JP4166519B2 - 床下配管の防音構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、住宅の給排水騒音のうち、床下配管で用いられる継手配管、オフセット配管及び継手配管やオフセット配管付近の配管に生じる騒音に対する防音構造及び防音部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、住宅の界壁の遮音性能や断熱性能の向上に伴い、住戸内部での騒音がクローズアップされている。就中、給排水騒音が問題となり、今では大半の住宅において、居住区の天井裏及びパイプスペース内は配管防音対策が行われている。
【0003】
かかる配管防音処理は床上配管、すなわち、1階床より上の部分のものの処理である。床下配管は地中埋設されることが多くその為、特に床下からの騒音は問題視されていなかった。
【0004】
また、天井裏及びパイプスペース内での給排水騒音が大きく低減したこともあって床下配管の防音対策に対する苦情は、ほとんど生じていなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
一方、近年、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」が施行され、配管のメンテナンス性が強く求められる様になった。
【0006】
床下配管は、床下の地中に埋設されており、メンテナンスが非常に困難であった。
【0007】
それに伴って、床下配管は、基盤である土間コンクリート上に設けられて、メンテナンス性を確保する様になった。
【0008】
配管は、従来、地中埋設により音の発生が少なかったが、土間コンクリート上に無処理配管を配設する様になった為、大きな音が生じることになった。
【0009】
また、配管工事は床下部分とに分けて工事される為、例えば、床の根太や布基礎を避けて配管穴を開ける等々の原因で、騒音の大きいオフセット配管を行わざるを得ないケースも多く、特に、近年では、床上が防音処理で静かになったこともあって、余計に床下の騒音が問題となった。
【0010】
本発明の課題は、床下配管のメンテナンスを容易にするのはもちろんのこと、床下配管の騒音を十分に防止することである。
【0011】
また、本発明の課題は、前記背景から、床下配管のメンテナンス性を損なわないで、床下配管の騒音を十分に防止することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、建築物の床と床下配管と基盤とを備えている、床下配管の防音構造であって、前記基盤が土間コンクリートから形成されており、前記床下配管が、前記土間コンクリートと前記床との間の床下空間内に設けられており、前記床下配管が、前記床を貫通している床貫通管と、横引き管と、前記床貫通管と前記横引き管とを連通させるオフセット配管とを備えており、前記オフセット配管が防音部材によって防音処理されている床下配管の防音構造にかかるものである。
【0013】
本発明者は、床下配管のメンテナンス性を向上させるとともに、床下配管の騒音発生を十分に防止するため、種々の床下配管構造を試作し、検討した。
【0014】
床下配管を露出させて施工するためには、床下に、土間コンクリートを施し、その上に床下配管を施工し、建物の床ができてから、床に貫通穴をあけて、そこで床上配管と床下配管とを接続する。
【0015】
かかる配管施工の現場では、床貫通穴を通した縦管と、予じめ床下に設けた横引管とに位置ずれが生じることがあり、縦管と横引き管との接続に困難を極めることがある。
【0016】
この場合、やむなくオフセット配管が使われることとなる。オフセット配管としては、Sソケット管やフレキシブル管、直管と継手管との組合せ管を用いることができ、これらの管によって、芯ずれを生じさせる位置関係の縦管と横引き管とを問題なく接続することができる。
【0017】
しかしながら、本発明者の検討によれば、かかるオフセット配管は、床下配管からの騒音の著しい増加をもたらすことを見出した。
【0018】
オフセット配管を用いる場合、床下空間内の給排水騒音は著しく増大し、1階居室の騒音が著しく増加するのである。この現象は、地中埋設配管の当時では全く見られないものであった。
【0019】
本発明者の研究によれば、かかる騒音増加の現象は、床下空間に非防音処理オフセット配管が露出していることと、床下での排水落下高さが高いことに起因することが分かった。
【0020】
床下での排水落下高さが高いことは、特に、汚水等の固形物含有排水では、固形物の衝撃力が増し、オフセット配管の管壁に加わる衝撃力を増す。
【0021】
かかる知見の下、本発明者は、床下配管の維持、管理等のメンテナンス性を保ちつつ、床下騒音を十分に低減させるため、種々の防音処理を検討した。
【0022】
その結果、本発明者は、床下のオフセット配管を所定の防音部材で処理することによって、メンテナンス性及び騒音防止に十分な床下配管の防音構造が得られることを突き止め、本発明に至った。
【0023】
本発明では、床下配管を床下空間内に設ける。これにより、床下配管のメンテナンスが容易となる。
【0024】
また、本発明では、床下配管のオフセット配管を、所定の防音部材によって防音処理する。これにより、床下配管のオフセット配管からの騒音を著しく低減することができる。
【0025】
本発明の床下配管の防音構造 によれば、床下配管が床下空間内に設けられているので、床下配管のメンテナンスが容易となり、床下配管のオフセット配管が所定の防音部材で防音処理されているので、床下配管のメンテナンスの容易性を損なうことなく、十分な防音性能を発揮することができる。
【0026】
本発明は、建築物の床と床下配管と基盤とを備える、床下配管の防音構造であって、基盤が土間コンクリートから形成され、床下配管が、床の下面又は前記土間コンクリートと床との間の床下空間内に設けられ、前記床下配管が、前記床を貫通する床貫通管と、横引き管と、前記床貫通管と前記横引き管とを連通させる継手配管及びオフセット配管であって流路変更が短距離で連続して行われ配管への管内流動物の衝突回数が増す配管とを備え、前記オフセット配管が、前記床貫通管と、前記床下の前記横引き管の末端の前記継手配管との位置ずれを修正し、前記床貫通管及び前記継手配管を円滑に連結するものであり、前記床貫通管と、前記床貫通管の外周の床の貫通部分との間に、前記床貫通管が直接床に接触しない様にかつ隙間が生じない様に、鍔状ゴムのような緩衝材が設けられ、前記床貫通管が弾性支持され、前記横引き管が前記継手配管又は前記オフセット配管の近傍で前記土間コンクリートにより支持固定され、前記継手配管及び前記オフセット配管が防音部材によって防音処理されていることを特徴とする床下配管の防音構造に係るものである。
【0027】
本発明者は、床下配管の騒音発生を十分に防止するため、更に種々の防音構造を試作し検討した。
【0028】
前述したように、床下配管を露出させて施工する為には、縦管と横引き管との接続において、やむなくオフセット配管を使うことがあるが、オフセット配管を用いることなく、縦管と横引き管とを90°エルボ等の継手配管で接続することも十分可能であることを知見した。
【0029】
しかし乍ら、本発明者の検討によれば、かかる継手配管は、オフセット配管等と同様に、床下配管からの騒音の著しい増加をもたらすことを見出した。継手配管を用いる場合、床下空間内の給排水騒音は著しく増大し、1階居室の騒音が著しく増加するのである。
