JP4168282B2 - 簡易型定位脳手術装置、および患者頭部への当該装置の装着部位の決定に使用されるバンド - Google Patents

簡易型定位脳手術装置、および患者頭部への当該装置の装着部位の決定に使用されるバンド Download PDF

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Description

本発明は、高血圧性脳出血、脳腫瘍、脳膿瘍、水頭症、脳嚢胞などの脳疾患に対する手術に用いられる簡易型定位脳手術装置、および患者頭部への当該装置の装着部位の決定に使用されるバンドに関する。
従来、定位脳手術装置としては、いわゆる駒井式CT定位脳手術装置(以下、単に「駒井式装置」という)が知られている(例えば、下記文献1参照)。この駒井式装置は、手術前のCT撮影の段階から装置を装着する必要があるため、衛生面などに難点があった。
文献1:阿部弘、田中隆一、平川公義、菊池晴彦、坪川孝志、松本悟編集「脳神経外科疾患の手術と適応II」朝倉書店出版1990年10月15日初版発行、237−245頁
また、下記文献2には、より簡易な構成の簡便型定位脳手術装置が提案されている。この装置は、所望の方向からの穿刺針の刺入に弧状フレームなどを必要とし、その分、構成が複雑となり、その他安全面などに難点があった。
文献2:特開平11−137568号公報(公開日:1999年5月25日。特に図1)
本発明の目的は、簡易な構成で安価な製作が可能であり、しかも、衛生的で操作性・安全性に優れた簡易型定位脳手術装置、および患者頭部への当該装置の装着部位の決定に使用されるバンドを提供することにある。
本発明の簡易型定位脳手術装置は、上記の目的を達成するため、穿刺針の先端を脳内の所定部位に案内するための案内フレームと、患者頭部に装置を固定するための固定部材をそれぞれ有し、上記案内フレームの長手方向にそれぞれ変位可能な左右の固定フレームとを備え、上記案内フレームには、上記左右の固定部材を結ぶ線上の一点に向かって穿刺針の先端を案内する複数の案内凹部が設けられていることを特徴としている。
上記の構成によれば、脳内の所定部位(病変部位)に穿刺針を案内する際に使用する案内凹部を上記複数の案内凹部の中から選択できるため、穿刺針を最適な方向から脳内へ刺入できると共に、選択した案内凹部に沿ってまず小口径の穿刺針を刺入後、同案内凹部より大口径の穿刺針を刺入することも簡単に行え、より安全性の高い脳手術が可能になる。また、異なる案内凹部から複数の穿刺針を同時に刺入することも可能である。
なお、ここで「穿刺針」とは、外筒と内筒とを有し、内筒を抜き中空にした状態でその先端より排液または吸引を行える構造のものをいい、プローベ等を含む意味である。
本発明の簡易型定位脳手術装置が、さらに次のいずれかの構成を有することは好ましい。
▲1▼ 上記案内フレームに、目盛りが付されている構成。これによって、左右の固定フレームの位置決め、および選択した案内凹部の位置の特定などが容易になる。
▲2▼ 上記案内フレームが、上記案内凹部により穿刺針を案内する際に穿刺針のぶれを防止するためのぶれ防止部材を有している構成。これによって、穿刺針を脳内に刺入するときに穿刺針のぶれを確実に防止できるので、安全性の高い装置を実現できる。
▲3▼ 上記▲2▼の構成において、上記ぶれ防止部材を、上記案内フレームの本体に対して押圧する押圧部材が設けられている構成。これによって、穿刺針のぶれをより確実に防止できる。
▲4▼ 上記左右の固定フレームの少なくとも一方に、患者頭部への装置の固定を補助するための補助固定部材が設けられている構成。これによって、患者頭部への装置の固定を確実に行える。
▲5▼ 上記▲4▼の構成において、上記補助固定部材は、患者頭部への装置の固定を補助するための補助固定部と、当該補助固定部と固定フレームとを固定部材を中心として角度自在に連結する連結部材と、当該補助固定部と当該固定部材との距離を調節する距離調節部とを備えている構成。これによって、補助固定部材による患者頭部への固定位置を調節範囲内で自由に選択できる。つまり、補助固定部材による固定可能範囲が広く、その分、より安全な固定位置を選択できる。
本発明のバンドは、上記本発明の簡易型定位脳手術装置を使用した脳手術の前に、患者頭部への装置の装着位置を決定し、その位置に目印を付すために用いられるバンドであって、患者頭部に巻かれた状態で相互に対向する位置に配される複数の目印部材を有することを特徴としており、当該目印部材は、アルミニウムもしくはその合金、ステンレス鋼、真鍮、銅、ニクロム、または、動物の骨もしくは歯の加工物を含んでいることが好ましい。目印部材が上記いずれかの材料を含む構成になっていれば、CT等により撮影したときに各目印部材の位置がドット状に鮮明に現れ、患者頭部への装置の装着位置の決定作業を容易に行える。
本発明のバンドは、本体が網目状に形成されていることが好ましく、これによって、バンドを巻いた患者頭部に対してバンドの上から目印を書き込むことができる。
本発明のさらに他の目的、特徴、および優れた点は、以下に示す記載によって十分わかるであろう。また、本発明の利益は、添付図面を参照した次の説明で明白になるであろう。
図1は、本発明の実施の一形態に係る簡易型定位脳手術装置の概略的構成を示す分解斜視図である。
図2は、上記簡易型定位脳手術装置を組み立てた状態の正面図および側面図である。
図3は、上記簡易型定位脳手術装置における、穿刺ガイド付フレームの本体とぶれ防止板との間に穿刺針を挿入した状態を拡大して示す図である。
