JP4170799B2 - 抗腫瘍活性物質エクチナサイジン743の改良合成法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、抗腫瘍活性物質であるエクチナサイジン743を全合成により製造する方法における行程の短縮化を目的とした改良合成方法に関する。
特にセサモール化合物を用いて、Ugiの4成分連結反応のアミン化合物を合成する反応を中間工程に含むエクチナサイジン743の全合成における、前記中間工程の短縮化と、アミン化合物として、前記Ugiの4成分連結反応の工程数の短縮化に有用な化合物を提供すること、およびUgiの4成分連結反応後の工程において有用な中間体を提供することに関する。
【0002】
【従来の技術】
エクテナサイジン類はカリブ海原産のホヤの抽出物から極微量単離される、抗腫瘍性海洋産アルカロイドの一群である。なかでもEt743は、現在使用されている抗癌剤のタキソール、カンプトテシン、アドリアマイシン、マイトマイシンの10倍から100倍の強さ(IC50=0.1−1nM)で癌細胞の増殖を抑制することも知られている。このような中で、Et 743(1)の第II、III相臨床試験は、欧米10カ国の50近いメデイカルセンターで大規模に行われており、その好成績の結果、海洋天然物初の抗ガン剤として、その上市が目前である。
【0003】
【非特許文献1】
E.J.Corey et.al,J.Am.Chem.Soc.1996,118,9202-9203、
【非特許文献2】
Endo,A.;Yanagisawa,A.;Abe,M.;Tohma,S.;Kan,T.;Fukuyama,T.J.Am.Chem.Soc.2002,124,6552-6554.
【非特許文献3】
Kolb,H.C.;VanNieuwenhze,M.S.;Sharpless,K.B.Chem.Rev.1994,94, 2483.
【0004】
また、有効な抗ガン剤のない軟部肉腫に対して極めて高い活性を示すほか、既存の抗ガン剤の使用で再発した患者に効果があることなどから、Et 743(1)への新規抗ガン剤として期待は大きい。そのための作用・機序解明を目指した研究も活発に展開されており、薬剤の排出ポンプ発現の情報伝達や、DNAの修復機能の阻害など、これまでの抗ガン剤には見られない作用も近年明らかになってきている。前記強力な生理活性、およびEt 743(1)のもつ複雑で特異な構造は合成化学的にも非常に興味深く、1996年のE.J.Corey教授のグループによる最初の全合成に代表されるように(前記非特許文献1)、現在までに数多くの合成研究が行われている。このような研究は多くの基本的化学反応の開発に大きな刺激となっている。
しかしながら、商業ベースの生産技術の面では、現在、Et 743(1)の供給はホヤの大量養殖に依存しており、化学合成による供給としては、発売元とされるPharma Mar社において、発酵法により得たcyanosafracinB(6)を原料とし、Coreyらのルートを応用した半合成が検討されているのみである。これらのことから、安定にかつ様々な誘導体の供給をも可能にする全合成ルートの開拓に寄せられる期待は依然として大きい。
【0005】
本発明者らは、この複雑かつ特異な構造を有する天然物をグラム単位で合成し供給することを究極の目標として研究を開始し、2002年に、高立体選択的かつ収束度の高い独自の合成ルートによりEt 743(1)の全合成に成功した(前記非特許文献2)。
本発明者らの発表した前記方法には、セサモールを出発原料としてUgiの4成分連結反応によりアミド結合を形成する前記反応原料の1つであるアミン化合物を合成する工程が含まれている。前記アミン化合物は大量供給が可能である点でエクチナサイジン743の全合成に有利であった。しかしながら、前記全合成合成経路が、例えば前記アミン化合物の合成工程においても非常に長い点で問題である。また、Ugi反応後の、重要中間体である前記非特許文献2の化合物26までの変換は多段階を要している。これは、煩雑な保護基の変換のためであると考えられる。特にフェノール性水酸基は3回のMOM→Ms→Ac→Bnの、1級水酸基も3回のTBDPS→Ac→H→Acの変換を行っている。これらの保護基を変換しない合成経路を開発することで、大幅な短段階化が可能と考えられる。
また、左セグメントの合成においてキラルテンプレートを用いている点が、原子効率の面から問題であり、触媒的不斉合成を行っている右セグメント同様の、効率的合成経路を開発する必要がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、前記合成経路の保護基の変換の多さの問題を取り除いた、またUgiの4成分連結反応のアミノ化合物の合成工程の改良に繋がる改善された不斉合成法の確立、および前記改良合成方法に有用な中間体を提供することである。前記課題を解決する目的で、本発明者らは、前記アミノ化合物の短縮された反応行程を確立するために、前記非特許文献3に記載のスチレンに対するSharplessの不斉ジヒドロキシル化技術を含めた工程を検討した。そして、目的のエノン化合物の合成およびビニル銅試薬によるスチレン構造の化合物の合成工程の確立により前記アミノ化合物までの工程の短縮化を実現できることを見出した。また、前記保護基問題を解決するためにヒドロキシ基の保護基として前記アミノ化合物の合成に用いたベンジル基(Bn)そのまま利用して、前記Ugi反応後の非特許文献2に記載化合物26までの反応工程の短縮化を検討し、その検討の中でベンジル基の有効性を確認し前記一般式1の化合物の合成までの保護基の変換の問題を解決できることを見出した。これらの結果から前記課題が解決できることを見出した。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1は、一般式1で表されるエクチナサイジン743の全合成用の中間体である。
