JP4164633B2 - ピロール化合物 - Google Patents
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- 0 CCC(C1C)c2ccccc2-c2c1ccc(C=C(C(C1N*11)=O)C(C(OCC)=O)=C1c1ccccc1)c2 Chemical compound CCC(C1C)c2ccccc2-c2c1ccc(C=C(C(C1N*11)=O)C(C(OCC)=O)=C1c1ccccc1)c2 0.000 description 4
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は分子内にピロール骨格を有する新規な化合物に関するものである。本発明の化合物は可視・近赤外領域の光を吸収する色素であり、繊維用染料、プラスチック着色材、光記録用色素、カラーフィルター用色素、熱転写記録用色素、光増感色素、光熱変換色素等として利用可能なものである。
【0002】
【従来の技術】
可視領域から近赤外領域に吸収をもつ有機色素の代表的なものとして、ジフェニルメタン系色素、トリフェニルメタン系色素、シアニン色素などのカチオン染料系の化合物が知られている。これらの色素の多くは吸光係数が高く、色調が鮮明であるという長所をもつが、一方で耐光性等の保存安定性が悪いという欠点があった。またこれらの色素の多くは、水溶性は高いが有機溶剤への溶解度は低いので、適用可能な用途が限定され、また有機溶剤を用いた精製が難しいため、電子材料や感光材料等、高純度が要求される材料としては利用しにくいという問題もあった。これに対し、上記カチオン系色素と類似のπ電子共役系を持ち、かつ有機溶剤への溶解性が比較的高いタイプの色素としてメロシアニン色素類が知られている。これらは電荷を中和するためのカウンターイオンを外部に持たず、分子内で電荷が中和されているため、有機溶剤との親和性は比較的高いが十分ではなく、吸光係数も分極の大きなシアニン色素類と比べると小さいことが多く、またシアニン色素と同様、安定性、耐久性に乏しいという欠点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記色素が有する有機溶剤への難溶性や耐久性の低さといった課題を解決する有力な手段を与えるものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の化合物は、分子内にピロール骨格を有し、その部分が分子内の他の部分とともにπ電子共役系を形成することを特徴とする。ピロール骨格とその周辺部に陰電荷が分布するので、カウンターアニオンを持たなくても分子内で電荷が中和される。したがって有機溶剤に対する溶解度が良好で、有機溶剤を用いた精製操作すなわち再結晶やカラムクロマトグラフィ等による精製も容易である。またメロシアニン色素の多くがそうであるように酸素原子の部分に陰電荷が局在するということもないので、分子の安定性が高く耐光性も良好である。本発明の化合物はまた上記のような特色を生かして、カウンターイオンなしで中性分子として単離することもできるが、必要に応じて酸性物質や塩基性物質と塩を形成させて単離することも可能であり、用途に応じた柔軟な利用形態をとることができる。
【0005】
また本発明の化合物の中には、溶媒やpH等、色素が置かれた環境によって色相が変わるものがあり、ソルバトクロミズム、サーモクロミズム、エレクトロクロミズム等の機能をもつ色素として利用することができる。本発明の化合物の中には、逆にそういった環境によって変化しない安定な色相のものもあり、このような点に関しても用途に合わせた幅広い選択が可能である。
【0006】
請求項1に係る発明は、下記一般式(1)で表されるピロール化合物である。
【化11】
[式中、Xはアルコキシカルボニル基、シアノ基、カルボキシル基のいずれかを表す。Yは置換または非置換のアルキル基、置換または非置換のアリール基、置換または非置換のピリジル基のいずれかを表す。Zはハロゲン原子、置換または非置換のアリールオキシ基、置換または非置換のアルキルチオ基、置換または非置換のアリールチオ基、置換または非置換のピリジルチオ基、置換または非置換のチアゾリルチオ基、置換または非置換のイミダゾリルチオ基、置換または非置換のトリアゾリルチオ基、置換または非置換のテトラゾリルチオ基、置換または非置換のキノリルチオ基、置換または非置換のベンゾチアゾリルチオ基、置換または非置換のベンゾキサゾリルチオ基、置換または非置換のベンゾイミダゾリルチオ基のいずれかを表す。Q1、Q2は、双方が互いに独立に下記一般式(1−2)〜(1−5)のいずれかで表される置換基を表すか、または一方のみが下記一般式(1−2)〜(1−5)のいずれかで表される置換基であり、他方は、水素原子、置換または非置換のアリール基、1位及び2位がアルキル基またはアリール基によって置換された3−インドリル基のいずれかを表す]
