JP4168851B2 - カラオケ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、カラオケ装置に関し、特にはカラオケ演奏時の歌詞表示方式の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
カラオケ装置は、カラオケ曲を演奏するとともに、その演奏に同期して画面に歌詞テロップを表示する。一般的にカラオケ曲は、複数コーラス(1番、2番、3番等)の歌唱区間を有しており、同じメロディを繰り返しながら異なる歌詞を歌唱するようになっている。したがって、上記歌詞テロップもこの歌唱をガイドするように各コーラス毎に異なる歌詞を表示するようになっている。
【0003】
一方、上記のような複数コーラスからなるカラオケ曲の場合に、1番よりも2番を先に歌いたいという希望や1番(または2番)を2回歌いたいという希望があるのも事実であり、このような歌唱者のために、歌詞データの順番を入れ換えて表示するようにしたカラオケ装置も提案されている(例えば、特許文献1)。
【0004】
【特許文献】
特開平9−330090号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
一般的なカラオケ曲は、1番、2番、3番、・・が均等に並んでいるわけではなく、たとえば、1番のコーラスの前に前奏があり、2番のコーラスのあとに間奏があり、3番のコーラスのあとに歌唱のエンディング(クライマックス)と後奏があるというような構成になっている。
【0006】
しかし、上記特許文献に記載されたカラオケ装置では、ただ単に歌詞データを1番歌詞データ、2番歌詞データ、3番歌詞データに分割して順序を入れ換えているのみであるため、入れ換えられた歌詞データの表示タイミングを正確に演奏データの歌唱タイミングと一致させることは困難であった。また、1番、2番、3番、・・のコーラスの歌詞の位置を演奏データや歌詞データのみから判断することは困難である。
【0007】
この発明は、複数コーラスのカラオケ曲の各コーラスの歌詞を任意且つ正確に入れ換えてカラオケ曲の演奏に合わせて表示することのできるカラオケ装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、楽音を発生するための演奏データトラック、歌詞テロップを表示するための歌詞データトラック、および、歌唱の1番、2番、3番、・・等のコーラスの区切りを示すマークデータが書き込まれたマークデータトラックを有する曲データを記憶した不揮発性記憶手段と、カラオケ曲を演奏するときに、曲データを前記不揮発性記憶手段から一時記憶手段に読み出すデータ読出手段と、前記データ読出手段によって読み出された曲データをテンポクロックに基づいて順次読み出すことにより演奏動作を実行する演奏手段と、を有するカラオケ装置であって、前記データ読出手段は、曲データを不揮発性記憶手段から一時記憶手段に読み出すとき、前記マークデータに基づいて歌詞データトラックの第1のコーラス区間の歌詞データを切り出し、切り出された第1のコーラス区間の歌詞データを、演奏のテンポに合わせて伸縮させることによって第2のコーラス区間の長さと一致させ、前記一時記憶手段の前記第2のコーラス区間に対応する位置にはめ込むことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、曲データを指定する選曲コードに前記第1のコーラス区間、第2のコーラス区間の一方または両方を指定するコーラス指定コードが付加されたコード列の入力を受け付ける選曲手段をさらに備え、
前記データ読出手段は、前記選曲コードで指定された曲データを読み出すとともに、第1のコーラス区間の歌詞データを第2のコーラス区間に対応する位置にはめ込む処理を前記コーラス指定コードで指定されたコーラス区間について行うことを特徴とする。
【0009】
<作用>
この発明のカラオケ装置は、カラオケ曲の楽音を発生するための演奏データトラック、歌詞テロップを表示するための歌詞データトラックに加えて、歌唱の1番、2番、3番、・・等のコーラスの区切りを示すマークデータが書き込まれたマークデータトラックを有する曲データを記憶している。
【0010】
このようにマークデータトラックを演奏データトラック、歌詞データトラックと平行して配置したことにより、コーラスの1番、2番、3番、・・の歌唱区間が、歌詞データトラック上でどの区間であるかが明確にわかり、歌詞データの切り出しが容易になる。
【0011】
