上述した常時換気設備制御用スイッチでは、普段はあまり使われない入/切操作用の操作ハンドル51と、使用頻度の高い風量切替用の操作ハンドル52とが同じ寸法、形状に形成されており、滅多に使われない操作ハンドル51に比べて、常用の操作ハンドル52の操作性を高めるような工夫が施されておらず、また入/切操作用と風量切替用の2つの操作ハンドル51,52を設けているため、ハンドル1個当たりの大きさが小さくなるか、または個々のハンドルの大きさを大きくしたために全体が大型化するという問題があった。
また常時換気システムでは換気設備が不用意に停止されないことが望ましいが、上述の常時換気設備制御用スイッチでは、換気扇がオフしている状態で操作ハンドル51を1回押操作すると、換気扇がオフからオンに切り替わり、さらにもう1回押操作すると、換気扇がオンからオフに切り替わるようになっており、操作ハンドル51を用いて換気扇をオフからオンに切り替える操作と、オンからオフに切り替える操作とが同様の操作であるから、換気扇が不用意にオフされてしまうという問題もあった。
本発明は上記問題点に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、換気設備の入/切と風量切替の操作が1つの操作ハンドルで行え、且つ、換気設備が不用意に停止されるのを防止した常時換気設備制御用スイッチを提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、風量を強弱2段階に切り替える機能を有して室内の空気を定常的に換気する常時換気設備のオン/オフおよび風量切替を行う常時換気設備制御用スイッチであって、操作部を押操作すると、押操作している間だけ操作信号を出力する操作スイッチ部と、操作スイッチ部から入力される操作信号に応じて常時換気設備の運転状態を制御する制御部と、常時換気設備が強風運転している状態で所定の強動作継続時間を限時する強時間限時タイマと、当該強時間限時タイマによる限時動作が終了した時点で制御部が常時換気設備の風量を強から弱へ自動的に切り替えるタイマ制御を有効にするか又は無効にするかの切替操作、および、タイマ制御の有効時に強動作継続時間を複数の設定値の中から選択する選択操作を行うための強タイマ設定部と、常時換気設備の使用用途をトイレ用途又は浴室用途の何れかに選択的に切り替える用途別モード切替部とを備え、制御部は、操作スイッチ部から時間幅が所定時間よりも短い操作信号が入力される毎に常時換気設備の風量を強又は弱に交互に切り替えるとともに、時間幅が所定時間以上の操作信号が入力されると常時換気設備を停止させ、さらに常時換気設備が停止している状態で時間幅が所定時間よりも短い操作信号が入力されると常時換気設備を弱風運転させ、用途別モード切替部によりトイレ用途が選択された場合、弱風運転中に操作部が操作されて操作信号が入力されると風量を強に切り替えるとともに、強風運転中に所定のタイミングで強時間限時タイマによる限時動作を開始させて、限時動作が終了した時点で風量を弱に切り替え、且つ、用途別モード切替部により浴室用途が選択された場合は、弱風運転中又は停止中の何れかの状態で所定のトリガ信号を受けて常時換気設備を強風運転させるとともに、強時間限時タイマによる限時動作を開始させ、限時動作が終了した時点で風量を弱に切り替えることを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、上記複数の設定値としてトイレ用途及び浴室用途に対応した時間を設定することを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、上記トリガ信号とは、操作部の操作に応じて操作スイッチ部から制御部に入力される操作信号であることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1乃至3の何れか1つの発明において、制御部は、強時間限時タイマによる限時動作中に操作部が押操作されて操作信号が入力されると、強時間限時タイマによる限時動作を停止させるとともに、常時換気設備の風量を弱に切り替えることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1乃至4の何れか1つの発明において、弱風運転中に操作部が押操作されて操作信号が入力された時点から所定の停止時間を限時する停止タイマと、停止タイマによるタイマ制御を有効にするか又は無効にするかを設定する停止タイマ設定部とを設け、用途別モード切替部により浴室用途が選択され、且つ、停止タイマ設定部によりタイマ制御が有効に設定された場合、制御部は、停止タイマの限時動作中に常時換気設備を停止させることを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項5の発明において、停止タイマは停止時間の限時動作を終了すると上記トリガ信号を発生することを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項5の発明において、上記トリガ信号とは、停止タイマによる限時動作中に操作部の操作に応じて操作スイッチ部から制御部に入力される操作信号であり、この操作信号が入力されると、制御部は、停止タイマによる限時動作を停止させて、常時換気設備を強風運転させるとともに、強時間限時タイマの限時動作を開始させることを特徴とする。
請求項8の発明は、請求項5の発明において、強タイマ設定部によりタイマ制御を無効にした場合、制御部は、停止タイマの限時動作が終了した時点で、常時換気設備を弱風運転させることを特徴とする。
請求項9の発明は、請求項1又は2の発明において、上記所定のタイミングとは、強風運転中に操作部が押操作されて、操作スイッチ部から制御部に操作信号が入力された時点であることを特徴とする。
請求項10の発明は、請求項1乃至9の何れか1つの発明において、制御部によりオン/オフがそれぞれ制御される2つの開閉制御素子を有し、2つの開閉制御素子の一端が共通接続される第1の負荷接続端子と、2つの開閉制御素子の他端がそれぞれ接続される第2及び第3の負荷接続端子とを設けるとともに、常時換気設備として、共通端子と強入力端子と弱入力端子とを有して、共通端子と強入力端子との間に電源が接続されると強風運転し、共通端子と弱入力端子との間に電源が接続されると弱風運転するような強弱タップ切替型の換気扇、又は、2つの電源接続端子とリレー入力端子とを有して、2つの電源接続端子間に電源が接続されると運転し、リレー入力端子に電源の一端が接続されるか否かで風量の強/弱が反転するような内蔵リレー切替型の換気扇の何れかを選択する負荷選択部を設け、制御部は、負荷選択部の選択結果に応じて常時換気設備を所望の運転状態に制御するように2つの開閉素子のオン/オフの組み合わせを変更することを特徴とする。
