JP4166422B2 - 圧力容器の内部情報検出装置の取付構造 - Google Patents

圧力容器の内部情報検出装置の取付構造 Download PDF

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    • B60C23/02Signalling devices actuated by tyre pressure
    • B60C23/04Signalling devices actuated by tyre pressure mounted on the wheel or tyre
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧力容器内の温度や圧力等の情報を検出する装置の取付構造に関し、さらに詳しくは、圧力の漏洩を長期間にわたって防止することを可能にした圧力容器の内部情報検出装置の取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
タイヤ内部の温度や圧力等の情報を検出する装置として、リムを貫通する圧力注入バルブと、タイヤ内部に位置して各種情報を検出する情報検出ユニットとを一体に構成した装置が提案されている。上記情報検出ユニットは温度や圧力等を収集し、そのデータをタイヤ外部に送信するものである。このような内部情報検出装置は、圧力注入バルブを弾性体からなるグロメットを介してリムに取り付けることで、装置全体をリムに対して支持するようになっている。
【0003】
しかしながら、上述の内部情報検出装置をタイヤのように回転可能な圧力容器内に設置した場合、バルブグロメットの経年劣化による弾性力の低下、走行時の振動、加減速による遠心力の急激な変化等により、弾性体グロメットと圧力容器の隔壁との間に微細な隙間を生じ、その隙間から圧力の漏洩を生じる恐れがあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、圧力の漏洩を長期間にわたって防止することを可能にした圧力容器の内部情報検出装置の取付構造を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の圧力容器に対する内部情報検出装置の取付構造は、回転可能な圧力容器の隔壁を貫通する圧力注入バルブと、該圧力容器内に位置して容器内部の情報を検出する情報検出ユニットとを一体に構成した装置の取付構造において、前記圧力注入バルブを弾性体からなるグロメットを介して前記圧力容器に取り付けると共に、前記情報検出ユニットを前記圧力容器の隔壁に設けた台座に固着するようにしたことを特徴とするものである。
【0006】
このように圧力注入バルブを弾性体グロメットを介して圧力容器に取り付けることに加えて、情報検出ユニットを圧力容器の隔壁に設けた台座に固着することにより、走行時の振動や加減速による遠心力の急激な変化を受けても弾性体グロメットと圧力容器の隔壁との間に微細な隙間を生じ難くなり、圧力の漏洩を長期間にわたって防止することが可能になる。
【0007】
上記構成において、情報検出ユニットは機械式締結手段又は接着剤を用いて台座に固着することができる。機械式締結手段としては、ネジ部材による締め付け、バネ部材による嵌め込み、爪部材による係合などを採用することができる。
【0008】
ここで、前記圧力容器の隔壁に前記圧力注入バルブの外径より大きい貫通孔を設けると共に、前記圧力注入バルブの外周側に、前記貫通孔に挿入可能な小径部及び該貫通孔よりも外径が大きい大径部とを備えた弾性体からなるグロメットと、硬質グロメットとを外装し、これら弾性体グロメットと硬質グロメットとの間に前記隔壁を挟み込んだ状態で前記圧力容器に対して前記圧力注入バルブを固定するようにし、かつ前記弾性体グロメットの少なくとも小径部の硬さHs(JIS−A)を70〜90の範囲にすることもできる
【0009】
このように圧力注入バルブを弾性体グロメットを介して圧力容器に取り付けるに際し、弾性体グロメットに貫通孔に挿入可能な小径部及び該貫通孔よりも外径が大きい大径部とを設け、少なくとも小径部の硬さHs を高くすることにより、走行時の振動や加減速による遠心力の急激な変化を受けても弾性体グロメットと圧力容器の隔壁との間に微細な隙間を生じ難くなり、圧力の漏洩を長期間にわたって防止することが可能になる。
【0010】