図4の(a)〜(d)は、本発明の実施の一形態に係るマーキングバンドを構成する2本のバンドを正面および背面から見た図である。
図5は、上記2本のバンドをつなぎ合わせて得られたマーキングバンドの構成を示す図である。
図6の(a)〜(c)は、上記マーキングバンドを用いて、術前に患者頭部にマーキングを施す作業の一工程を説明する図である。
図7の(a)・(b)は、上記マーキングバンドを用いて、術前に患者頭部にマーキングを施す作業の一工程を説明する図である。
図8の(a)・(b)は、CT像を概略的に描いた図であり、装置装着部位を決定する工程を説明する図である。
図9の(a)・(b)は、上記マーキングバンドを用いて、術前に患者頭部にマーキングを施す作業の一工程を説明する図である。
図10の(a)・(b)は、CT像を概略的に描いた図であり、左右の装置装着部位と病変部中心点との距離を測定する工程を説明する図である。
図11の(a)・(b)は、術野を示す図である。
図12は、上記簡易型定位脳手術装置の左側固定フレームの位置を設定する工程を説明する図である。
図13は、上記簡易型定位脳手術装置を患者頭部に装着する工程を説明する図である。
図14は、穿刺針を穿頭部位から脳内に刺入する前に最適なガイド溝を選択する工程を説明する図である。
図15は、補助固定具によって、上記簡易型定位脳手術装置を穿刺するのに最適な位置で固定した状態を示す図である。
図16は、ストッパー、および同ストッパーを穿刺針に取り付けた状態を示す図である。
図17は、本発明の他の実施形態に係る簡易型定位脳手術装置の概略的構成を示す分解斜視図である。
本発明の実施形態について図1〜図17に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
(1)本実施形態の装置構成
図1は、本実施形態の簡易型定位脳手術装置(以下、「本装置」という)1の概略的構成を示す分解斜視図であり、図2は、本装置1を組み立てた状態の正面図および側面図である(互いに口径の異なる2本の穿刺針71・72も併せて同図に示される)。本装置1は、大略的に、穿刺ガイド付フレーム(案内フレーム)2と、右側固定フレーム3と、左側固定フレーム4と、補助固定具(補助固定部材)5とを備えて構成される。
穿刺ガイド付フレーム2には、穿刺針71・72の先端71a・72aを脳内の病変部位(後述の使用方法の例では、血腫腔が病変部位に相当する)に導くための複数のガイド溝21(案内凹部)と、左右の固定フレーム3・4の位置合わせ等に用いる目盛り22とが刻設されている。目盛り22は、中央を起点「0」としており、そこから左右5mm刻みにそれぞれ左右に11cmまで目盛り22が付されている。
ガイド溝21は、目盛り22の数だけ設けられており、このうち起点「0」に位置するガイド溝210は、穿刺ガイド付フレーム2の長手方向である矢符A方向とは垂直のB方向(換言すれば、後述する左右の固定針31・41を結んだ線Lと垂直に交わる方向)に向かって刻設されている。このガイド溝210以外のガイド溝21の方向は、すべて、上記ガイド溝210の溝方向に沿って伸ばした線Xと左右の固定針31・41を結んだ線Lとが交わる交点Pに向かって刻設されている。つまり、穿刺ガイド付フレーム2上のすべてのガイド溝21は、その溝方向に沿って線を伸ばしていくと上記交点Pに集約されるよう、この交点Pを中心として放射状に形成されている。
穿刺ガイド付フレーム2は、ガイド溝21および目盛り22が刻設されたその表面2a上に、穿刺針71・72の挿入時のぶれを防止するためのぶれ防止板23(ぶれ防止部材)を有している。ぶれ防止板23は、このぶれ防止板23を通してガイド溝21および目盛り22が視認できるよう透明に形成されている。ぶれ防止板23は、左右のねじ穴241に螺合するねじ242、コイルばね243(押圧部材)、ワッシャ244によって穿刺ガイド付フレーム2の本体25に取り付けられている。このように、ぶれ防止板23は、本体25との間にワッシャ244の厚み分の間隙を有しつつ、左右のコイルばね243の付勢力によって穿刺ガイド付フレーム2の本体25に押圧されている。したがって、互いに口径の異なる2本の穿刺針71・72のいずれを本体25とぶれ防止板23との間に挿入したときにも、それぞれの穿刺針71・72は挟持され、確実にぶれを防止できる。
図3は、穿刺ガイド付フレーム2の本体25とぶれ防止板23との間に穿刺針71を挿入した状態を拡大して示す図である。同図に示すように、穿刺針71は、本体25とぶれ防止板23とに挟持され、確実にガイド溝21に沿って挿入される。したがって、挿入時の穿刺針71のぶれを防止し、穿刺針71の先端71aを確実に脳内の病変部位まで到達させることができる。尚、図3では、説明の便宜上、目盛り22は省略されている。
再び図1および図2を参照して、穿刺ガイド付フレーム2の一端部26および他端部27はテーパ状に(つまり、表面2aから裏面2bに向かって広がるように)形成されており、穿刺ガイド付フレーム2の本体25はその断面がほぼ台形形状となっている。この台形形状に嵌合するように、左右の固定フレーム3・4には凹部32・42が形成されている。したがって、固定フレーム3・4の凹部32・42を穿刺ガイド付フレーム2の本体25に嵌合させ、摺動(スライド)させることによって、固定フレーム3・4は穿刺ガイド付フレーム2の長手方向(つまり、矢符A方向)に沿って自由に移動可能な構成になっている。