請求項11の発明は、請求項1乃至9の何れか1つの発明において、制御部によりオン/オフがそれぞれ制御される2つの開閉制御素子を有し、2つの開閉制御素子の一端が共通接続される第1の負荷接続端子と、2つの開閉制御素子の他端がそれぞれ接続される第2及び第3の負荷接続端子とを設け、常時換気設備として、共通端子と強入力端子と弱入力端子とを有して、共通端子と強入力端子との間に電源が接続されると強風運転し、共通端子と弱入力端子との間に電源が接続されると弱風運転するような強弱タップ切替型の換気扇を用い、共通端子を電源を介して常時換気設備の第1の負荷接続端子に、強入力端子又は弱入力端子の内の一方を第2の負荷接続端子、他方を第3の負荷接続端子に接続する場合に、強風運転時にオン、弱風運転時にオフさせる開閉制御素子と、強風運転時にオフ、弱風運転時にオンさせる開閉制御素子とを切り替える切替部を設けたことを特徴とする。
請求項12の発明は、請求項1乃至11の何れか1つの発明において、制御部によって点灯状態が制御され、常時換気設備の運転状態を表示するため2色の表示灯を備え、常時換気設備の強風運転時と弱風運転時とで点灯させる表示灯の色を異ならせたことを特徴とする。
請求項13の発明は、請求項12の発明において、制御部は、タイマ制御時は表示灯を点滅させるとともに、タイマ制御時以外の運転時は表示灯を連続点灯させることを特徴とする。
以上説明したように、請求項1の発明によれば、操作スイッチ部の操作部を所定時間以上押操作すれば、制御部が常時換気設備を停止させ、操作部を所定時間よりも短い時間だけ押操作すれば、制御部が常時換気設備の風量を強又は弱に交互に切り替えるので、1つの操作部で常時換気設備のオン/オフと風量切替の操作を行うことができ、操作部の数が1つで済むので、従来のようにオン/オフのための操作部と風量切替のための操作部とを別々に設ける場合に比べて、操作部を大型化して操作性を高めることができ、また操作部の大きさを従来と同等にすれば、操作部の数を減らすことでスイッチ全体の大きさを小型にできるという効果がある。また常時換気設備を停止させるためには、操作部を一定時間以上押操作しなければならないので、常時換気設備が不用意に停止されるのを防止できるという効果もある。
また、1つの強タイマ設定部で、強時間限時タイマによるタイマ制御を有効にするか又は無効にするかの切替操作と、タイマ制御の有効時には強動作継続時間の選択操作とを行うことができ、強タイマ設定部によりタイマ制御を有効にすれば、強風運転を強動作継続時間だけ継続した時点で常時換気設備の風量を自動的に弱に戻すことができる。
さらに、用途別モード切替部によりトイレ用途或いは浴室用途を選択することで、トイレの換気或いは浴室の換気に合わせた動作を行わせることができるので、使い勝手が向上し、且つ、用途毎に常時換気設備制御用スイッチを用意してスイッチを使い分ける場合に比べ、商品の品種を少なくできるという効果がある。
請求項3の発明では、操作部の操作に応じて操作スイッチ部から制御部に入力される操作信号を受けて、常時換気設備の風量を強に切り替えるとともに、強時間限時タイマによる限時動作を開始させることができ、例えば浴室用途で使用する場合に入浴終了時にユーザが操作部を1回操作すると、常時換気設備の風量が強に切り替えられて、強風運転を強動作継続時間行った後に風量を自動的に弱に戻すことができる。
請求項4の発明では、強時間限時タイマの限時動作中に操作部を押操作することで、強時間限時タイマによる限時動作を停止させて、即座に風量を弱に戻すことができるから、使い勝手が向上する。
請求項5の発明では、寒冷地などでは入浴中に常時換気設備を停止させる場合があり、操作部を操作して常時換気設備を手動で停止させた場合は、その後常時換気設備を弱で運転させるのを忘れて、常時換気設備が停止したままとなる可能性があるが、停止タイマ設定部によりタイマ制御を有効にして、入浴時に操作スイッチ部の操作部を押操作することで、停止タイマが限時動作を開始し、停止タイマの限時動作中は常時換気設備が停止させられるから、入浴中に常時換気設備を停止させることで寒い思いをしなくて済み、また操作をし忘れて常時換気設備が停止したままとなるのを防止できる。
請求項6の発明では、浴室用途で使用する場合に常時換気設備が弱風運転している状態から操作スイッチ部の操作部を1回だけ操作すると、停止タイマが停止時間の限時動作を開始して、その限時動作中は常時換気設備が停止させられ、さらに停止タイマによる限時動作が終了した時点から常時換気設備が強風運転させられるとともに、強時間限時タイマが限時動作を開始し、この限時動作が終了した時点で常時換気設備の風量が強から弱に切り替えられるので、1回の操作だけで一連の換気動作を行わせることができ、使い勝手が向上する。また自動的に一連の換気動作が行われるから、ユーザが操作を忘れて、常時換気設備が停止したままとなったり、強風運転し続けるのを防止できる。
請求項7の発明では、停止タイマによる限時動作中に入浴が終わった場合には、操作スイッチ部の操作部を押操作することで、停止タイマによる限時動作を強制的に停止させ、即座に常時換気設備を強風運転させることができるから、浴室の湿気を早期に取り除くことができ、使い勝手が向上する。
請求項8の発明では、強タイマ設定部によりタイマ制御を無効にすることで、強風運転の期間をとばして、常時換気設備の風量を弱に切り替えることができる。
請求項9の発明では、トイレ用途で使用する場合に常時換気設備が弱風運転している状態から操作スイッチ部の操作部を1回操作すると、常時換気設備の風量を強に切り替え、さらにもう1回操作すると、そのタイミングで強時間限時タイマによる限時動作が開始させられ、その後強動作継続時間が経過した時点で風量を自動的に弱に戻すことができ、トイレの使用中と使用後の一定期間、常時換気設備の風量を強とすることによってトイレ内の臭気を早期に排出することができる。
請求項10の発明では、負荷選択部を用いて強弱タップ切替型の換気扇、又は、内蔵リレー切替型の換気扇の何れかを選択すると、選択された換気扇の種類に応じて、2つの開閉制御素子のオン/オフの組み合わせが変更されるので、1つのスイッチで複数種類の換気扇に対応することができ、商品の種類を減らすことができる。
請求項11の発明では、換気扇の強入力端子及び弱入力端子をそれぞれ第2、第3の負荷接続端子の何れかに接続する際に誤接続した場合でも、切替部を用いて強風運転時にオン、弱風運転時にオフさせる開閉制御素子と、強風運転時にオフ、弱風運転時にオンさせる開閉制御素子とを切り替えることで、配線を手直しすることなく、正常に動作させることができる。