【0030】
本発明では、継手配管とは、継手管や直管からなる配管であって、オフセット配管を含むことがある配管を意味する。
【0031】
本発明者の研究によれば、かかる騒音増加の現象は、床下空間に非防音処理の継手配管が露出していることにより、流路変更が短い距離で連続して行われ、必然的に継手配管への衝突回数が増して音が重ね合わされることと、床下での排水落下高さは必然的に高く、又、配管の支持固定が不十分な場合が多く共振による音の増加が発生していることにも起因することが判った。
【0032】
かかる知見の下、本発明者は床下配管の維持管理等のメンテナンス性を保ちつつ、床下配管騒音を十分に低減させるため、更に種々の防音処理を検討した。
【0033】
その結果、本発明者は、床下の継手配管を所定の防音部材で処理することによって、メンテナンス性及び騒音防止に十分な床下配管の防音構造が得られることを突き止めた。
【0034】
就中、本発明者は、粘塑性体からなる防音部材が、粘弾性体を用いるよりも軽量で、しかも同等の防音性能を発揮することを見出し、本発明に至った。
【0035】
粘塑性体は、塑性域にある粘性体であり、それ自体の長期安定性、軟化剤の被着体等への移行等によって使えないと判断されていた。
【0036】
しかし、本発明者の研究によれば、意外にも、粘塑性体の軟化剤の移行を適切な手段で防ぎ、粘塑性体を単体で継手配管やオフセット配管やそれらの近傍の配管の処理に用いることで、優れた防音性能と軽量化とを両立できることを突き止めた。
【0037】
粘弾性体を使う場合は、面密度35kg/m2以上で使う必要があったが、粘塑性体では25kg/m2以上で同等の結果が得られ、約30%の軽量化ができることが判った。
【0038】
また、粘塑性体に吸音材と遮音材とを併用することにより、粘塑性体は面密度で16kg/m2程度まで低減でき、吸音材は5mmの厚さまで薄くでき、このときの遮音材の面密度は3.4kg/m2程度である。
【0039】
これは、従来の吸音材と遮音材の組合せの最低条件は、吸音材の厚みが10mmであるので、半分の厚さの吸音材で済み、遮音材の面密度が1.2kg/m2であるので、逆に約3倍の面密度が必要となったが、全体として軽量化、薄厚化ができ、ほぼ同じ防音性能を得るにあたって、施工性を改善でき、コスト面でも著しく有利になる。
【0040】
本発明の床下配管の防音構造 によれば、床下配管が床下空間内に設けられているので、床下配管のメンテナンスが容易となり、床下配管の継手配管が所定の防音部材で防音処理されているので、床下配管のメンテナンスの容易性を損なうことなく、十分な防音性能を発揮することができる。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
(1)建築物
本発明では、建築物は、特に制限されることなく、種々のものが含まれる。
【0042】
(2)建築物の床
建築物の床は、特に制限されることなく、種々のものが含まれる。かかる床は、床上空間と床下空間を仕切る境界として働く。
【0043】
(3)床下配管
本発明にかかる床下配管は、床貫通管、オフセット配管、継手配管、横引き管等を含むものである。かかる床下配管は床の下面又は床と基盤との間の床下空間内に配設される。かかる床下配管としては、特に制限されることなく、種々の材質、形状のものを用いることができる。
【0044】
(4)基盤
基盤は建築物を支える基盤である。かかる基盤は、特に制限されず、種々のものでよい。かかる基盤は土間コンクリートから形成される。
【0045】
土間コンクリート上には、湿気防止や劣化防止のため、必要に応じ、防湿シート等を敷設することができる。
【0046】
床下配管の固定は土間コンクリートで支持する。床下配管の支持固定に、床を支持する根太を利用すると、床下配管の振動が床に伝播し、床からの固体伝播音が生じる為、避けた方が良い。
【0047】
(5)床貫通管
床貫通管は床上配管につながっており、建築物の床を貫通する配管である。かかる床貫通管は、必要に応じ適切な防音材や防水シート、鍔状ゴム等によって処理されるのが好ましい。
【0048】
床と床貫通管の貫通部分との間には、直接配管が床に接触しない様にかつ隙間が生じない様に鍔状ゴム等からなる緩衝材を設け、弾性支持し、騒音発生を防止するのが好ましい。
【0049】
(6)横引き管
横引き管は床上からの流下物や床上への流出物等が土間コンクリート上を横方向に流れるための配管である。かかる横引き管は、適切な防音材や防水シート、防湿シート等によって処理されるのが好ましい。
【0050】
(7)オフセット配管
オフセット配管は床貫通管と床下の横引き管末端の継手管との位置ずれを修正し、これらの管を円滑に連結するための配管である。
【0051】
オフセット配管としては、Sソケット管、フレキシブル管及び直管と継手管とから形成されている組合せ管からなる群より選ばれる少なくとも1種の配管を用いることができる。
【0052】
継手管としては、Sソケット管、45°エルボ、90°エルボ及び90°大曲りエルボからなる群より選ばれる少なくとも1種を用いることができる。
【0053】
かかるオフセット配管の組合せ例では、45°エルボ、90°エルボを両端に1個づつ使い、間を短い直管で連結して、床貫通管と横引き管や縦管との芯ずれを修正して連結する手段や、床貫通管を、Sソケット管、フレキシブル管で、90°エルボに連結して横引き管に連結する手段をとることができる。
【0054】
(8)防音部材
本発明にかかる防音部材は、継手配管やオフセット配管を防音処理するためのものである。かかる防音部材としては、特に制限されず、種々の防音材、防音手段等を単独で、又は併用して使うことができる。
【0055】
(8−1)防音材
本発明では、防音材としては、制振材、防振材、動吸振材、吸音材及び遮音材からなる群より選ばれる少なくとも1種の防音材を用いることができる。
【0056】
好ましくは、本発明では、防音材として、大別して2つのものを用いることが有利である。その1つは少なくともオフセット配管や継手配管を10mm厚以上の吸音材と面密度1.2kg/m2以上の遮音材とを組み合わせた防音部材を用いることである。
【0057】
残る1つは、少なくともオフセット配管や継手配管を面密度35kg/m2以上の粘弾性体で囲着するか、面密度25kg/m2以上の粘塑性体を囲着するかである。
【0058】
これら2つの防音材は、床下オフセット配管やその下部の継手等相対的に大きな騒音源を防音処理するのに好適である。
【0059】
かかる防音材は、オフセット配管のみでなく、その流下方向で横引き管に流路を変更する90°エルボ等の継手の防音処理としても用いる方が好ましい。
【0060】
また、これら2つの防音材は、両者を併用することにより、粘弾性体や粘塑性体の面密度の軽減と吸音材の厚みの薄厚化を行うことができ、同等の音性能を得ながらの軽量化、薄厚化で、施工性やコスト低減に有効になる。
【0061】
(8−1−1)吸音材と遮音材とからなる防音材
かかる防音材は10mm厚以上の吸音材と面密度が1.2kg/m2以上の遮音材とを必須構成材とし、その作用は、10mm以上の吸音材により吸音し、面密度1.2kg/m2以上の遮音材で遮音することになる。
【0062】
