JP4168750B2 - 超微細粒組織を有し疲労特性に優れる溶融亜鉛めっき冷延鋼板の製造方法 - Google Patents

超微細粒組織を有し疲労特性に優れる溶融亜鉛めっき冷延鋼板の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車や家電、さらには機械構造用鋼としての用途に供して好適な溶融亜鉛めっき冷延鋼板、とくに超微細粒組織を有し、強度、延性および疲労特性に優れる高張力溶融亜鉛めっき冷延鋼板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車用、家電用および機械構造用鋼板として用いられる鋼材には、通常、加工性と共に耐食性が要求されることから、種々の表面処理鋼板が用いられている。その中でも、溶融亜鉛めっき鋼板は、高度な耐食性を有しているだけでなく、再結晶焼鈍および亜鉛めっきを同一ラインで処理できる連続溶融亜鉛めっきライン(CGL)により、極めて安価に製造できるという利点を備えている。また、上記の溶融亜鉛めっき後に直ちに加熱して合金化処理を行った、いわゆる合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、とりわけ耐食性に優れている。
【0003】
一方、自動車用、家電用および機械構造用鋼板として用いられる鋼材には、強度、加工性といった機械的性質の他、疲労特性(耐久性ともいう)に優れていることも要求される、かような性質を総合的に向上させる手段としては組織を微細化することが有効であることから、これまでにも、微細組織を得るための製造方法が数多く提案されてきた。
【0004】
組織の微細化手段としては、従来から大圧下圧延法が知られている。この大圧下圧延法における組織の微細化機構の要点は、オーステナイト粒に大圧下を加えて、γ−α歪誘起変態を促進させることにある(例えば特許文献1、特許文献2参照)。
また、制御圧延法や制御冷却法を適用した場合などについても知られている(例えば特許文献3参照)。
【0005】
その他、素材鋼について、少なくとも一部がフェライトからなる鋼組織としておき、これに塑性加工を付加しつつ変態点(Ac1点)以上の温度域に昇温するか、この昇温に続いてAc1点以上の温度域に一定時間保持して、組織の一部または全部を一旦オーステナイトに逆変態させたのち、超微細オーステナイト粒を出現させ、その後冷却して平均結晶粒径が5μm 以下の等方的フェライト結晶粒を主体とする組織にする技術が提案されている(例えば特許文献4参照)。
【0006】
一方、高強度鋼板に求められる加工性や疲労特性を向上させるための手段としては、疲労亀裂の伝播を阻害する役目を担う硬質の第2相(主としてマルテンサイト)の存在や析出物の制御を行うことも知られており、熱延鋼板に析出強化と組織強化の両方を適用して優れた疲労特性と加工性を具備した鋼板を得る技術が提案されている(例えば特許文献5参照)。
この技術は、硬質な第2相が亀裂伝播を抑制(硬質第2相の存在による疲労亀裂進展の偏向効果と考えられる)して、疲労特性を向上させ、同時に析出物が軟質のフェライト相を強化して第2相とフェライトとの硬度差が縮小する結果、変形箇所が分散するため、穴拡げ性すなわち伸びフランジ性が向上するとされている。
【0007】
以上のような技術は全て、熱延プロセスにおいて結晶粒を微細化する技術、すなわち熱延板の微細粒化を狙った技術である。
環境問題に配慮して自動車の車体軽量化を進めるためには、高強度鋼を積極的に適用して板厚を薄くすることが効果的であるが、高強度綱になるほど組織制御のために添加される合金元素が増えるため、一般にはより大きな圧延荷重が必要になり、板厚の薄い熱延鋼板を製造することが困難になる。このような製造上の理由から、高強度薄物材料には冷延鋼板さらには耐食性を具備した溶融亜鉛めっき鋼板の需要が多い。
ところが、冷延鋼板に対しては、通常の冷間圧延−焼鈍プロセスにおいて結晶粒を微細化する技術はほとんど見当たらない。
【0008】
【特許文献1】
特開昭53−123823号公報(特許請求の範囲)
【特許文献2】
特公平5−65564 号公報(特許請求の範囲)
【特許文献3】
特開昭63−128117号公報(特許請求の範囲)
【特許文献4】
特開平2−301540号公報(特許請求の範囲)
【特許文献5】
特開平5−179396号公報(特許請求の範囲)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の現状に鑑み開発されたもので、自動車用、家電用および機械構造用鋼板として用いられる耐食性に優れた溶融亜鉛めっき鋼板について、その微細粒化を可能ならしめ、併せて疲労特性も改善した溶融亜鉛めっき冷延鋼板の有利な製造方法提案することを目的とする。
