JP4170310B2 - 送信器およびトランシーバ - Google Patents

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Description

本発明は、電界を電界伝達媒体に誘起し、この誘起した電界を用いて情報の受信を行う送信器及びトランシーバに関する。
携帯端末の小型化および高性能化により、生体に装着可能なウェアラブルコンピュータが注目されてきている。従来、このようなウェアラブルコンピュータ間の情報通信として、コンピュータにトランシーバを接続して一体に構成し、このトランシーバが誘起する電界を、電界伝達媒体である生体の内部に伝達させることによって、情報の送受信を行う方法が提案されている。
このような、大地グランドから浮遊した電界通信用のトランシーバでは、人体に電界を効率よく誘起するために、送受信電極と送信回路の間に可変リアクタンスを挿入し、人体や回路グランドと大地グランド間の浮遊容量との共振現象を利用している。可変リアクタンスを共振状態にするために、振幅モニタ部、制御信号発生部、電界検出光学部、信号処理部を用いてリアクタンス値を調整している。
電界通信において誘起される電界を強くするために、トランシーバの出力に可変リアクタンスを挿入し、生体と大地グランドおよびトランシーバのグランドと大地グランドの浮遊容量と共振させる方法が取られる(例えば、特許文献1、2を参照)。
図9に示す従来技術による送信器において、たとえばI/O回路100と、送信回路101と、この送信回路101に備わる発振器105と、変調回路106と、出力回路107と、を構成に含み、さらに、可変リアクタンス部103と、リアクタンス制御部104と、電極108と、絶縁膜109とによって構成されている。こうした構成により生体102を電界伝達媒体として電界通信を行っている。
こうした送信器の構成に、送信回路101の出力回路107としてインバータを用いた場合、電源ラインに高周波電流が流れることによる他の回路の誤動作や、あるいは電源ラインからの不要な電磁波の放射を防ぐために、図示しないフィルタを挿入している。
特開2004−153708号公報 United States Ptent Appplication Publication,Pub.No.:US2004/09226A1 Pub.Date:May13,2004
しかしながら上述した従来技術では、図10に示すような回路構成と図11に示すような複数のスイッチを用いている。図10に示す模式的な出力回路の構成は電源110からの電源ラインにノイズ除去のためのフィルタ111が挿入されて出力用インバータ112へ電源供給している。図11には図10の回路構成の出力用インバータ112を2個のスイッチに置き換えて示した図である。図示しない変調回路の出力がHレベルのときはスイッチQ116がオフで、スイッチR117がオンとなり、LレベルではスイッチQ116がオンでスイッチR117がオフである。フィルタ111をインダクタと容量で構成した場合では、フィルタ111のリアクタンスが共振状態に影響して共振周波数がシフトし、可変リアクタンス部113の制御範囲が変化してしまうという問題があった。
また、抵抗またはダイオードと容量でフィルタ111を構成した場合では、出力電圧や共振回路のQ値が減少するという問題があった。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、出力と電源ラインを切り離す構成の出力バッファ回路を実現でき、共振周波数のシフトおよび出力電圧や共振回路のQ値の減少を防止でき、電源ラインに高周波電流が流れることによる他の回路の誤動作や電源ラインからの不要な電磁波の放射を防ぐことができる送信器およびトランシーバを提供することにある。
課題を解決するために、請求項1に記載の本発明は、送信すべきデータに基づく電界を電界伝達媒体に誘起し、この誘起した電界を用いて前記データの送信を行うための送信器において、前記データを発振器で生成した搬送波を用いて変調する変調回路と、前記変調回路にて変調された前記データを出力する出力回路と、当該送信器の動作に必要な電源を供給するための電源と、を有し、前記出力回路には、前記変調回路から出力された信号に基づいて非反転信号と反転信号の2種類の信号を生成するための信号生成手段と、前記電源と回路グランドの間に挿入された第1の容量と、前記電源と前記第1の容量との間に直列に挿入されて前記非反転信号によりオン/オフ制御される第1のスイッチと、前記第1の容量と前記第1のスイッチの間に一端が接続されて前記反転信号によりオン/オフ制御される第2のスイッチと、前記第2のスイッチの他端と当該出力回路の出力端との間と回路グランドとの間を接続して前記非反転信号によりオン/オフ制御される第3のスイッチと、前記第3のスイッチと並列に接続された第2の容量と、を備える。
