JP4168876B2 - 脱臭装置 - Google Patents

脱臭装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4168876B2
JP4168876B2 JP2003302576A JP2003302576A JP4168876B2 JP 4168876 B2 JP4168876 B2 JP 4168876B2 JP 2003302576 A JP2003302576 A JP 2003302576A JP 2003302576 A JP2003302576 A JP 2003302576A JP 4168876 B2 JP4168876 B2 JP 4168876B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
adsorbent
deodorizing
action
deodorizing apparatus
adsorption action
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003302576A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005066156A (ja
Inventor
光宏 佐野
幸一 中野
公康 本田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp, Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP2003302576A priority Critical patent/JP4168876B2/ja
Publication of JP2005066156A publication Critical patent/JP2005066156A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4168876B2 publication Critical patent/JP4168876B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Disinfection, Sterilisation Or Deodorisation Of Air (AREA)
  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)

Description

本発明は、病院や高齢者施設等で寝たきりの方の介護時や用便時などに発生する複合臭気を除去する脱臭装置に関するものである。
従来は、吸着剤を担持した脱臭材に臭気を流通させることにより、排便臭の脱臭を行っていた。特に、Mn系の酸化物により硫化水素を除去し、ゼオライトなどの物理吸着作用を有する吸着剤により、アンモニアや二硫化ジメチルなどを除去することで、効率よく排便臭を除去することができていた(例えば特許文献1、特許文献2参照)。
しかしながら、従来の脱臭体を病院や高齢者施設で用いる場合、消毒液などに用いられるエタノールやイソプロピルアルコールなどのアルコール類が常時存在し、脱臭体の吸着剤に吸着することで蓄積、濃縮され、例えば高湿空気が脱臭体に吹き込まれることにより、これらが離脱し、高濃度のアルコールを含む空気が部屋中に充満するという課題があった。さらには、吸着剤表面上でアルコール類がエステル類、アルデヒド類、ケトン類などに変質し、高濃度に濃縮されたものが空間に放出され、または床や家具用の洗剤等に含む化学物質を吸着し、濃縮したものを空間に放出するという課題があった。
特開2001−79350号公報 特開2001−219060号公報
上記従来の技術の問題点に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、吸着した臭気中のアルコール類が蓄積、濃縮され、高湿空気に触れて離脱したり、さらには変質して再び放出されることのないようにした脱臭装置を提供することにある。
本発明は、このような課題を解決するものであり、少なくとも硫化水素に対して化学吸着作用を有する吸着剤と物理吸着作用を有する吸着剤とを備えた脱臭体と、前記脱臭体へ送風する送風手段とを備え、前記化学吸着作用を有する吸着剤に疎水化処理を施した脱臭装置としたもので、極性の高いアルコール類の吸着を阻害するため、アルコール類が濃縮されて空間に放出されることがなく、またアルコール類の吸着量が少ないため他の物質へ変質する量も非常に小さくできる。したがって、病院や高齢者施設等で寝たきりの方の介護時や用便時などに発生する複合臭気を除去する脱臭装置を実現できる。
以上のように本発明の脱臭装置は、極性の高いアルコール類の吸着を阻害するため、濃縮されて放出されることをなくすことができるとともに、吸着量が少ないため他の物質へ変質する量も非常に小さくでき、病院や高齢者施設等で発生する複合臭気を除去する脱臭装置を実現できる。
本発明の第1の発明は、少なくとも硫化水素に対して化学吸着作用を有する吸着剤と物理吸着作用を有する吸着剤とを備えた脱臭体と、前記脱臭体へ送風する送風手段とを備え、前記化学吸着作用を有する吸着剤に疎水化処理を施した脱臭装置としたもので、極性の高いアルコール類の吸着を阻害するため、前記アルコール類が濃縮され、放出されることがなく、また前記アルコール類の吸着量が少ないため他の物質へ変質する量も非常に小さくでき、病院や高齢者施設等で寝たきりの方の介護時や用便時などに発生する複合臭気を除去する脱臭装置を実現できる。