【0008】
【化17】
Figure 0004170799
【0009】
一般式1中、RおよびRは、Hまたは炭素数4以下のアルキル基、Rはアルコキシカルボニル基、低級アルキルスルホニル、アリールスルホニル基またはHを示す。Xは炭素数4までのアルキルおよび/または電子供与性置換基を有していても良いフェニルシリル基であり、XはH、炭素数4以下のアルキル、アルコキシアルキル、アリル基またはアルキルまたはアリールスルホニル基から独立に選択される。YはOである。また、一般式1中A,C,Eは化合物を構成する環を示す。また、構造式に付した番号は元素ナンバリング数である。
【0010】
本発明の第2は、前記一般式1の化合物をUgiの4成分連結反応を経て合成するのに有用な下記の一般式2の化合物である。
【0011】
【化18】
Figure 0004170799
【0012】
、XおよびYは前記一般式1に同じでる。
本発明の第3は、下記の反応工程1−1〜1−9の工程からなる一般式2の化合物の合成方法である。
反応工程1−1の水酸基のメトキシメチル基への変換反応、反応工程1−2のアルキル基の導入と脱メトキシメチル基反応、反応工程1−3の酸化反応によるエノンの形成反応,反応工程1−4のビニル銅試薬のMichael付加反応とC水位酸基のベンジル基の導入反応、反応工程1−5のアルドリッチ社から購入したAD−mix−αを用いたSharplessの不斉ジヒドロキシル化反応、反応工程1−6のジヒドロキシ基の炭酸エステル化反応、反応工程1−7のアジド基の導入反応、反応工程1−9の水酸基のシリル保護基(TBDPS)の導入反応およびアジド基の還元によるフェノールにベンジル基を導入したUgiの4成分連結反応の1つの原料のアミノ化合物である前記一般式2の化合物の合成反応からなる。
【0013】
【化19】
Figure 0004170799
【0014】
【化20】
Figure 0004170799
【0015】
【化21】
Figure 0004170799
【0016】
【化22】
Figure 0004170799
【0017】
【化23】
Figure 0004170799
【0018】
【化24】
Figure 0004170799
【0019】
【化25】
Figure 0004170799
【0020】
【化26】
Figure 0004170799
【0021】
【化27】
Figure 0004170799
【0022】
本発明の第4は、下記の反応工程2−1〜2−5の工程からなる一般式1の化合物の合成方法である。
反応工程2−1の4成分連結反応、反応工程2−2のC環の閉環反応、反応工程2−3のラクタムへのBoc化反応、反応工程2−4の選択的部分還元反応および反応工程2−5の分子内Heckからなる
【0023】
【化28】
Figure 0004170799
【0024】
【化29】
Figure 0004170799
【0025】
【化30】
Figure 0004170799
【0026】
【化31】
Figure 0004170799
【0027】
【化32】
Figure 0004170799
【0028】
【本発明の実施の態様】
本発明をより詳細に説明する。
A.本発明の第1の特徴は、Ugiの4成分連結反応の用いる前記一般式2の化合物を新規化合物として合成したことである。当該化合物のCヒドロキシの保護基にBnを導入したこと、およびXをシリル基としたことで、Ugiの4成分連結反応後、前記一般式1で示される化合物までを、保護基の多数回の変換を要することなく合成できるようにしたことである。
B.前記特徴技術は、また、Ugiの4成分連結反応用のアミノ化合物の合成中間体としてSharplessの不斉ジヒドロキシル化技術が適用できるスチレン構造の化合物の製造を可能にする有用な中間体であるエノン化合物が合成できたこと、および前記エノン化合物からスチレン構造の化合物を製造するのに有用なビニル銅試薬形成系を見出したことにより達成できたことが重要な要素である。
C.本発明のUgiの4成分連結反応後の特徴は、新規に合成された前記一般式2の化合物を用いることにより、前記保護基問題をかなりの程度解決できることを見出したことにある。
【0029】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、この例示により本発明が限定的に解釈されるものではない。
実施例1
一般式2においてRがメチル基、YがOおよびXがt−ブチルジフェニルシリル基の化合物の合成;
1,化合物1−1の合成;反応式は前記反応工程1−1のとおりである。
NaH(40g,1.0mol)をTHFとDMFの混合溶媒(5:2)700mlに懸濁させ、3,4−メチレンジオキシフェノール(138g、1.0mol)のTHF(300ml)溶液を0℃にて滴下した。室温にて30分攪拌後、0℃にてMOMCl(84.5g、1.06mol)を滴下し、室温にて1時間攪拌した。反応溶液にヘキサンと水を加え、有機層を分離した。水層をヘキサンで抽出後、有機層を減圧濃縮した。残査をヘキサンに溶かし、飽和食塩水にて洗浄、NaSOにて乾燥した。減圧濃縮後、残査を減圧蒸留し(103℃/0.35mmHg)、(177g、0.97mol、97%)の化合物1−1を油状物として得た。
【0030】
化合物1−1の物性:
IR (neat film) 1244, 1215, 1176, 1153, 1099, 1069, 1040, 1004, 940, 922, 842, 813 cm−1