【化13】
[L11〜L12は互いに独立にアルキル基、置換または非置換のアリール基のいずれかを表す]
【化14】
[Q3、Q4は互いに独立に、水素原子、置換または非置換のアリール基、1位及び2位がアルキル基またはアリール基によって置換された3−インドリル基のいずれかを表す。Q3、Q4は同時に水素原子にはならないものとする。nは0〜2の整数を表す]
【化15】
[L21はアルキル基を表す]
【化16】
[L31はアルキル基を表す]
【0007】
また、請求項2に係る発明は、下記一般式(3)で表されるピロール化合物である。
【化18】
[式中、Xはアルコキシカルボニル基、シアノ基、カルボキシル基のいずれかを表す。Yは置換または非置換のアルキル基、置換または非置換のアリール基、置換または非置換のピリジル基のいずれかを表す。Zはハロゲン原子、置換または非置換のアリールオキシ基、置換または非置換のアルキルチオ基、置換または非置換のアリールチオ基、置換または非置換のピリジルチオ基、置換または非置換のチアゾリルチオ基、置換または非置換のイミダゾリルチオ基、置換または非置換のトリアゾリルチオ基、置換または非置換のテトラゾリルチオ基、置換または非置換のキノリルチオ基、置換または非置換のベンゾチアゾリルチオ基、置換または非置換のベンゾキサゾリルチオ基、置換または非置換のベンゾイミダゾリルチオ基のいずれかを表す。R21〜R25は互いに独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換または非置換のアルキル基、置換または非置換のアルコキシ基、置換または非置換のアミノ基、置換または非置換のアシル基、水酸基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基のいずれかを表す。R11、R12は互いに独立に置換または非置換のアルキル基、置換または非置換のアリール基のいずれかを表す]
【0008】
また、請求項3に係る発明は、下記一般式(4)で表されるピロール化合物である。
【化19】
[式中、Xはアルコキシカルボニル基、シアノ基、カルボキシル基のいずれかを表す。Yは置換または非置換のアルキル基、置換または非置換のアリール基、置換または非置換のピリジル基のいずれかを表す。Zはハロゲン原子、置換または非置換のアリールオキシ基、置換または非置換のアルキルチオ基、置換または非置換のアリールチオ基、置換または非置換のピリジルチオ基、置換または非置換のチアゾリルチオ基、置換または非置換のイミダゾリルチオ基、置換または非置換のトリアゾリルチオ基、置換または非置換のテトラゾリルチオ基、置換または非置換のキノリルチオ基、置換または非置換のベンゾチアゾリルチオ基、置換または非置換のベンゾキサゾリルチオ基、置換または非置換のベンゾイミダゾリルチオ基のいずれかを表す。R31〜R34は互いに独立に置換または非置換のアルキル基、置換または非置換のアリール基のいずれかを表す]
【0009】
また、請求項4に係る発明は、下記一般式(5)で表されるピロール化合物である。
【化20】
[式中、Xはアルコキシカルボニル基、シアノ基、カルボキシル基のいずれかを表す。Yは置換または非置換のアルキル基、置換または非置換のアリール基、置換または非置換のピリジル基のいずれかを表す。Zはハロゲン原子、置換または非置換のアリールオキシ基、置換または非置換のアルキルチオ基、置換または非置換のアリールチオ基、置換または非置換のピリジルチオ基、置換または非置換のチアゾリルチオ基、置換または非置換のイミダゾリルチオ基、置換または非置換のトリアゾリルチオ基、置換または非置換のテトラゾリルチオ基、置換または非置換のキノリルチオ基、置換または非置換のベンゾチアゾリルチオ基、置換または非置換のベンゾキサゾリルチオ基、置換または非置換のベンゾイミダゾリルチオ基のいずれかを表す。R41は二級または三級アミノ基、ピロリジノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基のいずれかを表す。R42〜R45は互いに独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換または非置換のアルキル基、置換または非置換のアルコキシ基、置換または非置換のアミノ基、置換または非置換のアシル基、水酸基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基のいずれかを表す。Q5、Q6は水素原子、置換または非置換のア リール基、1位及び2位がアルキル基またはアリール基によって置換された3−インドリル基のいずれかを表す。nは0または1を表す]
【0010】
