JP3399870B2 - ナトリウム−硫黄電池の組立方法及び陽極金具 - Google Patents

ナトリウム−硫黄電池の組立方法及び陽極金具

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JP3399870B2 JP03194099A JP3194099A JP3399870B2 JP 3399870 B2 JP3399870 B2 JP 3399870B2 JP 03194099 A JP03194099 A JP 03194099A JP 3194099 A JP3194099 A JP 3194099A JP 3399870 B2 JP3399870 B2 JP 3399870B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、ナトリウム−硫
黄電池の組立方法とそれに用いる陽極金具に関する。
【0002】
【従来の技術】 ナトリウム−硫黄電池は、一方に陰極
活物質である溶融金属ナトリウム、他方には陽極活物質
である溶融硫黄を配し、両者をナトリウムイオンに対し
て選択的な透過性を有するβ−アルミナ固体電解質で隔
離し、300〜350℃で作動させる高温二次電池であ
る。
【0003】 このようなナトリウム−硫黄電池の一例
として、図6に示すような構造のものが知られている。
図中、13は有底円筒状をなすβ−アルミナ製の固体電
解質管で、これが括れ10を有する円筒状の陽極容器本
体9aの一方の開口部に底蓋9bを溶接固定してなる陽
極容器9内に配設されることにより、固体電解質管13
の外側に陽極室R2が形成されている。陽極室R2には、
カーボンマット等よりなる陽極用導電材に陽極活物質で
ある硫黄Sが含浸された陽極モールド11が収容されて
いる。一方、固体電解質管13の内側には、陰極室R1
が形成され、陰極活物質として溶融金属ナトリウムNa
を収容したカートリッジ15が配置されている。
【0004】 陽極容器9と固体電解質管13とは、α
−アルミナ製の絶縁リング3及び陽極金具5を介して結
合されており、絶縁リング3の上側開口部は陰極金具7
を介して陰極蓋19により密閉されている。陽極室R2
の上部空間と陰極室R1に配置されたカートリッジ15
の上部空間には、窒素ガスが封入されており、この窒素
ガスにより、陽極室R2内の圧力と陰極室R1内の圧力と
がそれぞれ充電・放電に適した所定範囲に保持される。
【0005】 このような構造のナトリウム−硫黄電池
において、放電時にはカートリッジ15の底部に透設さ
れた通過孔17から流出したナトリウムNaが、カート
リッジ15と固体電解質管13との間隙に導かれ、ここ
でナトリウムNaは電子を放出してナトリウムイオンと
なり、固体電解質管13を透過して陽極室R2に移動
し、陽極室R2の硫黄S及び外部回路を通ってきた電子
と反応して多硫化ナトリウムを生成するとともに電圧を
発生する。また、充電時には、放電時とは逆にナトリウ
ムNa及び硫黄Sの生成反応が起こる。
【0006】 従来、前記のような構造のナトリウム−
硫黄電池を組み立てるにあたっては、まず、絶縁リン
グ、固体電解質管、陽極金具及び陰極金具の接合体を作
製する。図7に示すように、この接合体1は、絶縁リン
グ3の内周面下部に、有底円筒状をなす固体電解質管1
3の外周面上部がガラス接合されている。陽極金具5
は、円筒部5aと円筒部5aの上端から外部方向に張り
出した上側フランジ部5bと円筒部5aの下端から内部
方向に張り出した下側フランジ部5cとを有し、下側フ
ランジ部5cの上面が前記絶縁リング3の下端面に熱圧
接合されている。また、陰極金具7は円筒部7aと円筒
部7aの外周から外部方向に張り出したフランジ部7b
とを有し、フランジ部7bの下面が絶縁リング3の上端
面に熱圧接合されている。
【0007】 このような接合体1を作製した後、図8
のように、まだ底蓋が接合されていない陽極容器本体9
aを立てた状態で、その上側の開口部に前記の接合体1
を嵌合し、接合体1の陽極金具5と陽極容器本体9aの
接触界面S1を外部から溶接する。なお、この溶接の際
には、陽極容器本体9a内に挿入される固体電解質管1
3が偏心した状態で溶接が行われることを防ぐため、陽
極容器本体9a内に偏心矯正治具(図示せず)を配置し
て、固体電解質管13の心出しを行う。
【0008】 こうして接合体1を陽極容器本体9aに
取り付けた後、偏心矯正治具を陽極容器本体9a内から
取り外し、図9のように反転させる。そして、陽極モー