また、前記圧力容器の隔壁に前記圧力注入バルブの外径より大きい貫通孔を設けると共に、前記圧力注入バルブの外周側に、前記貫通孔に挿入可能な小径部及び該貫通孔よりも外径が大きい大径部とを備えた弾性体からなるグロメットと、硬質グロメットとを外装し、これら弾性体グロメットと硬質グロメットとの間に前記隔壁を挟み込んだ状態で前記圧力容器に対して前記圧力注入バルブを固定するようにし、かつ前記弾性体グロメットの硬さHs(JIS−A)を65〜85の範囲にし、前記貫通孔と前記圧力注入バルブとの間に形成される空間の容積を前記弾性体グロメットの小径部の体積より1〜25%小さくし、該小径部を前記空間内に圧縮状態で保持するようにすることもできる
【0011】
このように圧力注入バルブを弾性体グロメットを介して圧力容器に取り付けるに際し、弾性体グロメットに貫通孔に挿入可能な小径部及び該貫通孔よりも外径が大きい大径部とを設け、取り付け時に小径部を圧縮状態にして硬さHs を高くすることにより、走行時の振動や加減速による遠心力の急激な変化を受けても弾性体グロメットと圧力容器の隔壁との間に微細な隙間を生じ難くなり、圧力の漏洩を長期間にわたって防止することが可能になる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成について添付の図面を参照して詳細に説明する。
【0013】
図1は本発明の実施形態からなる圧力容器に対する内部情報検出装置の取付構造を示すものである。本実施形態は、回転可能な圧力容器がホイールのリムと空気入りタイヤとから構成される場合である。この場合、リムが内部情報検出装置を装着すべき圧力容器の隔壁に相当する。
【0014】
図1に示すように、リム1のタイヤ径方向に延びる側壁部には貫通孔2が形成されており、その近傍のリム外周面に剛体からなる台座3が配設されている。空気入りタイヤTのビード部はリム1のフランジFに沿って装着され、該リム1の外周側にタイヤ気室4が形成されるようになっている。
【0015】
内部情報検出装置5は、筒状の圧力注入バルブ6と、タイヤ気室4内に位置してタイヤ内部の情報を検出する情報検出ユニット7とを一体化した構成になっている。圧力注入バルブ6は筒内に逆止弁を備え、弁解除時以外はタイヤ外部から内部への圧力注入だけを許容するようになっている。タイヤ外部から供給される空気は注入口6aを介してタイヤ気室4に送り込まれる。
【0016】
一方、情報検出ユニット7には不図示の空気圧センサ、温度センサ、送信機及び電池等の電子部品が収納されている。この情報検出ユニット7は、空気圧センサでタイヤ空気圧を測定すると共に、温度センサでタイヤ内の温度を測定し、その測定結果をタイヤ外部へ自動的に送信するようになっている。また、情報検出ユニット7及び台座3にはタイヤ径方向に延びる不図示の複数のネジ穴が形成されており、各ネジ穴にネジ11を締め付けるようになっている。
【0017】
図5は圧力注入バルブ6の取付構造を拡大して示すものである。図5に示すように、リム1における貫通孔2の内径は圧力注入バルブ6の外径よりも大きく設定されている。圧力注入バルブ6の外周側には、リム1を挟んで、弾性体グロメット8と硬質グロメット9とが嵌め込まれ、圧力注入バルブ6に螺合するナット10を締め付けることにより、リム1に対して圧力注入バルブ6を固定するようになっている。弾性体グロメット8は、ゴム等の弾性材料から構成され、貫通孔2に挿入可能な小径部8a及び該貫通孔2よりも外径が大きい大径部8bとを備えている。硬質グロメット9は、金属等の硬質材料から構成されている。
【0018】
上述した内部情報検出装置5をリム1に対して設置する場合、ナット10の締め付けにより圧力注入バルブ6を弾性体グロメット8を介してリム1に取り付ける一方で、ネジ11の締め付けにより情報検出ユニット7をリム外周面に設けた台座3に固着する。上記取付構造によれば、走行時の振動や加減速による遠心力の急激な変化を受けても弾性体グロメット8とリム1との間に微細な隙間を生じ難くなり、圧力の漏洩を長期間にわたって防止することができる。
【0019】
図2及び図3はそれぞれ本発明の他の実施形態からなる圧力容器に対する内部情報検出装置の取付構造を示すものである。これら実施形態は上記実施形態と比べて情報検出ユニットの固着構造だけが異なるものであるので、同一部分には同一符号を付してその部分の詳細な説明は省略する。
【0020】
図2において、台座3には情報検出ユニット7の左右両側部に係合する爪部材12,12が設けられている。この場合、ナット10の締め付けにより圧力注入バルブ6を弾性体グロメット8を介してリム1に取り付ける一方で、一対の爪部材12,12を用いて情報検出ユニット7を台座3に固着する。
【0021】
図3において、台座3には情報検出ユニット7の一方の側部に係合する爪部材12と、情報検出ユニット7の他方の側部を弾性的に押さえ込むバネ部材13とが設けられている。この場合、ナット10の締め付けにより圧力注入バルブ6を弾性体グロメット8を介してリム1に取り付ける一方で、爪部材12及びバネ部材13を用いて情報検出ユニット7を台座3に固着する。
