JP4168209B2 - フッ化不動態膜表面にフッ素樹脂を形成した材料およびその材料を用いた各種装置及び部品 - Google Patents

フッ化不動態膜表面にフッ素樹脂を形成した材料およびその材料を用いた各種装置及び部品 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、フッ化不動態膜表面にフッ素樹脂を形成した材料およびその材料を用いた各種装置及び部品に関する。
【0002】
【関連技術】
従来、半導体ドライプロセスでは、ステンレスやアルミニウム製のプロセスチャンバー等の装置を表面処理せずに使用されていた。しかし、多種多様の腐食性のガスを使用するためチャンバー内表面が腐食を受け、毎回のプロセス均一性に問題が生じる。また、NiF2を表面とするチャンバーを用いると水素ラジカルを有するガス、例えばSiH4等のガスに対して触媒性を有し、NiF2膜が減少するという問題がある。
【0003】
一方、半導体ウェットプロセスでは超純水や薬液等の供給やこれらを用いて洗浄等の処理を行う装置は、テフロン(4フッ化エチレン重合体)等の耐腐食性を有する樹脂材料が一般的に用いられている。しかしながら、樹脂材料は、金属に比べ柔らかく、破損しやすいという問題がある。また、テフロン等の樹脂材料は薬品の蒸気が透過するため、透過した薬品蒸気によって計器や外部の金属部品が腐食される等の問題がある。さらに、テフロン等の樹脂材料を用いた装置では超音波を吸収する為、超音波を用いた洗浄が不可能という問題がある。
【0004】
上記の問題点を解決する為に、金属基板にフッ化不働態表面処理を施したり、さらにフッ化不働態表面にCF4,C26,C38等のフロロカーボンガスを供給し熱CVD、或いはプラズマCVDにより形成されるフロロカーボン膜を施す技術が知られている(特開平5−104672号公報)。
【0005】
しかし、これらの技術では将来、装置の大型化あるいは形状の複雑な装置には、均一にフロロカーボン膜を形成することが不可能である。
【0006】
また、従来技術により数ミクロンのオーダーのフッ素樹脂膜をフッ化不動態膜上に形成しようとすると多大の時間がかかってしまう。また、CVD装置自体効果でありそれにともないフッ素樹脂膜の形成にコストがかかってしまう。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、短時間でしかも安価かつ容易に作製が可能であり、且つ目的の表面のみフロロカーボン膜を厚く形成する事が可能なフッ化不動態膜表面にフッ素樹脂を形成した材料、およびその材料を用いた各種装置及び部品を提供することを目的とする。
【0008】
本発明は、特殊ガス等の腐食性ガスや半導体用プロセスガス、特にプラズマ並びに薬液に対して充分な耐食性を有し、超音波を透過するフッ化不動態膜表面にフッ素樹脂を形成した材料、およびその材料を用いた各種装置及び部品を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
▲1▼本発明のフッ素樹脂を形成した材料は、基盤金属材料の表面にフッ素化したフッ化不動態膜を有し、該フッ化不動態膜の表面に静電粉体塗装により形成したフッ素樹脂が形成されていることを特徴とする。
【0010】
▲2▼本発明のフッ素樹脂を形成した材料は、基盤金属材料の表面にフッ素化したフッ化不動態膜を有し、該フッ化不動態膜の表面に静電粉体塗装により形成後プラズマ照射が行われたフッ素樹脂が形成されていることを特徴とする。
【0011】
(3)本発明の薬液装置は、薬液貯蔵用、薬液配送用、または薬液反応用、洗浄用装置である薬液装置の接液部に、基盤金属材料の表面にフッ素化したフッ化不動態膜を有し該フッ化不動態膜の表面に静電粉体塗装により形成したフロロカーボン膜を有する材料を用いたことを特徴とする。
【0012】
(4)本発明のガス装置は、ガス貯蔵用、ガス配送用、真空ポンプ用、またはガス反応用装置であるガス装置の接ガス部に、基盤金属材料の表面にフッ素化したフッ化不動態膜を有し該フッ化不動態膜の表面に静電粉体塗装により形成したフロロカーボン膜を有する材料を用いたことを特徴とする。
【0013】
(5)本発明の接流体部品は、少なくとも接流体部が、基盤金属材料の表面にフッ素化したフッ化不動態膜を有し該フッ化不動態膜の表面に静電粉体塗装により形成したフロロカーボン膜を有する材料から形成されていることを特徴とする。
