JP4165578B2 - デジタルオーディオ信号処理用記録媒体、デジタルオーディオ信号用の通信方法及び受信方法、並びにデジタルオーディオ記録媒体 - Google Patents

デジタルオーディオ信号処理用記録媒体、デジタルオーディオ信号用の通信方法及び受信方法、並びにデジタルオーディオ記録媒体 Download PDF

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本発明は、デジタルオーディオ信号のレベルをコンプレス(圧縮)、リミット(制限)するプログラムが記録されたデジタルオーディオ信号処理用記録媒体に関し、特に信号レベルが急峻に立ち上がる場合にその立ち上がり時からなだらかに減衰させて聴感を向上させるプログラムが記録されたデジタルオーディオ信号処理用記録媒体に関する。本発明はまた、デジタルオーディオ信号のレベルをコンプレス(圧縮)、リミット(制限)するプログラムや、このプログラムにより処理されたデジタルオーディオ信号を通信回線を介して伝送するためのデジタルオーディオ信号用の通信方法に関する。本発明はまた、デジタルオーディオ信号のレベルを最適にコンプレス(圧縮)、リミット(制限)して記録したデジタルオーディオ記録媒体に関する。本発明はまた、デジタルオーディオ信号のレベルを最適にコンプレス(圧縮)、リミット(制限)して記録するとともに、更にユーザの好みに応じて再生するためのデジタルオーディオ記録媒体に関する。
従来のコンプレス/リミット回路としては、例えば特開平3−198413号公報、特開平6−164275号公報などに示されるものがある。図20はかかる従来のコンプレス/リミット回路を模式的に示し、また、図21(a)は遅延回路1及びレベル検出回路(レベル検出処理)3に入力される信号、図21(b)は遅延回路1により遅延された信号、図21(c)はスムーズフィルタ(スムーズフィルタ処理)5によりゲイン調整用アンプ(ゲイン調整処理)2に設定されるゲイン曲線G、図21(d)はゲイン調整用アンプ(ゲイン調整処理)2の出力信号の一例を示している。
図20においてデジタルオーディオ信号は遅延回路1により時間t1の分だけ遅延され、次いでゲイン調整用アンプ(ゲイン調整処理)2によりゲイン制御信号Gに基づいてゲインが調整される。この場合、ゲインGは通常時には「1」に設定され、コンプレス/リミット機能が設定されている場合には信号レベルが急峻に立ち上がるときに、その立ち上がり時からなだらかに減衰するように「1」から徐々に低下する値に設定される。
例えば図21(a)に示すように急峻に立ち上がる信号A、例えば1kHzのバースト波が入力された場合、この入力信号のレベルaがレベル検出回路3により検出される。そして、ゲイン生成回路4はこの検出レベルをコンプレス/リミット用の閾値Vthと比較し、この閾値Vthを超えると、この差分Δ(=a−Vth)に応じたコンプレスゲインg(Δ)を生成し、これをスムーズフィルタ5に出力する。スムーズフィルタ5は係数乗算器、遅延器、加算器より成るIIRフィルタ(ローパスフィルタ)で構成され、設定係数に応じた時定数で図21(c)の曲線で示すように「1」から徐々に低下するゲインGをゲイン調整用アンプ(ゲイン調整処理)2に設定する。
したがって、遅延回路1により遅延された信号bは、立ち上がり時点近傍から「1」から例えば0.2になだらかに低下するゲインGにより減衰され、また、ゲインGの減衰率(時定数)は設定係数に応じた値となる。ここで、信号bのゲインGの減衰が開始される時点をアタックポイント、減衰される時間をアタック時間といい、遅延時間t1はアタック時間t2の2倍程度、又はそれ以上が必要とされている。
図22は一般的なサラウンドオーディオ用のエンコーダを示すブロック図である。この例では、ドルビーサラウンド方式の4系統、すなわちL、C、S、Rの4系統の信号からなるマルチチャンネル信号をエンコードして2チャンネルの信号Lt、Rtに変換するエンコーダが示されている。このエンコーダは加算器91、93、97、100と、減衰器92、94と、BPF95と、ノイズリダクションエンコーダ96と、移相器98、99とを有している。減衰器92、94は3dB減衰させるものであり、BPF95のパスバンドは100Hz〜7kHzである。また、移相器98は90°進相(+90°)させるものであり、一方、移相器99は90°遅相(−90°)させるものである。
図23は図22に示したエンコーダなどにより2系統の信号Lt、Rtとされ、記録あるいは伝送されたものをデコードして元のマルチチャンネル信号(本例では4チャンネルL=Lt、C=Lt+Rt、S=Lt−Rt、R=Rt)に変換する従来のサラウンドオーディオ用デコーダを示している。このデコーダは、入力2チャンネル信号Lt、Rtをデコードして4チャンネル化した後、これらの4チャンネルの各信号(Lt、Rt、Lt+Rt、Lt−Rt)のレベル変化をコントロール回路78で監視して、いずれか1つの信号レベルが著しく大きくなった場合には、他の3チャンネルの信号レベルを減衰・低下させるよう、対応するアンプ74〜77のゲインを制御する。信号GL、GR、GC、GSはコントロール回路78から各アンプ74〜77に与えられるゲイン制御信号である。このゲイン制御により、サラウンドオーディオのリスナーに、より明確な方向感のある音場を提供している。このため、コントロール回路78は各アンプのゲインを0〜30dB減衰させるような出力信号を供給する構成となっている。
しかしながら、上記図20に示す従来のコンプレス/リミット回路では、信号レベルの減衰がなだらかになるようにアタック時間t2を長くしようとすると、入力信号の遅延時間t1を長くしなければならないので、出力信号は時間遅れが長いエコーのような信号となって却って耳障りになるという問題点がある。なお、エコーの問題を解決するために入力信号の遅延時間t1を短くすると、t1 ≧2t2の関係により、アタック時間t2を長くすることができないという問題点がある。ところで、最近では、パーソナルコンピュータ(以下、パソコン又はPCという。)によるマルチメディア化が急速に進み、動画像や音声の信号をPCにより処理することが普及している。また、最近では、いわゆるインターネットなどの通信回線を介して動画像や音声の信号をデータ送信側とデータ受信側に伝送することが普及している。さらに、ユーザにとって最適にコンプレス/リミットされたオーディオ信号を再生することができるデジタルオーディオ記録媒体が望まれている。
そこで、本発明は上記の問題点に鑑み、デジタルオーディオ信号の遅延時間を短くしてエコーを防止することができるとともにアタック時間を長くすることができるデジタルオーディオ信号処理用のプログラムが記録された記録媒体を提供することを第1の目的とする。本発明はまた、複数系統の信号に対してコンプレス/リミット特性処理を行うにあたり、複数系統の信号レベルのバランスを図りつつ入力信号の遅延時間を短くしてエコーを防止することができるとともにアタック時間を長くすることができるデジタルオーディオ信号処理用のプログラムが記録された記録媒体を提供することを第2の目的とする。本発明はまた、マルチチャンネル再生のための複数系統の信号に対してコンプレス/リミット特性処理を行うにあたり、デコード前の少ない系統の信号から共通レベルを検出することにより、マルチチャンネルの信号レベルのバランスを図りつつ入力信号の遅延時間を短くしてエコーを防止することができるとともにアタック時間を長くすることができるデジタルオーディオ信号処理用のプログラムが記録された記録媒体を提供することを第3の目的とする。本発明はまた、デジタルオーディオ信号の遅延時間を短くしてエコーを防止することができるとともにアタック時間を長くすることができるプログラムを通信回線を介して伝送するためのデジタルオーディオ信号用の通信方法を提供することを第4の目的とする。本発明はまた、デジタルオーディオ信号の遅延時間を短くしてエコーを防止することができるとともにアタック時間を長くすることができるプログラムにより処理されたデジタルオーディオ信号を通信回線を介して伝送するためのデジタルオーディオ信号用の通信方法を提供することを第5の目的とする。本発明はまた、デジタルオーディオ信号の遅延時間を短くしてエコーを防止することができるとともにアタック時間を長くすることができるデジタルオーディオ記録媒体を提供することを第6の目的とする。本発明はまた、ユーザの好みに応じてデジタルオーディオ信号の遅延時間を短くしてエコーを防止することができるとともにアタック時間を長くすることができるデジタルオーディオ記録媒体を提供することを第7の目的とする。