このとき、配管外周に直接囲着する場合は、吸音材としての作用だけでなく、制振材としても作用し、その外周に囲着された遮音材が拘束材として作用する。
【0063】
このとき、通常知られている拘束型制振材は、被制振材に充分に粘接着し、拘束材は充分に粘接着している必要があるが、吸音材と遮音材で構成される拘束型制振材の条件は、必ずしも、吸音材は被制振材や拘束材に粘接着していなくてもよく、被制振材や拘束材に吸音材が密着しているなら制振効果は生じる。
【0064】
このとき、制振効果は被制振材を強く押圧する様にした方が高い制振効果が得られるが、吸音効果が悪化する。したがって、吸音材はやや圧縮される位にした方が良い結果が得られる。
【0065】
(8−1−1−1)吸音材
吸音材と遮音材とからなる防音材に用いる吸音材は10mm厚以上が必要で、10mm未満では、中低音に対して十分でない。より好ましくは、12〜20mmの厚さが良い。
【0066】
かかる吸音材の具体例としては、フェルト、不織布、グラスウール、ロックウール、紙状物等の繊維系、ゴム及びポリマー発泡体やそれ等や発泡体の粉砕品の成型シート、ゴム及び、ポリマー発泡体又はそれ等の粉砕品とゴム及びポリマーのソリッドの粉砕品の混合物又はそれらをバインダー等で成型したシートを例示することができる。
【0067】
更に詳しく説明すると、繊維系の吸音材の場合は、押圧による永久歪を生じにくくし、復元性を長期に持たせる手段が吸音材の制振性を永続させる上で必要である。尚、発泡体についても同様で、復元性の良いものが望ましい。
【0068】
この手段として、繊維系の吸音材の場合、繊維径を太くすることが考えられるが、吸音性が悪化するため、1〜5デニールの繊維径のものを、60〜80%の割合で用いるのが良い。
【0069】
その他、復元性を向上させる手段として、中空繊維を混合して繊維自体の復元性を増したり、バインダー、低融点繊維で繊維を接合したり、長繊維の混入、ニードルパンチにより繊維間のからみを増す等の対策を併用しても良い。
【0070】
かかる吸音材は、複数の吸音材間にフィルムをはさむと、吸音性を増す作用が生じる。この作用を起こすには吸音材が繊維と繊維、発泡体と繊維、発泡体と発泡体の関係であってもよい。
【0071】
吸音材の材質及び厚みやフィルムの材質及び厚みにより、効果のある周波数帯に変化が生じ、一律にその傾向を断定することはできないので、実際に吸音率を測定し、実際の給排水配管を防音処理して音測定で確認する必要がある。
【0072】
吸音材の具体例として示したゴム及びポリマー発泡体又はそれ等の粉砕品とゴム及びポリマーのソリッドの粉砕品の混合物又はそれらをバインダー等で成形したシートは、中低周波数帯を低減する上では効果がある。
【0073】
(8−1−1−2)遮音材
次に、吸音材と遮音材とからなる防音材に用いる遮音材としては、ゴム、ポリマーに汎用充填材、高比重充填材等を均一に混入したシート、石膏ボード等の無機質板、パーチクルボード、合板等の木質板、塩化ビニル板等のポリマー板、金属箔や金属板等を例示することができる。
【0074】
かかる遮音材では、面密度は1.2kg/m2以上が必要であり、より好ましくは1.5〜5kg/m2である。1.2kg/m2未満では十分な遮音効果は得られない。
【0075】
本発明では、かかる防音材は、可撓性を有する物であるのが好ましい。配管への囲着が容易だからである。
【0076】
あるいはまた、本発明では、かかる防音材を適切な担体に接着させ、箱状防音部材又は筒状防音部材として、対象の配管の周囲に配設することができる。
【0077】
かかる箱状防音部材又は筒状防音部材は、担体として板材を用いれば十分であり、木材等を骨組として用いても良く、取付容易性の点で何分割かできる様にしておけば、施工性も向上する。
【0078】
(8−1−2)粘弾性体
好ましくは、本発明では、防音材は、面密度20kg/m2以上、より好ましくは、35〜50kg/m2の面密度の粘弾性体を必須構成材とする。
【0079】
本発明で言う粘弾性体とは、応力−歪曲線で降伏点を超えない範囲で供用される粘性と弾性を併せ持つ物質の総称である。本発明で粘弾性体を単独で用いる場合には、面密度を35〜50kg/m2に設定するのがよい。
【0080】
かかる粘弾性体の場合は、配管に直接貼り付けることが一番効果的である。この場合は、粘弾性体単体のみで音性能を満足させようとすると、粘弾性体の面密度が35kg/m2未満の場合は十分な効果を得ることはできない。
【0081】
つまり、本発明では、31.5Hzや63Hzという低周波音の低減も必要との観点で対策したが、低周波で充分な効果を得るには、粘弾性体で対策する場合は、面密度で35kg/m2以上が必要であった。
【0082】
また、継手配管やオフセット配管の近傍をしっかり支持固定して、配管系の振動をできるだけ抑制する必要がある。こうすることにより、125Hzを中心とする周波数での共振を防止できる。
【0083】
この場合は、非拘束型の制振作用とオフセット配管及び継手配管の遮音という2つの作用の併用をすることになる。この場合、短い距離の中で複数の音源、振動源が連続して存在するために、粘弾性体だけで処理すると相当重くする必要がある。
【0084】
粘弾性体の具体例としては、ゴムやポリマーに、大量の軟化剤や粘着付与材を混入し、粘性と弾性を付与したものであり、高比重充填剤や汎用充填剤を均一に混合したものである。
【0085】
粘弾性体は、フィルム、箔、不織布、織布、紙、シート等からなる拘束材を併用すると、拘束型制振作用を利用できて、重量をより軽くすることができる。
【0086】
また、粘弾性体と前述の吸音材と遮音材との組合せを併用することにより、粘弾性体単体よりも大きく面密度を軽減でき、吸音性と遮音材の組合せの時の吸音材厚みを大幅に薄厚とすることができ、施工性も向上する。
【0087】
上記が必須構成材であり、かかる必須構成材に、他種の構成材を組み合せて、より防音性能を上げることもできる。
【0088】
(8−1−3)粘塑性体
本発明で言う粘塑性体とは、物体に応力を加えて変形させる過程で、応力を次第に増していくと、応力のわずかな増加につれ、又は全く増加することなしに歪が急激に増加し始める降伏点に達するが、この降伏点に於る応力が非常に小さい物体、例えば、粘土の様に復元力がほとんどない物体を総称する。
【0089】
この様な粘塑性体は、粘土やゴム粘土を例示することができるが、例えば、ゴム粘土では、少量のゴムに多量の軟化剤や充填剤を均一に混合して得られるが、復元性がなく、接触した物体への軟化剤の移行や軟化剤の移行による粘塑性体の物性の不安定化等の問題がある為、従来、防音材として使われていない。
【0090】
ところが、防音防振に対しては良好な結果を示し、それ自体の長期安定性に配慮し、被着体等への軟化剤の移行等を解消することにより、安定性した物性を保ち、被着体等への軟化剤の移行もなくなり、防音材として十分な性能を発揮するという知見を得た。
【0091】
粘塑性体は、少量のゴムやポリマーをバインダーとした多量の充填剤と軟化剤を均一に混合することにより得られているので、比重が高く、遮音材として好適であり、剛性がない為、コインシデンス効果により、高周波数側で性能低下する周波数もなくなる。また、粘塑性体は、荷重をほとんどかけないで使用できる部位には制振材としての効果が高い。前記の音振動に対する効果の割には低コストで得られる。
【0092】
