JP4164887B2 - 高屈曲フラットケーブル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高密度実装が可能な高屈曲フラットケーブルに関するものである。 より詳細には、本発明は、特定の物性を有する特定の銅合金からなる平角導体を用いることにより、高密度実装が可能な高屈曲フラットケーブルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子技術の進歩により、電子機器の小型化が進み、この電子機器等に使用される配線材として配線スペースの点で有利なフラットケーブルが使用されており、またフラットケーブルは屈曲特性が良いためCD−ROMの読み取りヘッド部と回線基板の接続等の可動部の配線に使用されている。
従来、この電子機器に使用されていたフラットケーブルはポリエチレンテレフタレートフィルムとポリエステル繊維からなる絶縁体の間に軟銅導体を挟んだ構造となっていた。
【0003】
配線の密度を高めるためには導体の幅を小さくする必要があり、現在は高密度化への要求から0.3mmのものが製造されている。
一方、高屈曲特性の観点から見ると、導体厚みが薄い方が有利であるが、現在使用されてるものは厚み0.035mm以上である。
しかし、機器の小型化による省配線スペース化が進んでいるため、従来より小さい配線スペースで従来と同様な屈曲特性を持つものが必要とされている。フラットケーブルの屈曲特性を向上させる手段として、1)絶縁体の厚みを薄くする、2)弾性率の大きな接着剤を使用する、3)導体を薄くする等がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
絶縁体の厚みを薄くするとか弾性率の大きな接着剤を使用すると言う方法でフラットケーブルの屈曲特性を或る程度向上させることが可能であったが、必要とされているほどの屈曲特性は得られていなかった。
また、導体を薄くする方法は、上記2つの方法に比べて有効であると考えられるが、導体厚みを現状より薄くすることで導体断面積を小さくすると、フラットケーブル作製時に導体にかかる張力で導体が断線すると言う問題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を種々検討した結果、伸び7%以上、抗張力35kgf/mm2 以上の特定の物性を有し、且つ特定の銅合金からなる材質の平角導体を使用することにより、これらの課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は:
(1)テープ状絶縁体で、平角導体を挟んだ構造のフラットケーブルであって、伸び7%以上、抗張力35kgf/mm2 以上である材質の平角導体を使用し、且つ上記導体が質量基準でNiを0.4%以上4%以下、Siを0.1%以上1.0%以下、銅を少なくとも95%含む銅−ニッケル−珪素系銅合金であることを特徴とするフラットケーブル。
(2)上記銅合金として、伸び7%以上、抗張力35kgf/mm2 以上の特性に予め加工度を調整したものを使用する点にも特徴を有する。また、
(3)上記銅合金として、銀でメッキしたものを用いる点にも特徴を有する。
【0006】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、伸び7%以上、抗張力35kgf/mm2 以上である特性を有し、且つ質量基準でNiを0.4%以上4%以下、Siを0.1%以上1.0%以下、銅を少なくとも95%含む銅−ニッケル−珪素系銅合金からなる材質の平角導体を使用する、テープ状絶縁体で平角導体を挟んだ構造のフラットケーブルに関する。
即ち、本発明の平角導体に使用する金属導体としては、伸び7%以上、抗張力35kgf/mm2 以上の物性を有し、且つ質量基準でNiを0.4%以上4%以下、好ましくは0.5%以上3.5%以下;Siを0.1%以上1.0%以下、好ましくは0.2%以上0.9%以下、銅を少なくとも95.0%、好ましくは95.6%以上99.3%以下を含む銅−ニッケル−珪素系銅合金を導体として用いることが良い。
【0007】
また、この場合、特定の銅合金に所定の物性を与えることができるならNi、Si以外に他の金属例えばZn、Mn等を微量含有していても良い。
このような平角金属導体を用いることで、導体の厚さを0.015mm程度に薄くすることが可能になり、且つ摺動半径2.5mmで300万回以上、好ましくは500万回以上摺動させても断線が発生しない効果を有することが分かった。
このような特定の銅合金は抗張力35kgf/mm2 以上、伸び7%以上となるような加工度に予め調整されていると良い。この調整には、アニール処理、例えば200℃以上で1時間、好ましくは250〜450℃で1時間熱処理する等の加工手段により容易に行うことができる。
【0008】
ここで、上記銅合金の抗張力が35kgf/mm2 未満の導体では、電線作製時に導体を整列させるために必要な張力に耐えられないため使用できない。
また、上記銅合金の伸びが7%未満の場合、フラットケーブルの屈曲特性が悪くなり、
摺動半径2.5mmで500万回以上の屈曲特性は得られない。
上記銅合金の抗張力、伸びは、夫々好ましくは40kgf/mm2 、10%である。該銅合金の抗張力、伸びの上限は特に制限されないが、電線作製時に導体を整列させるためには38kgf/mm2 程度の抗張力があれば十分であり、また、摺動半径2.5mmで500万回以上の屈曲特性を得るためには7%程度の伸びを有すれば、十分である。
