JP4167843B2 - Long-day plant cultivation method - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、長日植物の栽培方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、長日植物に属する花卉類を温室などで人工的に栽培する場合、その花卉類の原種の自生地における生育環境(特に日長、温度)に近い条件で栽培するのがよいとされ、温室などの生育環境を人工的に再現可能な植物栽培施設が用いられている。
【0003】
一方、日長時間を制御する技術として、たとえば特開平4−349824号公報には、太陽光、蛍光ランプおよび白熱電球の併用により日長時間を制御する比較的簡易な植物栽培装置が記載されている(従来技術1)。
【0004】
また、特開平10−178899号公報や特開平10−178901号公報には、植物ごとに育成に必要な光の波長域と照射量が異なるため、最適な照射を行なうためには育成される植物の表面における波長ごとの光量子束密度の比率や波長ごとに光量制御、照射時間の制御を行っている。また、この植物栽培装置では、上記の光以外の生育環境である温度、湿度および炭酸ガスも制御している。さらに、具体的に説明すると、光源には、青色(X:400〜500nm)、緑色(G:500〜600nm)、赤色(Y:600〜700nm)および深赤色(Z:700〜800nm)の各波長の発光ダイオードを備え、栽培する植物の種類に応じて各発光ダイオードの照射量を変化させ、X:0〜50%、Y:40〜100%、Z:0〜10%であり、X+Y+Z=100%になるように構成された光源や、(X+Y+Z):G=30〜80%:20〜70%であり、X+Y+Z+G=100%になるような光源を備えている(従来技術2)。
【0005】
そうして、従来技術2においては、長日植物で幼若な株を育てる場合、その育成初期に青色光と赤色光を照射した後、深赤色光を照射してから、全ての光を消すというサイクルで育成し、株が充実した状態では、赤と青のみで深赤色を含まない光を照射して、株が幼若な状態での花芽形成を防止している。
【0006】
他方、特開平5−217556号公報には、植物の光合成促進と、自然光下における生育に近似した植物高さ、葉の面積・形状などの形態形成制御とを図ることができる植物育成用蛍光ランプが記載されている。この蛍光ランプは、発光のピーク波長が440〜470nm、540〜560nmおよび600〜620nmにある3種の希土類元素付活蛍光体、ならびにピーク波長が700〜800nmにある遠赤色放射蛍光体からなる蛍光体層を備え、600〜700nmの波長域に含まれる光量子束と、700〜800nmの波長域に含まれる光量子束との比が0.8〜1.2の光放射を行なう(従来技術3)。
【0007】
また、特開平4−304822号公報には、波長400〜500nm、500〜600nmおよび600nm以上の発光エネルギー比率を同じにした蛍光ランプが記載されている(従来技術4)。
【0008】
さらに、硫酸銅溶液で太陽光の遠赤色光を吸収させて透過光の赤色光/遠赤色光比を1より大きくした光を照射すると、菊の草丈と節間長が短くなることは、多くの報告で示されている(McMahonら、1991;Rajapaskse・Kelly、1992;Rajapaskseら、1993、1995)(従来技術5)。
【0009】
これらから、長日植物の開花を抑制するには、波長600〜700nmの赤色光を照射するのが効果的であることが分ってきた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
長日植物の花卉類は、短日低温期(秋冬季)における花芽の分化・発達が抑制されるために、開花到達日数が長くなるとともに、草丈の成長も抑制されてしまう。
【0011】
そこで、この問題を解決すべく従来技術2を参考にして、日中自然光下で冬季に長日植物を栽培してみた。その結果、花芽分化の発達および開花が抑制され、花卉に必要な花芽分化促進効果が得られなかった。また、長日植物を大量に生産する場合、従来技術1および2に記載されている栽培装置では、3種類の光源を必要とし、また従来技術2においては、上記に加えて湿度、温度および炭酸ガス濃度のセンサと、これらを制御するコンピュータを備えたコントローラとが必要であることから、初期設備コストばかりでなく、ランニングコストも高くなるという問題がある。さらに、生産者は、長日植物を量産する場合、多様な需要に対応するために、複数種の長日植物を同一の生育環境下で栽培することも多く、種類ごとに生育条件を変えるのは実際上容易でない。
【0012】
次に、従来技術3、4の場合、単一の蛍光ランプが常に割合の一定な複数色を含んだ光を放射するので、各色光間の割合を状況に応じて所望に変化させることができない。
【0013】
また、従来技術5においては、硫酸銅溶液を用いるので実際的ではなく、また長日植物の生育の抑制はできても生育や開花を促進する点は触れられていない。特に低温期の冬季に長日植物の生育を促進して、草丈を伸長させるとともに、花芽形成・発達を促進することや、冬季以外の季節において、所望に長日植物の生育の促進および抑制を任意に制御することについては触れられていない。
【0014】
これに対して、本発明者は、長期間にわたる種々の実験を重ねた結果、長日植物に光質変換フィルムを用いて日中に赤色光/遠赤色光光量子束密度の比を1より小さくした太陽光を照射することや、遠赤色光蛍光ランプを用いて夜間にも遠赤色光を照射し続けると、低温期の冬期を含めて栽培季節にかかわらず、開花時期が早くなるとともに、草丈の成長が早くなることを発見した。本発明は、この発見に基づいて完成したものである。
【0015】
本発明は、比較的少ない設備投資でも長日植物に属する花卉類などの生育および開花を栽培季節にかかわらず促進させる長日植物の栽培方法を提供することを目的とする。
【0016】
また、本発明は、加えて季節ごとに好適な光照射を行なうことにより、長日植物の生育および開花を季節に応じて最適に制御できるようにした長日植物の栽培方法を提供することを他の目的とする。
【0017】
【課題を達成するための手段】
請求項1の発明の長日植物の栽培方法は、赤色/遠赤色の光量子束密度の比が1より小さくなるように太陽光を光質変換する被覆体を配設した植物栽培施設内に定植した長日植物を配置する第1の工程と;日中において、被覆体を透過した太陽光を長日植物に照射する第2の工程と;主として太陽光照射のない時間帯において、光量子束密度が0.1μmol・m−2・s−1より大きくて、かつ、赤色/遠赤色の光量子束密度の比が1より小さな人工光を長日植物に照射する第3の工程と;を具備していることを特徴としている。
【0018】
本発明および以下の各発明において、特に指定しない限り用語の定義および技術的意味は次による。
【0019】
第1の工程について 第1の工程は、所定の構成を備えた植物栽培施設に定植した長日植物を配置する工程であり、栽培に際しての準備段階に相当する。植物栽培施設の所定の構成とは、定植した長日植物が太陽光を光質変換する被覆体を透過した太陽光を照射される関係にあるとともに、その光質変換が赤色/遠赤色の光量子束密度の比が1より小さくなるような内容である。
【0020】
したがって、植物栽培施設は、具体的な構造を問わない。また、被覆体は、フィルム状または板状などであることを許容する。フィルム状をなす被覆体は、光質変換合成樹脂フィルムとして容易に入手することができる。板状をなす被覆体は、ガラス板や透光性構成樹脂板に光質変換薄膜を被着したり、ガラスや透光性構成樹脂板自体に光質変換特性を付与したりしたものであってもよい。さらに、被覆体は、たとえば温室などの植物栽培構体の内部において長日植物を被覆するように配置されてもよいし、植物栽培構体の壁面をなしていてもよい。
【0021】
次に、光質変換における「赤色」とは、波長600〜700nm(正確には、600nm以上〜700nm未満)の範囲の放射をいい、上記の波長範囲内における積分値をもって定義するものとする。これに対して、「遠赤色」とは、波長700〜800nm(正確には、700nm以上〜800nm未満)の範囲の放射をいい、上記の波長範囲内における積分値をもって定義するものとする。したがって、「赤色/遠赤色の光量子束密度の比が1より小さい」とは、赤色光エネルギー強度が遠赤色光エネルギー強度より少ないことを意味する。
【0022】
「定植した長日植物」とは、後述する第2の工程において、長日植物が定植された状態にあればよいことを意味し、一般的には播種後、発芽してから定植可能な状態まで苗が生育してから定植するが、定植工程なしに圃場に生育した直播き苗であってもよい。また、長日植物は、花卉類、特に草丈の比較的高い切り花類だけでなく、要すれば観葉植物や野菜などであってもよい。さらに、定植は、鉢やポットを用いてもよいし、圃場に直接行なってもよい。
【0023】
第2の工程について 第2の工程は、日中において、被覆体を透過した太陽光を長日植物に照射する工程である。本発明において、「日中」とは、太陽光がある時間帯をいうが、日の出1〜2時間程度の前後までと、日の入り1〜2時間程度の前後とを、所望により第3の工程への移行期として、第3の工程も同時に併用するように構成することが許容される。なお、後述する第3の工程における「主として太陽光照射のない時間帯」とは、1日から日中を除いた残余の時間帯をいう。ただし、上記の時間帯は、連続しているだけでなく、日中であっても気象条件のために、長日植物に対して実効的に太陽光照射が行われない状態になった場合には、その時間帯も主として太陽光照射のない時間帯として扱うことが許容される。また、一般的な可視光の人工光が照射されることによって、夜間の暗い状態が中断されるような時間帯が生じた場合であって、当該時間帯が植物の生育に影響がない程度の場合に、当該時間帯も、主として太陽光照射のない時間帯として扱うことが許容される。しかし、要すれば、太陽光照射時間帯を一律に日中として管理することも許容される。さらに要すれば、日中から主として太陽光照射のない時間帯へ移行する際に、第3の工程が開始されるまでに多少の空白時間帯ができることも許容される。