本発明では、粘塑性体は、軟化剤の分子量の高い成分をできるだけ増量し、低分子量の物を少なくすることにより、防音効果を高く保ちながら、長期安定性を向上させることができる。
【0093】
また、本発明では、接触物への粘塑性体の軟化剤の移行を防止する観点から、粘塑性体と、フィルム、箔、不織布、織布、紙及びシートからなる群より選ばれる少なくとも1種の材料からなる軟化剤移行防止材とを併用した防音部材を用いるのが好ましい。
【0094】
粘塑性体を、軟化剤移行防止材を介して被接触物に接触させる等の対策を行えば、前記フィルム等の軟化剤移行防止材によって、粘塑性体中の軟化剤成分が被接触物に移行するのが防止されるので、粘塑性体の組成変化が抑えられ、粘塑性体の長期安定性が得られる。なお、前記フィルムの接着面側に粘着層等を設けておけば、防音部材としての取り付けも容易となる。また、前記フィルム等の軟化剤移行防止材は、通常の拘束材として機能させることもできる。
【0095】
一方、粘塑性体中にゴム粉末を均一に混入することによって、当初予期しなかった応力がかかって、部分的に塑性変形を受け、制振性や遮音性の悪化を防止することができる。つまり、ゴム粉末の粒径分の厚みが少なくとも確保できる構成となるからである。
【0096】
本発明においては、前記粘弾性体と比べ、意外にも、粘塑性体の方が、オフセット配管や継手配管に単独で用いた場合、粘弾性体では面密度が35kg/m2必要であったにも拘らず、粘塑性体では同程度の音性能にする為の面密度が25kg/m2で良く、約30%の軽量化が可能である。
【0097】
その理由は、粘弾性体は面密度を上げ、弾性限度内で供用する為に、ポリマーと軟化剤及び粘着付与樹脂に対する充填剤比率が高く、相対的に粘塑性より硬くなり、粘塑性体の方が軟らかく、配管の振動を抑制するのに適度な柔軟性が得られ、更に塑性を有するが故に、粘弾性と比べ粘塑性体内を振動が伝達し難いことがその要因と考えられる。しかしながら、まだ明確な理論付けはできていない。
【0098】
また、粘弾性体と同様に、粘塑性体は、吸音材と遮音材を組合わせることによって、全体の重量を軽量化でき、薄厚とすることができるので、より施工性に優れた防音部材となる。
【0099】
つまり、粘塑性体による低周波の低減と、吸音材及び遮音材による高周波の低減が併用できる。また、対策周波数は、基本的に粘塑性体や粘弾性体を高い面密度で使うことにより、低周波が低減され、中高周波数では吸音材と遮音材の組合せが適したものであり、併用することで吸音と遮音とによる防音性能へのプラス要因と粘塑性体の制振遮音性が中高周波域にも防音性能のプラス要因が生じる。
【0100】
本発明では、上述のような防音部材を用いることができ、その結果として、床貫通部上の居室内で、上階トイレ給排水騒音のF特性音圧レベルのMAX値が1/1オクターブバンド中心周波数が31.5Hzのとき68dB以下、63Hzのとき55dB以下、125Hzのとき45dB以下、250Hzのとき37dB以下、500Hzのとき32dB以下、1kHz〜4kHzのとき30dB以下の条件を各周波数での値に2dB許容を含んで満足するとユーザからの苦情はほぼ無くなるという経験則を満足できる。
【0101】
このとき、条件の中に31.5Hzという可聴域限界周波数を加えたのは、特に低音域に敏感なユーザを考慮したものである。特に、オフセット配管時には、配管振動に起因する低周波数騒音が大きくかつバラツキが生じ易くなるという観点から、等価騒音レベルでの評価ではなく、最大値に着目したものである。
【0102】
一般的に、衝撃による音は低周波音が大きくなる傾向があり、特に、重量床衝撃音などの様に重く柔らかい衝撃源では、可聴域外の音も感じる為、16Hz帯域も低減した方が静かに感じる。
【0103】
給排水騒音については、衝撃力が重量床衝撃よりはるかに小さい為、16Hz帯域までの対策は不要であるが、31.5Hz帯域は明らかに聴感上の有意差があるので、その対策は必要である。
【0104】
(8−2)収納型防音部材
好ましくは、本発明では、防音処理のために、収納型防音部材、例えば、箱状防音部材、筒状防音部材等の防音手段を、単独又は前述の各防音部材と併用して用いることができる。
【0105】
かかる収納型防音部材は、内部にオフセット配管や継手配管を収納できる防音部材である。箱状防音部材は防音材と箱型に形成したもので、筒状防音部材は防音材を筒型に形成したものである。
【0106】
かかる収納型防音部材では、オフセット配管や継手配管と収納型防音部材との間に空間を設け、かかる空間によって、防音性能を高めることができる。
【0107】
(8−2−1)箱状防音部材
箱状防音部材は、その1面が土間コンクリートの表面でなる防音ボックスとして形成することができる。かかる防音ボックスは、板状の骨組みとその内部の防音材とからなることができる。
【0108】
かかる防音ボックスは、土間コンクリート上に固定されることになり、土間コンクリートと防音材とに囲まれた空間内でオフセット配管や継手配管を防音処理することができる。
【0109】
本発明にかかる箱状防音部材、特に、防音ボックスを土間コンクリート上に形成する場合、防音ボックスの骨組と土間コンクリートとが配管振動によるガタツキ音を生じない様に、ゴム等の粘弾性体や、ゴム、ポリマーの発泡体、繊維状物等の振動絶縁材を防音ボックスの骨組みと土間コンクリートとの間に介在させることが望ましい。
【0110】
振動絶縁材としては、特に、粘弾性体や粘塑性体の粘接着性を利用して、防音ボックスの骨組みと土間コンクリートとを固定するのが良い。
【0111】
本発明にかかる箱状防音部材は、予め配管を挿入する孔を設け、この孔に配管を挿入して、土間コンクリート上に配置することができる。この場合、箱状防音部材を、2分割、3分割等の分割した部材で構成し、現場で組み立てて作製することができる。
【0112】
かかる箱状防音部材は、配管を挿入する孔の部分や、壁等の部分で、オフセット配管等の床下配管を支持し固定することができる。このようにすれば、特に、防音ボックス等でオフセット配管等の配管を囲う場合、オフセット配管等を防音ボックス等に固定することができ、これらの配管の振動に由来する騒音を抑制することができる。
【0113】
防音ボックス形式の収納型防音部材の場合は、必ずしも、オフセット配管やその下部の継手等の床下配管自体を防音処理しなくても、目標の防音性能を満足することができる。
【0114】
好ましくは、特に、排水騒音は、配管の流路変更部位での排水の管壁との衝突音と、排水と空気との混合音が配管内で遠くまで伝わり易いので、配管にも防音処理をした方がより騒音低減に効果が高い。
【0115】
(8−2−2)筒状防音部材
本発明にかかる筒状防音部材は、オフセット配管や継手配管を覆うように筒状に形成されたものである。かかる筒状防音部材は、オフセット配管等を挿入するために、予め、オフセット配管等の外径よりも大きい内径を有するものである。また、筒状防音部材は、2分割、3分割等の分割した部材で構成し、現場で組み立てて作製することができる。
【0116】
筒状防音部材を分割部材で構成する場合には、継ぎ目をジョイントテープで処理できる物や、表層の遮音材に織布等のミシン加工ができる物や、チャック機能を備えた嵌合用凹凸を両端に有する遮音材を用いて、チャックでワンタッチで施工できる物でも良い。
【0117】