請求項12の発明では、点灯している表示灯の発光色から強風運転時か弱風運転時かを容易に確認できる。
請求項13の発明では、表示灯が連続点灯しているか、或いは点滅しているかで、タイマ制御時か否かを容易に確認できる。
(実施形態1)
以下本発明の実施形態1を図面に基づいて説明する。先ず本実施形態の常時換気設備制御用スイッチAの回路構成を図1及び図2に基づいて説明する。なお図1は制御ブロックの回路図、図2は負荷開閉制御ブロックおよび電源回路ブロックの回路図である。
本回路では、第1の負荷接続端子(以下端子と略称す)Taと第2の負荷接続端子(以下端子と略称す)Tbとの間に、ZNRのようなサージ吸収素子Z1、フィルタ用のコンデンサC1を夫々接続するとともに、フィルタ用のインダクタL1を介して開閉制御素子としてのトライアックTRC1を接続し、トライアックTRC1のT2端子とT1端子との間には、ダイオードブリッジからなる整流器DB1を介して抵抗R1及びコンデンサC2の並列回路を接続してある。また端子Taと第3の負荷接続端子(以下端子と略称す)Tcとの間にも、ZNRのようなサージ吸収素子Z2、フィルタ用のコンデンサC3を夫々接続するとともに、フィルタ用のインダクタL1を介して開閉制御素子としてのトライアックTRC2を接続し、トライアックTRC2のT2端子とT1端子との間には、ダイオードブリッジからなる整流器DB2を介して抵抗R2及びコンデンサC4の並列回路を接続してある。ここで、抵抗R1及びコンデンサC2の並列回路はトライアックTRC1のゲートGとT1端子との間に、抵抗R2及びコンデンサC4の並列回路はトライアックTRC2のゲートGとT1端子との間にそれぞれ接続されており、トライアックTRC1,TRC2のターンオン/ターンオフは制御部としての制御IC100によって制御されている。
ところで、本実施形態の常時換気設備制御用スイッチAは、風量を強弱2段階に切り替える機能を有して室内の空気を定常的に換気する常時換気設備のオン/オフおよび風量切替を行うものであり、常時換気設備としては、共通端子と強入力端子と弱入力端子とを有して、共通端子と強入力端子との間に電源が接続されると強風運転し、共通端子と弱入力端子との間に電源が接続されると弱風運転するような強弱タップ切替型の換気扇、又は、2つの電源接続端子とリレー入力端子とを有して、2つの電源接続端子間に電源が接続されると運転し、リレー入力端子に電源の一端が接続されるか否かで風量の強/弱が反転するような内蔵リレー切替型の換気扇の何れかが選択的に使用される。
図15(b)は常時換気設備として強弱タップ切替型の換気扇RL1を用いる場合の配線図であり、換気扇RL1の共通端子と端子Taとの間に交流電源ACを接続するとともに、換気扇RL1の弱入力端子を端子Tbに、強入力端子を端子Tcにそれぞれ接続してある。強弱タップ切替型の場合には図15(c)に示すようにトライアックTRC1がターンオン、トライアックTRC2がターンオフすると、換気扇RL1の共通端子と弱入力端子との間に交流電源ACが接続されて、換気扇RL1は風量が弱の状態で動作(弱風運転)し、トライアックTRC1がターンオフ、トライアックTRC2がターンオンすると、換気扇RL1の共通端子と強入力端子との間に交流電源ACが接続されて、換気扇RL1は風量が強の状態で動作(強風運転)する。
また図16(b)は常時換気設備として内蔵リレー切替型(リレーを励磁すると強風運転から弱風運転に切り替わるタイプ)の換気扇RL2を用いる場合の配線図であり、換気扇RL2の一方の電源接続端子と端子Taとの間に交流電源ACを接続するとともに、換気扇RL2の他方の電源接続端子を端子Tbに、リレー入力端子を端子Tcにそれぞれ接続してある。ここでトライアックTRC2がターンオフし、換気扇RL2の内蔵リレーRYが励磁されていない場合には、リレー接点ryが強入力端子側に切り替えられているので、図16(c)に示すようにトライアックTRC1のみがターンオンすると、強入力端子に交流電源ACが接続されて、換気扇RL2は強風運転する。一方トライアックTRC1がターンオンしている状態で、トライアックTRC2がターンオンすると、リレーRYが励磁されてリレー接点ryが弱入力端子側に切り替えられるので、弱入力端子に交流電源ACが接続されて換気扇RL2は弱風運転する。
また図17(b)は常時換気設備として内蔵リレー切替型(リレーを励磁すると弱風運転から強風運転に切り替わるタイプ)の換気扇RL2を用いる場合の配線図であり、換気扇RL2の一方の電源接続端子と端子Taとの間に交流電源ACを接続するとともに、換気扇RL2の他方の電源接続端子を端子Tbに、リレー入力端子を端子Tcにそれぞれ接続してある。ここでトライアックTRC2がターンオフし、換気扇RL2の内蔵リレーRYが励磁されていない場合には、リレー接点ryが弱入力端子側に切り替えられているので、図17(c)に示すようにトライアックTRC1のみがターンオンすると、弱入力端子に交流電源ACが接続されて、換気扇RL2は弱風運転する。一方トライアックTRC1がターンオンしている状態で、トライアックTRC2がターンオンすると、リレーRYが励磁されてリレー接点ryが強入力端子側に切り替えられるので、強入力端子に交流電源ACが接続されて換気扇RL2は強風運転する。
このように、換気扇を弱風運転又は強風運転させる場合にターンオンさせるトライアックTRC1,TRC2の組み合わせは換気扇の種類(強弱タップ切替型、内蔵リレー切替型)に応じて異なるので、後述するように換気扇の種類を選択するための切替スイッチSW5(負荷選択部)を設けてあり、強弱タップ切替型の換気扇RL1の場合は図15(a)に示すように切替スイッチSW5の摘み28を「A(タップ切替)」の位置に、内蔵リレー切替型(リレー励磁時に弱風運転)の換気扇RL2の場合は図16(a)に示すように切替スイッチSW5の摘み28を「B(RY切替1)」の位置に、内蔵リレー切替型(リレー励磁時に強風運転)の換気扇RL2の場合は図17(a)に示すように切替スイッチSW5の摘み28を「C(RY切替2)」の位置にそれぞれ切り替えている。そして、制御IC100は切替スイッチSW5の切替位置に応じて換気扇を弱風運転又は強風運転する際のトライアックTRC1,TRC2のオン/オフの組み合わせを変更しており、種類の異なる換気扇が接続された場合でも所望の動作を行わせることができるので、1つのスイッチで複数種類の換気扇に対応でき、スイッチの品種を少なくできる。
次に電源回路ブロックの構成について説明する。整流器DB1の直流出力端子間には抵抗R3及びツェナダイオードZD1からなる電源回路101が接続されており、ツェナダイオードZD1により得られた直流電圧は、更に3端子レギュレータIC102により所定電圧に降圧安定化され、この安定化された電圧V2は制御IC100等の動作電源電圧として供される。