【0024】
そうして、第2の工程において、長日植物に照射される太陽光は、光質変換体を透過する際に、光質変換されて赤色光が低減して遠赤色光が相対的に多く含まれた光となる。
【0025】
第3の工程について 第3の工程は、主として太陽光照射のない時間帯において、光合成有効光量子束密度が0.1μmol・m−2・s−1より大きくて、かつ、赤色/遠赤色の光量子密度の比が1より小さな人工光を長日植物に照射する工程である。また、「人工光」とは、人為的に造られた光または人為的に制御された自然界に発生した光をいい、一般的には人工光源によって発生させることができる。赤色/遠赤色の光量子束密度の比が1より小さな人工光を得る人工光源はどのようなものであってもよいが、蛍光ランプ、メタルハライドランプや発光ダイオードなどが好適である。蛍光ランプは、ガラスバルブの内面に配設される蛍光体層を構成する蛍光体の種類によって様々な分光分布を呈する発光を得ることができ、もちろん上記の条件を満足する人工光を容易に発生させることができる。また、発光ダイオードは、半導体の材料組成に応じて様々な分光分布を呈する発光を得ることができる。
【0026】
次に、本発明の作用について説明する。本発明は、日中および夜間に遠赤色光の多い光照射を行なうので、季節の如何にかかわらず、したがって秋まき越冬栽培、春まき栽培、夏まき栽培のいずれであっても、長日植物の生育たとえば切り花長および節間が長くなり、ならびに開花が促進されて、定植から収穫たとえば採花までの日数が短縮される。その結果、植物栽培施設の利用率が向上し、冬季における暖房コストを低減することができる。また、人工光を得るための手段たとえば人工光源の種類が単純に少なくてよいので、初期設備投資額が少なくなる。
【0027】
請求項2の発明の長日植物の栽培方法は、主として太陽光照射のない時間帯において、周囲温度が17℃以下のときは光量子束密度が0.1μmol・m−2・s−1より大きい人工光であって、かつ、主として赤色/遠赤色の光量子束密度の比が1より小さな第1の人工光を長日植物に照射し、周囲温度25℃以上のときは光合成有効光量子束密度が0.1μmol・m−2・s−1より大きい主として波長400〜500nmの第2の人工光を長日植物に照射し、周囲温度が17〜25℃のときは主として第1および第2の人工光を長日植物に照射する第2の光照射工程と;を具備していることを特徴としている。
【0028】
本発明は、周囲温度に応じて長日植物の光照射条件を変化させるようにした構成を規定している。すなわち、主として太陽光照射のない時間帯、代表的には夜間に人工光を照射する工程を、周囲温度により3つに区分して光照射条件を変化させるものである。
【0029】
第1の区分は、周囲温度17℃以下のときであり、これは主として冬季に相当する。この季節には、長日植物が低温のため、生育が抑制されるとともに、開花が遅れる傾向にある。第2の区分は、周囲温度25℃以上のときであり、主として夏季に相当する。この季節には、長日植物の花芽分化作用が活発になり、草丈が短いにもかかわらず開花が促進される傾向にある。第3の区分は、周囲温度が17〜25℃のときであり、第1および第2の区分の中間に位置する主として秋季(および春季)に相当する。この季節は、長日植物の生育、開花に特段の傾向が認められない。
【0030】
次に、人工光について説明する。第1の人工光は、請求項1における人工光と同様な構成である。これに対して、第2の人工光は、主として波長400〜500nmの光であれば、どのような構成であってもよいが、たとえば蛍光ランプや発光ダイオードなどを用いて得ることができる。そして、第1の区分である周囲温度17℃以下のとき(冬季)には、第1の人工光が長日植物に照射される。第2の区分である周囲温度25℃以上のとき(夏季)には、第2の人工光が照射される。第3の区分である周囲温度17〜25℃のとき(秋季・春季)には、第1および第2の人工光が照射される。
【0031】
また、本発明において、日中の光照射条件は問わない。すなわち、光質変換しない自然光で光照射されるようにしてもよいし、請求項1におけるように光質変換した太陽光を照射してもよい。
【0032】
本発明の作用について説明する。冬季の低温期には、主として夜間に、赤色光に比較して遠赤色光の強い光を照射するにより、長日植物の生育が促進され、また開花が早くなる。そのため、秋まきの長日植物を越冬栽培して、冬季から春季にかけて草丈が長くて、花が大きい上質な切り花に育成して、出荷することが可能になる。
【0033】
また、夏季の高温期には、主として夜間に青色光を照射することで、花芽分化作用が抑制されるので、シェードを掛けなくても草丈が短い状態での花芽形成が行なわれなくなり、春季・秋季と同様に草丈が長い切り花を得ることができる。
そのため、本発明によれば、春まきの長日植物を夏季から秋季にかけても、草丈が長くて、花が大きい上質な切り花に育成して、出荷することが可能になる。
【0034】
さらに、秋季(春季)の中温期には、主として夜間に赤色光に比較して遠赤色光の強い光と青色光とを照射するので、バランスのとれた光照射が行なわれて、草丈および花の大きさを良好に育成することができる。そのため、夏まきの長日植物を秋季から冬季にかけて草丈が長くて、花が大きい上質な切り花に育成して、出荷することが可能になる。
【0035】
請求項3の発明の長日植物の栽培方法は、赤色/遠赤色の光量子束密度の比が1より小さくなるように太陽光を光質変換する被覆体を配設した植物栽培施設内に定植した長日植物を配置する第1の工程と;日中において、被覆体を透過した太陽光を長日植物に照射する第2の工程と;主として太陽光照射のない時間帯において、周囲温度が17℃以下のときは光量子束密度が0.1μmol・m−2・s−1より大きい人工光であって、かつ、主として赤色/遠赤色の光量子束密度の比が1より小さな第1の人工光を長日植物に照射し、周囲温度25℃以上のときは光量子束密度が0.1μmol・m−2・s−1より大きい主として波長400〜500nmの第2の人工光を長日植物に照射し、周囲温度が17〜25℃のときは主として第1および第2の人工光を長日植物に照射する第3の光照射工程と;を具備していることを特徴としている。
【0036】
本発明は、周囲温度に応じて長日植物の主として夜間における光照射条件を変化させるようにした構成を規定している点で、請求項2と同様であるが、日中の光照射条件についても規定している。すなわち、請求項2の主として夜間の光照射に加えて、太陽光照射のある日中の時間帯には、請求項1におけると同様に、光質変換により赤色光に比較して遠赤色光の強い光を長日植物に照射する。
【0037】
本発明の作用について説明する。冬季の低温期には、日中および夜間にわたり、赤色光に比較して遠赤色光が強い光を照射することにより、長日植物の生育が促進され、また開花が早くなる。そのため、秋まきの長日植物を越冬栽培して、冬季から春季にかけて草丈が長くて、花が大きい上質な切り花に育成して、出荷することが可能になる。
【0038】
また、夏季の高温期には、日中赤色光に比較して遠赤色光が強い光を照射することにより、長日植物が良好に生育し、夜間には青色光を照射することで、花芽分化作用が抑制されるので、シェードを掛けなくても草丈が短い状態での花芽形成が行なわれなくなり、夏季から秋季にかけて草丈が長い状態に育成し、しかも、花芽分化時期を調整しながら開花させることができる。そのため、春まきの長日植物を夏季から秋季にかけて草丈が長くて、秋季(春季)と同じように花が大きい上質な切り花に育成して、出荷することが可能になる。
【0039】
さらに、秋季(春季)の中温期には、日中および夜間にわたり赤色光に比較して遠赤色光が強い光を照射することにより、長日植物の生育が促進されるとともに、夜間には加えて主として青色光も照射するので、バランスのとれた光照射が行なわれて、草丈および花の大きさを良好に育成することができる。そのため、夏まきの長日植物を秋季から冬季にかけて草丈が長くて、花が大きい上質な切り花に育成して、出荷することが可能になる。
【0040】
以上説明の本発明の植物栽培方法は、以下の各態様の植物栽培施設を用いて実施することができる。すなわち、第1の態様の植物栽培施設は、長日植物を収容する施設構体と;施設構体内の長日植物を包囲するように施設構体に配設されるとともに、赤色/遠赤色の光量子束密度の比が1より小さくなるように太陽光を光質変換する被覆体と;光合成有効光量子束密度が0.1μmol・m−2・s−1より大きくて、かつ、赤色/遠赤色の光量子密度の比が1より小さな人工光を長日植物に照射するように施設構体に配設された人工光源と;を具備していることを特徴としている。
【0041】
第1の態様の植物栽培施設は、請求項1の発明の実施に好適な構成を示している。本態様において、「施設構体」とは、長日植物を収容するための空間を画成する構造体であり、光透過性の部材からなる壁面がない枠組体や、透光性パネルやシート状の被覆体を枠組に組み付けてなる温室(ハウス)構造体などが該当する。枠組体は、金属パイプやアルミニウムなどの押出し形枠を組んで形成したものや複数の合成樹脂管を弾力に抗して湾曲させて長手方向に離間してトンネル状に敷設したいわゆるプラスチックトンネルなどであることを許容する。
【0042】
「被覆体」とは、空間を隔てて植物栽培施設内に収容した長日植物を包囲する部材を意味する。また、被覆体は、施設構体を覆うか、または施設構体に嵌め込むように配設されて温室を構成してもよいし、温室内において長日植物を室内に取り付ける蚊帳のような袋体状をなしているなど多様な構造であることを許容する。さらに、本態様において、被覆体は、赤色/遠赤色の光量子束密度の比が1より小さくなるように太陽光を光質変換する機能を備えている。さらにまた、被覆体の内部の温度が所定より上昇するときには、包囲体の一部を変位させたり、換気扇を配設したりすることにより、内部の換気を行なうように構成することができる。