かかる筒状防音材は、伸縮可能な防音部材である防音筒が好ましい。かかる防音筒は、蛇腹状に屈曲した外周遮音層と外周遮音層の内側の吸音材層とで形成することができる。
【0118】
伸縮可能な筒状防音部材は、内部にオフセット配管を収納し易い。また、かかる筒状防音部材は、その両端でのオフセット配管への固定が容易であり、防音部材とオフセット配管との固定部分で音漏れが少なくなる。
【0119】
(9)床下配管の防音構造
本発明の床下配管の防音構造は、床貫通部直下のオフセット管や継手配管から生じる騒音を低減し、床下からの騒音を低減する。
【0120】
かかる防音構造は、床貫通部上の居室で、F特性音圧レベルのMAX値が、1/1オクターブバンド中心周波数で、31.5Hzのとき68dB以下、63Hzのとき55dB以下、125Hzのとき45dB以下、250Hzのとき37dB以下、500Hzのとき32dB以下、1kHz〜4kHzのとき30dB以下の条件を各周波数での値に2dB許容を含んで満足することができる。
【0121】
次に、図面を参照して本発明をより一層詳細に説明する。なお、図面中、同一の符号は同様の部材であることを示す。
【0122】
図1は本発明の1例の防音構造の断面図である。図2は本発明の他の例の防音構造の断面図である。図3は本発明の更に他の例の防音構造の断面図である。図4は本発明の更に他の例の防音構造の断面図である。図5は本発明の更に他の例の防音構造を示す断面図である。図6は本発明の更に他の例の防音構造を示す断面図である。
【0123】
図1に示すように、床下配管の防音構造1は、建築物の床2と床下配管3と基盤4とを備える。
【0124】
防音構造1は、基盤4が土間コンクリートから形成されており、床下配管3が土間コンクリートと床2との間の床下空間内に設けられている。
【0125】
床下配管3は、床2を貫通している床貫通管5と、横引き管6と、床貫通管5と横引き管6とを連通させるオフセット配管7とを備えている。オフセット配管7は防音部材8によって防音処理されている。
【0126】
図1では、床下の断面状況を示している。床貫通管5は縦管からなり、縦管5と床貫通部2aとの間の隙間は、鍔状ゴム11で音漏れを防いでいる。
【0127】
それと共に、床貫通部2aは鍔状ゴム11によって縦管5を防振し支持し、固定も同時に行うものである。
【0128】
縦管5には、45°エルボ7aと直管7bと45°エルボ7cとで配管されたオフセット配管7が連結されている。短い直管12を経由して、90°エルボ13で横引き管6に連結されている。
【0129】
横引き管6の90°エルボ13付近は、配管防音材14を介して支持バンド15で土間コンクリートに支持されている。
【0130】
縦管5とオフセット配管7の直下の短い直管12とは、床上と同じ吸音材16aと遮音材16bとからなる配管防音材16で囲着されている。
【0131】
オフセット配管7とその下部の90°エルボ13とは、吸音材8aと遮音材8bとからなる防音部材8で囲着されている。
【0132】
なお、これらのオフセット配管6の各部材8a,8b,16a,16bの間は、ジョイントテープ17で隙間なくシールされている。また、床2は、合板18とフローリング材19との重ねものからなり、根太20によって支持されている。
【0133】
図2は、本発明の他の例の防音構造21を、床下の断面状況で示すものである。図1の防音構造1との相違点は、床下配管23において、オフセット配管7とその下部の90°エルボ13とが粘弾性体8cからなる防音部材28によって被覆されている点である。
【0134】
図3は、本発明の更に他の例の防音構造31を、床下の断面状況で示すものである。床下配管33の本体自体は、図1及び2と同一である。
【0135】
床貫通部2aを通った縦管5のみ、オフセット配管7の手前まで、床上と同じ配管防音材16が囲着されており、オフセット配管7から横引配管6まで無防音処理配管となっている。
【0136】
床貫通部2aの下、縦管5から90°エルボ13近くの横引管6までの配管を、防音箱38で防音処理した。なお、防音箱38の底面は、土間コンクリート4の表面とし、これらの配管を防音箱と土間コンクリートで囲う。
【0137】
土間コンクリート4と防音箱38との接触部では、ゴム発泡体41と粘弾性体42とで、振動ガタツキ音を防止すると共に、防音箱38を骨組み43により土間コンクリート4に粘着固定している。また、防音箱38と配管との接触部には、ゴム発泡体44を介在させる。
【0138】
防音箱38は、20mm厚のウレタン発泡体を吸音材8aとし、12mm厚、面密度9.6kg/m2のパーチクルボードを遮音材8bとして、防音箱38内面全体に設けている。
【0139】
図4は、本発明の更に他の例の防音構造51を、床下の断面状況で示すものである。床下配管53では、オフセット配管7とその下部の90°エルボ13に、面密度5.1kg/m2の非加硫ブチルゴムシートからなる粘弾性体8cを囲着し、これらの配管を図3と同じ防音箱38と土間コンクリート4とで囲ったものである。
【0140】
図5は、本発明の更に他の例の防音構造61を、床下の断面状況で示す図である。床下配管63では、オフセット配管7を、防音筒68内に収納する。
【0141】
防音筒68は、吸音材層からなる吸音材8aと吸音材層の外側の蛇腹状に屈曲した外周遮音層からなる遮音材8bとを含んでおり、防音筒68の内部にオフセット配管7が収納されている。
【0142】
吸音材層は液状ゴム発泡体とすることができ、遮音材層は蛇腹状ゴムとすることができる。この際、一番薄い蛇腹状ゴムが2mmの厚さ以上で、比重1.5、面密度3kg/m2で、蛇腹状ゴムの内周に一番薄い部分で20mmの厚さを確保した吸音材とすることができる。
【0143】
オフセット配管7の下部の90°エルボ13は、面密度35.1kg/m2の粘弾性体8cで囲着している。なお、図5の防音構造61では、防音筒68の端部を、縦管5の端部及び短い直管12に重ね合わせ、固定バンド71を用いて固定することができる。また、防音筒68とオフセット配管7との間には空間72を形成することができる。
【0144】
図6は、本発明の更に他の例の防音構造81を、床下の断面状況で示す図である。床貫通部2a下の床下配管83で、オフセット配管7の下部の90°エルボ13までを、床2上の配管防音材16と同様の吸音材16aと遮音材16bとで処理することができる。
【0145】
また、図面を参照して、本発明をより一層詳細に説明する。尚、図面中、同一の符号は同様の部材であることを示す。
【0146】
図7は本発明の更に他の例の防音構造の断面図である。図8は本発明の更に他の例の防音構造の断面図である。図9は本発明の更に他の例の防音構造の断面図である。図10は本発明の更に他の例の防音構造の断面図である。図11は本発明の更に他の例の防音構造の断面図である。
【0147】
図7に示すように、床下配管の防音構造101は建築物の床2と床下配管103と基盤4とを備える。
【0148】
防音構造101は基盤4が土間コンクリートから形成されており、床下配管103が土間コンクリートと床2との間の床下空間内に設けられている。
【0149】
床下配管103は、床2を貫通している床貫通管5と横引き管6と床貫通管5と横引き管6とを連通させる継手配管(例えば、図示するようなオフセット配管7)とを備えている。オフセット配管7は防音部材108によって防音処理されている。
【0150】
