JP4165033B2 - 文書管理システムおよび文書蓄積サーバ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、複数の文書を複数のクライアントで共有する文書管理システムおよび文書蓄積サーバに関し、特に、共有オリジナル文書のセキュリティの向上を図った文書管理システムおよび文書蓄積サーバに関する。
【0002】
【従来の技術】
インターネット、イントラネットの普及に伴い、インターネット、イントラネットを利用した知識の共有が図られている。
【0003】
そして、インターネット、イントラネットを利用して情報が広く解放されるにしたがい、ネットワーク環境においても情報のセキュリティ管理が重要となっている。
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来、ネットワーク上の資源に対するセキュリティとしては、さまざまな方法が提案されている。
【0004】
しかし、インターネット、イントラネットを介して、複数の文書を複数のクライアントで共有する環境において、この共有する文書に対するセキュリティは充分とはいえない。
【0005】
すなわち、複数の文書を文書蓄積サーバに蓄積し、該文書蓄積サーバに蓄積した文書を複数のクライアントで共有する文書管理システムを構築する場合においては、クライアントが一旦文書蓄積サーバから所望の文書をダウンロードすると、このダウンロードした文書は自由に編集および印刷できるので、悪意ある人間がこのダウンロードした文書を改竄してしまったり、無制限に印刷して配布するとで、文書蓄積サーバに蓄積された保護文書のセキュリティが確保できないという問題があった。
【0006】
この問題を解決するために、例えば、クライアントに提供する文書に対して制限を設けると、文書蓄積サーバに蓄積された文書をクライアントが有効に活用できないという別の問題が生じた。
【0007】
そこで、この発明は、共有オリジナル文書のセキュリティの向上を図るとともに、共有オリジナル文書の有効利用を可能にした文書管理システムおよび文書蓄積サーバを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明の文書管理システムは、複数の文書を文書蓄積サーバに蓄積し、該文書蓄積サーバに蓄積した複数の文書をネットワークを経由して複数のクライアントで共有する文書管理システムであって、前記文書蓄積サーバは、前記文書蓄積サーバに蓄積されたオリジナル文書に基づき閲覧のみ可能な閲覧用データおよび印刷のみ可能な印刷用データを作成する作成手段と、前記オリジナル文書に保護属性が付加されていない場合は、該オリジナル文書を、該オリジナル文書へリンクされていることを明示的に示す第1の識別情報を用いて前記クライアントに表示する保護非対象文書として管理し、前記オリジナル文書に保護属性が付加されている場合は、該オリジナル文書を、該オリジナル文書に対する前記閲覧用データ若しくは前記印刷用データにリンクされていることを明示的に示す第3の識別情報を用いて前記クライアントに表示する保護対象文書として管理するとともに、前記作成手段で作成した前記閲覧用データおよび前記印刷用データを前記オリジナル文書に対応付けて管理する管理手段とを具備し、前記クライアントは、前記管理手段により前記オリジナル文書が前記保護非対象文書として管理されている場合は、該当オリジナル文書とリンクされていることを明示的に示す前記第1の識別情報を用い、前記保護対象文書として管理されている場合は、該当オリジナル文書とリンクされていないことを明示的に示す第2の識別情報を用いて前記オリジナル文書の表示を行うとともに、前記管理手段により前記保護対象文書に対応付けられて管理されている前記閲覧用データ若しくは前記印刷用データにリンクされていることを明示的に示す、前記第1の識別情報とは表示の態様が異なる前記第3の識別情報を前記第2の識別情報に対応して表示する表示手段
を具備する。
【0009】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記第1の識別情報および前記第2の識別情報は、前記オリジナル文書の文書名を含み、前記第3の識別情報は、該当オリジナル文書の閲覧若しくは印刷を選択するための情報である
【0010】
また、請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記第3の識別情報により前記オリジナル文書の閲覧が選択された場合は、前記文書蓄積サーバから該当オリジナル文書に対応する閲覧のみ可能な閲覧用データを取得し、該クライアントに取得した閲覧用データを表示し、前記オリジナル文書の印刷が選択された場合は、該クライアントに印刷指示画面を表示して、該印刷指示画面からの印刷指示に応じて前記文書蓄積サーバから該当オリジナル文書に対応する印刷用データをプリンタに送信することにより該オリジナル文書の印刷を行う
