JP4170627B2 - ナトリウム−硫黄電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電力貯蔵用等の二次電池として利用されるナトリウム−硫黄電池に関し、更に詳しくは、アルミニウム又はアルミニウム合金製の陽極金具の外面にステンレス製の外筒部材を設けたナトリウム−硫黄電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電力の平準化やピークカットなどの機能を実現するための電力貯蔵システムにナトリウム−硫黄電池が使用されているが、そのナトリウム−硫黄電池の構造は、図8にその断面図を模式的に示した通りのものである。
【0003】
製造時におけるその電池構造は、有底筒状のベータアルミナ固体電解質管6がその上端外周面でα−アルミナの絶縁リング1の内周面とガラス接合され、更に、絶縁リング1の上面に接合された陰極金具7及びその陰極金具に溶接された陰極蓋8と絶縁リング1とベータアルミナ固体電解質管6とで区画された陰極室が、有底筒状の金属性安全管9とその安全管内側にナトリウム及び少量のアジ化ナトリウムを収納したナトリウム収納容器10を配設しており、一方、陽極室は、絶縁リング1の下面に接合された陽極金具2と、その陽極金具2に溶接された陽極容器4と、更にはその陽極容器4に溶接された底蓋11と、絶縁リング1と、ベータアルミナ固体電解質管6とで区画され、硫黄を含浸したカーボンマットが配設され、その上部には窒素などの不活性ガスが充填された構造である。
【0004】
各部材による単電池組立て後、電池作動温度までの昇温過程で、ナトリウム収納容器10内のナトリウムは溶融し、ナトリウム収納容器10内の上部に内包されていたアジ化ナトリウムの分解で発生した窒素ガスの圧力によりナトリウム収納容器10の底部に設けられている小孔より溶融ナトリウムが陰極室内に流出して陰極室内を充填状態にする。
【0005】
290℃〜385℃の温度で電池は作動し、ナトリウムはベータアルミナ固体電解質管6中をナトリウムイオンとしてイオン伝導し、陽極室の溶融硫黄と反応し、多硫化ナトリウムを生成して放電反応が進行する。充電の際は逆の反応が進み、陰極室に溶融ナトリウムが戻される。
【0006】
上述の構成のナトリウム−硫黄電池において、その構成部材であるα−アルミナ製の絶縁リング1とAl又はAl合金製の陽極金具2は熱圧接合され、固体電解質管6と絶縁リング1とのガラス接合工程を経た後、陽極金具2に陽極容器4が溶接されて単電池が組立てられる。
【0007】
熱圧接合部材の要部断面図を図9に示す。絶縁リング1と陽極金具2の熱圧接合方法は、内フランジ部2aと円筒部2bと円筒部の上端縁に鍔部2cとを有した陽極金具2内に絶縁リング1を載置し、加熱して押圧治具12によって絶縁リング1の底面に陽極金具の内フランジ部2aを加圧接合する。
【0008】
この際、陽極金具の内フランジ部2aはAl合金であるから柔らかく、圧延されながら絶縁リング1の底面に熱圧接合される。熱圧接合後、押圧治具12を陽極金具2から離脱させる際、押圧治具12にAl合金製の陽極金具2が接合し、押圧治具12が離脱できないとか陽極金具2と絶縁リング1との接合部を剥離させると言った問題があり、このため、本発明者らは、陽極金具2と押圧治具12の接する面間にステンレスキャップ14を使用してきた。
【0009】
ステンレスキャップ14と押圧治具12は接合しないので熱圧接合後、押圧治具12は容易に離脱できる。しかしながら、ステンレスキャップ14は陽極金具2と接合した状態であり、ステンレスキャップ14が陽極金具2に接合されたままの状態で陽極容器4が陽極金具の鍔部2cに溶接され、電池として組立てられてきた。
【0010】
この際、用いるステンレスキャップ14は押圧治具12との離脱性の改善のみを目的としたものであり、ステンレスキャップ14の円筒部14aの長さは短く、3〜5mm程度のものが用いられてきた。
【0011】
