JP4167192B2 - ヤードクレーンおよびヤードクレーンの横行トロリ横行制御方法 - Google Patents

ヤードクレーンおよびヤードクレーンの横行トロリ横行制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、例えば、港湾にて、箱型形状のコンテナが多数載置されるコンテナヤードおよび該コンテナヤードにて前記コンテナを搬送するクレーンに関し、特に横行と走行の制御に関する。
港湾等のコンテナヤードでは、クレーンによって船舶あるいはトレーラへのコンテナの積み込み及び船舶あるいはトレーラからのコンテナの積み降ろし等の荷役作業が行われている。
この荷役作業に用いられるクレーンとして、図7に示すものを例にとって説明する。
図7において符号10は、吊荷であるコンテナCを、目標コンテナへ段積みさせるヤードクレーン(以下クレーンと称す)である。
このクレーン10は、コンテナを段積みするタイヤ式橋形クレーンであり、タイヤ9を備えたタイヤ式走行装置21によって無軌道面上を走行する門形のクレーン走行機体10aを有している。クレーン走行機体10aの水平な上部梁12には、この上部梁12に沿って水平方向に移動する横行トロリ13が設けられている。
横行トロリ13には巻上装置14が搭載されており、巻上装置14が巻き上げ、繰り出しを行う吊ロープ15によってコンテナ用の吊具(スプレッダ)16が吊り下げられている。吊具16は吊荷であるコンテナCを係脱可能に保持することができるようになっている。
タイヤ式走行装置21はオートステアセンサ18を備え、本クレーン10はオートステアセンサ18がコンテナヤードに設けられたオートステア用ガイドライン19を検出することで、該オートステア用ガイドライン19に沿って走行する。
なお、図においてクレーン10が把持するコンテナCの長手方向をクレーン10の左右方向とし、クレーン走行機体10aの長手方向をクレーン10の前後方向とする。
特開平11−292464号公報 特開2000−191276号公報 特開平07−291575号公報
このようなヤードクレーン10では、走行時にはオートステアセンサ18がオートステア用ガイドライン19に沿って自動的に走行される。
この場合、クレーン10の走行中は横行トロリ13を横行できないようにインターロックを設けている。クレーン10が走行中に横行トロリ13を加減速させると、以下の悪影響が生ずるからである。
トロリ13を横行加減速させると反力(横行反力)が発生する。この横行反力は、直線走行方向と直角方向なので、直線走行への外力となる。
この横行反力によって、ガーダ振動が発生する。ガーダ振動とは、構造が前後に2秒程度の周期で揺れる振動である。このガーダ振動によって、
・オートステアセンサ18の取り付け位置も振動し、センサ信号のノイズとなる。
・タイヤの浮き沈みが発生する。例えば、後側タイヤが沈んで、後側タイヤが浮き、前後のタイヤ半径に違いが出て、前後走行移動量に違いが出て、蛇行する。
・タイヤの浮き沈みで、沈んだ側の摩擦力が大きくなり、前後走行移動量に差が出ることでも蛇行する。
このようにクレーン10走行中に横行トロリ13を横行できないため、荷役効率のロスが生じるという問題があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、ヤードクレーン走行中にも横行トロリの横行を可能とし、荷役効率を向上させることができるヤードクレーンおよびヤードクレーンの横行トロリ横行制御方法を提供することを目的とする。
本発明においては上記の課題を解決するために以下の手段を採用した。
請求項1に記載の発明は、コンテナを把持するスプレッダが設けられ、横行ノッチ信号に基づいて横行速度指令が与えられることで横行駆動される横行トロリと、タイヤと、コンテナヤードに設けられたオートステア用ガイドラインを検出するオートステアセンサとを備え、前記オートステアセンサによる検出信号が前記タイヤのオートステアリング制御に用いられることで自動走行するヤードクレーンにおいて、ヤードクレーンが走行中の場合に、前記横行トロリの横行速度指令の変化率をヤードクレーン停止時の横行速度指令変化率よりも低く制限する加速度制限手段を備えていることを特徴とする。
この発明においては、コンテナ走行時には横行トロリの速度変化率を抑えることで、横行トロリの加減速時の横行反力が低下する。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のヤードクレーンにおいて、ヤードクレーン走行時に、前記加速度制限手段により制限された横行速度指令を平滑化する平滑フィルタを備えていることを特徴とする。
この発明においては、横行速度指令を平滑化してから出力することで、ガーダ振動を低減する。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のヤードクレーンにおいて、前記横行トロリが横行中の場合に前記オートステアセンサ信号からノイズを除去するノイズ除去フィルタを備えていることを特徴とする。
この発明においては、横行トロリが横行中において、ノイズ除去フィルタがオートステアセンサ信号からガーダ振動に起因するノイズを除去することで、オートステアセンサ信号に対するガーダ振動の影響を抑える。