【0010】
ここに、本発明における溶融亜鉛めっき冷延鋼板の強度、加工性および疲労特性の目標値は次のとおりである。
・引張強さ(TS)≧ 590 MPa
・強度−伸びバランス(TS×El)≧ 17500 MPa・%
・疲労限FLと引張強さTSの比FL/TS ≧0.45
【0011】
【課題を解決するための手段】
さて、発明者らは、溶融亜鉛めっき冷延鋼板について、超微細粒化および上記課題を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、合金元素を適正に調整して鋼板の再結晶温度とA1 およびA3 変態温度を制御した上で、冷延後の再結晶焼鈍温度およびその後の冷却速度を最適化することにより、平均結晶粒径が3.5 μm 以下の超微細粒組織が得られ、さらに溶融亜鉛めっきを施すために必要な熱履歴を適正化することで第2相を最適化させることができ、かくして強度−延性バランスのみならず、疲労特性が格段に向上することの知見を得た。
また、さらに巻取り温度を最適化することにより、さらに疲労特性が向上するとの知見を得た。
本発明は、上記の知見に立脚するものである。
【0015】
すなわち、本発明の要旨構成は次のとおりである。
.質量%で、
C:0.03〜0.16%、
Si:2.0 %以下、
Mn:3.0 %以下および/またはNi:3.0 %以下、
Ti:0.2 %以下および/またはNb:0.2 %以下、
Al:0.01〜0.1 %、
P:0.1 %以下、
S:0.02%以下および
N:0.005 %以下
で、かつC,Si, Mn, Ni, TiおよびNbが下記(1), (2), (3) 式をそれぞれ満足する範囲において含有し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成になる鋼素材を、1200℃以上に加熱したのち、熱間圧延を行い、巻取り後、冷間圧延を施したのち、下記(6) 式で求められる温度A3 (℃) 以上、(A3 +30)(℃)以下で再結晶焼鈍を施し、その後 600℃まで5℃/s以上の速度で冷却し、ついで酸洗後、下記(5)式で求められる(A1+70)(℃)以上、A3 (℃) 以下の温度範囲で熱処理を行い、その後溶融亜鉛めっき処理温度まで5℃/s以上の速度で冷却し、溶融亜鉛めっきを施したのち、300 ℃まで5℃/s以上の速度で冷却するか、上記の溶融亜鉛めっき後、さらに合金化処理を施したのち、300 ℃まで5℃/s以上の速度で冷却することを特徴とする、超微細粒組織を有し疲労特性に優れる溶融亜鉛めっき冷延鋼板の製造方法。

637.5 +4930{Ti* + (48/93)・[%Nb] }≧A1 --- (1)
3 ≦ 860 --- (2)
[%Mn] + [%Ni]≧ 1.3 --- (3)
ただし、
Ti* = [%Ti]− (48/32)・[%S] − (48/14)・[%N] --- (4)
1 = 727+14[%Si] −28.4[%Mn] −21.6[%Ni] --- (5)
3 = 920+ 612.8[%C]2− 507.7[%C] + 9.8[%Si]3
− 9.5[%Si]2+ 68.5[%Si]+2[%Mn]2− 38[%Mn]
+ 2.8[%Ni]2− 38.6[%Ni]+102[%Ti]+51.7[%Nb] --- (6)
また、[%M] はM元素の含有量(質量%)
【0016】
.上記において、巻取り温度が 750℃以下、 650℃以上であることを特徴とする、超微細粒組織を有し疲労特性に優れる溶融亜鉛めっき冷延鋼板の製造方法。
【0017】
.上記またはにおいて、鋼素材が、さらに質量%で、
Mo:1.0 %以下および
Cr:1.0 %以下
のうちから選んだ一種または二種を含有する組成になることを特徴とする、超微細粒組織を有し疲労特性に優れる溶融亜鉛めっき冷延鋼板の製造方法。
【0018】
.上記1,2またはにおいて、鋼素材が、さらに質量%で、
Ca, REMおよびBのうちから選んだ一種または二種以上を合計で 0.005%以下
含有する組成になることを特徴とする、超微細粒組織を有し疲労特性に優れる溶融亜鉛めっき冷延鋼板の製造方法。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体的に説明する。
まず、本発明において鋼の成分組成を上記の範囲に限定した理由について説明する。なお、成分に関する「%」表示は特に断らない限り質量%を意味するものとする。