また、この発明では、マークデータに基づいて1番、2番、3番、・・等のコーラス区間の歌詞データを切り出し、一時記憶手段の各コーラス番号の区間に任意のコーラスの歌詞データをはめ込む。これにより、各コーラス番号の区間で任意のコーラスの歌詞を表示させることができる。また、マークデータに基づいて歌唱区間の歌詞データを正確に切り出し、且つ正確にはめ込むことができるため、別のコーラス番号の歌詞データをはめ込んだ場合でも演奏と歌詞表示がずれることがない。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明の実施形態であるカラオケ装置のブロック図である。このカラオケ装置では、曲データに基づいてカラオケ曲を演奏するとともに、歌詞テロップをモニタ22に表示する。通常のカラオケ演奏では曲の進行に応じて1番、2番、3番、・・の歌詞を順番に表示するが、歌詞入れ換えモードが設定されると、たとえば、1番の歌詞を2番、3番の演奏中にも繰り返して表示するなど、演奏のコーラス順とは異なる自由な順序で(繰り返して)歌詞テロップを表示することができる。
【0013】
カラオケ曲を演奏するための曲データはハードディスク12に記憶されている。ハードディスク12には、曲データを記憶する曲データ記憶エリア121のほか、CPU10が実行する各種のプログラムを格納するプログラム記憶エリア120、背景映像用の映像データを記憶する映像データ記憶エリア122が設定されている。
【0014】
CPU10は、カラオケ曲の演奏動作を制御する演奏プログラム100を実行する。演奏プログラム100は、曲シーケンサ101、歌詞シーケンサ102および背景映像制御プログラム103等を含んでいる。演奏プログラム100は、曲番号の入力によるカラオケ曲の選曲を制御するとともに、選曲されたカラオケ曲の曲データをハードディスク12からRAM11に読み出す処理などを実行する。曲シーケンサ101は、RAM11に読み出された曲データの演奏データトラックのデータをテンポクロックにしたがって読み出し、読み出した演奏データ(イベントデータ)を音源13に入力する処理などを実行する。歌詞シーケンサ102は、RAM11に読み出された曲データの歌詞データトラックをテンポクロックにしたがって読み出し、読み出したデータ(歌詞表示データ)に基づいて歌詞テロップを合成する処理などを実行する。背景映像制御プログラム103は、カラオケ曲の演奏と並行して表示する背景映像の読み出しを制御するプログラムであり、ハードディスク12に記憶されているMPEGフォーマットで圧縮されている複数の映像データから適当なものを選択してMPEGデコーダ16に入力する。
【0015】
この演奏プログラム100は、カラオケ装置の起動時にハードディスク12からRAM11に読み出され、CPU10によって実行される。RAM11には、この演奏プログラム100などが読み出されるプログラム読出エリア110、演奏するカラオケ曲の曲データが読み出される曲データ読出エリア111などが設定されている。この曲データ読出エリア111がこの発明の一時記憶手段に対応する。
【0016】
音源13は、曲シーケンサ101から入力されたイベントデータに基づいてカラオケ曲の楽音を発生する。発生した楽音はコントロールアンプ14に入力される。コントロールアンプ14にはマイク20から歌唱音声信号も入力される。コントロールアンプ20は、歌唱音声信号およびカラオケ曲の楽音をミキシングしてスピーカ21から出力する。
【0017】
表示制御部15は、歌詞シーケンサ102から入力された歌詞テロップの画像信号をMPEGデコーダ16から入力された背景映像信号上にスーパーインポーズ合成してモニタ22上に表示する。MPEGデコーダ16は、ハードディスク12から読み出された映像データをデコードしてNTSCの映像信号に変換する。
【0018】
図2は曲データの構成を示す図である。曲データは、演奏データトラック、歌詞データトラック、マークデータトラックなどを含んでいる。演奏データトラックは、複数パートの楽器の演奏データが書き込まれたトラックであり、このデータ(イベントデータ)を音源13に入力することによって、楽音が発生される。
【0019】
歌詞データトラックは、歌詞を表示するための歌詞表示データ(文字コード、表示座標、表示開始タイミング、消去タイミング)が時系列に書き込まれたトラックであり、このデータも演奏データトラックのデータと同様にテンポクロックにより、曲の進行に応じて読み出される。
【0020】
