JP5171389B2 - 圧力警報装置、及び圧力警報システム - Google Patents
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Description
本発明は、タイヤの気圧の低下を報知する圧力警報装置、及び圧力警報システムに関する。
近年、車両の高性能化に伴い、タイヤの空気圧が低下し、或いはパンクした場合であってもガソリンスタンドや最寄りの整備工場まで通常走行が可能なランフラットタイヤが普及し始めている。ランフラットタイヤは、タイヤの空気圧が低下した状態においてもビート部がリムから外れない構成になっており、またパンク状態になってもトレッドやサイドウォールが互いに直接触れ合うことなく走行でき、リムが路面に直接接触することが無いため、パンク状態でも車体に振動等が伝わらないので運転者や乗員にパンクしたことが判らないことが多い。しかし、ランフラット化はあくまでも応急処置であるので、タイヤ空気圧の異常やパンクをドライバーに告知する警報装置を設置することが不可欠である。よって、ランフラットタイヤは、このような警報装置が具備されている車両に装着されることを前提に販売されており、警報装置が無い車両に搭載することは禁止されている。また、ランフラットタイヤのみならず、従来のタイヤでも空気圧の異常低下はパンクを誘発するため警報装置の設置が望まれている。
例えば、特許文献1には、タイヤの空気圧が低下すると可動ブロックが動くことでタイヤが偏心され、車両の運転者に動的な不釣合を感じさせることで空気圧の不足を知らせる技術が開示されている。また、特許文献2には、タイヤに設置した空気圧センサから空気圧が低下した際に発せられる信号をレシーバユニットが受信すると、空気圧が低下した旨を表示灯等で運転手に告知する技術が開示されている。また、特許文献3には、タイヤの空気圧が低下すると予め巻き上げられたゼンマイのエネルギで警報音を発することでタイヤ空気圧の異常を報知する技術が開示されている。また、特許文献4には、走行中のタイヤのノイズパターンを計測し、予め記憶されている空気圧異常時のタイヤのパターンノイズの周波数特性と比較することでタイヤ空気圧の異常を検知する技術が開示されている。また、特許文献5には、タイヤの空気圧が低下すると電源の接点が接触して音声発生回路が動作し、警報音を発する技術が開示されている。また、特許文献6には、圧力に依存して共振周波数が変化する共振回路を有する無線タグを圧力センサとしてタイヤに取り付け、このセンサから送信される電波を受信することによりタイヤの圧力を特定する技術が開示されている。また、特許文献7には、タイヤの空気圧の減少による変形を利用し、変形によって露出した弁を走行中の風圧で振動させることで報知する技術が開示されている。また、特許文献8には、タイヤの空気圧が低下するとエンジンの出力を絞る技術が開示されている。
特開平5−246219号公報
特開2006−298292号公報
特開2000−203220号公報
特開平6−199118号公報
特開平7−69015号公報
特開2004−163134号公報
特開平6−278420号公報
特開2002−59723号公報
タイヤに圧力検知手段を設置し、この圧力検知手段と有線又は無線で通信することで圧
力の低下を運転者に報知する場合、システムが複雑で価格が高く、車両を購入した後の取り付け等が困難である。また、タイヤの気圧の低下をタイヤの偏心や走行風で発生させる音等で運転者に報知する場合、取り付け位置等が制約される。本発明はこのような課題に鑑みなされたものであり、簡単な機器構成でタイヤ空気圧の低下を報知する技術を提供することを課題とする。
力の低下を運転者に報知する場合、システムが複雑で価格が高く、車両を購入した後の取り付け等が困難である。また、タイヤの気圧の低下をタイヤの偏心や走行風で発生させる音等で運転者に報知する場合、取り付け位置等が制約される。本発明はこのような課題に鑑みなされたものであり、簡単な機器構成でタイヤ空気圧の低下を報知する技術を提供することを課題とする。
本発明は、上記課題を解決するため、タイヤの気圧が下がると摺動部材が遊動部材の挟持状態を解除することで、該遊動部材が前記シリンダの内面に接触して音を発生するようにした。
詳細には、タイヤの気圧が下がると音で報知する圧力警報装置であって、車輪に装着されるシリンダと、前記シリンダの内部を摺動する摺動部材であって、該シリンダの内部の空間を第一の空間と第二の空間とに区画する摺動部材と、前記第一の空間を前記タイヤの内部と連通する連通手段と、前記第二の空間内で遊動する遊動部材と、を備え、前記遊動部材は、前記摺動部材が前記タイヤの気圧によって前記第一の空間側から前記第二の空間側へ押圧されると該摺動部材と該シリンダの内面との間に挟まれて固定され、前記シリンダは、前記遊動部材が前記第二の空間内を遊動すると該遊動部材が該シリンダの内面に接触して音を発生する。
上記圧力警報装置は、走行中のタイヤの異常を報知することを前提とするものである。また、タイヤは、空気や窒素等の気体を圧入して使用する方式のものであることを前提とする。ここで、走行中の車輪は、回転しているため、何らかの部材を遊動可能なように内部に収容した収容体を車輪に装着すると、部材が収容体の内部に衝突して音が発生する。上記圧力警報装置は、これを応用したものであり、車輪に装着されるシリンダを備える。このシリンダの内部には、シリンダ内を遊動可能な遊動部材が設けられている。遊動部材は、車輪の回転に伴ってシリンダ内を遊動可能な部材であって、シリンダに衝突して音を発生させることが可能などんな部材でもよく、形としては、例えば、球状の部材等を例示できる。