C:0.03〜0.16%
Cは、安価な強化成分であるだけでなく、マルテンサイトを生成させる上でも有用な元素である。しかしながら、含有量が0.03%に満たないとその添加効果に乏しく、一方0.16%を超えて含有させると延性や溶接性が劣化するため、Cは0.03〜0.16%の範囲に限定した。
【0020】
Si:2.0 %以下
Siは、固溶強化成分として、強度−伸びバランスを改善しつつ強度を向上させるのに有効に寄与するが、過剰な添加は、延性や表面性状、溶接性を劣化させるので、Siは 2.0%以下で含有させるものとした。なお、好ましくは0.01〜0.6 %の範囲である。
【0021】
Mn:3.0 %以下および/またはNi:3.0 %以下
MnおよびNiはいずれも、オーステナイト安定化元素であり、A1 ,A3 変態点を低下させる作用を通じて結晶粒の微細化に寄与し、また第2相の形成を進展させる作用を通じて強度−延性バランスを高める作用を有する。しかしながら、多量の添加は鋼を硬質化し、却って強度−延性バランスを劣化させるので、いずれも 3.0%以下で含有させるものとした。
なお、Mnは、有害な固溶SをMnSとして無害化する作用も併せて有するので、0.1 %以上含有させることが好ましい。また、Niは0.01%以上含有させることが好ましい。
【0022】
Ti:0.2 %以下および/またはNb:0.2 %以下
Ti, Nbを添加することによって、TiCやNbC等が析出し、鋼板の再結晶温度が上昇する効果がある。そのためには、それぞれ0.01%以上含有させることが好ましい。そして、これらは各々単独で添加しても複合して添加してもよいが、いずれも 0.2%を超えて添加しても効果が飽和するだけでなく、析出物が多くなりすぎてフェライトの延性の低下を招くので、いずれも 0.2%以下で含有させるものとした。
【0023】
Al:0.01〜0.1 %
Alは、脱酸剤として作用し、鋼の清浄度に有効な元素であり、脱酸の工程で添加することが望ましい。ここに、Al量が0.01%に満たないとその添加効果に乏しく、一方 0.1%を超えると効果は飽和し、むしろ製造コストの上昇を招くので、Alは0.01〜0.1 %の範囲に限定した。
【0024】
P:0.1 %以下
Pは、延性の大きな低下を招くことなく安価に高強度化を達成する上で有効な元素であるが、一方で多量の含有は加工性や靱性の低下を招くので、Pは 0.1%以下で含有させるものとした。なお、加工性や靱性に対する要求が厳しい場合には、Pは低減させることが好ましいので、この場合には0.02%以下とすることが望ましい。
【0025】
S:0.02%以下
Sは、熱延時における熱間割れの原因になるだけでなく、鋼板中にMnS等の介在物として存在し延性や伸びフランジ性の劣化を招くので、極力低減することが望ましいが、0.02%までは許容できるので、本発明では0.02%以下とした。
【0026】
N:0.005 %以下
窒素は、時効劣化をもたらす他、降伏延びの発生を招くことから、0.005 %以下に抑制するものとした。
【0027】
以上、基本成分について説明したが、本発明ではその他にも、以下に述べる元素を適宜含有させることができる。
Mo:1.0 %以下およびCr:1.0 %以下のうちから選んだ一種または二種
Mo,Crはいずれも、強化成分として、必要に応じて含有させることができるが、多量の添加はかえって強度−延性バランスを劣化させるので、それぞれ 1.0%以下で含有させることが望ましい。なお、上記の作用を十分に発揮させるには、Mo, Crはそれぞれ0.01%以上含有させることが好ましい。
【0028】
Ca, REM およびBのうちから選んだ一種または二種以上を合計で 0.005%以下
Ca, REM,Bはいずれも、硫化物の形態制御や粒界強度の上昇を通じて加工性を改善する効果を有しており、必要に応じて含有させることができる。しかしながら、過剰な含有は清浄度に悪影響を及ぼすおそれがあるため、合計で 0.005%以下とするのが望ましい。なお、上記した作用を十分に発揮させるにはCa, REM,Bのうちから選んだいずれか一種または二種以上を0.0005%以上含有させることが好ましい。
【0029】
以上、適正な成分組成範囲について説明したが、本発明では各成分が上記の組成範囲を単に満足しているだけでは不十分で、C,Si, Mn, Ni, TiおよびNbについては、下記(1), (2), (3) 式をそれぞれ満足する範囲で含有させる必要がある。
Figure 0004168750
