするには、収容コンテナ5内の仕切体52を閉鎖した状態とする。以下にまずこの区別収容する場合について説明する。
【0029】
(2)刈刃の高さ設定
みる芽A1を上段刈刃31Aで刈り取り、下芽A2を下段刈刃31Bで刈り取るように、上段刈刃31A及び下段刈刃31Bの高さ設定を行う。まず摘採機ユニット3全体を昇降移動することにより下段刈刃31Bの高さ設定をした後、次に上段刈刃31Aを昇降移動して高さ設定を行う。上段刈刃31Aのみる芽A1の摘採は、概ね「一芯三葉」もしくは「一芯二葉」となる摘採であれば、好ましい。
【0030】
(3)摘採
以上のような上段刈刃31A及び下段刈刃31Bの高さ設定をした後、摘採を開始する。上段刈刃31Aは、みる芽A1を刈り取り、風送装置4の移送風により後方へ吹き飛ばされ、上段刈刃31A後方に連結された茶葉移送ダクト43Aを通って収容コンテナ5の上段収容室R1内に収容される。また上段刈刃31Aがみる芽A1を刈り取った直後に、下段刈刃31Bがみる芽A1の下の下芽A2を刈り取り、別の茶葉移送ダクト43Bを通って収容コンテナ5の下段収容室R2内に収容される。
【0031】
(4)トラックへの積載
次に収容コンテナ5へ収容された茶葉AのトラックTへの積載について説明する。まず収容コンテナ5を昇降機構6により上昇させ、高さ調整してトラックTの荷台Taの所望の投入位置に収容コンテナ5を位置させる。この際トラックTの荷台Taも、みる芽A1用と下芽A2用に適宜の仕切体により区分されていることが好ましい。またみる芽A1用と下芽A2用とでトラックTを別のものにしてもよい。
そして投入位置が決定したら、周枠体水平ずらし機構55により、図4(b)に示されるように周枠体51を後方へスライドさせ、底部体50の搬送面を牽引して駆動しながら取出口51bを開口する。すると下段収容室R2内の底部体50の搬送面上の下芽A2が、取出口51bからトラックTの荷台Ta上にバラ積みされていく。なお周枠体51の前端が底部体50の後端に位置した時点ですべての茶葉Aが投入される。
次にトラックTまたは茶葉摘採装置1を移動して、みる芽A1を積載する個所に収容コンテナ5を位置させる。そして図4(c)に示されるように仕切体52を開放して上段収容室R1内のみる芽A1をトラックTの荷台Ta上にバラ積みする。なおこのとき周枠体51を元の位置に戻してある場合には、一旦底部体50上に積載されるため、周枠体水平ずらし機構55により、周枠体51を後方へスライドさせ、取出口51bを開口してトラックTの荷台Ta上にバラ積みするものである。
【0032】
(5)混合収容状態におけるトラックへの積載
一方、仕切体52を開放して摘採した場合には、収容コンテナ5内に摘採茶葉Aは混合収容状態とされる(図5(a)参照)。これをトラックTへ積載するにあたっては、従来の積載と同様に、まず収容コンテナ5を昇降機構6により上昇させ、高さ調整してトラックTの荷台Taの所望の投入位置に収容コンテナ5を位置させる。そして投入位置が決定したら、周枠体水平ずらし機構55により、図5(b)に示されるように周枠体51を後方へスライドさせ、底部体50の搬送面を引っ張って駆動しながら取出口51bを開口する。すると下段収容室R2内の底部体50の搬送面上のみる芽A1及び下芽A2が、取出口51bからトラックTの荷台Ta上にバラ積みされていく。そして周枠体51の前端が底部体50の後端に位置した時点ですべての茶葉Aが投入される。
【0033】
以上のように本発明によれば、みる芽A1と下芽A2を一度の摘採作業により、区別して摘採でき、またこれらを区別して収容できる。従って区別して収容された茶葉Aに最も適した製茶条件にて製茶加工が可能となる。また区別する必要がない場合、あるいは区別しない方が良い場合には、混合収容することもできるため、茶葉Aの生育状況に応じて好適な摘採を行うことが可能である。