ここで、タイヤの気圧が下がったときにのみ、これを遊動部材とシリンダとの接触音で報知するようにするため、上記圧力警報装置は、シリンダの内部に摺動部材を設けている。この摺動部材は、シリンダの内部の周面に沿って摺動する部材であり、この摺動部材によってシリンダの内部の空間が2つの空間に区画される。本願では、この2つの空間のうち、上記遊動部材が無い方の空間を第一の空間と称し、他方の空間を第二の空間と称している。遊動部材は、この第二の空間内を遊動することでシリンダに衝突し、音を発生させる。一方、第一の空間は、連通手段によってタイヤの内部と連通されている。よって、タイヤの気圧が正常な場合、摺動部材に第二の空間方向への押圧力が加わって該摺動部材がシリンダ内を摺動し、遊動部材をシリンダの内面に押し付ける。これにより、遊動部材が摺動部材とシリンダの内面との間に挟まれ、固定される。一方、タイヤの気圧が下がるとこの挟持状態が解除され、遊動部材が第二の空間内で遊動してシリンダの内面に接触し、音を発生させる。
以上、上記圧力警報装置によれば、車輪の回転を利用して音を発生するようにしているため、車体側に機器類を設置しなくてもタイヤの異常をドライバーや乗員に報知することが可能であり、簡単な機器構成でタイヤ空気圧の低下を報知することが可能である。
また、前記圧力警報装置は、タイヤの気圧が所定の圧力未満の場合に音で報知する圧力警報装置であって、前記摺動部材を前記第二の空間側から前記第一の空間側へ付勢する付勢手段を更に備え、前記付勢手段は、前記摺動部材の前記第一の空間側の面に前記所定の
圧力と略同一の圧力が加わるように該摺動部材を付勢するものであってもよい。
圧力と略同一の圧力が加わるように該摺動部材を付勢するものであってもよい。
上記圧力警報装置によれば、付勢手段の付勢力次第で、警報を発する際の圧力を任意に設定することが可能であり、所望する設定値で警報を発するようにすることができる。なお、所定の圧力とは、任意に設定される圧力であり、例えば、タイヤの定格圧力よりもやや低い圧力である。付勢手段が、摺動部材の第一の空間側の面に所定の圧力と略同一の圧力が加わるように摺動部材を付勢しているため、第一の空間が所定の圧力以上、換言するとタイヤの気圧が所定の圧力以上の場合は、気圧による摺動部材への押圧力が付勢手段による摺動部材への付勢力に打ち勝ち、摺動部材が第二の空間側へ動いて遊動部材を挟持状態にする。他方、第一の空間が所定の圧力未満、換言するとタイヤの気圧が所定の圧力未満の場合は、付勢手段による摺動部材への付勢力が気圧による摺動部材への押圧力に打ち勝ち、摺動部材が第一の空間側へ動いて遊動部材の挟持状態を解除する。これにより、車輪の回転によって遊動部材がシリンダの内面に衝突し、音を発生する。
また、前記連通手段は、前記車輪のエアバルブ用の孔を介して前記第一の空間と前記タイヤの内部とを連通するものであってもよい。これによれば、シリンダの車輪への装着と、第一の空間とタイヤの内部との連通とを同時に行うことが可能である。
また、本発明は、上記何れかに記載の圧力警報装置を複数の車輪にそれぞれ取り付け、タイヤの気圧が下がると報知する圧力警報システムであって、前記複数の車輪にそれぞれ取り付けられる各圧力警報装置のシリンダは、互いに異なる音を発するものであってもよい。これによれば、各車輪で異なる音が発生するため、音を聞いただけで何れの車輪のタイヤの空気圧が低下したかを知得可能である。なお、互いに異なる音を発するようにするには、遊動部材やシリンダの形状や材質を適宜調整することでなし得る。
また、上記圧力警報システムは、前記車輪近傍の音を電気信号に変換するマイクロホンと、前記マイクロホンから出力される電気信号を処理して前記シリンダの音の発生を検知する検知手段と、前記検知手段が前記シリンダの音を検知すると、タイヤの気圧の低下を車両の乗員に報知する報知手段と、を更に備え、前記検知手段は、音の違いによって変化する前記マイクロホンの電気信号を解析することで気圧が低下したタイヤを特定し、前記報知手段は、前記複数の車輪のうち前記検知手段が特定したタイヤの気圧が低下したことを報知するものであってもよい。
これによれば、各車輪で異なる圧力警報装置の音の違いを電気的な処理によって判別し、特定のタイヤが異常であることを報知するようにしているため、車輪の位置がドライバーや乗員の居る車室から離れているような場合であってもタイヤの異常を知ることが可能である。なお、検知手段がマイクロホンから出力される電気信号を処理する方法として、例えば、遊動部材がシリンダに衝突する際に発する音の周波数等を解析することにより、圧力警報装置が発する音を検知する方法が挙げられる。
また、上記何れかに記載の圧力警報装置を車輪に取り付け、タイヤの気圧が下がると報知する圧力警報システムであって、前記車輪近傍の音を電気信号に変換するマイクロホンと、前記マイクロホンから出力される電気信号を処理して前記シリンダの音の発生を検知する検知手段と、前記検知手段が前記シリンダの音を検知すると、タイヤの気圧の低下を車両の乗員に報知する報知手段と、を備えるものであってもよい。
この圧力警報システムは、上述した圧力警報システムと異なり、互いに異なる音を発する圧力警報装置を各車輪に取り付けたものに限定されるものではない。すなわち、この圧力警報システムは、圧力警報装置が一輪にのみ取り付けられているようなものであってもよく、圧力警報装置から発せられる音を電気信号で処理し、ドライバーや乗員に報知する
。
。
また、前記マイクロホンは、複数の車輪のそれぞれの近傍に取り付けられており、前記検知手段は、各マイクロホンから出力される電気信号を解析することで気圧が低下したタイヤを特定し、前記報知手段は、前記複数の車輪のうち前記検知手段が特定したタイヤの気圧が低下したことを報知するものであってもよい。