また、[%M] はM元素の含有量(質量%)
【0030】
なお、上記のA1 , A3 はそれぞれ、鋼のAc1変態点温度(℃)、Ac3変態点温度(℃)の予測値であり、発明者らの詳細な基礎実験から導出された成分回帰式である。この予測値温度(℃)は、2℃/s以上、20℃/s以下の昇温速度で加熱する際に適用して特に好適である。
【0031】
以下、上記の(1), (2), (3) 式の限定理由を順に説明する。
(1) 式は、Ti,Nbの添加量を規定する条件であり、以下の知見に基づく。
一般に、Ti,Nbを添加するとTiCやNbC等が析出し、鋼板の再結晶温度が上昇する効果があることが知られている。そこで、Ti,Nb添加量と再結晶温度Treの関係について詳細に調査したところ、Ti,Nbをある量以上添加すると、再結晶温度は上記(6) 式で算出されるA3 と等価になることが判明した。
【0032】
図1に、A1 =700 ℃、A3 =855 ℃に調整した鋼組成において、Ti,Nb添加量を種々に変更した場合のTi,Nb添加量と再結晶温度Treとの関係について調べた結果を示す。なお、ここで再結晶温度Treは、加熱温度を種々に変化させて連続焼鈍を実験室的に行い、硬度を測定すると共に組織を観察することにより決定した。また、Ti添加量はTiCを析出させる上での有効Ti量としてTi* を用い、Nb添加量はTiに換算するため 48/93・[%Nb] を用いて、Ti, Nb添加量と再結晶温度との関係について表わしている。
同図によれば、 637.5+4930{Ti* + (48/93)・[%Nb] }が 700℃すなわちA1 以上になると、再結晶温度Treは 855℃近傍すなわちA3 近傍に急上昇し飽和することが分かる。
【0033】
次に、図2に、 637.5+4930{Ti* + (48/93)・[%Nb] }≧A1 の条件下において、A3 (C,Si,Mn, Ni等を変化させることで変動)を種々に変化させた場合におけるA3 と再結晶温度Treとの関係について調べた結果を示す。
同図に示したとおり、 637.5+4930{Ti* + (48/93)・[%Nb] }≧A1 の条件下では、再結晶温度TreはA3 と等価になっている。
【0034】
この理由については、必ずしも明確ではないが、以下のように考えられる。
すなわち、Ti,Nbが添加され、それらの微細炭化物のピン止め力により再結晶温度が上昇し、A1 未満のフェライト(α)域で再結晶できなくなった場合、未再結晶の加工αのまま(フェライト+オーステナイト(γ))2相域温度になり、高転位密度部、不均一変形部などの優先核生成サイトにおいて、加工αからの再結晶α核生成とα→γ変態核生成の競合が生じる。この時、α→γ変態の駆動力の方が再結晶の駆動力よりも大きいため、再結晶α核生成より優先してγ核が次々と生成し、優先核生成サイトを占有すると考えられる。
このα→γ変態での原子再配列により歪み(転位)は消費され、転位密度の低い加工αのみ残留し、加工αの再結晶はますます困難となる。温度が上昇し、A3 を超え、γ単相域になって初めて歪みが完全に解消され、見かけ上再結晶が完了する。これが、再結晶温度がA3 に一致し、飽和する機構と考えられる。
なお、この際のα→γ変態は、加工α(優先核生成サイトが多い)から核生成することになるので、再結晶が完了した高温でのγ粒は微細化する。従って、焼鈍中の高温γ粒微細化のために再結晶温度をA3 に調整することは極めて有効であるので、本発明では式(1) を満足するTi, Nbを添加することにしたのである。
【0035】
次に、 (2)式は、A3 を規定する条件である。
上述したとおり、 (1)式を満足する場合には、A3 は実質的に再結晶温度になるため、A3 以上の温度で再結晶焼鈍を行う必要がある。ここに、A3 が 860℃を超えた場合、再結晶焼鈍温度をより高温で施す必要が生じ、γ粒成長が激しく、結果として平均結晶粒径:3.5 μm 以下の微細粒は得られなかった。よって、A3 ≦860 ℃を満足させる必要がある。なお好ましくはA3 ≦ 830℃である。
【0036】
次に、 (3)式は、MnやNiすなわちオーステナイト安定化元素の添加量を規定する条件である。
オーステナイト安定化元素の増大により、CCT 図におけるフェライトスタート線が低温側にシフトすることにより、焼鈍後の冷却過程におけるγ→α変態時の変態過冷度が増大してαが微細核生成することにより、α結晶粒が微細化する。ここに、平均結晶粒径:3.5 μm 以下の微細粒を得るためには、上掲した(1), (2)式に加えて [%Mn]+[%Ni] ≧ 1.3(%)とする必要があった。