本発明は上記目的を達成するために、以下の(1)〜(10)に記載の手段よりなる。
すなわち、
(1)複数系統のデジタル入力信号の各レベルを検出するレベル検出ステップと、
前記レベル検出ステップにより検出された複数系統のデジタル入力信号の各レベルの平均値又は最大値を共通レベルとして検出する検出ステップと、
前記検出ステップにより検出された共通レベルに基づいて時間的に可変のコンプレス/リミット用の第1のゲインを生成するゲイン生成ステップと、
複数系統のデジタル入力信号に基づいて更に多系統のデジタル信号を生成するデコードステップと、
前記ゲイン生成ステップにより生成された前記第1のゲインにフィルタ処理を施して時定数を付与した第2のゲインを生成するスムーズフィルタステップと、
前記複数系統のデジタル入力信号及び前記デコードステップで取り出された多系統のデジタル信号の各々を前記フィルタ処理を施して時定数を付与された第2のゲインで減衰させる減衰ステップとを、
有するプログラムが記録されたデジタルオーディオ信号処理用記録媒体。
(2)前記ゲイン生成ステップは、複数の異なるコンプレス/リミット用の第1のゲインとして生成するために用意される複数のゲイン生成ステップを有するとともに、前記プログラムは更に、前記複数のゲイン生成ステップの中から1つを選択する選択ステップを有することを特徴とする請求項1に記載のデジタルオーディオ信号処理用記録媒体。
(3)前記プログラムは更に、前記複数のゲイン生成ステップにおける複数の異なるコンプレス/リミット用の特性をイラスト表示するプログラムを有することを特徴とする請求項2に記載のデジタルオーディオ信号処理用記録媒体。
(4)前記プログラムは更に、デジタル入力信号の特性とコンプレス/リミット用の特性をイラスト表示するプログラムを有することを特徴とする請求項1又は2に記載のデジタルオーディオ信号処理用記録媒体。
(5)請求項1ないし4のいずれか1項に記載のデジタルオーディオ信号処理用記録媒体のプログラムに対して、通信回線又はネットワークを介して伝送するためにパケット化し、そのパケット化されたプログラムにヘッダを付加するステップと、
前記ヘッダが付加されたプログラムを通信回線又はネットワークを介して受信側に伝送するステップとを、
有するデジタルオーディオ信号用の通信方法。
(6)請求項1ないし4のいずれか1項に記載のデジタルオーディオ信号処理用記録媒体のプログラムに対して、通信回線又はネットワークを介して伝送するためにパケット化し、そのパケット化されたプログラムにヘッダを付加して、前記ヘッダが付加されたプログラムを通信回線又はネットワーク用のデジタル信号列に変換し、前記デジタル信号列を通信回線又はネットワークを介して伝送した場合の前記デジタル信号列を受信するデジタルオーディオ信号用の受信方法であって、
前記ヘッダに基づいてデジタル信号列を受信するステップと、
前記パケットからプログラムを分離するステップとを、
有するデジタルオーディオ信号用の受信方法。
(7)請求項1ないし4のいずれか1項に記載のデジタルオーディオ信号処理用記録媒体に記録されたプログラムに基づいてオーディオ信号を処理するステップと、
前記プログラムに基づいて処理されたオーディオ信号に対して、通信回線又はネットワークを介して伝送するためにパケット化し、そのパケット化されたオーディオデータにヘッダを付加するステップと、
前記ヘッダが付加されたオーディオデータを通信回線又はネットワーク用のデジタル信号列に変換するステップと、
前記デジタル信号列を通信回線又はネットワークを介して伝送するステップとを、
有するデジタルオーディオ信号用の通信方法。
(8)オーディオ信号を請求項1ないし4のいずれか1項に記載のデジタルオーディオ信号処理用記録媒体に記録されたプログラムに基づいて処理し、前記プログラムに基づいて処理されたオーディオ信号に対して、通信回線又はネットワークを介して伝送するためにパケット化し、そのパケット化されたオーディオデータにヘッダを付加し、前記ヘッダが付加されたオーディオデータを通信回線又はネットワークを介して伝送した場合の前記デジタル信号列を受信するデジタルオーディオデータ用の受信方法であって、
前記ヘッダに基づいてオーディオデータを受信するステップと、
前記パケットからオーディオデータ分離するステップとを、
有するデジタルオーディオ信号用の受信方法。
(9)オーディオ信号を請求項1ないし4のいずれか1項に記載のデジタルオーディオ信号処理用記録媒体に記録されたプログラムに基づいて処理して記録したデジタルオーディオ記録媒体。
(10)オーディオ信号を請求項1ないし4のいずれか1項に記載のデジタルオーディオ信号処理用記録媒体に記録されたプログラムに基づいて処理して記録するとともに、請求項1ないし4のいずれか1項に記載のプログラムを記録したデジタルオーディオ記録媒体。
以上説明したように本発明によれば、デジタルオーディオ信号処理用のプログラムによりゲインの時定数を延長するようにしたので、デジタルオーディオ信号の遅延時間を短くしてエコーを防止することができるとともにアタック時間を長くすることができる。また、本発明によれば、デジタルオーディオ信号処理用のプログラムによりゲインの時定数を延長して複数系統のデジタル入力信号を減衰するようにしたので、複数系統の信号に対してコンプレス/リミット特性処理を行うにあたり、複数系統の信号レベルのバランスを図りつつ入力信号の遅延時間を短くしてエコーを防止することができるとともにアタック時間を長くすることができる。また、本発明によれば、複数系統のデジタル入力信号から更に多系統のデジタル入力信号を生成すると共に、デジタルオーディオ信号処理用のプログラムによりゲインの時定数を延長してこの多系統のデジタル入力信号を減衰するようにしたので、マルチチャンネル再生のための複数系統の信号に対してコンプレス/リミット特性処理を行うにあたり、デコード前の少ない系統の信号から共通レベルを検出することにより、マルチチャンネルの信号レベルのバランスを図りつつ入力信号の遅延時間を短くしてエコーを防止することができるとともにアタック時間を長くすることができる。また、特性をイラスト表示することにより選択指定が容易になり、また、入力信号の特性を共に表示することで比較しながらレベル管理が正確に行えるようになる。また、本発明によれば、上記のプログラムを通信回線又はネットワークを介して伝送するようにしたので、デジタルオーディオ信号の遅延時間を短くしてエコーを防止することができるとともにアタック時間を長くすることができるプログラムを通信回線を介して伝送することができる。