JP4168853B2 - レシプロ式可変圧縮比機関 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、機関圧縮比を可変とする可変圧縮比機構及び吸・排気弁のバルブリフト特性を可変とする可変動弁機構を備えたレシプロ式可変圧縮比機関に関する。
【0002】
【従来の技術】
本出願人は、先に、機関圧縮比を可変とする可変圧縮比機構と、吸気弁のバルブリフト特性を可変とする可変動弁機構と、を併用するレシプロ式可変圧縮比機関を提案している(例えば特許文献1参照)。典型的には、低速低負荷域では燃費を改善するために高圧縮比の設定とし、高負荷時には低圧縮比の設定とする。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−276446号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
供給油圧に応じて作動する油圧駆動式の可変動弁機構を用いる場合、圧縮比の設定状態によっては、可変動弁機構の応答性が過度に低下し、機関運転性の低下を招くおそれがある。例えば急加速時には、ノッキングを回避しつつ加速性能を高めるように、可変圧縮比機構により低圧縮比化しつつ、可変動弁機構により吸気効率を高めるようにバルブリフト特性を変更・制御するが、加速開始初期に油圧が低いと、可変動弁機構の作動速度が低下し、所望の加速性能が得られないおそれがある。本発明は、このような課題に鑑みてなされたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
機関圧縮比を可変とする可変圧縮比機構と、吸・排気弁のバルブリフト特性を可変とする可変動弁機構と、を有する。可変圧縮比機構による高圧縮比側から低圧縮比側への低圧縮比化行程における変更開始から可変動弁機構によるバルブリフト特性の切替完了までの時間が、可変圧縮比機構による低圧縮比側から高圧縮比側への高圧縮比化行程における変更開始から可変動弁機構によるバルブリフト特性の切替完了までの時間よりも短い。
【0006】
【発明の効果】
本発明によれば、機関圧縮比に応じて可変動弁機構を適切に作動させることができ、例えば、低圧縮比化行程における可変動弁機構の応答遅れを低減し、加速性能を有効に高めることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るレシプロ式可変圧縮比機関の好ましい実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0008】
図13を参照して、このレシプロ式可変圧縮比機関は、機関圧縮比を可変とする可変圧縮比機構31と、この可変圧縮比機構31を駆動する油圧式又は電動式の可変圧縮比アクチュエータ32と、供給油圧に応じて作動し、吸気弁(又は排気弁)のバルブリフト特性を可変とする可変動弁機構33と、この可変動弁機構33への供給油圧を切替制御する油圧制御部34と、を有している。
【0009】
制御部(ECU)35は、CPU,ROM,RAM及び入出力インターフェースを備えた周知のデジタルコンピュータであり、各種センサ類36により検出されるエンジン回転数やエンジン負荷等の機関運転状態に基づいて、可変圧縮比アクチュエータ32に制御信号を出力して、機関圧縮比を制御するとともに、油圧制御部34へ制御信号を出力して、バルブリフト特性を制御する。可変動弁機構33は、この実施例ではクランクシャフトに対する吸気カムシャフトの位相を変更することにより、吸気弁の開閉時期を変更する可変バルブタイミング機構(VTC)である。
【0010】
図5を参照して、可変圧縮比機構31は、クランクシャフト1のクランクピン12に回転可能に装着されたロアリンク2と、このロアリンク2とピストン3とを連携するアッパリンク5と、偏心軸8が設けられたコントロールシャフト7と、偏心軸8とロアリンク2とを連携するコントロールリンク6と、を有している。
【0011】