この様にして組立てられた単電池を集合電池として6年間近く運転させ、6年間運転後の電池を解体し、調査解析した。その結果、図10に示される通り、ステンレスキャップ14の円筒部14a上端部A点を起点として陽極金具2と陽極容器4の隙間に腐蝕生成物15が堆積し、その堆積部に対応する陽極金具2の円筒部2b外面は腐蝕で肉薄になり、陽極容器4の外表面は凸状に変形し、更に、陽極金具の鍔部2cと陽極容器4の溶接部5にも腐蝕が発生していることが判明した。
【0012】
腐蝕生成物15の発生原因は、電池運転時に多硫化ナトリウムの蒸気17が陽極金具2と陽極容器4の隙間に侵入し、ステンレスキャップ14の円筒部14a上端部A点において、アルミニウム合金の陽極金具2とステンレスキャップ14との間に発生する異種金属間の電池作用により、陽極金具2の腐蝕が促進されたことによるものと推定される。更に、電池運転時の昇降温による腐蝕生成物(堆積物)15の膨張により陽極容器4の外表面が凸状に変形したものと推定される。
【0013】
特に、A点近傍及び陽極金具2と陽極容器4の溶接部(箇所)5は、電池の運転時に応力が加わることも考えられ、従って、長期間集合電池として問題なく使用されてきたが、更に長い耐久性、信頼性を高めるためにはA点近傍及び陽極金具2と陽極容器4の溶接部5にこの様な局部腐食が発生しないか腐蝕速度が著しく遅延化されることが望まれる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、電池として長期間使用しても、陽極金具及び陽極金具と陽極容器の溶接部に発生する局部腐食が著しく遅延化されたナトリウム−硫黄電池を提供するものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、有底筒状の固体電解質管とその固体電解質管の開口端部の外周面と接合された絶縁リングと絶縁リングの上面に接合された陰極金具と陰極金具に溶接された陰極蓋とで区画された陰極室内にナトリウムが収納され、一方、固体電解質管外周面と絶縁リングと絶縁リングの底面に接合された陽極金具と陽極金具に溶接された円筒状の陽極容器とで区画された陽極室に電子導電材と共に硫黄が収納されて構成されてなるナトリウム−硫黄電池において、陽極金具がアルミニウム又はアルミニウム合金製であって、その形状が円筒部の下端に内フランジ部を、上端に鍔部を有した形状であって、さらに陽極金具の円筒部外面の下部には切り欠け部が設けられて下部よりも上部が肉厚の形状とされており、内フランジ部の上面が陽極金具内に配設された絶縁リングの底面と接合し、鍔部で陽極容器と溶接されていると共に、フランジ部と円筒部からなり該円筒部はその下端が該フランジ部に接続され該陽極金具の切り欠け部に係合する段差形状とされて切り欠け部よりも上方まで延出され、その上部が下部よりも拡径とされているステンレス製の外筒部材が陽極金具の内フランジ部及び円筒部の外面に接合していると共に、外筒部材の円筒部上端位置が陽極金具の鍔部と陽極容器との溶接位置に近傍した位置であることを特徴とするナトリウム−硫黄電池が提供される。
【0016】
本発明においては、上記陽極金具の鍔部と陽極容器との溶接位置が絶縁リングの上面より上方であることが好ましい。
【0017】
又、本発明においては、外筒部材の円筒部の長さが10mm以上であることが好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではないことはいうまでもない。
本発明をその実施態様の一例である図1に基づいて説明する。
【0020】
図1は、本発明のナトリウム−硫黄電池の構成部材であるα−アルミナ製の絶縁リング1とアルミニウム又はアルミニウム合金製の陽極金具2と陽極金具2の外面に接合されたステンレス製の外筒部材3と陽極金具の鍔部2cに溶接された陽極容器4の電池組立て後の要部拡大断面図を示す。
【0021】
本発明のナトリウム−硫黄電池の特徴は、ステンレスキャップ14を用いる代わりにステンレス製の外筒部材3を用いる点にある。ステンレス製の外筒部材3はステンレスキャップ14と比較し、円筒部3bの長さが少なくとも10mm以上と長く、電池組立て後の外筒部材の円筒部3bの上端部3cが陽極金具2の鍔部2cと陽極容器4との溶接部5の近傍に位置する点で特徴を有する。