【0034】
【他の実施の形態】
本発明の基本的な実施の形態は以上のようであるが、その他種々の改変が行い得る。
例えば前記基本的な実施の形態では、上段刈刃31Aは全体が水平移動するものであるが、例えば茶畝の幅方向におけるみる芽A1の伸び具合の差に対応できるように改変して実施することも可能である。すなわちみる芽A1の伸び具合は、茶畝における頂上部では長く、裾部では短いことが多いため、この場合には図6に示されるように片面刈り用の上段刈刃31Aを、二基並列して設け、二つの上段刈刃31Aのそれぞれ長手方向片端を、上段刈刃31A全体の昇降動作とは別に上下動自在に支持するとともに、適宜の高さ位置で固定できるように構成する。
【0035】
【発明の効果】
請求項1及び3記載の茶葉摘採方法並びにこの方法に使用する茶葉摘採装置によれば、刈刃が複数段に設けられ、この刈刃により刈り取られた茶葉Aは、収容体に収容されるに際し、それぞれが区別された区別収容状態または合わせられた混合収容状態とを選択可能とされているため、茶葉Aの良質の部位とその他の部位を一度に分別して刈り取ることができる。また上方の刈り取られたみる芽A1に関しては良質茶が製茶できるとともに下方の下芽A2等は清涼飲料水の原料等とすることができ、また摘採作業の能率も良い。またみる芽A1と硬葉等を同時に製茶加工すると、それぞれに適した揉圧や揉み時間等の製茶加工条件があるため、結果として製茶品質を落としてしまうこととなるが、本発明によれば、区別されて収容することが可能であるため、区別された茶葉Aの性状に一番適した製茶加工が行い得る。
【0036】
また、収容体は収容コンテナ5であり、底部に摘採茶葉Aの取出口を有するとともに、前記刈刃の数に応じて複数高さの収容室に開閉自在な仕切体52により仕切られるものであるため、従来装置にわずかな改良で本発明を実施することが可能である。また茶葉Aの区別収容と混合収容とを、簡単な操作により切り換えることが可能である。
【0037】
更にまた、各収容室に収容される茶葉Aを個別に取り出すにあたっては、最も下方の収容室に収容される茶葉Aを、収容コンテナ5底部の取出口から取り出した後、順次下方に位置する仕切体52から開放して前記収容コンテナ5底部の取出口から各収容室に収容される茶葉Aを個別に取り出すものであるため、複数の取出口を収容コンテナ5に設けることなく、順序良く摘採茶葉Aを取り出すことができる。
【0038】
更にまた請求項2及び4記載の茶葉摘採方法並びに茶葉摘採装置によれば、刈刃は上下二段で具えられるものであるため、みる芽A1とその下方の下芽A2とを一度に刈り取ることができ、製茶加工にもほぼ適した長さで摘採することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る茶葉摘採装置の実施の形態を示す斜視図である。
【図2】 同上側面図である。
【図3】 摘採機ユニットの駆動機構の一例を示す断面図である。
【図4】 刈り取った茶葉を区別収容した場合の茶葉の取り出しの様子を示す説明図である。
【図5】 刈り取った茶葉を混合収容した場合の茶葉の取り出しの様子を示す説明図である。
【図6】 片面刈り用の摘採機ユニットを適用し、上段刈刃の長手方向片端を上下動自在に構成した実施の形態を示す骨格的平面図である。
【符号の説明】
1 茶葉摘採装置
2 走行機体
20 フレーム部
21 クローラ
22 コントロールユニット
23 エンジンユニット
24 操縦席
3 摘採機ユニット
30 摘採機フレーム
31 刈刃
31A 上段刈刃
31B 下段刈刃
32A 往復摺動ユニット
32B 往復摺動ユニット
33 油圧モータ
33a 駆動軸
34 ベローズ
35 モータシリンダ
36A 案内筒
36B 案内筒
4 風送装置
40 メインファン