また整流器DB1の直流出力端子間には、トライアックTRC1をターンオンさせるためのサイリスタSCR1が接続され、サイリスタSCR1のゲートとカソードとの間には抵抗R4及びコンデンサC5の並列回路が接続される。サイリスタSCR1のアノードには、べース・エミッタ間に抵抗R5が接続されたPNP型トランジスタQ1のエミッタが接続されており、トランジスタQ1のコレクタは、ツェナダイオードZD2を介してサイリスタSCR1のゲートに接続されるとともに、ダイオードD1を介して3端子レギュレータIC102の電圧入力端子に接続される。また、トランジスタQ1のベースは抵抗R6を介してNPN型トランジスタQ2のコレクタに接続される。トランジスタQ2のエミッタは回路のグランドに接続されており、トランジスタQ2のベースはNPN型トランジスタQ3のコレクタに接続されている。またトランジスタQ3のエミッタは回路のグランドに接続され、トランジスタQ3のベースは制御IC100の制御出力端子P1に接続されている。
また整流器DB2の直流出力端子間には、トライアックTRC2をターンオンさせるためのサイリスタSCR2が接続され、サイリスタSCR2のゲートとカソードとの間には抵抗R7及びコンデンサC6の並列回路が接続される。サイリスタSCR2のアノードには、べース・エミッタ間に抵抗R8が接続されたPNP型トランジスタQ4のエミッタが接続されており、トランジスタQ4のコレクタは、ツェナダイオードZD3を介してサイリスタSCR2のゲートに接続されるとともに、ダイオードD2を介して3端子レギュレータIC102の電圧入力端子に接続される。また、トランジスタQ4のベースは抵抗R9を介してNPN型トランジスタQ5のコレクタに接続される。トランジスタQ5のエミッタは回路のグランドに接続されており、トランジスタQ5のベースはNPN型トランジスタQ6のコレクタに接続されている。またトランジスタQ6のエミッタは回路のグランドに接続され、トランジスタQ6のベースは制御IC100の制御出力端子P2に接続されている。
ここで、トランジスタQ3(Q6)のコレクタは電源電圧にプルアップされており、制御IC100の制御出力端子P1(P2)の信号レベルがハイレベルになると、トランジスタQ3(Q6)がオンし、トランジスタQ2(Q5)がオフする。トランジスタQ2(Q5)がオフすると、トランジスタQ1(Q4)がオフするので、3端子レギュレータIC102にはツェナダイオードZD1により定電圧化された電源が供給される。この時、トライアックTRC1(TRC2)のゲートにはターンオンするのに必要なだけの電流が流れないので、トライアックTRC1(TRC2)はオフしている。
一方、制御IC100の制御出力端子P1(P2)の信号レベルがローレベルになると、トランジスタQ3(Q6)がオフし、トランジスタQ2(Q5)がオンする。トランジスタQ2(Q5)がオンするとトランジスタQ1(Q4)がオンし、整流器DB1(DB2)からトランジスタQ1(Q4)及びダイオードD1(D2)を介して3端子レギュレータIC102に電源が供給され、3端子レギュレータIC102が制御IC100等の動作電源を生成する。この時、ツェナダイオードZD2(ZD3)のカソードの電位がブレーク・ダウン電圧よりも高くなって、ツェナダイオードZD2(ZD3)に逆方向電流が流れ、ツェナダイオードZD2(ZD3)を介してサイリスタSCR1(SCR2)のゲートに電流が流れて、サイリスタSCR1(SCR2)が導通するので、交流電源ACの半サイクル毎にトライアックTRC1(TRC2)のゲートにターンオンするのに必要な電流が流れ、トライアックTRC1(TRC2)がターンオンする。ここに、サイリスタSCR1,SCR2、トライアックQ1〜Q6、ツェナダイオードZD2,ZD3などでトライアックTRC1,TRC2をターンオン/ターンオフさせる負荷開閉制御ブロックが構成される。
ここで制御IC100は、操作スイッチ部たる押釦スイッチSW1からのスイッチ入力に応じて換気扇RL1,RL2をオン/オフする機能と、換気扇RL1,RL2の風量を強弱2段階に切り替える機能とを有しており、所定の動作シーケンスにしたがってサイリスタSCR1,SCR2をターンオンさせるタイミングを制御する。すなわち制御IC100の操作入力端子P10は押釦スイッチSW1を介してグランドに接続されるようになっており、押釦スイッチSW1が押し操作されると操作入力端子P10の信号レベルがローレベルに立ち下がるので、端子P10の信号レベルに応じて制御動作を行う。
また制御IC100は、後述の強動作継続時間を設定するために例えば4つの時間設定端子P11〜P14を備えており、時間設定端子P11〜P14の信号レベルに応じて強動作継続時間が切り換えられる。すなわち、4ビットのロータリスイッチからなる切替スイッチSW2(強タイマ設定部)の切替操作によって、時間設定端子P11〜P14の信号レベルの組み合わせが16通りに変化することで、強動作継続時間が0〜6時間の間で16通りに設定されるのである。なお切替スイッチSW2により強動作継続時間を0に設定した場合には強動作タイマによるタイマ制御を無効にするように設定される。また強動作継続時間の設定値として、トイレ用途に適した比較的短い時間(数十秒〜数分程度)や浴室用途に適した比較的長い時間(数十分〜数時間程度)が設定されているので、トイレ用途或いは浴室用途を選択した場合にはそれぞれの用途に適した強動作継続時間を選択することができる。
さらに制御IC100は、換気扇の使用用途(浴室用途、トイレ用途)に応じた動作モードを設定するために例えば2つの動作切換端子P15,P16を備えている。これらの端子P15,P16は2ポジションのスライドスイッチよりなる切替スイッチSW3(用途別モード切替部)を介してグランドに接続されるようになっており、切替スイッチSW3の切替操作に応じて端子P15,P16の信号レベルが変化することで、動作モードが浴室用途に適した動作モード(入浴中は弱風運転又は一時停止させ、入浴後に一定期間強風運転させた後、弱風運転に戻すモード)、又は、トイレ用途に適した動作モード(トイレの使用中は強風運転させ、使用後の一定期間強風運転を継続した後、弱風運転に戻すモード)の何れかに設定される。
また更に制御IC100は、入浴中に停止タイマを動作させて、停止タイマの限時動作中は換気扇を停止させるタイマ制御を有効にするか否かの選択操作を行うために例えば2つの停止タイマ設定端子P17,P18を備えている。これらの端子P17,P18は2ポジションのスライドスイッチよりなる切替スイッチSW4(停止タイマ設定部)を介してグランドに接続されるようになっており、切替スイッチSW4の切替操作に応じて端子P17,P18の信号レベルが変化することで、停止タイマによるタイマ制御を有効にするか又は無効にするかの切替操作、及び、停止時間の時間設定操作が行われる。