左右の固定フレーム3・4を穿刺ガイド付フレーム2上のある位置に固定するときは、その位置で固定フレーム3・4の裏側33・43から固定ねじ34・44を締め付けることによって容易に固定される。つまり、固定ねじ34・44が固定フレーム3・4のねじ穴35・45を貫き、穿刺ガイド付フレーム2の裏側2bに圧接されることにより、固定フレーム3・4はその位置で容易に固定される。
図1に示すように、左右の固定フレーム3・4の凹部32・42には、さらにほぼ矩形状の凹部38・48(凹部であって、裏側33・43まで貫通するものではない)が形成されており、これら矩形凹部38・48にはすべり止め部材39・49が嵌め込まれるようになっている。すべり止め部材39・49は、ほぼ平板状に形成されているが、左右から中央に向かってわずかに傾斜しており、矩形凹部38・48に嵌め込まれた状態で、すべリ止め部材39・49の中央部が凹部32・42の表面からわずかに突出するように形成されている。これにより、穿刺ガイド付フレーム2上に一旦固定された固定フレーム3・4の容易な移動を防止し、たとえ固定ねじ34・44が緩んだ場合であっても、固定フレーム3・4の容易な位置ずれを防止するようになっている。
左右の固定フレーム3・4は、その端部に固定針(固定部材)31・41を有している。固定針31・41は、患者頭部に本装置1を装着するためのものであり、後述する装置装着部位Cr・Clにて患者の頭蓋骨に固定される(図14参照)。
右側固定フレーム3の固定針31の反対側には雄ねじ37が形成されており、この雄ねじ37を介して右側固定フレーム3に補助固定具5を取り付けることができる。補助固定具5は、3点固定によって患者頭部への装置1の装着を補助するためのものである(図15参照)。補助固定具5は、補助固定針(補助固定部)51と、連結アーム(連結部材)52と、位置固定用つまみ53とを有している。補助固定針51は、ねじ部511とつまみ部512とを有しており、ねじ部511は、連結アーム52のねじ穴521に螺着されている。したがって、つまみ部512を回すことにより、補助固定針51の先端51aを矢符C方向(矢符A方向と平行な方向)に移動可能な構成になっている。
連結アーム52の一端部には、連結アーム52の長手方向に沿って横長の開口部522が設けられている。この開口部522に上記雄ねじ37が遊挿された状態で、この雄ねじ37に螺合する位置固定用つまみ53を回し締め付けることによって、連結アーム52は右側固定フレーム3に固定される。よって、位置固定用つまみ53を緩めた状態で、連結アーム52の右側固定フレーム3に対する角度θ、および固定針31と補助固定針51との距離Eを所望の状態に設定した後、位置固定用つまみ53を締め付けることで簡単に角度θおよび距離Eを調節できる。つまり、位置固定用つまみ53と開口部522とは、角度θおよび距離Eを調節する調節部の役割を有している。
左右の固定フレーム3・4には、それぞれ頭皮表面移行線36・46が刻設されている。この頭皮表面移行線36・46は、装置装着部位Cr・Clの頭皮表面の位置に合わせて固定フレーム3・4の位置を設定するために用いるものであり、その具体的な使用方法については後述する。
本装置1は、穿刺ガイド付フレーム2の本体25、左右の固定フレーム3・4、補助固定具5ともステンレス鋼からなっている。ぶれ防止板23については、透明とするため、アクリル樹脂を材料に使用している。
(2)本実施形態のバンドの構成
次に、上記装置1を使用した脳手術を施す前に、患者頭部への装置1の装着位置を決定し、その位置をマーキングするために用いられるマーキングバンド6について説明する。このマーキングバンド6は、図4および図5に示すように、2本のバンド61・62を組み合わせて構成されており、これら2本のバンド61・62の両端をそれぞれ布製テープ63・64でつなぎ合わせることにより、患者頭部に輪状に巻かれる(図6(c)参照)。布製テープ63・64は、いわゆるマジックテープ(登録商標)であり、両者は着脱自在に噛み合わせることができるようになっている。布製テープ63・64は、2本のバンド61・62の本体65に縫い付けられており、このうち布製テープ63は、本体65に沿って横長に形成されており、患者頭部の大きさに合わせてマーキングバンド6の輪の長さを容易に調節できるようになっている。また、布製テープ63が縫い付けられた本体65の裏側には、強度付与とすべり防止のため、補強用の布地66が縫い付けられている。
2本のバンド61・62には、それぞれ等間隔に6本のマークスティック(目印部材)67が設けられている。これらマークスティック67は、CT等を利用して患者頭部への装置1の装着位置を決定するために用いられるものであり、その具体的な使用方法については後述する。マーキングバンド6は、2本のバンド61・62に設けられた各6本のマークスティック67が相互に対向する位置に配されるように、患者頭部に巻き付けられる。各マークスティック67の長さは約5cmであり、柔軟性を有するアルミニウム合金を材料に用いた金属棒からなっている。このような材料を用いることにより、CT等により撮影したときに各マークスティック67の位置が鮮明なドットとして写真上に現れる(図8(a)(b)参照)。
2本のバンド61・62は、患者頭部に巻き付けた状態でマーキングバンド6の上から患者頭部に目印を施せる(マークを書き込める)ように、その本体65が網目(メッシュ)状に形成されている。また、マーキングバンド6に一定の強度を付与し、マークスティック67の本体65への挿入を容易にするため、2本のバンド61・62の中央部分68には、網目状の材料が二重に形成されている。この網目状の材料は、強度を考慮し、天然繊維ではなく、合成繊維が使用されている。