この圧力警報システムは、互いに異なる音を発する圧力警報装置を各車輪に取り付けることなく、タイヤに異常が起きた車輪の位置を特定可能にするシステムであり、各車輪の近傍に取り付けられたマイクロホンから出力される電気信号に基づいて異常が起きた車輪の位置を特定する。すなわち、何れかの車輪に装着された圧力警報装置から音が発せられれば、この車輪に対応するマイクロホンにその音が入力されるため、検知手段は、何れのマイクロホンに圧力警報装置の音が入力されているかを判別することにより、タイヤに異常が起きた車輪の位置を特定することが可能である。
簡単な機器構成でタイヤ空気圧の低下を報知することが可能となる。
<実施形態1>
以下、本発明の第一実施形態を例示的に説明する。なお、下記に示す各実施形態では、圧力警報装置や圧力警報システムを普通乗用自動車に取り付けることを前提に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、本発明は、空気式のタイヤを備える自転車や大型の自動車等、あらゆる車両に適用することが可能である。また、下記に示す各実施形態では、空気式のタイヤの空気圧の低下を報知することを前提に説明するが、本発明はこのような実施形態に限定されるものでなく、例えば、窒素ガス等、空気以外の気体を用いたタイヤに適用してもよい。
以下、本発明の第一実施形態を例示的に説明する。なお、下記に示す各実施形態では、圧力警報装置や圧力警報システムを普通乗用自動車に取り付けることを前提に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、本発明は、空気式のタイヤを備える自転車や大型の自動車等、あらゆる車両に適用することが可能である。また、下記に示す各実施形態では、空気式のタイヤの空気圧の低下を報知することを前提に説明するが、本発明はこのような実施形態に限定されるものでなく、例えば、窒素ガス等、空気以外の気体を用いたタイヤに適用してもよい。
図1は、本実施形態に係る圧力警報装置1の構造図である。図1に示すように、圧力警報装置1は、筐体2(本発明でいう、シリンダに相当する)、ピストン3(本発明でいう、摺動部材に相当する)、球4(本発明でいう、遊動部材に相当する)、バランススプリング5(本発明でいう、付勢手段に相当する)、ピストンシール6、及びシール7で構成される。
筐体2は、両端が閉鎖されたシリンダであり、内部にピストン3が配設されている。このピストン3は、筐体2の内周面に沿って摺動する円盤状の部材であり、筐体2の内周面との間にピストンシール6が設けられている。筐体2の内部の空間は、このようにピストン3によって2つの空間に区画されている。図1の符号Aで示す空間を以下、空間A(本発明でいう、第一の空間に相当する)といい、図1の符号Bで示す空間を以下、空間B(本発明でいう、第二の空間に相当する)という。空間Aと空間Bとの間は、ピストン3およびピストンシール6によって遮断されていることにより相互に空気が流れないように構成されている。ピストンシール6は、ピストン3が筐体2の内周面を摺動可能なように、潤滑性を保ちつつ空間Aと空間Bとの間の気密性を確保可能な部材であり、例えば、ゴム等の弾性部材で構成される。空間Aと空間Bとの間で気圧に差が生じた場合には、ピストン3が、空間A及び空間Bのうち気圧の低い方の空間側に移動する。
ここで、筐体2には、車両の車輪のホイールに取り付けるための取り付けネジ8が、筐体2の下面から突出するように設けられている。この取り付けネジ8は、雌ネジと嵌合する雄ネジであり、ネジの中心軸に沿って孔9(本発明でいう、連通手段に相当する)が設けられている。孔9は、空間Aとタイヤの内部との間を通気可能なように連通する孔であ
って筐体2の内部と外部とを貫通しており、取り付けネジ8がホイールのリムに設けられた、リムを貫通する雌ネジに嵌ることで空間Aとタイヤの内部との間を連通する。なお、タイヤが自転車のようにチューブ式の場合、この孔9をタイヤの空気バルブに連結することで空間Aとタイヤの内部とを連通することが可能である。なお、取り付けネジ8には、筐体2とホイールとの間で隙間が生じるのを防ぐためのシール7が設けられている。このシール7は、いわゆるOリングであり、気密性を保つことが可能なゴム等の弾性部材で構成される。上記ピストンシール6やこのシール7は、普通乗用自動車において標準的に設定されているタイヤの空気圧において、気密性を十分に確保可能なシール性能を有している。高気圧のタイヤに本圧力警報装置1を適用する際は、その気圧に応じたシール性能を有する部材を適用する。
って筐体2の内部と外部とを貫通しており、取り付けネジ8がホイールのリムに設けられた、リムを貫通する雌ネジに嵌ることで空間Aとタイヤの内部との間を連通する。なお、タイヤが自転車のようにチューブ式の場合、この孔9をタイヤの空気バルブに連結することで空間Aとタイヤの内部とを連通することが可能である。なお、取り付けネジ8には、筐体2とホイールとの間で隙間が生じるのを防ぐためのシール7が設けられている。このシール7は、いわゆるOリングであり、気密性を保つことが可能なゴム等の弾性部材で構成される。上記ピストンシール6やこのシール7は、普通乗用自動車において標準的に設定されているタイヤの空気圧において、気密性を十分に確保可能なシール性能を有している。高気圧のタイヤに本圧力警報装置1を適用する際は、その気圧に応じたシール性能を有する部材を適用する。
また、筐体2の空間Bには、球4が配置されている。この球4は、樹脂、アルミニウム、真鍮、鉄等、あらゆる材料のうちから適宜選択される任意の材料によって構成される。球4が筐体2に衝突すると筐体2(特に筐体2の上部)から音が発生する。この球4は、ピストン3が空間A側から空間B側に移動するとピストン3と筐体2の上端を閉鎖している部分との間に挟まれる。また、ピストン3が空間B側から空間A側へ移動して挟持状態が解除されると、空間B内を遊動することが可能である。なお、本実施形態では遊動部材として球体の部材を用いているが、本発明はこのようなものに限定されるものではなく、立方体等の多面体や円柱体等、筐体2に衝突することで音を発生することが可能なあらゆる部材を適用することが可能である。