また制御IC100は、負荷(換気扇)の種類(強弱タップ切替型、内蔵リレー切替型)を選択するために2つの負荷設定端子P19,P20を備えている。これらの端子P19,P20は3ポジションのスライドスイッチよりなる上記の切替スイッチSW5を介してグランドに接続されるようになっており、切替スイッチSW5の切替操作に応じて端子P19,P20の信号レベルが変化することで、換気扇の種類が3通りに切替設定される。
また制御IC100の点灯出力端子P3,P4には、それぞれ、強風運転表示のための赤色の発光ダイオードLD1と、弱風運転表示のための橙色の発光ダイオードLD2とが接続され、制御IC100が点灯出力端子P3,P4をローレベルに設定することで、表示灯としての発光ダイオードLD1,LD2に電流が流れて発光する。ここで制御IC100は、強風運転中に赤色の発光ダイオードLD1を連続点灯させ、弱風運転中に橙色の発光ダイオードLD2を連続点灯させており、表示灯の色を異ならせることで、強風運転中か弱風運転中かを容易に確認できる。また制御IC100は、強タイマ制御により強風運転させている間は赤色の発光ダイオードLD1を点滅させ、停止タイマ制御により停止させている間は橙色の発光ダイオードLD2を点滅させているので、発光ダイオードLD1,LD2が連続点灯しているか、或いは点滅しているかでタイマ制御中か連続運転中(タイマ制御時以外の運転状態)かを容易に確認できる。
尚、図1中の103は電源投入時に制御IC100をリセットするためのリセット回路、104は制御IC100の基準クロック発生回路である。
次にこの常時換気設備制御用スイッチAの構造を図19〜図22に基づいて説明する。尚、以下の説明では特に断りがないかぎり、図22に示す向きにおいて上下左右の方向を規定し、図22の正面を前面として説明を行う。
常時換気設備制御用スイッチの器体10は直方体状であって、前面開口した合成樹脂製のボディ11と、ボディ11の前面側に結合される後面開口した合成樹脂性のカバー12とにより形成されている。すなわち、カバー12の後端縁からは後方に向かって組立片12aが延設され、組立片12aに設けた組立孔12bがボディ11の上下両面に形成してある組立突起11aに係合することによりボディ11とカバー12とが結合されている。
器体10の左右方向の寸法は、埋込配線器具用の取付枠40(図24参照)の窓孔の左右方向(短手方向)の寸法に略等しく、器体10の前部を形成するカバー12の左右両側面には、取付枠40の窓孔を囲む両側片に設けた器具取付孔(図示せず)に係合可能な取付爪13が一対ずつ突設してあり、取付爪13が取付枠40の器具取付孔に係合することによって器体10が取付枠40に保持されるようにしてある。なおカバー12の左右方向における一方の側壁(右側壁)には、一対の取付爪13が突設された部位の上下両側部に後端が開放された2本の切り込み溝14が前後方向に沿って形成されており、2本の切り込み溝14の間の部位は厚み方向に可撓性を有する撓み片15を形成している。カバー12内において撓み片15の裏面側には空所が形成され、撓み片15をカバー12の内側に撓ませることによって、撓み片15に設けられた一対の取付爪13をカバー12の側面から弾性的に後退させることが可能となっている。
而してカバー12の左側壁に設けた取付爪13を取付枠40の器具取付孔に挿入するとともに、右側壁に設けた取付爪13をカバー12の側面から後退させるようにして取付枠40の窓孔に器体10を挿入すれば、右側壁の取付爪13が器具取付孔に挿入されて器体10が取付枠40に保持される。また撓み片15をカバー12の内側に押し込むようにすれば、撓み片15に設けた取付爪13が器具取付孔から抜け、取付枠40から器体10を取り外すことができる。なお撓み片15の後端部外側面には撓み片15の押し込みを容易にするために押突起15aが突設されている。
上述の取付枠40は、単位寸法(1個モジュール寸法)の器体を3個まで取着可能な取付枠であって、常時換気設備制御用スイッチAの器体10は、2個モジュール寸法に形成されており、図4(a)に示すように1個モジュール寸法に形成された他の配線器具Bと並設することができる。なお取付枠40は壁面などの造営面に取り付けられ、器体10の後部は造営面に埋設される。また取付枠40の前面側には、図4(a)に示すように取付枠40の窓孔よりも長寸かつ幅広の窓孔42を備える化粧プレート41が重ね合わせて配置され、この化粧プレート41の窓孔42から常時換気設備制御用スイッチAや配線器具Bの機能面が露出するようになっている。
またボディ11の内部には、上述した図2に示す負荷開閉制御ブロックおよび電源回路ブロックの構成部品や外部電線を接続するための複数の端子などを実装したプリント配線板からなる回路基板16が収納されている。ここに回路基板16に実装される個々の端子は、ボディ11の後壁に形成された電線挿入孔(図示せず)を通して器体10内に挿入される外部電線を導電性を有する板ばねからなる鎖錠ばねのばね力によって接続保持する速結端子で構成してある。なお複数の端子としては上述した3つの負荷接続端子Ta〜Tcなどがある。
一方カバー12には図1に示す制御回路ブロックの構成部品などを実装したプリント配線板からなる回路基板17が収納されており、この回路基板17に実装された押釦スイッチSW1の押釦や切替スイッチSW2〜SW5の操作摘みは、それぞれ、カバー12の前壁に貫設された窓孔18a〜18eを通してカバー12の前面(つまり器体10の前面)に露出する。すなわち器体10前面の右半分において、上下方向の略中央に形成された丸孔状の窓孔18aを通して押釦スイッチSW1の押釦19が露出し、窓孔18aの上側に形成された丸孔状の窓孔18bを通して切替スイッチSW2の操作子に被せた摘み20が露出し、窓孔18aの下側に形成された角孔状の窓孔18c,18dを通してスライドスイッチよりなる切替スイッチSW3,SW4の操作子が露出し、さらに窓孔18bの左側に形成された窓孔18eを通してスライドスイッチよりなる切替スイッチSW5の操作子(摘み28)が露出するようになっている。またカバー12前面の左側部には、回路基板17に実装された2色の発光ダイオードLD1,LD2に対向する部位に透孔26が貫設されており、発光ダイオードLD1,LD2の光は透孔26を通して器体10の外側に照射されるようになっている。なお回路基板17と上述の回路基板16とは図示しないリード線を介して電気的に接続されている。