クランクシャフト1は、複数のジャーナル部11とクランクピン12とを備えている。各ジャーナル部11は、シリンダブロック21とクランクシャフトベアリングキャップ22との間の主軸受に回転自在に支持されている。クランクピン12は、ジャーナル部11から所定量偏心しており、ここにロアリンク2が回転自在に装着されている。ロアリンク2は、左右の2部材に分割可能に構成されているとともに、略中央の連結孔に上記のクランクピン12が嵌合している。アッパリンク5は、下端側がアッパピン10を介してロアリンク2の一端に回転可能に連結され、上端側がピストンピン4を介してピストン3に回転可能に連結されている。上記ピストン3は、燃焼圧力を受け、シリンダブロック21のシリンダボア23内を往復動する。
【0012】
コントロールリンク6は、上端側の小端部がコントロールピン9を介してロアリンク2の他端に回転可能に連結され、下端側の大端部が、コントロールシャフト7の偏心軸8に揺動可能に支持されている。上記コントロールシャフト7は、クランクシャフト1と平行に配置されており、上記クランクシャフトベアリングキャップ22と、その下部にさらに取り付けられたコントロールシャフトベアリングキャップ24と、の間に構成された主軸受によって、回転自在に支持されている。上記偏心軸8は、このコントロールシャフト7の回転中心から偏心して形成されている。上記コントロールシャフトベアリングキャップ24は、梯子状のいわゆるベアリングビーム構造をなし、複数個のベアリングキャップが機関前後方向に沿ったビーム部によって一体に連結されている。
【0013】
上記の可変圧縮比アクチュエータ32(図13参照)により、主として機関負荷に応じてコントロールシャフト7の回転位置を変更すると、偏心軸8の中心位置が変化し、コントロールリンク6の下端の揺動中心位置が変化する。これに伴って、ピストン上死点におけるロアリンク2の姿勢が変化し、ピストン上死点におけるピストン3の位置が高くなったり低くなったりする。これにより、機関圧縮比を変えることが可能となる。
【0014】
圧縮比の制御は、典型的には、低負荷状態から加速を開始して高負荷状態に変化するような時には、ノッキングの発生を回避するために高圧縮比から低圧縮比に低下させ、反対に高負荷状態から低負荷状態に変化するときには、燃費を向上させるために低圧縮比から高圧縮比に上昇させる。また可変動弁の制御は、低速低負荷から加速を開始する時には体積効率を増加して加速性能を向上させるために吸気弁閉時期を下死点側に進め、反対に高負荷状態から低負荷状態に変化する時にはポンプ損失を低減して燃費を向上させるために吸気弁閉時期を遅らせる。
【0015】
急加速時のノッキング発生を回避するために、好ましくは、低圧縮比化速度を高圧縮比化速度よりも早くする。言い換えると、図1に示すように、最高圧縮比の設定状態εmaxから最低圧縮比の設定状態εminへの変更時間T1εを、最低圧縮比の設定状態εminから最高圧縮比の設定状態εmaxへの変更時間T2εよりも短くする。このような圧縮比の変化速度(変化時間)に対する可変動弁の変化速度については、従来、考慮されていなかった。
【0016】
以下、本実施例の特徴的な構成及び作用効果について列記する。
【0017】
(1)図1を参照して、低負荷・高圧縮比の設定状態εmaxから低圧縮比側への切替過程すなわち低圧縮比化行程における圧縮比の切替開始から可変動弁機構の切替完了までの時間をT1(s)、高負荷・低圧縮比の設定状態εminから低負荷・高圧縮比側への切替過程すなわち高圧縮比化行程における圧縮比の切替開始から可変動弁機構の切替完了までの時間をT2(s)とすると、T1をT2よりも小さくする(T1<T2)。
【0018】
このようにT1<T2とすることにより、急加速時における可変動弁機構の作動速度が速くなり、急速に吸気弁閉時期を下死点側に進めて体積効率を向上し、加速性能を向上させることができる。一方、高負荷・低圧縮比から低負荷・高圧縮比側への高圧縮比化行程における圧縮比変化速度は、低圧縮比化行程に比べて遅くなるが、この場合の圧縮比上昇は燃費が低下しない程度にゆっくりと変化すれば良いので十分である。
【0019】