H NMR (400 MHz, CDCl) δ 6.71 (d, J=8.4 Hz, 1H) 6.63 (s, 1H), 6.49 (d, J=8.4 Hz, 1H), 5.90 (s, 2H), 5.08 (s, 2H), 3.46 (s, 3H)
13C NMR (100 MHz, CDCl) δ 152.5, 148.1, 142.5, 108.4, 108.0, 101.2, 99.7, 95.4, 55.8
【0031】
実施例2
化合物1−2の合成;;反応式は前記反応工程1−2のとおりである。
化合物1−1 (5.44 g, 29.9 mmol) のTHF(100 ml) 溶液にn−BuLi(3.02 M solution in n-hexane, 11.0 ml, 33.2 mmol)を0℃にて滴下後、室温まで昇温した。反応溶液を−78℃に冷却後、ヨウ化メチル(15 ml, 242 mmol, 1.1 equiv) のTHF(10ml)を滴下した。反応溶液を室温にて1時間攪拌後、水を加え有機層を分離した。有機層をMgSOにて乾燥し減圧濃縮した。
得られたMOMエーテルのMeOH(300 ml) 溶液に、濃塩酸 (2.0 ml)を加え1時間攪拌した。NaHCOにて中和後、減圧濃縮し、残査をEtOAcに溶解しCeliteろ過した。有機層は飽和食塩水で洗浄し、MgSOで乾燥し濃縮した。残査をシリカゲルクロマトグラフィー(50% Et2O in N-Hexane)にて精製し、(29.2 g, 192 mmol, 88% in 2 steps)の化合物1−2を白色の個体として得た。
【0032】
化合物1−2の物性:
IR (neat film) 3209, 3123, 1472, 1230, 1091, 1012, 938, 788 cm−1
H NMR (400 MHz, CDCl)δ 6.51 (d, J= 7.6 Hz, 1H), 6.23 (d,J= 7.6 Hz, 1H), 5.91 (s, 2H), 4.68 (s, 1H), 2.14 (s, 1H)
13C NMR (100 MHz, CDCl) δ149.1,146.7,140.9,107.7,106.2,105.2, 101.0, 8.7
【0033】
実施例3
化合物1−3の合成
化合物1−2(67 mg, 0.44 mmol)とKCO (122 mg, 0.88 mmol, 2.0 equiv)のMeOH (2.0 ml)溶液にPIFA (283 mg, 0.66 mmol) のCHCN(0.5 ml)溶液を0℃にてゆっくりと加えた。0℃にて40分攪拌後、反応溶液に水を加え、EtOにて抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄、NaSOにて乾燥、減圧濃縮し、残査をシリカゲルクロマトグラフィー(10% EtOAc in n−hexane)にて精製し、(53 mg, 0.29 mmol,65 %)の化合物1−3を黄色の固体として得た。
【0034】
化合物1−3の物性;
IR (neat film) 1702, 1653, 1613, 1460, 1408, 1376, 1318, 1182, 1053, 994, 919, 845, 815 cm−1
H NMR(400 MHz, CDCl) δ6.85 (d, J=10.4 Hz, 1H), 6.28 (d,J=10.4 Hz, 1H), 5.66 (s, 1H), 5.60 (s, 1H), 3.30 (s, 3H), 1.80 (s, 3H)
13C NMR (100 MHz, CDCl) δ187.1, 163.5, 132.9, 132.1, 107.3, 98.5, 96.8, 51.3, 7.3
【0035】
実施例4
化合物1−4の合成;
ビニルマグネシウムブロミド(0.98 MのTHF溶液, 12.5 ml, 12.1 mmol)を、CuCN(492 mg, 5.5 mmol) のTHF(3.0ml)溶液に−78℃にて滴下し、0℃まで昇温した。反応溶液を−20℃に冷却後、化合物1−3(1.0 g, 5.5 mmol) のTHF(5.0 ml)溶液をゆっくりと滴下した。0℃まで昇温し、アンモニア水と飽和NHCl溶液の1:9の混合溶媒を加え1時間攪拌後、Celiteろ過した。ろ液にEtOAcとHOを加え、有機相を飽和食塩水で洗浄し、MgSO乾燥、減圧濃縮した。
残査をDMF(15ml)に溶かし、NaBr(1.7 g, 16.5 mmol)とTMSCl(2.1 ml,16.5 mmol)を加え、100℃にて8時間攪拌した。室温に冷却後、反応溶液にEtOAcとHOを加え、有機層を10%クエン酸水溶液、飽和NaCO水溶液、飽和食塩水で洗浄し、MgSO乾燥し減圧濃縮した。
【0036】
残渣をDMF(15ml)に溶かし、KCO(1.5g、11,mol とBnBr(1.0 ml, 8.2 mmol, 1.5 equiv)を加え室温にて5時間攪拌した。反応溶液にEt2OとH2Oを加え、有機層を飽和食塩水で洗浄し、MgSOで乾燥し減圧濃縮した。残査をシリカゲルクロマトグラフィー(5%EtOAc in n-hexane)にて精製し(758mg、2.82mmol、52%)の化合物1−4を無色の個体として得た。
【0037】
1−4の物性;
IR (neat film) 2889, 1600, 1497, 1415, 1201, 1116, 970, 939, 911, 818 cm−1