また、請求項2に記載の本発明は、送信すべきデータに基づく電界を電界伝達媒体に誘起し、この誘起した電界を用いて前記データの送信を行うための送信器において、前記データを発振器で生成した搬送波を用いて変調する変調回路と、前記変調回路にて変調された前記データを出力する出力回路と、前記出力回路からの出力と電界伝達媒体との間の共振を調整するリアクタンス制御手段と、当該送信器の動作に必要な電源を供給するための電源と、を有し、前記出力回路には、前記変調回路から出力された信号に基づいて非反転信号と反転信号の2種類の信号を生成するための信号生成手段と、回路グランドに一端が接続された第1の容量および第3の容量と、前記電源に一端が接続され前記非反転信号によりオン/オフ制御される第1のスイッチと、前記第1の容量と前記第3の容量とのいずれか一方と前記第1のスイッチの他端との接続を前記リアクタンス制御手段から出力された制御信号に基づいて切り替え制御する第4のスイッチと、前記第4のスイッチと前記第1のスイッチの間に一端が接続されて前記反転信号によりオン/オフ制御される第2のスイッチと、前記第2のスイッチの他端と当該出力回路の出力端との間と回路グランドとの間を接続して前記非反転信号によりオン/オフ制御される第3のスイッチと、前記第3のスイッチと並列に接続された第2の容量と、を備える。
また、請求項3に記載の本発明は、請求項1または2のいずれか1項において、前記信号生成手段は、前記変調回路から出力された信号を第1の遅延器を介して遅延させた後に反転信号を生成し、一方において前記出力された信号を第2の遅延器を介して遅延させた後に遅延していない前記変調回路から出力された信号との論理積を生成して非反転信号を生成する。
また、請求項4に記載の本発明は、前記請求項1〜3のうちのいずれか1項に記載の送信器と、電界伝達媒体に誘起された受信すべきデータに基づく電界を受信して受信データ得る受信器とを備える。
また、請求項5に記載の本発明は、請求項4において、前記受信器は、電界検出光学部を有する。
本発明によれば、出力と電源ラインを切り離す構成の出力バッファ回路を実現でき、共振周波数のシフトおよび出力電圧や共振回路のQ値の減少を防止でき、電源ラインに高周波電流が流れることによる他の回路の誤動作や電源ラインからの不要な電磁波の放射を防ぐことができる送信器およびトランシーバを提供することができる。
図1に出力バッファ回路の構成例を示す。この出力バッファ回路は、可変リアクタンス部1と、スイッチA2と、スイッチB3と、スイッチC4と、容量A5と、容量B6と、電源8から構成されている。
このように3個のスイッチと2個の容量で構成された出力バッファ回路では、スイッチA2とスイッチC4に対してスイッチB3は反転した動作を行う。この反転した動作を制御するための信号として、変調回路からの出力に対して図中Aで示した正信号「A」と、変調回路からの出力を反転回路10で反転させた反転信号「B」の2種類の制御信号を生成する。正信号「A」はスイッチA2とスイッチC4に入力されオン/オフが制御される。一方、反転信号「B」はスイッチB3に入力されオン/オフが制御される。
こうした制御信号によって各スイッチが制御されるので、スイッチA2とスイッチC4がオンでスイッチB3がオフのとき、電源8から容量A5に電荷が蓄積され、可変リアクタンス部1への出力側ではスイッチC4から回路グランド7に電荷が流れてLレベルになる。
そして、スイッチA2とスイッチC4がオフでスイッチB3がオンのときでは、容量A5の電荷が容量B6に流れ、容量A5の容量値が十分大きければ出力の電位はHレベルになる。このとき可変リアクタンス部1への出力側と電源8がスイッチA2で切り離されているため、共振周波数がシフトすることはない。
以上の出力バッファ回路を適用することにより、共振周波数のシフトおよび出力電圧や共振回路のQ値の減少を防ぎ、かつ電源ラインに高周波電流が流れることによる他の回路の誤動作や電源ラインからの不要な電磁波の放射を防ぐ送信器を提供できる。なお、容量B6は配線容量等でもよい。