また高圧縮比化行程において、仮に圧縮比の変化に対して可変動弁機構によるバルブリフト特性の変化が早くなると、圧縮比が未だ低い状態で体積効率が過渡的に低下してしまい、燃焼状態・機関運転性が低下して、燃費の低下を招くおそれがある。この点でも、低圧縮比化行程に比して高圧縮比化行程における可変動弁機構の作動速度が低いほうが望ましい。
【0020】
(2)本出願人は、高圧縮比時に低油圧化してオイルポンプの仕事を低減し、燃費向上を図る可変圧縮比機関を以前に提案している(特願2003−45709号及び特願2002−360353号等)。この場合、高圧縮比状態から急加速するようなときに可変動弁機構への供給油圧が低下して、その応答性が低下し、所期の加速性能が得られなくなるおそれがある。
【0021】
そこで、図2に示すように、低負荷・高圧縮比εmaxから低圧縮比化開始後、可変動弁機構への供給油圧の変化が完了するまでの時間をT3(s)、高負荷・低圧縮比εminから高圧縮比化開始後、可変動弁機構への供給油圧の変化が完了するまでの時間をT4(s)とすると、T3<T4とする。
【0022】
これにより、急加速時に、低圧縮比化開始後、可変動弁機構への供給油圧が低圧状態から高圧状態に回復するまでの時間T3が短くなるため、可変動弁機構の作動速度が速くなり、上記(1)と同様の効果が得られる。
【0023】
(3)図3を参照して、高圧縮比εhから低圧縮比εlに圧縮比が低下する時に可変動弁機構への油圧供給油路が切り替えられる時間をT5(s)、低圧縮比εlから高圧縮比εhに圧縮比が上昇する時に上記油圧供給油路が切り替えられる時間をT6(s)とすると、T5<T6である。
【0024】
このようにT5<T6とすることで、急加速開始後の圧縮比低下時に、油圧供給油路の切替が迅速に行われ、可変動弁機構を駆動するために必要な油圧を低圧状態から急速に高圧状態に回復することができ、上記(2)と同様の効果が得られる。
【0025】
(4)図4を参照して、作動油は、油圧源としてのオイルポンプ41により加圧され、メインギャラリ42を経て各種オイル供給部位43へ供給されるとともに、メインギャラリ42及びヘッドギャラリ44を経て可変動弁機構33等へ供給される。メインギャラリ42からヘッドギャラリ44への油圧供給油路45とメインギャラリ42からオイルパン48へのオイルリリーフ油路46との上流側の合流油路47の一部47aは、コントロールシャフト7内を直径方向に延びている。このコントロールシャフト7の角度位置に応じて、合流油路47が開閉される。すなわち、可変圧縮比機構の制御部材としてのコントロールシャフト7が、油圧供給油路45とオイルリリーフ油路46との合流油路47の接続状態を切り換える切替弁として機能し、これにより可変動弁機構への供給油圧が切り換えられれる(油圧変更手段)。
【0026】
また、上記油圧供給油路45とは別に、メインギャラリ42とヘッドギャラリ44とを結ぶ副油圧供給油路49が設けられている。この副油圧供給油路49は、上記の油圧供給油路45に比して通路抵抗が大きく設定されている。
【0027】
図4(a)に示すように、主として低速低負荷域で用いられる高圧縮比の設定状態では、コントロールシャフト内の油路47aを通して合流油路47が開かれる。従って、メインギャラリ42の油圧が低下して、無駄なオイルポンプの損失を低減することができる。また、主として通油抵抗の低い油圧供給油路45を経由してヘッドギャラリ44へ潤滑油が供給されるため、ヘッドギャラリ44の油圧低下が相対的に軽減され、可変動弁機構への供給油圧が不足することはない。
【0028】
図4(b)に示すように、低圧縮比の設定状態では、コントロールシャフト内の油路47aが閉じられる。これにより、合流油路47を経由してメインギャラリ42からオイルが排出されることがなく、メインギャラリ42内の油圧が高く維持され、オイル供給部位43へ十分に潤滑油を供給することができる。また、副油圧供給油路49のみを通してメインギャラリ42からヘッドギャラリ44へ潤滑油が供給されるため、ヘッドギャラリ油圧が必要以上に上昇することがない。
【0029】