H NMR (400 MHz, CDCl) δ7.46-7.12 (m, 5H), 6.62 (dd, J=18.4, 10.8, 1H), 6.38 (s, 1H), 5.97 (s, 2H), 5.72 (d,J=18.4 Hz, 1H), 5.33 (d,J=10.8 Hz, 1H), 5.02 (s, 2H), 2.16 (s, 3H)
13C NMR (100 MHz, CDCl) δ152.5, 146.8, 139.1, 137.4, 131.4, 128.5, 127.8, 127.2, 116.3, 115.7, 109.4, 71.0, 9.0
【0038】
実施例5
化合物1−5の合成;
化合物1−4 (268 mg、1.0mmol)のt−BuOH(5.0 ml) とHO(5.0ml)の溶液に、AD−mix−α(1.4g)を0℃にて加え、2時間攪拌した。反応溶液にNaSO(1.4g)を加え、1時間攪拌した。反応溶液にEtOAcを加え、有機層を飽和食塩水で洗浄し、MgSOで乾燥し、減圧濃縮した。残査をシリカゲルクロマトグラフィー(50%EtOAc in n-hexane)にて精製し(266mg、0.88mmol、88%)の化合物1−5を白色の個体として得た。
【0039】
化合物1−5の物性;
〔a〕 24 +22.9°(c=1.8, CHCl)
IR (neat film) 3375, 2884, 1655, 1615, 1498, 1428, 1379, 1191, 1116, 1033, 979, 937, 909, 828 cm−1
H NMR (400 MHz, CDCl)δ7.43-7.30 (m, 5H), 6.43 (s, 1H), 5.91 (s, 1H), 5.89 (s, 1H), 4.99 (s, 2H), 4.87 (br s, 1H), 3.73 (m, 2H), 2.91 (br s, 1H), 2.37 (br s, 1H), 2.14 (s, 3H)
13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ152.8, 146.6, 138.0, 137.4, 128.5, 127.9, 127.3, 118.0, 109.5, 102.0, 101.1, 71.0, 70.7, 66.4, 8.9
【0040】
実施例6
化合物1−6の合成;反応式は前記反応工程1−6のとおりである。
化合物1−5 (793 mg,2.62 mmol)とジメチル炭酸(1.1ml,13.1mmol)の溶液にNaOH(10 g, 0.26 mmol) を加え、70℃にて1時間攪拌し、さらに120℃まで加熱し乾固した。室温に冷却後、水とEtOAcを加え、有機層を飽和食塩水で洗浄し、MgSO乾燥し、減圧濃縮し、(828mg、2.52mmol、96%)の化合物1−6を白色の固体として得た。
【0041】
化合物1−6の物性;
〔a〕 24−4.4° (c=2.2、CHCl)
IR (neat film) 2914, 1808, 1656, 1617, 1498, 1455, 1381, 1169, 1118, 1072, 943, 820 cm−1
H NMR (400 MHz, CDCl) δ 7.44-7.32 (m, 5H), 6.34 (s, 1H), 5.96 (s, 1H), 5.95 (s, 1H), 5.67 (dd,J= 8.8, 8.0 Hz, 1H), 5.00 (s, 2H), 4.74 (dd, J= 8.8, 8.8 Hz, 1H), 4.45 (dd,J= 8.8, 8.0 Hz, 1H), 2.16 (s, 3H)
13C NMR (100 MHz, CDCl3)δ154.8, 152.8, 147.2, 138.8, 136.8, 128.5, 127.9, 127.2, 112.9, 111.5, 101.7, 101.4, 74.4, 70.9, 69.7, 9.0
【0042】
実施例7
化合物1−7の合成;反応式は前記反応工程1−7のとおりである。
化合物1−6 (33 mg、0.10mmol)とNaN(32mg、0.50mmol)のDMF(0.3ml)溶液にHO(0.1 μl、0.1 mmol、1.0eq)を加え、80℃にて1時間加熱した。室温まで冷却後、反応溶液にEtOAcと水を加えた。有機層を飽和食塩水で洗浄し、MgSO乾燥し、減圧濃縮した。残査をシリカゲルクロマトグラフィー(20%EtOAc in n-hexane)にて精製し(30mg、0.092mmol、92%)の化合物1−7の黄色の個体として得た。
【0043】
化合物1−7の物性;
〔a〕 24−121°(c = 1.1, CHCl)
IR (neat film) 3390, 2887, 2104, 1653, 1615, 1497, 1429, 1380, 1261, 1192, 1117, 1035, 937, 820 cm−1
H NMR (400 MHz, CDCl) δ7.45-7.32 (m, 5H), 6.34 (s, 1H), 5.95 (s, 1H), 5.93 (s, 1H), 5.01 (s, 2H), 4.77 (t, J=5.6 Hz, 1H), 3.79 (br s, 2H), 2.16 (s, 3H), 2.04 (br s, 1H)
13C NMR (100 MHz, CDCl) δ 152.8, 146.8, 138.9, 137.1, 128.5, 127.9, 127.3, 113.4, 110.4, 102.5, 101.3, 71.0, 64.8, 62.8, 8.9
【0044】
実施例8
化合物1−8の合成;反応式は前記反応工程1−8のとおりである。