【0022】
なお、情報検出ユニット7は上述した各種の機械式締結手段のほか接着剤を用いて台座3に固着するようにしても良い。
【0023】
図4は参考形態の圧力容器に対する内部情報検出装置の取付構造を示すものである。但し、図1〜3と同一部分には同一符号を付してその部分の詳細な説明は省略する。
【0024】
図4に示すように、リム1のタイヤ径方向に延びる側壁部には貫通孔2が形成されている。そして、内部情報検出装置5の圧力注入バルブ6を弾性体グロメット8を介してリム1に取り付け、それにより内部情報検出装置5をリム1に対して支持するようになっている。
【0025】
また、図5に示すように、リム1における貫通孔2の内径は圧力注入バルブ6の外径よりも大きく設定されている。圧力注入バルブ6の外周側には、リム1を挟んで、弾性体グロメット8と硬質グロメット9とが嵌め込まれ、圧力注入バルブ6に螺合するナット10を締め付けることにより、リム1に対して圧力注入バルブ6を固定するようになっている。弾性体グロメット8は、ゴム等の弾性材料から構成され、貫通孔2に挿入可能な小径部8a及び該貫通孔2よりも外径が大きい大径部8bとを備えている。硬質グロメット9は、金属等の硬質材料から構成されている。
【0026】
図4及び図5に示す取付構造において、弾性体グロメット8の少なくとも小径部8aの硬さHs (JIS-A) は70〜90の範囲、好ましくは75〜90の範囲に設定されている。一方、大径部8bの硬さHs (JIS-A) は65〜85の範囲に設定されている。なお、小径部8a及び大径部8bは上記範囲を満足する限り、同一硬さであっても良く、互いに異なる硬さであっても良い。
【0027】
このように圧力注入バルブ6を弾性体グロメット8を介してリム1に取り付けるに際し、弾性体グロメット8に小径部8a及び大径部8bとを設け、少なくとも小径部8aの硬さHs を高くすることにより、走行時の振動や加減速による遠心力の急激な変化を受けても弾性体グロメット8とリム1との間に微細な隙間を生じ難くなり、圧力の漏洩を長期間にわたって防止することができる。
【0028】
図4及び図5に示す取付構造では、弾性体グロメット8の小径部8aを材質に基づいて硬くする以外に、下記のように寸法の設定に基づいて硬くすることも可能である。即ち、弾性体グロメット8の硬さHs (JIS-A) を65〜85の範囲に設定すると共に、貫通孔2と圧力注入バルブ6との間に形成される空間の容積を弾性体グロメット8の小径部8aの体積より1〜25%小さくし、取り付け時に小径部8aを圧縮状態にすることにより、小径部8aを選択的に硬くすることができる。
【0029】
但し、弾性体グロメット8の小径部8aが柔らか過ぎると走行時の振動や加減速による遠心力の急激な変化に起因して弾性体グロメット8とリム1との間に隙間を生じ難くなり、逆に硬過ぎるとバルブグロメットとしての柔軟性が不十分になる。
【0030】
また、上述のように弾性体グロメット8の小径部8aを選択的に硬くする手法を図1〜図3に示す実施形態に適用することも可能であり、このような組み合わせによれば圧力の漏洩を更に効果的に防止することが可能になる。
【0031】
上述した実施形態では回転可能な圧力容器がホイールのリムと空気入りタイヤとから構成される場合について説明したが、本発明は温度や圧力等の管理を必要とする回転可能な各種の圧力容器に適用することができる。また、検出すべき内部情報は特に限定されるものではなく、温度や圧力のほか、湿度等を挙げることができる。
【0032】
【実施例】
リムを貫通する圧力注入バルブと、タイヤ気室内に位置してタイヤ内部の情報を検出する情報検出ユニットとを一体に構成したタイヤ内部情報検出装置において、その取付構造だけを種々異ならせた本発明の実施例1〜4と従来例をそれぞれホイールのリムに設置した。
【0033】
実施例1:
圧力注入バルブを弾性体グロメットを介してリムに取り付けると共に、情報検出ユニットをリムに設けた台座に対してネジ部材を用いて固着した。
【0034】
実施例2:
圧力注入バルブを弾性体グロメットを介してリムに取り付けると共に、情報検出ユニットをリムに設けた台座に対して接着剤を用いて固着した。
【0035】
参考例1
圧力注入バルブを弾性体グロメットを介してリムに取り付け、弾性体グロメットの小径部の硬さHs を80とし、大径部の硬さHs を68とした。
【0036】
参考例2
圧力注入バルブを弾性体グロメットを介してリムに取り付け、弾性体グロメットの硬さHs を68とする一方で、貫通孔と圧力注入バルブとの間に形成される空間の容積を弾性体グロメットの小径部の体積より5%小さくし、該小径部を圧縮状態で保持した。