図7では、床下の配管断面の状況を示している。床貫通管5は縦管からなり、縦管5と床貫通部2aとの間の隙間は鍔状ゴム11で音漏れを防いでいる。
【0151】
それと共に、床貫通部2aは鍔状ゴム11によって縦管5を防振支持し、固定も同時に行うものである。
【0152】
縦管5には、45°エルボ7aと直管7bと45°エルボ7aとで配管されたオフセット配管7が連結されている。短い直管12を経由して90°エルボ13で横引き管6に連結されている。横引き管6の90°エルボ13付近は配管防音材14を介して支持バンド15で土間コンクリートに支持されている。
【0153】
縦管5は、床上と同じ吸音材16aと遮音材16bからなる配管防音材16で囲着されている。オフセット配管7とその直下の短い直管12とその下部の90°エルボ13とは、粘塑性体8dからなる防音部材108で囲着されている。尚、これらのオフセット配管7の各部材7a,7b,16,12,13間はジョイントテープ17で隙間なくシールされている。また、床2は合板18とフローリング材19との重ねたものからなり、根太20によって支持されている。
【0154】
図8は、本発明の更に他の例の防音構造111を、床下の断面状況で示すものである。図7の防音構造と異なり、床下配管113において、オフセット配管7とその直下の短い直管12とその下部の90°エルボ13とが、粘塑性体8eとその外側の吸音材8aとその外側の遮音材8bとからなる防音部材118によって被覆されており、粘塑性体8eの面密度が小さなものである。
【0155】
図9は本発明の更に他の例の防音構造121を、床下の断面状況で示すものである。床下配管123の本体自体は図8の粘塑性体8eの部分のみにしたものと同一である。
【0156】
床貫通部2aを通した縦管5のみが、オフセット配管7の手前まで、床上と同じ配管防音材16で囲着され、オフセット配管7とその直下の短い直管12とその下の90°エルボが、粘塑性体8eのみで防音処理されている。
【0157】
床貫通部2aの下、縦管5から90°エルボ13近傍の横引き管6までの配管を防音箱38で防音処理した。尚、防音箱38の底面は土間コンクリート4の表面とし、これらの配管7,12,13を防音箱38と土間コンクリート4とで囲う。
【0158】
土間コンクリート4と防音箱38の接触部ではゴム発泡体41と粘弾性体42とで、振動ガタツキ音を防止すると共に、防音箱38と配管との接触部にはゴム発泡体44を介在させる。防音箱38は、20mm厚ウレタン発泡体を吸音材8aとし、12mm厚面密度9.6kg/m2のパーチクルボードを遮音材8bとして構成している。
【0159】
図10は、本発明の更に他の例の防音構造131を、床下の断面状況で示すものである。床下配管133では、オフセット配管7とその直下の短い直管12とその下部の90°エルボ13に、面密度14kg/m2の粘塑性体8eを囲着し、これらの配管を、吸音材138aと遮音材138bを積層し、チャック138cで筒状にする筒状防音材138で囲ったものである。
【0160】
図11は、本発明の更に他の例の防音構造141を、床下の断面状況で示すものである。床下配管143では、床貫通部に鍔状ゴム11を設け、縦管5の外周に配管防音材16を設けた上から床貫通部に支持固定している。
【0161】
縦管5の下は、90°エルボ13の外周に粘塑性体8dが囲着され、更にその外周に吸音材156aと遮音材156bが囲着され、各部材間の隙間をジョイントテープ17でシールしている。90°エルボ13は、横引き管6に接続され、横引き管は無処理である。尚、横引き管6の90°エルボ近傍は配管防音材14を介して支持バンド15で土間コンクリート4に支持固定されている。
【0162】
【実施例】
以下、本発明を、図面を参照して、実施例及び比較例に基づきより一層詳細に説明する。実施例及び比較例では、配管施工の基本構造として次に示す共通配管構造を採用した。
【0163】
共通配管構造
二階のトイレから一階天井裏まで、3回90°エルボで流路変更した。床下へは縦管で排水した。縦管を、床貫通部下で、45°エルボ、直管及び45°エルボからなるオフセット配管を用いて、配管径の2倍の長さの配管芯ずれを補い、オフセット配管で直管を経由して90°エルボを通って横引き管に接続する様に配管を組んで供試した。尚、天井、パイプスペースは石膏ボード12.5mmで囲った。
【0164】
床上の配管では、直管を不織布5mm厚と非加硫ブチルゴムシート2mm厚で囲着し、3つのエルボを何れも粘弾性体2mm厚、不織布5mm厚、非加硫ブチルゴムシート2mm厚で囲着し、各々部材間の継ぎ目を非加硫ブチルゴム製ジョイントテープ1mm厚で隙間なく囲着した。
【0165】
実施例1
図1に示すような床下配管の防音構造を施工した。上記共通配管構造に対し、床下配管の床貫通部に鍔状ゴムで縦管を支持固定した。その下部縦管に床上直管部と同じ不織布5mm厚と非加硫ブチルゴムシート2mm厚で囲着し、オフセット配管部を不織布12mm厚と面密度1.5kg/m2のオレフィン系シートで囲着し、その下部の直管を不織布5mm厚非加硫ブチルゴムシート2mm厚で囲着し、その下部の90°エルボを不織布12mm厚と面密度1.5kg/m2のオレフィン系シートで囲着した。横引管は無処理とした。
【0166】
尚、床下配管の固定支持は前記床貫通部と床貫通部下の90°エルボから横引した横引管の90°エルボから10cmの位置で3cm幅の不織布5mm厚と非加硫ブチルゴムシート2mm厚で囲着した上から支持バンドで固定し、土間コンクリートで支持した。
【0167】
実施例2
図2に示すような防音構造を施工した。実施例1の床下配管の防音処理で、オフセット配管部分とその下部の90°エルボのみを取り除き、比重2.7、シート厚13mm(面密度35.1 kg/m2)の粘弾性体を囲着して供試した。
【0168】
実施例3
図3に示すような防音構造を施工した。実施例2の床貫通部の鍔状ゴムとその下部の縦管の配管防音材のみを残し、他の配管防音材は取り除き、5cm角の木材の骨組に対し12mm厚面密度0.6kg/m2のパーチクルボードで底板のみ無い2分割できる防音ボックスを作り、パーチクルボードの内面全面に20mm厚ウレタン発泡体を取り付けて、床貫通部縦管から横引管の支持固定部手前までを防音ボックスで被った。
【0169】
縦管と横引管と接する部分は、ゴム発泡体で隙間なく固定し、土間コンクリートと骨組、パーチクルボードの接する部分にも粘弾性体付ゴム発泡体を全体にわたって設け、粘弾性体で土間コンクリートに固定して供試した。
【0170】
実施例4
図4に示すような防音構造を施工した。実施例3のオフセット配管とその下部の90°エルボに比重1.7、シート厚3mm(面密度5.1kg/m2)の非加硫得ブチルゴムシートを囲着し、実施例3と同じ防音ボックスのままで測定した。
【0171】
実施例5
図5に示すような防音構造を施工した。両端に直管部固定部を設け、中央部を蛇腹状としたゴム(一番薄い部分が、2mm以上の厚さで、比重1.5、面密度3kg/m2以上)で、蛇腹部内周に、一番薄い部分で20mmの厚さを確保した液状ゴム発泡体を形成したゴム製防音筒を用い、オフセット配管を囲着し、その下部の90°エルボに、比重2.7、シート厚13mm(面密度35.1kg/m2)の粘弾性体シートを囲着して供試した。
【0172】
実施例6
図6に示すような防音構造を施工した。床貫通部下の床下配管で、オフセット配管の下部の90°エルボまでを、床上の配管防音材と同じもの(吸音材を5mm厚、不織布とし、非加硫ブチルゴムシートからなる2mm厚の面密度3.50