第2の発明は、第1の発明における化学吸着作用を有する吸着剤に触媒作用を備えた脱臭装置としたもので、吸着剤に触媒作用を持たせると触媒作用によりアルコール類から変質した物質を生成するが、吸着剤に疎水化処理を行っているため、このような副生成物を抑えた状態で、例えば閾値の低いメチルメルカプタンを、閾値の高い二硫化ジメチルに転化させることができるので、脱臭効果をより向上させた脱臭装置を実現できる。
第3の発明は、第1または第2の発明における化学吸着作用を有する吸着剤は少なくともマンガン、コバルト、銅、亜鉛のいずれかを含む酸化物、水酸化物、複合酸化物、あるいはその混合物であり、かつ表面に少なくともアルキル基を有する脱臭装置としたもので、前記物質は硫化水素の吸着に優れており、またアルキル基は適度な疎水性を有するため、アルコール類の吸着を阻害し、濃縮され、放出されることがない。また、アルコール類の吸着量が少ないため他の物質へ変質する量も非常に小さい。したがって、病院や高齢者施設等で寝たきりの方の介護時や用便時などに発生する複合臭気を除去する脱臭装置を実現できる。
第4の発明は、第1の発明における物理吸着作用を有する吸着剤に疎水化処理を施した脱臭装置としたもので、エタノール類や化学吸着作用を有する吸着剤により変質した物質が物理吸着作用を有する吸着剤に吸着されにくいため、濃縮し、放出されることが少なく、病院や高齢者施設等で寝たきりの方の介護時や用便時などに発生する複合臭気を除去する脱臭装置を実現できる。
第5の発明は、第1または第4の発明における吸着剤に、RとR’をアルキル基とし、Rx(R’O)4−xSiと表されるアルコキシドのモノマーあるいはオリゴマーと、水と、前記アルコキシドと水とに溶け合う溶媒との溶液により疎水化処理を施した脱臭装置としたもので、簡易的かつ経済的かつ正確に疎水化ができるので、エタノール類や化学吸着作用を有する吸着剤により変質した物質が物理吸着作用を有する吸着剤に吸着されにくいため、濃縮し、放出されることが少なく、病院や高齢者施設等で寝たきりの方の介護時や用便時などに発生する複合臭気を除去する脱臭装置を実現できる。
第6の発明は、第5の発明におけるRとR’はいずれもメチル基である脱臭装置としたもので、簡易的に疎水化処理を施すことができ、かつ適度な疎水性を有するため、硫化水素などの除去対象物質の吸着を大幅に低下させることなく、エタノール類等の吸着を抑えることができ、病院や高齢者施設等で寝たきりの方の介護時や用便時などに発生する複合臭気を除去する脱臭装置を実現できる。
第7の発明は、第5の発明におけるx=2である脱臭装置としたもので、適度な疎水性を有するため、硫化水素などの除去対象物質の吸着を大幅に低下させることなく、エタノール類等の吸着を抑えることができ、病院や高齢者施設等で寝たきりの方の介護時や用便時などに発生する複合臭気を除去する脱臭装置を実現できる。
第8の発明は、第5の発明において、マンガン、コバルト、銅、亜鉛のアルコキシドのうち少なくともいずれか一つを含む脱臭装置としたもので、疎水基導入時に化学吸着作用を有する吸着剤と似た組成であるマンガン、コバルト、銅、亜鉛などの金属アルコキシドを用いると、化学吸着作用を有する吸着剤の吸着作用を阻害することなく、疎水化を行うことができ、病院や高齢者施設等で寝たきりの方の介護時や用便時などに発生する複合臭気を除去する脱臭装置を実現できる。
上記の第1から第8の発明を実施の形態の要部とすることにより本発明の目的を達成できるので、以下には各請求項に対応する実施の形態の詳細を、図面を参照して説明し、本発明を実施するための最良の形態の説明とする。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における脱臭装置の模式図である。脱臭装置は、筐体1と脱臭体4と送風手段3から構成され、筐体1には吸気口2、排気口5が備えられている。そして、送風手段3の駆動により吸気口2から空間の空気を筐体1内に吸引して脱臭体4に流通させて臭気を脱臭し、清浄化した空気を排気口5から空間に排気するものである。
脱臭体4は、セラミックス材をハニカム構造体にしたものを担体として用い、少なくとも硫化水素に対して化学吸着作用を有する吸着剤(以下、本実施の形態では化学吸着剤という)と物理吸着作用を有する吸着剤(本実施の形態では、物理吸着剤という)とを前記ハニカム構造体に担持した。化学吸着剤や物理吸着剤とハニカム構造体はアンカー効果もしくは物理的な結合もしくは化学的な結合などの作用により結合されているが、結合を強固なものにするためにバインダを用いることが望ましい。
次に化学吸着剤について説明する。本実施の形態では、化学吸着剤にマンガン、銅、コバルトの複合酸化物(以下、本実施の形態では複合酸化物Aという)を用いた。なお、本実施の形態ではマンガン、銅、コバルトの複合酸化物を用いたが、これに限定されるものではなく、マンガン、銅、亜鉛、コバルトのいずれかを含む酸化物、水酸化物、複合酸化物あるいはその混合物とすることにより、同様に硫化水素に対する強力な化学吸着作用を有する吸着剤とすることができる。
本実施の形態で用いた複合酸化物Aは、特に硫化水素の除去に優れ、硫化水素を最終的に硫酸塩の形や硫黄単体として化学吸着するものである。また、同じ硫黄系臭気であるメチルメルカプタンを、より閾値の高い二硫化ジメチルに転化する触媒作用も有する。この作用のため、脱臭されたのと同等の効果を感じうることができる。複合酸化物Aは0.1〜1μm程度の大きさであり、また化学吸着剤の形状も特に限定されるものではない。