また器体10の前面側には、押釦スイッチSW1を操作するための操作ハンドル30(操作部)が器体10の前面を覆う形で回動自在に取着されている。すなわちカバー12の前面の左側端部には、操作ハンドル30を枢着するために斜め前方に突出する一対の軸部27が一体に突設してあり、一対の軸部27を操作ハンドル30後面の左端部に設けた軸受部(図示せず)に回動自在に嵌め込むことで、操作ハンドル30が器体10に対して回動自在に枢着されている。操作ハンドル30の裏面には、カバー12の前面に露出する押釦19と対向する部位に押突起(図示せず)が突設されており、操作ハンドル30の右側部を押操作すると、操作ハンドル30が軸部27を支点にして回動し、操作ハンドル30の押突起によって押釦19が押され、押釦スイッチSW1がオンになる。一方、操作ハンドル30を押操作する力を無くすと、操作ハンドル30は押釦19などの反力を受けて復帰位置に戻り、押釦19を押す力がなくなって、押釦スイッチSW1はオフになる。
操作ハンドル30は合成樹脂により矩形板状に形成されており、左右方向の寸法が化粧プレート41の窓孔42の左右方向(短手方向)寸法と略同じ寸法に形成され、上下方向の寸法が窓孔42の上下方向(長手方向)寸法の略3分の2の寸法に形成されている。操作ハンドル30前面の右側部分には薄肉部31が設けられ、この薄肉部31にはカバー12の窓孔18bに対応する部位に摘み20を挿通させる丸孔状の窓孔32が貫設され、カバー12の窓孔18c,18dに対応する部位には切替スイッチSW3,SW4の操作子に被せた摘み21,22を露出させる窓孔33,34が貫設されている。また操作ハンドル30前面の左側部には前方に突出する突台部35が設けられ、突台部35の上下方向における略中央部には透光性を有する合成樹脂により形成された導光部材23の突部23aが嵌め込まれる透孔36が形成されており、器体10内に収納された発光ダイオードLD1,LD2からの光は、操作ハンドル30に保持された導光部材23を通して操作ハンドル30の前面側に出射されるようになっている。このように切替スイッチSW2〜SW4の摘み20〜22は操作ハンドル30の前面側に露出しているので、用途切替の操作やタイマ設定の操作をユーザが容易に行えるようになっている。なお換気扇の種類を選択するための切替スイッチSW5は操作ハンドル30によって隠されており、ユーザによって不用意に操作されるのを防止している。
また操作ハンドル30には、切替スイッチSW2〜SW4の摘み20〜22が露出する薄肉部31を開閉自在に覆うカバー38が取り付けられる。カバー38は左右方向及び上下方向の寸法が、それぞれ、薄肉部31の左右方向及び上下方向の寸法と略同じ寸法に形成されており、カバー38の左側部の上下両端部からは側方に向かって突出するアーム39,39が突設され、各アーム39の先端部には突台部35の上下両側面に設けた軸穴37に枢支される軸39aが突設されている。而して突台部35の軸穴37にアーム39の軸39aを軸支させることで、カバー38が操作ハンドル30に対して回動自在に軸支される。なおカバー38の裏面には永久磁石24が取着され、操作ハンドル30の裏面には永久磁石24と対向する部位に鉄片25が取着されており、鉄片25が永久磁石24の磁力で吸着されることによって、カバー38が閉じた状態を保持するようになっている。
次にこの常時換気設備制御用スイッチAを用いた換気扇の制御動作について説明を行う。なお以下の説明では図15(a)(b)に示すように強弱タップ切替型の換気扇RL1を接続し、切替スイッチSW5の摘み28を「A(タップ切替)」の位置に切り替えた場合の動作について説明を行う。
先ず切替スイッチSW2の摘み20を「切」の位置まで回して強タイマ制御を無効にするとともに、切替スイッチSW4の摘み22を「なし」の位置にスライドさせて停止タイマ制御を無効にした場合の動作について図3のタイムチャートを参照して説明する。
常時換気設備制御用スイッチAは常時換気設備である換気扇RL1の動作を制御するものであり、常時は制御IC100が制御出力端子P1の信号レベルをローレベル、制御出力端子P2の信号レベルをハイレベルにして、トライアックTRC1をターンオン、トライアックTRC2をターンオフさせており、換気扇RL1の弱入力端子と共通端子との間に交流電源ACを接続して、換気扇RL1を弱風運転させている。
次に時刻t1において操作ハンドル30が短時間押操作されると、制御IC100の操作入力端子P10が押釦スイッチSW1を介してグランドに接続され、操作入力端子P10の信号レベルが所定時間(例えば2〜3秒)よりも短い時間だけローレベルとなるので、制御IC100ではこの操作信号に応じて換気扇RL1の風量を強に切り替える制御を行う。すなわち制御IC100は制御出力端子P1の信号レベルをハイレベル、制御出力端子P2の信号レベルをローレベルにして、トライアックTRC1をターンオフ、トライアックTRC2をターンオンさせており、換気扇RL1の強入力端子と共通端子との間に交流電源ACを接続して、換気扇RL1を風量が強の状態で動作(強風運転)させる。そして操作ハンドル30が短時間押操作されて、押釦スイッチSW1から時間幅が所定時間よりも短い操作信号が制御IC100の操作入力端子P10に入力される毎に、制御IC100は換気扇RL1の風量を弱又は強に交互に切り替えるような制御を行っている。
一方、時刻t5において操作ハンドル30を所定時間(例えば2〜3秒)以上押し続けた場合、操作入力端子P10の信号レベルが所定時間以上ローレベルとなるので、制御IC100ではこの操作信号に応じて換気扇RL1の動作を停止させる制御を行う。すなわち制御IC100は、操作入力端子P10の信号レベルがローレベルの状態が所定時間以上継続すると、時刻t6において制御出力端子P1,P2の信号レベルを共にハイレベルにして、トライアックTRC1,TRC2をターンオフさせており、換気扇RL1への電源供給を停止して、換気扇RL1を停止させる。
そして、換気扇RL1が停止した後の時刻t7において操作ハンドル30を短時間押操作すると、操作入力端子P10の信号レベルが短時間ローレベルとなるので、制御IC100ではこの操作信号に応じて換気扇RL1を弱風運転させる。すなわち制御IC100は制御出力端子P1の信号レベルをハイレベル、制御出力端子P2の信号レベルをローレベルとし、トライアックTRC1をターンオフ、トライアックTRC2をターンオンさせて、換気扇RL1の弱入力端子と共通端子との間に交流電源ACを接続し、換気扇RL1を弱風運転させる。