化合物1−7 (4.73 g, 14.5 mmol)とイミダゾール (2.95 g, 43.3 mmol) のDMF(36 ml) 溶液にTBDPSCl(4.5ml、17.4 mmol)を加え、室温にて1時間攪拌した。反応溶液にEtOと水を加え、有機層を飽和食塩水で洗浄し、MgSOで乾燥し、減圧濃縮した。残査をシリカゲルクロマトグラフィー(2%EtOAc in n−hexane)にて精製し(7.50 g,13.3 mmol、92%)の化合物1−8の黄色の油状化合物として得た。
【0045】
化合物1−8の物性;
〔a〕 22 −28.9°(c = 1.1, CHCl)
IR (neat film) 2930, 2858, 2103, 1497, 1428, 1379, 1270, 1193, 1114, 1035, 938, 824 cm−1
H NMR (400 MHz, CDCl) δ7.74-7.64 (m, 4H), 7.45-7.31 (m, 11H), 6.31 (s, 1H), 5.85 (s, 1H), 5.84 (s, 1H), 4.94 (dd, J=17.6, 11.6 Hz, 2H), 4.79 (t,J=5.6 Hz, 1H), 3.89 (d,J=5.6 Hz, 2H), 2.14 (s, 3H), 1.09 (s, 9H)
13C NMR (100 MHz, CDCl3) d 152.6, 146.5, 138.7, 137.2, 135.6, 133.0, 129.7, 128.4, 127.8, 127.7, 127.3, 114.2, 109.8, 102.5, 101.1, 70.9, 66.7, 62.2, 26.8, 26.7, 19.2, 8.9
【0046】
実施例9
化合物1−9の合成;反応式は前記反応工程1−9のとおりである。
化合物1−8 (1.10 g, 1.94 mmol) と亜鉛粉末 (634 mg, 9.70 mmol) のCHCl(20ml) 溶液にAcOH(1.0ml)を加え、室温にて1時間攪拌した。反応溶液をCeliteろ過し、ろ液を飽和NaHCO3溶液と飽和食塩水で洗浄し、MgSOで乾燥、減圧濃縮し(1.12 g, 99%)の化合物1−9の黄色の油状化合物として得た。
【0047】
化合物1−9の物性;
〔a〕 22 −0.7°(c = 1.6, CHCl)
IR (neat film) 2929, 2857, 1745, 1655, 1588, 1498, 1454, 1428, 1379, 1202, 1113, 939, 909, 823 cm−1
H NMR (400 MHz, CDCl) δ 7.74-7.55 (m, 4H), 7.42-7.31 (m, 11H), 6.34 (s, 1H), 5.77 (s, 1H), 5.77 (s, 1H), 4.90 (s, 2H), 4.20 (dd, J=4.4 Hz, 6.8 Hz, 1H), 3.88 (dd,J=10.0, 4.4 Hz, 1H), 3.75 (dd,J=10.0,6.8 Hz,1H), 3.07 (br,2H), 2.12 (s, 3H), 1.07 (s, 9H))
13C NMR (100 MHz, CDCl) δ 152.5, 146.5, 138.5, 137.3, 135.6, 135.5, 133.2, 133.1, 129.6, 129.7, 128.4, 127.7, 127.6, 127.2, 125.9, 108.9, 102.8, 101.0, 70.9, 67.6, 53.6, 26.8, 19.2, 8.8
【0048】
実施例10
一般式1においてRがメチル基、YがOおよびXがt−ブチルジフェニルシリル基、R2がターシャリーブトキシカルボニル、R1がメチル基の化合物の合成;
1,化合物2−1の合成;反応式は前記反応工程2−1のとおりである。
化合物1−9(2.26 g, 4.18 mmol)、カルボン酸(2.06 g, 3.80 mmol)とPMP−NC(759 mg、5.70mmol)のMeOH(30ml)溶液にアセトアルデヒド(2.1ml、39mmol)を室温にて加え、1時間加熱還流した。減圧濃縮後、残査をシリカゲルクロマトグラフィー(20% EtOAc in n-hexane)にて精製し、(3.89 g, 3.14 mmol, 83%)の化合物2−1を黄色い固体として得た。
【0049】
化合物2−1の物性;
IR (neat film) 3318, 2931, 1959, 1885, 1693, 1511, 1428, 1367, 1304, 1245, 1171, 1113, 909, 826 cm−1
H NMR (400 MHz, CDCl) δ 9.12-9.00 (m, 1H), 7.71-7.15 (m, 20H), 7.20-6.41 (m, 6H), 5.91-5.10 (m, 4H), 5.05-4.82 (m, 4H), 4.84-3.90 (m, 4H), 3.90-3.56 (m, 6H), 3.57-2.84 (m, 2H), 2.33-1.91 (m, 6H), 1.44-0.74 (m, 21H)