【0022】
本発明のナトリウム−硫黄電池を構成する他の構成部材による電池構造は図8に示すナトリウム−硫黄電池と同一である。即ち、有底筒状のベータアルミナ固体電解質管6がその上端外周面でα−アルミナの絶縁リング1の内周面とガラス接合され、更に、絶縁リング1の上面に接合された陰極金具7及びその陰極金具7に溶接された陰極蓋8と絶縁リング1とベータアルミナ固体電解質管6とで区画された陰極室が、有底筒状の金属性安全管9とその安全管9内側にナトリウム及び少量のアジ化ナトリウムを収納したナトリウム収納容器10を配設しており、一方、陽極室は、絶縁リング1の底面に接合された陽極金具2と、その陽極金具2に溶接された陽極容器4と、更にはその陽極容器4に溶接された底蓋11と、絶縁リング1と、ベータアルミナ固体電解質管6とで区画され、硫黄を含浸したカーボンマットが配設され、その上部には窒素などの不活性ガスが充填された構造である。
【0023】
本発明の特徴とするステンレス製の外筒部材3を用いることにより、長期に亘り電池を運転しても陽極金具2及び陽極金具2と陽極容器4との溶接部5の腐蝕は極めて少なく、陽極容器4の凸状変形は発生せず、更に、絶縁リング1と陽極金具2の接合部の剥離が防止されるとの格別の効果が得られる。尚、電池製造時における熱圧接合工程において、押圧治具12との離脱性、即ち、陽極金具2と押圧治具12の接合防止効果も併せて有している。
【0024】
次に、図1に示す絶縁リング1と陽極金具2と外筒部材3と陽極容器4から構成される電池構造の製造組立て工程について説明する。絶縁リング1と陽極金具2は熱圧接合によって接合される。図2は、絶縁リング1と陽極金具2と外筒部材3と押圧治具12を各々所定の位置に配置して熱圧接合する際の要部断面図を示す。図3は、各部材を所定の順にセットした要部分解斜視図を示す。尚、絶縁リング1と陽極金具2との間に使用するろう材は図示を省略する。陽極金具2は、内フランジ部2aと円筒部2bと鍔部2cを有しており、絶縁リング1は陽極金具2内に載置される。
【0025】
陽極金具2はAl合金製であるから柔らかく、圧延されながら絶縁リング1に熱圧接合される。尚、図示しないが、ろう材を使用して熱圧接合強度を高める。押圧治具12には側部拡張規制部12aが設けられており、陽極金具2の内フランジ部2aが圧延されると同時に円筒部2b下部も拡張する応力を受けるが、側部拡張規制部12aによって円筒部2b下部及び外筒部材の円筒部3b下部の拡張が防止される。又、押圧治具12は、外筒部材3と接合しないので、熱圧接合後容易に離脱できる。
【0026】
この様にして製造された絶縁リング1と陽極金具2と外筒部材3とからなる熱圧接合部材13を図4に示す。尚、この熱圧接合工程において図示しないが陰極金具7と絶縁リング1も同時に熱圧接合される。熱圧接合工程後、固体電解質管6と絶縁リング1のガラス接合工程を経た後、陽極金具2と陽極容器4の溶接が行われる。
【0027】
熱圧接合工程において、押圧治具12の側部拡張規制部12aにより外筒部材の円筒部3b下部の拡張が防止され、更に、陽極金具2の外周面に切り欠け部2dが施され、この切り欠け部2dに外筒部材3が外周面を面一状に嵌挿されているので、図1に示される通り、陽極容器4の上部円筒内に熱圧接合部材13を容易に挿入でき、陽極容器4上端面を陽極金具の鍔部2c底面に寸法精度良く、容易に当接できる。横方向から溶接部5を溶接して陽極金具2と陽極容器4の接合が行われる。陽極容器4を溶接後、従来と同じ製造方法でナトリウム−硫黄電池を組立てる。
【0028】
この様にして組立てた本発明のナトリウム−硫黄電池を2本作製し、400℃で6年2ヶ月運転した後、電池を解体し、観察調査した結果を参考例1として表1に示す。尚、表1に示す測定値は各部位の状態を光学顕微鏡で観察し、腐蝕深さ及び変形量の最大箇所の測定値を示す。表1に示す通り、陽極金具2は腐蝕されておらず、陽極金具2と陽極容器4との溶接部5においても腐蝕深さは2μmと僅かな程度であった。又、陽極容器の凸状変形も2μm程度と測定誤差範囲であり、殆ど変形していなかった。