【0011】
また、請求項4の発明は、複数の文書を蓄積し、該蓄積した複数の文書をネットワークを経由して複数のクライアントで共有する文書蓄積サーバであって、前記文書蓄積サーバに蓄積されたオリジナル文書に基づき閲覧のみ可能な閲覧用データおよび印刷のみ可能な印刷用データを作成する作成手段と、前記オリジナル文書に保護属性が付加されていない場合は、該オリジナル文書を、該オリジナル文書へリンクされていることを明示的に示す第1の識別情報を用いて前記クライアントに表示する保護非対象文書として管理し、前記オリジナル文書に保護属性が付加されている場合は、該オリジナル文書を、該オリジナル文書に対する前記閲覧用データ若しくは前記印刷用データにリンクされていることを明示的に示す第3の識別情報を用いて前記クライアントに表示する保護対象文書として管理するとともに、前記作成手段で作成した前記閲覧用データおよび前記印刷用データを前記オリジナル文書に対応付けて管理する管理手段とを具備し、前記管理手段により前記オリジナル文書が前記保護非対象文書として管理されている場合は、該当オリジナル文書とリンクされていることを明示的に示す前記第1の識別情報を用い、前記保護対象文書として管理されている場合は、該当オリジナル文書とリンクされていないことを明示的に示す第2の識別情報を用いて前記クライアントにおける前記オリジナル文書の表示を行わせるとともに、前記管理手段により前記保護対象文書に対応付けられて管理されている前記閲覧用データ若しくは前記印刷用データにリンクされていることを明示的に示す、前記第1の識別情報とは表示の態様が異なる前記第3の識別情報を前記第2の識別情報に対応して表示させる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、この発明に係わる文書管理システムおよび文書蓄積サーバの実施の形態を添付図面を参照して詳細に説明する。
【0021】
図1は、この発明に係わる文書管理システムを概念的に説明するブロック図である。
【0022】
図1に示す文書管理システムにおいては、複数の文書を蓄積して管理する文書蓄積サーバ10、この文書蓄積サーバ10で蓄積管理されている情報を利用する閲覧者パーソナルコンピュータ(閲覧者PC)20−1、この文書蓄積サーバ10に対して文書を登録する登録者パーソナルコンピュータ(登録者PC)20−2、プリントサーバ30、プリンタ40を備えて構成される。
【0023】
ここで、閲覧者PC20−1および登録者PC20−2は、この文書管理システムのクライアントとなるもので、この閲覧者PC20−1は、文書蓄積サーバ10に蓄積管理されている各種情報の閲覧のみを可能にする端末である。また、、登録者PC20−2は文書蓄積サーバ10に対してオリジナル文書を登録するもので、この登録者PC20−2は文書蓄積サーバ10に登録されたオリジナル文書のオーナーとなるものである。
【0024】
なお、閲覧者PC20−1が登録者PCとなる場合もあり、また、逆に登録者PC20−2が閲覧者PCになる場合もある。
【0025】
また、プリントサーバ30は、
1)文書蓄積サーバ10にオリジナル文書に登録された際に、このオリジナル文書を文書蓄積サーバ10からダウンロードする
2)このオリジナル文書のダウンロードにより、このオリジナル文書を閲覧者PC20−1での閲覧のみを可能にする印刷不可の形式の閲覧用データおよびこの文書管理システムのプリンタ40でのみ印刷可能な印刷用データに変換する
3)上記閲覧用データおよび上記印刷用データを文書蓄積サーバ10へアップロードする
4)上記印刷用データをプリンタ40に出力するに際して、印刷用データにプリンタ40で出力されたハードコピーの複写を禁止する複写禁止情報であるウォータマーク(WM)情報を重畳する
5)上記印刷用データに、文書の利用者、文書名、プリンタ情報の可視化情報を不可する
等の機能を有する。
【0026】
ここで、オリジナル文書とは、登録者PC20−2において、各種文書作成アプリケーションで作成された文書である。
【0027】
また、閲覧用データおよび印刷用データは、この文書管理システムの文書蓄積サーバ10で採用される特有のアプリケーションで処理されるデータで、閲覧用データは、印刷禁止の属性が付与されたデータであり、印刷用データは、印刷禁止の属性が付与されていないデータである。
【0028】
また、ウォータマーク(WM)情報とは、プリンタ40から出力されたハードコピーの状態ではその内容が認識できないが、このハードコピーをコピー機等で複写するとその内容が可視情報として具現化される情報で、例えば、具現化される情報の文字図形等の部分とその他の部分とを大きさの異なるドット情報で表わし、しかもマクロ的に見たそれぞれのドットの占有率が等しくなるようにした情報から構成することができる。