図2に出力バッファ回路の変形例を示す。本変形例ではスイッチA2、スイッチC4とスイッチB3が同時にオンにならないために、2個の遅延器A15、遅延器B16と、論理回路17で信号を整形している。遅延器B16の出力は反転回路10に入力されている。図1の回路において、反転回路10での信号遅延が無視できず、この結果スイッチA2、スイッチC4とスイッチB3が同時にオンになる場合が生じると電源8と可変リアクタンス部1への出力側が短絡する可能性がある。
この短絡の対策をした図2の回路の動作を図3のタイミング図で説明する。図示しない変調回路からの入力信号(a)と遅延器A15を通した信号(b)との論理積を論理回路17でとることにより(c)に示す制御信号「A」を作り出せる。
そして、変調回路からの信号を遅延器B16に通して反転して生成した(d)に示す制御信号「B」と制御信号「A」とでは図3に示すように同時にHレベルになるタイミングがないため、電源8と出力側が短絡することを防ぐことができる。この信号処理により、より確実に共振周波数のシフトおよび出力電圧や共振回路のQ値の減少を防ぎ、かつ電源ラインに高周波電流が流れることによる他の回路の誤動作や電源ラインからの不要な電磁波の放射を防ぐ送信器を提供できる。
図4に出力バッファ回路の変形例を示し、図5には図4に示した変形例の出力バッファ回路を用いた送信器のブロック図を示す。図4に示す出力バッファ回路では図1に示した出力バッファ回路に対し、容量A5よりも小さな容量値を持つ容量C9とスイッチD20を付加している。付加したスイッチD20のオン/オフの制御は図5に示すリアクタンス制御部24からの出力切替信号により制御される。処理回路21の構成と機能は図1に示した変調回路からの出力の反転/非反転出力を得る回路と同様である。
図6に図4と図5に示した出力バッファ回路と送信器の各信号のタイミングチャートを示す。図4に示す出力バッファ回路ではリアクタンス制御部24からの出力切替信号がLレベルのときにスイッチD20のa21とb21を接続し、Hレベルのときa21とc21を接続する。なお、変調回路からの入力信号は(a)に示すように図3(a)と同様である。
そして、リアクタンス値の調整を行っているときにはリアクタンス制御部24からの出力切替信号によりスイッチD20のa21とb21を接続して容量C9を使用する。容量C9の容量値を低くすると図6(b)のように出力側の振幅を小さくできるので、図4に示した出力バッファ回路を用いた送信器では、リアクタンス値調整時での制御信号の振幅値を(d)に示すように小さくでき、出力側の振幅も(b)に示すように小さくできるので出力バッファ回路の消費電力も小さくできる。
この接続を保持して生体に印加される信号が最大となるようにリアクタンス値を調整する。この後データを送信する時には、出力切替信号(c)の切替指示によって生体に印加される信号が最大となるようにリアクタンス値を調整する。そして、この後データを送信する時には出力切替信号によりスイッチD20を切り替えて(e)の波形後半に示すように生体25に印加される信号を大きくする。
図7に図1に示した変調回路を備える受信部30を適用したトランシーバのブロック図を示す。受信した信号を増幅し、フィルタリングし、復調してI/O回路22に出力する受信部30を付加している。
図8には図4に示した他の変形例の変調回路をトランシーバへ適用した場合のブロック図を示す。このトランシーバでは送受信の切り替えを行うスイッチ31を使用し、送信の場合ではa1とb1を接続して送信回路23と自己調整または外部制御可能な可変リアクタンス部1を接続する。受信の場合ではb1とc1を接続して受信部30に受信した信号を入力する。このとき可変リアクタンス部1のリアクタンス値を最小に設定している。
なお、受信部30の入力段に光学的に電界を検出する電界検出光学部を用いてもよい。
以上において説明した実施の形態によれば、出力と電源ラインを切り離す構成の出力バッファ回路を実現でき、共振周波数のシフトおよび出力電圧や共振回路のQ値の減少を防止でき、電源ラインに高周波電流が流れることによる他の回路の誤動作や電源ラインからの不要な電磁波の放射を防ぐことができる送信器およびトランシーバを提供することができる。
