JP4167376B2 - アースオーガ掘削機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、アースオーガ掘削機に関するものであって、詳しくは低空間域での杭打設作業が実施できるように構成されたアースオーガ掘削機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、土木工事における杭打設作業には、アースオーガを用いて地中に穿孔して、その後に例えばソイルセメントミルクを注入し、続いてそのソイルセメントミルクを注入された部分にH型鋼などの杭材を打ち込むような作業が行われている。そして、このような杭打設作業に使用されているアースオーガ掘削機100は、図5に示されるように、ベースマシン101にサポート部材102によって支持されるリーダ103の前面に沿って昇降自在に案内されるオーガ駆動装置104を、その上部に取付く吊下げシーブ105に、リーダ103の頂部に設けられた支持アーム106上のシーブ107,108を介してベースマシン101上に搭載されている巻上げ機109によって操作される吊上げ索110を巻き掛けて吊下げ、そのオーガ駆動装置104にオーガスクリュー111を接続して駆動される構成のものが多く使用されている。
【0003】
このようなアースオーガ掘削機は、そのリーダの前側に付設される機器を交換することによりオーガスクリュー以外の作業機器を取り付けて掘削以外の作業にも使用される。例えばディーゼルエンジンなどによる衝撃ハンマを用いる杭打ち機として、その他攪拌機を用いる地盤改良装置などに使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来のアースオーガ掘削機100は、吊下げ索110によってリーダ103に沿いオーガ駆動装置104を案内支持しているので、その構造上オーガ駆動装置104のリーダ103による昇降移動距離について、どうしてもリーダ103頂部付設の支持アーム106におけるシーブ107から吊下げられるオーガ駆動装置104の下部までの寸法を、リーダ103の立設高さ寸法から差し引かれて、残り寸法が有効寸法(揚程)となる。そのために、地盤の掘削に際してどうしても有効な揚程を多く得るために高い寸法のリーダ103を備えて作業を行っている。
【0005】
しかしながら、掘削・杭打ち作業の多様化によって作業現場の上部に構造物、例えば高速道路や河川敷の橋梁など、あるいは架線の下など、高さに制約を受ける工事現場での杭打ち作業を実施するには、従来のような高いリーダを備えたアースオーガ掘削機を使用することができない。そのために、高さの制約を受ける工事現場では杭打ち作業を能率よく実施できないという問題がある。
【0006】
もちろん、高さに制約を受ける場合、リーダの高さが低いものを使用するようにすれば、対応できることになるが、こうすると、どうしてもオーガ駆動装置(あるいはハンマの支持装置など)がリーダに支持される寸法分、有効作業高さ寸法が削減されるので、オーガスクリューなどの継足しが不便になり、作業性が低下して効率が悪くなるという問題点がある。
【0007】
本発明は、このような問題点を解消するためになされたもので、リーダの立設高さ寸法を低くしても作業有効長を大きくとることができて、効率よく杭の打設作業が実施できる機能を備えたアースオーガ掘削機を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段および作用・効果】
前述された目的を達成するために、本発明によるアースオーガ掘削機は、
支持部材によってベースマシンに支持立設されるリーダと、該リーダの頂部に設けられる駆動装置支持体と、前記リーダのガイドレールに案内されて昇降される作業機駆動装置と、該作業機駆動装置を前記駆動装置支持体に配設されるシーブを介して前記ベースマシンに搭載された巻上げ機で吊下げる吊上げ索とを備えるアースオーガ掘削機において、
前記駆動装置支持体は、当該アースオーガ掘削機の前方へ向けて突出する二股状の支持アームを有し、該支持アーム間に形成される空間部に前記作業機駆動装置が進入できるようにされ、前記吊上げ索が、前記作業機駆動装置の両側部の支持アーム上に設けられたシーブに巻掛けられて、前記作業機駆動装置を昇降させるように構成されていることを特徴とするものである。
【0009】
本発明にては、例えば作業機駆動装置としてオーガ駆動装置を用い、オーガスクリューを駆動しながら地中穿削を行う過程で、穿削が進行してオーガスクリューの継足し作業を行うに際し、前記オーガ駆動装置を上昇させるのに、リーダ頂部に取付く駆動装置支持体の支持アームが二股状に形成されてその内懐(支持アーム間)にオーガ駆動装置が進入できるようにされ、かつそのオーガ駆動装置を吊下げている吊上げ索を巻掛けられた吊下げシーブが、そのオーガ駆動装置の本体側面部に設けられているので、吊上げ索によって最上位置までオーガ駆動装置を引上げれば、そのオーガ駆動装置を支持アーム間内にまで上昇させることができる。したがって、接続するオーガスクリューの継足し空間を大きくとることができる。