【0029】
すなわち、このウォータマーク情報は、一般のコピー機が一定の大きさ以上のドットは認識するが、一定の大きさに満たないドットは認識できずにドロップアウトするという現象を利用して構成されるもので、例えば、このウォータマーク情報で表現しようとする文字図形等の部分を小さなドットで表現し、その他の部分を大きいドットで表現すると、このウォータマーク情報が重畳されてプリントアウトされたハードコピーはマクロ的には小さなドットの部分と大きなドットの部分とは濃度が同じであるので全体に薄く色が付くだけであるが、このハードコピーをコピー機等で複写すると、上記文字図形等の部分が白抜きで浮き上がってオリジナル文書をコピーしたものであることが一目で認識できるものである。
【0030】
なお、このウォータマーク情報で表現しようとする文字図形等の部分を大きなドットで表現し、その他の部分を小さなドットで表現した場合は、これをコピー機等で複写すると、上記文字図形等の部分が浮き上がり、この場合も、オリジナル文書をコピーしたものであることが一目で認識できる。
【0031】
ここで、ウォータマーク情報で表現される情報としては、文書の追跡情報、例えば、文書の利用者、文書名、プリンタ情報等を用いることができる。
【0032】
また、プリンタ40は、上記ウォータマーク情報が付加された印刷データに基づきプリントが可能なプリンタが用いられる。
【0033】
さて、図1に示した文書管理システムの概略動作を示すと以下のようになる。
【0034】
1)登録者PC20−2から文書蓄積サーバ10に対してオリジナル文書を登録する。この場合、文書蓄積サーバ10では、登録者PC20−2のユーザをこのオリジナル文書のオーナーとして管理する。
【0035】
2)文書蓄積サーバ10は、登録者PC20−2からオリジナル文書の登録をうけると、プリントサーバ30へ変換の指示を出し、指示を受けたプリントサーバ30は、オリジナル文書をダウンロードする。
【0036】
3)文書蓄積サーバ10は、プリントサーバ30へ変換の指示を出し、指示を受けたプリントサーバ30は、オリジナル文書をダウンロードする。
【0037】
プリントサーバ30は、文書蓄積サーバ10からオリジナル文書のダウンロードを受けると、このダウンロードされたオリジナル文書を閲覧用データと印刷用データとの2つのデータに変換し、この変換した閲覧用データおよび印刷用データを文書蓄積サーバ10ヘアップロードする。
【0038】
4)文書蓄積サーバ10は、プリントサーバ30から閲覧用データおよび印刷用データのアップロードを受けると、このアップロードされた閲覧用データおよび印刷用データを元のオリジナル文書に対応して蓄積管理する。
【0039】
5)閲覧者PC20−1が、文書蓄積サーバ10に蓄積管理されている文書の中の所望の文書の閲覧する場合は、文書蓄積サーバ10から閲覧者PC20−1の画面上に提供されるユーザインターフェース画面で所望の文書の閲覧を要求する。
【0040】
6)この閲覧者PC20−1からの所望の文書の閲覧要求は、文書蓄積サーバ10に伝えられ、文書蓄積サーバ10は、この閲覧要求に応答して、この閲覧要求に係る文書(オリジナル文書)に対応して蓄積管理されている閲覧用データを閲覧者PC20−1に転送する。
【0041】
7)閲覧者PC20−1は、文書蓄積サーバ10からこの閲覧用データの転送を受けると、この閲覧用データに基づきオリジナル文書の内容をその画面上で閲覧することができる。ただし、この閲覧用データには印刷禁止の属性情報が付加されているので、画面上で閲覧したオリジナル文書の内容をハードコピーとしてプリントアウトすることはできない。また、この閲覧用データに基づきオリジナル文書の内容の編集および追加等もできない。
【0042】
8)閲覧者PC20−1でこの閲覧したオリジナル文書の内容をプリントアウトしたい場合は、閲覧者PC20−1の画面上で印刷要求を入力し、この印刷要求を文書蓄積サーバ10に伝える。
【0043】
9)文書蓄積サーバ10は、閲覧者PC20−1からの印刷要求を受け取ると、この印刷要求に係るオリジナル文書に対応して蓄積管理されている印刷用データをプリントサーバ30に転送する。
【0044】
10)プリントサーバ30は、文書蓄積サーバ10から印刷用データの転送を受けると、この印刷用データに所定のウォータマーク情報を重畳してこれをプリンタ40へ転送する。このとき、プリンタ40へ転送される印刷データは、PDL(ページプリンタ用記述言語)+WM(ウォータマーク)の形式のデータが用いられる。
【0045】
11)プリンタ40は、上記PDL+WMからなる印刷データの転送を受けると、この印刷データに基づきオリジナル文書に対応する内容の文書をハードコピーとしてプリントアウトする。