請求項4に記載の発明は、コンテナを把持するスプレッダが設けられ、横行ノッチ信号に基づいて横行速度指令が与えられることで横行駆動される横行トロリと、タイヤと、コンテナヤードに設けられたオートステア用ガイドラインを検出するオートステアセンサとを備え、前記オートステアセンサによる検出信号が前記タイヤのオートステアリング制御に用いられることで自動走行するヤードクレーンの横行トロリ横行制御方法において、ヤードクレーン走行時には、前記横行トロリの横行速度指令の変化率を、ヤードクレーン停止時の横行速度指令変化率より低く制限することを特徴とする。
この発明においては、コンテナ走行時には横行トロリの速度変化率を抑えることで、横行トロリの加減速時の横行反力が低下する。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のヤードクレーンの横行トロリ横行制御方法において、ヤードクレーン走行時に、変化率が制限された前記横行速度指令を平滑化することを特徴とする。
この発明においては、横行速度指令を平滑化してから出力することで、ガーダ振動を低減する。
請求項6に記載の発明は、請求項4または5に記載のヤードクレーンの横行トロリ横行制御方法制御方法において、前記横行トロリが横行中の場合に、前記オートステアセンサ信号からノイズを除去することを特徴とする。
この発明においては、横行トロリが横行中において、ノイズ除去フィルタがオートステアセンサ信号からガーダ振動に起因するノイズを除去することで、オートステアセンサ信号に対するガーダ振動の影響を抑える。
本発明においては、横行トロリの加減速時に発生しうる横行反力および横行反力によって生じうるガーダ振動を低減することができる。さらにガーダ振動によって起因するノイズをオートステアセンサ信号から除去することができる。したがってヤードクレーン走行中にも横行トロリの横行を可能とし、荷役効率を向上させることができる。
次に、本発明の一実施形態について説明する。なお従来と同一の構成については同一の符号を用いて説明を省略し、以下においては相違点について説明する。
図1において、符号20は、吊荷であるコンテナCを、目標コンテナへ段積みさせるヤードクレーンである。横行トロリ13は上梁部12の前後方向(長手方向)に横行自在に支持され、横行モータ(吊具横行手段)M1によって横行可能となっている。(横行モータM1がトロリ13に設置され、トロリ13が自走するタイプもある。)
また、スプレッダ16の上部に設けられた複数のロープ滑車16aにトロリ13から繰り出された吊りロープ15が掛け回されている。トロリ13に設けられた巻取モータ(吊具昇降手段)M2により、巻上装置14が備える巻取りドラム14aを回転駆動させて吊りロープ15を巻き取ることで、スプレッダ16及び保持されたコンテナCを上昇させることができ、吊りロープ15を繰り出すことで、スプレッダ16及び保持されたコンテナCを下降させることができる。
尚、横行トロリ13の下方には図示しない運転室が設けられている。
図2及び図3は制御機構について示したブロック図である。本クレーン20は横行モータM1を制御する横行制御部30を備える。横行制御部30は運転者のノッチ指令およびヤードクレーン20が走行中であることを示す信号を受け、これらに基づいて横行モータM1に横行速度指令を与えることで横行トロリ13を横行させるものである。横行制御部30は加減速度制御手段31およびローパスフィルタ等の平滑フィルタ32により速度指令値を加工可能となっている。
また符号33はヤードクレーン走行制御部であり、オートステアセンサ18の出力信号および横行トロリ13が横行中であることを示す信号を受け、これらに基づいてタイヤ走行制御装置21を制御してヤードクレーン20を走行させるものである。ヤードクレーン走行制御部33はローパスフィルタ等のノイズ除去フィルタ34によりオートステアセンサ信号を加工可能となっている。
次いで、横行制御部30の制御について説明する。
図4に示したものは横行モータM1の制御方法である。横行制御部30は運転手の操作による横行ノッチ信号を受けると、まずステップST1にてヤードクレーン20が走行中か否かによって制御を分ける。走行中でない場合、ステップST2にて通常の加減速度制限を行い、横行モータM1へ横行速度指令を与える。走行中である場合には、ステップST3にて加減速度制限を行う。この状態を図6に示した。図6(a)は横行ノッチ信号であり、(b)の実線は通常の加減速度制限による横行速度指令である。破線はステップST3にて行われた加減速度制限である。また、(c)はそれぞれ通常時、制限時の加速度である。ステップST3では、加減速度制御手段31が(a)の横行ノッチ信号に対して実線で示した通常時よりも加減速度を抑えた速度指令値とする。
さらにステップST4にて、平滑フィルタ32によって、図6(c)の加減速度が(d)の破線のように平滑化される。(c)のように加速度がステップ状に変化すると周波数成分によってガーダ振動が発生するが、(d)のように平滑化されることでガーダ振動の発生が抑えられる。
このようにして加工された横行速度指令が横行モータM1に与えられ、横行モータM1が駆動することで横行トロリ13がヤードクレーン20が停止中か走行中かに関わらず横行する。
このように、ステップST1によって加減速度を制限することで図6(e)の実線で示した通常の横行反力から破線で示したような低い横行反力とすることができる。したがってガーダ振動を低減させることができる。
またステップST4において平滑フィルタをかけることで、ガーダ振動をさらに低減させることができる。
なお、加速度が十分に小さい場合には、ステップST4を省略して平滑フィルタ32を用いなくてもよい。
次いで、ヤードクレーン走行制御部33の制御について説明する。
図5はヤードクレーン20の走行制御方法である。ヤードクレーン走行制御部33は、オートステアセンサ18から入力されるオートステアセンサ信号を受けると、まずステップST1にて横行トロリ13が横行中か否かによって制御を分ける。横行中でない場合は、タイヤ式走行制御装置21にオートステアセンサ信号を出力してタイヤ9を駆動させ、通常のステアリング制御を行う。
横行中の場合、ステップST2にてノイズ除去フィルタ34によってオートステアセンサ信号からノイズが除去される。その後同様にタイヤ式走行装置21にオートステアセンサ信号を出力してタイヤ9を駆動させる。
このように横行トロリ13が横行中の場合はステップST2においてオートステアセンサ信号からノイズを除去することで、ガーダ振動にともなって発生しうるオートステアセンサ信号のノイズを抑え、ヤードクレーン20の蛇行を防ぐ。
以上のように、本実施形態においては横行トロリ13の加減速時に発生しうる横行反力および横行反力によって生じうるガーダ振動を低減することができる。さらにガーダ振動によって起因するノイズをオートステアセンサ信号から除去することができる。したがってヤードクレーン走行中にも横行トロリ13の横行が可能となり、荷役効率を向上させることができる。
また、横行トロリ13の停止中は、通常と同じヤードクレーン20の走行制御を行うことができ、一方、ヤードクレーン20停止時には加減速度制限手段31,平滑フィルタ32等を用いない従来と同じ横行トロリ13の制御を行うことができる。
本発明の一実施形態として示したヤードクレーン側面図である。 同ヤードクレーンの横行トロリを制御する制御機構について示したブロック図である。 同ヤードクレーンの走行を制御する制御機構について示したブロック図である。 同ヤードクレーンの横行トロリの横行制御におけるフローチャートである。 同ヤードクレーンの走行制御におけるフローチャートである。 同横行トロリの横行制御における速度指令値等を示したものであり、(a)はノッチ信号、(b)は加速度制限後の速度指令、(c)は同加速度、(d)は平滑後の加速度、(e)は横行反力である。 ヤードクレーンの斜視図である。
符号の説明
13 横行トロリ
18 オートステアセンサ
19 オートステア用ガイドライン
30 横行制御部
31 加減速度制限手段
32 平滑フィルタ
33 ヤードクレーン走行制御部
34 ノイズ除去フィルタ
M1 横行モータ

Claims (6)

  1. コンテナを把持するスプレッダが設けられ、横行ノッチ信号に基づいて横行速度指令が与えられることで横行駆動される横行トロリと、タイヤと、コンテナヤードに設けられたオートステア用ガイドラインを検出するオートステアセンサとを備え、前記オートステアセンサによる検出信号が前記タイヤのオートステアリング制御に用いられることで自動走行するヤードクレーンにおいて、
    ヤードクレーンが走行中の場合に、前記横行トロリの横行速度指令の変化率をヤードクレーン走行停止時の横行速度指令変化率よりも低く制限する加速度制限手段を備えていることを特徴とするヤードクレーン。
  2. ヤードクレーン走行時に、前記加速度制限手段により制限された横行速度指令を平滑化する平滑フィルタを備えていることを特徴とする請求項1に記載のヤードクレーン。
  3. 前記横行トロリが横行中の場合に前記オートステアセンサ信号からノイズを除去するノイズ除去フィルタを備えていることを特徴とする請求項1または2に記載のヤードクレーン。
  4. コンテナを把持するスプレッダが設けられ、横行ノッチ信号に基づいて横行速度指令が与えられることで横行駆動される横行トロリと、タイヤと、コンテナヤードに設けられたオートステア用ガイドラインを検出するオートステアセンサとを備え、前記オートステアセンサによる検出信号が前記タイヤのオートステアリング制御に用いられることで自動走行するヤードクレーンの横行トロリ横行制御方法において、
    ヤードクレーン走行時には、前記横行トロリの横行速度指令の変化率を、ヤードクレーン走行停止時の横行速度指令変化率より低く制限することを特徴とするヤードクレーンの横行トロリ横行制御方法。
  5. ヤードクレーン走行時に、変化率が制限された前記横行速度指令を平滑化することを特徴とする請求項4に記載のヤードクレーンの横行トロリ横行制御方法。
  6. 前記横行トロリが横行中の場合に、前記オートステアセンサ信号からノイズを除去することを特徴とする請求項4または5に記載のヤードクレーンの横行トロリ横行制御方法。
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