【0014】
【作用】
本発明は、ウェットプロセスにおいて薬液に接する金属材料の表面にフロロカーボン膜を形成する事により、薬液による装置並びに部品の腐食を防ぐばかりでなく、薬液への汚染を防ぐ事が可能となる。また、基盤に金属材料を用いているため超音波を用いた洗浄が可能となる。ドライプロセスではプロセスチャンバや配管等が腐食性ガスやプラズマに対して耐性を有する事が可能となる。
【0015】
本発明の基盤金属としては各種金属が含まれるが、特にステンレス、ニッケル、アルミニウムまたはこれらと他の金属との合金等であり、これらの表面上にニッケルを含む半金属、たとえばニッケル-リンめっきを施したものも用いられる。
【0016】
フッ化不動態の形成はたとえば、次の手法によればよい。
【0017】
すなわち、表面に存在する自然酸化膜を除去した金属材料を、高純度(好ましくは不純物濃度は数ppb以下)の不活性ガス中でベーキングし、金属表面に吸着している水分などを脱離した後フッ素化し、少なくともその表面の一部または全面に金属フッ化物からなるフッ化不動態膜を形成せしめ、更に再度高純度(好ましくは不純物濃度は数ppb以下)の不活性ガス雰囲気下で熱処理を行う。
【0018】
ベーキング温度は、付着水分を除去し得る温度ならば特に限定されない。たとえば、ステンレス、ニッケル、ニッケル合金、銅、銅合金、クロム、コバルト、コバルト合金、チタン、チタン合金においては350〜600℃が好ましく、400〜500℃がより好ましい。ベーキングの時間は1〜5時間が好ましい。ベーキング温度が350℃未満では、金属材料の母材表面の付着水分が完全には除去されず、このような状態でフッ素化を行うと形成されたフッ化不動態膜は、たとえばニッケルの場合、NiF2・4H2Oとなり化学量論比を満足した完全なフッ化不動態膜は得られないことがある。アルミニウム、アルミニウム合金のベーキング温度は150〜400℃が好ましく、200〜300℃がより好ましい。
【0019】
フッ素化温度については、ニッケル、モネル、銅、銅合金、クロムに於いては200〜500℃が好ましく、250〜450℃がより好ましい。フッ素化の時間は、1〜5時間が好ましい。フッ素化温度が200℃未満では耐食性に優れた十分な厚みのフッ化不動態膜は得られないことがある。また、450℃より高温でフッ素化を行うと形成されたフッ化不動態膜に、たとえばニッケルの場合フッ化ニッケルの結晶粒が生成し、不動態膜に亀裂、剥離を生じることがある。ハステロイCのフッ素化温度は150〜300℃が好ましく、150〜250℃がより好ましい。300℃より高い温度でフッ素化すると剥離を生じ耐食性に優れたフッ化不動態膜は得られないことがある。
【0020】
ステンレスのフッ素化温度は100〜300℃が好ましく、150〜265℃がより好ましい。フッ素化の時間は、1〜5時間である。フッ素化温度が265℃以下ではFeF2が生成し、265℃を超えるとFeF3が生成する。FeF3が多量に形成されると、FeF2のかさ密度がFeF3に比べて1.16倍と大きいために形成された皮膜が体積膨張し、亀裂、剥離等が生じることがある。また、100℃未満では十分な膜厚が得られない。アルミニウム、アルミニウム合金のフッ素化温度は200〜400℃が好ましく、250〜350℃がより好ましい。400℃より高温でフッ素化すると形成されたフッ化不動態膜にフッ化アルミニウムの結晶粒界が生成し、亀裂、剥離を生じる。
【0021】
フッ素化は常圧で行うのを基本とするが、必要に応じて加圧下で行うことも出来、この際の圧力としてはゲージ圧力で2気圧以下程度でよい。フッ素化の雰囲気は、酸素の存在しない状態で行うのが好ましく、従ってフッ素を単独で、あるいは適宜な不活性ガス、たとえばN2,Ar,He等で希釈して使用することが好ましい。
【0022】
上記、フッ素化温度でフッ素化したフッ素化したままのニッケルの不動態膜をSurface Science Instruments' Products 社製SSX−100型のESCAで解析するとNiとFの比がNiF2における化学量論比の約1.1倍であった。即ち、ニッケルに対するフッ素の量が約1.1倍過剰に存在していることになるが、この過剰のフッ素はニッケルと結合せずにフリーな状態で不動態膜中に存在している。この過剰量が耐食性を阻害するために耐食材料にはなり得ない。
【0023】