【0029】
【表1】
【0030】
一方、外筒部材3の代わりにステンレスキャップ14を用いた従来のナトリウム−硫黄電池についても参考例1と同様、2本作製し、同一条件、同一期間運転し、同じく解体、観察調査した結果を従来例として表1に示す。
【0031】
陽極金具2は図10に示す通りの状態に腐蝕され、陽極金具の円筒部2bの腐蝕深さは18μm、陽極金具2と陽極容器4との溶接部5においても腐蝕深さは11μm観察された。又、陽極容器4の腐蝕生成物15の堆積部に対応する陽極容器凸状変形部16は16μmふくらみ変形(凸状変形)していた。
【0032】
ステンレス製外筒部材3の円筒部3b上端位置を陽極金具2と陽極容器4との溶接部5近傍、即ち、溶接に支障のない程度に溶接部5に近接させたことにより、何故、陽極金具2及び陽極金具2と陽極容器4の溶接部5の腐蝕が極めて遅延化されるかについてのメカニズムについては明白ではない。しかし、本発明者らは、電池の運転時において、多硫化ナトリウム蒸気17が陽極金具2と陽極容器4の隙間に侵入しても、異種金属間に発生する電池反応による腐蝕部位が陽極金具2と陽極容器4との溶接部5近傍に位置させたことにより、腐蝕され得る面積が著しく減少したこと、及び、多硫化ナトリウム蒸気侵入経路が延長され、多硫化ナトリウム蒸気の侵入量及び滞留量が減少したことにより腐蝕が著しく遅延化され、減少したものと推定している。
【0033】
電池運転時において、膨張係数が7〜8×10-6/℃程度のα−アルミナ製の絶縁リング1と膨張係数が25〜26×10-6/℃程度のアルミニウム合金製の陽極金具2との熱膨張収縮率の大きな差により発生する歪は絶縁リング1の底面と陽極金具2の内フランジ2a面との熱圧接合面を剥離する方向に応力を発生するが、ステンレス製外筒部材3の熱膨張収縮率は小さく、アルミナ絶縁リングとの熱膨張係数の差は小さく、アルミニウム合金製の陽極金具2の円筒部2bの傾動、伸縮の動きを規制するため、この熱圧接合面を剥離する方向に発生する応力が低減され、電池の長期耐久性に関する信頼性が更に向上するとの効果も得られる。
【0034】
又、該陽極金具の鍔部2cと該陽極容器4との溶接部5が該絶縁リング1の上面より上方であることが好ましい。このことにより溶接の際の熱が陰極金具7と絶縁リング1との熱圧接合部及び陽極金具2と絶縁リング1の熱圧接合部及び固体電解質管6と絶縁リング1のガラス接合部に悪影響を及ぼすことを防止するからである。
【0035】
本発明のナトリウム−硫黄電池において、絶縁リング1、陽極金具2、外筒部材3及び陽極容器4によって構成される電池構造は、図1に示される構造に限定されるものではない。例えば、参考例2として、図5に示す構造とすることもできる。参考例2においては、陽極金具2の外周面に切り欠け部が施されていない実施態様である。又、実施例1として図6に示す構造とすることもできる。実施例1においては、陽極金具2の切り欠け部2dを陽極金具円筒部2bの下部に施した実施態様である。又、参考例3として、図7に示す構造とすることもできる。参考例3においては、陽極金具2の外周面が上部ほど肉厚のテーパー状である実施態様である。
【0036】
実施例1、参考例2〜3の構造のナトリウム−硫黄電池についても参考例1と同じく、各2本作製し、同一条件、同一期間運転したものについて解体、観察調査した結果を夫々表1に示した。実施例1、参考例2〜3として示すナトリウム−硫黄電池はいずれも陽極金具2における腐蝕は生じておらず、陽極金具2と陽極容器4の溶接部5における腐蝕深さも0〜3μmと極めて小さく、陽極容器4の凸状変形も0〜3μmと極めて小さい範囲であった。