ルド11を陽極容器本体9a内に収容し、減圧雰囲気下
において、陽極容器本体9a内部の空気を排気して陽極
容器本体9a内部を真空状態とした後、開口部に底蓋9
bを嵌合し、底蓋9bと陽極容器本体9aの接触界面S
2を密封溶接する。なお、陽極室R2には、陽極モールド
11とともにアジ化ナトリウムよりなるガス発生素子が
収容されており、電池が作動温度になるとこのアジ化ナ
トリウムが熱分解により気化されて窒素ガスを発生し、
陽極室R2の圧力を所定圧に上昇させる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】 ところで、最近はナ
トリウム−硫黄電池の大型化が進みつつあり、現在最も
大きなナトリウム−硫黄電池では、図8のように陽極容
器本体9aに接合体1を溶接した状態で、その重量が5
kg程度にもなる。このような大型で重量の重いナトリ
ウム−硫黄電池の組立において、従来のように陽極容器
本体9aに接合体1を溶接した後、図9のように反転さ
せるのは作業者にとって大きな負担となり、この反転工
程の存在が電池の生産性を損なう要因となっていた。
【0010】 本発明は、このような従来の事情に鑑み
てなされたものであり、大型のナトリウム−硫黄電池を
組み立てる場合においても、作業者に大きな負担がかか
らず、高い生産性が得られるようなナトリウム−硫黄電
池の組立方法を提供することを目的とする。また、本発
明は、このような組立方法において好適に使用できる陽
極金具を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】 本発明によれば、絶縁
リングの内周面下部に、有底円筒状をなす固体電解質管
の外周面上部をガラス接合し、更に円筒部と当該円筒部
の上端から外部方向に張り出した上側フランジ部と当該
円筒部の下端から内部方向に張り出した下側フランジ部
と前記上側フランジ部の下方の前記円筒部外周面上に前
記固体電解質管の芯出しを容易に行うために設けられた
リブとを有する陽極金具の前記下側フランジ部の上面を
前記絶縁リングの下端面に、また、円筒部と当該円筒部
の外周から外部方向に張り出したフランジ部とを有する
陰極金具の前記フランジ部の下面を前記絶縁リングの上
端面に、それぞれ熱圧接合した接合体を作製しておき、
括れを有する円筒状の陽極容器本体に予めアジ化ナトリ
ウムとともに陽極モールドを収容して、一方の開口部に
底蓋を溶接固定した後、前記陽極容器本体の他方の開口
部を上側にした状態で、当該開口部に前記接合体を嵌合
し、前記陽極容器本体と陽極金具との接触界面を溶接封
止することを特徴とするナトリウム−硫黄電池の組立方
法、が提供される。
【0012】 また、本発明によれば、円筒部と当該円
筒部の上端から外部方向に張り出した上側フランジ部と
当該円筒部の下端から内部方向に張り出した下側フラン
ジ部と前記上側フランジ部の下方の前記円筒部外周面上
に固体電解質管の芯出しを容易に行うために設けられた
リブとを有することを特徴とする陽極金具、が提供され
る。
【0013】
【発明の実施の形態】 本発明のナトリウム−硫黄電池
の組立方法においては、まず、従来の組立方法と同様に
絶縁リング、固体電解質管、陽極金具及び陰極金具の接
合体を作製する。そして、本発明の特徴として、図1の
ように括れ10を有する円筒状の陽極容器本体9aに予
めアジ化ナトリウム(図示せず)とともに陽極モールド
11を収容して、一方の開口部に底蓋9bを溶接固定し
た陽極容器9を準備し、図2に示すように、陽極容器本
体9aの他方の開口部を上側にした状態で、この開口部
に前記の絶縁リング3、固体電解質管13、陽極金具5
及び陰極金具7の接合体1を嵌合し、陽極容器本体9a
と陽極金具5との接触界面S1を溶接封止する。
【0014】 すなわち、本発明の組立方法において
は、従来のように、陽極容器本体に底蓋よりも先に接合
体を溶接し、底蓋を溶接固定するために、これを反転さ
せるという工程を含まないため、大型で重量の重いナト
リウム−硫黄電池を組み立てる場合においても、作業者
に大きな負担がかからない。なお、陽極容器本体9aに
括れ10を形成しているのは、この括れ10によって陽
極容器9にバネ効果を持たせ、陽極容器9の熱変化に伴
う収縮を吸収緩和するためである。
【0015】 また、本発明においては、もう一つの特
徴として、前記の接合体の作製に、図3に示すようなリ
ブ5dが形成された陽極金具5を使用する。図3(a)は
一部を断面で示した側面図、図3(b)は下側から見た平