(5)図5に示すように、可変圧縮比機構31は、アクチュエータ32により機関運転状態に応じてコントロールシャフト7の回転角度を可変制御することにより、機関圧縮比を変更制御することができる。このコントロールシャフト7の回転角度に応じて、油路47aの接続・遮断が切り換えられる。このように、油路47aを含むコントロールシャフト7が、圧縮比の変更に応じて可変動弁機構への油圧供給油路45(及びオイルリリー油路46)の切替を行う切替弁としての機能を兼用することとなり、別途切替弁を設ける場合に比して、部品点数が少なく、構成が簡素化される。
【0030】
(6)図6に示すように、ピストン燃焼荷重がコントロールシャフト7に圧縮比低下方向Fの荷重として伝達するように構成しているため、高圧縮比化するために必要な仕事に比べて低圧縮比化するために必要な仕事の方が小さくなる。そのため、同一出力のアクチュエータで圧縮比を可変にする場合、高圧縮比化よりも低圧縮比化のほうが短時間で完了し、急加速時にノッキングを回避することができる。ただし、圧縮比低下が早いために、効率低下により加速性能は低下する。そこで、低圧縮比化速度を高圧縮比化速度より大きい可変圧縮比機関において、上記(1)〜(3)のように急加速時の可変動弁機構の応答性を高め、体積効率を急速に向上させることで、ノッキングを回避しつつ、加速性能を高めることができる。
(7)図7に示すように、高圧縮比εmaxから低圧縮比εminまでの圧縮比変化期間をT7とし、圧縮比の低下中に、所定の高圧縮比εhのときに油圧供給油路の切替が開始されてから所定の低圧縮比εlの時に油圧供給油路の切替が完了するまでの油路切替期間をT8とすると、T7>T8とする。
【0031】
コントロールシャフト7の回転に伴う油圧供給油路の切替が完了した後、可変動弁機構への供給油圧が低圧状態から高圧状態に回復し、このような高油圧により可変動弁機構が実際に作動を開始するまでには所定の時間を要する。従って、T7>T8として、十分に早く油圧切替を完了することにより、可変動弁機構を十分に早く作動させ、体積効率向上速度を速めることによって、加速性能を向上し、急速な低圧縮比化による熱効率の低下によって加速性能が阻害されることを回避することができる。
(8)図8を参照して、圧縮比切替を開始してから油圧切替開始までの時間をT9とし、油圧切替が完了してから圧縮比変化が完了するまでの時間をT10とすると、T9<T10である。このようにT9<T10とすることにより、高圧縮比化開始後よりも低圧縮比化開始後のほうが可変動弁作動油圧の切替が早くなるため、急加速開始後・低圧縮比化行程における可変動弁作動速度を速めることができる。
【0032】
(9)図9を参照して、圧縮比変化過程(低圧縮比化行程)の所定の中間圧縮比εm時における可変動弁作動油圧をPmとし、上記εmよりも高い高圧縮比εh時における可変動弁作動油圧をPhとし、上記εmよりも低い低圧縮比εl時における可変動弁作動油圧をPlとすると、Pm>PhかつPm>Plである。
【0033】
このように、Pm>PhかつPm>Plとすることにより、急加速開始後・低圧縮比化行程の中間圧縮比εmにおいて可変動弁作動油圧を高めることができるため、可変動弁作動速度を速めることができる。加速開始前の高圧縮比状態εhでは低油圧であるためオイルポンプ仕事を低減し、燃費低下を回避することができる。圧縮比低下完了後(εl)では可変動弁の作動が完了し、高油圧が必要ないため、中間圧縮比時εmよりも油圧を低下することで、オイルポンプ駆動トルクを低減し、トルクを向上することができ、加速性能が向上する。
【0034】
(10)図10を参照して、コントロールシャフト7に、直径方向に延びるオイルリリーフ油路51の一部51aと、同じく直径方向に延びる可変動弁機構への油圧供給油路52の一部52aと、の双方が形成されている。オイルリリーフ油路51は、メインギャラリ42に接続しており、オイルパンにオイルをリリーフする。油圧供給油路52は、メインギャラリ42とヘッドギャラリ(又は可変動弁機構)とを接続している。
【0035】