【0046】
図2は、図1に示した文書管理システムにおけるプリントサーバ30の要部の詳細構成を示したブッロク図である。
【0047】
図2において、このプリントサーバ30は、文書蓄積サーバ10からオリジナル文書をダウンロードするオリジナル文書ダウンロード部31、オリジナル文書ダウンロード部31で文書蓄積サーバ10からダウンロードしたオリジナル文書に基づき閲覧用データを作成する閲覧用データ作成部32、オリジナル文書ダウンロード部31で文書蓄積サーバ10からダウンロードしたオリジナル文書に基づき印刷用データを作成する印刷用データ作成部33、閲覧用データ作成部32で作成した閲覧用データを文書蓄積サーバ10へアップロードする閲覧用データアップロード部34、印刷用データ作成部33で作成した印刷用データを文書蓄積サーバ10へアップロードする印刷用データアップロード部35、文書蓄積サーバ10から印刷用データをダウンロードする印刷用データダウンロード部36、印刷用データダウンロード部36で文書蓄積サーバ10からダウンロードした印刷用データにウォータマーク情報(WM)を付加するウォータマーク付加部37、ウォータマーク付加部37でウォータマーク情報が付加された印刷用データをPDL+WMからなる印刷データとしてプリンタ40へ転送する印刷用データ転送部38を具備して構成される。
【0048】
次に、図3乃至図5を参照して、図1に示した文書管理システムの全体構成およびオリジナル文書の登録処理、オリジナル文書の閲覧処理、オリジナル文書の印刷処理のそれぞれについて詳細に説明する。
【0049】
図3は、図1に示した文書管理システムの全体構成およびオリジナル文書の登録処理について説明するブロック図である。なお、図3乃至5において図1に示した構成と同一の機能を果たす部分は説明の便宜上図1で用いた符号と同一の符号を付する。
【0050】
さて、図3に示す文書管理システムは、文書蓄積サーバ10、閲覧者PC20−1、登録者PC20−1、プリントサーバ30、プリンタ40をインタネット、イントラネット等のネットワーク50を経由して相互に接続されて構成されている。
【0051】
ここで、図3には、登録者PC20−1から文書蓄積サーバ10にオリジナル文書を登録する場合のオリジナル文書登録処理におけるデータの流れを示している。
【0052】
登録者PC20−1からオリジナル文書を文書蓄積サーバ10に登録する場合は、このオリジナル文書を登録者PC20−1からネットワーク50を経由して文書蓄積サーバ10ヘ送信する(ステップ300−1)。
【0053】
文書蓄積サーバ10は、登録者PC20−1から登録するオリジナル文書を受信すると、このオリジナル文書をネットワーク50を経由してプリントサーバ30へダウンロードする(ステップ300−2)。
【0054】
プリントサーバ30は、文書蓄積サーバ10からこのオリジナル文書のダウンロードを受けると、このダウンロードされたオリジナル文書に基づき閲覧用データおよび印刷用データを作成する。この閲覧用データおよび印刷用データの作成は、図2に示したプリントサーバ30の閲覧用データ作成部32および印刷用データ作成部33で行われる。
【0055】
プリントサーバ30は、閲覧用データ作成部32および印刷用データ作成部33で閲覧用データおよび印刷用データの作成が終了すると、この作成した閲覧用データおよび印刷用データをネットワーク50を経由して文書蓄積サーバ10へアップロードする(ステップ300−3、300−4)。
【0056】
そして、文書蓄積サーバ10では、プリントサーバ30からアップロードされた閲覧用データおよび印刷用データを元のオリジナル文書に対応して蓄積し、これにより上記オリジナル文書登録処理は終了する。
【0057】
なお、この登録されたオリジナル文書およびそれに対応する閲覧用データおよび印刷用データは、文書蓄積サーバ10において登録者PCをこの文書のオーナーとして管理する。
【0058】
図4は、図3に示した文書管理システムにおいて、閲覧者PC20−1が文書蓄積サーバ10に蓄積されたオリジナル文書を閲覧する場合の閲覧処理について説明するブロック図である。
【0059】
図4においては、閲覧者PC20−1が文書蓄積サーバ10に蓄積されたオリジナル文書を閲覧する場合のオリジナル文書閲覧処理におけるデータの流れを示している。
【0060】
閲覧者PC20−1が文書蓄積サーバ10に蓄積された所望のオリジナル文書を閲覧する場合は、閲覧者PC20−1から文書蓄積サーバ10ヘネットワーク50を経由してこの所望のオリジナル文書を指定した閲覧要求を送信する(ステップ400−1)。
【0061】
文書蓄積サーバ10は、閲覧者PC20−1からこの閲覧要求を受信すると、指定されたオリジナル文書を検索し、この検索したオリジナル文書に対応して蓄積されている閲覧用データをネットワーク50を経由して閲覧者PC20−1ヘ送信する(ステップ400−2)。