面図である。この陽極金具5は、円筒部5aと円筒部5
aの上端から外部方向に張り出した上側フランジ部5b
と円筒部5aの下端から内部方向に張り出した下側フラ
ンジ部5cとを有し、更に従来の陽極金具には存在しな
かった構成として、上側フランジ部5bの下方の円筒部
5a外周面上に固体電解質管の芯出しを容易に行うため
に設けられたリブ5dを有する。
【0016】 陽極容器本体の開口部に接合体を嵌合す
るには、陽極容器本体と接合体の陽極金具との間にある
程度のクリアランスが必要である。前述のように、従来
の組立方法においては、陽極容器本体に接合体を溶接す
るに際して、このクリアランスにより、陽極容器本体内
に挿入される固体電解質管が偏心した状態で溶接が行わ
れることを防ぐため、陽極容器本体内に偏心矯正治具を
配置し、固体電解質管の心出しを行っていた。
【0017】 しかしながら、本発明の組立方法では、
接合体の溶接前に、先に陽極容器本体に底蓋が溶接固定
されているため、従来のように陽極容器本体内に偏心矯
正治具を配置して固体電解質管の心出しを行いながら接
合体の溶接を行うことができない。このため、従来の陽
極金具を用いて作製した接合体にて、本発明のような組
立方法を実施すると、固体電解質管の心出しが十分に行
われないまま溶接され、図5に示すように、固体電解質
管13の偏心により、陽極容器9と固体電解質管13と
の間に存在する陽極モールド11の運転時の硫黄溶融に
よる復元の際、薄い部分と厚い部分の不均一箇所ができ
る。
【0018】 このように陽極モールド11の復元後の
厚さが不均一になると、陽極側の抵抗が高くなり充放電
効率が悪くなる等、電池特性が悪化する。一般に、直径
が70mm以上のナトリウム−硫黄電池においては、偏
心量E(陽極容器9の中心O1と固体電解質管13の中
心O2との距離)が0.8mmを超えると電池特性に悪
影響が出る。
【0019】 また、電池組立後、電池を高温に保持
し、陽極室R2内にガス発生素子として収容したアジ化
ナトリウムから窒素ガスを発生させて陽極室R2内を所
定の圧力とするためには、減圧雰囲気下にて陽極室R2
内の空気を排気した状態で、図2のように陽極容器本体
9aと接合体1の陽極金具5との接触界面S1を溶接し
て陽極室R2を封止する必要がある。
【0020】 しかしながら、従来の陽極金具では、溶
接前に接合体を陽極容器本体に嵌合した状態にて、陽極
金具と陽極容器本体との間に排気用の通路となるような
陽極容器の内外に連通する隙間が生じにくいため、陽極
室内の空気の排気が難しかった。
【0021】 そこで、本発明では、これらの問題点を
解消するため、図3のようなリブ5dが形成された陽極
金具5を用いて接合体を作製することとした。このよう
な陽極金具を用いて作製した接合体を使用した場合に
は、陽極容器本体と接合体の陽極金具との間に、嵌合に
必要な程度のクリアランスがあっても、陽極金具5に形
成されたリブ5dによって心出しを容易に行うことがで
き、偏心矯正治具を使用できない本発明の組立方法にお
いても、固体電解質管の偏心量を小さく抑えることがで
きる。
【0022】 また、溶接前に陽極容器本体に接合体を
嵌合した際に、この陽極金具5のリブ5dにより、陽極
金具と陽極容器本体との間に、陽極容器の内部から外部
に連通する隙間が生じ、この隙間が排気用の通路となっ
て陽極室R2内の空気の排気を容易に行うことができ
る。なお、リブ5dは溶接時に接合体と陽極容器を押圧
等で密接する際にはつぶされて溶接の障害とならない。
【0023】 図3は、8つのリブ5dが等間隔で形成
された陽極金具5の例を示しているが、本発明において
リブの数は限定されず、また、リブ形状も特に限定され
ない。また、この陽極金具5は、アルミニウムやアルミ
ニウム合金等の金属素材から切削加工によって作製され
たものでもよいが、まず最初に金属素材を冷間鍛造によ
り金具の概略形状に成形した後、これを所定の金具形状
にまで加工することによって作製されたものであること
が好ましい。リブ5dは、冷間鍛造による概略形状成形
時に同時に鍛造により成形してもよいし、冷間鍛造後に
切削加工により成形してもよい。
【0024】 金属素材を冷間鍛造により金具の概略形
状に成形した後、これを所定の金具形状にまで加工する
ことによって陽極金具5を作製する場合、最初の冷間鍛
造により、金属素材は、陽極金具の概略形状が付与され
ると同時にその金属組織に高ひずみが与えられる。そし
て、後の接合体作製における絶縁リングとの熱圧接合時
に、このような高ひずみが与えられた金属組織が加熱さ