41 送風ダクト
42 送風管
42a 分岐ノズル
43A 茶葉移送ダクト
43B 茶葉移送ダクト
44 アシストファン
45 送風ダクト
5 収容コンテナ
50 底部体
50A コンベヤフレーム
51 周枠体
51s 傾斜面
51A 周枠フレーム
51B 通気パネル
51C コロ
51b 取出口
52 仕切体
53 油圧シリンダ
53a シリンダロッド
54 チェーン
55 周枠体水平ずらし機構
55A 水平ずらしレール
6 昇降機構
61 マスト
62 チェーン
A 茶葉
A1 みる芽
A2 下芽
T トラック
Ta 荷台
R1 上段収容室
R2 下段収容室
Claims (4)
- 茶園内を走行する走行機体と、これに搭載される刈刃を具えた摘採機ユニットと、前記刈刃により刈り取られた茶葉を収容する収容体と、前記刈刃により刈り取られた茶葉を前記収容体へ移送する移送手段とを具えた茶葉摘採装置によって行う茶葉摘採方法において、
前記刈刃は、複数本が複数高さ位置に多段となるように設けられ、
また前記収容体は収容コンテナが適用され、この収容コンテナは、底部に摘採茶葉の取出口を有するとともに、前記刈刃の数に応じて複数の収容室に上下に仕切られるものであり、更にこの各収容室の間を仕切る仕切体は、開閉自在に構成され、
前記各刈刃により刈り取られたそれぞれの茶葉は、それぞれ別々の茶葉移送経路により収容室に移送されるとともに、前記収容コンテナに収容するにあたっては、それぞれの茶葉が区別された区別収容状態、またはそれぞれが合わせられた混合収容状態とを選択するものであり、
前記区別収容状態に茶葉を収容する際には、前記仕切体を閉鎖状態として摘採を行い、一方前記混合収容状態に茶葉を収容する際には、前記仕切体を開放状態として摘採を行い、
一方各収容室に収容される茶葉を個別に取り出すにあたっては、最も下方の収容室に収容される茶葉を、収容コンテナ底部の取出口から取り出した後、順次下方に位置する仕切体から開放して前記収容コンテナ底部の取出口から各収容室に収容される茶葉を個別に取り出すことを特徴とする茶葉摘採方法。 - 前記刈刃は上下二段に具えられるものであることを特徴とする請求項1記載の茶葉摘採方法。
- 茶園内を走行する走行機体と、これに搭載される刈刃を具えた摘採機ユニットと、前記刈刃により刈り取られた茶葉を収容する収容体と、前記刈刃により刈り取られた茶葉を前記収容体へ移送する移送手段とを具えた茶葉摘採装置おいて、
前記刈刃は、複数本が複数高さ位置に多段となるように設けられ、
また前記収容体は収容コンテナが適用され、この収容コンテナは、底部に摘採茶葉の取出口を有するとともに、前記刈刃の数に応じて複数の収容室に上下に仕切られるものであり、更にこの各収容室の間を仕切る仕切体は、開閉自在に構成され、
前記各刈刃により刈り取られたそれぞれの茶葉は、それぞれ別々の茶葉移送経路により収容室に移送されるとともに、前記収容体に収容するにあたっては、それぞれの茶葉が区別された区別収容状態、またはそれぞれが合わせられた混合収容状態とを選択するものであり、
前記区別収容状態に茶葉を収容する際には、前記仕切体を閉鎖状態として摘採を行い、一方前記混合収容状態に茶葉を収容する際には、前記仕切体を開放状態として摘採を行い、
一方各収容室に収容される茶葉を個別に取り出すにあたっては、最も下方の収容室に収容される茶葉を、収容コンテナ底部の取出口から取り出した後、順次下方に位置する仕切体から開放して前記収容コンテナ底部の取出口から各収容室に収容される茶葉を個別に取り出すように構成されていることを特徴とする茶葉摘採装置。 - 前記刈刃は上下二段に具えられるものであることを特徴とする請求項3記載の茶葉摘採装置。
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