フッ素化処理後の熱処理は、ニッケル、ニッケル合金、銅、銅合金、クロムに於いては300〜600℃、好ましくは400〜500℃である。ステンレスに於いては、200〜600℃が好ましく、300〜500℃がより好ましい。アルミニウム、アルミニウム合金に於いては200〜400℃が好ましく、250〜400℃がより好ましい。N2,Ar,He等の不活性ガス中で1〜5時間熱処理を行うことにより、堅牢かつ緻密で金属との密着性が良好であり、耐食性も十分認められる略々化学量論比を満足するフッ化不動態膜を形成する。
【0024】
一方、静電粉体塗布に用いるフッ素樹脂としてはFEP系(テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体)フッ素樹脂やPFA系(テトラフルオロエチレン-パーフルオロビニルエーテル共重合体)フッ素樹脂等が用いられる。
【0025】
本発明における表面処理膜は、まず金属材料をフッ化不働態化処理する事によりフッ化不働態膜を形成し、その後静電粉体塗装法によってフロロカーボン膜を形成させ、さらにCF系ガスのプラズマ照射処理を施すことによって形成することが好ましい。
【0026】
静電粉体塗装とは、印加電圧を掛け帯電させたフッ素樹脂粉体を基材へ吹き付けることによりフッ化不動態膜表面にフッ素樹脂を付着させ、その後、不活性ガス、例えばN2,Ar,He等中で380℃、20分間熱処理を施すことによってフロロカーボン膜が形成する。膜厚は静電量によって制御できる。
【0027】
従来、フッ素樹脂コートを行うときは基盤表面をブラスト処理やプライマー処理を施さなければ樹脂粉体の塗布が不可能であった。しかしフッ化不動態膜が形成されている場合には、従来のようなブラスト処理やプライマー処理のような表面処理を行わずに、フッ素樹脂を密着性よく形成することが可能なことを本発明者は見いだした。基盤表面にフッ化不働態膜が形成されているとフッ化不動態膜の最表面はフッ素終端されており、そのためにフッ素樹脂と密着性が高まり、フッ素樹脂を密着性よく形成することが可能となったものと考えられる。特にフッ化不動態が略化学量論比を満足するフッ化不動態である場合ほど密着性は良好である。
【0028】
さらに、フッ素樹脂コートしたものに60eVのCF系ガスを用いたプラズマを30分間照射する事によってフッ素樹脂と金属基盤に形成されたフッ化不働態膜との密着性はより一層向上する。しかし、ここでCF系ガスとしては、CF4、C48などのガスが好適である。
【0029】
また、照射エネルギーについてはエネルギーが大き過ぎるとフロロカーボン膜表面が破壊されるため、望ましくは40〜80eV、さらに望ましくは50〜70eVである。
【0030】
次いで本発明の装置について説明する。
【0031】
本発明の装置は基本的には薬液および腐食性ガスに接触する部分に、上記のフロロカーボン膜が形成された金属材料であり、さらに接触しない部分も上記フロロカーボン膜が形成された材料を使用しても良い。
【0032】
薬液装置としては薬液を取り扱う装置すべてを包含する広い概念として使用されており、例えば薬液貯蔵用、または薬液搬送用装置をはじめ、薬液を使用するあるいは薬液を混合する反応装置等が例示できる。さらに詳しくはタンク、配管、バルブ、ポンプ、容器、洗浄装置である。
【0033】
ガス装置としては、ガスを取り扱う装置すべてを包含する広い概念として使用されており、例えば、ガス貯蔵用、またはガス配送用装置をはじめ、ガスを使用するあるいはガスが発生する反応装置が例示できる。更に詳しくはボンベ、ガスホルダー、配管、バルブ、真空ポンプ、RIE反応装置、CVD反応装置である。
【0034】
図1に薬液装置の例として洗浄装置の模式図を示した。装置は洗浄容器103、薬液供給配管101、超純水配管102、薬液循環ポンプ105、薬液循環配管106、および超音波装置107から構成させている。洗浄容器103の内壁にはフロロカーボン膜104が形成されている。洗浄容器103内壁のフロロカーボン膜の形成は、アルミ合金製の洗浄容器内壁にまずニッケル-リンを10μm無電解めっきを施し、フッ化不働態化処理を行ってNiF2膜を2000Å形成させた。次いでフッ素樹脂を静電粉体塗布により付着させ、窒素雰囲気中380℃で20分間熱処理を行うことによりフロロカーボン膜を形成させている。
【0035】