【0062】
このような構成によると、閲覧者PC20−1では、閲覧を所望するオリジナル文書に対応する閲覧用データのみしかダウンロードできないので、この閲覧用データによりオリジナル文書の閲覧はできるが、オリジナル文書に対する編集、追加等の処理は不可能になる。
【0063】
図5は、図3に示した文書管理システムにおいて、閲覧者PC20−1が文書蓄積サーバ10に蓄積されたオリジナル文書の印刷を要求する場合の印刷処理について説明するブロック図である。
【0064】
図5においては、閲覧者PC20−1が文書蓄積サーバ10に蓄積されたオリジナル文書の印刷を要求する場合のオリジナル文書印刷処理におけるデータの流れを示している。
【0065】
閲覧者PC20−1が文書蓄積サーバ10に蓄積された所望のオリジナル文書の印刷を所望する場合は、閲覧者PC20−1から文書蓄積サーバ10ヘネットワーク50を経由してこの所望のオリジナル文書を指定した印刷要求を送信する(ステップ500−1)。
【0066】
文書蓄積サーバ10は、閲覧者PC20−1からこの印刷要求を受信すると、指定されたオリジナル文書を検索し、この検索したオリジナル文書に対応して蓄積されている印刷用データをネットワーク50を経由してプリントサーバ30ヘ転送する(ステップ500−2)。
【0067】
そして、プリントサーバ30は、文書蓄積サーバ10からこの印刷用データの転送を受けると、この印刷用データにウォータマーク情報(WM)を重畳して、PDL+WMからなる印刷データとしてプリンタ40へ転送する(ステップ500−3)。ここで、ウォータマーク情報(WM)の重畳およびPDL+WMからなる印刷データの転送は、図2に示したウォータマーク付加部37および印刷用データ転送部38により行われる。
【0068】
これにより、プリンタ40では、ウォータマーク情報(WM)が付加されたオリジナル文書の内容がプリントアウトされる。
【0069】
このような構成によると、印刷を所望するオリジナル文書に対応する印刷用データは閲覧者PC20−1を全く経由しないので、オリジナル文書が閲覧者PC20−1で無制限に印刷され、保護文書が大量に流出してしまう虞を確実に防止することができる。
【0070】
図6は、図3に示した文書管理システムにおける文書蓄積サーバ10の処理を示すフローチャートである。
【0071】
図6において、まず、登録者PC20−2からのオリジナル文書の登録かを調べる(ステップ601)。ここで、オリジナル文書の登録でない場合は(ステップ601でNO)、ステップ601へ戻り、オリジナル文書の登録を待つが、オリジナル文書の登録の場合は、この登録されるオリジナル文書をプリントサーバ30へダウンロードする(ステップ602)。
【0072】
次に、プリントサーバ30から閲覧用データおよび印刷用データがアップロードされたかを調べ(ステップ603)、アップロードされていない場合は(ステップ603でNO)、プリントサーバ30から閲覧用データおよび印刷用データがアップロードされるのを待つが、プリントサーバ30から閲覧用データおよび印刷用データがアップロードされると(ステップ603でYES)、このアップロードされた閲覧用データおよび印刷用データを登録対象の元のオリジナル文書とともに蓄積してこのオリジナル文書の登録を行う(ステップ604)。
【0073】
次に、閲覧者PC20−1から閲覧要求があるかを調べる(ステップ605)。そして、閲覧者PC20−1から閲覧要求がある場合は(ステップ605でYES)、閲覧要求のあるオリジナル文書に対応して蓄積されている閲覧データを閲覧者PC20−1に転送し(ステップ606)、この文書蓄積サーバ10の処理を終了する。
【0074】
また、ステップ605で、閲覧要求でないと判断された場合は(ステップ605でNO)、次に、閲覧者PC20−1から印刷要求があるかを調べる(ステップ607)。ここで、閲覧者PC20−1から閲覧要求がない場合は(ステップ607でNO)、ステップ605に戻るが、閲覧者PC20−1から印刷要求がある場合は(ステップ607でYES)、印刷要求のあるオリジナル文書に対応して蓄積されている印刷データをプリントサーバ30へ転送し(ステップ608)、この文書蓄積サーバ10の処理を終了する。
【0075】
図7は、図3に示した文書管理システムにおけるプリントサーバ30の処理を示すフローチャートである。
【0076】