通常、吸着剤表面にはヒドロキシル基を有しており、水など極性の高い分子を吸着しやすい傾向にある。極性が比較的高いエタノールも吸着されやすいが、エタノールが吸着した状態の化学吸着剤に多湿空気を流すと、水が吸着されエタノールが脱着されることとなる。したがって、吸着していたエタノールが濃縮され、放出されることとなる。また、化学吸着剤が触媒作用を有する場合、例えば吸着したエタノールをアセトアルデヒド、酢酸、酢酸エチル等に変化させる場合があり、これら物質が濃縮され、放出されることとなる。これは、病院や高齢者施設などエタノール濃度が高い環境で脱臭装置を用いる場合、特に問題となり、その他の場合でも例えば洗剤に含まれる成分や建材などに含まれるVOCを吸着し、濃縮され、放出されるという問題となる。
然るに本実施の形態では、この課題を解決するために、化学吸着剤に疎水化処理を施し、エタノールなど極性の高い分子自身を吸着させにくくし、そのためエタノールなどの放出量を抑制することができる。また、水も吸着されにくくなるため、他の吸着されたものに置き換わる現象も抑えることができる。その模式図を図2に示す。化学吸着剤11の表面のヒドロキシル基12の一部を、メチル基13等のアルキル基とすることにより、疎水性を付与することができ、このメチル基が極性の高い分子の吸着を妨げる働きをする。
疎水化はメチル基に限定されるものではなく、エチル基、プロピル基やフッ素系官能基やフェニル基などでもほぼ同様の効果が得られるが、フッ素系官能基や炭素鎖が長いものは疎水性が強く、本来除去すべき硫化水素などの吸着も阻害することになるので、メチル基が望ましい。また、化学吸着剤に300〜400℃以上の温度を加えることにより、ヒドロキシル基を取り除くことができるが、水蒸気に触れると徐々にヒドロキシル基が付いていくため、寿命が長くないという課題がある。
また送風手段3は、シロッコファン、ターボファン、プロペラファン、クロスフローファン、貫流ファン等が一般の送風手段として使用され、特に限定するものではない。
さらに、脱臭体に物理吸着剤を担持させておくことにより、排便臭に含まれる硫化水素は化学吸着作用により除去でき、さらにアンモニアや二硫化ジメチルを物理吸着作用により除去できるため、排便臭が全般的に除去することが可能となる。また、メチルメルカプタンを二硫化ジメチルに転化する触媒作用を有する化学吸着作用を有する吸着剤を用いることにより、排便臭に含まれるメチルメルカプタンは二硫化ジメチルとなり、物理吸着作用を有する吸着剤に吸着されることで、さらに排便臭が全般的に除去することが可能となる。本実施の形態では、物理吸着剤として、シリカ分の多い疎水性ゼオライトを用いたが、その他のゼオライト、セピオライト、シリカ、アルミナ等を用いても同様な効果が得られる。
一般に疎水性ゼオライトとは、シリカ/アルミナ比が大きいものを指し、水を吸着しにくいものとなっているが、シリカ表面にはヒドロキシル基があり、化学吸着剤と同様の現象が起こりうる。そこで、本実施の形態では物理吸着剤にも疎水化処理を施すことにより、エタノールの吸着を抑え、放出量を下げることができる。また、物理吸着剤に吸着されたエタノールなどが表面を移動し、化学吸着剤に吸着したり、物理吸着剤から再放出後、すぐに化学吸着剤に吸着されたりして、アセトアルデヒドなどに変化することがあるが、物理吸着剤に疎水化処理を施すことにより、これら現象を抑制することができる。
化学吸着剤11と物理吸着剤との比率は、臭気の成分により変えることができる。すなわち、硫化水素が多い場合は化学吸着剤11を多くし、アンモニアや二硫化ジメチルが多い場合、物理吸着剤を多くすると臭気全般を効率よく脱臭することができる。通常の排便臭の場合は、化学吸着作用を有する吸着剤と物理吸着作用を有する吸着剤は重量比で1:1程度が望ましいが、病院などエタノール濃度が高い場所や、洗剤などを頻繁に使用し、その含有成分が吸着剤に蓄積されやすい場所では、物理吸着剤の割合を小さくしておくことが望ましく、9:1〜5:1程度が望ましい。
なお、アンモニア等のガスを吸着し吸着作用を喪失した物理吸着作用を有する吸着剤に、臭気を含まない空気を流通させることにより、吸着したガスを放出させ、吸着作用を再生させることができる。また、臭気を含まない空気の温度を上げることによっても、吸着作用を喪失した物理吸着作用を有する吸着剤の吸着作用を再生させることができる。
以上により、病院や高齢者施設等で寝たきりの方の介護時や用便時などに発生する複合臭気を除去する脱臭装置を実現できる。
(実施の形態2)
本実施の形態は、脱臭体4の疎水化処理の実施について記載する。アルコキシドと、水と、アルコール類やアセトンのようにアルコキシドと水の両方に溶け合う溶媒との混合溶液を作製し、その中に吸着剤を担持した脱臭体を浸漬させることにより、疎水化をすることができる。これにより、アルコキシドが加水分解され、その後ヒドロキシル基と縮重合し、疎水基が付与されることとなる。
アルコキシドと水の両方に溶け合う溶媒は水溶性溶媒が望ましく、水溶性溶媒としては、水溶性のアルコール類としてメタノール、エタノール、プロパノールおよびターシャリ−ブタノール、エチレングリコール、グリセロール等の低級アルコール類、その他、アセトン、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン等のケトンやエーテルや、これらの混合物も用いることができる。