低圧縮比化行程において、最大圧縮比の設定状態からオイルリリーフ油路51が完全に閉じるまでにコントロールシャフト7が回転する角度をX1とし、最大圧縮比の設定状態から油圧供給油路52が完全に閉じるまでにコントロールシャフト7が回転する角度をX2とすると、X1がX2以下である。このようにX1をX2以下とすることにより、コスト、部品の増加を招くことなく上記(9)の効果を得ることができる。
【0036】
(11)図11を参照して、上記のオイルリリーフ油路51と油圧供給油路52とは、互いに異なる軸方向位置に存在するベアリングキャップ等のコントロールシャフト軸受部53,54にそれぞれ形成されている。つまり、気筒間に位置する第1軸受部53にオイルリリーフ油路51が形成され、この第1軸受部53とは異なる位置で、気筒間に位置する第2軸受部54に、油圧供給油路52が形成されている。このように、異なる軸受部53,54にオイルリリーフ油路と油圧供給油路とをそれぞれ別々に設けることにより、同じ軸受部に複数の油路を形成する場合に比して、油圧制御を精密に行うことができ、耐久性・信頼性が向上する。
【0037】
(12)上記の(11)ではオイルリリーフ油路51と油圧供給油路52との双方を、気筒間に位置する軸受部53,54に形成しているが、機関前壁又は後壁に油路51,52の少なくとも一方を形成しても良い。この場合、気筒間に油路を形成する場合に比して、シリンダブロックの剛性が向上するとともに、燃焼荷重が伝達される気筒間の位置で、コントロールシャフト7内に油路を形成しなくてよいので、荷重受面面積の減少がなく、耐久性を向上させることができる。
【0038】
(13)図12に示すように、上記コントロールシャフト7の所定の回転範囲で、可変動弁機構への油圧供給油路55が接続状態に維持されるように、コントロールシャフト7の軸受部に、周方向に延びる溝56を形成し、かつ、上記油圧供給油路55に、この油路55を開閉する開閉弁としての電磁弁57を設ける。この場合、溝56があるので、コントロールシャフト7が回転しても直ちに油路55が遮断されることがなく、電磁弁57で油路55の連通・遮断を適切に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の特徴に係る低圧縮比化行程と高圧縮比化行程の特性を示す説明図。
【図2】本発明の第2の特徴に係る低圧縮比化行程と高圧縮比化行程の特性を示す説明図。
【図3】本発明の第3の特徴に係る低圧縮比化行程と高圧縮比化行程の特性を示す説明図。
【図4】本発明の第4の特徴に係る高圧縮比時と低圧縮比時での油圧回路を簡略的に示す説明図。
【図5】本発明の第5の特徴に係る可変圧縮比機構を示す断面対応図。
【図6】本発明の第6の特徴に係る可変圧縮比機構の低圧縮比時と高圧縮比時の態様を示す説明図。
【図7】本発明の第7の特徴に係る低圧縮比化行程の特性を示す説明図。
【図8】本発明の第8の特徴に係る低圧縮比化行程の特性を示す説明図。
【図9】本発明の第9の特徴に係る低圧縮比化行程の特性を示す説明図。
【図10】本発明の第10の特徴に係る油路を簡略的に示す説明図。
【図11】本発明の第11の特徴に係る油路を簡略的に示す説明図。
【図12】本発明の第13の特徴に係る油路を簡略的に示す説明図。
【図13】本発明の一実施例に係るレシプロ式可変圧縮比機関を示す概略構成図。
【符号の説明】
31…可変圧縮比機構
33…可変動弁機構

Claims (13)

  1. 機関圧縮比を可変とする可変圧縮比機構と、
    吸・排気弁のバルブリフト特性を可変とする可変動弁機構と、を有し、
    上記可変圧縮比機構による高圧縮比側から低圧縮比側への低圧縮比化行程における変更開始から可変動弁機構によるバルブリフト特性の切替完了までの時間が、可変圧縮比機構による低圧縮比側から高圧縮比側への高圧縮比化行程における変更開始から可変動弁機構によるバルブリフト特性の切替完了までの時間よりも短いことを特徴とするレシプロ式可変圧縮比機関。
  2. 機関圧縮比を可変とする可変圧縮比機構と、
    供給油圧に応じて作動し、吸・排気弁のバルブリフト特性を可変とする可変動弁機構と、
    機関圧縮比に応じて上記可変動弁機構への供給油圧を変更する油圧変更手段と、を有し、