【0009】
平角導体の厚みは、上記特定の銅合金を使用したために、極めて薄くできるが、通常0.000mm〜0.012mm、好ましくは0.018mm〜0.012mmと薄くて用い得る。
この平角導体に使用する特定の銅合金のような銅合金は、そのままでも使用できるが、予めメッキ、例えば銀のような耐腐食性金属メッキを施こすと、熱処理によって導体の加工度を調整することが容易となり、耐腐食性、コネクタ嵌合性の優れた製品となる。
ここで、メッキの材質としてスズを用いると、加工度調整の際のアニールでメッキが酸化してしまうために適当でない。
平角導体を絶縁するのに使用する絶縁体の材質としては、フラットケーブル全体の絶縁性を確保できれば特に制限されないが、十分な強度を有するフラットケーブルを得るには、絶縁体としてPET/ポリエステル、ポリイミド/ポリウレタン等の2層構造からなるプラスチック(フィルム)を用いれば良く、絶縁体の厚みは20〜40μm、好ましくは25〜35μmで良い。
【0010】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的により説明するが、これらは本発明の範囲を制限するものでない。
なお、抗張力、伸びについての値は、厚み0.015mm、幅0.3mmの平角導体を引張試験機で測定して得られる値である。
また、摺動試験は、屈曲部の半径が2.5mmになるようにU字に曲げた状態で摺動距離25mmで行う摺動回数により耐屈曲性を表したものである。
(実施例1)
抗張力35kgf/mm2 、伸び7%である厚み0.3mm、幅0.3mmの質量基準でCu97.0%、Ni2.4%、Si0.6%を含む銅合金製テープを厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフィルムと厚み20μmのポリエステル樹脂(ケミットR−248 東レ製)からなる絶縁体で挟んで130℃で熱圧溶融するラミネートで一体化してフラットケーブルを得た。
得られたフラットケーブルは優れた屈曲特性を示し、半径2.5mmの摺動試験で500万回以上でも導体の断線は発生しなかった。
【0011】
(実施例2)
抗張力35kgf/mm2 、伸び7%である厚み0.015mm、幅0.3mmの質量基準でCu97.0%、Ni2.4%、Si0.6%を含む銅合金製テープに電気メッキ法に従って0.7μmの厚みに銀メッキを行った導体を厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフィルムと厚み20μmのポリエステル樹脂(ケミットR−248 東レ製)からなる絶縁体で挟んで130℃で熱圧溶融するラミネートで一体化してフラットケーブルを得た。
得られたフラットケーブルは実施例1と同様に優れた屈曲特性を示し、半径2.5mmの摺動試験で500万回以上でも導体の断線は発生しなかったが、且つ導体の耐腐食性、コネクタ嵌合性が向上した。
【0012】
(比較例1)
厚さ0.035mmの軟銅製導体を実施例1で使用したポリエチレンテレフタレートフィルムとポリエステル樹脂からなる絶縁体で挟んで実施例1と同様にラミネートで一体化
してフラットケーブルを得たが、半径2.5mmの摺動試験で3万回以上で導体が断線してしまった。
【0013】
(比較例2)
実施例1において、抗張力28kgf/mm2 、伸び7%の軟銅製導体を用いようとしたが、ラミネート時に断線してフラットケーブルを作製することが不可能であった。
(比較例3)
実施例1において、抗張力46kgf/mm2 、伸び2%の硬銅製導体を用いたものであるが、半径2.5mmの摺動試験で50万回で導体が断線してしまった。
【0014】
(比較例4)
実施例1において、抗張力35kgf/mm2 、伸び4%の導体を使用したものであるが、半径2.5mmの摺動試験で80万回で導体が断線してしまった。 (比較例5)
実施例1に従う質量基準でCu97.0%、Ni2.4%、Si0.6%を含む銅合金製テープに、実施例2と同様の手法でスズメッキを行い、加工度を調整するためにアニール処理を施すと、メッキが酸化してしまったので、スズメッキは適しないことが分かる。
【0015】
【発明の効果】
以上の通り、本発明によると、特定の抗張力と伸びを有する特定の銅合金からなる材質の平角導体を用いることにより、高屈曲特性を有したフラットケーブルを得ることができた。
Claims (3)
- テープ状絶縁体で、平角導体を挟んだ構造のフラットケーブルであって、伸び7%以上、抗張力35kgf/mm2 以上である材質の平角導体を使用し、且つ上記導体が質量基準でNiを0.4%以上4%以下、Siを0.1%以上1.0%以下、銅を少なくとも95%含む銅−ニッケル−珪素系銅合金であることを特徴とするフラットケーブル。
- 上記銅合金として、伸び7%以上、抗張力35kgf/mm2 以上の特性に予め加工度を調整したものを使用することを特徴とする、請求項1記載のフラットケーブル。
- 上記銅合金として、銀でメッキしたものを用いることを特徴とする、請求項1又は2記載のフラットケーブル。
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