13C NMR (100 MHz, CDCl) d 173.4, 172.2, 170.3, 169.8, 156.4, 155.8, 154.6, 153.5, 152.7, 151.3, 151.1, 150.4, 150.2, 146.9, 139.5, 139.3, 137.2, 137.0, 136.9, 135.3, 135.7, 135.6, 135.5, 135.4, 132.8, 132.5, 132.4, 132.2, 131.9, 130.1, 130.0, 129.9, 129.6, 128.6, 128.5, 128.4, 128.3, 128.2, 128.1, 127.9, 127.8, 127.7, 127.6, 127.5, 127.4, 127.3, 127.2, 123.3, 121.5, 120.7, 113.9, 113.7, 113.6, 113.3, 113.0, 110.5, 104.2, 104.0, 103.0, 101.0, 97.8, 79.6, 79.3, 77.2, 74.5, 70.8, 62.8, 60.5, 60.4, 60.2, 57.2, 55.4, 55.0, 51.6, 51.5, 43.2, 29.7, 28.1, 28.0, 27.3, 27.2, 26.7, 19.3, 19.2, 19.1, 15.6, 15.4, 15.0, 14.1, 9.0, 8.9
【0050】
実施例11
化合物2−2の合成;反応式は前記反応工程2−2のとおりである。
化合物2−1(124 mg, 0.10 mmol) のMeCN(1.0 ml) 溶液に、NaI(37mg、0.25mmol,2.5 equiv)とTMSCl(27μl,0.25 mmol、2.5 equiv) を0℃にて加え、室温にて1時間攪拌した。反応溶液にEt0Acを加え、飽和NaCO水溶液、飽和食塩水で洗浄、MgSOにて乾燥、3mlまで濃縮後、1時間加熱還流した。溶媒を減圧濃縮後、残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(70% EtOAc in n-hexane)で精製し、(63mg、0.062mmol、62%)の化合物2−2を黄色の固体として得た。
【0051】
化合物2−2の物性;
IR (neat film) 3209, 2930, 1685, 1659, 1497, 1428, 1328, 1307, 1253, 1193, 1113, 1007, 909, 823 cm−1
H NMR (400 MHz, CDCl) δ 7.68-7.66 (m, 4H), 7.60-7.58 (d,J= 6.8 Hz, 2H), 7.45-7.27 (m, 14H), 6.78 (s, 1H), 6.44 (s, 1H), 5.82 (s, 1H), 5.80 (s, 1H), 5.67 (d, J= 2.8 Hz, 1H), 5.38 (br, 1H),4.99 (s, 2H), 4.92 (s, 2H), 4.36 (dd, J=10.8, 8.0 Hz, 1H), 4.27 (ddd, J=8.8, 3.6, 2.8 Hz, 1H), 4.12 (dd,J=10.8, 6.8 Hz, 1H), 3.94 (t, J=6.8 Hz, 1H), 3.81 (s, 3H), 3.49 (dd, J=14.4, 3.6 Hz, 1H), 3.13 (dd, J=14.4, 8.8 Hz, 1H), 2.12 (s, 3H), 2.10 (s, 3H), 1.37 (d, J=6.8 Hz, 3H), 1.05 (s, 9H)
13C NMR (100 MHz, CDCl) δ 168.7, 165.4, 152.5, 151.9, 150.9, 146.5, 139.4, 137.3, 136.7, 135.6, 134.8, 133.2, 133.0, 129.8, 128.7, 128.4, 128.2, 127.7, 127.6, 127.2, 114.0, 110.0, 104.5, 100.8, 97.0, 77.2, 74.7, 70.8, 62.7, 60.4, 58.6, 56.9, 55.5, 45.0, 26.8, 21.2, 19.2, 15.4, 8.9
【0052】
実施例12
化合物2−3の合成;反応式は前記反応工程2−3のとおりである。
化合物2−2(63 mg, 0.062 mmol) と(Boc)O(68 mg, 0.31 mmol, 5.0 equiv)のCHCN(0.5ml)溶液に DMAP(0.7 mg, 0.006 mmol)を加え、室温にて1時間攪拌した。反応溶液にEtOAcを加え、1N塩酸水溶液、飽和NaHCO水溶液、飽和食塩水で洗浄、MgSOにて乾燥、減圧濃縮した。残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(50% EtOAc in n−hexane) で精製し、(70 mg, 0.063 mmol, 99%)の化合物2−2を黄色の固体として得た。
【0053】
化合物2−3の物性;
IR (neat film) 2930, 1778, 1728, 1670, 1428, 1368, 1151, 1113, 1007, 940, 823 cm−1
H NMR (400 MHz, CDCl) δ 7.65-7.59 (m, 6H), 7.45-7.25 (m, 14H), 6.84 (s, 1H), 6.45 (s, 1H), 5.80 (s, 1H), 5.78 (s, 1H), 5.30 (br, 1H), 5.14 (dd,J=7.6, 4.0 Hz, 1H), 4.93 (d, J=3.6 Hz, 2H), 4.89 (d,J=2.8 Hz, 2H), 4.34 (dd,J=9.6, 8.0 Hz, 1H), 4.18 (q,J=6.8 Hz, 1H), 4.06 (dd,J=9.6, 7.2 Hz, 1H), 3.78 (s, 3H), 3.53 (dd,J=13.6, 4.0 Hz, 1H), 3.21 (dd, J=13.6, 7.6 Hz, 1H), 2.11 (s, 3H), 2.08 (s, 3H), 1.40 (d,J=6.8 Hz, 3H), 1.34 (s, 9H), 1.03 (s, 9H)