図7において、まず、文書蓄積サーバ10からのオリジナル文書のダウンロードかを調べる(ステップ701)。ここで、オリジナル文書のダウンロードでない場合は(ステップ701でNO)、ステップ701へ戻り、オリジナル文書のダウンロードを待つが、文書蓄積サーバ10からのオリジナル文書のダウンロードである場合は(ステップ701でYES)、このダウンロードしたオリジナル文書に基づき、閲覧用データおよび印刷用データを作成し(ステップ702)、この作成した閲覧用データおよび印刷用データを文書蓄積サーバ10へアップロードする(ステップ703)。
【0077】
次に、文書蓄積サーバ10から印刷用データが転送されたかを調べる(ステップ704)。ここで、文書蓄積サーバ10から印刷用データが転送されていない場合は(ステップ704でNO)、ステップ701へ戻る。
【0078】
また、ステップ704で、文書蓄積サーバ10から印刷用データが転送されと判断された場合は(ステップ704でYES)、この転送された印刷用データにウォータマーク情報(WM)を重畳し(ステップ705)、このウォータマーク情報(WM)が重畳された印刷用データをプリンタ40へ転送して(ステップ706)、このプリントサーバ30の処理を終了する。
【0079】
次に、図8乃至図10を参照して、この文書管理システムにおける閲覧者PC20−1のユーザインターフェースについて説明する。
【0080】
この文書管理システムの閲覧者PC20−1における利用画面および文書蓄積サーバの蓄積データとのリンク関係を示す図である。
【0081】
図8に示すこの文書管理システムの利用画面800においては、この文書管理システムの文書蓄積サーバ10に蓄積されたオリジナル文書の文書名の一覧が表示されている。
【0082】
さて、この実施の形態の文書管理システムにおいては、登録者PC20−2から文書蓄積サーバ10へのオリジナル文書の登録に際して、このオリジナル文書の編集および印刷に制限を付して登録する場合は、「保護」という特別のメニュー項目を使用して登録するように構成されており、この「保護」という特別のメニュー項目を使用して登録されたオリジナル文書は、閲覧者PC20−1では、閲覧のみが可能で、印刷についても所定の条件下でのみ可能なように構成されている。
【0083】
ここで、図8に示した文書名の一覧において、下線が付された文書名「AAAAAAAA」から「CCCCCCCC」および「EEEEEEEE」、「FFFFFFFF」の文書は、「保護」という特別のメニュー項目を使用せずに登録された一般のオリジナル文書を示し、この下線が付された文書名は、文書蓄積サーバ10に蓄積されたオリジナル文書にリンクされている。
また、文書名に下線が付されていない文書名「DDDDDDDD」の文書は、「保護」という特別のメニュー項目を使用して登録されたオリジナル文書を示し、この下線が付されていない文書名は、文書蓄積サーバ10に蓄積されたオリジナル文書にリンクされていない。
【0084】
そして、この実施の形態において、文書名に下線が付されたオリジナル文書は、閲覧者PC20−1においても、編集および印刷が可能であるが、文書名に下線が付されていないオリジナル文書は閲覧のみが可能で、印刷についても所定の条件下でのみ可能なように構成されている。
【0085】
すなわち、図8の画面800において、文書名に下線が付されたオリジナル文書、例えば、文書名「AAAAAAAA」のオリジナル文書は、この文書名をマウスのクリックで選択することによりこの文書名「AAAAAAAA」にリンクされた文書蓄積サーバ10に蓄積されたオリジナル文書を閲覧者PC20−1の画面上で開くことができ、これによりこのオリジナル文書の編集および印刷は可能である。
【0086】
これに対して、文書名に下線が付されていない文書、すなわち、文書名「DDDDDDDD」の文書は、この文書名をマウスのクリックで選択しても、文書蓄積サーバ10に蓄積されたオリジナル文書にリンクされていないので、この文書名「DDDDDDDD」の文書を閲覧者PC20−1の画面上で開くことはできない。したがって、このオリジナル文書の編集は不可であり、また、印刷もできない。
【0087】
ところで、この実施の形態においては、「保護」という特別のメニュー項目を使用して登録されたオリジナル文書の閲覧のみを可能にするために、このオリジナル文書の文書名、この場合は、文書名に下線が付されていない文書名「DDDDDDDD」の文書に対応して、文書蓄積サーバ10の閲覧用データにリンクされ、文書蓄積サーバ10に対して閲覧要求を出すためのアイコン800−1が表示されており、また、このオリジナル文書を所定の条件下でのみ印刷を可能にするために、この文書名「DDDDDDDD」の文書に対応して、文書蓄積サーバ10の印刷用データにリンクされ、文書蓄積サーバ10に対して印刷要求を出すためのアイコン800−2が表示されている。
【0088】
図9は、図8に示した画面800において、文書蓄積サーバ10に対して閲覧要求を出すためのアイコン800−1をマウスのクリックで選択した場合に閲覧者PC20−1に表示される画面900を示す図である。