またこのとき、アンモニア水を触媒として加えておくことが望ましく、アンモニア水以外に触媒として、一般的な有機酸、無機酸、有機塩基、無機塩基が用いられる。有機酸として、酢酸、クエン酸、無機酸として、硫酸、塩酸、硝酸、有機塩基として、ピペリジン、無機塩基として、アンモニア、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド等があるが、本実施の形態で用いる化学吸着剤やゼオライトは酸に弱く、塩基系の触媒が望ましい。
アルコキシドとしてはジメチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシランやトリメチルメトキシシランなどのアルキルアルコキシシランや、マンガン、コバルト、銅、亜鉛のアルコキシドを用いることが望ましい。これは、化学吸着作用を有する吸着剤と似た組成であるマンガン、コバルト、銅、亜鉛などの金属アルコキシドを用いると、化学吸着作用を有する吸着剤の吸着作用を阻害することなく、疎水化を行うことができ、病院や高齢者施設等で寝たきりの方の介護時や用便時などに発生する複合臭気を除去する脱臭装置を実現できる。また、珪素のアルコキシド、すなわちアルキルアルコキシシランを用いると、簡易的かつ経済的に疎水化することができ、病院や高齢者施設等で寝たきりの方の介護時や用便時などに発生する複合臭気を除去する脱臭装置を実現できる。
本発明で用いるアルキルアルコキシシランとして、メトキシトリメチルシラン、エトキシトリメチルシラン等の単官能アルキルアルコキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメトキシジエチルシラン、ジエトキシジメチルシラン、ジエトキシジエチルシラン等の2官能アルキルアルコキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン等の3官能アルキルアルコキシシラン化合物があり、これらのうち一つもしくは混合物を用いる。
さらに、アルキルアルコキシシランの中でも、2官能のアルキルアルコキシシランが疎水化効率に優れることも見出した。これは、単官能では、3つのアルキル基の立体障害のために反応性が低下し、3官能では加水分解の結果生じる3つのシラノール基が全て、ゲル表面の水酸基と反応することが難しく、水酸基がゲル表面に残存するためではないかと考えられる。したがって、疎水化効率に優れる2官能アルキルアルコキシシラン、特にジメチルジメトキシシランが反応性が高く、非常に望ましい。これは、炭素鎖が長くなると撥水性が強くなり過ぎるため、本来除去すべき硫化水素も吸着させなくなるためで、その点を考慮するとメチル基が最適である。
アルコキシシラン以外では、トリメチルクロロシランやヘキサメチルジシラザン等のシラザン化合物でシリル基などの疎水基を導入することにより疎水化を行うことができるが、トリメチルクロロシランは反応時に塩酸を生成し、本実施の形態で用いたアルカリ性金属酸化物である吸着剤を冒してしまう恐れがあり、またシラザン化合物は反応させるための温度が高いなどの課題があるため、本実施の形態ではあまり望ましくない。
以下、脱臭体に対する実験例を示す。
複合酸化物Aと疎水性ゼオライトを5:1で、コロイダルシリカを用いて、5cm角のハニカム構造体へ担持した脱臭体(以下、本実施の形態では脱臭体Aという)を5つ作製した。
一方で、メタノール80gと28wt%アンモニア水0.1gと水22gとを混合した溶液を4つ作製した。それぞれにメトキシトリメチルシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジエトキシジエチルシランを85gずつ入れ、攪拌を行い疎水化液とした(以下、本実施の形態ではそれぞれ疎水化液1、疎水化液2、疎水化液3、疎水化液4という)。
次に、脱臭体Aを60℃とした4つのそれぞれの疎水化液に15分間浸漬させた後、引き上げ、150℃で24時間以上の乾燥を行った(以下、それぞれ本実施の形態では、脱臭体1、脱臭体2、脱臭体3、脱臭体4という)。
脱臭体A、脱臭体1、脱臭体2、脱臭体3、脱臭体4それぞれに500ppmの濃度のエタノールを流通させ、出口側の濃度が100ppmとなったとき(除去率が80%となったとき)、相対湿度90%の空気を流通させ、エタノール臭の官能評価を行った。
また、それぞれの脱臭体に50ppmの硫化水素を流通させ、硫化水素の除去率の経時変化を測定し、除去率が90%となる時間を破過時間とした。結果を(表1)に示す。
Figure 0004168876
官能評価は、強く臭いを感じるものを「×」、やや臭いを感じるものを「△」、ほとんど臭いを感じないものを「○」とした。
この結果より、疎水化処理を施した脱臭体はエタノールを吸着しにくくなり、特に2官能のアルキルアルコキシシランを用いた場合、エタノールの吸着をほぼ抑えることができる。また、炭素鎖が長いアルキルアルコキシシランを用いたものは、疎水性が強すぎるため、硫化水素の吸着特性が劣化する。
以上のように本発明の脱臭装置は、極性の高いアルコール類の吸着を阻害することで、濃縮され、放出されるのをなくし、また吸着量が少ないため他の物質へ変質する量も非常に小さくでき、病院や高齢者施設等で発生する複合臭気を除去する脱臭装置、アルコール類が存在する場所等の脱臭装置に適用できる。
本発明の実施の形態1における脱臭装置の模式図 同実施の形態1における脱臭装置の化学吸着作用を有する吸着剤の模式図
符号の説明
3 送風手段
4 脱臭体
11 化学吸着作用を有する吸着剤
12 ヒドロキシル基
13 メチル基