マークデータトラックは、カラオケ曲の曲中の種々の区切り毎に付されるマークデータが書き込まれたトラックである。マークデータとしては、前奏がスタートする位置に付される前奏スタートマーク、前奏が終わって1番(コーラス1)がスタートする位置に付されるコーラス1スタートマーク、2番(コーラス2)がスタートする位置に付されるコーラス2スタートマーク、間奏がスタートする位置に付される間奏スタートマーク、歌唱がエンディングに入る位置に付されるエンディングスタートマーク、歌唱が終わって後奏がスタートする位置に付される後奏スタートマークなどがある。この図では、コーラス1スタートマークからコーラス2スタートマークまでの間が1番(コーラス1)、コーラス2スタートマークから間奏スタートマークまでの間が2番(コーラス2)、コーラス3スタートマークからエンディングスタートマークまでの間が3番(コーラス3)であることがわかる。
【0021】
曲データは、これ以外のトラックや書誌データが書き込まれたヘッダ等も含んでいるが、説明を簡略化するため上記以外のトラックやヘッダの図示および説明は省略する。
【0022】
ハードディスク12の曲データ記憶エリア121には、同図左側のように各トラックのデータが時間軸を一致させて記憶されている。通常モードでこの曲がリクエストされた場合には、CPU10は、この曲データをそのままRAM11の曲データ読出エリア111に読み出す。一方、歌詞入れ換えモードでリクエストされた場合には、演奏データトラックおよびマークデータトラックは、そのまま読み出されてRAM11の曲データ読出エリア111に転記されるが、歌詞トラックデータについては、一旦歌詞データトラックをそのまま曲データ読出エリア111に転記するが、そののち1番、2番、3番の区間の歌詞データを切り出し、切り出した区間歌詞データを歌唱者が指定した位置にはめ込んで、歌詞の順序を変更、または同じ歌詞を複数回表示するようにする。このとき、各イベントデータである歌詞表示データの読み出しタイミング(時刻)を指定するデータ(デュレーションデータ)も、そのはめ込みの位置に応じてシフトする。
【0023】
このような歌詞の入れ換えは、1番、2番、3番、・・の各コーラス区間の楽曲形式が全く同じ曲の場合には、切り出した1番、2番、3番、・・のコーラス区間の歌詞データを他のコーラス区間の位置にはめ込むことで容易に行うことができる。また、各コーラス区間の楽曲形式が異なる場合には、マークデータトラックにその内容をマークとして書き込んでおき、コーラス区間の歌詞の一部を省略したり、繰り返したりすることで、はめ込む区間の形式に合わせるようにすればよい。
【0024】
また、1番、2番、3番、・・の各コーラス区間の楽曲形式が同じであっても、各コーラスの演奏の変化によって演奏時間が若干異なる場合がある。このような場合には、上記のデュレーションデータを書き換えるときに、そのはめ込むコーラス区間の長さに応じて歌詞データの長さを伸縮するように書き換えればよい。
【0025】
図3のフローチャートを参照してこのカラオケ装置の動作を説明する。
【0026】
ここで、このフローチャートでは、歌詞入れ換えモードの一例として1番モードの選曲動作および演奏準備動作について説明する。1番モードとは、カラオケ曲中の1番、2番、3番、・・の各コーラスにおいて全て1番の歌詞を表示するモードである。
【0027】
カラオケ曲の選曲は、リモコン装置から曲番号を入力することによって行われる。曲番号は6桁の数字からなり、この曲番号がそのまま入力されると通常モードの選曲として扱い、この曲番号にさらに1の数字を付加した7桁の数字列が入力されると、この曲番号の入力を1番モードの選曲として扱う。
【0028】
図3において、曲番号が入力されると(s1)、この曲番号(6桁)にさらに数字が付加されているかをチェックする(s2)。付加されていない場合には、通常モードの選曲であるため、ハードディスク12に記憶している曲データをそのままRAMの曲データ読出エリア111に転記する(s3)。一方、数字が付加されている場合には(s2)、その数字が1であるかを判定する(s4)。付加されていた数字が1でなかった場合には、その付加番号で指定される他の処理に進む。付加されていた数字が1であれば、「1番モード」の選曲であるため、s5で1番モードに応じた曲データの読み出しを実行する(s5)。
【0029】
ここで、1番モードに応じた曲データの読み出しとは、上記歌詞入れ換えモードで、全てのコーラス区間に1番の歌詞データをはめ込むような読み出しである。すなわち、演奏データトラック、マークデータトラックは、そのままハードディスク12からRAM11の曲データ読出エリア111に読み出し、歌詞データトラックは一旦そのまま曲データ読出エリア111に読み出し、その上から1番の歌詞データを全てのコーラス区間にはめ込む。これにより、この曲データを演奏すると、カラオケ曲の演奏は1番、2番、3番、・・、エンディング、と進行するが、歌詞の表示は、1番の歌詞が繰り返し表示される。