また、本発明によれば、上記のプログラムにより処理されたデジタルオーディオ信号を通信回線又はネットワークを介して伝送するようにしたので、デジタルオーディオ信号の遅延時間を短くしてエコーを防止することができるとともにアタック時間を長くすることができるデジタルオーディオ信号を通信回線を介して伝送することができる。また、本発明によれば、上記のプログラムにより処理されたデジタルオーディオ信号をデジタルオーディオ記録媒体に記録するようにしたので、デジタルオーディオ信号の遅延時間を短くしてエコーを防止することができるとともにアタック時間を長くすることができるデジタルオーディオ記録媒体を実現することができる。また、本発明によれば、上記のプログラムにより処理されたデジタルオーディオ信号と上記のプログラムの両方をデジタルオーディオ記録媒体に記録するようにしたので、ユーザの好みに応じてデジタルオーディオ信号の遅延時間を短くしてエコーを防止することができるとともにアタック時間を長くすることができるデジタルオーディオ記録媒体を実現することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明に係るデジタルオーディオ信号処理用記録媒体の一実施形態が適用されたデジタルオーディオ信号処理システムを示すブロック図、図2は図1のパーソナルコンピュータのデジタルオーディオ信号処理プログラムを説明するためのフローチャート、図3は図2のデコード処理内のコンプレス/リミット処理を詳しく説明するための機能ブロック図、図4は図3のコンプレス/リミット処理による減衰特性を示す波形図、図5は図3のスムーズフィルタ処理と時定数延長処理の一例を詳しく説明するための機能ブロック図、図6は図3のスムーズフィルタ処理と時定数延長処理の他の例を詳しく説明するための機能ブロック図である。
図1に示すパソコン106には、ディスクドライブ104又はネットワークターミナル105から図2に示すようなデジタルオーディオ信号処理プログラム(図3に詳しく示すコンプレス/リミット処理13をデコード処理内に含む)とサラウンドミュージックなどのミュージックソースが供給される。
パソコン106は例えばインテル社のPP55Cの拡張命令セット(MMX)のように、主として画像や音声などのデジタル信号を効率的に処理するために追加された特定用途向けの命令セットを有するCPU106aと、データ処理時のバッファとして使用されるRAM106bと、ディスクドライブ104又はネットワークターミナル105から供給されるデータを変換するデータコンバータ106cと、処理後のオーディオデータをD/A変換器とアンプを介して複数のスピーカ(図では103L、103R、更にはサラウンド用のスピーカ103C、103S)に供給するためのオーディオインタフェース(I/F)106dと、図示省略の表示部の表示制御を行うディスプレイ・プロセッサ106eと、図示省略のマウスやキーボードからの操作入力信号に基づいて操作信号を発生する操作信号発生部106fを有する。
このような構成において、図2に示すようにCPU106aはデジタルオーディオ信号処理プログラムが記録されたディスクがディスクドライブ104にセットされた状態で、不図示のキーボードを介してプログラムロード命令(コマンド)が入力されると(ステップS1)、ディスクからプログラムデータを読み出して内部RAMにロードし(ステップS2)、ロードが終了するとプログラムロードフラグをセットし(ステップS3)、終了する。このとき、CPU106aはMMX対応であるので、高速信号処理が可能になる。
また、CPU106aはサラウンドミュージックなどのミュージックソースが記録されたディスクがディスクドライブ104にセットされた状態で、不図示のキーボードを介してプレイコマンドが入力されると、ディスクの最初のトラックにアクセスしてそのディスクの種類を示すサブコードを読み取り、そのサブコードが「ミュージックソース」か否かをチェックし(ステップS4)、YESの場合には図3に詳しく示すデコード処理(及びコンプレス/リミット処理13)を実行し(ステップS5)、次いで処理後のオーディオデータをオーディオI/F106dに渡す(ステップS6)。次いでステップS5に戻り、デコード処理(及びコンプレス/リミット処理)を繰り返す。また、ステップS4において「ミュージックソース」でない場合には「演奏不能」を不図示の表示部に表示し(ステップS7)、終了する。
CPU106aは図3に示すようなコンプレス/リミット処理13を実行する。ここで、図示省略の操作部は各別の選択キーによってアタック時間t2、コンプレス開始閾値Vth、ゲインGの圧縮の度合いなどがそれぞれあらかじめ指定できるように構成されている。そして、操作部からの指定値の信号はCPU106aにより所定のパラメータに変換され、CPU106a内のレジスタ(内部RAM)にセットされて図3に示すスムーズフィルタ処理5と時定数延長処理6における係数が切り換えられる。なお、図3に示す処理の参照符号は、従来例(図20図示)のハードウエアの処理と同一のものには同一の参照符号を付す。
図3において、入力デジタルオーディオ信号は遅延処理1により時間t1だけ遅延された信号が選択され、次いでゲイン調整処理2によりゲイン制御信号に基づいてゲインGが調整される。ゲインGはコンプレス/リミット機能が設定されていない通常時には「1」に設定され、コンプレス/リミット機能が設定されている場合には信号レベルが急峻に立ち上がるときにその立ち上がり時からなだらかに減衰するように「1」から徐々に低下する値に設定される。
例えば図4(a)に示すように急峻に立ち上がる信号Aが入力された場合、図4(b)に示すように遅延処理1により、従来例より比較的短い時間t1だけ遅延されてゲイン調整処理2に渡され、ゲイン調整処理2のバッファに一時保存される。ここで、ゲイン調整処理2により入力信号AのゲインGの減衰が開始される時点をアタックポイント、減衰される時間をアタック時間といい、遅延時間t1はアタック時間t2の2倍程度が好適とされている。
レベル検出処理3ではデジタルオーディオ信号のレベルaが検出され、続くゲイン生成処理4では検出レベルaとコンプレス/リミット用の閾値Vthと比較され、この閾値Vthを超える場合にこの差分Δ(=a−Vth)に応じたコンプレスゲインg(Δ)が生成され、これがスムーズフィルタ処理5に渡される。コンプレスゲインg(Δ)は、例えば、
(数1)
g(Δ)=1−Pi(KiΔ2+Δ)/a (式1)
のように表される差分Δの関数である。ただし、aはレベル、Pi及びKiはゲインGの圧縮の度合いによって決められる定数である。スムーズフィルタ処理5では図4(c)の曲線(立ち上がり時点Pi→アタックポイントPt→減衰点Pu)で示すように、設定係数に応じた時定数でゲインを従来例より比較的急峻に下げる。
そして、本実施例では、スムーズフィルタ処理5により設定されるゲインの時定数を時定数延長処理6により、図4(c)の曲線{立ち上がり時点Pi→アタックポイントPt→減衰点cc(>Pu)}で示すように延長し、ゲイン調整処理2に渡す。したがって、ゲインを時定数延長処理6により延長しない場合には、遅延時間t1を短くすると出力信号dは図4(d)の破線で示すように急峻に立ち下がってアタック時間を長くすることができないが、本実施例では、ゲインGを時定数延長処理6により延長するので、出力信号dは図4(d)の実線で示すようになだらかに低下し、したがって、アタック時間を長くすることができる。また、入力信号の遅延時間を短くするのでエコーを防止することができる。