(3)本実施形態の装置およびバンドの使用方法
次に、上記装置1およびマーキングバンド6の使用方法の一例について、脳内血腫の吸引手術における、術前のマーキング時と手術時とに分けて説明する。
A.術前のマーキング時
〔手順A−1〕 予め診断のため施行した(または術前評価のため施行した)脳CTから脳内血腫の最大径がどのスライスかがわかっている。このスライスがOM line(眼球と外耳道とを結ぶ線)から何cm上方か(または下方か)を読み取っておく。これをXcmとする(図6(a)(b)参照)。
〔手順A−2〕 患者の頭部(予め全剃毛必要)にOM lineを想定しマークする。さらに、このOM lineに平行にXcm上方(または下方)にもマーク(ラインXと称する)を書き入れる(図6(a)(b)参照)。このラインXは、必ずしも正確に頭部に書き入れなくてもよい。マーキングバンド6のマークスティック67は、上下合計5cmをカバーするからである。
〔手順A−3〕 マーキングバンド6は、2本のバンド61・62に分かれた状態で、また、マークスティック67が取り付けられていない状態で保管されている。そこで、まず2本のバンド61・62にマークスティック67を取り付け、その後、図6(c)に示すように、ラインXを中心に患者頭部にマーキングバンド6を巻き付ける。
〔手順A−4〕 患者をCT室に移動し、患者頭部をCTガントリー内に固定する。このとき、後の手順A−7にて患者頭部にビームを照射できるよう、マーキングバンド6がCTガントリー備え付けのバンドによって隠れないように注意する。
〔手順A−5〕 CT撮影を施行する。
〔手順A−6〕 撮影の結果、CTモニター上で血腫が最大に映っているスライス(これをターゲットスライスといい、以下「Tスライス」と称する)に注目する。
〔手順A−7〕 上記Tスライス(例えば10スライス目)に一致したビームを、放射線技師に依頼する等してCTガントリーから患者頭部に照射し、ビームが当たっているライン(ラインTと称する)をマーキングバンド6上からマジックペン等で頭部に写し取る。前述のように、マーキングバンド6は網目状(メッシュ)になっているので、マジックペン等のインクが頭部に容易に浸透する(図7(a)(b)参照)。
〔手順A−8〕 モニター上のTスライスには、脳断面の両側に図8(a)に示すような目印となる6つの点(プロットと称する)8がそれぞれ付されている。これらのプロット8は、マークスティック67の断面が写ったものであり、各プロット8の位置は、正確にマークスティック67の位置を反映している。そこで、左右の任意のプロット8を結ぶ直線が血腫Hの中心を通る組み合わせのうち、装置1を装着した際、最も安定しそのプロット8の直下に障害となる構造物がない組み合わせを選択する。これにより、選択されたプロット8を例えば右側がa番目、左側がb番目とし、各々Ra、Lbと称する(図8(b)参照)。
〔手順A−9〕 選択されたプロット8に対応するマークスティック67が左右前から何番目かを、例えば(R,L)=(a,b)のように記録する。この後すぐに選択されたプロット8に対応するマークスティック67の位置を患者頭部にマジックペン等で写し取っておく。手順A−7で写し取ったTスライスのラインとこのマークスティック67との交点(Cr,Cl)が装置1の装着部位となる(図9(a)(b)参照)。
〔手順A−10〕 患者へのマーキングが済むと、後はゆっくりCTモニター上で計測を行う。計測は、Ra−Lb間にラインを入れ、血腫中心(Hcと称する)との距離(右出血の場合はRa−Hc間、左出血の場合はLb−Hc間)をモニター上で計測し記録する(図10(a)(b)参照)。各距離は、モニター上でコンピュータ計算により求める。
このとき、Ra−Lb間、Ra−Hc間、Lb−Hc間距離をそれぞれ求めておくと、装置1を装着するときに固定フレーム3・4を締めすぎたり緩めすぎたりせずに、求めた距離に応じて調節が可能である。これでマーキングの一連の作業は終了する。
なお、上記マーキングバンド6はトルエン等で洗浄することにより再利用可能である。
B.手術時
〔手順B−1〕 装置1の本体一式および専用穿刺針71・72は予めガス滅菌またはオートクレーブなどで滅菌を施しておく。この時点では、装置1はまだ組み立てられていない。
〔手順B−2〕 手術台上で患者の手術体位をとり、頭部を固定後、装置装着部位(Cr,Cl)と穿頭部位とを含む領域である術野(斜線内側の領域)Jをイソジン消毒する(図11(a)(b)参照)。そして、ドレーピング後、この術野Jが見えるように覆布を行う。
〔手順B−3〕 穿頭部位の皮膚切開、穿頭、硬膜切開を行う。
〔手順B−4〕 ここで、清潔下で装置1を組み立てる。組み立てられた状態の装置1が図2に示される。
〔手順B−5〕 次に、Ra−Hc間(またはLb−Hc間)距離に合わせて、目盛り22上の「0」点から固定フレーム3(または4)上の頭皮表面移行線36(または46)までの距離を設定する。このとき、固定フレーム3(または4)をスライドさせて位置を定め、その位置での固定は固定ねじ34(または44)で行う。また、距離を設定する固定フレーム3(または4)は、手術側と一致させる。
図12には、左出血の場合に、左側固定フレーム4を矢符K方向にスライドさせ、Lb−Hc間の距離(この例では8.5cm)に合わせて、目盛り22上の「0」点から頭皮表面移行線46までの距離を設定する例が示される。
上記のように左側固定フレーム4を一定位置で固定した場合、その位置は手術終了時まで固定したままで、患者頭部に装置1を装着する際は、次に記すように反対側の右側固定フレーム3をスライドさせて行う。