また、筐体2の空間Bには、圧縮バネであるバランススプリング5が設けられており、ピストン3を空間B側から空間A側へ付勢している。バランススプリング5は、タイヤの空気圧が車両の乗員に空気圧の低下を報知すべき所定の圧力に低下したときにピストン3を空間B側から空間A側へ移動させて球4の挟持状態を解除させるために設けられており、具体的には、ピストン3の空間A側の面に、所定の圧力と略同一の圧力が加わるようにピストン3を付勢している。すなわち、バランススプリング5の付勢力をピストン3の空間A側の面の面積で除算した値が、所定の圧力の値と略同一になるように、ピストン3を付勢している。これにより、空間Aの気圧が所定の圧力以上の場合はバランススプリング5の付勢力に打ち勝ってピストン3が空間A側から空間B側へ移動し、球4がピストン3と筐体2との間に挟持される。また、空間Aの気圧が所定の圧力未満の場合はバランススプリング5が伸びてピストン3を空間B側から空間A側へ移動させ、球4の挟持状態を解除する。なお、筐体2には、空間Bを大気と連通するための空気孔21が複数設けられている。図2は、圧力警報装置1の外観斜視図である。図2に示すように、空間Bを大気と連通する空気孔21が設けられていることにより、空間Bの気圧が常に大気圧と同圧になっている。よって、ピストン3の位置や車両周辺の気圧に影響されることなく、タイヤの空気圧が所定の圧力未満(ゲージ圧)の場合に球4の挟持状態が解除されるようになっている。
図3は、圧力警報装置1の取り付け位置を示す図である。図3に示すように、圧力警報装置1は、車輪10のホイール11に設けられた雌ネジに取り付けネジ8がねじ込まれることで車輪10に固定される。ネジ孔9は、ホイール11のリムを貫通しており、取り付けネジ8がネジ孔9に嵌ることでタイヤの内部(図3の符号C)と筐体2の空間Aとを連通する。図4は、タイヤ12がパンクした車輪10を示す図である。図4に示すように、タイヤ12がパンクし或いは空気圧が所定の圧力未満になると、空間Aの空気圧も下がってバランススプリング5が伸び、ピストン3が空間B側から空間A側へ移動する。これにより、球4の挟持状態が解除される。図5は、空間Aの空気圧が所定の圧力未満になったときの圧力警報装置1の状態図である。図5に示すように、バランススプリング5が伸びると球4の挟持状態が解除される。図6は、タイヤ12の空気圧が正常なときの圧力警報装置1の状態と、空気圧が所定圧力未満の時の圧力警報装置1の状態とを並べて示した図
である。図6に示すように、タイヤ12がパンク等することにより空間Aが所定の圧力未満になると、球4が空間B内で遊動可能な状態になる。これにより、球4が空間B内を動いて筐体2に衝突し、音が発生する。すなわち、車輪10の回転に伴って球4が振動し、筐体2に衝突して音が発生する。よって、ドライバーや乗員は球4の振動による音の発生を感知した場合に車両を停止させ、タイヤ12の状況を確認することにより、タイヤ12のパンクや空気圧の異常低下を認識することが可能となる。なお、車両の発進時や停止時等、車輪10の回転速度が比較的遅い場合に特に音が発生する。
である。図6に示すように、タイヤ12がパンク等することにより空間Aが所定の圧力未満になると、球4が空間B内で遊動可能な状態になる。これにより、球4が空間B内を動いて筐体2に衝突し、音が発生する。すなわち、車輪10の回転に伴って球4が振動し、筐体2に衝突して音が発生する。よって、ドライバーや乗員は球4の振動による音の発生を感知した場合に車両を停止させ、タイヤ12の状況を確認することにより、タイヤ12のパンクや空気圧の異常低下を認識することが可能となる。なお、車両の発進時や停止時等、車輪10の回転速度が比較的遅い場合に特に音が発生する。
上記圧力警報装置によれば、車輪に装着するだけで走行中のタイヤのパンクあるいは空気圧の異常低下を、ドライバーや乗員に容易に報知することが可能である。特に、タイヤがパンクしてもこれを感知することが困難であり、タイヤの異常を報知するシステムの採用が義務付けられているランフラットタイヤを装着したいような場合に、複雑な報知システムを車両に搭載しなくてもタイヤの異常をドライバーや乗員に報知することが可能である。これにより、ランフラットタイヤの普及が期待され、ほとんど使用されることの無い応急タイヤ等の削減が期待される。特に、既存の車両であってもホイールの簡単な加工、或いは既存のエアバルブの交換といった簡単な作業で取り付けることが可能である。
<実施形態2>
以下、本発明の第二実施形態を例示的に説明する。上述した実施形態1では、球4の材質について特に限定していなかったが、本実施形態では複数ある車輪10のそれぞれについて、互いに異なる材質の球4を用いた圧力警報装置1を装着することで、パンクした車輪10を音で特定可能なようにする。図7は、本実施形態に係る圧力警報システム13の構成図である。本実施形態では、圧力警報システム13を4輪自動車に適用することを前提とする。本実施形態に係る圧力警報システム13は、図7に示すように、上述した実施形態1に係る圧力警報装置1を4輪にそれぞれ装着したものであり、圧力警報装置1の球の材質が互いに異なるように構成されている。すなわち、図7に示すように、左の前輪には樹脂製の球が用いられており、右の前輪にはアルミニウム製の球が用いられており、左の後輪には真鍮製の球が用いられており、右の後輪には鉄製の球が用いられている。このように各車輪10の圧力警報装置1が互いに異なる音を発生するように材質等を変えることにより、パンクしたタイヤあるいは空気圧が異常低下したタイヤを音で特定することが可能になる。材質が異なると比重が異なるため、球が振動したときの音の周波数が変化するからである。なお、比重(水に対する)は、樹脂が1.2、アルミニウムが2.7、鉄が7.8、真鍮が8.4である。よって、同じ大きさの球でも重量は“樹脂<アルミニウム<鉄<真鍮”となる。このように、タイヤの位置に応じて音の周波数が変わるようにしておくことにより、ドライバーや乗員が異常の起きたタイヤの位置を特定することが可能となる。なお、本実施形態では、4輪自動車に適用する場合について説明したが、本実施形態の適用形態は4輪の自動車に限定されるものでなく、2輪の自動車や自転車、或いは6輪以上のタイヤを有する車両に適用することも可能である。