次に、図5を参照してスムーズフィルタ処理5と時定数延長処理6を詳しく説明する。図5に示すスムーズフィルタ処理5は1次のIIR(無限インパルス応答)フィルタを縦列接続した回路と等価であり、加算処理51、遅延処理52、53及び係数乗算処理54〜56を3段分有する。係数乗算処理54〜56では、図1に示すCPU106aによりゲインGを1未満に設定するための係数が設定され、スムーズフィルタ処理5により図4(c)の曲線(立ち上がり時点Pi→アタックポイントPt→減衰点Pu)で示すように時定数が急峻に低下するゲインGが演算出力される。時定数延長処理6はスイッチ処理SW、遅延処理61、係数乗算処理62及び比較処理66により構成され、また、係数乗算処理62にはゲインGの時定数を延長するための係数Ka(<1)がCPU106aにより設定される。
スムーズフィルタ処理5の処理結果はスイッチ処理SWを介して遅延処理61、係数乗算処理62を介してスイッチ処理SWにフィードバックされ、比較処理66によりスムーズフィルタ処理5の処理結果と係数乗算処理62の処理結果を比較して大きい方をスイッチ処理SWにより選択することにより、曲線Pi(立ち上がり時点)→Pt(アタックポイント)の区間ではスムーズフィルタ処理5の処理結果を選択し、Pt(アタックポイント)以降の区間では係数乗算処理62の処理結果、すなわちゆるやかな低下率のゲインccを選択する。
図6は他の例の時定数延長処理6aを示している。図6において、スムーズフィルタ処理5は同一であり、時定数延長処理6aはスイッチ処理SW、遅延処理61、係数乗算処理62、減算処理63及び加算処理64により構成され、同様に、時定数を延長するための係数KaがCPU106aにより係数乗算処理62に設定される。また、減算処理63により遅延処理61の出力から、スムーズフィルタ処理5における遅延処理52の処理結果が減算されて係数乗算処理62に渡され、係数Kaが乗算される。続く加算処理64により係数乗算処理62の処理結果と、スムーズフィルタ処理5における遅延処理52の処理結果が加算されてスイッチ処理SWにフィードバックされる。
この場合にも同様に、比較処理66によりスムーズフィルタ処理5の処理結果と加算処理64の処理結果を比較することにより、Pt(アタックポイント)以降の区間では加算処理64の出力信号、すなわちゲインccをスイッチ処理SWにより選択する。このように、スムーズフィルタ処理5の処理結果が時定数延長処理6aの処理結果から減算された値に係数Kaを乗算するようにしているため、図4(c)で0.2によって示すゲインに向って減衰曲線ccが収束するように形成される。このような時定数延長処理6、6aでは、例えば延長前のアタック時間t2=4msから100msに延長されるように、減衰がなだらかにされる。
さて、上記第1実施例では、信号レベルの減衰をなだらかにしてアタック時間を長くするようにしたが、減衰がなだらか過ぎると、音のクリア感、歯切れ感と呼ばれるアタック感が無くなる場合がある。図7及び図8は信号レベルの減衰をなだらかにしてアタック時間を長くするとともにアタック感を強調する第2実施例を示している。ここで、遅延処理1による遅延時間は図8(a)に示すように第1実施例の遅延時間t1よりΔtだけ短い。図7は第2実施例のスムーズフィルタ処理5a及び時定数延長処理6bを示し、スムーズフィルタ処理5aは5段IIRフィルタと等価である。そして、この実施例の時定数延長処理6bでは、図6に示す加算処理64により演算されたゲイン(<1)を二乗するための乗算処理65が追加されている。
図8を参照してこの第2実施例を説明すると、例えば図8(a)に示すように急峻に立ち上がる信号Aが入力された場合、図8(b)に示すように遅延処理1により、従来例より比較的短い時間(t1−Δt)だけ遅延されてゲイン調整処理2に渡される。また、デジタルオーディオ信号のレベルaがレベル検出処理3により検出され、次いでゲイン生成処理4によりコンプレス/リミット用の閾値Vthと比較され、この閾値Vthを超えるとこの差分Δ(=a−Vth)に応じたコンプレスゲインg(Δ)が生成され、これをスムーズフィルタ処理5aに渡す。コンプレスゲインg(Δ)は例えば式1に示したものが用いられる。
そして、第2実施例では、スムーズフィルタ処理5aにより設定されるゲインの時定数を時定数延長処理6bにより、図8(c)の曲線{立ち上がり時点Pi→アタックポイントPt→cc’(Pu<減衰点cc’<cc)}で示すように延長する。この場合、比較処理66によりスムーズフィルタ処理5aの処理結果と乗算処理65の処理結果を比較して大きい方をスイッチ処理SWにより選択すると、図8(c)に示すように立ち上がり時点Pi、アタックポイントPt、第1実施例の場合のアタックポイントPt’の区間ではスムーズフィルタ処理5aによる急峻なゲインが選択されるので、図8(d)に示すようにPt−Pt’区間で出力信号が急峻に立ち下がり、したがって、アタック感を強調することができる。また、第1実施例の場合のアタックポイントPt’以降ではなだらかな曲線cc’のゲインが選択されるので、信号レベルの減衰をなだらかにしてアタック時間を延長することができる。
次に、図9及び図10を参照して第3の実施例を説明する。この第3の実施例では図3に示すコンプレス/リミット処理13に対して、レベル検出処理3aと最大値選択処理3bが追加され、レベル検出処理3aでは遅延処理1により遅延された信号a’のレベルを検出する。そして、この信号a’のレベルとレベル検出処理3により検出された信号aのレベルが最大値選択処理3bに渡されて比較され、大きいほうのレベルがゲイン生成処理4に渡される。なお、ゲイン調整処理2、ゲイン生成処理4、スムーズフィルタ処理5及び時定数延長処理6は図3に示す処理と同一であるので説明を省略する。
このような処理によれば、図10に示すようにアタック開始後の時刻taにおいて信号レベルがゼロになった場合にも、ゲインGは時刻taから遅延時間t1の間はゼロにならず、0.2を継続するので、ゲイン調整処理2により処理される信号レベルが図4に示すカーブを維持することができ、したがって、より正確なコンプレス/リミット特性を実現することができる。
次に複数系統の信号レベルのバランスを図りつつコンプレス/リミット特性処理を行うことが可能な本発明の第4実施例について説明する。図11は第4実施例のコンプレス/リミット処理13Aを説明するための機能ブロック図である。第4実施例は図1の第1実施例と次の点で異なる。すなわち、第1実施例が1系統(1チャンネル)の信号用に構成されているのに対し、図11の第4実施例は3系統(3チャンネル)の信号L、R、S用に構成されている。
具体的にはL、R、Sの各チャンネルの信号はそれぞれ、遅延処理1L、1R、1Sにより、従来例より比較的短い時間t1だけ遅延されてゲイン調整処理2L、2R、2Sに渡され、ゲイン調整処理2L、2R、2S用のバッファに一時保存される。また、レベル検出処理3L、3R、3SではそれぞれL、R、Sの各チャンネルのデジタルオーディオ信号のレベルが検出され、続く共通レベル検出処理7に渡される。共通レベル検出処理7ではL、R、Sの各チャンネルの入力信号のうち、大きいレベルの信号(最大レベル信号)が選択され、次いで第1の実施例と同様にゲイン生成処理4、スムーズフィルタ処理5、時定数延長処理6に渡される。そして、時定数延長処理6からゲイン調整処理2L、2R、2Sに対してコンプレス/リミット処理用のゲインGが渡される。