    上記可変圧縮比機構による高圧縮比側から低圧縮比側への低圧縮比化行程における変更開始から上記油圧変更手段による油圧変更完了までの時間が、可変圧縮比機構による低圧縮比側から高圧縮比側への高圧縮比化行程における変更開始から上記油圧変更手段による油圧変更完了までの時間よりも短いことを特徴とするレシプロ式可変圧縮比機関。
  3. 油圧源と可変圧縮比機構とを接続する油圧供給油路と、機関圧縮比に応じて油圧供給油路の接続状態を切り換える切替手段と、を有し、
    上記低圧縮比化行程における油圧供給油路の切替時間が、高圧縮比化行程における油圧供給油路の切替時間よりも短いことを特徴とする請求項2に記載のレシプロ式可変圧縮比機関。
  4. 機関圧縮比の変更時に機械的に作動される制御部材を有し、
    上記油圧供給油路の一部が制御部材に形成されており、制御部材が作動することにより、上記油圧供給油路の接続状態が切り換えられる請求項2又は3に記載のレシプロ式可変圧縮比機関。
  5. 上記可変圧縮比機構が、クランクシャフトのクランクピンに回転可能に装着されたロアリンクと、このロアリンクとピストンとを連携するアッパリンクと、コントロールシャフトと、このコントロールシャフトに偏心して設けられた偏心軸と、この偏心軸とロアリンクとを連携するコントロールリンクと、コントロールシャフトの回転角度を変更する可変圧縮比アクチュエータと、を有し、
    上記油圧供給油路の一部がコントロールシャフトに形成され、コントロールシャフトの回転角度に応じて油圧供給油路の接続状態が切り換えられることを特徴とする請求項2又は3に記載のレシプロ式可変圧縮比機関。
  6. ピストン燃焼荷重がコントロールシャフトに低圧縮比化方向への荷重として伝達することを特徴とする請求項5に記載のレシプロ式可変圧縮比機関。
  7. 上記油圧供給油路の切替期間が圧縮比変化期間よりも短いことを特徴とする請求項2〜6のいずれかに記載のレシプロ式可変圧縮比機関。
  8. 低圧縮比化行程では、圧縮比切替開始から油圧切替開始までの時間が、油圧切替完了から圧縮比切替完了までの時間よりも短いことを特徴とする請求項7に記載のレシプロ式可変圧縮比機関。
  9. 圧縮変化行程では、中間圧縮比εmにおける可変動弁機構への供給油圧Pmが、上記εmよりも高い圧縮比εhにおける可変動弁機構への供給油圧Phよりも高く、かつ、上記εmよりも低い圧縮比εlにおける可変動弁機構への供給油圧Plよりも高くなるように、機関圧縮比に応じて可変動弁機構への供給油圧が調整されることを特徴とする請求項8に記載のレシプロ式可変圧縮比機関。
  10. 上記コントロールシャフトに、オイルリリーフ油路の一部と可変動弁機構への油圧供給油路の一部とが形成され、コントロールシャフトの回転角度に応じてオイルリリーフ油路の接続状態が切り換えられるとともに、油圧供給油路の接続状態が切り換えられ、
    低圧縮比化行程において、最大圧縮比の設定状態からオイルリリーフ通路が閉じるまでにコントロールシャフトが回転する角度をX1、最大圧縮比の設定状態から油圧供給油路が閉じるまでにコントロールシャフトが回転する角度をX2とすると、X1がX2以下であることを特徴とする請求項5に記載のレシプロ式可変圧縮比機関。
  11. 上記コントロールシャフトを回転可能に支持する複数の軸受部の少なくとも1つの第1軸受部にオイルリリーフ油路が形成され、上記第1軸受部を除く少なくとも1つの第2軸受部に上記油圧供給油路が形成されていることを特徴とする請求項10に記載のレシプロ式可変圧縮比機関。
  12. 上記オイルリリーフ油路と油圧供給油路の少なくとも一方が、機関前壁又は後壁に形成されていることを特徴とする請求項10に記載のレシプロ式可変圧縮比機関。
  13. 上記コントロールシャフトの所定の回転範囲で油圧供給油路が接続状態に維持されるように、上記コントロールシャフトの軸受部に周方向に延びる溝を形成し、
    かつ、上記油圧供給油路を開閉する開閉弁を設けたことを特徴とする請求項10〜12のいずれかに記載のレシプロ式可変圧縮比機関。
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