以下、本発明の第二実施形態を例示的に説明する。上述した実施形態1では、球4の材質について特に限定していなかったが、本実施形態では複数ある車輪10のそれぞれについて、互いに異なる材質の球4を用いた圧力警報装置1を装着することで、パンクした車輪10を音で特定可能なようにする。図7は、本実施形態に係る圧力警報システム13の構成図である。本実施形態では、圧力警報システム13を4輪自動車に適用することを前提とする。本実施形態に係る圧力警報システム13は、図7に示すように、上述した実施形態1に係る圧力警報装置1を4輪にそれぞれ装着したものであり、圧力警報装置1の球の材質が互いに異なるように構成されている。すなわち、図7に示すように、左の前輪には樹脂製の球が用いられており、右の前輪にはアルミニウム製の球が用いられており、左の後輪には真鍮製の球が用いられており、右の後輪には鉄製の球が用いられている。このように各車輪10の圧力警報装置1が互いに異なる音を発生するように材質等を変えることにより、パンクしたタイヤあるいは空気圧が異常低下したタイヤを音で特定することが可能になる。材質が異なると比重が異なるため、球が振動したときの音の周波数が変化するからである。なお、比重(水に対する)は、樹脂が1.2、アルミニウムが2.7、鉄が7.8、真鍮が8.4である。よって、同じ大きさの球でも重量は“樹脂<アルミニウム<鉄<真鍮”となる。このように、タイヤの位置に応じて音の周波数が変わるようにしておくことにより、ドライバーや乗員が異常の起きたタイヤの位置を特定することが可能となる。なお、本実施形態では、4輪自動車に適用する場合について説明したが、本実施形態の適用形態は4輪の自動車に限定されるものでなく、2輪の自動車や自転車、或いは6輪以上のタイヤを有する車両に適用することも可能である。
<実施形態3>
以下、本発明の第三実施形態を例示的に説明する。上述した実施形態1や2では、車輪10に装着された圧力警報装置1から発せられる音をドライバーや乗員が耳で直接聞くことを前提としていたが、本発明は以下のようにしても良い。すなわち、圧力警報装置1が発する音を電気信号に変換して処理し、タイヤのパンク或いは空気圧の低下をドライバーや乗員に報知するようにしてもよい。以下、本実施形態に係る圧力警報システムについて詳細に説明する。
以下、本発明の第三実施形態を例示的に説明する。上述した実施形態1や2では、車輪10に装着された圧力警報装置1から発せられる音をドライバーや乗員が耳で直接聞くことを前提としていたが、本発明は以下のようにしても良い。すなわち、圧力警報装置1が発する音を電気信号に変換して処理し、タイヤのパンク或いは空気圧の低下をドライバーや乗員に報知するようにしてもよい。以下、本実施形態に係る圧力警報システムについて詳細に説明する。
図8は、本実施形態に係る圧力警報システムの処理回路14を示す図である。本実施形態に係る圧力警報システムは、上述した実施形態2に係る圧力警報システム13に処理回路14を追加したシステムであり、車輪毎に異なる圧力警報装置1の音の信号を処理回路
14で処理することでタイヤのパンクあるいは空気圧の異常低下をドライバーや乗員に報知する。
14で処理することでタイヤのパンクあるいは空気圧の異常低下をドライバーや乗員に報知する。
図8に示すように、処理回路14は、マイクロホン15、アンプ16、複数のBPF17(Band-pass filter)を組み合わせたフィルタバンク18、CPU19(Central Processing Unit)、及び表示器20から構成される。マイクロホン15は、音を電気信号に
変換する装置であり、例えば、コンデンサ式のマイクロホン等により構成される。マイクロホン15は、各車輪10に装着された圧力警報装置1が発生する音を拾うことが可能な位置、例えば、車台の中央部付近等に取り付けられる。アンプ16は、マイクロホン15の音声信号を増幅する回路であり、マイクロホン15の微細な電気出力を増幅し、フィルタバンク18へ送る。
変換する装置であり、例えば、コンデンサ式のマイクロホン等により構成される。マイクロホン15は、各車輪10に装着された圧力警報装置1が発生する音を拾うことが可能な位置、例えば、車台の中央部付近等に取り付けられる。アンプ16は、マイクロホン15の音声信号を増幅する回路であり、マイクロホン15の微細な電気出力を増幅し、フィルタバンク18へ送る。
フィルタバンク18は、4つのBPF17(f1〜f4)を組み合わせたフィルタバンクであり、アンプ16から入力される音声信号をフィルタリングしてCPU19へ送る。各BPF17(f1〜f4)は、互いに異なる所定の周波数帯の音声信号を通し、他周波数帯の音声信号を減衰させる。所定の周波数帯とは、各車輪10に取り付けられた圧力警報装置1が発する音の周波数と略同一の周波数帯であり、例えば、BPF17(f1)は樹脂製の球を適用した圧力警報装置1が発する音(すなわち、左前輪の音)の信号を通し、他の周波数帯の音声信号(例えば、右前輪の音やロードノイズ、周辺の雑音等の音声信号)を減衰させる。また、BPF17(f2)はアルミ製の球を適用した圧力警報装置1が発する音(すなわち、右前輪の音)の信号を通し、他の周波数帯の音声信号を減衰させる。また、BPF17(f3)は真鍮製の球を適用した圧力警報装置1が発する音(すなわち、左後輪の音)の信号を通し、他の周波数体の音声信号を減衰させる。また、BPF17(f4)は鉄製の球を適用した圧力警報装置1が発する音(すなわち、右後輪の音)の信号を通し、他の周波数体の音声信号を減衰させる。何れのBPF17(f1〜f4)で音声信号が通過しているかを検知することにより、パンクあるいは空気圧が異常低下したタイヤを特定することが可能である。BPF17(f1〜f4)は、ハイパスフィルタとローパスフィルタとを組み合わせたものであり、所定の周波数帯以上の帯域の信号を通過するハイパスフィルタと、所定の周波数帯以下の帯域の信号を通過するローパスフィルタとの組み合わせにより、所定の周波数帯の音声信号を通過させる。