〔手順B−6〕 反対側の右側固定フレーム3を矢符M方向にスライドさせて患者頭部に印してあるCr点、Cl点に固定針31・41をあてがい、骨に十分固定されるまで硬く締め付けた後、右側固定フレーム3を固定ねじ34によりその位置で固定する(図13参照)。
〔手順B−7〕 次に、穿刺ガイド付フレーム2上のどのガイド溝21を使って穿刺するかを決定するために、穿頭部位まで装置1全体をCr点、Cl点を軸に回転させて穿刺針71を任意のガイド溝21に挿入しながら穿頭部位に最適のガイド溝21の位置を調べる(図14参照)。この時点ではまだ穿刺は行わない。
〔手順B−8〕 穿頭部位に最適のガイド溝21の位置を目盛り22上の「0」点から5mm単位で読み取り、これをSxとする。
〔手順B−9〕 下記の穿刺距離早見表からSxに対応した穿刺深度Dを読み取る。
Figure 0004168282
表中、各欄の左側が目盛り22上の「0」点からの距離Sxであり、右側が各Sxに対応する穿刺深度Dである。Sx=0mmのときの穿刺深度Dは、ほぼ穿刺ガイド付フレーム2の前面上縁から固定針31・41までの距離Fに相当する。
〔手順B−10〕 穿刺深度Dの値を大小2本の専用穿刺針71・72に絹糸73などでマーキングしておく(図15参照)。穿刺針71・72には1cm刻みに目盛りが施してあるので、この作業は容易に行うことができる。
尚、図16に示すように、絹糸73の代わりに、専用のストッパー74を使用して穿刺深度Dの位置をマーキングしてもよい。このストッパー74は、穿刺針挿入孔741、位置合せ用突起部742、位置固定用つまみ743を備えた構成である。穿刺針挿入孔741には穿刺針71・72が挿入され、穿刺針71・72の口径に応じて、穿刺針挿入孔741の口径も穿刺針71用と穿刺針72用とで異なっている。位置合せ用突起部742の先端を穿刺深度Dの位置に合わせた後、位置固定用つまみ743を回し込んでいくと、軸の先端が穿刺針挿入孔741に差し入れられ、ストッパー74はその位置で固定・装着される。これにより、マーキングは簡単に完了する。図16に示すように、5cm刻みに太線の目盛りが施してある穿刺針71・72を使用すると、位置合わせはさらに容易に行える。
〔手順B−11〕 装置1を穿頭部位近くに回転させ、小口径の専用穿刺針71を手順B−8にて決定したガイド溝21に沿って試験挿入する。この時点では、まだ脳には穿刺しない。そして、図15に示すように、穿刺するのに最適な位置で装置1を補助固定針51で頭部にしっかり固定する(3点固定)。
〔手順B−12〕 小口径の専用穿刺針71を手順B−8にて決定したガイド溝21に沿って、穿刺針71に予めマークしておいた深度まで(穿刺針71の絹糸73が穿刺ガイド付フレーム2の前面上縁に達するまで、あるいは、ストッパー74の位置合せ用突起部742の先端がぶれ防止板23の上縁に達するまで)実際に挿入した後、穿刺針71の内筒を抜去する。
〔手順B−13〕 注射器を穿刺針71に取り付け、少量の血腫を吸引して穿刺針71の先端が血腫腔の中にあることを確認できたら、穿刺針71の外筒を抜去する。これにて血腫腔に達するトラクトが形成される。
〔手順B−14〕 次に、大口径の専用穿刺針72を同ガイド溝21に沿って穿刺針72に予めマークしておいた深度まで実際に挿入した後、穿刺針72の内筒を抜去する。それから約10ccの注射器(大きさは特に限定されないが、大きすぎると急激に血腫を吸引してしまい、再出血の危険がある)を穿刺針72に取り付け、ゆっくりと予定された血腫量だけ吸引する。
〔手順B−15〕 吸引が終了したら、穿刺針72の外筒を抜去する。装置1を頭部から取り外し、穿頭部位の閉創を行い、手術は終了する。
(4)本実施形態の変更態様
以上、本実施形態の装置1およびマーキングバンド6の構成並びにその使用方法について説明したが、上記使用方法はあくまで一例であって、使用方法がこれに限定されるものではない。例えば、本装置1の用途は、血腫・出血の吸引に限らず、脳脊髄液の吸引、抗生物質の注入、ウロキナーゼによる血腫溶解、生理食塩水による洗浄、など他の用途に使用するものであってもよい。
また、上記使用方法は、穿刺針71・72を脳内の病変部位に案内するものであったが、本装置1は、このような穿刺針71・72以外の器具、例えば、脳手術において脳内の病変部位に到達させることが必要な(シリコン)チューブ等を脳内に案内する場合に使用するものであってもよい。
本発明の装置およびバンドの構成についても上記構成に限定されるものではなく、以下に述べるように、本発明の範囲内で種々の変更が可能である。
〔4−A〕装置の変更態様その1
図17は、本発明の他の実施形態に係る簡易型定位脳手術装置100(以下、単に「装置100」という)の概略的構成を示す分解斜視図である。尚、説明の便宜上、上記装置1の構成と共通する部材には同一の番号を付し、その説明を省略する。
装置100においては、左右の固定針締付つまみ311・411によって固定針31・41が両側から締め付けられる構成になっている。即ち、固定針31・41の軸312・412の外周に雄ねじ部、固定フレーム3・4の嵌合孔313・413の内周に雌ねじ部が設けられ、両者がねじ結合され、さらに、固定針締付つまみ311・411が軸312・412の後端に取り付けられた構成になっている。したがって、固定針締付つまみ311・411を回し込んでいくと、固定針31・41が内側に締め付けられ、患者頭部に本装置100をしっかりと固定できる。具体的な固定方法は例えば以下のとおりである。