【0043】
次に、人工光源は、赤色/遠赤色の光量子密度の比が1より小さな人工光を放射し、かつ、光量子束密度が0.1μmol・m−2・s−1より大きい光を長日植物に照射できれば、それ以上は特段限定されない。この条件を満足し得る人工光源として、たとえば以下の構成を採用することができる。
【0044】
すなわち、人工光源を蛍光ランプにより構成する場合、鉄付活アルミン酸リチウム蛍光体からなり、波長740nmに発光ピークを有する遠赤色発光を行なう蛍光体層を備えた蛍光ランプを用いることができる。上記の蛍光体は、一般式がLiAl2:Feである。なお、蛍光体粒子の表面にMgO、CaO、SrO、BaOおよびY2O3のグループから選択された一種または複数種の金属酸化物微粒子を質量比で0.01〜1.0%付着させることにより、光束維持率を向上させることができる。上記の構成に代えて一般式Gd3Ga5O12:Cr蛍光体を含む蛍光体層を備えた蛍光ランプを用いることができる。
【0045】
また、人工光源を発光ダイオードにより構成する場合、アルミニウム・インジウム・ガリウムナイトライドからなる4元混晶で、波長600〜700nmの範囲内に発光する発光ダイオード素子(チップ)具備した発光ダイオードを用いることができる。
【0046】
さらに、人工光源の配置は、長日植物を主として遠赤色光で照射するように配設されていれば、それ以上は特段限定されない。したがって、包囲体の内外いずれに配置してもよいが、包囲体の内部に配置した方が包囲体を透過する際の光の損失を生じないとともに、長日植物に近いため、照射照度を高くして、照射効率を向上させることができるので、好適である。また、人工光源は、蛍光ランプ、メタルハライドランプおよび発光ダイオードなどどのような光源であってもよいが、コストの面で現在は蛍光ランプが経済的である。蛍光ランプの場合、比較的栽培規模の小さい植物栽培施設であれば、電球形蛍光ランプの方が使いやすいが、栽培規模が大きければ、直管形蛍光ランプなどを用いると効果的である。特に電球形蛍光ランプは、ねじ込み形ランプソケットを取り付け、当該ソケットに電球形蛍光ランプの口金をねじ込むだけで配設できるので、植物栽培装置の構造および取扱いがすこぶる簡単、かつ、容易になる。
【0047】
そうして、第1の態様の植物栽培施設においては、施設構体内に収容された長日植物を包囲体で被覆して太陽光を光質変換するので、簡単な構造で、継続的に、しかも、安価に光質変換できる。また、人工光源は、主として遠赤色光を放射するものを配設するだけでよいので、安価にできる。したがって、第1の態様の植物栽培装置は、全体として初期設備投資が少なくて済む。なお、第1の態様の植物栽培装置は、請求項2の発明を実施する際に効果的であるが、それ以外の栽培方法に対して使用することができる。
【0048】
第2の態様の植物栽培施設は、長日植物を収容する施設構体と;施設構体内の長日植物を包囲するように施設構体に配設されるとともに、赤色/遠赤色の光量子束密度の比が1より小さくなるように太陽光を光質変換する被覆体と;光量子束密度が0.1μmol・m−2・s−1より大きくて、かつ、赤色/遠赤色の光量子密度束の比が1より小さな人工光を長日植物に照射するように施設構体に配設された第1の人工光源と;光量子束密度が0.1μmol・m−2・s−1より大きい主として波長400〜500nmの第2の人工光を長日植物に照射するように施設構体に配設された第2の人工光源と;を具備していることを特徴としている。
【0049】
第2の態様の植物栽培施設は、請求項2の発明の実施に好適な植物栽培施設の構成を示している。波長400〜500nmの人工光は、青色光であるが、蛍光ランプ、メタルハライドランプ、発光ダイオードなどの既知の光源を用いることができる。この条件を満足する人工光源として、たとえば以下の構成を採用することができる。
【0050】
すなわち、第2の人工光源を蛍光ランプにより構成する場合、ユーロピウム付活ストロンチウム、カルシウム、バリウムリン酸塩またはユーロピウム付活バリウム、マグネシウムアルミン酸塩からなり、波長400〜500nmの範囲に発光のピークを有する青色発光蛍光体を含んだ蛍光体層を備えた蛍光ランプを用いることができる。
【0051】
また、第2の人工光源を発光ダイオードにより構成する場合、インジウム・ガリウムナイトライドからなる3元混晶で、波長400〜500nmの範囲内に発光する発光ダイオード素子(チップ)を具備した発光ダイオードを用いることができる。
【0052】
なお、第2の態様の植物栽培装置は、請求項2の発明を実施する際に効果的であるが、それ以外の栽培方法に対して使用することができる。
【0053】
第3の態様の植物栽培施設は、長日植物を収容する施設構体と;施設構体内の長日植物を包囲するように施設構体に配設されるとともに、赤色/遠赤色の光量子束密度の比が1より小さくなるように太陽光を光質変換する被覆体と;光量子束密度が0.1μmol・m−2・s−1より大きくて、かつ、赤色/遠赤色の光量子束密度の比が1より小さな人工光を長日植物に照射するように施設構体に配設された第1の人工光源と;波長400〜500nmの範囲内の第1の発光および波長600〜700nmの範囲内の第2の発光を実質的に含むとともに、第1の発光の光量子束の積分値が第2の発光の光量子束の積分値より大きい人工光を放射するように施設構体に配設された第3の人工光源と;を具備していることを特徴としている。
【0054】
日長時間が一定以上になると開花するトルコギキョウなどの長日植物の開花を抑制して出荷時期を調節する場合、従来は、暗幕などのシェードをハウス全体に掛けて日長時間を短くしている。ところが、たとえば500m2あるハウスの全体に暗幕を掛ける作業は、人間にとって非常に重労働である。
【0055】
第3の態様の植物栽培施設は、シェード掛けの作業をしないで開花時期を遅らせるのに好適な構成を示している。すなわち、第2の人工光源から波長400〜500nmの範囲の光量子束の積分値を波長600〜700nmの範囲の光量子束の積分値より大きくした光を放射して長日植物に照射する。この条件を満足する人工光源として、たとえば以下の構成を採用することができる。
【0056】
すなわち、第3の人工光源を蛍光ランプにより構成する場合、ユーロピウム付活ストロンチウム、カルシウム、バリウムリン酸塩またはユーロピウム付活バリウム、マグネシウムアルミン酸塩からなり、波長400〜500nmの範囲に発光のピークを有する青色発光蛍光体と、ユーロピウム付活酸化イットリウムまたはユーロピウム、マグネシウム、チタン付活硫酸イットリウムまたはマンガン付活フロロゲルマン酸マグネシウムからなり、波長600〜700nmの範囲に発光のピーク有する赤色発光蛍光体とを含んだ蛍光体層を備えた蛍光ランプを用いることができる。
【0057】
また、第3の人工光源を発光ダイオードにより構成する場合、インジウム・ガリウムナイトライドからなる3元混晶で、波長400〜500nmの範囲内に発光する第1の発光ダイオード素子(チップ)と、アルミニウム・インジウム・ガリウムナイトライドからなる4元混晶で、波長600〜700nmの範囲内に発光する第2の発光ダイオード素子(チップ)とを具備した光源を用いることができる。なお、第1および第2の発光ダイオード素子(チップ)は、共通のレンズ内に埋設された見かけ上一つの素子を構成しているものであってもよいし、互いに分離したレンズに埋設された見かけ上複数の素子を構成している高原であってもよい。
【0058】
そうして、第3の態様においては、上記の構成により、開花時期を効果的に遅らせることができる。また、暗幕などのシェードを掛ける作業を回避できるので、作業が容易になる。なお、第3の態様の植物栽培装置は、以上説明したように第3の人工光源を用いることで、開花時期を遅らせる場合に効果的であるが、第1の人工光源を用いることで、請求項1に規定する生育を促進し、開花を早くする目的の栽培方法に使用することもできる。
【0059】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0060】
図1ないし図5は、本発明の長日植物の栽培方法の一実施形態ならびに本発明の実施に使用する植物栽培施設の第1の形態および比較例を示し、図1は植物栽培施設の概念図、図2は被覆体の分光透過率特性を示すグラフ、図3は人工光の分光分布特性を示すグラフ、図4は比較例1の分光分布特性を示すグラフ、図5は比較例2の分光分布特性を示すグラフである。図1において、Hは植物栽培施設、Fは栽培ベッド、Pは長日植物である。
【0061】
まず、植物栽培施設Hについて説明する。植物栽培施設Hは、施設構体1、被覆体2、人工光源3、X、Yからなる。施設構体1は、枠組体からなる。そして、各人工光源3、X、Yに対応する複数の試験区に区画され、各試験区は、光反射性シート(商品名:シルバーポリフィルム)5で区切られている。
【0062】
被覆体2は、赤色光の透過率を抑制するようにした光質変換フィルムからなり、図2に示すような分光透過率特性を有しているとともに、外側から施設構体1を包囲している。すなわち、被覆体2の分光透過率特性は、波長600〜700nmの範囲の透過率が低下している。このため、この被覆体2を透過する太陽光は、赤色光の光量子束密度が遠赤色光のそれより小さくなる。したがって、被覆体2を透過する太陽光の赤色/遠赤色の光量子束密度の比は1未満になる。
【0063】
人工光源3は、遠赤色発光の電球形蛍光ランプで、図3に示すような分光分布特性を有しているとともに、被覆体2の内部の上方に取付材4によって下向きに配設されている。上記の電球形蛍光ランプは、その蛍光体層が鉄付活アルミン酸リチウム蛍光体からなり、波長740nmに発光ピークを有する遠赤色発光を行なう。人工光源3の分光分布特性は、波長600〜700nmの範囲の光量子束より波長700〜800nmの範囲の光量子束の方が大きくなっている。したがって、人工光源3の赤色/遠赤色の光量子束密度の比は1未満になる。また、人工光源3は、遠赤色光の光合成有効光量子束密度が0.1μmol・m−2・s−1より大きくなるように配設されている。