CPU19は、図示しないROM(Read Only Memory)等の記憶媒体に記憶されているコンピュータプログラムを実行することで所定の機能を実現する演算処理装置であり、フィルタバンク18から送られる信号に基づいてタイヤのパンクや空気圧の低下を判定処理する。なお、CPU19の処理内容については後述の処理フローで詳細に説明する。
以下、本実施形態に係る処理回路14の信号処理の流れについて説明する。図9は、信号処理の流れを示すフロー図である。タイヤがパンクし、又は空気圧が異常に低下すると、球4が振動して圧力警報装置1から音が発生する(S101)。圧力警報装置1から発生した音は、マイクロホン15に入力されて電気的な音声信号に変換される(S102)。マイクロホン15から出力された音声信号はアンプ16によって増幅される(S103)。アンプ16で増幅された音声信号は、4種類のBPF17で構成されるフィルタバンク18に入力され、音声信号がフィルタリングされる(S104)。すなわち、球4の振動によって圧力警報装置1から発生した音の信号がフィルタをパスし、その他の音の信号がノイズとして除去される。フィルタバンク18によってフィルタリングされた音声信号に基づき、CPU19は、次のような判定処理を行う。すなわち、CPU19は、フィルタバンク18をパスした音声信号が入力されたら、この音声信号の強度を判定する(S105)。CPU19は、フィルタバンク18から送られている音声信号が所定の閾値を越えていれば、次のステップS106の処理を実行する。また、CPU19は、フィルタバンク18から送られている音声信号が所定の閾値以下であれば、本ステップS105の処
理を繰り返し実行する。なお、所定の閾値とは、フィルタバンク18を通過した音声信号が圧力警報装置1の球4の振動によるものであるか、或いはその他の発生源による同一周波数のノイズによるものであるかを判別するための閾値であり、例えば、マイクロホン15と圧力警報装置1との距離等に応じて任意に設定される値である。CPU19は、ステップS105の処理によってフィルタバンク18から送られている音声信号の強度が所定の閾値を越えていることを検知したら、この音声信号が一定時間継続しているか否かを判定する(S106)。CPU19は、音声信号が一定時間継続していれば、次のステップS107の処理を実行する。また、CPU19は、音声信号が一定時間継続していなければ、本ステップS106の処理を繰り返し実行する。ここで、一定時間とは、フィルタバンク18を通過した音声信号が圧力警報装置1の球4の振動によるものであるか、或いはその他の発生源による一時的なノイズによるものであるかを判別するための時間であり、例えば、圧力警報装置1以外の音源が発生するノイズの継続時間よりもやや長い、予め設定された時間である。CPU19は、上記ステップS105およびステップS106の処理によってタイヤの異常を検知したら、異常が起きたタイヤの位置を特定する(S107)。すなわち、CPU19は、フィルタバンク18のBPF17(f1〜f4)のうち何れのBPF17から送られている音声信号が一番強いかを検知することにより、異常が起きているタイヤの位置を特定する。各BPF17(f1〜f4)から送られてくる信号の強度を計測して最も強い強度の信号を送っているBPF17を特定する。次に、CPU19は、タイヤに異常が起きていることを表示器20に表示させる(S108)。CPU19は、表示器20にタイヤの異常を表示するに際し、異常信号が何れのBPF17から送られているかを基に、異常が起きているタイヤの位置を特定して表示させる。具体的には、CPU19は、BPF17(f1)から送られている信号が最も強ければ左前輪のタイヤに異常が起きている旨を表示器20に表示させ、BPF17(f2)から送られている信号が最も強ければ右前輪のタイヤに異常が起きている旨を表示器20に表示させ、BPF17(f3)から送られている信号が最も強ければ左後輪のタイヤに異常が起きている旨を表示器20に表示させ、BPF17(f4)から送られている信号が最も強ければ右後輪のタイヤに異常が起きている旨を表示器20に表示させる。
理を繰り返し実行する。なお、所定の閾値とは、フィルタバンク18を通過した音声信号が圧力警報装置1の球4の振動によるものであるか、或いはその他の発生源による同一周波数のノイズによるものであるかを判別するための閾値であり、例えば、マイクロホン15と圧力警報装置1との距離等に応じて任意に設定される値である。CPU19は、ステップS105の処理によってフィルタバンク18から送られている音声信号の強度が所定の閾値を越えていることを検知したら、この音声信号が一定時間継続しているか否かを判定する(S106)。CPU19は、音声信号が一定時間継続していれば、次のステップS107の処理を実行する。また、CPU19は、音声信号が一定時間継続していなければ、本ステップS106の処理を繰り返し実行する。ここで、一定時間とは、フィルタバンク18を通過した音声信号が圧力警報装置1の球4の振動によるものであるか、或いはその他の発生源による一時的なノイズによるものであるかを判別するための時間であり、例えば、圧力警報装置1以外の音源が発生するノイズの継続時間よりもやや長い、予め設定された時間である。