なお、 [%Mn]+[%Ni] ≧ 1.3(%)さえ満足していれば、MnやNiは単独添加でも複合添加でもどちらでも良い。より好ましくは [%Mn]+[%Ni] ≧ 2.0(%)の範囲である。
【0037】
次に、鋼組織について説明する。
本発明では、鋼組織は、フェライト相の組織分率を体積率で65%以上にすると共に、フェライトの平均結晶粒径を 3.5μm 以下とする。
というのは、本発明で所期した強度、延性、靱性および強度−伸びバランスに優れた冷延鋼板とするには、微細フェライトを主体とする鋼組織とする必要があり、特に平均結晶粒径が 3.5μm 以下の微細フェライト相の組織分率を65 vol%以上とすることが重要だからである。より好ましくは75 vol%以上である。
ここに、フェライトの平均結晶粒径が 3.5μm を超えると強度−伸びバランスが劣化すると共に、靱性が低下し、また軟質なフェライトの組織分率が65 vol%に満たないと延性が著しく低下し、加工性に乏しくなる。
【0038】
また、フェライト以外の第2相組織は、マルテンサイトとする必要がある。
というのは、第2相を硬質なマルテンサイトとすることにより、強度−伸びバランスを向上せしめ、かつ疲労特性が向上するからである。
なお、疲労特性が向上するメカニズムは必ずしも明らかではないが、硬質第2相の存在により、進展する疲労亀裂が偏向し、結果として亀裂伝播の抑制効果が作用しているものと考えられる。
【0039】
なお、フェライトおよびマルテンサイト以外の比較的軟質なベイナイトや延性に劣るパーライト等の相が多量に存在すると、強度−伸びバランスが劣化すると共に、先に述べたように硬質第2相の存在による疲労亀裂伝播の抑制効果を得難く、疲労特性が劣化するおそれが生じるが、これらの相が体積分率で3%未満であれば、許容できる。
【0040】
次に、製造条件について説明する。
上記の好適成分組成に調整した鋼を、転炉などで溶製し、連続鋳造法等でスラブとする。この鋼素材を、高温状態のまま、あるいは一旦冷却したのち、1200℃以上に加熱してから、熱間圧延を行い、ついで好適には 750℃以下、 650℃以上の温度でコイルに巻取り、好ましくは酸洗後、冷間圧延を施した後に、温度A3(℃)以上、(A3 +30)(℃)以下で再結晶焼鈍を施し、その後少なくとも 600℃まで5℃/s以上の速度で冷却する。
【0041】
上記の工程において、スラブの加熱温度が1200℃未満では、TiCなどが十分に固溶せずに粗大化し、後の再結晶焼鈍工程での再結晶温度上昇効果および結晶粒成長抑止効果が不十分となるため、スラブの加熱温度は1200℃以上とする必要がある。
【0042】
なお、本発明において、熱間圧延時の熱間圧延終了温度がAr3変態点未満では、圧延中にαとγが生じて、鋼板にバンド状組織が生成し易くなり、かかるバンド状組織は冷間圧延後や焼鈍後にも残留し、材料特性に異方性を生じさせる原因となる場合があるので、通常よく行われているように仕上げ圧延終了温度はAr3変態点以上とすることが好ましい。
【0043】
また、熱延終了後の巻取り過程においては、 750〜650 ℃の温度域まで冷却して巻取り、この間にγ→α変態を生じさせると共に、熱延板にTiCやNbCを微細に析出させることが好ましい。熱延板の段階で、このような微細析出物を析出させることは、製品板において、フェライト相を硬質化し、フェライト相自体の疲労特性を改善し、ひいては製品板の疲労特性をさらに改善できるので、好ましい。ここに、巻取り温度が 650℃未満では、Ti,Nb等の炭化物を主体とした微細析出物が得難く、一方 750℃を超えると、パーライト変態が進んでTiやNb等の炭化物を主体とした微細析出物生成に必要な炭素が消費されるため、やはり微細な析出物が得難くなる。
【0044】
ついで、好ましくは熱延鋼板表面の酸化スケールを酸洗により除去したのち、冷間圧延に供して、所定の板厚の冷延鋼板とする。ここに、酸洗条件や冷間圧延条件は特に制限されるものでなく、常法に従えばよい。
なお、冷間圧延時の圧下率は、再結晶焼鈍時の核生成サイトを増やし、結晶粒の微細化を促すという観点から40%以上とすることが望ましく、一方圧下率を上げすぎると鋼板の加工硬化によって操業が困難となるので、圧下率の上限は90%以下程度とするのが好ましい。
【0045】
ついで、得られた冷延鋼板を、前掲(6) 式に示した温度A3(℃)以上、(A3+30)(℃)以下に加熱して、再結晶焼鈍を施す。