kg/m2の遮音シートを遮音材とした積層品)で処理して供試した。
【0173】
実施例7
図7に示すような床下配管の防音構造を施工した。上記共通配管構造に対し、床下配管の床貫通部に鍔状ゴムで配管を支持固定した。その下部縦管に床上直管部と同じ不織布5mm厚と非加硫ブチルゴムシート2mm厚で囲着し、オフセット配管とその直下の短い直管と90゜エルボを、面密度26kg/m2の粘塑性体で囲着し、部材の継ぎ目の隙間をジョイントテープで塞いだ。横引き管は無処理とした。
【0174】
尚、床下配管の固定支持は、前記床貫通部と床貫通部下の90゜エルボから横引きした横引き管の90゜エルボから310cmの位置で3cm幅の不織布5mm厚と非加硫ブチルゴムシート2mm厚で囲着した上から支持バンドで固定し、土間コンクリートで支持した。
【0175】
実施例8
図8に示すような床下配管の防音構造を施工した。実施例7と同様に床貫通部と床貫通管の処理を行った。オフセット配管とその直下の短い直管と90゜エルボは、面密度14kg/m2の粘塑性体を囲着し、その外周に5mm厚不織布と面密度3.5kg/m2の非加硫ブチルシートの積層体を囲着した。横引き管は無処理とした。尚、横引き管の土間コンクリートへの支持は、実施例7と同様にした。
【0176】
実施例9
図9に示すような床下配管の防音構造を施工した。実施例8と同様に、オフセット配管とその直下の短い直管とその下のエルボに面密度14kg/m2 の粘塑性体を囲着し、部材の継ぎ目にジョイントテープを貼り隙間をなくした。
【0177】
次に、床貫通部の縦管のオフセット配管上部近傍から、オフセット配管下部の90゜エルボ近傍の横引き管までを、防音ボックスで被った。防音ボックスは、5cm角の木材の骨組に12mm厚パーチクルボードを固定し、底板のない2分割できる部材を作り、部材の内面に20mm厚ウレタン吸音材を貼付けて、各部材を組み立てて作製した。
【0178】
縦管と横引き管とが接する部分は、ゴム発泡体で隙間なく固定した。土間コンクリートと骨組、石膏ボードの接する部分にも、粘弾性体付ゴム発泡体を全体にわたって設け、粘弾性体で土間コンクリートに固定した。
【0179】
実施例10
図10に示すような床下配管の防音構造を施工した。実施例9で用いた防音部材を粘塑性体のみの状態にして、その外周の両端に、直管部固定部を設け、全体に、筒状防音筒を被せて、チャックを閉めた。筒状防音筒は、20mm厚の不織布と面密度1.5kg/cm2のオレフィン系シートから作製し、長さ方向にチャックを付けた。横引き管は無処理とした。尚、横引き管は土間コンクリートに実施例7と同様にして固定支持した。
【0180】
実施例11
図11に示すような床下配管の防音構造を施工した。床下構造では、床貫通部を鍔状ゴムで縦管の支持固定と隙間防止を行った。縦管は床上と同じ吸音材と遮音材からなる配管防音材を囲着した。縦管の下部の90゜エルボには、面密度14kg/m2 の粘塑性体を囲着し、更にその外周に、5mm厚不織布と面密度3.5kg/m2 の非加硫ブチルゴムシートの積層体を囲着した。横引き管は無処理とし、横引き管は土間コンクリートに実施例1と同様にして固定支持した。
【0181】
実施例12
図12に示すような床下構造161を施工した。図12は、参考例にかかる床下構造の断面図である。床下構造161は、床貫通部下の縦管5から、オフセット配管なしで、直接90°エルボ13を経由して、横引き管6に連結した例である。防音部材168は、床貫通部直下の縦管5から90°エルボ13迄を床2上の配管防音材16と同じものとして、防音処理し、供試した。
【0182】
比較例1
図13に示すような床下構造を施工した。比較例にかかる床下構造の断面図である。この例の床下構造は、床貫通部下の床下配管は実施例と同じオフセット配管本体からなり、90°エルボで横引き管に連結された配管経路であるが、床貫通部下の何れの配管にも防音処理をしていないものである。このような無処理配管の状態のものを供試した。
【0183】
【表1】
【0184】
【表2】
【0185】
以下、実施例及び比較例の試験結果に基づき、本発明を説明する。
実施例1では、床貫通部に鍔状ゴムを差し込み、床貫通部に縦管の振動伝達を防止すると共に隙間を無くし音漏れを防止し、オフセット配管及びその下部の90°エルボを共に12mm厚、不織布と面密度1.5kg/m2のオレフィン系シートで囲着している。
【0186】
その結果、床上居室でのF特性最大音圧レベルは、比較例1の床下配管無処理に比べ、各周波数で大きく改善されている。
【0187】
実施例2は、床貫通部に鍔状ゴムを用いて、床貫通部への縦管の振動伝達を防止し、かつ隙間を無くし音漏れを防止し、オフセット配管及びその下部の90°エルボを共に面密度35.1kg/m2の粘弾性体を設けた例である。
【0188】
低周波域では実施例1よりも良く、高周波域では実施例1より悪化しているものの、実施例1と同様に、F特性最大音圧レベルの測定値は何れも目標値をクリアーしており良好な結果が得られている。
【0189】
実施例3は、床貫通部に鍔状ゴムを設け、配管自体の防音処理は縦管のみ床上部の配管防音材を囲着し、その他の部分は無処理であるが、縦管から横引管までの配管が防音ボックスと土間コンクリートで囲われ、縦管と横引管は防音ボックスでも固定されている。尚、防音ボックスは面密度9.6kg/m2のパーチクルボードを遮音材とし、その内周の20mm厚ウレタン発泡体を吸音材としている。
【0190】
その結果、実施例1及び2よりも良い結果が得られ、目標の各周波数の値もクリアーしている。
【0191】
実施例4は、実施例3のオフセット配管と90°エルボを面密度5.1kg/m2の非非加硫ブチルゴムシートで囲着した例である。その結果、実施例3よりも更に改善されている。目標各周波数の値も何れもクリアーしている。
【0192】
実施例5は、オフセット配管を蛇腹状ゴムと前記ゴムの内周に液状ゴム発泡体を設けているものである。蛇腹状ゴムは一番薄い部分でも面密度3kg/m2を確保しており、液状ゴム発泡体も一番薄い部分でも20mm厚が確保されている。90°エルボは面密度35.1kg/m2の粘弾性体シートを囲着している。その結果、F特性最大音圧レベルも各周波数での目標値を何れもクリアーしている。
【0193】
実施例6は、オフセット配管を床上部の配管防音材と同様の処理で防音したものであり、実施例1〜5よりは防音性能が劣るものの、比較例1よりは騒音の改善に優れている。床上部の配管防音材と同様の処理では、まだ改善の余地があることを示すものである。
【0194】
実施例7では、床貫通部に鍔状ゴムを差し込み、床貫通部に振動伝達を防止すると共に隙間をなくし、音漏れを防止し、オフセット配管とその直下の短い直管とその下部の90゜エルボに面密度26kg/m2 の粘塑性体を囲着したものである。
【0195】
その結果、床上居室でのF特性最大音圧レベルは、比較例1の無処理時に比べて、各周波数で大きく改善され、ユーザからの苦情が無い音圧レベルを、何れの周波数でも満足し、騒音レベルも35dB(A)であった。
【0196】
実施例8では、床貫通部に鍔状ゴムを用い床貫通部の振動伝達を防止し、音漏れを防止し、オフセット配管とその直管とその下の90゜エルボを、面密度14kg/m2の粘塑性体を囲着し、更に5mm厚不織布と面密度3.5kg/m2 の非加硫ブチルゴムを囲着した例である。