このように本実施形態では1つの操作ハンドル30を用いて、操作ハンドル30を所定時間以上押操作すれば、制御IC100が換気扇RL1を停止させ、操作ハンドル30を所定時間よりも短い時間だけ押操作すれば、制御IC100が換気扇RLの風量を強又は弱に交互に切り替えるので、1つの操作ハンドル30で換気扇RL1のオン/オフと風量切替の操作を行うことができ、操作ハンドル30の数が1つで済むので、図23(a)に示す従来例のようにオン/オフのための操作ハンドル51と風量切替のための操作ハンドル52とを別々に設ける場合に比べて、操作ハンドル30を大型化して操作性を高めることができ、また図23(b)に示すように操作ハンドル30’の大きさを従来例と同等にすれば、操作ハンドル30の数を減らすことでスイッチ全体の大きさを小型にできる。また換気扇RL1を停止させるためには、操作ハンドル30を一定時間以上押操作しなければならないので、換気扇RL1が不用意に停止されるのを防止できる。
なお上記の説明では、切替スイッチSW5により強弱タップ切替型の換気扇RL1が選択された場合の動作について説明を行ったが、切替スイッチSW5の摘み28を「B(RY切替1)」又は「C(RY切替2)」の位置にスライドさせて、内蔵リレー切替型の換気扇RL2を接続した場合の動作も、換気扇RL2を強又は弱風運転させる際のトライアックTRC1,TRC2のオン/オフの組み合わせが異なるだけで、換気扇の動作としては同じなので、その説明は省略する。また以下の動作説明では説明を簡単にするために負荷開閉制御ブロックの動作説明は省略し、換気扇の動作状態のみに着目して説明する。
次に、この常時換気設備制御用スイッチAを用いて浴室に設置された換気扇の動作を制御する場合の各種の動作を説明する。浴室用途で使用する場合は図4(c)に示すように切替スイッチSW3の摘み21を「浴室換気」側にスライドさせており、制御IC100は、切替スイッチSW3の設定に応じて、常時は換気扇の風量を弱とし、入浴中は風量を弱にするか又は停止させるとともに、入浴後の一定期間は風量を強に切り替えて湿気を排出した後、風量を弱に戻すような制御を行う(このような動作モードを浴室モードという)。
先ず図4(b)に示すように、切替スイッチSW2の摘み20を「30分」の位置まで回して、強タイマ制御を有効にするとともに強動作継続時間を30分に設定し、切替スイッチSW4の摘み22を「なし」の位置にスライドさせて停止タイマ制御を無効にした場合の動作について図5を参照して説明する。この場合は入浴中も換気扇が弱風運転しており、入浴を終えた時点(時刻t8)でユーザが操作ハンドル30を短時間押操作すると、制御IC100は、押釦スイッチSW1からの操作信号(トリガ信号)が入力され、このトリガ入力に応じて換気扇の風量を強に切り替えるとともに、内蔵する強タイマ(強時間限時タイマ)により切替スイッチSW2で設定された強動作継続時間DT1の限時動作を開始させ、強タイマの限時動作が終了した時点(時刻t9)において風量を弱に切り替える。このように弱風運転中にユーザが操作ハンドル30を1回操作すると、換気扇RL1の風量を強に切り替え、その後強動作継続時間DT1が経過した時点で風量を自動的に弱に戻しているので、浴室内の湿気を早期に排出でき、また自動的に弱風運転に戻るので、風量を弱に切り替える操作を忘れて強風運転のままで動作するのを防止できる。なお図5中で斜線を施した期間は強タイマによるタイマ制御を行う期間を示しており、他のタイムチャートでも斜線を施した期間は強タイマによるタイマ制御中の期間を示している。
ここで、強動作継続時間DT1は比較的長い時間に設定されるので、強動作継続時間DT1が経過するよりも前に換気扇の風量を弱に戻したい場合があり、図6に示すように強タイマの限時動作中の時刻t10においてユーザが操作ハンドル30を短時間押操作すると、制御IC100は、押釦スイッチSW1からの操作信号入力に応じて換気扇の風量を弱に戻しており、強動作継続時間DT1よりも短い期間DT2で換気扇の風量を強から弱に戻すことができるので、使い勝手が向上する。
次に図7(b)(d)に示すように、切替スイッチSW2の摘み20を「30分」の位置まで回して、強タイマ制御を有効にするとともに強動作継続時間を30分に設定し、切替スイッチSW4の摘み22を「あり」の位置にスライドさせて停止タイマ制御を有効にした場合の動作について図8を参照して説明する。常時は換気扇が弱風運転しており、入浴時(時刻t11)にユーザが操作ハンドル30を短時間押操作すると、制御IC100は、押釦スイッチSW1からの操作信号入力に応じて換気扇を停止させるとともに、内蔵する停止タイマにより所定の停止時間DT3の限時動作を開始させる。そして停止タイマは限時動作を終了した時点(時刻t12)でトリガ信号を発生しており、このトリガ信号を受けて制御IC100は換気扇を強風運転させて、入浴後の強制換気を行わせるとともに、内蔵する強タイマにより強動作継続時間DT1の限時動作を開始させ、強タイマの限時動作が終了した時点(時刻t13)において風量を弱に切り替える。このように停止タイマ制御を有効にすれば、入浴時に押釦スイッチSW1を操作してから所定の停止時間DT3が経過するまでの間、換気扇を停止させることができるので、寒冷地など入浴中に換気扇が弱風運転することで、入浴中の人が寒さを感じるのを防止でき、使い勝手が向上する。また操作ハンドル30を1回操作するだけで、停止タイマによるタイマ制御を行った後に、強タイマによるタイマ制御が行われ、タイマ制御が終了すると自動的に弱風運転の状態に戻るので、使い勝手が向上するとともに、ユーザが操作をし忘れて、換気扇RLが停止したままになったり、強風運転状態のまま動作を続けるのを防止できる。なお図8中に波線で示した期間は停止タイマにより換気扇が停止されている期間を示しており、他のタイムチャートでも波線で示した期間は停止タイマによるタイマ制御中の期間を示している。
ここで、停止時間DT3は一般的な入浴時間よりも十分長い時間(例えば60分)に設定されるので、停止時間DT3が経過するよりも前に風呂から上がった場合など強制換気を早めに行わせたい場合があり、図9に示すように停止タイマの限時動作中の時刻t14においてユーザが操作ハンドル30を短時間押操作すると、押釦スイッチSW1から制御IC100に操作信号(トリガ信号)が入力され、このトリガ入力を受けて制御IC100は停止タイマによる限時動作を終了させ、即座に換気扇を強風運転させるとともに、強タイマによる限時動作を開始させているので、所定の停止時間DT3よりも短い期間DT4で強タイマ動作に移行させることができ、使い勝手が向上する。