13C NMR (100 MHz, CDCl) δ 168.4, 165.9, 152.6, 151.8, 150.9, 149.8, 146.6, 139.5, 137.3, 137.0, 135.7, 135.4, 133.3, 133.1, 132.7, 129.9, 128.7, 128.5, 128.3, 127.9, 127.8, 127.4, 114.0, 110.1, 104.8, 100.9, 97.6, 84.0, 77.3, 74.6, 70.9, 62.8, 60.5, 59.7, 58.4, 57.5, 44.6, 27.8, 26.8, 20.8, 19.3, 15.4, 9.0
【0054】
実施例13
化合物2−4の合成;反応式は前記反応工程2−4のとおりである。
化合物2−3(232 mg, 0.21 mmol) のEtOH(2.0ml) とCHCl (20μl) の混合溶媒に、HSO(3.0M solution in EtOH、414 μl,1.24mmol)とNaBH (39.2 mg, 1.04 mmol )を、0℃にて加えた。アセトンを(1.0 ml)加えた後、飽和NaCO水溶液にて中和しEtOAcを加え、Celiteろ過をした。減圧濃縮後、残査にEtOAcを加え、飽和NaCO水溶液で洗浄した。有機層をMgSOにて乾燥、減圧濃縮し、アミナールが得られた。
このアミナールをトルエン(2.0 ml)に溶かし、CSA(57.7 mg, 0.25 mmol) とキノリン (49 μl, 0.414 mmol)を加え、3時間加熱還流した。反応溶液にEtOAcを加え、1N HCl水溶液、飽和NaHCO3水溶液、飽和食塩水で洗浄した。有機層をMgSO4で乾燥、減圧濃縮し、残査をシリカゲルクロマトグラフィー(15% EtOAc in n−hexane)にて精製し(205 mg, 0.19 mmol,90%)の化合物2−3を黄色の固体として得た。
【0055】
化合物2−4の物性;
〔a〕 23 −15.9°(c = 1.1, CHCl)
IR (neat film) 2929, 1704, 1497, 1470, 1402, 1324, 1244, 1166, 1113, 1008, 909, 824cm−1
H NMR (400 MHz, CDCl) δ 7.65-7.61 (m, 6H), 7.42-7.25 (m, 14H), 6.68 (s, 1H), 6.56 (br s, 1H), 6.12 (s, 1H), 5.92-5.79 (m, 2H), 5.25-4.85 (m, 6H), 4.70-4.05 (m, 2H), 3.85-3.70 (m, 3H), 3.20-2.87 (m, 2H), 2.16 (s, 3H), 2.13 (s, 3H), 1.31 (s, 3H), 1.14 (s, 9H), 1.03 (s, 9H)
13C NMR (100 MHz, CDCl) δ 166.1, 152.3, 152.2, 151.7, 151.3, 151.2, 150.3, 150.2, 146.2, 138.8, 137.4, 137.2, 137.0, 135.6, 135.5, 135.4, 133.4, 133.2, 132.8, 132.2, 131.6, 129.8,129.7, 129.6, 128.7, 128.6, 128.4, 128.3, 128.2, 128.1, 128.0, 127.8, 127.7, 127.6, 127.3, 127.2, 116.0, 115.9, 114.2, 109.2, 109.1, 103.6, 100.7, 97.2, 96.9, 80.7, 80.6, 77.2, 74.5, 70.7, 63.6, 63.3, 60.4, 60.3, 57.8, 56.4, 39.2, 28.3, 28.1, 27.8, 26.7, 21.0, 19.1, 19.0, 16.6, 15.4, 15.2, 14.2, 9.0
【0056】
実施例14
化合物2−5の合成;反応式は前記反応工程2−5のとおりである。
化合物2−4(545 mg, 0.49 mmol)、tri(o-tolyl)phosphine (30.0 mg, 0.099 mmol)とトリエチルアミン(273 μl, 1.98 mmol) のCHCN(5.0 ml) 溶液にPd2(dba)(23.0 mg, 0.025 mmol)を加え、2時間加熱還流した。反応溶液にEtOAcを加え濃縮後、 残査にEtOAcを加え、10%クエン酸水溶液、飽和NaHCO水溶液、飽和食塩水にて洗浄した。有機層をMgSOにて乾燥、減圧濃縮をした。残査をシリカゲルクロマトグラフィー(20% EtOAc in n−hexane)にて精製し、(359 mg, 0.37 mmol, 74%) の化合物2−5を黄色の固体として得た。
【0057】
化合物2−5の物性;
〔a〕 23 −33.7°(c = 1.2, CHCl)
IR (neat film) 2930, 1701, 1632, 1496, 1428, 1340, 1308, 1255, 1164, 1112, 1010, 936, 825 cm−1
H NMR (400 MHz, CDCl) δ 7.59-7.26 (m, 20H), 6.67&6.63 (s, 1H), 6.10-5.48 (m, 5H), 5.16-4.87 (br, 3H), 4.79-4.28 (br, 6H), 3.66 (s, 3H), 3.10 (br, 2H), 2.03 (s, 6H), 1.45 (s, 9H)