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のナトリウム−硫黄電池によれば、アルミニウム又はアルミニウム合金製の陽極金具の内フランジ部と円筒部との外周面に外筒部材を設け、外筒部材の円筒部上端位置を陽極金具と陽極金具との溶接部近傍にしたことにより、長期に亘り電池を運転しても陽極金具の腐蝕及び陽極金具と陽極容器との溶接部の腐蝕は極めて遅延化され、陽極容器の凸状変形は発生せず、更に、絶縁リングと陽極金具の熱圧接合部の剥離が防止され、耐久性について長期信頼性を著しく向上するとの格別の効果が得られる。更に、電池製造時における熱圧接合工程において、押圧治具との離脱性、即ち、陽極金具と押圧治具の接合防止効果も併せて有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の絶縁リングと陽極金具と外筒部材と陽極容器とから構成される電池局部構造の要部断面図を示す。
【図2】 熱圧接合する工程において、絶縁リングと陽極金具と外筒部材を押圧治具内にセットした要部断面図を示す。
【図3】 熱圧接合する際に、各部材を所定の順にセットした要部分解斜視図を示す。
【図4】 本発明の熱圧接合後の絶縁リングと陽極金具と外筒部材とから構成される熱圧接合部材の要部断面図を示す。
【図5】 本発明の参考例2の要部断面図を示す。
【図6】 本発明の実施例1の要部断面図を示す。
【図7】 本発明の参考例3の要部断面図を示す。
【図8】 従来のナトリウム−硫黄電池を示す模式的断面図である。
【図9】 従来のアルミナ製絶縁リングとAl又はAl合金製陽極金具とステンレスキャップとを押圧治具によって熱圧接合する際の要部断面図である。
【図10】 従来のナトリウム−硫黄電池を長年運転した際の陽極金具及び陽極金具と陽極容器との溶接部における局部腐蝕状態を示す要部断面図である。
【符号の説明】
1:絶縁リング、2:陽極金具、2a:内フランジ部、2b:円筒部、2c:鍔部、2d:切り欠け部、3:外筒部材、3a:フランジ部、3b:円筒部、3c:円筒部上端部、4:陽極容器、5:溶接部(箇所)、6:ベータアルミナ固体電解質管、7:陰極金具、8:陰極蓋、9:安全管、10:ナトリウム収納容器、11:底蓋、12:押圧治具、12a:側部拡張規制部、13:熱圧接合部材、14:ステンレスキャップ、14a:円筒部、15:腐蝕生成物(堆積物)、16:陽極容器凸状変形部、17:多硫化ナトリウム蒸気。
Claims (3)
- 有底筒状の固体電解質管と該固体電解質管の開口端部の外周面と接合された絶縁リングと該絶縁リングの上面に接合された陰極金具と該陰極金具に溶接された陰極蓋とで区画された陰極室内にナトリウムが収納され、一方、該固体電解質管外周面と該絶縁リングと該絶縁リングの底面に接合された陽極金具と該陽極金具に溶接された円筒状の陽極容器とで区画された陽極室に電子導電材と共に硫黄が収納されて構成されてなるナトリウム−硫黄電池において、
該陽極金具がアルミニウム又はアルミニウム合金製であって、その形状が円筒部の下端に内フランジ部を、上端に鍔部を有した形状であって、さらに該陽極金具の円筒部外面の下部には切り欠け部が設けられて下部よりも上部が肉厚の形状とされており、該内フランジ部の上面が該陽極金具内に配設された該絶縁リングの底面と接合し、該鍔部で該陽極容器と溶接されていると共に、フランジ部と円筒部からなり該円筒部はその下端が該フランジ部に接続され該陽極金具の切り欠け部に係合する段差形状とされて切り欠け部よりも上方まで延出され、その上部が下部よりも拡径とされているステンレス製の外筒部材が該陽極金具の内フランジ部及び円筒部の外面に接合していると共に、該外筒部材の円筒部上端位置が該陽極金具の鍔部と該陽極容器との溶接位置に近傍した位置であることを特徴とするナトリウム−硫黄電池。 - 該陽極金具の鍔部と該陽極容器との溶接位置が該絶縁リングの上面より上方であることを特徴とする請求項1に記載のナトリウム−硫黄電池。
- 該外筒部材の円筒部の長さが10mm以上であることを特徴とする請求項1に記載のナトリウム−硫黄電池。
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