CPU19は、上記ステップS105およびステップS106の処理によってタイヤの異常を検知したら、異常が起きたタイヤの位置を特定する(S107)。すなわち、CPU19は、フィルタバンク18のBPF17(f1〜f4)のうち何れのBPF17から送られている音声信号が一番強いかを検知することにより、異常が起きているタイヤの位置を特定する。各BPF17(f1〜f4)から送られてくる信号の強度を計測して最も強い強度の信号を送っているBPF17を特定する。次に、CPU19は、タイヤに異常が起きていることを表示器20に表示させる(S108)。CPU19は、表示器20にタイヤの異常を表示するに際し、異常信号が何れのBPF17から送られているかを基に、異常が起きているタイヤの位置を特定して表示させる。具体的には、CPU19は、BPF17(f1)から送られている信号が最も強ければ左前輪のタイヤに異常が起きている旨を表示器20に表示させ、BPF17(f2)から送られている信号が最も強ければ右前輪のタイヤに異常が起きている旨を表示器20に表示させ、BPF17(f3)から送られている信号が最も強ければ左後輪のタイヤに異常が起きている旨を表示器20に表示させ、BPF17(f4)から送られている信号が最も強ければ右後輪のタイヤに異常が起きている旨を表示器20に表示させる。
以上、本実施形態によれば、各車輪10で互いに異なる音を発する圧力警報装置1を採用しつつ、これら圧力警報装置1から発せられる音の信号を処理回路14が解析することで異常が起きたタイヤを特定しているため、パンクしたタイヤあるいは空気圧が異常低下したタイヤをドライバーや乗員が容易に特定することが可能になる。特に、本実施形態に係る圧力警報システムによれば、処理回路14が単一のマイクロホン15で拾った音に基づいてタイヤの異常を検知するようにしているため、マイクロホン15を一つ設置するだけで4輪のタイヤの異常を把握することが可能となり、極めて容易に圧力警報システムを車両に搭載することが可能である。
<実施形態4>
以下、本発明の第四実施形態を例示的に説明する。本実施形態は、上述した実施形態3を変形したものである。よって、第三実施形態との相違点についてのみ重点的に説明を行う。特に言及しない点については、上述した第三実施形態と同様とする。上述した実施形態3では、4輪に取り付けられた圧力警報装置が互いに異なる音を発するように構成していたが、本実施形態では、各車輪の圧力警報装置が略同一の音を互いに発するように構成している。そして、各車輪の近傍にそれぞれ取り付けたマイクロホンで音を拾う。
以下、本発明の第四実施形態を例示的に説明する。本実施形態は、上述した実施形態3を変形したものである。よって、第三実施形態との相違点についてのみ重点的に説明を行う。特に言及しない点については、上述した第三実施形態と同様とする。上述した実施形態3では、4輪に取り付けられた圧力警報装置が互いに異なる音を発するように構成していたが、本実施形態では、各車輪の圧力警報装置が略同一の音を互いに発するように構成している。そして、各車輪の近傍にそれぞれ取り付けたマイクロホンで音を拾う。
図10は、本実施形態に係る圧力警報システムの処理回路114を示す図である。図10に示すように、処理回路114は、4つのマイクロホン15およびアンプ16と、これに対応する4つのBPFを組み合わせたフィルタバンク118を備える。また、処理回路114は、CPU19及び表示器20を備える。マイクロホン15は、各車輪10の近傍にそれぞれ装着されており、各車輪10に取り付けられた圧力警報装置1が発生する音を
それぞれのマイクロホン15が拾う。アンプ16は、4つのマイクロホン15に対応して4つ独立に設けられており、マイクロホン15の信号を増幅して対応するBPF117へ送る。フィルタバンク18は、4つのBPF117(fx)を組み合わせたフィルタバンクであり、アンプ16から入力される音声信号をフィルタリングしてCPU19へ送る。ここで、各BPF117(fx)は、全て同一の所定の周波数帯の音声信号を通し、他周波数帯の音声信号を減衰させる。本実施形態に係る処理回路114の信号処理の流れについては、上述した実施形態3に係る処理回路14の信号処理の流れと同様である。
それぞれのマイクロホン15が拾う。アンプ16は、4つのマイクロホン15に対応して4つ独立に設けられており、マイクロホン15の信号を増幅して対応するBPF117へ送る。フィルタバンク18は、4つのBPF117(fx)を組み合わせたフィルタバンクであり、アンプ16から入力される音声信号をフィルタリングしてCPU19へ送る。ここで、各BPF117(fx)は、全て同一の所定の周波数帯の音声信号を通し、他周波数帯の音声信号を減衰させる。本実施形態に係る処理回路114の信号処理の流れについては、上述した実施形態3に係る処理回路14の信号処理の流れと同様である。
以上、本実施形態によれば、各車輪10の近傍に設置されたマイクロホン15が圧力警報装置1から発する音を拾い、音の信号を処理回路14が解析して異常が起きたタイヤを特定しているため、パンクしたタイヤあるいは空気圧が異常低下したタイヤをドライバーや乗員が容易に特定することが可能になる。特に、各車輪10に同じ音を発する圧力警報装置1を設置しているため、車輪10を前後左右で交換等した場合に圧力警報装置1を付け替えるのを忘れても、誤った位置のタイヤの異常を報知することが無い。なお、各車輪の近傍にそれぞれマイクロホンを取り付け、各車輪に取り付けられた互いに異なる音を発する圧力警報装置とする実施形態3の構成と、本実施形態4の構成とを併用してもよい。
<実施形態5>
以下、上述した各実施形態に係る圧力警報装置や圧力警報システムの取り付け方法について例示的に説明する。図11は、圧力警報装置1の取り付け方法の一例を示す図である。図11に示すように、圧力警報装置1は、ホイール11のリムに設けた孔に取り付けネジ8を挿通し、取り付けナット22でタイヤの空気室側(すなわち、リムの外周側)から締め付けることで取り付けることが可能である。