れると、金属組織中の結晶粒が微細化され、陽極活物質
であるナトリウムや放電時に生成される多硫化ナトリウ
ムに対する耐腐食性や疲労耐久性が向上する。
【0025】 なお、この陽極金具の作製法では、冷間
鍛造によって金属素材に金具の概略形状を付与した後、
これを所定の金具形状にまで加工するが、少なくとも絶
縁リングに熱圧接合する下側フランジ部5cの上面につ
いての前記所定形状への加工は切削加工にて行うように
する。
【0026】 最初の工程である冷間鍛造による成形
は、鍛造型を用いた型鍛造にて行われるが、この際、鍛
造後の離型を容易にするために離型材が金属素材若しく
は鍛造型に塗布処理される。したがって、鍛造後の成形
体の表面には、離型材が付着した状態となっているが、
この離型材が完全に除去されず、下側フランジ部の上面
に残存した状態で絶縁リングとの熱圧接合が実施される
と、良好な接合状態が得られず、実用に耐えることがで
きない。そこで、少なくとも下側フランジ部5cの上面
については、切削加工により加工し、所定形状を付与す
ると同時に、付着していた離型材を完全に除去する。
【0027】 なお、下側フランジ部5cの上面以外の
部分を、目的とする所定の金具形状にまで加工する方法
は特に限定されず、下側フランジ部5cの上面と同様に
切削加工であってもよいし、他の加工方法により加工さ
れていてもよい。また、当該部分については、最初の冷
間鍛造工程で目的とする所定の形状まで成形してしまっ
てもよい。
【0028】 本発明の組立方法において、陽極容器本
体に溶接するために作製される接合体は、図3のような
リブ5dが形成された陽極金具5を用いている以外は従
来と同様の構造を有する。すなわち、図4に示すよう
に、当該接合体1は、絶縁リング3の内周面下部に、有
底円筒状をなす固体電解質管13の外周面上部がガラス
接合されている。
【0029】 陽極金具5は、前述のように円筒部5a
と円筒部5aの上端から外部方向に張り出した上側フラ
ンジ部5bと円筒部5aの下端から内部方向に張り出し
た下側フランジ部5cと上側フランジ部5bの下方の円
筒部5a外周面上に固体電解質管の芯出しを容易に行う
ために設けられたリブ5dとを有し、下側フランジ部5
cの上面が絶縁リング3の下端面に熱圧接合されてい
る。また、陰極金具7は円筒部7aと円筒部7aの外周
から外部方向に張り出したフランジ部7bとを有し、フ
ランジ部7bの下面が絶縁リング3の上端面に熱圧接合
されている。
【0030】 次に、ナトリウム−硫黄電池の構成部分
の内、本発明の組立方法において言及されていない部分
について説明する。これらの構成部分は、従来行われて
きた組立方法と同様にしてナトリウム−硫黄電池に取り
付けられる。すなわち、図6のように、陰極室R1とな
る固体電解質管13の内部にナトリウムを収容したカー
トリッジ15を配置し、陰極金具7の上部に陰極蓋19
を接合して陰極室R1を封止する。また、陰極蓋19の
上面と陽極容器9の外周部には、それぞれ陰極端子23
と陽極端子21を接合する。
【0031】 カートリッジ15の底部には通過孔17
が透設されており、カートリッジ15の内側と外側との
間のナトリウムの通過を許容する。カートリッジ15内
の上部には、陽極室R2と同様にガス発生素子としてア
ジ化ナトリウムが配置され、電池が作動温度になると熱
分解により気化されて窒素ガスが発生し、陰極室R1
の圧力を所定圧に上昇させる。
【0032】
【実施例】 以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。
【0033】 図3に示すような8個のリブ5d(リブ
頂角90゜)を等間隔で形成した陽極金具5を使用し
て、図4のような絶縁リング3、固体電解質管13、陽
極金具5及び陰極金具7の接合体1を作製した。また、
リブの無い従来の陽極金具を使用して、同様に、図7の
ような絶縁リング3、固体電解質管13、陽極金具5及
び陰極金具7の接合体1を作製した。なお、これらの接
合体は、直径90mmのナトリウム−硫黄電池に適合す
る寸法を有する。これらの接合体を円筒状の陽極容器本
体に嵌合して、接合体の陽極金具と陽極容器本体との接
触界面を溶接し、溶接後の固体電解質管の偏心量を測定
した。
【0034】 なお、溶接及び偏心量の測定は、リブ有
りの陽極金具を使用した接合体と、リブ無しの陽極金具
を使用した接合体とについて、それぞれ5回ずつ行っ
た。その測定結果を表1に示す。表1に示すとおり、本
発明に係るリブ有りの陽極金具を使用した接合体の溶接