Claims (8)

  1. 少なくとも硫化水素に対して化学吸着作用を有する吸着剤と物理吸着作用を有する吸着剤とを備えた脱臭体と、前記脱臭体へ送風する送風手段とを備え、前記化学吸着作用を有する吸着剤は疎水化処理を施してなる脱臭装置。
  2. 化学吸着作用を有する吸着剤は触媒作用を備えてなる請求項1記載の脱臭装置。
  3. 化学吸着作用を有する吸着剤は、少なくともマンガン、コバルト、銅、亜鉛のいずれかを含む酸化物、水酸化物、複合酸化物、あるいはその混合物であり、かつ表面に少なくともアルキル基を有する請求項1または請求項2に記載の脱臭装置。
  4. 物理吸着作用を有する吸着剤は、疎水化処理を施してなる請求項1記載の脱臭装置。
  5. 吸着剤は、RとR’をアルキル基とし、Rx(R’O)4−xSiと表されるアルコキシドのモノマーあるいはオリゴマーと、水と、前記アルコキシドと水とに溶け合う溶媒との溶液により疎水化処理を施してなる請求項1または請求項4に記載の脱臭装置。
  6. RとR’はいずれもメチル基である請求項5記載の脱臭装置。
  7. x=2である請求項5記載の脱臭装置。
  8. マンガン、コバルト、銅、亜鉛のアルコキシドのうち少なくともいずれか一つを含む請求項5記載の脱臭装置。
JP2003302576A 2003-08-27 2003-08-27 脱臭装置 Expired - Fee Related JP4168876B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003302576A JP4168876B2 (ja) 2003-08-27 2003-08-27 脱臭装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003302576A JP4168876B2 (ja) 2003-08-27 2003-08-27 脱臭装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005066156A JP2005066156A (ja) 2005-03-17
JP4168876B2 true JP4168876B2 (ja) 2008-10-22