実施の形態に係る出力バッファ回路の全体構成図を示す。 実施の形態に係る出力バッファ回路の変形例を示す。 実施の形態に係る出力バッファ回路の変形例のタイミング図を示す。 他の実施の形態に係る出力バッファ回路の全体構成図を示す。 他の実施の形態に係る送信器の全体構成図を示す。 他の実施の形態に係る出力バッファ回路のタイミング図を示す。 実施の形態に係るトランシーバの構成図を示す。 実施の形態に係るトランシーバの他の構成図を示す。 従来技術による送信器の構成図を示す。 従来の技術による送信回路の構成図を示す。 従来の技術による送信回路の構成図を示す。
符号の説明
1 可変リアクタンス部
2 スイッチA
3 スイッチB
4 スイッチC
5 容量A
6 容量B
7 回路グランド
8 電源
10 反転回路

Claims (5)

  1. 送信すべきデータに基づく電界を電界伝達媒体に誘起し、この誘起した電界を用いて前記データの送信を行うための送信器において、
    前記データを発振器で生成した搬送波を用いて変調する変調回路と、
    前記変調回路にて変調された前記データを出力する出力回路と、
    当該送信器の動作に必要な電源を供給するための電源と、を有し、
    前記出力回路には、
    前記変調回路から出力された信号に基づいて非反転信号と反転信号の2種類の信号を生成するための信号生成手段と、
    前記電源と回路グランドの間に挿入された第1の容量と、
    前記電源と前記第1の容量との間に直列に挿入されて前記非反転信号によりオン/オフ制御される第1のスイッチと、
    前記第1の容量と前記第1のスイッチの間に一端が接続されて前記反転信号によりオン/オフ制御される第2のスイッチと、
    前記第2のスイッチの他端と当該出力回路の出力端との間と回路グランドとの間を接続して前記非反転信号によりオン/オフ制御される第3のスイッチと、
    前記第3のスイッチと並列に接続された第2の容量と、
    を備えることを特徴とする送信器。
  2. 送信すべきデータに基づく電界を電界伝達媒体に誘起し、この誘起した電界を用いて前記データの送信を行うための送信器において、
    前記データを発振器で生成した搬送波を用いて変調する変調回路と、
    前記変調回路にて変調された前記データを出力する出力回路と、
    前記出力回路からの出力と電界伝達媒体との間の共振を調整するリアクタンス制御手段と、
    当該送信器の動作に必要な電源を供給するための電源と、を有し、
    前記出力回路には、
    前記変調回路から出力された信号に基づいて非反転信号と反転信号の2種類の信号を生成するための信号生成手段と、
    回路グランドに一端が接続された第1の容量および第3の容量と、
    前記電源に一端が接続され前記非反転信号によりオン/オフ制御される第1のスイッチと、
    前記第1の容量と前記第3の容量とのいずれか一方と前記第1のスイッチの他端との接続を前記リアクタンス制御手段から出力された制御信号に基づいて切り替え制御する第4のスイッチと、
    前記第4のスイッチと前記第1のスイッチの間に一端が接続されて前記反転信号によりオン/オフ制御される第2のスイッチと、
    前記第2のスイッチの他端と当該出力回路の出力端との間と回路グランドとの間を接続して前記非反転信号によりオン/オフ制御される第3のスイッチと、
    前記第3のスイッチと並列に接続された第2の容量と、
    を備えることを特徴とする送信器。
  3. 前記信号生成手段は、
    前記変調回路から出力された信号を第1の遅延器を介して遅延させた後に反転信号を生成し、
    一方において前記出力された信号を第2の遅延器を介して遅延させた後に遅延していない前記変調回路から出力された信号との論理積を生成して非反転信号を生成することを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の送信器。
  4. 前記請求項1〜3のうちのいずれか1項に記載の送信器と、
    電界伝達媒体に誘起された受信すべきデータに基づく電界を受信して受信データ得る受信器とを備えることを特徴とするトランシーバ。
  5. 前記受信器は、電界検出光学部を有することを特徴とする請求項4に記載のトランシーバ。
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