図2にガス装置の例を模式図で示した。装置はガス貯蔵用ボンベ201、及びバルブ、マスフローコントローラー等を内蔵したガス供給システム202、およびRIE装置やCVD装置等からなる反応装置203、及び真空排気装置205から構成されている。反応装置の内壁にはフロロカーボン膜204が形成されている。反応装置203内壁のフロロカーボン膜の形成は、アルミ合金製の洗浄容器内壁にまずニッケル-リンを10μm無電解めっきを施し、フッ化不働態化処理を行ってNiF2膜を2000Å形成させた。次いでフッ素樹脂を静電粉体塗布により付着させ、窒素雰囲気中380℃で20分間熱処理を行うことによりフロロカーボン膜を形成させている。
【0036】
【実施例】
本発明の技術的内容をより明確にするため、代表的な例を挙げ以下に実施例として例示する。
【0037】
(実施例1)
アルミ基盤上にまずニッケル-リンめっきを10μm施し、フッ化不働態化処理を行ってNiF2膜を2000Å形成させた。次いでPFA樹脂を静電粉体塗布により付着させ、窒素雰囲気中380℃で20分間熱処理を行うことにより厚さ30μmのフロロカーボン膜を形成させた。断面図を図3に示す。
【0038】
(実施例2)
参考例1の後、さらに、30分間60eVのCF4プラズマ照射による表面処理を行った。
【0039】
実施例1により作製したサンプル(サンプル1)及び実施例2で作製したサンプル(サンプル2)につき次の調査を行った。
【0040】
(従来例1)
▲1▼耐薬品性:HF
サンプル1につき、腐食性、浸透性の強いノニオン系界面活性剤を添加した0.5%HF用液中に室温で20時間浸漬させ、耐腐食性を調査した。図4に電子顕微鏡(以後、SEMと表記する)による表面観察を示す。浸漬前後で変化が見られないことが確認できた。
【0041】
▲2▼耐オゾン水性
サンプル1につき、最も酸化力の強いオゾンに対する耐性を調査するために、オゾン濃度5ppmのオゾン水に12時間浸漬した。図5に光学顕微鏡による表面観察を示す。この結果から浸漬前後で変化していないことが確認できた。
【0042】
▲3▼脱水分特性
樹脂は一般に脱水分特性が悪い。ガス装置や真空装置に使用する為には、配管内壁並びにチャンバー内壁表面の脱水分特性が最も重要である。ステンレス配管に、サンプル1を挿入し、250℃に昇温した時の脱水分測定を大気圧型質量分析装置(API−MS)により行った。
【0043】
その時のキャリアーガスとしてArガスを用い、流量1.2L/mで行った。 なお、比較材料としてアルミ基盤上にニッケル-リンめっきを施し、さらにこの表面をフッ化不働態処理したNiF2膜を有するサンプル(サンプル3)を用いて同じ試験を行った。
【0044】
図6に脱水分測定の結果を示す。フロロカーボン膜を有するサンプル1の初期水分量は、フロロカーボンを有しないサンプルしていないものと比べて多いが、水枯れ時間は同じ結果であった。フロロカーボン膜は真空装置として使用可能である事が確認できた。
【0045】
▲4▼耐腐食性ガス:Cl2、CO、HF
ステンレス配管に、サンプル1〜3を挿入し、Cl2ガスを充填してから室温で100時間密閉した。
【0046】
その後のサンプル1の表面をSEMによって評価した。同様な方法で各種ガス、CO、HFを用いてSEMにより評価を行った。
【0047】
その結果を表1に示す。どのガスにおいても耐食性に優れていることが確認できた。
【0048】
【表1】
Figure 0004168209
【0049】
サンプル1,2,3に60eVの各種CF4プラズマ、C48プラズマ、NF3プラズマを30分照射し、それぞれのプラズマ耐性を調査した。
【0050】
SEMによる表面観察の結果、照射前後で表面の変化が見られないことが確認できた。その結果を表2に示す。
【0051】
▲6▼耐プラズマ特性2:H2
NiF2膜はH2に対して触媒性を有している為、NiF2膜が減少していく問題があった。そこでフロロカーボン膜を付けることでHラジカルに対する耐性を調査した。
【0052】
上記サンプル1,2,3に40eVの次のガス種のプラズマを30分照射した。SEMによる表面観察の結果は、照射前後で表面の変化が見られないことが確認できた。その結果を表2に示す。
【0053】
【表2】
Figure 0004168209
【0054】
▲7▼密着性試験