後における固体電解質管の偏心量は平均0.40mmと
電池特性に影響を与えることのない量であり、リブ無し
の陽極金具を使用した接合体の溶接後における固体電解
質管の偏心量の1/2以下であった。
【0035】
【表1】
【0036】
【発明の効果】 以上説明したように、本発明の組立方
法は、従来の組立方法のように、絶縁リング、固体電解
質管、陽極金具及び陰極金具の接合体を陽極容器本体に
溶接した後、それを反転させるという工程を含まないの
で、大型のナトリウム−硫黄電池を組み立てる場合にお
いても、作業者に大きな負担がかかることがなく、高い
生産性が得られる。また、この組立方法においては、前
記接合体の作製にリブが形成された陽極金具を使用する
ことにより、陽極容器本体に接合体を溶接する際の固体
電解質管の心出し、及び陽極室内の空気の排気を容易に
行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の組立方法の一工程を示す断面図であ
る。
【図2】 本発明の組立方法の次の一工程を示す断面図
である。
【図3】 本発明の陽極金具を示す図で、(a)は一部を
断面で示した側面図、(b)は下側から見た平面図であ
る。
【図4】 本発明の組立方法において作製される絶縁リ
ング、固体電解質管、陽極金具及び陰極金具の接合体を
示す断面図である。
【図5】 固体電解質管の偏心した状態を示す横断面図
である。
【図6】 ナトリウム−硫黄電池の構造の一例を示す断
面図である。
【図7】 絶縁リング、固体電解質管、陽極金具及び陰
極金具の接合体を示す断面図である。
【図8】 従来の組立方法の一工程を示す断面図であ
る。
【図9】 従来の組立方法の次の一工程を示す断面図で
ある。
【符号の説明】
1…接合体、3…絶縁リング、5…陽極金具、5a…円
筒部、5b…上側フランジ部、5c…下側フランジ部、
5d…リブ、7…陰極金具、7a…円筒部、7b…フラ
ンジ部、9…陽極容器、9a…陽極容器本体、9b…底
蓋、10…括れ、11…陽極モールド、13…固体電解
質管、15…カートリッジ、17…通過孔、19…陰極
蓋、21…陽極端子、23…陰極端子。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁リングの内周面下部に、有底円筒状
    をなす固体電解質管の外周面上部をガラス接合し、更に
    円筒部と当該円筒部の上端から外部方向に張り出した上
    側フランジ部と当該円筒部の下端から内部方向に張り出
    した下側フランジ部と前記上側フランジ部の下方の前記
    円筒部外周面上に前記固体電解質管の芯出しを容易に行
    うために設けられたリブとを有する陽極金具の前記下側
    フランジ部の上面を前記絶縁リングの下端面に、また、
    円筒部と当該円筒部の外周から外部方向に張り出したフ
    ランジ部とを有する陰極金具の前記フランジ部の下面を
    前記絶縁リングの上端面に、それぞれ熱圧接合した接合
    体を作製しておき、括れを有する円筒状の陽極容器本体
    に予めアジ化ナトリウムとともに陽極モールドを収容し
    て、一方の開口部に底蓋を溶接固定した後、前記陽極容
    器本体の他方の開口部を上側にした状態で、当該開口部
    に前記接合体を嵌合し、前記陽極容器本体と陽極金具と
    の接触界面を溶接封止することを特徴とするナトリウム
    −硫黄電池の組立方法。
  2. 【請求項2】 円筒部と当該円筒部の上端から外部方向
    に張り出した上側フランジ部と当該円筒部の下端から内
    部方向に張り出した下側フランジ部と前記上側フランジ
    部の下方の前記円筒部外周面上に固体電解質管の芯出し
    を容易に行うために設けられたリブとを有することを特
    徴とする陽極金具。
  3. 【請求項3】 前記陽極金具が、金属素材を冷間鍛造に
    より金具の概略形状に成形した後、これを所定の金具形
    状にまで加工することによって得られたものであり、少
    なくとも下側フランジ部の上面についての前記加工が切
    削加工にて行われている請求項2記載の陽極金具。
JP03194099A 1999-02-09 1999-02-09 ナトリウム−硫黄電池の組立方法及び陽極金具 Expired - Lifetime JP3399870B2 (ja)

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