【0064】
栽培ベッドFは、被覆体2の内部において、人工光源3の下方に配置されている。
【0065】
長日植物Pは、植木鉢内に定植されたものを栽培ベッドF内に整列配置され、日中は被覆体2と透過した太陽光によって光照射され、その他の時間帯には人工光源3により光照射される。
【0066】
以下、実験結果について説明する。
【0067】
まず、実験仕様を以下に示す。
1.被覆体2、人工光源3(本発明)、X(比較例1)、Y(比較例2)の仕様
(1)被覆体2 :赤色光透過抑制フィルム(三井化学(株)製、SXE−4形)、光量子束密度の比は0.73
(2)人工光源3:遠赤色光放射電球形蛍光ランプ(東芝ライテック(株)製)、分光分布特性は図3のとおり。
(3)人工光源X:赤色光放射電球形蛍光ランプ(東芝ライテック(株)製)、分光分布特性は図4のとおり。
(4)人工光源Y:青色光放射電球形蛍光ランプ(東芝ライテック(株)製)、分光分布特性は図5のとおり。
2.実験条件
(1)長日植物:シュッコンカスミソウ(ブリストフェアリー)
(2)実験方法
(2−1)昼/夜温(6:00〜18:00/18:00〜6:00)が17/12℃、24/19℃、30/25℃の3段階の栽培温度と、上記3種類の人工光源3、X、Yとを組み合わせて、光照射区を9つ設けた。
(2−2)4月18日に5号鉢に1株づつ定植して3本仕立てにし、1光照射区に10株づつ供試した。各人工光源3、Z、Yは、それぞれ縦105cm×横70cm×高さ115cmの被覆体2で包囲した枠内に1灯づつ、床面から90cmの高さに設置した。
(2−3)第2の工程:午前9.00〜午後5時まで自然光下で栽培した。
(2−4)第3の工程:午後5時から翌朝の9時まで人工光源3、X、Yで光照射して、24時間日長とした。
(2−5)5月14日に実験を開始し、光照射開始後20週目の10月2日に打ち切った。
3.実験結果
以下、図6ないし図11を参照して、実験結果を説明する。
【0068】
図6ないし図11は、本発明の長日植物の栽培方法の第1の実施形態における実験結果を比較例1および2のそれと比較しながら示し、図6は草丈を示すグラフ、図7は開花率を示すグラフ、図8は草丈および開花率を同時に示すグラフ、図9は生育温度条件と切り花長の関係を示すグラフ、図10は生育温度条件と花の重さの関係を示すグラフ、図11は生育温度条件と茎径の関係を示すグラフである。
(1)草丈:図6に示すような結果が得られた。なお、図中、曲線Aは本発明、曲線Bは比較例1、曲線Cは比較例2、をそれぞれ示す。図から明らかなように、本発明によれば、草丈が3週目から比較例1、2に比較して顕著に生育を開始して、第16週目辺りで約100cmに達した。
【0069】
これに対して、比較例1は、比較例2に比較すれば、草丈が10週目辺りから成長が顕著になるが、第15週目辺りで生育が停止して、40cmにすぎなかった。
【0070】
また、比較例2は、非常に生育が抑制され、実験終了時でも約20cmに止まった。
(2)開花枝率:図7に示すような結果が得られた。各曲線A、B、Cは図6と同じ意味である。図から明らかなように、本発明によれば、第1週目から一部開花しだし、その後順次開花して、約15週目にはほぼ100%開花した。が比較例1、2の開花は顕著に遅れた。なお、比較例2は、最後まで開花枝率が殆ど0%であった。回家事の草丈と開花枝率を合わせて示すと、図8のとおりとなる。
(3)次に、生育温度条件と切り花長、切り花の重さ、茎径との関係について実験結果を図9ないし図11を参照して説明する。
【0071】
切り花長、花の重さおよび茎径は、いずれも17℃/12℃、24℃/19℃、30℃/25℃の順で低下して、生育温度が低い方がよく生育した。その差は、切り花の重さ、切り花長、茎径の順で顕著であった。
【0072】
図12ないし図14は、植物栽培施設の第2の形態における第1の人工光源および第2の人工光源の分光分布特性を説明し、図12は第1の人工光源の分光分布特性を示すグラフ、図13は第3の人工光源の分光分布特性のうち、波長400〜500nmの範囲を示すグラフ、図14は同じく波長600〜700nmの範囲を示すグラフである。本形態は、第3の態様の植物栽培施設に相当するもので、各光源を発光ダイオードによって構成している。
【0073】
すなわち、第1の人工光源は、図12に示すように、発光のピークが730nmであり、アルミニウム・インジウム・ガリウムナイトライドの4元混晶からなる発光ダイオードによって構成されている。
【0074】
また、第2の人工光源は、図13に示すように、発光のピークが445nmであり、インジウム・ガリウムナイトライドの3元混晶からなる第1の発光ダイオードと、図14に示すように、発光のピークが660nmであり、アルミニウム・インジウム・ガリウムナイトライドの4元混晶からなる第2の発光ダイオードとによって構成されている。
【0075】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、赤色/遠赤色の光量子束密度の比が1より小さくなるように太陽光を光質変換する被覆体を配設した植物栽培施設内に定植した長日植物を配置して、日中において、被覆体を透過した太陽光を長日植物に照射し、主として夜間において、光量子束密度が0.1μmol・m−2・s−1より大きくて、かつ、赤色/遠赤色の光量子束密度の比が1より小さな人工光を長日植物に照射することにより、比較的少ない設備投資でも長日植物に属する花卉類などの生育および開花を栽培季節にかかわらず促進させる長日植物の栽培方法を提供することができる。
【0076】
請求項2の発明によれば、主として夜間において、周囲温度が17℃以下のときは光量子束密度が0.1μmol・m−2・s−1より大きい人工光であって、かつ、主として赤色/遠赤色の光量子束密度の比が1より小さな第1の人工光を長日植物に照射し、周囲温度25℃以上のときは光量子束密度が0.1μmol・m−2・s−1より大きい主として波長400〜500nmの第2の人工光を長日植物に照射し、周囲温度が17〜25℃のときは主として第1および第2の人工光を長日植物に照射することにより、日中の光照射が太陽光を光質変換されているといないとににかかわらず、長日植物の生育および開花を季節に応じて最適に制御できる長日植物の栽培方法を提供することができる。
【0077】
請求項3の発明によれば、赤色/遠赤色の光量子束密度の比が1より小さくなるように太陽光を光質変換する被覆体を配設した植物栽培施設内に定植した長日植物を配置し、日中において、被覆体を透過した太陽光を長日植物に照射し、主として夜間において、周囲温度が17℃以下のときは光量子束密度が0.1μmol・m−2・s−1より大きい人工光であって、かつ、主として赤色/遠赤色の光量子束密度の比が1より小さな第1の人工光を長日植物に照射し、周囲温度25℃以上のときは光量子束密度が0.1μmol・m−2・s−1より大きい主として波長400〜500nmの第2の人工光を長日植物に照射し、周囲温度が17〜25℃のときは主として第1および第2の人工光を長日植物に照射することにより、長日植物の生育および開花を季節に応じて最適に制御できる長日植物の栽培方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の長日植物の栽培方法の一実施形態ならびに本発明の実施に使用する植物栽培施設の第1の形態および比較例を示す植物栽培施設の概念図
【図2】同じく被覆体の分光透過率特性を示すグラフ
【図3】同じく人工光の分光分布特性を示すグラフ
【図4】同じく比較例1の分光分布特性を示すグラフ
【図5】同じく比較例2の分光分布特性を示すグラフ
【図6】本発明の長日植物の栽培方法の第1の実施形態における実験結果の草丈を比較例1および2のそれと比較しながら示すグラフ
【図7】同じく開花枝率を示すグラフ
【図8】同じく草丈および開花枝率を同時に示すグラフ
【図9】同じく生育温度条件と切り花長の関係を示すグラフ
【図10】同じく生育温度条件と切り花の重さの関係を示すグラフ
【図11】同じく生育温度条件と茎径の関係を示すグラフ
【図12】本発明の実施に使用する植物栽培施設の第2の形態における第1の人工光源の分光分布特性を示すグラフ
【図13】同じく第3の人工光源の分光分布特性のうち、波長400〜500nmの範囲を示すグラフ
【図14】同じく波長600〜700nmの範囲を示すグラフ
【符号の説明】
1…施設構体、2…被覆体、3…人工光源、F…栽培ベッド、H…植物栽培施設、P…長日植物[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for cultivating long-day plants.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, when cultivating florets belonging to long-day plants artificially in a greenhouse or the like, it is better to cultivate under conditions close to the growth environment (especially day length, temperature) of the original species of the florets, Plant cultivation facilities that can artificially reproduce the growth environment such as greenhouses are used.