【0030】
こののち、カラオケ曲の演奏動作に進む。カラオケ曲の演奏動作は、指定されたテンポでテンポクロックを動作させ、このテンポクロックのカウントアップにしたがって、そのタイミングに指定されているイベントデータを読み出し、このイベントデータで指定された処理を実行してゆくものである。上記の読出処理により、曲データの歌詞データトラックが書き換えられているため、通常どおりの演奏処理を行えば歌唱者が設定した順番で歌詞を表示することができる。
【0031】
なお、上記実施形態では、曲番号に1を付加することにより、この付加番号が付された曲番号をカラオケ装置に入力することによって、歌詞入れ換えモードを指示するようにしており、モード切り換え用のキースイッチなどのハードウェアが不要である。ただし、歌詞入れ換えモードの指示方式はこれに限定されない。
【0032】
また、上記フローチャートでは、曲番号に1の数字が付加されたとき、全コーラスで1番の歌詞を繰り返すモード(1番モード)で演奏するようにしているが、これを発展させて、曲番号にn(=任意の数値)が付加されたとき、全コーラスでn番の歌詞を繰り返すモードで演奏するようにしてもよい。また、曲番号のあとに、223などの複数の数字を付加することにより、その曲のn(=1,2,3,・・)番の演奏時にどのコーラス番号の歌詞を表示するかを順番に指定できるようにしてもよい。
【0033】
【発明の効果】
以上のようにこの発明によれば、複数コーラスからなるカラオケ曲で、歌詞データトラックのデータを各コーラス毎に切り出して入れ換えることができるため、歌唱者は、自分の好きな順番の歌詞で歌唱したり、好きなコーラスの歌詞のみを繰り返し歌唱することができる。また、マークデータトラックに基づいて歌詞の切り出し・はめ込みを行うため、演奏と歌詞表示のタイミングがずれることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態であるカラオケ装置のブロック図
【図2】同カラオケ装置の曲データの構成例を示す図
【図3】同カラオケ装置の動作を示すフローチャート
【符号の説明】
1…カラオケ装置、10…CPU、11…RAM、12…ハードディスク、13…音源、14…コントロールアンプ、15…表示制御部、16…MPEGデコーダ、20…マイク、21…スピーカ、22…モニタ、
100…演奏プログラム、101…曲シーケンサ、102…歌詞シーケンサ、103…背景映像制御プログラム、
110…プログラム読出エリア、111…曲データ読出エリア、
120…プログラム記憶エリア、121…曲データ記憶エリア、122…映像データ記憶エリア
Claims (2)
- 楽音を発生するための演奏データトラック、歌詞テロップを表示するための歌詞データトラック、および、歌唱の1番、2番、3番、・・等のコーラスの区切りを示すマークデータが書き込まれたマークデータトラックを有する曲データを記憶した不揮発性記憶手段と、
カラオケ曲を演奏するときに、曲データを前記不揮発性記憶手段から一時記憶手段に読み出すデータ読出手段と、
前記データ読出手段によって読み出された曲データをテンポクロックに基づいて順次読み出すことにより演奏動作を実行する演奏手段と、
を有するカラオケ装置であって、
前記データ読出手段は、曲データを不揮発性記憶手段から一時記憶手段に読み出すとき、前記マークデータに基づいて歌詞データトラックの第1のコーラス区間の歌詞データを切り出し、切り出された第1のコーラス区間の歌詞データを、演奏のテンポに合わせて伸縮させることによって第2のコーラス区間の長さと一致させ、前記一時記憶手段の前記第2のコーラス区間に対応する位置にはめ込むことを特徴とするカラオケ装置。 - 曲データを指定する選曲コードに前記第1のコーラス区間、第2のコーラス区間の一方または両方を指定するコーラス指定コードが付加されたコード列の入力を受け付ける選曲手段をさらに備え、
前記データ読出手段は、前記選曲コードで指定された曲データを読み出すとともに、第1のコーラス区間の歌詞データを第2のコーラス区間に対応する位置にはめ込む処理を前記コーラス指定コードで指定されたコーラス区間について行う請求項1に記載のカラオケ装置。
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