前述のように成分調整した本発明の鋼素材では、A3 が再結晶温度と等価となっているので、A3 未満の温度では再結晶が不十分となる。一方、(A3 +30)(℃)を超える温度では、焼鈍中のγ粒の成長が激しく、微細化に不適切である。この再結晶焼鈍は、連続焼鈍ラインで行うことが好ましく、連続焼鈍する場合の焼鈍時間は再結晶が生じる10秒から 120秒程度とすることが好ましい。というのは、10秒より短時間では再結晶が不十分となり易く、圧延方向に伸展したままの加工組織、再結晶していない回復組織が残存するために、十分な延性が確保できない場合があり、一方 120秒より長時間ではγ結晶粒の粗大化を招いて、所望の強度を得ることができないことがあるからである。
【0046】
引き続き、焼鈍温度から少なくとも 600℃まで、冷却速度:5℃/s以上の条件で冷却する。なお、ここで冷却速度は、焼鈍温度から 600℃までの平均冷却速度である。ここに、上記冷却速度が5℃/s未満では、冷却中におけるγ→α変態時の過冷度が小さく、結晶粒径が粗大化する。よって、焼鈍温度から 600℃までの冷却速度は5℃/s以上とする必要がある。
また、上記の制御冷却処理の終点温度を 600℃としたのは、結晶粒の微細化にはγ→α変態が開始する 600℃までが強く影響するからである。
上記までの製造工程により、フェライト平均粒径が 3.5μm 以下の超微細組織を得ることができる。
【0047】
ついで、上記の再結晶焼鈍後、酸洗を行い、めっき性に悪影響を及ぼす表面酸化物を除去する。すなわち、再結晶焼鈍中に鋼板表面にP、Si,Mn,Crなどが酸化物として濃化した表面濃化層を除去する。なお、このような除去すべき表面濃化層は、軽酸洗によって除去可能であるので、従来から行われている連続溶融亜鉛めっき前の軽酸洗で十分である。
【0048】
つぎに、前掲した(5)式で求められる(A1 +70)(℃)以上、(6)式で求められるA3 (℃) 以下の温度範囲で10秒以上の熱処理を行い、溶融亜鉛めっき処理温度まで5 ℃/s以上の速度で冷却する。
この熱処理により,(α+γ)2相域に加熱し、γ相中にCおよび合金元素を濃化させて焼入れ性を向上させ、比較的緩やかな冷却条件でも硬質なマルテンサイトを得易くして強度−延性バランスを確保すると共に,疲労特性の改善を図るのである。
【0049】
なお、本発明では、先行して行う再結晶焼鈍で結晶粒を微細化している関係上、CやMnなどの他の合金元素がγ相へと移動する距離が短く、γ相へのCなどの合金元素が濃化し易いため、焼入れ性が向上してマルテンサイト相を安定して得ることができる。この熱処理における加熱温度がA3 (℃) 超えでは、完全オーステナイト相となるため2相分離せずγ中への成分濃化が進行せず、冷却後に十分なマルテンサイト相が得られないため,良好な疲労特性が得難く、また結晶粒の成長も余儀なくされ、強度−延性バランスも劣化する。一方、加熱温度が(A1 +70)(℃)未満では、加熱中のγ分率が低いため,結果として得られるマルテンサイト相が十分ではなく,やはり良好な疲労特性は得られない。よって,加熱温度は(A1 +70)(℃)を以上、A3 (℃) 以下の範囲に限定した。
【0050】
また、上記加熱時間が10秒未満では、変態できる時間が短くオーステナイト相へのCやMnなどの他の合金元素の濃化すなわちマルテンサイトの生成に不利となるため、10秒以上とすることが好ましい。なお,実操業上の効率を考慮すると、加熱時間の上限は 120秒程度とすることが好ましい。
【0051】
さらに、熱処理後の冷却速度は,γ相のマルテンサイト変態の促進および結晶粒成長抑止の観点から、溶融亜鉛めっき処理温度まで5 ℃/s以上とする必要がある。
なお、上記熱処理は連続溶融亜鉛めっきラインにて行うことが望ましい。
【0052】
上記しためっき前熱処理に引き続き、溶融亜鉛めっきを行い、あるいはさらに合金化処理を施して、平均結晶粒径が 3.5μm 以下のフェライトが主相で、第2相として硬質なマルテンサイトを有する組織の高張力溶融亜鉛めっき冷延鋼板を得ることができる。
【0053】
本発明における溶融亜鉛めっき処理は、通常の溶融亜鉛めっきラインで行われる条件と同様に 450〜550 ℃の温度範囲で溶融亜鉛めっきを施し、鋼板表面に溶融亜鉛めっき層を形成する。
また、本発明では、溶融亜鉛めっき処理後、溶融亜鉛めっき層を合金化する合金化処理を施すこともできる。この合金化処理における処理温度は 470〜570 ℃程度とするのが好ましい。というのは、加熱温度が 470℃未満では合金化の進行が遅く生産性の低下を招き、一方 570℃を超えるとめっき層の合金化が進行しすぎて合金化溶融亜鉛めっき層が脆化するからである。