Family

ID=34406811

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003302576A Expired - Fee Related JP4168876B2 (ja) 2003-08-27 2003-08-27 脱臭装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4168876B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005066156A (ja) 2005-03-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4168876B2 (ja) 脱臭装置
JP4948817B2 (ja) 活性酸素消去能を備えた脱臭体およびそれを用いた空気清浄機
JP2006255251A (ja) 脱臭体および脱臭体を用いた脱臭装置
JP2006217995A (ja) 脱臭体および脱臭体の製造方法およびそれを用いた脱臭装置
JP2000210534A (ja) 光触媒脱臭フィルタ―
JPH03210269A (ja) 脱臭防菌組成物
JP2005066157A (ja) 脱臭装置
JP2001070419A (ja) 空気浄化方法
JP2008253672A (ja) Voc除去装置
JP2003250872A (ja) 脱臭デバイス及びこれを用いた脱臭装置
JP3546766B2 (ja) 脱臭触媒
JPWO2017104614A1 (ja) ろ材およびフィルター
JP4168881B2 (ja) 脱臭装置
JP2011166085A (ja) 金属触媒担持ケミカルフィルタ
JP5172087B2 (ja) 脱臭体および脱臭体を用いた脱臭装置
JP2007037670A (ja) 脱臭体および脱臭装置
JP2009279522A (ja) 酸化物触媒と酸化物触媒の製造方法、および脱臭剤、脱臭フィルター
JP7345995B2 (ja) 酸化チタン組成物、分散液、酸化チタン組成物を表面層に有する部材
KR101058148B1 (ko) 포름알데히드, 이산화탄소 제거 및 산소를 발생을 위한 조성물
JP6500353B2 (ja) シロキサン除去剤およびそれを用いたシロキサン除去フィルタ
JP2004141310A (ja) 脱臭装置
KR101563063B1 (ko) 악취 제거 방법 및 탈취 시스템
JP4887756B2 (ja) 脱臭体およびそれを用いた脱臭装置
JP2006217994A (ja) 脱臭体およびそれを用いた脱臭装置
JP4639276B2 (ja) 脱臭剤、その製造方法および脱臭装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060728

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20060821

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080709

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080715

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080728

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110815

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110815

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees