JP4166768B2 - サングラス用レンズおよびその製法並びにその製造装置 - Google Patents

サングラス用レンズおよびその製法並びにその製造装置 Download PDF

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Description

この発明は、主としてサングラスやゴーグルに用いられるサングラス用レンズと、そのレンズを製造するための製法と、その製法を実施してサングラス用レンズを得るための製造装置とに関する。
最近のサングラスは、ファッション性が特に考慮され、図16に示すような細幅の形態にデザイン化されている。この種のサングラスは、機能的には、正面からの入射光L1のみならず、側方からの入射光L2にも対応できるように、レンズ玉aの両端部が顔面の両側面に回り込むように大きく湾曲している。
先般、図16に示すような湾曲形態のサングラス用の偏光レンズとして、偏光性薄層の両面にポリカーボネートの支持層が積層された積層板に曲げ加工を施して、レンズ曲面が非球面に形成されたものが提案された(例えば特許文献1参照)。
特許第3130510号公報
この偏光レンズは、偏光軸の方向に沿う曲面の曲がり度合いが偏光軸と直交する方向に沿う曲面の曲がり度合いより大きい非球面のレンズ曲面を有するもので、例えば8R×5Rの曲面に形成される。ここで、曲がり度合いが「1R」とは、曲がり度合い半径が523mmであることを意味し、この曲がり度合いの大きさを表す数値は曲率半径に反比例する。従って、曲率半径が大きければ大きい程、緩やかなカーブとなるが、前記の数値が大きければ大きい程、急峻なカーブとなる。
この偏光レンズでは、偏光軸の方向に沿って大きく湾曲するので、側方からの入射光にも対応できるものの、同じ曲率半径でカーブするので、レンズ曲面は顔面に沿わずフィットしない。近年、サングラスのデザイン化がさらに進み、顔面にフィットするサングラスが要望されているが、上記したサングラス用の偏光レンズでは、顔面に沿うような形態にするには限界があり、その要望に十分に対応できない。
また、縁枠付きサングラスについては、たとえ、顔面に沿った形態の眼鏡枠を製作しても、その眼鏡枠に偏光レンズを嵌め込むのが困難である。そのために、図17に示すように、前面レンズa1と側面レンズa2とに分けて眼鏡枠bに嵌め込むような形態のサングラスも提案されているが、このようなサングラスは製作に手数がかかって高価となり、前面レンズa1と側面レンズa2との間の縁枠cが視界を遮って見づらいなどの問題がある。
この発明は、上記問題に着目してなされたもので、側方からの入射光にも対応できかつ顔面に沿ってフィットし、どのような眼鏡枠にも装着が可能なサングラス用レンズと、そのサングラス用レンズを製造するための製法と、その製法を実施してサングラス用レンズを得るための製造装置とを提供することを目的とする。
この発明によるサングラス用レンズは、プラスチック板に曲げ加工を施して表側が凸面、裏側が凹面のレンズ曲面が形成された単眼用のサングラス用レンズである前記レンズ曲面は、横軸と縦軸との交点であるレンズ曲面の中心に対して外側部分の横軸沿いの曲面の曲がり度合が、内側部分の横軸沿いの曲面の曲がり度合、縦軸沿いの一端側の曲面の曲がり度合、および縦軸沿いの他端側の曲面の曲がり度合より大きく、かつ、レンズ曲面の中心から外端に向けて次第に大きくなるよう連続して変化するとともに、内側部分の横軸沿いの曲面の曲がり度合が一定となる非球面のレンズ曲面に形成されている
上記した単眼用のサングラス用レンズは、レンズ曲面が、横軸と縦軸との交点であるレンズ曲面の中心に対して外側部分の横軸沿いの曲面の曲がり度合が、内側部分の横軸沿いの曲面の曲がり度合、縦軸沿いの一端側の曲面の曲がり度合、および縦軸沿いの他端側の曲面の曲がり度合より大きく、かつ、レンズ曲面の中心から外端に向けて次第に大きくなるよう連続して変化するとともに、内側部分の横軸沿いの曲面の曲がり度合が一定となる非球面のレンズ曲面になっているので、側方からの入射光にも対応でき、かつ、顔面にフィットする湾曲形態のサングラスが得られる。また、顔面にフィットする湾曲形態の眼鏡枠にも装着が可能である。
この発明の好ましい実施態様においては、前記プラスチック板は、偏光性薄層の両面にポリカーボネートの支持層が積層された積層板であって、偏光軸の方向を横軸とする横に長い形態に形成されている。なお、プラスチック板は必ずしもそのような積層板に限られるものではなく、偏光作用とは無関係の単なる色付きのプラスチック板でもよい。
また、この発明によるサングラス用レンズの製法は、プラスチック板に第1次の曲げ加工を施して、横軸沿いおよび縦軸沿いの各曲面の曲がり度合が最終品より小さいレンズ曲面をもつ中間加工品を成形した後、前記中間加工品に第2次の曲げ加工を施して、横軸沿いおよび縦軸沿いの各曲面の曲がり度合が中間加工品より大きく、横軸と縦軸との交点であるレンズ曲面の中心に対して外側部分の横軸沿いの曲面の曲がり度合が、内側部分の横軸沿いの曲面の曲がり度合、縦軸沿いの一端側の曲面の曲がり度合、および縦軸沿いの他端側の曲面の曲がり度合より大きく、かつ、レンズ曲面の中心から外端に向けて次第に大きくなるよう連続して変化するとともに、内側部分の横軸沿いの曲面の曲がり度合が一定となる非球面のレンズ曲面をもつ最終品を製造することを特徴とするものである。
この発明の製法では、プラスチック板の曲げ加工を第1次の曲げ加工と第2次の曲げ加工とに分けて段階的に行うので、大きく湾曲するレンズ曲面に形成することが可能であり、顔面にフィットする湾曲形態のサングラス用レンズを得ることができる。
さらに、この発明によるサングラス用レンズの製造装置は、プラスチック板に曲げ加工を施してサングラス用レンズを成形する成形機構を有するもので、前記成形機構は、前記プラスチック板に第1次の曲げ加工を施して、横軸沿いおよび縦軸沿いの各曲面の曲がり度合が最終品より小さいレンズ曲面をもつ中間加工品を型成形する粗型装置と、前記中間加工品に第2次の曲げ加工を施して、横軸沿いおよび縦軸沿いの各曲面の曲がり度合が中間加工品より大きく、横軸と縦軸との交点であるレンズ曲面の中心に対して外側部分の横軸沿いの曲面の曲がり度合が、内側部分の横軸沿いの曲面の曲がり度合、縦軸沿いの一端側の曲面の曲がり度合、および縦軸沿いの他端側の曲面の曲がり度合より大きく、かつ、レンズ曲面の中心から外端に向けて次第に大きくなるよう連続して変化するとともに、内側部分の横軸沿いの曲面の曲がり度合が一定となる非球面のレンズ曲面をもつ最終品を型成型する仕上型装置とを含んでいる。
この発明による製造装置によりサングラス用レンズを製作するには、積層板を予備加熱した後、成形機構による曲げ加工を行う。成形機構では、まず粗型装置により積層板に第1次の曲げ加工を施し、横軸沿いおよび縦軸沿いの各曲面の曲がり度合が最終品より小さいレンズ曲面をもつ中間加工品を型成形する。この中間加工品を仕上型装置へ移した後、仕上型装置により中間加工品に第2次の曲げ加工を施し、横軸沿いおよび縦軸沿いの各曲面の曲がり度合が中間加工品より大きく、横軸と縦軸との交点であるレンズ曲面の中心に対して外側部分の横軸沿いの曲面の曲がり度合が、内側部分の横軸沿いの曲面の曲がり度合、縦軸沿いの一端側の曲面の曲がり度合、および縦軸沿いの他端側の曲面の曲がり度合より大きく、かつ、レンズ曲面の中心から外端に向けて次第に大きくなるように連続して変化するとともに、内側部分の横軸沿いの曲面の曲がり度合が一定となる非球面のレンズ曲面をもつ最終品を型成型する。
この発明によれば、側方からの入射光にも対応できかつ顔面にもフィットするサングラス用レンズが得られ、顔面にフィットする湾曲形態の眼鏡枠にも装着が可能となる。
図1〜図3は、この発明にかかるサングラス用の偏光レンズ1の外観を示す。
図示例の偏光レンズ1は、単眼用であって、表側が凸面、裏側が凹面となるレンズ曲面2を有する。このレンズ曲面2は、その外形が横に長い矩形状であり、偏光軸の方向を横軸xに、偏光軸と直交する方向を縦軸yに、それぞれ設定してある。横軸xと縦軸yとの交点がレンズ曲面2の中心Cである。偏光レンズ1の両端縁には、偏光軸の方向を示す目印として半円形状のタブ8がそれぞれ突設されている。
なお、図1において、一点鎖線は眼鏡枠に合わせて外周部分が削り取られたときのレンズ玉の形状を示しており、同図の右端側が眼鏡枠のテンプル側に、左端側が眼鏡枠のブリッジ側に、それぞれ対応する。以下、外端側(テンプル側)を「外側」、内端側(ブリッジ側)を「内側」という。
前記レンズ曲面2は、その中心Cに対して外側部分の横軸x沿いの曲面2aの曲がり度合いが、内側部分の横軸x沿いの曲面2bの曲がり度合、縦軸y沿いの一端側(図1では上端側)の曲面2cの曲がり度合、および縦軸y沿いの他端側(図1では下端側)の曲面2dの曲がり度合いより大きく、かつ前記曲面2aが中心Cから外端に向けて次第に大きくなるように連続して変化するような非球面のレンズ曲面に形成されている。なお、図2において、一点鎖線は球面のレンズ曲面を示す。
この実施例におけるレンズ曲面2の曲がり度合は、横軸x沿いの曲面2bの曲がり度合と縦軸沿いの両曲面2c,2dの曲がり度合とは一致するが、レンズ曲面2の中心Cに対して外側部分の横軸x沿いの曲面2aの曲がり度合が他の曲面2b,2c,2dの各曲がり度合より大きなものとなっている。
図4は、偏光レンズ1のレンズ曲面2の曲がり度合の具体例を示している。いま、曲げ加工前の偏光レンズ1(後述する積層板)上のレンズ曲面2に相当する部分に同心円(一点鎖線で示す)を想定し、各曲面2a〜2d上の点として横軸xおよび縦軸yと各円との交点に着目すると、横軸x沿いの曲面2a,2bの曲がり度合は、中心点P(レンズ曲面2の中心Cに当たる)と曲面2b上の交点P1b,P2b,P3bとが「8R」に、曲面2a上の交点P1aが「9R」に、交点P2aが「10R」に、交点P3aが「11R」に、それぞれ設定されている。
一方、縦軸y沿いの曲面2c,2dの曲がり度合は、中心点Q(レンズ曲面2の中心Cに当たる)と曲面2c上の交点Q1c,Q2cと曲面2d上の交点Q1d,Q2dとが「8R」に、それぞれ設定されている。
ここで、曲面の曲がり度合の大きさを示す数値(例えば「8R」)は、曲率半径の大きさに反比例するので、その数値が大きい程、急峻なカーブの曲面となる。
なお、図4において、横軸xおよび縦軸y上以外の点についても、曲面の曲がり度合の大きさを示す数値は、図中、縦軸yから左半分の領域では8Rとなるが、右半分の領域では中心から外周に向かって連続して変化しかつ次第に大きくなっていることはいうまでもない。
図5〜図8は、両眼用のサングラス用の偏光レンズ1の外観を示している。
図示例の偏光レンズ1は表側が凸面、裏側が凹面となる2個のレンズ曲面2R,2Lを左右に有している。各レンズ曲面2R,2Lは、互いに連なり、全体形状が横に長い矩形状であり、偏光軸の方向を横軸x1,x2に、偏光軸と直交する方向を縦軸y1,y2に、それぞれ設定してある。横軸x1と縦軸y1との交点が右側のレンズ曲面2Rの中心C1であり、横軸x2と縦軸y2との交点が左側のレンズ曲面2Lの中心C2である。偏光レンズ1の両端縁には、偏光軸の方向を示す目印として半円形状のタブ8がそれぞれ突設されている。
なお、図5において、一点鎖線は眼鏡枠に合わせて外周部分が削り取られたときの両眼のレンズ玉の形状を示している。
前記の各レンズ曲面2R,2Lは、その中心C1,C2に対して外側部分の横軸x1,x2沿いの曲面2a,2aの曲がり度合いが内側部分の横軸x1,x2沿いの曲面2b,2bの曲がり度合、縦軸y1,y2沿いの一端側(図5では上端側)の曲面2c,2cの曲がり度合、および縦軸y沿いの他端側(図5では下端側)の曲面2d,2dの曲がり度合いより大きく、かつ前記曲面2a,2aが中心C1,C2から外端に向けて次第に大きくなるように連続して変化するような非球面のレンズ曲面に形成されている。さらに、各レンズ曲面2R,2Lの中心C1,C2に対して内側部分の横軸x1,x2沿いの曲面2b,2bの曲がり度合は、レンズ曲面2R,2Lが連なる部分の曲面2fの曲がり度合、および縦軸y1,y2沿いの各曲面2c,2c,2d,2dの曲がり度合いより大きなものとなっている。なお、図6において、一点鎖線は球面のレンズ曲面を示す。
図9は、偏光レンズ1の各レンズ曲面2R,2Lの曲がり度合の具体例を示している。いま、曲げ加工前の偏光レンズ1(後述する積層板)上の各レンズ曲面2R,2Lに相当する部分に同心円(一点鎖線で示す)をそれぞれ想定し、各曲面2a〜2d,2a〜2d上の点として横軸x1,x2および縦軸y1,y2と各円との交点に着目すると、横軸x1,x2沿いの曲面2a,2a,2b,2bの曲がり度合は、中心点P(各レンズ曲面2R,2Lの中心C1,C2に当たる)と曲面2b,2b上の交点P1bとがそれぞれ「6R」に、交点P2bが「5R」に、曲面2a,2a上の交点P1aが「7R」に、交点P2aが「8R」に、交点P3aが「9R」に、それぞれ設定されている。なお、レンズ曲面2R,2Lが連なる部分の曲面2fの曲がり度合は「4R」に設定されている。
一方、縦軸y1,y2沿いの曲面2c,2c,2d,2dの曲がり度合は、中心点Q(レンズ曲面2R,2Lの中心C1,C2に当たる)と曲面2c,2c上の交点Q1c,Q2cと曲面2d,2d上の交点Q1d,Q2dとが「3R」に、それぞれ設定されている。
なお、図9において、横軸x1,x2および縦軸y1,y2上以外の点については、例えば、交点P2aを通る縦軸y3,y4沿いの曲面の曲がり度合を「4R」に、曲面2fと直交する縦軸y5沿いの曲面の曲がり度合を「2R」に、それぞれ設定するなど、適当な値に設定する。
前記した図1の偏光レンズ1は、図10に示すような、偏光軸の方向(横軸x)に長い横長形状の積層板3を曲げ加工して形成される。この実施例の積層板3は、偏光軸の方向の横長さXが82mm、偏光軸と直交する方向(縦軸y)の縦長さYが50mmであり、縦横270mm×361mmの積層板の板状物を抜き型を用いてプレス加工することにより、四隅に円弧状部4を有する横長矩形状に形成されている。なお、積層板3の形状は、必ずしも矩形である必要はなく、例えば円形や楕円形状であってもよい。
この積層板3は、図11に示すように、偏光性薄層5の両面にポリカーボネートの支持層50,50が積層された構造のものであり、曲げ加工に適した0.5〜2.5mmの厚みに設定される。前記偏光性薄層5は、2色性色素をポリビニルアルコールなどの高分子フィルム上に配向させて成るもので、この実施例では、偏光性薄層5を0.05mm、各支持層50の厚みを0.7mmに設定してある。
なお、図示していないが、前記した図5の偏光レンズ1も同様の積層板3を曲げ加工して形成される。
上記の積層板3を曲げ加工して、図1の偏光レンズ1を製作するのに、この実施例では、まず、積層板3に第1次の曲げ加工を施して、図12および図13に実線で示すような、最終品より小さい曲がり度合いのレンズ曲面20をもつ中間加工品10を成形する。なお、図中、一点鎖線は最終品のレンズ曲面2を示す。
この中間加工品10は、レンズ曲面20が球面に形成されており、横軸(偏光軸の方向)xに沿う曲面20a,20bの曲がり度合いが最終品の8R〜11Rより小さい6Rに、縦軸(偏光軸と直交する方向)yに沿う曲面20c,20dの曲がり度合いが最終品の8Rより小さい6Rに、それぞれ設定されている。
なお、第1次の曲げ加工で形成する中間加工品10は、必ずしもレンズ曲面20の曲がり度合が全ての点で一定な球面の曲面を有するものである必要はなく、レンズ曲面20の曲がり度合が中心部から外周部へ向かって連続して変化する非球面の曲面を有するものであってもよい。
この中間加工品10を第1次の曲げ加工で成形した後、この中間加工品10に第2次の曲げ加工を施して、前記したレンズ曲面2を有する非球面の偏光レンズ1(最終品)を製作するのである。
このように、積層板3の曲げ加工を第1次の曲げ加工と第2次の曲げ加工とに分けて段階的に実施すると、1度の曲げ加工で成形するのと比較した場合、2度の段階的な曲げ加工を実施したものの方が無理な力を加えることなく目的物が得られるので、歪みに関わる特性が良好となる。
図14−1(1)〜(3)および図14−2(4),(5)は、第1次の曲げ加工と第2次の曲げ加工とを実施して目的とする偏光レンズ1を成形する成形機構を有する製造装置とその製作手順とを示している。
図14−1(1)〜(3)は粗型装置6による第1次の曲げ加工を、図14−2(4),(5)は仕上型装置7による第2次の曲げ加工を、それぞれ示すもので、粗型装置6と仕上型装置7とで前記成形機構が構成されている。
図14−1(1)〜(3)に示す粗型装置6において、61は前記中間加工品10のレンズ曲面20に応じた凹面形状の型穴61aを有する下型である。62は積層板3の外周部分を下型61の型穴61aへ押圧するための上型であり、下型61の型穴61aの外周部分に沿うリング形状の押圧面62aを備えている。この上型62は、シリコン樹脂、ゴム、エラストマー、フッ素樹脂などの柔らかい素材により形成されており、耐熱性と柔軟性と弾性とを有している。
下型61は支持台64上に支持され、支持台64の内部に組み込まれたヒーター63によって加熱される。下型61と支持台64には下型61の型穴61a内に連通して積層板3に吸引力を作用させるための吸気孔66,67がそれぞれ形成されている。各吸気孔66,67は互いに連通し、吸気孔67に図示しない吸引機構が接続されている。
前記上型62の形状は積層板3の形状に対応させており、図15に示すように、下方より見ると、外形は矩形状であり、押圧面62aの形状は上型62の外形に沿っている。なお、上型62および押圧面62aは、この実施例の形態のものに限られるものではない。
前記押圧面62aによって囲まれる上型62の下面中央部と前記押圧面62aを囲む外周部とは曲げ加工時に積層板3に接触しないように凹ませてある。これらの凹部62b,62cは、曲げ加工時に積層板3に接触しないものであれば、その深さや形状は問わない。
図14−2(4),(5)に示す仕上型装置7は、最終品である偏光レンズ1のレンズ曲面2に応じた凹面形状の型穴71aを有する下型71と、前記型穴71aの外周部分に沿うリング形状の凸面状の押圧面72aを有する上型72とを含んでいる。なお、上型72の構成は粗型装置6の上型62と同様であり、ここでは説明を省略する。
下型71は支持台74上に支持され、支持台74の内部に組み込まれたヒーター73によって加熱される。下型71と支持台74には下型71の型穴71a内に連通して中間加工品10に吸引力を作用させるための吸気孔76,77がそれぞれ形成されている。各吸気孔76,77は互いに連通し、吸気孔77に図示しない吸引機構が接続されている。
図14−1(1)〜(3)に示す粗型装置6によって積層板3を型成形するには、まず、ヒーター63により下型61を所定の温度に加熱し、下型61の型穴61a上に積層板3を水平にセットする(図14−1(1))。積層板3は、曲げ加工が容易に行えるように、熱風を所定の時間だけ当てて予備加熱する。
なお、積層板3の予備加熱や加熱は熱風のみで行ってもよく、その場合は支持台64にヒーター63を組み込むなどの必要がない。積層板3を熱風のみで加熱する方法では、積層板3を含む雰囲気の中の温度を所定の温度に設定するようにする。
つぎに、図示しない吸引機構を作動させ、下型61の型穴61a内に吸引力を作用させつつ上型62を下降させる。上型62はリング形状の押圧面62aが積層板3に接触して積層板3の外周部分を押圧するが、上型62の中央部および外周部の各凹部62b,62cは積層板3に接触しない。積層板3は、下型61の型穴61a内に作用する吸引力によって熱変形し、下型61の型穴61a内に吸着される(図14−1(2))。
この曲げ加工時に、上型62は、積層板3の中心部分を押さずに、タブ8の内側の外周部分をリング形状の押圧面62aにより押圧するので、タブ8の部分にしわが発生することがなく、しわの発生に起因する隙間の発生もない。従って、隙間から積層板3と下型61の型穴61aとの間に空気が入ることがなく、積層板3に十分な吸引力が作用するので、適正な曲げ加工が行われる。
ついで、型穴61a内に吸引力を作用させた状態のまま上型62を上昇させ、成型品に熱風を所定時間だけ当てて保形する(図14−1(3))。この成型品を型穴61aより取り出すことにより中間加工品10が得られる。
つぎに、ヒータにより加熱された仕上型装置7の下型71の型穴71a内に中間加工品10を向きを定めてセットした後、型穴71a内に吸引力を作用させつつ上型72を下降させ、上型72の押圧面72aと下型71の型穴71aとの間で中間加工品10を曲げ加工する(図14−2(4))。ついで、型穴71a内に吸引力を作用させた状態を維持しながら、上型72を上昇させ、下型71に熱風を所定時間当てて保形する(図14−2(5))。これにより最終品である偏光レンズ1が得られ、これを下型71より取り出す。
このようにして製作された偏光レンズ1を所定の形状にカットして眼鏡枠を装着することによりサングラスが得られる。
なお、図示していないが、図10に示す積層板3を曲げ加工して、図5の偏光レンズ1を製作する場合も、まず、積層板3に上記と同様の粗型装置6により第1次の曲げ加工を施して、最終品より小さい曲がり度合いのレンズ曲面をもつ中間加工品を成形し、その後、上記と同様の仕上型装置7により第2次の曲げ加工を施して、最終品である偏光レンズ1を得る。
この発明にかかる単眼用のサングラス用の偏光レンズの斜視図である。 図1の実施例の水平断面図である。 図1の実施例の垂直断面図である。 図1の実施例のレンズ曲面の曲がり度合を説明するための偏光レンズの平面図である。 両眼用のサングラス用の偏光レンズの斜視図である。 図5の実施例の水平断面図である。 図5の実施例の一方のレンズ曲面に沿う垂直断面図である。 図5の実施例の他方のレンズ曲面に沿う垂直断面図である。 図5の実施例のレンズ曲面の曲がり度合を説明するための偏光レンズの平面図である。 積層板の斜視図である。 積層板の断面図である。 中間加工品の水平断面図である。 中間加工品の垂直断面図である。 この発明の一実施例である偏光レンズ製造装置の構成と製作手順とを示す断面図である。 図14−1の偏光レンズ製造装置の製作手順の続きを示す断面図である。 粗型装置の上型および押圧面を下方より見た平面図である。 従来のサングラスが装着された状態を示す斜視図である。 側面レンズが用いられた従来のサングラスを示す斜視図である。
符号の説明
1 偏光レンズ
2,2R,2L レンズ曲面
2a,2b,2c,2d曲面
2a,2a,2b,2b,2c,2c,2d,2d 曲面
3 積層板
5 偏光性薄層
6 粗型装置
7 仕上型装置
10 中間加工品
20 レンズ曲面
50 支持層
x,x1,x2 横軸
y,y1,y2 縦軸

Claims (4)

  1. プラスチック板に曲げ加工を施して表側が凸面、裏側が凹面のレンズ曲面が形成された単眼用のサングラス用レンズにおいて、
    前記レンズ曲面は、横軸と縦軸との交点であるレンズ曲面の中心に対して外側部分の横軸沿いの曲面の曲がり度合が、内側部分の横軸沿いの曲面の曲がり度合、縦軸沿いの一端側の曲面の曲がり度合、および縦軸沿いの他端側の曲面の曲がり度合より大きく、かつ、レンズ曲面の中心から外端に向けて次第に大きくなるよう連続して変化するとともに、内側部分の横軸沿いの曲面の曲がり度合が一定となる非球面のレンズ曲面に形成されて成るサングラス用レンズ。
  2. 請求項1に記載された単眼用のサングラス用レンズであって、前記プラスチック板は、偏光性薄層の両面にポリカーボネートの支持層が積層された積層板であって、偏光軸の方向を横軸とする横に長い形態に形成されているサングラス用レンズ。
  3. 表側が凸面、裏側が凹面のレンズ曲面をもつ単眼用のサングラス用レンズを製造する方法であって、
    プラスチック板に第1次の曲げ加工を施して、横軸沿いおよび縦軸沿いの各曲面の曲がり度合が最終品より小さいレンズ曲面をもつ中間加工品を成形した後、前記中間加工品に第2次の曲げ加工を施して、横軸沿いおよび縦軸沿いの各曲面の曲がり度合が中間加工品より大きく、横軸と縦軸との交点であるレンズ曲面の中心に対して外側部分の横軸沿いの曲面の曲がり度合が、内側部分の横軸沿いの曲面の曲がり度合、縦軸沿いの一端側の曲面の曲がり度合、および縦軸沿いの他端側の曲面の曲がり度合より大きく、かつ、レンズ曲面の中心から外端に向けて次第に大きくなるよう連続して変化するとともに、内側部分の横軸沿いの曲面の曲がり度合が一定となる非球面のレンズ曲面をもつ最終品を製造することを特徴とするサングラス用レンズの製法。
  4. 表側が凸面、裏側が凹面のレンズ曲面をもつ単眼用のサングラス用レンズを製造する装置であって、
    プラスチック板に曲げ加工を施してサングラス用レンズを成形する成形機構を有し、前記成形機構は、前記プラスチック板に第1次の曲げ加工を施して、横軸沿いおよび縦軸沿いの各曲面の曲がり度合が最終品より小さいレンズ曲面をもつ中間加工品を型成形する粗型装置と、前記中間加工品に第2次の曲げ加工を施して、横軸沿いおよび縦軸沿いの各曲面の曲がり度合が中間加工品より大きく、横軸と縦軸との交点であるレンズ曲面の中心に対して外側部分の横軸沿いの曲面の曲がり度合が、内側部分の横軸沿いの曲面の曲がり度合、縦軸沿いの一端側の曲面の曲がり度合、および縦軸沿いの他端側の曲面の曲がり度合より大きく、かつ、レンズ曲面の中心から外端に向けて次第に大きくなるよう連続して変化するとともに、内側部分の横軸沿いの曲面の曲がり度合が一定となる非球面のレンズ曲面をもつ最終品を型成型する仕上型装置とを含んで成るサングラス用レンズの製造装置。
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