【0054】
さらに、めっき後に必要なマルテンサイト量を確保し、粒成長を抑制するために、めっき後 300℃までの冷却速度、あるいはさらに合金化処理を行う場合は、合金化処理後 300℃までの冷却速度は5℃/s以上とする必要がある。
かくして、上記の製造方法とすることにより、超微細粒組織を有し、強度−延性バランスに優れ、さらには疲労特性に優れる溶融亜鉛めっき冷延鋼板を得ることができる。
【0055】
【実施例】
表1に示す成分組成になるスラブを、表2に示す条件でスラブ加熱後、常法に従い熱間圧延して4.0mm 厚の熱延板とした。なお,仕上げ圧延温度は、常法に従い全てAr3点以上とした。この熱延板を、酸洗後、冷間圧延(圧下率:60%)して、1.6 mm厚の冷延板としたのち、連続焼鈍ラインにて同じく表2に示す条件下で再結晶焼鈍を行い、ついで連続溶融亜鉛めっきラインにて、熱処理に引き続き、めっき処理さらには合金化処理を行って、製品板とした。この時、冷延板焼鈍時の昇温速度は5〜10℃/sとした。また、溶融亜鉛めっき処理における浴温は 465℃、その後合金化処理を施した場合の合金化温度は 520℃とした。なお、No.19 は溶融亜鉛めっきのみとし合金化処理は施さなかった。
かくして得られた製品板の組織、引張特性および疲労特性について調査した結果を表3に示す。
【0056】
なお、組織は、鋼板の圧延方向断面について、光学顕微鏡あるいは電子顕微鏡を用いて観察し、フェライトの平均結晶粒径を求めると共に、各組識の面積率を求めてこれを体積率とした。ここで、フェライトの平均結晶粒径はJIS G 0552に規定される切断法に準拠して求めた。
また、引張特性(引張強さTS、伸びEL)は、鋼板の圧延方向から採収したJIS5号試験片を用いた引張試験により測定した。
さらに、疲労特性は、図3に示す寸法形状になるJIS Z 2275(金属平板の平板曲げ疲れ試験方法)の試験片を用いて、両振りの繰り返し曲げ試験により求めた。この時、1000万サイクルに到達した時点を疲労限FLとした。
【0057】
【表1】
Figure 0004168750
【0058】
【表2】
Figure 0004168750
【0059】
【表3】
Figure 0004168750
【0060】
表3に示したとおり、発明例はいずれも、主相すなわち65%以上の分率を占めるフェライトの平均粒径が 3.5μm 以下と微細であり、特にNi,Mn量を増量し、A3 を低下させたG鋼を用いた No.16は、平均結晶粒径が 0.9μm と超微細粒となっている。また,発明例はいずれも、TS×ELが 17500 MPa・%以上と強度−延性バランスに優れており、さらに疲労特性については,疲労限FLとTSの比(FL/TS)が0.45以上と高いレベルが得られている。これは第2相としての硬質マルテンサイトの存在、さらには結晶粒微細化の効果により、疲労亀裂の発生と亀裂伝播が抑制されたためと考えられる。また、巻取り温度を前述の好適範囲内とすることにより、フェライト相がTiCやNbC等の微細析出物で硬質化できたためと考えられるが、さらに疲労特性を向上させることができた。
【0061】
これに対し、No.5は、めっき前加熱温度が低く、加熱中のオーステナイト分率が低かったため、結果としてマルテンサイト分率が低く、TS×EL、FL/TS 値も小さくなっている。
No.6は、逆にめっき前加熱温度が高すぎたため、加熱中の2相分離によるγへの成分濃化が進行せず、やはりマルテンサイト分率が低く、FL/TS 値の低下を招いた。
No.7は、めっき前加熱後めっき処理温度までの冷却速度および合金化処理後の冷却速度が小さかったため、第2相がマルテンサイトよりも軟質なべイナイト主体となり、TS×EL、FL/TS 値が劣った。
No.11 は、スラブの加熱温度が低かったため、TiCが粗大化し、再結晶温度上昇効果が抑制されて鋼板の結晶粒径微細化効果が得られず、結晶粒径が大きくなった。また、TS×EL、FL/TS 値も低下している。
No.12 は、再結晶焼鈍温度が本発明の適正上限温度(846 ℃)を大きく超えたため、結晶粒成長が激しく、TS×EL、FL/TS が劣化した。
No.13 は、焼鈍温度が本発明の下限( 816℃)に満たなかったため、再結晶が完了せず、加工組織が残留したため、TS×EL値が極めて劣っている。
No.14 は、再結晶焼鈍後の冷却速度が小さかったために、結晶粒が粗大化して強度が低下し、TS×EL値の劣化を招いた。
No.23 は、TX がA1 未満であることから、再結晶焼鈍によるγ粒微細化効果が得られず、粗大粒となったため強度の低下をきたし、その結果TS×EL、FL/TS値の低下を招いた。