[0003]
On the other hand, as a technique for controlling day length, for example, JP-A-4-349824 describes a relatively simple plant cultivation apparatus that controls day length by using sunlight, a fluorescent lamp, and an incandescent light bulb in combination. Have(Prior art 1).
[0004]
Further, in JP-A-10-178899 and JP-A-10-178901, the wavelength range and the amount of light necessary for growth differ from plant to plant. Therefore, plants to be grown are used for optimal irradiation. The light amount control and the irradiation time control are performed for each wavelength and the ratio of the photon flux density for each wavelength on the surface. Moreover, in this plant cultivation apparatus, temperature, humidity, and carbon dioxide gas which are growth environments other than said light are also controlled. More specifically, the light source includes blue (X: 400 to 500 nm), green (G: 500 to 600 nm), red (Y: 600 to 700 nm), and deep red (Z: 700 to 800 nm). Equipped with light-emitting diodes of wavelengths, the irradiation amount of each light-emitting diode is changed according to the type of plant to be cultivated, X: 0-50%, Y: 40-100%, Z: 0-10%, X + Y + Z = A light source configured to be 100% or a light source such that (X + Y + Z): G = 30 to 80%: 20 to 70% and X + Y + Z + G = 100% is provided.(Prior art 2).
[0005]
Thus, in the conventional technique 2, when growing young plants with long-day plants, after irradiating blue light and red light at the initial stage of the growth, after irradiating deep red light, all the light is turned off. When the stock is full, the plant is irradiated with light that contains only red and blue but not deep red to prevent flower bud formation when the stock is young.
[0006]
On the other hand, Japanese Patent Application Laid-Open No. 5-217556 discloses a fluorescent lamp for plant growth capable of promoting photosynthesis of plants and controlling morphogenesis such as plant height, leaf area and shape approximate to growth under natural light. Is described. This fluorescent lamp is a fluorescent lamp composed of three kinds of rare earth element-activated phosphors having emission peak wavelengths of 440 to 470 nm, 540 to 560 nm and 600 to 620 nm, and a far red emission phosphor having a peak wavelength of 700 to 800 nm. A body layer that emits light having a ratio of a photon flux included in a wavelength region of 600 to 700 nm and a photon flux included in a wavelength region of 700 to 800 nm of 0.8 to 1.2.(Prior art 3).
[0007]
JP-A-4-304822 discloses a fluorescent lamp having the same emission energy ratio of
[0008]
Furthermore, if the copper sulfate solution absorbs far-red light of sunlight and irradiates light with a transmitted light red / far-red light ratio greater than 1, the plant height and internode length of chrysanthemums are often shortened. (McMahon et al., 1991; Rajapaskse Kelly, 1992; Rajapaskse et al., 1993, 1995) (prior art 5).
[0009]
From these results, it has been found that it is effective to irradiate red light having a wavelength of 600 to 700 nm in order to suppress the flowering of long-day plants.
[0010]
[Problems to be solved by the invention]
In long-day plants, the flower bud differentiation and development in the short-day low-temperature period (autumn / winter season) are suppressed, so that the number of days to reach flowering becomes long and the growth of plant height is also suppressed.
[0011]
Therefore, in order to solve this problem, a long-day plant was cultivated in the winter under natural light during the day with reference to the prior art 2. As a result, the development and flowering of flower bud differentiation were suppressed, and the effect of promoting flower bud differentiation required for florets was not obtained. Moreover, when producing a long day plant in large quantities, in the cultivation apparatus described in the
[0012]
Next, in the case of the prior arts 3 and 4, since a single fluorescent lamp always emits light including a plurality of colors with a constant ratio, the ratio between the color lights cannot be changed as desired according to the situation. .
[0013]
Moreover, in the
[0014]
On the other hand, as a result of repeating various experiments over a long period of time, the present inventor used a light quality conversion film for a long-day plant, and the ratio of red light / far red light photon flux density to less than 1 during the day If you irradiate the radiated sunlight or use the far-red fluorescent lamp to irradiate far-red light at night, the flowering time will be faster and the plant height Discovered that the growth of The present invention has been completed based on this discovery.
[0015]
The present invention relates to a method for cultivating long-day plants that promotes the growth and flowering of florets and the like belonging to long-day plants regardless of the cultivation season with relatively little capital investment.TheThe purpose is to provide.
[0016]
In addition, the present invention also provides a method for cultivating a long-day plant that can optimally control the growth and flowering of the long-day plant according to the season by performing suitable light irradiation for each season.TheThe other purpose is to provide.
[0017]
[Means for achieving the object]
The method for cultivating a long-day plant according to the invention of
[0018]
In the present invention and each of the following inventions, the definitions and technical meanings of terms are as follows unless otherwise specified.
[0019]
About a 1st process A 1st process is a process of arrange | positioning the long-day plant planted to the plant cultivation facility provided with the predetermined | prescribed structure, and is equivalent to the preparation stage in the case of cultivation. The predetermined configuration of the plant cultivation facility is such that the long-day planted plants are irradiated with sunlight that has passed through a covering that converts sunlight into light quality, and the light quality conversion is a red / far red photon. The content is such that the bundle density ratio is smaller than 1.
[0020]
Therefore, the plant cultivation facility does not ask | require a specific structure. Further, the covering is allowed to be in the form of a film or a plate. The covering in the form of a film can be easily obtained as a light quality conversion synthetic resin film. The cover in the form of a plate is obtained by applying a light quality conversion thin film to a glass plate or a translucent constituent resin plate, or imparting light quality conversion characteristics to the glass or the translucent constituent resin plate itself. May be. Furthermore, a covering may be arrange | positioned so that a long-day plant may be coat | covered inside plant cultivation structures, such as a greenhouse, for example, and may have comprised the wall surface of the plant cultivation structure.
[0021]
Next, “red” in the light quality conversion means radiation in a wavelength range of 600 to 700 nm (more precisely, 600 nm to less than 700 nm), and is defined by an integral value within the above wavelength range. On the other hand, “far-red” means radiation in a wavelength range of 700 to 800 nm (more precisely, 700 nm to less than 800 nm), and is defined by an integral value within the above wavelength range. Therefore, “the ratio of the red / far red photon flux density is smaller than 1” means that the red light energy intensity is less than the far red light energy intensity.
[0022]
The term “planted long-day plant” means that the long-day plant needs to be in a planted state in the second step to be described later. Generally, after sowing, the plant can be planted after germination. The seedlings are planted until the seedlings grow, but may be directly seeded seedlings grown in the field without the planting process. Further, the long-day plant is not only a flower bud, particularly a cut flower having a relatively high plant height, but may be a houseplant or a vegetable if necessary. Furthermore, planting may use pots and pots, or may be performed directly on the field.
[0023]
About a 2nd process A 2nd process is a process of irradiating a long-day plant with the sunlight which permeate | transmitted the covering in the daytime. In the present invention, “daytime” refers to a time zone in which sunlight is present, but before and after about 1 to 2 hours of sunrise and around 1 to 2 hours of sunset to the third step as desired. As a transition period, it is allowed to configure so that the third step is also used at the same time. In addition, the “time zone mainly without sunlight irradiation” in a third step to be described later refers to the remaining time zone excluding daytime from
[0024]
Thus, in the second step, the sunlight radiated to the long-day plant is converted to light quality when passing through the light quality conversion body, the red light is reduced, and the far red light is relatively large. It will be included light.
[0025]
About the 3rd process The 3rd process is a photosynthesis effective photon flux density of 0.1 micromol * m mainly in the time zone without sunlight irradiation.-2・ S-1This is a step of irradiating a long-day plant with artificial light that is larger and has a red / far-red photon density ratio smaller than 1. In addition, “artificial light” refers to artificially created light or artificially controlled light generated in nature, and can generally be generated by an artificial light source. Any artificial light source may be used to obtain artificial light having a red / far-red photon flux density ratio smaller than 1. However, a fluorescent lamp, a metal halide lamp, a light emitting diode, or the like is preferable. Fluorescent lamps can emit light with various spectral distributions depending on the types of phosphors that make up the phosphor layer on the inner surface of the glass bulb. Of course, artificial light that satisfies the above conditions is easily generated. Can be made. In addition, the light emitting diode can obtain light emission exhibiting various spectral distributions depending on the material composition of the semiconductor.