まず、固定針締付つまみ311・411を回して、固定針31・41を最も広げた状態、換言すれば、固定針31・41の翼状板314・414が固定フレーム3・4に最大限密着した状態にしておく。この状態で、前記の手順B−6と同様に、Cr点、Cl点に固定針31・41をあてがい、両手で固定フレーム3・4を患者皮膚に対し垂直に強く押し付け、骨に固定針31・41がしっかりと食い込んだ状態で、固定フレーム3・4のうち病側(手術側)でないほうのフレームを固定ねじ34(または44)で固定する。病側のフレームは前述と同様に事前に位置決めされ固定されているが、このとき固定ねじ34(または44)が緩んでいないか再度確認してもよい。固定ねじ34・44のつまみは、操作性向上のため、図17に示すように比較的径の大きな形状に形成されている。
次に、固定を強化するため、病側でないほうの固定針締付つまみ311(または411)で締め付け微調整する。このとき病側の固定針締付つまみは基本的に触らないようにする。計測した値がずれる恐れがあるからである。つまり、病側の固定針の翼状板が本来の皮膚表面より内側に食い込んでしまわないように留意する。もし、病側の固定針の翼状板が本来の皮膚表面より外側に明らかに飛び出している場合は、再度固定フレームを押し付けて固定するか、あるいは、病側の固定針締付つまみで微調整を行ってもよい。
このように固定針締付つまみ311(または411)で締め付け微調整することによって患者頭部への本装置100の固定を容易に強化できる。その後、前記のB−11と同様に、補助固定針51によって本装置100を患者頭部に3点固定する。補助固定針51の患者頭部への固定は、つまみ部512および位置固定用つまみ53を操作することにより行う。位置固定用つまみ53はこの操作まで少し緩んだ状態にしておき、最後に締め付けるようにするとよい。図17に示すように、本装置100においては、位置固定用つまみ53と連結アーム52との間にワッシャ54が設けられ、位置固定用つまみ53は、操作性向上のため、比較的径の大きな形状に形成され、軸312の軸長は雄ねじ37より長形状に形成されている。
また、装置100と装置1とは以下の点でも構造上相違するものになっている。
▲1▼ 装置100は、ぶれ防止板23以外、チタンまたはチタン合金からなる。術中に装置を装着した状態でMRIを使用して断層画像を撮る場合が想定されるが、装置材料にチタン合金などを使用することで、装置装着による画像への悪影響を低減できる。
▲2▼ ぶれ防止板23の材料には.オートクレーブ滅菌に適したポリカーボネートが使用されている。また、ぶれ防止板23の左右の穴245は、正円形ではなく横長の長円形に形成されている。これは、ねじ242によりぶれ防止板23を穿刺ガイド付フレーム2の本体25に取り付けた状態で滅菌処理した場合に、ぶれ防止板23の変形(たわみ)を防止するためである。
▲3▼ ねじ242の頭が、固定針31・41の翼状板314・414、および固定針締付つまみ311・411取り付け用のナット315・415と同一の六角形状に形成されている(ナット415は図示せず)。これは、レンチ等の一つの工具によって、各部材の締め付け・取り外しができるようにするためである。
〔4−B〕装置の変更態様その2
さらに、上記装置1・100に以下の変更を加えてもよい。
装置1・100においては、案内凹部として穿刺ガイド付フレーム2上にガイド溝21が刻設される構成であったが、各ガイド溝21の数・深さ・幅・長さ・断面形状等については、穿刺針71・72を溝に沿って案内できるものであれば特に限定されるものではない。例えば、穿刺ガイド付フレーム2上に設けるガイド溝21の数は、上記実施形態の構成より少ない数であってもよい。また、上記実施形態においては、穿刺針71・72の外筒の口径(直径)がそれぞれ2mmと3mmのものを使用したが、この場合、各ガイド溝21の深さは、約0.6mm〜1.4mm程度とすることが好ましく、各ガイド溝21の幅は、約1.5mm以上3mm以下とすることが好ましい。このように、各ガイド溝21の好ましい深さ及び幅は、使用する穿刺針71・72の口径などによっても異なり、特に限定されるものではない。
各ガイド溝21の長さについても、特に限定されるものではないが、穿刺針71・72を確実に案内するため、及び扱いやすさ等を考慮して、中央のガイド溝210の長さは、約3cm〜6cm程度に設定することが好ましい。
上記実施形態においては、作製の容易性などから各ガイド溝21の断面形状を逆三角形状としたが、特にこれに限定されるものではない。ただし、各ガイド溝21の断面を円弧状とすると、穿刺針71・72が溝深く入ってしまい、穿刺針71・72に対する押圧が弱くなるため、ガイド溝21の断面は多角形状であることが好ましい。
また、穿刺ガイド付フレーム2上にガイド溝21を刻設する代わりに、穿刺ガイド付フレーム2上に複数の壁面を突設させることにより、本発明の案内凹部を設ける構成としてもよい。つまり、上記ガイド溝21の代わりに複数の壁面を突設させ、互いに隣接する壁面と壁面との間を本発明の案内凹部として、この凹部に沿って穿刺針71・72を挿入する構成としてもよい。
目盛り22は、穿刺ガイド付フレーム2の本体25に刻設される構成であったが、印字などによってぶれ防止板23上に目盛り22を表示するような構成であってもよい。また、ガイド溝21をぶれ防止板23上(穿刺ガイド付フレーム2の本体25と面する側)に刻設するような構成であってもよい。