【0089】
図8に示した画面800においてアイコン800−1をマウスのクリックで選択すると、文書名「DDDDDDDD」のオリジナル文書を指定した閲覧要求が文書蓄積サーバ10に送られ、これにより閲覧者PC20−1には、文書名「DDDDDDDD」のオリジナル文書に対応して蓄積されている閲覧用データがダウンロードされる。
【0090】
図9に示す画面900には、この閲覧用データに基づき表示される文書名「DDDDDDDD」のオリジナル文書の内容が表示されている。そして、この画面900においては、印刷を指示する印刷ボタン900−1がグレイ表示されており、このグレイ表示された印刷ボタン900−1をマウスでクリックしても、この画面900に表示された文書を印刷することはできない。
【0091】
すなわち、画面800のアイコン800−1をクリックしてオリジナル文書の内容を表示した場合は、このオリジナル文書の内容の閲覧はできるが、これを印刷することはできない。
【0092】
図10は、図8に示した画面800において、文書蓄積サーバ10に対して印刷要求を出すためのアイコン800−2をマウスのクリックで選択した場合に閲覧者PC20−1に表示される印刷設定画面1000を示す図である。
【0093】
すなわち、図8に示した画面800においてアイコン800−2をマウスのクリックで選択すると、閲覧者PC20−1には、この文書名「DDDDDDDD」のオリジナル文書の印刷設定を行うための印刷設定画面1000が表示される。
【0094】
ここで、この印刷設定画面1000で「印刷部数」、「両面印刷」、「Nアップ」の各項目が設定できるが、プリントアウト先のプリンタはウォータマーク情報(WM)の印刷可能なプリンタ「WaterMark」のみが選択可能になっている。
【0095】
この印刷設定により、この文書名「DDDDDDDD」のオリジナル文書を指定した印刷要求が文書蓄積サーバ10に送られ、これにより、文書蓄積サーバ10は、この文書名「DDDDDDDD」のオリジナル文書に対応して蓄積されている印刷用データをプリントサーバ30に転送し、プリントサーバ30は、この印刷データにウォータマーク情報(WM)を重畳して、PDL+WMからなる印刷データとしてプリンタ40へ転送することになる。
【0096】
この場合、文書名「DDDDDDDD」のオリジナル文書は、閲覧者PC20−1では全くダウンロードすることはできない。
【0097】
なお、上記実施の形態においては、「保護」という特別のメニュー項目を使用して登録されたオリジナル文書に対して、図8に示したように画面800上に表示された文書名とのリンクを外すように構成したが、該オリジナル文書の閲覧者と該オリジナル文書の登録者とが異なるオリジナル文書に対して、図8に示した画面800上に表示された文書名とのリンクを外すように構成してもよい。
【0098】
【発明の効果】
以上説明したようにこの発明によれば、クライアントは、オリジナル文書にリンクされているか否かに係らず、文書蓄積サーバに蓄積されているオリジナル文書の文書名等の識別情報の一覧を知ることができ、これにより文書蓄積サーバに蓄積されている共有オリジナル文書の有効利用が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係わる文書管理システムを概念的に説明するブロック図である。
【図2】 図1に示した文書管理システムにおけるプリントサーバの要部の詳細構成を示したブッロク図である。
【図3】 図1に示した文書管理システムの全体構成およびオリジナル文書の登録処理について説明するブロック図である。
【図4】 図3に示した文書管理システムにおいて、閲覧者PCが文書蓄積サーバに蓄積されたオリジナル文書を閲覧する場合の閲覧処理について説明するブロック図である。
【図5】 図3に示した文書管理システムにおいて、閲覧者PCが文書蓄積サーバに蓄積されたオリジナル文書の印刷を要求する場合の印刷処理について説明するブロック図である。
【図6】 図3に示した文書管理システムにおける文書蓄積サーバの処理を示すフローチャートである。
【図7】 図3に示した文書管理システムにおけるプリントサーバの処理を示すフローチャートである。
【図8】 この文書管理システムの閲覧者PC20−1における利用画面および文書蓄積サーバの蓄積データとのリンク関係を示す図である。
【図9】 図8に示した画面において、文書蓄積サーバに対して閲覧要求を出すためのアイコンをクリックした場合に表示される画面を示す図である。
【図10】 図8に示した画面において、文書蓄積サーバに対して印刷要求を出すためのアイコンをクリックした場合に表示される印刷設定画面を示す図である。
【符号の説明】
10 文書蓄積サーバ
20−1 閲覧者PC
20−2 登録者PC
30 プリントサーバ