[0026]
Next, the operation of the present invention will be described. Since the present invention irradiates light with a lot of far-red light during the day and at night, it is a long-day plant regardless of the season, and therefore, regardless of the season, whether it is autumn / winter cultivation, spring cultivation, or summer cultivation Growth, such as cut flower length and internode length, and flowering are promoted, reducing the number of days from planting to harvesting, such as flowering. As a result, the utilization rate of plant cultivation facilities can be improved, and heating costs in winter can be reduced. In addition, since the number of means for obtaining artificial light, such as artificial light sources, may be simply small, the initial capital investment is reduced.
[0027]
In the method for cultivating long-day plants according to the invention of claim 2, the photon flux density is 0.1 μmol · m when the ambient temperature is 17 ° C. or lower mainly in a time zone without sunlight irradiation.-2・ S-1A long artificial plant is irradiated with a first artificial light which is larger artificial light and mainly has a red / far-red photon flux density ratio smaller than 1, and when the ambient temperature is 25 ° C. or higher, the photosynthetic effective photon flux Density is 0.1μmol · m-2・ S-1A second artificial light having a larger wavelength, mainly 400 to 500 nm, is irradiated to the long-day plant, and when the ambient temperature is 17 to 25 ° C., the first and second artificial lights are mainly irradiated to the long-day plant. And a light irradiation step.
[0028]
The present invention defines a configuration in which the light irradiation conditions of long-day plants are changed according to the ambient temperature. That is, the light irradiation conditions are changed by dividing the process of irradiating artificial light mainly during a time zone without sunlight irradiation, typically at night, into three according to the ambient temperature.
[0029]
The first category is when the ambient temperature is 17 ° C. or less, which mainly corresponds to the winter season. In this season, the long-day plants tend to be low in temperature, so that their growth is suppressed and flowering tends to be delayed. The second category is when the ambient temperature is 25 ° C. or higher, and mainly corresponds to summer. In this season, the flower bud differentiation action of long-day plants becomes active and flowering tends to be promoted despite the short plant height. The third section is when the ambient temperature is 17 to 25 ° C., and mainly corresponds to autumn (and spring) located between the first and second sections. During this season, there is no particular tendency in the growth and flowering of long-day plants.
[0030]
Next, artificial light will be described. The first artificial light has the same configuration as the artificial light in
[0031]
Further, in the present invention, daytime light irradiation conditions are not limited. That is, the light may be irradiated with natural light that does not undergo light quality conversion, or sunlight that has undergone light quality conversion as in
[0032]
The operation of the present invention will be described. In the low temperature period of winter, the growth of long-day plants is promoted and flowering is accelerated by irradiating light with a far-red light stronger than the red light mainly at night. Therefore, it is possible to cultivate long-day plants in autumn so that they can grow into high-quality cut flowers with a long plant length and large flowers from winter to spring.
[0033]
Also, during the high temperature season in summer, the flower bud differentiation action is suppressed by irradiating blue light mainly at night, so that no flower bud formation occurs in a short plant height without applying shade. Cut flowers with a long plant height can be obtained as in autumn.
Therefore, according to the present invention, it is possible to grow a long-day plant in spring for a high-quality cut flower having a long plant height and a large flower even from summer to autumn.
[0034]
In addition, in the middle temperature period of autumn (spring), a strong light of far-red light and blue light are emitted mainly at night compared to red light, so that balanced light irradiation is performed, and the plant height and flower The size of can be cultivated well. Therefore, it is possible to grow long-day plants in summer sowing into high-quality cut flowers that have a long plant height and large flowers from autumn to winter.
[0035]
The method for cultivating a long-day plant according to the invention of claim 3 is planted in a plant cultivation facility provided with a covering for converting the quality of sunlight so that the ratio of red / far-red photon flux density is smaller than 1. A first step of arranging the long-day plant; a second step of irradiating the long-day plant with sunlight that has passed through the covering in the daytime; When the temperature is 17 ° C. or lower, the photon flux density is 0.1 μmol · m.-2・ S-1When a long-day plant is irradiated with a first artificial light that is larger artificial light and the ratio of the red / far-red photon flux density is mainly less than 1, the photon flux density is higher when the ambient temperature is 25 ° C. or higher. 0.1 μmol · m-2・ S-1A second artificial light having a larger wavelength of 400 to 500 nm is irradiated to the long-day plant, and a first and second artificial light is mainly irradiated to the long-day plant when the ambient temperature is 17 to 25 ° C. And a light irradiation step.
[0036]
The present invention is the same as claim 2 in that the light irradiation conditions for long-day plants are mainly changed at night according to the ambient temperature. Also stipulates. That is, in addition to the light irradiation mainly at night of claim 2, in the daytime period when the sunlight is irradiated, as in the case of
[0037]
The operation of the present invention will be described. In the low temperature period of winter, long-day plant growth is promoted and flowering is accelerated by irradiating light with far-red light stronger than red light during the day and night. Therefore, it is possible to cultivate long-day plants in autumn so that they can grow into high-quality cut flowers with a long plant length and large flowers from winter to spring.
[0038]
Also, in the high temperature season of summer, long-day plants grow well by irradiating far-red light with strong light compared to daytime red light, and flower buds by irradiating blue light at night. Since the differentiation action is suppressed, flower bud formation does not occur in a short plant height without applying shade, and the plant grows to a long plant height from summer to autumn, and also blooms while adjusting the flower bud differentiation time be able to. Therefore, it is possible to grow and deliver long-day spring plants to high-quality cut flowers that have a long plant height from summer to autumn and have large flowers as in autumn (spring).
[0039]
Furthermore, during the mid-temperature season of autumn (spring), long-day plant growth is promoted by irradiating far-red light with strong light compared to red light during the day and at night. Since blue light is also emitted mainly, balanced light irradiation is performed, and the plant height and flower size can be cultivated well. Therefore, it is possible to grow long-day plants in summer sowing into high-quality cut flowers that have a long plant height and large flowers from autumn to winter.
[0040]
The book described aboveInventionA plant cultivation method can be implemented using the plant cultivation facility of each following aspect. That is, the first aspectThe plant cultivation facility is arranged in the facility structure so as to surround the long-day plant in the facility structure, and the ratio of the red / far red photon flux density is smaller than 1. A covering for converting the quality of sunlight into light; and a photosynthetic effective photon flux density of 0.1 μmol · m-2・ S-1An artificial light source disposed in a facility structure so as to irradiate a long-day plant with artificial light having a larger ratio of red / far red photon density less than 1; Yes.
[0041]
Plant cultivation facility of the first aspectIs a configuration suitable for carrying out the invention of claim 1.Indicationis doing. BookAspectThe “facility structure” is a structure that defines a space for accommodating long-day plants, and is a frame structure having no wall surface made of a light-transmitting member, a translucent panel or a sheet-like covering. For example, a greenhouse structure with a body assembled into a framework. The frame assembly is formed by assembling extruded frames such as metal pipes and aluminum, or a so-called plastic tunnel in which a plurality of synthetic resin tubes are bent against the elasticity and spaced apart in the longitudinal direction. Allow to be.
[0042]
"Coating body" means a member that surrounds a long-day plant housed in a plant cultivation facility with a space therebetween. Further, the covering may cover the facility structure or be arranged so as to be fitted into the facility structure to constitute a greenhouse, or a bag like a mosquito net for attaching a long-day plant indoors in the greenhouse. It is allowed to have various structures such as In addition, bookAspectThe covering has a function of converting the light quality of sunlight so that the ratio of the red / far red photon flux density is smaller than 1. Furthermore, when the temperature inside the covering rises higher than a predetermined value, it is possible to perform internal ventilation by displacing a part of the enclosure or disposing a ventilation fan.
[0043]
Next, the artificial light source emits artificial light whose red / far-red photon density ratio is smaller than 1, and the photon flux density is 0.1 μmol · m.-2・ S-1If it is possible to irradiate a plant with a larger light for a long time, there is no particular limitation. As an artificial light source that can satisfy this condition, for example, the following configuration can be adopted.
[0044]
That is, when the artificial light source is constituted by a fluorescent lamp, a fluorescent lamp comprising a phosphor layer that is made of iron-activated lithium aluminate phosphor and emits far-red light having an emission peak at a wavelength of 740 nm can be used. The above phosphor has a general formula of LiAl2: Fe. In addition, MgO, CaO, SrO, BaO and Y are formed on the surface of the phosphor particles.2O3The light flux maintenance factor can be improved by adhering one or more kinds of metal oxide fine particles selected from the group of 0.01 to 1.0% by mass ratio. Instead of the above configuration, the general formula Gd3Ga5O12: A fluorescent lamp provided with a phosphor layer containing Cr phosphor can be used.
[0045]
When the artificial light source is composed of a light-emitting diode, a light-emitting diode having a light-emitting diode element (chip) that emits light in a wavelength range of 600 to 700 nm, which is a quaternary mixed crystal composed of aluminum, indium, and gallium nitride, should be used. Can do.
[0046]
Furthermore, the arrangement of the artificial light source is not particularly limited as long as it is arranged so as to irradiate long-day plants mainly with far-red light. Therefore, it may be placed either inside or outside the enclosure, but the arrangement inside the enclosure does not cause loss of light when passing through the enclosure, and it is close to a long-day plant, so the illumination intensity is high. Thus, the irradiation efficiency can be improved, which is preferable. The artificial light source may be any light source such as a fluorescent lamp, a metal halide lamp, and a light emitting diode, but at present, the fluorescent lamp is economical in terms of cost. In the case of a fluorescent lamp, if it is a plant cultivation facility with a relatively small cultivation scale, a bulb-type fluorescent lamp is easier to use, but if the cultivation scale is large, it is effective to use a straight tube fluorescent lamp. In particular, the bulb-type fluorescent lamp can be installed simply by attaching a screw-in type lamp socket and screwing the cap of the bulb-type fluorescent lamp into the socket, so that the structure and handling of the plant cultivation apparatus is extremely simple and easy.