ぶれ防止板23は、押圧部材としてのコイルばね243によって穿刺ガイド付フレーム2の本体25に押圧される構成であったが、押圧部材はコイルばね243に限られず、ゴム、板バネなどの他の弾性部材であってもよい。
上記装置1・100においては、固定フレーム3・4の凹部32・42を穿刺ガイド付フレーム2の本体25に嵌合させ、摺動(スライド)させる構成であったが、他の構成(例えば、歯車とラックとの噛み合せなど)によって、固定フレーム3・4をスライドさせることとしてもよい。また、固定フレーム3・4は、穿刺ガイド付フレーム2の長手方向に変位可能であり、穿刺ガイド付フレーム2上の所望の位置で固定可能なものであれば、特にスライドさせる構成でなくてもよい。
補助固定具5は、右側固定フレーム3に取り付けられた構成であったが、左側固定フレーム4に取り付けられる構成であってもよいし、左右両方に設けてもよい。
患者頭部に装置1・100を固定する固定部材として固定針31・41を備えた構成であったが、接着剤や吸盤等を用いて固定フレーム3・4の端部を患者頭部に固定する構成としてもよい。この場合、固定フレーム3・4の端部と接着剤等により患者頭部に固定された部分とを軸により連結する構成とすれば、当該軸を中心に装置1・100全体を穿頭部位まで回動させることが可能である。
本装置1・100の材料も特に限定されるものではなく、ステンレス鋼・チタン(合金)以外の金属またはプラスチック等を材料に用いてもよく、滅菌処理に適した材料が好ましい。ぶれ防止板23についても、アクリル樹脂・ポリカーボネート以外の材料を使用してもよい。
さらに、各部材の形状・大きさ・長さ等はそれぞれ適した形状・大きさ・長さ等に設計変更してもよい。例えば、固定針31・41および補助固定針51の先端形状・大きさ等は適した形状・大きさ等に任意に設計変更してもよいし、補助固定針51のねじ部511の軸長を適した長さに変更してもよい。また、補助固定針51の先端51aが、ねじ部511の軸の回転と連動して回動しないような構成としてもよい。このような構成とすることで、補助固定針51により本装置1・100を3点固定するときに、補助固定針51の先端51aが覆布等を巻き込むことを防止できる。
〔4−C〕バンドの変更態様
前記マーキングバンド6は、2本のバンド61・62にそれぞれマークスティック67を6本ずつ、合計12本のマークスティック67を有する構成であったが、マークスティック67の本数はこれに限定されるものではない。なお、マークスティック67の本数が少ないと、前記手順A−8にて左右のプロット8を選択する際に適当なプロット8が選択できずCT撮り直しの必要が生ずるおそれがある。一方、マークスティック67の本数が多いと、前記手順A−9にて選択されたプロット8に対応するマークスティック67の位置に印を付ける際に間違う可能性が高くなるため、マークスティック67の本数は、左右にそれぞれ3〜8本程度とすることが好ましく、4〜7本程度とすることがより好ましい。
目印部材であるマークスティック67は、アルミニウム合金からなり、このアルミニウム合金におけるアルミニウム含有比は99.77%であり、他にチタン、鉄、シリコンを構成成分に含むものであるが、アルミニウム合金を使用した場合のアルミニウム含有比は特に限定されるものではない。もつとも、頭部表面に沿わせて配置できる程度の柔軟性をマークスティック67に持たせるためには、アルミニウム含有比が高いもの(例えば、70%以上)が好ましい。
マークスティック67を構成する金属棒(金属線であってもよい)としては、アルミニウム合金以外に、アルミニウム、ステンレス鋼、真鍮、銅、ニクロムなど、X線透過性が低く、CT等で撮影したときにアーチファクトの少ない金属であれば、いずれの金属またはその合金を使用してもよい。また、X線透過性が低く、CT等で撮影したときにアーチファクトの少ない材料であれば、金属以外の材料を使用してもよく、例えば動物の骨もしくは歯の加工物(象牙、人骨、魚骨など)等の使用が考えられる。
また、マークスティック67は、上記以外の材料を含むものであってもよく、例えば、上記いずれかの金属からなる金属棒(または金属線)を絶縁材で被覆した構成としてもよい。
マークスティック67の長さは約5cmであり、マークスティック67の間隔は約2cmであったが、特にこれに限定されるものではない。マークスティック67は細棒状に形成されているが、細すぎるとバンド本体65への挿入が困難となる。一方、金属棒を太く形成するとアーチファクトが出やすくなるため、マークスティック67の断面口径は約1mm〜2mm程度とすることが好ましい。つまり、マークスティック67の材料と太さは、患者頭部に押し付けるだけで形状が頭部表面にほぼ密着するような弾力を備え、かつ柔らかすぎない素材であること、さらに、X線透過性が低くCT撮影時アーチファクトを生じにくい材料と太さであることが好ましい。
マーキングバンド6を構成する2本のバンド61・62は、布製テープ63・64によってつなぎ合わせる構成であったが、これに限らず、紙テープなど他の手段を用いて2本のバンド61・62をつなぎ合わせる構成としてもよい。
2本のバンド61・62の材料については特に限定されるものではないが、長手方向に伸縮性を有するとマークスティック67の位置がずれて正確なマーキングができなくなるおそれがあるため、長手方向の伸縮性が低い材料が好ましい。また、患者頭部にフイットして巻きつけることができるよう柔軟性を有する材料が好ましい。
(5)本実施形態の利点
本実施形態の装置1の従来技術に対する利点について、以下、いわゆる駒井式装置に対する利点と特開平11−137568号公報に開示の装置に対する利点とに分けて説明する。