図12は図11の共通レベル検出処理7とゲイン生成処理4の具体的処理を説明するための機能ブロック図である。共通レベル検出処理7はコンパレータ(COMP)処理25とスイッチ処理26を有し、コンパレータ処理25ではL、R、Sの各チャンネルの入力信号を比較し、スイッチ処理26ではコンパレータ処理25の処理結果に基づいて最も大きなチャネルの入力信号を選択する。なお、この例では3系統であるが、入力信号が2系統(例えばLとR)の構成に適用した場合も、同様に最大レベルの信号が選択される。
ゲイン生成処理4は、図12に示すようにコンパレータ処理(COMP)29、閾値レジスタ(REF)30、加算(減算)処理31、36、39、乗算処理34、35、38、41、42、除算処理37、所定値レジスタ33、40、スイッチ処理32を有する。閾値レジスタ30にはCPU106aによりあらかじめ閾値Vthが設定され、また、所定値レジスタ33には論理”0”に相当するデータが設定され、所定値レジスタ40には論理”1”に相当するデータが設定される。
減算処理31では共通レベル検出処理7により選択されたチャネルの信号と閾値レジスタ30からの閾値Vthとの差分Δが算出される。また、コンパレータ処理29により共通レベル検出処理7により選択された最大レベル信号のレベルaと閾値Vthが比較され、a>Vthの場合にスイッチ処理32により差分Δが算出されて加算処理36と乗算処理34、42に与えられる。Ki、Pi、Qiはそれぞれ、乗算処理35、41、38においてセットされる係数である。よって、共通レベル検出処理7により選択された最大レベル信号のレベルが閾値Vthより大きくないときは、加算処理36の処理結果は0となり、ゲイン生成処理4の処理結果g(Δ)は1となる。
図12に示した例では、Lchの信号がRch、Schの信号より大きい場合が示され、Lchの信号に関し、係数Qi、Ki、Piが閾値Vthに対して曲線特性を決定する様子を示している。すなわち、ゲイン生成処理4の処理結果g(Δ)は、
(数2)
Ka=1−Pi(QiΔ3+KiΔ2+Δ)/Lin (式2)
となり、この値でコンプレス/リミットゲインとなる。ただし、Pi、Qi、KiはゲインGの圧縮の度合いによって決まる定数、Linは最大レベルである。
また、式(1)と比べて式(2)は係数Qiの3次の項を持つため、曲線特性の設計自由度が向上する。ゲイン生成処理4において、入力レベル(上記例ではLin)により除算しているのは、Lin=1に正規化するためである。ゲイン生成処理4の処理結果g(Δ)はスムーズフィルタ処理5、時定数延長処理6により第1実施例と同様に処理され、ゲイン調整処理2L、2R、2SにゲインGとしてそれぞれ与えられる。よって、アタック時にはさらに時定数の作用により曲線特性が形成される。すなわち、Lchについて見ると遅延処理1Lにおける時定数dINと、スムーズフィルタ処理5の時定数τfを用いて、アタック時間τaは、
(数3)
τa=τf−dIN (式3)
として与えられる。Rch、Schについても同様であり、ゲイン調整処理2L、2R、2Sにによりコンプレス/リミットゲインがバランスよく調整された出力信号がそれぞれ得られる。
なお、上記各実施例においてアタック時間を長い方に切り換えた場合には、時定数延長処理6の係数Kaを0から1の間で連続的に変化させることで連続的な時間変化を与えることができるとともに、アタック時間を短い方に切り換えた場合には、係数Kaを0にした状態でスムーズフィルタ処理5の時定数のみを連続的に変化させることで連続的な時間変化を与えることができる。したがって、アタック時間の短い方から十分に長い方まで連続的に途切れることなく良好に実施される。
また、上記各実施例のゲイン生成処理4は差分Δに基づきコンプレス/リミット用のゲインg(Δ)を生成する例で説明したが、これに限るものではなく、レベルに応じたコンプレス/リミット用のゲインgを生成するものであれば適用することができる。上記第4実施例の共通レベル検出処理7では、複数の入力信号中の最大レベル信号を選択しているが、最大レベル信号を選択する代わりに複数の入力信号のレベルの平均を演算するものであってもよい。
図13は第4の実施例におけるコンプレス/リミット処理の変形例13Bを示し、第3の実施例(図9参照)に対応している。すなわち、図13では、L、R、Sの各チャンネルの信号に対してレベル検出処理3La、3Ra、3Saが追加され、レベル検出処理3La、3Ra、3Saではそれぞれ遅延処理1L、1R、1Sにより遅延されたL、R、Sの各チャンネルの信号a’のレベルを検出する。そして、このL、R、Sの各チャンネルの信号a’のレベルとレベル検出処理3L、3R、3Sにより検出された信号aのレベルが共通レベル検出処理7に渡されて比較され、大きいほうのレベルがゲイン生成処理4に渡される。なお、ゲイン調整処理2L、2R、2S、ゲイン生成処理4、スムーズフィルタ処理5及び時定数延長処理6は図11に示す処理と同一であるので説明を省略する。
次に、サラウンドオーディオ用の複数系統の信号レベルのバランスを図りつつコンプレス/リミット特性処理を行うことが可能な本発明の第5実施例について説明する。まず、サラウンドオーディオ用のエンコーダは、図22において説明したようにL、C、S、Rの4系統の信号からなるマルチチャンネル信号をエンコードしてLt、Rtの2チャンネルの信号に変換する。そして、この信号は図14に示すようなサラウンドデジタルオーディオ信号処理プログラムと共に図1に示すディスクに記録され、この記録データがパソコン106により読み込まれ、コンプレス/リミット処理を含むデジタルオーディオ信号処理が施される。
図14に示すサラウンドデジタルオーディオ信号処理プログラムでは、遅延処理1L、1R、加算処理72及び減算処理73により入力2チャンネル信号Lt、Rtをデコードして4チャンネル化した後、これらの4チャンネルの各信号(L=Lt、C=Lt+Rt、S=Lt−Rt、R=Rt)のレベル変化をコントロール処理78により監視して、いずれか1つの信号レベルが著しく大きくなった場合には、他の3チャンネルの信号レベルを減衰・低下させるよう、各チャネルのゲイン調整処理74〜77に対応するゲインGL、GR、GC、GSを制御する。ゲインGL、GR、GC、GSは、サラウンドオーディオのリスナーに対してより明確な方向感のある音場を提供するためにコントロール処理78から与えられる値であり、コントロール処理78は例えば各ゲイン調整処理74〜77のゲインを0〜30dB減衰させるような値をそれぞれ乗算処理79〜82に渡す。
そして、図14に示すコンプレス/リミット特性処理83は、入力の2チャンネルLt、Rtの信号レベルの平均あるいは最大値から得られる共通の係数Gを乗算処理79〜82に渡し、乗算処理79〜82ではそれぞれ、この共通の係数Gをコントロール処理78により設定されたゲイン制御値GL、GR、GC、GSに乗算し、乗算結果GL*、GR*、GC*、GS*をそれぞれゲイン調整処理74〜77に渡す。
なお、図14中、遅延処理1L、1Rは2系統の入力信号Lt、Rtを遅延させるものであり、また、2チャンネルLt、Rtの信号レベルの平均あるいは最大値から共通の係数Gを得るためのコンプレス/リミット特性処理83は、図11に示す2チャネル分と同じである。かかるプログラムにより、2系統の処理を用いて4チャンネルのコンプレス/リミット特性処理を実現することができる。