【0037】
従来例:
圧力注入バルブを弾性体グロメットを介してリムに取り付け、弾性体グロメットの硬さHs を68とした。
【0038】
これら実施例1、2、参考例1、2及び従来例の内部情報検出装置を備えたホイールに空気入りタイヤを装着し、その初期内圧を220kPaに設定し、120km/hの速度で1時間走行した後、再び内圧を測定し、その結果を表1に示した。
【0039】
【表1】
Figure 0004166422
【0040】
この表1から明らかなように、実施例1、2及び参考例1、2では走行後において圧力低下を生じていなかった。一方、従来例では走行後の圧低下率が10%に達していた。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、回転可能な圧力容器の隔壁を貫通する圧力注入バルブと、該圧力容器内に位置して容器内部の情報を検出する情報検出ユニットとを一体に構成した装置の取付構造において、圧力注入バルブを弾性体グロメットを介して圧力容器に取り付けるに際し、更なる補強構造を付与したから、圧力の漏洩を長期間にわたって防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態からなる圧力容器に対する内部情報検出装置の取付構造を示し、(a)は平面図、(b)は一部切り欠き側面図である。
【図2】本発明の他の実施形態からなる圧力容器に対する内部情報検出装置の取付構造を示し、(a)は平面図、(b)は一部切り欠き側面図である。
【図3】本発明の他の実施形態からなる圧力容器に対する内部情報検出装置の取付構造を示し、(a)は平面図、(b)は一部切り欠き側面図である。
【図4】参考形態の圧力容器に対する内部情報検出装置の取付構造を示し、(a)は平面図、(b)は一部切り欠き側面図である。
【図5】本発明の取付構造の要部を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
1 リム
2 貫通孔
3 台座
4 タイヤ気室
5 内部情報検出装置
6 圧力注入バルブ
7 情報検出ユニット
8 弾性体グロメット
8a 小径部
8b 大径部
9 硬質グロメット
10 ナット
11 ネジ
12 爪部材
13 バネ部材

Claims (5)

  1. 回転可能な圧力容器の隔壁を貫通する圧力注入バルブと、該圧力容器内に位置して容器内部の情報を検出する情報検出ユニットとを一体に構成した装置の取付構造において、前記圧力注入バルブを弾性体からなるグロメットを介して前記圧力容器に取り付けると共に、前記情報検出ユニットを前記圧力容器の隔壁に設けた台座に固着するようにした圧力容器の内部情報検出装置の取付構造。
  2. 前記情報検出ユニットを機械式締結手段を用いて前記台座に固着するようにした請求項1に記載の圧力容器の内部情報検出装置の取付構造。
  3. 前記情報検出ユニットを接着剤を用いて前記台座に固着するようにした請求項1に記載の圧力容器の内部情報検出装置の取付構造。
  4. 前記圧力容器の隔壁に前記圧力注入バルブの外径より大きい貫通孔を設けると共に、前記圧力注入バルブの外周側に、前記貫通孔に挿入可能な小径部及び該貫通孔よりも外径が大きい大径部とを備えた弾性体からなるグロメットと、硬質グロメットとを外装し、これら弾性体グロメットと硬質グロメットとの間に前記隔壁を挟み込んだ状態で前記圧力容器に対して前記圧力注入バルブを固定するようにし、かつ前記弾性体グロメットの少なくとも小径部の硬さHs(JIS−A)を70〜90の範囲にした請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の圧力容器の内部情報検出装置の取付構造。
  5. 前記圧力容器の隔壁に前記圧力注入バルブの外径より大きい貫通孔を設けると共に、前記圧力注入バルブの外周側に、前記貫通孔に挿入可能な小径部及び該貫通孔よりも外径が大きい大径部とを備えた弾性体からなるグロメットと、硬質グロメットとを外装し、これら弾性体グロメットと硬質グロメットとの間に前記隔壁を挟み込んだ状態で前記圧力容器に対して前記圧力注入バルブを固定するようにし、かつ前記弾性体グロメットの硬さHs(JIS−A)を65〜85の範囲にし、前記貫通孔と前記圧力注入バルブとの間に形成される空間の容積を前記弾性体グロメットの小径部の体積より1〜25%小さくし、該小径部を前記空間内に圧縮状態で保持するようにした請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の圧力容器の内部情報検出装置の取付構造。
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