13C NMR (100 MHz, CDCl) d 169.1, 168.8, 152.9, 152.3, 152.1, 149.7, 149.0, 148.8, 146.2, 146.0, 142.2, 142.1 138.8, 137.9, 137.3, 135.6, 135.5, 133.3, 132.1, 129.5, 128.5, 128.3, 128.2, 127.9, 127.7, 127.6, 127.3, 126.0, 125.8, 115.8, 115.5, 108.6, 102.2, 100.6, 95.2, 94.4, 84.2, 80.8, 77.2 74.0, 73.4, 70.5, 69.7, 62.6, 60.2, 58.5, 54.4, 52.8, 52.5, 50.5, 34.6, 34.5, 31.8, 31.6, 29.4, 29.0, 28.5, 28.4, 27.6, 26.6, 25.3, 22.6, 19.0, 15.6, 14.1, 8.8
【0058】
【発明の効果】
以上述べたように、前記中間体化合物を経る抗腫瘍活性物質として有用なエクチナサイジン743の新しい全合成法は、より商業ベースの生産技術を提供した点で、社会的貢献が大きいことは明らかである。
略語一覧;
MOMO:メトキシメトキシ
TFA : トリフルオロ酢酸
シリル基群;
TBS :t−ブチルジメチルシリル基
TBDPS:t−ブチルジフェニルシリル基
TMS :トリメチルシリル基
CSA :カンファースルホン酸
Bn :ベンジル
PMP :パラメトキシフェニル
DMAP :ジメチルアミノピリジン
Ms :メタンスルホニル
Boc :ターシャリーブトキシカルボニル
dba :トランス、トランス−ジベンジリデン アセトン(trans,trans−dibenzylidene acetone)
AD−mix−α;1Kg中に、KFe(CN)が699.6g、KCOが293.0g、(DHQ)PHLが5.52g、KOs(OH)が1.04g、含まれた触媒。(DHQ)PHLはDi−(dihydroquinidine)−phthalazineの略称
PIFA:フェニルアイオジン (III) ビス ( トリフルオロアセテート )
THF:テトラヒドロフラン
DMF:ヂメチルフォルムアミド
o−tol:オルトトリル基
n−Bu:ノルマルブチル基
Me:メチル基
Et:エチル基
Ac:アセチル基

Claims (4)

  1. 一般式1で表されるエクチナサイジン743の全合成用の中間体。
    Figure 0004170799
    一般式1
    一般式1中、RおよびRは、Hまたは炭素数4以下のアルキル基、Rはアルコキシカルボニル基、低級アルキルスルホニル、アリールスルホニル基またはHを示す。Xは炭素数4までのアルキルおよび/または電子供与性置換基を有していても良いフェニルシリル基であり、XはH、炭素数4以下のアルキル、アルコキシアルキル、アリル基またはアルキルまたはアリールスルホニル基から独立に選択される。YはOである。
  2. 請求項1に記載の一般式1の化合物をUgiの4成分連結反応を経て合成するのに有用な下記の一般式2の化合物。
    Figure 0004170799
    一般式2
    、XおよびYは請求項1に記載の一般式1に同じ。
  3. 下記の反応工程1−1〜1−9の工程からなり、反応式1−1〜1−9で表される請求項2に記載の一般式2においてX1がt−ブチルジフェニルシリル基の化合物の合成方法。
    反応工程1−1の水酸基のメトキシメチル基への変換反応、反応工程1−2のアルキル基の導入と脱メトキシメチル基反応、反応工程1−3の酸化反応によるエノンの形成反応,反応工程1−4のビニル銅試薬のMichael付加反応と水位酸基のベンジル基の導入反応、反応工程1−5の、1Kg中に、K Fe(CN) が699.6g、K CO が293.0g、(DHQ) PHLが5.52g、K Os (OH) が1.04g、含まれた触媒を用いたSharplessの不斉ジヒドロキシル化反応、反応工程1−6のジヒドロキシ基の炭酸エステル化反応、反応工程1−7のアジド基の導入反応、反応工程1−8のシリル保護基(TBDPS)の導入反応および反応工程1−9のアジド基の還元によるアミノ基形成反応からなるOHにベンジル基を導入したUgiの4成分連結反応の1つの原料のアミノ化合物である請求項2に記載の一般式2においてX1がt−ブチルジフェニルシリル基の化合物の合成反応
    Figure 0004170799
    Figure 0004170799
    Figure 0004170799
    Figure 0004170799
    Figure 0004170799
    Figure 0004170799
    Figure 0004170799
    Figure 0004170799
    Figure 0004170799
  4. 下記の反応工程2−1〜2−5の工程および反応式からなる請求項1に記載の一般式1においてX1がt−ブチルジフェニルシリル基の化合物の合成方法。
    反応工程2−1の4成分連結反応、反応工程2−2のC環の閉環反応、反応工程2−3のラクタムへのBoc化反応、反応工程2−4の選択的部分還元反応および反応工程2−5の分子内Heck。下記の化合物2−5の化学式中のA,C,D、Eは化合物を構成する環を示す。また、構造式に付した番号は元素ナンバリング数である。
    Figure 0004170799
    Figure 0004170799
    Figure 0004170799
    Figure 0004170799
    Figure 0004170799
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