次に、上記コンプレス/リミット特性処理を有する例えばサラウンド信号処理プログラムとサラウンドミュージックソースを記録媒体に記録する場合について説明する。まず、第1の方法として、記録面に複数のトラックが形成されるとともにトラック方向が複数のセクタに分割され、各トラック及びセクタに固有のアドレスが割り当てられたディスクを用いる。そして、その記録面をサラウンド信号処理プログラムが複数のトラック及びセクタに記録される第1データエリアと、サラウンドミュージックソースが複数のトラック及びセクタに記録される第2データエリアと、これらの第1、第2データエリアにそれぞれサラウンド信号処理プログラムとサラウンドミュージックソースが記録されていることを示すデータが記録されるTOC(Table Of Contents)エリアに分割することにより、ドルビーサラウンド対応のコンピュータソフトを実現することができる(「ドルビー」は米国ドルビー社の登録商標)。
第2の方法としては、例えばCDエクストラ(システム識別子が「CD EXTRA」)や、エンハンストミュージックCDと呼ばれる直径が120mmの光ディスクDを用いる。図15はその記録エリアを示し、内周から外周に向かって第1リードインエリア7a、第1データエリア7b、第1リードアウトエリア7c、第2リードインエリア7d、第2データエリア7e、第2リードアウトエリア7fの順で配列される。
第1リードインエリア7aは第1データエリア7bのデータのアドレスなどが記録される第1TOCエリアを構成し、第2リードインエリア7dは第2データエリア7eのデータのアドレスなどが記録される第2TOCエリアを構成する。そして、第1データエリア7bと第2データエリア7eにそれぞれサラウンド信号処理プログラムとサラウンドミュージックソースを記録する。また、他の方法として、DVD−ROM、エンハンストDVD、MD−ROM、エンハンストMD、フレキシブルディスク、MOディスクなどの記録媒体に記録するようにしてもよい。
図16はこのようなディスクを用いた場合の処理を示している。まず、ステップS11においてプログラムのロード済みでなければステップS12に進み、第1データ(プログラム)をディスクからリードする。次いでプログラムがディスク上に記録されているか否かをチェックし(ステップS13)、不在の場合にはこの処理を終了する。他方、プログラムがディスク上に記録されている場合には、リードしたプログラムをCPU106a内のプログラム用RAM(図1参照)にロードし(ステップS14)、これをプログラムの終了まで行う(ステップS15)。
プログラムのロードが終了すると、テストデータをCPU106a内のバッファRAMにロードし(ステップS15→S16)、このテストデータをデコードする(ステップS17)。そして、デコード結果がOKか否かをチェックし(ステップS18)、OKであればプログラムロード済みフラグをセットし(ステップS19)、ステップS11に戻る。他方、ステップS18においてデコード結果がOKでない場合には「演奏不能」を表示し(ステップS20)、この処理を終了する。
また、ステップS11においてプログラムのロード済みの場合には第2データ(ミュージックソース)をディスクからリードしてCPU106a内のバッファRAMにロードする(ステップS21)。次いでそのミュージックソースがオーディオフレームの最後(EOF)か否かをチェックし(ステップS22)、NOの場合には前述したようにコンプレス/リミット特性処理を含むデコード処理を実行し(ステップS23)、デコード結果をオーディオI/F106dに出力し(ステップS24)、ステップS21に戻る。そして、この処理をEOFまで繰り返す(ステップS22)。
そして、この実施例では、コンプレス/リミットの加工特性毎に異なる複数のプログラムと、その1つをユーザがGUI(グラフィカル・ユーザ・インタフェース)を介して任意に選択することができるプログラムが用意されている。すなわち、図16に示すステップS23に示すデコード中にユーザがGUIを指示すると、図17に示す割り込みルーチンがスタートする。このルーチンでは、まず、図18に示すように個別のコンプレス/リミット処理特性を示すイラスト画像(この例では9種類)を表示する(ステップS31)。そして、ユーザがプログラムの1つを選択、指示すると指示プログラムにアクセスし(ステップS32→S33)、次いでオーディオデータをミュートし(ステップS34)、次いで指示プログラムを前のプログラム上に上書きすることにより再ロードし(ステップS35)、次いでミュートを解除して指定プログラムに基づいてコンプレス/リミット処理を行い(ステップS36)、リターンする。
図19(a)は図17の変形例を示し、ステップS31とS32の間にステップS31aが追加されている。この変形例では、まず、図18に示すように個別のコンプレス/リミット処理特性を示すイラスト画像を表示すると(ステップS31)、図19(b)に示すようにデコード中の入力信号の特性(入出力特性)と、現在選択されているコンプレス/リミット処理プログラムの特性(入出力特性)とを合わせて表示する(ステップS31a)。そして、ユーザが別のプログラムを選択、指示すると(ステップS32)、図17に示す場合と同様な処理を実行する。また、特性をイラスト表示することにより選択指定が容易になり、また、入力信号の特性を共に表示することで比較しながらレベル管理が正確に行えるようになる。
次に、上記のプログラムや、このプログラムにより処理されたデジタルオーディオ信号を通信回線を介して伝送する第7の実施例について説明する。図24は図1に示すパソコン106内のネットワークターミナル105を詳細に示すブロック図、図25及び図26は図24のデータ変換部の処理を示すフローチャート、図27は通信ネットワークを示す説明図、図28は図27のネットワーク上のパケット処理を示す説明図である。このターミナル105はデータ送信側とデータ受信側のパソコン106の両方に設けられ、パソコン106の内部バスに接続される受信バッファT1及び送信バッファT2と、データ変換部T4と、通信インタフェースであるアダプタT3と、通信端子T6とコントローラT5を有する。
データ送信側のデータ変換部T4は図25に示すように、送信バッファT2に蓄えられている送信データを所定長に分割してパケット化し(ステップS41)、次いでパケットの先頭には宛て先アドレスを含むヘッダを付与し(ステップS42)、次いでこれをアダプタT3と通信端子T6を介してネットワークNW上に出力する(ステップS43)。データ受信側のデータ変換部T4は図26に示すように、ネットワークNWから通信端子T6とアダプタT3を介して受信したパケットからヘッダを除去し(ステップS51)、次いで受信データを復元し(ステップS52)、次いでこれを受信バッファT1を介して図1に示すプログラムRAM106bに転送する(ステップS53)。
データ送信側とデータ受信側の通信端子T6は例えば図27に示すようなネットワークNWを介して接続される。このネットワークNWでは例えばCATV回線や、インターネットと呼ばれるTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol )のプロトコルを用いてデータがパケット(1)(2)(3)…単位で伝送される。この場合、データ送信側から出力されたパケット(1)(2)(3)…は図27、図28に示すように、ネットワークNW上のルータRにより最適ルートが選択されてパケット(1)(2)(3)…毎に分離され、次いでルータRにより分離された各パケットはパケット交換器Pn(n=1〜k)を介してパケット(1)(2)(3)…順にデータ受信側のパソコン106に送られる。
したがって、データ受信側のパソコン106では、ディスクドライブ装置104にセットされているディスク内のミュージックソースを、プログラムRAM106b上のプログラムに基づいてコンプレス、リミットすることができる。