【0197】
実施例7より軽量となったにも関わらず、音性能はさらに改善できる。各周波数別でも、ユーザからの苦情が無いレベルが達成されている。騒音レベルも34dB(A)となり良好であった。
【0198】
実施例9は、床貫通部に鍔状ゴムを用い縦管を固定支持すると共に振動伝達、音漏れを共に防止している。オフセット配管とその直下の短い直管と90゜エルボとを、面密度14kg/m2の粘塑性体で囲着し、更にその外部を防音ボックスで処理したものである。
【0199】
その結果、大きく改善でき、ユーザからの苦情のないレベルに各周波数とも改善できる。また、騒音レベルも32dB(A)であり、非常に静かである。
【0200】
実施例10は、床貫通部で縦管を支持固定すると共に振動伝達、音漏れも共に防止し、オフセット配管とその直下の短い直管とその下の90゜エルボとを、面密度14kg/m2の粘塑性体を囲着し、更にその外周を筒状防音筒で囲着したものである。
【0201】
その結果、実施例9の防音ボックス程ではないにしても、かなり近い音性能が得られた。この例も、各周波数とも、ユーザからの苦情のない音圧レベルになっており、充分な音性能が得られてえる。また、騒音レベルも33dB(A)と良好であった。
【0202】
実施例11は、床貫通部に鍔状ゴムを用い、縦管を支持固定し振動伝達防止と音漏れ防止とを共に満足している。この例では、オフセットは無く、床上と同じ配管防止処理した縦管に、その下の、面密度14kg/m2 の粘塑性体とその外周の5mm厚不織布とその外周の面密度3.5kg/m2の非加硫ブチルゴムシートとが囲着された90゜エルボが、直接接続されている。
【0203】
この場合は、オフセット配管が無い分だけ、前記実施例7〜10よりも当初から音が小さいものであるが、何れの周波数も、ユーザの苦情のないレベルにまで改善できており、騒音レベルも33dB(A)と小さい。充分共用できる例である。
【0204】
なお、実施例12では、オフセット配管が無い場合には、床上部の処理と同じ配管防音材の処理で充分な防音性能が得られることを示している。
【0205】
比較例1は、床下配管が無処理の状態のものである。各周波数共に、F特性最大音圧レベルが大きく、特に、高周波で大きな音が発生している。騒音レベルも58dB(A)で防音処理をすべき音のレベルである。
【0206】
以上の如く、本発明にかかる防音処理を床下のオフセット配管に施すことにより、オフセット配管の騒音の低下しにくさが解消でき、実施例12に示す様にオフセット配管の無い状況と同程度かそれ以上の防音性能が得られることが判る。
【0207】
【発明の効果】
本発明の床下配管の防音構造 によれば、床下配管が床下空間内に設けられているので、床下配管のメンテナンスが容易となり、床下配管の継手配管が所定の防音部材で防音処理されているので、床下配管のメンテナンスの容易性を損なうことなく、十分な防音性能を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の1例の防音構造の断面図である。
【図2】 本発明の他の例の防音構造の断面図である。
【図3】 本発明の更に他の例の防音構造の断面図である。
【図4】 本発明の更に他の例の防音構造の断面図である。
【図5】 本発明の更に他の例の防音構造を示す断面図である。
【図6】 本発明の更に他の例の防音構造の断面図である。
【図7】 本発明の更に他の例の防音構造の断面図である。
【図8】 本発明の更に他の例の防音構造の断面図である。
【図9】 本発明の更に他の例の防音構造の断面図である。
【図10】 本発明の更に他の例の防音構造の断面図である。
【図11】 本発明の更に他の例の防音構造の断面図である。
【図12】 参考例にかかる床下構造の断面図である。
【図13】 比較例にかかる床下構造の断面図である。
【符号の説明】
1 床下配管の防音構造
2 建築物の床
2a 床貫通部
3 床下配管
4 基盤
5 床貫通管
6 横引き管
7 オフセット配管
7a 45°エルボ
7b 直管
8 防音部材
8a 吸音材
8b 遮音材
8c 粘弾性体
8d,8e 粘塑性体
11 鍔状ゴム
12 短い直管
13 90°エルボ
14,16 配管防音材
15 支持バンド
16a 吸音材
16b 遮音材
17 ジョイントテープ
18 合板
19 フローリング材
20 根太
Claims (9)
- 建築物の床と床下配管と基盤とを備える、床下配管の防音構造であって、
基盤が土間コンクリートから形成され、床下配管が、床の下面又は前記土間コンクリートと床との間の床下空間内に設けられ、前記床下配管が、前記床を貫通する床貫通管と、横引き管と、前記床貫通管と前記横引き管とを連通させる継手配管及びオフセット配管であって流路変更が短距離で連続して行われ配管への管内流動物の衝突回数が増す配管とを備え、前記オフセット配管が、前記床貫通管と、前記床下の前記横引き管の末端の前記継手配管との位置ずれを修正し、前記床貫通管及び前記継手配管を円滑に連結するものであり、前記床貫通管と、前記床貫通管の外周の床の貫通部分との間に、前記床貫通管が直接床に接触しない様にかつ隙間が生じない様に、鍔状ゴムのような緩衝材が設けられ、前記床貫通管が弾性支持され、前記横引き管が前記継手配管又は前記オフセット配管の近傍で前記土間コンクリートにより支持固定され、前記継手配管及び前記オフセット配管が防音部材によって防音処理されていることを特徴とする床下配管の防音構造。 - 前記防音部材として12〜20mmの厚さの吸音材と1.5〜5kg/m2の面密度の遮音材とが組み合わされることを特徴とする請求項1記載の床下配管の防音構造。
- 前記防音部材として25kg/m2以上の面密度の粘塑性体が囲着されることを特徴とする請求項1記載の床下配管の防音構造。
- 前記防音部材として、粘塑性体と、フィルム、箔、不織布、織布、紙及びシートからなる群より選ばれる少なくとも1種の材料からなる軟化剤移行防止材とが併用されることを特徴とする請求項1又は3記載の床下配管の防音構造。
- 前記軟化剤移行防止材の前記継手配管又は前記オフセット配管との接触面側に粘着層が設けられることを特徴とする請求項4記載の床下配管の防音構造。
- 前記粘塑性体中にゴム粉末がほぼ均一に混入されることを特徴とする請求項3〜5の何れか一項記載の床下配管の防音構造。
- 前記軟化剤移行防止材が拘束材として機能し、前記軟化剤移行防止材の外周に吸音材及び遮音材が配置されることを特徴とする請求項4〜6の何れか一項記載の床下配管の防音構造。
- 前記防音部材が箱状防音部材を形成し、前記継手配管及び前記オフセット配管が前記箱状防音部材の内部に収納され、前記箱状防音部材が前記土間コンクリート上に固定され、前記箱状防音部材の壁部の下端と前記土間コンクリートとの間に、振動絶縁材が介在し、前記振動絶縁材がゴムのような粘弾性体、又はゴム、ポリマーの発泡体、繊維状物からなり、前記箱状防音部材の骨組みと前記土間コンクリートとが、粘弾性体又は粘塑性体の粘接着性を利用して固定されることを特徴とする請求項1〜7の何れか一項記載の床下配管の防音構造。
- 前記箱状防音部材が前記床下配管を支持し固定することを特徴とする請求項8記載の床下配管の防音構造。
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