No.24 は、A3 が 860℃を超えていることから、高温焼鈍が必要となり、その結果結晶粒が成長して、TS×EL値の低下を招いた。
No.25 は、(Ni+Mn)量が少ないために、焼鈍後冷却過程でのγ−α変態時の過冷度が小さく、αが微細核生成することができなかったため、結晶粒が粗大化した。
【0062】
【発明の効果】
かくして、本発明によれば、超微細粒組織を有し、機械的特性なかでも強度−伸びバランスに優れ、さらには疲労特性にも優れた高張力溶融亜鉛めっき冷延鋼板を、製造設備の大幅な改造を伴うことなしに安定して製造することができ、産業上極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 A1 =700 ℃、A3 =855 ℃に調整した鋼組成において、Ti,Nb添加量を種々に変更した場合のTi,Nb添加量と再結晶温度との関係を示した図である。
【図2】 637.5+4930{Ti* + (48/93)・[%Nb] }≧A1 の条件下において、A3 を種々に変化させた場合におけるA3 と再結晶温度Treとの関係を示した図である。
【図3】 平板曲げ疲れ試験用の試験片の寸法形状を示した図である。

Claims (4)

  1. 質量%で、
    C:0.03〜0.16%、
    Si:2.0 %以下、
    Mn:3.0 %以下および/またはNi:3.0 %以下、
    Ti:0.2 %以下および/またはNb:0.2 %以下、
    Al:0.01〜0.1 %、
    P:0.1 %以下、
    S:0.02%以下および
    N:0.005 %以下
    で、かつC,Si, Mn, Ni, TiおよびNbが下記(1), (2), (3) 式をそれぞれ満足する範囲において含有し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成になる鋼素材を、1200℃以上に加熱したのち、熱間圧延を行い、巻取り後、冷間圧延を施したのち、下記(6) 式で求められる温度A3 (℃) 以上、(A3 +30)(℃)以下で再結晶焼鈍を施し、その後 600℃まで5℃/s以上の速度で冷却し、ついで酸洗後、下記(5)式で求められる(A1+70)(℃)以上、A3 (℃) 以下の温度範囲で熱処理を行い、その後溶融亜鉛めっき処理温度まで5℃/s以上の速度で冷却し、溶融亜鉛めっきを施したのち、300 ℃まで5℃/s以上の速度で冷却するか、上記の溶融亜鉛めっき後、さらに合金化処理を施したのち、300 ℃まで5℃/s以上の速度で冷却することを特徴とする、超微細粒組織を有し疲労特性に優れる溶融亜鉛めっき冷延鋼板の製造方法。

    637.5 +4930{Ti* + (48/93)・[%Nb] }≧A1 --- (1)
    3 ≦ 860 --- (2)
    [%Mn] + [%Ni]≧ 1.3 --- (3)
    ただし、
    Ti* = [%Ti]− (48/32)・[%S] − (48/14)・[%N] --- (4)
    1 = 727+14[%Si] −28.4[%Mn] −21.6[%Ni] --- (5)
    3 = 920+ 612.8[%C]2− 507.7[%C] + 9.8[%Si]3
    − 9.5[%Si]2+ 68.5[%Si]+2[%Mn]2− 38[%Mn]
    + 2.8[%Ni]2− 38.6[%Ni]+102[%Ti]+51.7[%Nb] --- (6)
    また、[%M] はM元素の含有量(質量%)
  2. 請求項において、巻取り温度が 750℃以下、 650℃以上であることを特徴とする、超微細粒組織を有し疲労特性に優れる溶融亜鉛めっき冷延鋼板の製造方法。
  3. 請求項またはにおいて、鋼素材が、さらに質量%で、
    Mo:1.0 %以下および
    Cr:1.0 %以下
    のうちから選んだ一種または二種を含有する組成になることを特徴とする、超微細粒組織を有し疲労特性に優れる溶融亜鉛めっき冷延鋼板の製造方法。
  4. 請求項1,2またはにおいて、鋼素材が、さらに質量%で、
    Ca, REMおよびBのうちから選んだ一種または二種以上を合計で 0.005%以下
    含有する組成になることを特徴とする、超微細粒組織を有し疲労特性に優れる溶融亜鉛めっき冷延鋼板の製造方法。
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