次に、データ送信側でミュージックソースをコンプレス、リミットしてデータ受信側に伝送する第8の実施例を説明する。図29はミュージックソースをコンプレス、リミットして例えばDVDオーディオディスクに記録するためのエンコーダを示している。A/D変換器111にはステレオ2chやドルビーPROLOGIC方式のサラウンドオーディオ信号が入力されて各チャネルがPCMデジタル信号に変換され、このPCMデジタル信号が信号処理回路112及びメモリ113によりコンプレス/リミット処理される。
図30は信号処理回路112及びメモリ113の処理を示し、図3、図9に示すコンプレス/リミット処理13の1チャネル分をフローチャートで示している。まず、A/D変換器111からデジタル信号が入力されると(ステップS61)、各チャネルのサンプリングデータを1サンプル分遅延処理し(ステップS62)、次のサンプリングデータを遅延処理に渡す(ステップS63)。また、A/D変換器111からのデジタル信号のレベルを検出し(ステップS64)、次いでそのゲインを生成する(ステップS65)。次いで図3に示すコンプレス/リミット処理13の場合にはステップS67に進み、他方、図9に示す処理の場合には最大値を選択し(ステップS66)、ステップS67に進む。ステップS67ではスムーズフィルタ処理し、次いで時定数延長処理し(ステップS68)、遅延部から出力し(ステップS69)、ゲイン調整し(ステップS70)、出力処理する(ステップS71)。
図31は信号処理回路112及びメモリ113の他の処理として、図11に示すL、R、Sの各チャネルのサラウンド信号の1チャネル分をコンプレス/リミット処理するフローチャートで示している。まず、A/D変換器111からデジタル信号が入力されると(ステップS61)、各チャネルのサンプリングデータを1サンプル分遅延処理し(ステップS62)、次のサンプリングデータを遅延処理に渡す(ステップS63)。また、A/D変換器111からのデジタル信号のレベルを検出し(ステップS64)、次いでその共通レベルを検出し(ステップS64a)、次いでそのゲインを生成する(ステップS65)。次いでスムーズフィルタ処理し(ステップS67)、時定数延長処理し(ステップS68)、遅延部から出力し(ステップS69)、ゲイン調整し(ステップS70)、出力処理する(ステップS71)。
このようにコンプレス/リミット処理されたオーディオデータは、著作権のデータ供給部140から著作権データが埋め込まれた後、DVD符号化回路114により図32に示すようなDVDフォーマットに符号化される。図32はDVDフォーマットのオーディオパックを示し、1パックは4バイトのパックスタート、6バイトのSCR、3バイトのMux rate及び1バイトのスタッフィングより成る合計14バイトのパックヘッダと2034バイトのユーザデータ(オーディオデータ)により構成されている(合計2048バイト)。このように符号化されたデータは出力端子OUT1を介して外部に出力されたり、変調回路115によりEFM変調された後に出力端子OUT2を介してDVDに記録される。また、埋め込まれた著作権データが出力端子OUT3を介して外部に出力される。
図33はDVDから再生されたストリーム信号を処理するデコーダを示している。DVDから再生されたストリーム信号は復調回路211によりEFM復調され、次いでDVD復号回路212によりデ・フォーマティングされてPCMオーディオデータが分離される。次いでこのオーディオデータは信号処理回路213及びメモリ214によりL+Rの2チャネル又はL+R+S+Cのマルチチャネル信号に分離され、次いで各チャネルの信号がD/A変換器215a、215bによりアナログ信号に変換された後、アナログ出力端子223、224を介してスピーカSP1、SP2に出力される。
また、DVD復号回路212によりデ・フォーマティングされたPCMデータをそのままの状態で出力することを許可する暗号が入力端子225を介して入力した場合には、暗号解読部226がスイッチ221をオンにすることにより、DVD復号回路112の出力信号がスイッチ221を介してPCMデータ出力端子222を介して出力される。そして、このPCMデータは図27に示すようなネットワークNWを介してデータ受信側に伝送され、図1に示すオーディオI/F106d及びスピーカ103により再生される。
本発明はデータ送信側が受信側に対して一方的に送信する場合に限定されず、、例えばデータ受信側のユーザがデータ送信側のホームページに基づいて、プログラム送信要求やオーディオ信号送信要求を送信し、データ送信側がこの要求に基づいてプログラムやオーディオ信号を送信する場合にも適用することができる。なお、このようなインターネットの場合には、インタフェースT3としてTCP/IPプロトコル群が用いられる。
また、本発明によれば、デジタルオーディオ信号のレベルをコンプレス、リミットするプログラムは記録しないで、そのプログラムにより処理されたデジタルオーディオ信号のみを記録したデジタルオーディオディスク(例えばDVD)を実現することができる。このようなディスクによれば、アタック時間が最適に調整されたデジタルオーディオ信号を記録することにより、再生時には広いダイナミックレンジのオーディオ信号をコンプレス、リミットして再生することができるので、弱い音や強い音を非常に聞き易く再生することができる。
また、本発明によれば、デジタルオーディオ信号のレベルをコンプレス、リミットするプログラムとデジタルオーディオ信号をそれぞれ例えば図15に示す第1データエリア7b、第2データエリア7eに記録したデジタルオーディオディスクを実現することができる。このようなディスクでは、例えば図18に示す3×3のマルチウィンドウ画面において右上に示す最もコンプレス/リミット効果が少ないプログラムから左下に示す最もコンプレス/リミット効果が大きいプログラムまでの9種類のプログラムを記録するとともに、デジタルオーディオ信号についてはあらかじめ右上に示す最もコンプレス/リミット効果が少ないプログラムにより処理して記録するようにしてもよい。
このようなディスクによれば、ユーザが好みに応じてプログラムを選択して再生することができる。例えばディスク製作者があらかじめオーディオ信号のダイナミックレンジをディスクに合わせて記録し、ユーザが騒音が多い車内のような理想とは異なる環境において聴き取り易くするためにコンプレスする再生状態を選択することができる。