【0010】
本発明によれば、作業駆動装置(オーガ駆動装置)の一部をリーダ頂部の支持アームより上に引上げることができるので、作業時におけるオーガスクリューなどの作業機材を継足すに際して吊り込み空間を多く取れ、作業性を向上させることができるという効果を奏する。このようなことから、特に作業現場での高さに制約を受けるような場合、リーダの高さ寸法を低くしても、前述の作業機材を継足す作業に際して、その機材の有効長さ寸法を可能な範囲で長いものを使用できることになり、無理なく合理的に穿削・杭打ちなどの作業を実施できるのである。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、本発明によるアースオーガ掘削機の実施の形態につき、図面を参照しつつ説明する。
【0012】
図1に本発明にかかるアースオーガ掘削機の一実施例正面図が、図2に要部の拡大正面図(a)および平面図(b)がそれぞれ示されている。
【0013】
本実施例のアースオーガ掘削機1は、リーダ3を短くして高さ制限を受ける作業現場で使用できるようにされたものである。そして、オーガスクリューを用いて杭打設用の穴を穿削するものについて説明する。
【0014】
この実施例におけるアースオーガ掘削機1は、クローラ走行のベースマシン2に支持部材5,5aにて支持されて直立配置されるリーダ3の前面には、オーガ駆動装置4がそのリーダ3の案内面に沿って昇降するように付設され、このオーガ駆動装置4にオーガスクリュー6が取付けられ、リーダ3の頂部に設けられた駆動装置支持体10に配されるシーブを巡ってベースマシン2上に搭載される巻上げ機(図示省略)にて操作される吊上げ索7により昇降できるように吊下げられている。
【0015】
リーダ3の頂部に取付く駆動装置支持体10は、当該アースオーガ掘削機の前方へ向けて突出する二股状の支持アーム11を有し、その両支持アーム11,11の間にオーガ駆動装置4が進入できる空間が形成されるようになされている。図中符号3aはオーガ駆動装置のガイドレールである。
【0016】
前記オーガ駆動装置4の本体4aに設けられる吊下げ用のシーブ8は、両側で下部位置にそれぞれ付設されている。そして、このオーガ駆動装置4を吊下げる吊上げ索7は、支手を一方の支持アーム11に周知の取付金具12を介して取付けられ、前記オーガ駆動装置4の一方の吊下げ用シーブ8を巡って前記支持アーム11付設のシーブ13を経て駆動装置支持体10上部に配設されるガイドシーブ14,14′を巡り、他方の支持アーム11上のシーブ15から垂下してオーガ駆動装置4の他方の吊下げ用シーブ8′に巻掛けられ、その後再び他方の支持アーム11上に位置するシーブ16からガイドシーブ17,18,19を巡らせて巻上げ機に巻き取られるようにされている。
【0017】
前記オーガスクリュー6は、周知のものが用いられる。そして、図1に示されるように、前記オーガ駆動装置4を最上部まで引上げられた状態で接続できるようにされ、この状態では一般のアースオーガ掘削機におけるオーガスクリューよりは短い寸法にされている。
【0018】
このように構成された本実施例のアースオーガ掘削機1では、従来の施工方法と同様に所要の作業現場でリーダ3を直立状態に支持部材5,5aによってベースマシン2に支持させて設置し、そのリーダ3のガイドレール3aに沿わせて吊下げられるオーガ駆動装置4の出力軸4bに、周知の手段でオーガスクリュー6を繋いで配置し、穿削作業を実施する(図1参照)。
【0019】
図3(a)で示されるように、オーガスクリュー6による掘削が進んで、オーガ駆動装置4が最下位位置まで下降すると、言換えるとオーガスクリュー6の継足しが必要になると、吊上げ索7を巻上げ機によって巻取ってオーガ駆動装置4をリーダ3の上部まで引上げる。すると、リーダ3の頂部に取付く駆動装置支持体10は支持アーム11が二股状に形成されてその間にオーガ駆動装置4が進入できるようにされ、かつオーガ駆動装置4の吊下げ用シーブ8、8′が側部の下方に設けられているので、そのオーガ駆動装置4の上半部が支持アーム11,11間まで上昇できる。
【0020】
こうすることによって、図3(b)に示されるように、そのオーガ駆動装置4の下部に突出される出力軸4bが従来のような吊下げ構造に較べてより高い位置まで上昇されることになる。したがって、次に継足す中間ロッド6′(あるいは継ぎ足しオーガスクリュー)を許容最大限の長さ寸法にしたものを継足す作業が容易に行えることになる。
【0021】
こうして掘削作業を継続して行い、再びオーガ駆動装置4が最下位まで降下して継ぎ足し作業を行うようになる(図4参照)と、前記のようにオーガ駆動装置4の出力軸4b部で中間ロッド6′(あるいは継ぎ足しオーガスクリュー)と切離し、そのオーガ駆動装置4を再び最上位まで引上げて、次の継足し中間ロッド6′(あるいは継ぎ足しオーガスクリュー)を継足す作業を行い、掘削する。以後所定の深さまで、前記要領を繰り返して掘削することができる。