以下、上述した各実施形態に係る圧力警報装置や圧力警報システムの取り付け方法について例示的に説明する。図11は、圧力警報装置1の取り付け方法の一例を示す図である。図11に示すように、圧力警報装置1は、ホイール11のリムに設けた孔に取り付けネジ8を挿通し、取り付けナット22でタイヤの空気室側(すなわち、リムの外周側)から締め付けることで取り付けることが可能である。
また、その他の態様としては、図12に示すように、エアバルブと圧力警報装置1を一体型にし、ホイール11に設けられたエアバルブを嵌める孔に、エアバルブと一体化した圧力警報装置1を取り付けるようにしてもよい。すなわち、ホイール11に設けられたエアバルブ用の孔に装着される中空の分岐管23であって、管路が3方向に分岐する分岐管23を用意し、3つの口のうち一つ目の口はホイール11の孔へ接続され、二つ目の口は圧力警報装置1の取り付けネジ8に接続され、三つ目の口はエアバルブに接続されるようにする。このように既存のエアバルブ用の孔を利用すれば、ホイール11に加工を施すことが無いため、図13に示すように、既に流通あるいは使用されている車輪にそのまま取り付けることが可能である。
また、上記各実施形態に係る圧力警報システムの処理回路のうち、アンプやフィルタバンク、CPUや表示器類は、一つのユニットにまとめて図14に示すように運転席付近に配置するようにしてもよい。そして、このユニットにケーブル接続したマイクロホンを車台の下面やタイヤハウス等に設置する。これによれば、動作電源等の取り出し作業も容易であり、且つドライバーや乗員が容易にユニットの操作も可能となる。
1・・・圧力警報装置
2・・・筐体
3・・・ピストン
4・・・球
5・・・バランススプリング
6・・・ピストンシール
7・・・シール
8・・・取り付けネジ
9・・・孔
10・・・車輪
11・・・ホイール
12・・・タイヤ
13・・・圧力警報システム
14,114・・・処理回路
15・・・マイクロホン
16・・・アンプ
17,117・・・BPF
18,118・・・フィルタバンク
19・・・CPU
20・・・表示器
21・・・空気孔
22・・・取り付けナット
23・・・分岐管
2・・・筐体
3・・・ピストン
4・・・球
5・・・バランススプリング
6・・・ピストンシール
7・・・シール
8・・・取り付けネジ
9・・・孔
10・・・車輪
11・・・ホイール
12・・・タイヤ
13・・・圧力警報システム
14,114・・・処理回路
15・・・マイクロホン
16・・・アンプ
17,117・・・BPF
18,118・・・フィルタバンク
19・・・CPU
20・・・表示器
21・・・空気孔
22・・・取り付けナット
23・・・分岐管
Claims (7)
- タイヤの気圧が下がると音で報知する圧力警報装置であって、
車輪に装着されるシリンダと、
前記シリンダの内部を摺動する摺動部材であって、該シリンダの内部の空間を第一の空間と第二の空間とに区画する摺動部材と、
前記第一の空間を前記タイヤの内部と連通する連通手段と、
前記第二の空間内で遊動する遊動部材と、を備え、
前記遊動部材は、前記摺動部材が前記タイヤの気圧によって前記第一の空間側から前記第二の空間側へ押圧されると該摺動部材と該シリンダの内面との間に挟まれて固定され、
前記シリンダは、前記遊動部材が前記第二の空間内を遊動すると該遊動部材が該シリンダの内面に接触して音を発生する、
圧力警報装置。 - 前記圧力警報装置は、タイヤの気圧が所定の圧力未満の場合に音で報知する圧力警報装置であって、
前記摺動部材を前記第二の空間側から前記第一の空間側へ付勢する付勢手段を更に備え、
前記付勢手段は、前記摺動部材の前記第一の空間側の面に前記所定の圧力と略同一の圧力が加わるように該摺動部材を付勢する、
請求項1に記載の圧力警報装置。 - 前記連通手段は、前記車輪のエアバルブ用の孔を介して前記第一の空間と前記タイヤの内部とを連通する、
請求項1または2に記載の圧力警報装置。 - 請求項1から3の何れかに記載の圧力警報装置を複数の車輪にそれぞれ取り付け、タイヤの気圧が下がると報知する圧力警報システムであって、
前記複数の車輪にそれぞれ取り付けられる各圧力警報装置のシリンダは、互いに異なる音を発する、
圧力警報システム。 - 前記車輪近傍の音を電気信号に変換するマイクロホンと、
前記マイクロホンから出力される電気信号を処理して前記シリンダの音の発生を検知する検知手段と、
前記検知手段が前記シリンダの音を検知すると、タイヤの気圧の低下を車両の乗員に報知する報知手段と、を更に備え、
前記検知手段は、音の違いによって変化する前記マイクロホンの電気信号を解析することで気圧が低下したタイヤを特定し、
前記報知手段は、前記複数の車輪のうち前記検知手段が特定したタイヤの気圧が低下したことを報知する、
請求項4に記載の圧力警報システム。 - 請求項1から3の何れかに記載の圧力警報装置を車輪に取り付け、タイヤの気圧が下がると報知する圧力警報システムであって、
前記車輪近傍の音を電気信号に変換するマイクロホンと、
前記マイクロホンから出力される電気信号を処理して前記シリンダの音の発生を検知する検知手段と、
前記検知手段が前記シリンダの音を検知すると、タイヤの気圧の低下を車両の乗員に報知する報知手段と、を備える、
圧力警報システム。 - 前記マイクロホンは、複数の車輪のそれぞれの近傍に取り付けられており、
前記検知手段は、各マイクロホンから出力される電気信号を解析することで気圧が低下したタイヤを特定し、
前記報知手段は、前記複数の車輪のうち前記検知手段が特定したタイヤの気圧が低下したことを報知する、
請求項6に記載の圧力警報システム。
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