[0047]
Then,Plant cultivation facility of the first aspectSince the long-day plant housed in the facility body is covered with an enclosure and sunlight is converted to light quality, the light quality can be converted continuously and inexpensively with a simple structure. In addition, the artificial light source can be made inexpensive because it is only necessary to provide a light source that mainly emits far-red light. Therefore,First aspectThis plant cultivation apparatus requires less initial capital investment as a whole. In addition,First aspectAlthough this plant cultivation apparatus is effective in carrying out the invention of claim 2, it can be used for other cultivation methods.
[0048]
Second aspectThe plant cultivating facility is arranged in the facility structure so as to surround the long-day plant in the facility structure, and the ratio of the red / far-red photon flux density is 1 A covering for converting sunlight into light quality so as to be smaller; a photon flux density of 0.1 μmol · m-2・ S-1A first artificial light source disposed in the facility structure so as to irradiate a long-day plant with artificial light having a larger ratio of red / far-red photon density flux of less than 1; .1 μmol · m-2・ S-1And a second artificial light source disposed in the facility structure so as to irradiate the plant with longer second artificial light having a wavelength of 400 to 500 nm mainly for a long day.
[0049]
Plant cultivation facility of the second aspectIs a configuration of a plant cultivation facility suitable for carrying out the invention of claim 2.Indicationis doing. Artificial light having a wavelength of 400 to 500 nm is blue light, but a known light source such as a fluorescent lamp, a metal halide lamp, or a light emitting diode can be used. For example, the following configuration can be adopted as an artificial light source that satisfies this condition.
[0050]
That is, when the second artificial light source is constituted by a fluorescent lamp, it consists of europium activated strontium, calcium, barium phosphate or europium activated barium, magnesium aluminate, and has a light emission peak in the wavelength range of 400 to 500 nm. A fluorescent lamp provided with a phosphor layer containing the blue light-emitting phosphor having the same can be used.
[0051]
Further, when the second artificial light source is constituted by a light emitting diode, a light emitting diode having a light emitting diode element (chip) that emits light in a wavelength range of 400 to 500 nm, which is a ternary mixed crystal made of indium gallium nitride. Can be used.
[0052]
In addition,Second aspectAlthough this plant cultivation apparatus is effective in carrying out the invention of claim 2, it can be used for other cultivation methods.
[0053]
Third aspectThe plant cultivating facility is arranged in the facility structure so as to surround the long-day plant in the facility structure, and the ratio of the red / far-red photon flux density is 1 A covering for converting sunlight into light quality so as to be smaller; a photon flux density of 0.1 μmol · m-2・ S-1A first artificial light source disposed in the facility structure so as to irradiate a long-day plant with artificial light having a larger ratio of red / far-red photon flux density smaller than 1; a wavelength of 400 to 500 nm The first emission within the range and the second emission within the wavelength range of 600 to 700 nm are substantially included, and the integrated value of the photon flux of the first emission is larger than the integrated value of the photon flux of the second emission. And a third artificial light source disposed in the facility structure so as to emit artificial light.
[0054]
When adjusting the shipping time by suppressing the flowering of long-day plants such as Eustoma flowering when the day length exceeds a certain period, conventionally shades such as black curtains are applied to the entire house to shorten the day length. . However, for example, 500m2The task of putting a black curtain on a whole house is very hard work for humans.
[0055]
Plant cultivation facility according to the third aspectHas a structure suitable for delaying the flowering time without shading.Indicationis doing. That is, a long-day plant is irradiated by radiating light from the second artificial light source that has an integrated value of the photon flux in the wavelength range of 400 to 500 nm larger than the integrated value of the photon flux in the wavelength range of 600 to 700 nm. For example, the following configuration can be adopted as an artificial light source that satisfies this condition.
[0056]
That is, when the third artificial light source is constituted by a fluorescent lamp, it consists of europium activated strontium, calcium, barium phosphate or europium activated barium, magnesium aluminate, and has a light emission peak in the wavelength range of 400 to 500 nm. A blue light-emitting phosphor having europium-activated yttrium oxide or europium, magnesium, titanium-activated yttrium sulfate, or manganese-activated magnesium fluorogermanate, and having a light emission peak in the wavelength range of 600 to 700 nm A fluorescent lamp having a phosphor layer containing the phosphor layer can be used.
[0057]
When the third artificial light source is constituted by a light emitting diode, a first light emitting diode element (chip) that emits light in a wavelength range of 400 to 500 nm with a ternary mixed crystal made of indium gallium nitride, and aluminum A light source including a second light emitting diode element (chip) that emits light in a wavelength range of 600 to 700 nm in a quaternary mixed crystal made of indium gallium nitride can be used. It should be noted that the first and second light emitting diode elements (chips) may be configured as an apparently single element embedded in a common lens, or embedded in lenses separated from each other. It may be a plateau that apparently constitutes a plurality of elements.
[0058]
Then,Third aspectIn, the above-mentioned configuration can effectively delay the flowering time. In addition, the work of applying a shade such as a dark curtain can be avoided, so the work becomes easy. In addition,Third aspectAs described above, the plant cultivation apparatus is effective when the flowering time is delayed by using the third artificial light source, but by using the first artificial light source, the growth defined in
[0059]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Embodiments of the present invention will be described below with reference to the drawings.
[0060]
1 to 5 show an embodiment of the method for cultivating long-day plants of the present invention, andUsed in the practice of the present inventionPlant cultivation facilityThe first form ofFIG. 1 is a conceptual diagram of a plant cultivation facility, FIG. 2 is a graph showing spectral transmittance characteristics of a covering, FIG. 3 is a graph showing spectral distribution characteristics of artificial light, and FIG. FIG. 5 is a graph showing the spectral distribution characteristics of Comparative Example 2. FIG. In FIG. 1, H is a plant cultivation facility, F is a cultivation bed, and P is a long-day plant.
[0061]
First, the plant cultivation facility H will be described. The plant cultivation facility H includes a
[0062]
The covering 2 is made of a light quality conversion film that suppresses the transmittance of red light, has a spectral transmittance characteristic as shown in FIG. 2, and surrounds the
[0063]
The artificial light source 3 is a light bulb-type fluorescent lamp that emits far-red light, has a spectral distribution characteristic as shown in FIG. 3, and is disposed downwardly by a mounting material 4 above the inside of the covering 2. . The above bulb-type fluorescent lamp has a phosphor layer made of iron-activated lithium aluminate phosphor, and emits far-red light having an emission peak at a wavelength of 740 nm. The spectral distribution characteristic of the artificial light source 3 is larger in the photon flux in the wavelength range of 700 to 800 nm than in the photon flux in the wavelength range of 600 to 700 nm. Therefore, the ratio of the red / far-red photon flux density of the artificial light source 3 is less than 1. The artificial light source 3 has a far-red light photosynthesis effective photon flux density of 0.1 μmol · m.-2・ S-1It arrange | positions so that it may become larger.
[0064]
The cultivation bed F is disposed below the artificial light source 3 inside the covering 2.
[0065]
The long-day plant P is planted in a flower pot and arranged in the cultivation bed F. The long-day plant P is irradiated with sunlight through the cover 2 during the daytime, and is illuminated by the artificial light source 3 during other time periods. Irradiated.
[0066]
Hereinafter, experimental results will be described.
[0067]
First, experimental specifications are shown below.
1. Specifications of Cover 2, Artificial Light Source 3 (Invention), X (Comparative Example 1), Y (Comparative Example 2)
(1) Covering body 2: Red light transmission suppressing film (manufactured by Mitsui Chemicals, SXE-4 type), ratio of photon flux density is 0.73
(2) Artificial light source 3: Far-red light emitting bulb type fluorescent lamp (manufactured by Toshiba Lighting & Technology Corp.), spectral distribution characteristics are as shown in FIG.
(3) Artificial light source X: Red light emitting fluorescent lamp (manufactured by Toshiba Lighting & Technology Corp.), spectral distribution characteristics are as shown in FIG.
(4) Artificial light source Y: Blue light emitting bulb type fluorescent lamp (manufactured by Toshiba Lighting & Technology Corp.), spectral distribution characteristics are as shown in FIG.
2. Experimental conditions
(1) Long-day plant: Gypsophila (Brist Fairy)
(2) Experimental method
(2-1) Day / night temperature (6: 0 to 18: 00/18: 00 to 6:00) is 17/12 ° C., 24/19 ° C., 30/25 ° C. cultivation temperature, and above Nine light irradiation zones were provided by combining three types of artificial light sources 3, X, and Y.
(2-2) On April 18, one plant was planted one by one in the No. 5 pot to prepare three plants, and 10 plants were tested in one light irradiation zone. Each artificial light source 3, Z, and Y was installed at a height of 90 cm from the floor, one lamp in a frame surrounded by a covering 2 having a length of 105 cm, a width of 70 cm, and a height of 115 cm.