【0022】
このように、本実施例のアースオーガ掘削機1によれば、オーガ駆動装置4をその本体4aの少なくとも上半部までを、駆動装置支持体10における支持アーム11の間に形成される受入れ空間部まで上昇させることができるので、そのオーガ駆動装置4の出力軸4bと、地中に掘進されたオーガスクリューの接続端部との間のいわゆる継足し作業空間を大きく取ることが可能になる。そのために、リーダ3の高さ寸法を短くする必要のある作業現場(高さ制限を受ける現場)においてオーガ掘削作業などを実施するに際して、継足し機材(オーガスクリュー)を可能な限り長くして使用することができ、継足し作業の頻度を少なくして効率よく行えるのである。
【0023】
以上の説明は、オーガスクリューを使用して地中に杭打設用の穴を掘削する場合について記載したが、作業機駆動装置としてハンマ装置を使用して杭の打ち込み作業を行う場合であっても、前記オーガスクリューの場合と同様にして打ち込み可能な短尺の杭を順次継足して作業することができ、この場合においてもその打込み杭の長さを比較的長めにして使用できることになるので、継足し頻度を少なくして作業性を高めることができる。
【0024】
なお、本発明の趣旨に則すれば、従来型の長い寸法のリーダと作業機駆動装置とを前述のように構成することで、継足し機材を長めにして使用することができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明にかかるアースオーガ掘削機の一実施例正面図である。
【図2】図2は、要部の拡大正面図(a)および平面図(b)本発明にかかるアースオーガ掘削機の一実施例正面図である。
【図3】図3(a)(b)は、本実施例のアースオーガ掘削機による作業の態様説明図である。
【図4】図4は、本実施例のアースオーガ掘削機による作業の態様説明図である。
【図5】図5は、従来のアースオーガ掘削機の一例を示す正面図である。
【符号の説明】
1 アースオーガ掘削機
2 ベースマシーン
3 リーダ
4 オーガ駆動装置
4b 出力軸
6 オーガスクリュー
6′ 中間ロッド
7 吊上げ索
8,8′ オーガ駆動装置の吊上げ用シーブ
10 駆動装置支持体
11 支持アーム
12〜19 シーブ
Claims (1)
- 支持部材によってベースマシンに支持立設されるリーダと、該リーダの頂部に設けられる駆動装置支持体と、前記リーダのガイドレールに案内されて昇降される作業機駆動装置と、該作業機駆動装置を前記駆動装置支持体に配設されるシーブを介して前記ベースマシンに搭載された巻上げ機で吊下げる吊上げ索とを備えるアースオーガ掘削機において、
前記駆動装置支持体は、当該アースオーガ掘削機の前方へ向けて突出する二股状の支持アームを有し、該支持アーム間に形成される空間部に前記作業機駆動装置が進入できるようにされ、前記吊上げ索が、前記作業機駆動装置の両側部の支持アーム上に設けられたシーブに巻掛けられて、前記作業機駆動装置を昇降させるように構成されていることを特徴とするアースオーガ掘削機。
Priority Applications (1)
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JP2000049451A JP4167376B2 (ja) | 2000-02-25 | 2000-02-25 | アースオーガ掘削機 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2001241281A JP2001241281A (ja) | 2001-09-04 |
JP4167376B2 true JP4167376B2 (ja) | 2008-10-15 |
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ID=18571391
Family Applications (1)
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JP2000049451A Expired - Lifetime JP4167376B2 (ja) | 2000-02-25 | 2000-02-25 | アースオーガ掘削機 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP4167376B2 (ja) |
-
2000
- 2000-02-25 JP JP2000049451A patent/JP4167376B2/ja not_active Expired - Lifetime
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