〔5−A〕駒井式装置に対する利点
▲1▼ 駒井式装置の場合、CT撮影の段階から装置を装着する必要があるが、本装置1の場合は、CT撮影時には装置1装着の必要はなく、CT撮影後の手術室において装置1を装着すればよい。このため、滅菌下においてのみ本装置1を取り扱うことになるため、衛生的であり、感染の可能性が極めて少ない。
▲2▼ また、手術室において麻酔下で本装置1を装着することになるため、患者に対する苦痛が少ないものになっている。
▲3▼ 簡易な構成であるため、装置1の組み立てが容易であり、その分、手術時間を短縮でき、手術侵襲が少ないものになっている。また、手術中、呼吸不全など患者にトラブルが発生した際、装置1の脱着が容易であるため対処が早い。
〔5−B〕特開平11−137568号公報に開示の装置に対する利点
▲1▼ 穿刺ガイド付フレーム2上のガイド溝21によって、穿刺針71・72の先端71a・72aを脳内の病変部位に導く構成になっているため、穿刺操作に弧状フレームの如き他の部材が不要である。その分、操作が容易であり、操作性に優れたものになっている。また、弧状フレームの如き曲線部材が不要になるため、消毒が容易になり衛生的であるし、より簡素化され安価なコストで製作できる。
▲2▼ 互いに口径の異なる穿刺針71・72のいずれを脳内に刺入する場合にも、穿刺針71・72は、穿刺ガイド付フレーム2の本体とぶれ防止板23とによって挟持され、確実にぶれを防止できる。したがって、組織の破壊を最小限にとどめ、再出血を防止する安全性の高い装置構成になっている。また、このように口径の異なる複数の穿刺針71・72を案内できる構成になっているため、まず細い穿刺針71で血腫腔に到達しトラクト(道筋)を設け、このトラクト内に同装置1を用いて血腫吸引用穿刺針72を刺入するといった使用が可能になる。このような手術は、再出血が生じにくく、周辺脳組織にも優しいので、この点からも安全性に配慮した装置構成になっている。
▲3▼ 補助固定具5は、簡易な構成でありながら、簡単に角度θおよび距離Eを調節でき、補助固定針51による患者頭部への固定位置を調節範囲内で自由に選択できるようになっている。つまり、補助固定針51による固定可能範囲が広く、その分、より安全な固定位置を選択できる。、
▲4▼ 主要な部材はほぼ直線状に形成されており その分、安価に製作でき、滅菌等を確実に行え衛生的である。
尚、発明を実施するための最良の形態の項においてなした具体的な実施態様または実施例は、あくまでも、本発明の技術内容を明らかにするものであって、そのような具体例にのみ限定して狭義に解釈されるべきものではなく、次に記載する特許請求の範囲内で、いろいろと変更して実施することができる。
産業上の利用の可能性
本発明は、以上のように、高血圧性脳出血、脳腫瘍、脳膿瘍、水頭症、脳嚢胞などの脳疾患に対する手術に用いられる簡易型定位脳手術装置、および患者頭部への当該装置の装着部位の決定に使用されるバンドに関するものであり、脳内血腫・脳内出血の吸引手術のほか、脳脊髄液の吸引、抗生物質の注入、ウロキナーゼによる血腫溶解、生理食塩水による洗浄など様々な脳手術に使用できる。

Claims (9)

  1. 穿刺針の先端を脳内の所定部位に案内するための案内フレームと、
    患者頭部に装置を固定するための固定部材をそれぞれ有し、上記案内フレームの長手方向にそれぞれ変位可能な左右の固定フレームとを備え、
    上記案内フレームには、上記左右の固定部材を結ぶ線上の一点に向かって穿刺針の先端を案内する複数の案内凹部が設けられていることを特徴とする簡易型定位脳手術装置。
  2. 上記案内フレームには、目盛りが付されていることを特徴とする請求項1記載の簡易型定位脳手術装置。
  3. 上記案内フレームは、上記案内凹部により穿刺針を案内する際に穿刺針のぶれを防止するためのぶれ防止部材を有していることを特徴とする請求項1または2記載の簡易型定位脳手術装置。
  4. 上記ぶれ防止部材を、上記案内フレームの本体に対して押圧する押圧部材が設けられていることを特徴とする請求項3記載の簡易型定位脳手術装置。
  5. 上記左右の固定フレームの少なくとも一方に、患者頭部への装置の固定を補助するための補助固定部材が設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の簡易型定位脳手術装置。
  6. 上記補助固定部材は、患者頭部への装置の固定を補助するための補助固定部と、当該補助固定部と固定フレームとを固定部材を中心として角度自在に連結する連結部材と、当該補助固定部と当該固定部材との距離を調節する距離調節部とを備えていることを特徴とする請求項5記載の簡易型定位脳手術装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の簡易型定位脳手術装置を使用した脳手術の前に、患者頭部への装置の装着位置を決定し、その位置に目印を付すために用いられるバンドであって、患者頭部に巻かれた状態で相互に対向する位置に配される複数の目印部材を有することを特徴とするバンド。
  8. 上記目印部材は、アルミニウムもしくはその合金、ステンレス鋼、真鍮、銅、ニクロム、または、動物の骨もしくは歯の加工物を含んでいることを特徴とする請求項7記載のバンド。
  9. 本体が網目状に形成されていることを特徴とする請求項7または8記載のバンド。
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