本発明に係るデジタルオーディオ信号処理用記録媒体の一実施形態が適用されたデジタルオーディオ信号処理システムを示すブロック図である。 図1のパーソナルコンピュータのデジタルオーディオ信号処理プログラムを説明するためのフローチャートである。 図2のデコード処理内のコンプレス/リミット処理を詳しく説明するための機能ブロック図である。 図3のコンプレス/リミット処理による減衰特性を示す波形図である。 図3のスムーズフィルタ処理と時定数延長処理の一例を詳しく説明するための機能ブロック図である。 図3のスムーズフィルタ処理と時定数延長処理の他の例を詳しく説明するための機能ブロック図である。 第2実施例のスムーズフィルタ処理と時定数延長処理を詳しく説明するための機能ブロック図である。 図7のコンプレス/リミット処理による減衰特性を示す波形図である。 第3実施例のコンプレス/リミット処理を詳しく説明するための機能ブロック図である。 図9のコンプレス/リミット処理による減衰特性を示す波形図である。 第4実施例のコンプレス/リミット処理を詳しく説明するための機能ブロック図である。 図11の共通レベル検出処理とゲイン生成処理を詳しく説明するための機能ブロック図である。 第4実施例のコンプレス/リミット処理の変形例を詳しく説明するための機能ブロック図である。 第5実施例のサラウンドデコーダの処理を詳しく説明するための機能ブロック図である。 記録媒体の一例を示す説明図である。 図15の記録媒体に記録されたデジタルオーディオ信号処理プログラムを説明するためのフローチャートである。 第6実施例のコンプレス/リミット特性のイラスト表示プログラムを説明するためのフローチャートである。 図17のイラスト表示プログラムによる表示例を示す説明図である。 第6実施例のコンプレス/リミット特性のイラスト表示プログラムの変形例を説明するためのフローチャートである。 従来のコンプレス/リミット回路を示すブロック図である。 図20のコンプレス/リミット回路の主要信号を示す波形図である。 サラウンドオーディオ用エンコーダを示すブロック図である。 従来のサラウンドオーディオ用デコーダを示すブロック図である。 第7の実施例における図1に示すパソコン内のネットワークターミナルを詳細に示すブロック図である。 図24のデータ変換部の処理を示すフローチャートである。 図24のデータ変換部の処理を示すフローチャートである。 通信ネットワークを示す説明図である。 図27のネットワーク上のパケット処理を示す説明図である。である。 第8の実施例におけるエンコーダを示すブロック図である。 図29の信号処理回路の処理の一例を示すフローチャートである。 図29の信号処理回路の処理の他の例を示すフローチャートである。 DVDフォーマットを示す説明図である。である。 第8の実施例におけるデコーダを示すブロック図である。
符号の説明
1,1L,1R,1S 遅延処理
2,2L,2R,2S,2C,74〜77 ゲイン調整処理(減衰ステップ)
3,3a,3L,3R,3S,3La,3Ra,3Sa レベル検出処理(レベル検出ステップ)
3b 最大値選択処理
4 ゲイン生成処理(スムーズフィルタ処理5と共にゲイン生成ステップを構成する)
5,5a スムーズフィルタ処理
6,6a,6b 時定数延長処理(時定数延長ステップ)
7 共通レベル検出処理(検出ステップ)
72 加算処理(遅延処理1L、1R及び減算処理73と共にデコードステップを構成する)
73 減算処理
106a CPU
NW ネットワーク

Claims (10)

  1. 複数系統のデジタル入力信号の各レベルを検出するレベル検出ステップと、
    前記レベル検出ステップにより検出された複数系統のデジタル入力信号の各レベルの平均値又は最大値を共通レベルとして検出する検出ステップと、
    前記検出ステップにより検出された共通レベルに基づいて時間的に可変のコンプレス/リミット用の第1のゲインを生成するゲイン生成ステップと、
    複数系統のデジタル入力信号に基づいて更に多系統のデジタル信号を生成するデコードステップと、
    前記ゲイン生成ステップにより生成された前記第1のゲインにフィルタ処理を施して時定数を付与した第2のゲインを生成するスムーズフィルタステップと、
    前記複数系統のデジタル入力信号及び前記デコードステップで取り出された多系統のデジタル信号の各々を前記フィルタ処理を施して時定数を付与された第2のゲインで減衰させる減衰ステップとを、
    有するプログラムが記録されたデジタルオーディオ信号処理用記録媒体。
  2. 前記ゲイン生成ステップは、複数の異なるコンプレス/リミット用の第1のゲインとして生成するために用意される複数のゲイン生成ステップを有するとともに、前記プログラムは更に、前記複数のゲイン生成ステップの中から1つを選択する選択ステップを有することを特徴とする請求項1に記載のデジタルオーディオ信号処理用記録媒体。
  3. 前記プログラムは更に、前記複数のゲイン生成ステップにおける複数の異なるコンプレス/リミット用の特性をイラスト表示するプログラムを有することを特徴とする請求項2に記載のデジタルオーディオ信号処理用記録媒体。
  4. 前記プログラムは更に、デジタル入力信号の特性とコンプレス/リミット用の特性をイラスト表示するプログラムを有することを特徴とする請求項1又は2に記載のデジタルオーディオ信号処理用記録媒体。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項に記載のデジタルオーディオ信号処理用記録媒体のプログラムに対して、通信回線又はネットワークを介して伝送するためにパケット化し、そのパケット化されたプログラムにヘッダを付加するステップと、
    前記ヘッダが付加されたプログラムを通信回線又はネットワークを介して受信側に伝送するステップとを、
    有するデジタルオーディオ信号用の通信方法。
  6. 請求項1ないし4のいずれか1項に記載のデジタルオーディオ信号処理用記録媒体のプログラムに対して、通信回線又はネットワークを介して伝送するためにパケット化し、そのパケット化されたプログラムにヘッダを付加して、前記ヘッダが付加されたプログラムを通信回線又はネットワーク用のデジタル信号列に変換し、前記デジタル信号列を通信回線又はネットワークを介して伝送した場合の前記デジタル信号列を受信するデジタルオーディオ信号用の受信方法であって、
    前記ヘッダに基づいてデジタル信号列を受信するステップと、
    前記パケットからプログラムを分離するステップとを、
    有するデジタルオーディオ信号用の受信方法。
  7. 請求項1ないし4のいずれか1項に記載のデジタルオーディオ信号処理用記録媒体に記録されたプログラムに基づいてオーディオ信号を処理するステップと、
    前記プログラムに基づいて処理されたオーディオ信号に対して、通信回線又はネットワークを介して伝送するためにパケット化し、そのパケット化されたオーディオデータにヘッダを付加するステップと、
    前記ヘッダが付加されたオーディオデータを通信回線又はネットワーク用のデジタル信号列に変換するステップと、
    前記デジタル信号列を通信回線又はネットワークを介して伝送するステップとを、
    有するデジタルオーディオ信号用の通信方法。
  8. オーディオ信号を請求項1ないし4のいずれか1項に記載のデジタルオーディオ信号処理用記録媒体に記録されたプログラムに基づいて処理し、前記プログラムに基づいて処理されたオーディオ信号に対して、通信回線又はネットワークを介して伝送するためにパケット化し、そのパケット化されたオーディオデータにヘッダを付加し、前記ヘッダが付加されたオーディオデータを通信回線又はネットワークを介して伝送した場合の前記デジタル信号列を受信するデジタルオーディオデータ用の受信方法であって、
    前記ヘッダに基づいてオーディオデータを受信するステップと、
    前記パケットからオーディオデータ分離するステップとを、
    有するデジタルオーディオ信号用の受信方法。
  9. オーディオ信号を請求項1ないし4のいずれか1項に記載のデジタルオーディオ信号処理用記録媒体に記録されたプログラムに基づいて処理して記録したデジタルオーディオ記録媒体。
  10. オーディオ信号を請求項1ないし4のいずれか1項に記載のデジタルオーディオ信号処理用記録媒体に記録されたプログラムに基づいて処理して記録するとともに、請求項1ないし4のいずれか1項に記載のプログラムを記録したデジタルオーディオ記録媒体。
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