サンプル1を超純水中で出力950kHz、600Wのメガソニックを8時間照射し、基盤とフロロカーボン膜との密着性を調査した結果、光学顕微鏡で表面を観察すると膜の剥がれや気泡は生じていなかった。
【0055】
また、JISの密着性試験にしたがって、表面にカッターで碁盤状に傷を入れ、ガムテープによって剥がす方法で密着性を調査した。その結果、膜剥がれは確認できなかった。
【0056】
同時にサンプル2についても同様な試験を行った結果、膜剥がれは確認できなかった。
【0057】
【表3】
Figure 0004168209
【0058】
▲8▼超音波透過性
20cm×15cm角、厚さ3mmのアルミ平板をサンプル1と同様な方法で処理したものに950kHzの振動子を密着させ共振周波数を測定した。
【0059】
比較材料としてフッ素樹脂コートを施していないもの(サンプル4)で同様に実験を行った。
【0060】
その結果を表3に示す。フッ素樹脂コートしているものとそうでないもの共に振動子との共振周波数のずれが許容範囲であるため超音波洗浄のベッセルとして使用可能であることが確認できた。
【0061】
【表4】
Figure 0004168209
但し、許容範囲950kHz±65Hz、アルミ板厚さ3±0.1mm
【0062】
【発明の効果】
本発明は、基板上をフッ化不働態膜にすることによって容易にフッ素樹脂を塗布する事が可能となった(静電粉体塗装)。また、将来装置の大型化並びに形状の複雑化によらず均一にフッ素コーティングが可能である。形成されたフロロカーボン膜は半導体ウェットプロセスにおいて強力な溶解性を示すフッ酸水溶液などの薬液に対して耐性を有することが確認できた。
【0063】
また、従来の半導体ウェット洗浄では樹脂材料が用いられ、金属に比べ柔らかく、破損しやすいという問題があったが、金属基盤上にフロロカーボン膜を形成することで機械的強度が増し、また超音波を用いたウェット洗浄が可能となった。一方、半導体ドライプロセスにおいて特殊ガスなどの腐食性ガスを用いる配管やプロセスチャンバー内表面、ターボ分子ポンプ等の真空ポンプ材にフロロカーボン処理することによって耐食性を有することが確認できた。本発明は半導体分野であるウェットプロセスやドライプロセスにおいて大きな効果が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】薬液装置の一例の模式図である。
【図2】ガス装置の一例の模式図である。
【図3】サンプル1の断面図である。
【図4】サンプル1のSEM写真である。
【図5】サンプル22の材料の光学顕微鏡写真である。
【図6】各サンプルの脱水分特性を示すグラフである。
【符号の説明】
101…薬液供給配管
102…超純水供給配管
103…洗浄容器
104…フロロカーボン膜
105…ポンプ
106…薬液循環配管
107…超音波装置
201…ボンベ
202…ガス供給配管
203…反応装置
204…フロロカーボン膜
205…真空排気装置

Claims (5)

  1. 基盤金属材料の表面にフッ素化したフッ化不動態膜を有し、該フッ化不動態膜の表面に静電粉体塗装により形成したフッ素樹脂が形成されていることを特徴とするフッ素樹脂を形成した材料。
  2. 基盤金属材料の表面にフッ素化したフッ化不動態膜を有し、該フッ化不動態膜の表面に静電粉体塗装により形成後プラズマ照射が行われたフッ素樹脂が形成されていることを特徴とするフッ素樹脂を形成した材料。
  3. 薬液貯蔵用、薬液配送用、または薬液反応用、洗浄用装置である薬液装置の接液部に、基盤金属材料の表面にフッ素化したフッ化不動態膜を有し該フッ化不動態膜の表面に静電粉体塗装により形成したフロロカーボン膜を有する材料を用いたことを特徴とする薬液装置。
  4. ガス貯蔵用、ガス配送用、真空ポンプ用、またはガス反応用装置であるガス装置の接ガス部に、基盤金属材料の表面にフッ素化したフッ化不動態膜を有し該フッ化不動態膜の表面に静電粉体塗装により形成したフロロカーボン膜を有する材料を用いたことを特徴とするガス装置。
  5. 少なくとも接流体部が、基盤金属材料の表面にフッ素化したフッ化不動態膜を有し該フッ化不動態膜の表面に静電粉体塗装により形成したフロロカーボン膜を有する材料から形成されていることを特徴とするタンク、配管、バルブ、ポンプ、容器、ボンベ、ガスホルダーなどの接流体部品。
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