(2-3) Second step: Cultivated under natural light from 9.00 am to 5:00 pm
(2-4) Third step: Light was irradiated with the artificial light source 3, X, and Y from 5:00 pm to 9:00 of the next morning to make a 24-hour day length.
(2-5) The experiment was started on May 14, and was discontinued on October 2, 20 weeks after the start of light irradiation.
3. Experimental result
Hereinafter, experimental results will be described with reference to FIGS.
[0068]
FIGS. 6 to 11 show experimental results in the first embodiment of the method for cultivating long-day plants of the present invention in comparison with those of Comparative Examples 1 and 2, FIG. 6 is a graph showing plant height, and FIG. 7 is flowering. FIG. 8 is a graph showing the plant height and the flowering rate at the same time, FIG. 9 is a graph showing the relationship between the growth temperature condition and the cut flower length, and FIG. 10 is a graph showing the relationship between the growth temperature condition and the weight of the flower. 11 is a graph showing the relationship between the growth temperature condition and the stem diameter.
(1) Plant height: The results shown in FIG. 6 were obtained. In the figure, curve A represents the present invention, curve B represents Comparative Example 1, and curve C represents Comparative Example 2. As is apparent from the figure, according to the present invention, the plant height started to grow significantly from the third week as compared with Comparative Examples 1 and 2, and reached about 100 cm around the 16th week.
[0069]
On the other hand, in Comparative Example 1, when compared with Comparative Example 2, the plant height grew markedly around the 10th week, but the growth stopped around the 15th week and was only 40 cm.
[0070]
Moreover, the growth of Comparative Example 2 was extremely suppressed and remained at about 20 cm even at the end of the experiment.
(2) Flowering branch rate: The results shown in FIG. 7 were obtained. Each curve A, B, C has the same meaning as in FIG. As is apparent from the figure, according to the present invention, partial flowering started from the first week, followed by sequential flowering, and almost 100% flowering in about 15 weeks. However, the flowering of Comparative Examples 1 and 2 was significantly delayed. In Comparative Example 2, the flowering branch rate was almost 0% until the end. Fig. 8 shows the combined plant length and flowering branch rate.
(3) Next, the experimental results of the relationship between the growth temperature condition, cut flower length, cut flower weight, and stem diameter will be described with reference to FIGS.
[0071]
Cut flower length, flower weight and stem diameter all decreased in the order of 17 ° C./12° C., 24 ° C./19° C., 30 ° C./25° C., and the growth temperature was better. The difference was significant in the order of cut flower weight, cut flower length, stem diameter.
[0072]
FIGS. 12 to 14 explain the spectral distribution characteristics of the first artificial light source and the second artificial light source in the second form of the plant cultivation facility, and FIG. 12 is a graph showing the spectral distribution characteristics of the first artificial light source. FIG. 13 is a graph showing the wavelength range of 400 to 500 nm in the spectral distribution characteristics of the third artificial light source, and FIG. 14 is a graph showing the same wavelength range of 600 to 700 nm. This formOf the third aspectIt corresponds to a plant cultivation facility, and each light source is constituted by a light emitting diode.
[0073]
That is, as shown in FIG. 12, the first artificial light source has a light emission peak of 730 nm and is composed of a light emitting diode made of a quaternary mixed crystal of aluminum, indium, and gallium nitride.
[0074]
Further, as shown in FIG. 13, the second artificial light source has a light emission peak of 445 nm, a first light emitting diode made of a ternary mixed crystal of indium gallium nitride, and as shown in FIG. The peak of light emission is 660 nm, and it is composed of a second light emitting diode made of a quaternary mixed crystal of aluminum, indium and gallium nitride.
[0075]
【The invention's effect】
According to the invention of
[0076]
According to the invention of claim 2, mainly at night, when the ambient temperature is 17 ° C. or less, the photon flux density is 0.1 μmol · m.-2・ S-1When a long-day plant is irradiated with a first artificial light that is larger artificial light and the ratio of the red / far-red photon flux density is mainly less than 1, the photon flux density is higher when the ambient temperature is 25 ° C. or higher. 0.1 μmol · m-2・ S-1By irradiating a long-day plant with a larger second artificial light having a wavelength of mainly 400 to 500 nm, and mainly irradiating the long-day plant with a first and second artificial light when the ambient temperature is 17 to 25 ° C., To provide a method for cultivating long-day plants that can optimally control the growth and flowering of long-day plants according to the seasons, regardless of whether or not the light irradiation during the day is converted to sunlight. it can.
[0077]
According to invention of Claim 3, the long-day plant planted in the plant cultivation facility which arrange | positioned the coating | covering body which converts light quality of sunlight so that the ratio of the photon flux density of red / far red may become smaller than 1. Arranged and irradiating the long-day plant with sunlight that has passed through the covering in the daytime, and mainly at night, when the ambient temperature is 17 ° C. or less, the photon flux density is 0.1 μmol · m-2・ S-1When a long-day plant is irradiated with a first artificial light that is larger artificial light and the ratio of the red / far-red photon flux density is mainly less than 1, the photon flux density is higher when the ambient temperature is 25 ° C. or higher. 0.1 μmol · m-2・ S-1By irradiating a long-day plant with a larger second artificial light having a wavelength of mainly 400 to 500 nm, and mainly irradiating the long-day plant with a first and second artificial light when the ambient temperature is 17 to 25 ° C., It is possible to provide a method for cultivating a long-day plant that can optimally control the growth and flowering of the long-day plant according to the season.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 shows an embodiment of a method for cultivating a long-day plant of the present invention andUsed in the practice of the present inventionConceptual diagram of plant cultivation facility showing first form of plant cultivation facility and comparative example
FIG. 2 is also a graph showing the spectral transmittance characteristics of the covering.
FIG. 3 is also a graph showing the spectral distribution characteristics of artificial light
FIG. 4 is a graph showing the spectral distribution characteristics of Comparative Example 1 as well.
FIG. 5 is a graph showing the spectral distribution characteristics of Comparative Example 2 as well.
FIG. 6 is a graph showing the plant height of the experimental results in the first embodiment of the method for cultivating long-day plants of the present invention while comparing with that of Comparative Examples 1 and 2
FIG. 7 is also a graph showing the flowering branch rate.
FIG. 8 is a graph showing plant height and flowering branch rate at the same time.
FIG. 9 is also a graph showing the relationship between growth temperature conditions and cut flower length.
FIG. 10 is also a graph showing the relationship between growth temperature conditions and cut flower weight.
FIG. 11 is a graph showing the relationship between growth temperature conditions and stem diameters.
FIG. 12 shows the present invention.Used for implementationThe graph which shows the spectral distribution characteristic of the 1st artificial light source in the 2nd form of a plant cultivation facility
FIG. 13 is a graph showing a wavelength range of 400 to 500 nm among the spectral distribution characteristics of the third artificial light source.
FIG. 14 is a graph showing the same wavelength range of 600 to 700 nm.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF
Claims (3)
日中において、被覆体を透過した太陽光を長日植物に照射する第2の工程と;
主として太陽光照射のない時間帯において、光合成有効光量子束密度が0.1μmol・m−2・s−1より大きくて、かつ、赤色/遠赤色の光量子密度の比が1より小さな人工光を長日植物に照射する第3の工程と;
を具備していることを特徴とする長日植物の栽培方法。A first step of arranging a long-day plant planted in a plant cultivation facility provided with a covering for converting the light quality of sunlight so that the ratio of red / far-red photon flux density is less than 1;
A second step of irradiating a long-day plant with sunlight that has passed through the covering in the daytime;
Mainly, artificial light having a photosynthesis effective photon flux density greater than 0.1 μmol · m −2 · s −1 and a red / far red photon density ratio of less than 1 is mainly used in a time zone without sunlight irradiation. A third step of irradiating the plants;
The cultivation method of the long-day plant characterized by comprising.
日中において、被覆体を透過した太陽光を長日植物に照射する第2の工程と;
主として太陽光照射のない時間帯において、周囲温度が17℃以下のときは光量子束密度が0.1μmol・m−2・s−1より大きい人工光であって、かつ、主として赤色/遠赤色の光量子束密度の比が1より小さな第1の人工光を長日植物に照射し、周囲温度25℃以上のときは光量子束密度が0.1μmol・m−2・s−1より大きい主として波長400〜500nmの第2の人工光を長日植物に照射し、周囲温度が17〜25℃のときは主として第1および第2の人工光を長日植物に照射する第3の光照射工程と;
を具備していることを特徴とする長日植物の栽培方法。A first step of arranging a long-day plant planted in a plant cultivation facility provided with a covering for converting the light quality of sunlight so that the ratio of red / far-red photon flux density is less than 1;
A second step of irradiating a long-day plant with sunlight that has passed through the covering in the daytime;
When the ambient temperature is 17 ° C. or lower mainly in a time zone where there is no sunlight irradiation, the photon flux density is artificial light greater than 0.1 μmol · m −2 · s −1 , and mainly red / far red. When a first artificial light having a photon flux density ratio smaller than 1 is irradiated to a long-day plant and the ambient temperature is 25 ° C. or higher, the photon flux density is mainly greater than 0.1 μmol · m −2 · s −1 at a wavelength of 400 A third light irradiation step of irradiating a long-day plant with ˜500 nm of second artificial light, and mainly irradiating the long-day plant with first and second artificial light when the ambient temperature is 17 to 25 ° C .;
The cultivation method of the long-day plant characterized by comprising.
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