次に図10(a)〜(c)に示すように、切替スイッチSW2の摘み20を「切」の位置まで回して強タイマ制御を無効とし、切替スイッチSW4の摘み22を「あり」の位置に動かして停止タイマ制御を有効にした場合の動作について図11のタイムチャートを参照して説明する。常時は換気扇が弱風運転しており、入浴時(時刻t19)にユーザが操作ハンドル30を短時間押操作すると、制御IC100は、押釦スイッチSW1からの操作信号入力に応じて換気扇を停止させるとともに、内蔵する停止タイマにより所定の停止時間DT3の限時動作を開始させる。そして、停止タイマによる限時動作が終了した時刻t20において制御IC100は換気扇を弱風運転させており、その後再び入浴する際(時刻t21)にユーザが操作ハンドル30を短時間押操作すると、制御IC100は、押釦スイッチSW1からの操作信号入力に応じて換気扇を停止させるとともに、内蔵する停止タイマにより所定の停止時間DT3の限時動作を開始させる。ここで停止タイマによる限時動作中の時刻t22において入浴を終える場合などにユーザが操作ハンドル30を短時間押操作すると、制御IC100は、押釦スイッチSW1からの操作信号入力に応じて停止タイマによる限時動作を停止させ、換気扇を弱風運転させており、停止時間DT3よりも短い期間DT4で換気扇を弱風運転させ、浴室の湿気を早期に排出することができるので、使い勝手が向上する。また強タイマ制御が不要な場合には、停止タイマによるタイマ制御を行った後に、強風運転動作をスキップして、直接弱運転動作に移行しているので、使用状況に合わせた動作を行わせることができる。また1つの切替スイッチSW2で、強タイマ制御の有効/無効を切り替える操作と強動作継続時間の設定動作が行えるので、強タイマ設定部の構成を簡単にできる。
上述の説明では浴室に設置された換気扇の動作を制御する場合の動作について説明を行ったが、以下ではこの常時換気設備制御用スイッチAを用いてトイレに設置された換気扇の動作を制御する場合の動作を説明する。トイレ用途で使用する場合は図12(b)に示すように切替スイッチSW3の摘み21を「トイレ換気」側にスライドさせており、制御IC100は、切替スイッチSW3の設定に応じて、常時は換気扇の風量を弱とし、トイレの使用中は風量を強に切り替え、使用終了時から所望の時間だけ遅れて風量を弱に戻すような制御を行うことで、トイレ使用時に発生する悪臭を短時間で排出するようにしている(このような動作モードをトイレモードという)。
ここで、図12(a)に示すように切替スイッチSW2の摘み20を「30分」の位置まで回して、強タイマ制御を有効にするとともに強動作継続時間を30分に設定した場合の動作について図13を参照して説明する。常時は換気扇が弱風運転しており、トイレ使用時(時刻t25)にユーザが操作ハンドル30を短時間押操作すると、制御IC100は、押釦スイッチSW1からの操作信号入力に応じて換気扇を強風運転させる。その後、強風運転中の時刻t26(トイレの使用を終えた時点)でユーザが操作ハンドル30を短時間押操作すると、制御IC100は、押釦スイッチSW1からの操作信号が入力されたタイミングで、内蔵する強タイマにより所定の強動作継続時間DT1の限時動作を開始させる。そして、強タイマによる限時動作が終了した時刻t27において制御IC100は換気扇の風量を強から弱に切り替えており、常時は換気扇を弱風運転させている。このようにトイレ用途の場合には使用開始時に操作ハンドル30を押操作すると、この操作に応じて制御IC100が換気扇を強風運転させることで、使用中に発生する悪臭を排出することができる。また使用後に再度操作ハンドル30を押操作すると、再操作時から強動作継続時間DT1が経過するまでの間、換気扇RL1を強風運転させる期間を延長し、強動作継続時間DT1の経過後に風量を自動的に弱に戻しているので、使用中に発生した悪臭を早期に排出することができ、また手動で風量を強から弱に戻す場合のように操作忘れが発生することがなく、使い勝手が向上する。またトイレを使用する時間はその都度ばらばらなので、使用後に操作ハンドル30を操作した時点から強タイマによる限時動作を開始させることで、使用中に発生する悪臭を確実に排出することができる。
またメンテナンスなどの目的で換気扇を停止させる場合、時刻t28において操作ハンドル30を所定時間(例えば2〜3秒)以上押し続けると、制御IC100は押釦スイッチSW1からの操作信号に応じて換気扇RL1を停止させる(時刻t29)。その後時刻t30において操作ハンドル30が短時間押操作されると、制御IC100は押釦スイッチSW1からの操作信号に応じて換気扇を弱風運転させており、換気扇により常時換気が行われる。
ところで、上述のように本実施形態では換気扇の動作表示のための2色の発光ダイオードLD1,LD2を備え、制御IC100が発光ダイオードLD1,LD2の点灯状態を制御しており、図14に示すように換気扇が弱風運転している期間DT11では橙色の発光ダイオードLD2を連続点灯させ、換気扇が強風運転している期間DT12では赤色の発光ダイオードLD1を連続点灯させ、さらに換気扇が停止している期間DT15では発光ダイオードLD1,LD2を消灯させているので、換気扇の運転状態を発光ダイオードLD1,LD2の点灯状態から容易に判別できる。また制御IC100が強タイマ制御を行って換気扇を強風運転させている期間DT13では、赤色の発光ダイオードLD1を例えば1秒点灯、1秒消灯の点滅周期で点滅させ、停止タイマ制御を行って換気扇を停止させている期間DT14では、橙色の発光ダイオードLD2を例えば0.5秒点灯、1.5秒消灯の点滅周期で点滅させているので、発光ダイオードLD1,LD2の点滅状態からタイマ制御が行われていることを容易に判別できる。
(実施形態2)
本発明の実施形態2を図18に基づいて説明する。本実施形態は常時換気設備として強弱タップ切替型の換気扇RL1を用いるものであり、上述の実施形態1では切替スイッチSW5として3ポジションのスライドスイッチを用い、切替スイッチSW3の切替操作に応じて換気扇の種類を3通りに切り替えているのに対して、本実施形態では切替スイッチSW5として2ポジションのスライドスイッチを用いており、図18(a)に示すように切替スイッチSW5の摘み28を「A(タップ切替)」側にスライドさせた場合は、同図(b)に示すように弱風運転時にトライアックTRC1をターンオン、強風運転時にトライアックTRC2をターンオンさせるとともに、同図(c)に示すように摘み28を「B(強弱入替)」側にスライドさせた場合は、同図(d)に示すように弱風運転時にトライアックTRC2をターンオン、強風運転時にトライアックTRC1をターンオンさせている。このように切替スイッチSW5の摘み28の位置を変えることで、弱風運転時又は強風運転時にターンオンさせるトライアックを入れ替えることができるから、換気扇RL1の強入力端子及び弱入力端子を端子Ta,Tbに間違えて配線した場合でも配線をし直すことなく、切替スイッチSW5の切替操作だけで容易に復旧することができる。なお切替スイッチSW5による制御動作以外は上述した実施形態1と同様であるので、その説明は省略する。