31 オリジナル文書ダウンロード部
32 閲覧用データ作成部
33 印刷用データ作成部
34 閲覧用データアップロード部
35 印刷用データアップロード部
36 印刷用データダウンロード部
37 ウォータマーク付加部
38 印刷用データ転送部
40 プリンタ
50 ネットワーク

Claims (4)

  1. 複数の文書を文書蓄積サーバに蓄積し、該文書蓄積サーバに蓄積した複数の文書をネットワークを経由して複数のクライアントで共有する文書管理システムであって、
    前記文書蓄積サーバは、
    前記文書蓄積サーバに蓄積されたオリジナル文書に基づき閲覧のみ可能な閲覧用データおよび印刷のみ可能な印刷用データを作成する作成手段と、
    前記オリジナル文書に保護属性が付加されていない場合は、該オリジナル文書を、該オリジナル文書へリンクされていることを明示的に示す第1の識別情報を用いて前記クライアントに表示する保護非対象文書として管理し、前記オリジナル文書に保護属性が付加されている場合は、該オリジナル文書を、該オリジナル文書に対する前記閲覧用データ若しくは前記印刷用データにリンクされていることを明示的に示す第3の識別情報を用いて前記クライアントに表示する保護対象文書として管理するとともに、前記作成手段で作成した前記閲覧用データおよび前記印刷用データを前記オリジナル文書に対応付けて管理する管理手段と
    を具備し、
    前記クライアントは、
    前記管理手段により前記オリジナル文書が前記保護非対象文書として管理されている場合は、該当オリジナル文書とリンクされていることを明示的に示す前記第1の識別情報を用い、前記保護対象文書として管理されている場合は、該当オリジナル文書とリンクされていないことを明示的に示す第2の識別情報を用いて前記オリジナル文書の表示を行うとともに、前記管理手段により前記保護対象文書に対応付けられて管理されている前記閲覧用データ若しくは前記印刷用データにリンクされていることを明示的に示す、前記第1の識別情報とは表示の態様が異なる前記第3の識別情報を前記第2の識別情報に対応して表示する表示手段
    を具備する文書管理システム。
  2. 前記第1の識別情報および前記第2の識別情報は、
    前記オリジナル文書の文書名を含み、
    前記第3の識別情報は、
    該当オリジナル文書の閲覧若しくは印刷を選択するための情報である請求項1記載の文書管理システム。
  3. 前記第3の識別情報により前記オリジナル文書の閲覧が選択された場合は、前記文書蓄積サーバから該当オリジナル文書に対応する閲覧のみ可能な閲覧用データを取得し、該クライアントに取得した閲覧用データを表示し、前記オリジナル文書の印刷が選択された場合は、該クライアントに印刷指示画面を表示して、該印刷指示画面からの印刷指示に応じて前記文書蓄積サーバから該当オリジナル文書に対応する印刷用データをプリンタに送信することにより該オリジナル文書の印刷を行う請求項2記載の文書管理システム。
  4. 複数の文書を蓄積し、該蓄積した複数の文書をネットワークを経由して複数のクライアントで共有する文書蓄積サーバであって、
    前記文書蓄積サーバに蓄積されたオリジナル文書に基づき閲覧のみ可能な閲覧用データおよび印刷のみ可能な印刷用データを作成する作成手段と、
    前記オリジナル文書に保護属性が付加されていない場合は、該オリジナル文書を、該オリジナル文書へリンクされていることを明示的に示す第1の識別情報を用いて前記クライアントに表示する保護非対象文書として管理し、前記オリジナル文書に保護属性が付加されている場合は、該オリジナル文書を、該オリジナル文書に対する前記閲覧用データ若しくは前記印刷用データにリンクされていることを明示的に示す第3の識別情報を用いて前記クライアントに表示する保護対象文書として管理するとともに、前記作成手段で作成した前記閲覧用データおよび前記印刷用データを前記オリジナル文書に対応付けて管理する管理手段と
    を具備し、
    前記管理手段により前記オリジナル文書が前記保護非対象文書として管理されている場合は、該当オリジナル文書とリンクされていることを明示的に示す前記第1の識別情報を用い、前記保護対象文書として管理されている場合は、該当オリジナル文書とリンクされていないことを明示的に示す第2の識別情報を用いて前記クライアントにおける前記オリジナル文書の表示を行わせるとともに、前記管理手段により前記保護対象文書に対応付けられて管理されている前記閲覧用データ若しくは前記印刷用データにリンクされていることを明示的に示す、前記第1の識別情報とは表示の態様が異なる前記第3の識別情報を前記第2の識別情報に対応して表示させる文書蓄積サーバ。
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