また、請求項5に係る発明は、前記請求項1〜4のいずれかのピロール化合物において、Xをアルコキシカルボニル基またはシアノ基とし、Yを非置換またはフッ素によって置換されたアルキル基、非置換またはシアノ基もしくはジアルキルアミノ基によって置換されたフェニル基、非置換またはアルキル基もしくはニトロ基によって置換されたピリジル基のいずれかとし、Zを塩素原子、非置換またはカルボキシル基によって置換されたアルキルチオ基、非置換またはアルキル基もしくはカルボキシル基によって置換されたフェニルチオ基、非置換またはアルキル基もしくはアリール基によって置換されたイミダゾリルチオ基、非置換またはアルキル基によって置換されたトリアゾリルチオ基、非置換またはアルキル基もしくはアルコキシ基によって置換されたベンゾチアゾリルチオ基、非置換またはアルキル基もしくはアルコキシ基によって置換されたベンゾキサゾリルチオ基、非置換またはアルキル基、アルコキシ基もしくはニトロ基によって置換されたベンゾイミダゾリルチオ基のいずれかとしたものである。
【0011】
また、請求項6に係る発明は、前記請求項2に係るピロール化合物において、R21をジアルキルアミノ基とし、R22〜R25を水素原子とし、R11またはR12を非置換のアルキル基または非置換のフェニル基とし、Xをアルコキシカルボニル基またはシアノ基とし、Yを非置換またはフッ素によって置換されたアルキル基、非置換またはシアノ基もしくはジアルキルアミノ基によって置換されたフェニル基、非置換またはアルキル基によって置換されたピリジル基のいずれかとし、Zを塩素原子、非置換またはカルボキシル基によって置換されたアルキルチオ基、非置換またはアルキル基もしくはカルボキシル基によって置換されたフェニルチオ基、非置換またはアルキル基もしくはアリール基によって置換されたイミダゾリルチオ基、非置換またはアルキル基によって置換されたトリアゾリルチオ基、非置換またはアルキル基もしくはアルコキシ基によって置換されたベンゾチアゾリルチオ基、非置換またはアルキル基もしくはアルコキシ基によって置換されたベンゾキサゾリルチオ基、非置換またはアルキル基、アルコキシ基もしくはニトロ基によって置換されたベンゾイミダゾリルチオ基のいずれかとしたものである。
【0012】
また、請求項7に係る発明は、前記請求項3に係るピロール化合物において、R31〜R34を非置換のアルキル基または非置換のフェニル基とし、Xをアルコキシカルボニル基またはシアノ基とし、Yを非置換またはフッ素によって置換されたアルキル基、非置換またはシアノ基もしくはジアルキルアミノ基によって置換されたフェニル基、非置換またはアルキル基によって置換されたピリジル基のいずれかとし、Zを塩素原子、非置換またはカルボキシル基によって置換されたアルキルチオ基、非置換またはアルキル基もしくはカルボキシル基によって置換されたフェニルチオ基、非置換またはアルキル基もしくはアリール基によって置換されたイミダゾリルチオ基、非置換またはアルキル基によって置換されたトリアゾリルチオ基、非置換またはアルキル基もしくはアルコキシ基によって置換されたベンゾチアゾリルチオ基、非置換またはアルキル基もしくはアルコキシ基によって置換されたベンゾキサゾリルチオ基、非置換またはアルキル基、アルコキシ基もしくはニトロ基によって置換されたベンゾイミダゾリルチオ基のいずれかとしたものである。
【0013】
また、請求項8に係る発明は、前記請求項4に係るピロール化合物において、R41をジアルキルアミノ基とし、R42〜R45を水素原子とし、Q5、Q6を互いに独立に、非置換またはアルキル基、アルコキシ基もしくはジアルキルアミノ基のいずれかによって置換されたフェニル基とし、Xをアルコキシカルボニル基とし、Yを非置換またはフッ素によって置換されたアルキル基、非置換またはシアノ基もしくはジアルキルアミノ基によって置換されたフェニル基、非置換またはアルキル基によって置換されたピリジル基のいずれかとし、Zを塩素原子、非置換またはカルボキシル基によって置換されたアルキルチ オ基、非置換またはアルキル基もしくはカルボキシル基によって置換されたフェニルチオ基、非置換またはアルキル基もしくはアリール基によって置換されたイミダゾリルチオ基、非置換またはアルキル基によって置換されたトリアゾリルチオ基、非置換またはアルキル基もしくはアルコキシ基によって置換されたベンゾチアゾリルチオ基、非置換またはアルキル基もしくはアルコキシ基によって置換されたベンゾキサゾリルチオ基、非置換またはアルキル基、アルコキシ基もしくはニトロ基によって置換されたベンゾイミダゾリルチオ基のいずれかとしたものである。
【0014】
また、請求項9に係る発明は、前記請求項8に係るピロール化合物において、Q5、Q6を互いに独立に、ジアルキルアミノ基によって置換されたフェニル基、または水素原子としたものである。
【0015】
さらに、請求項10に係る発明は、前記請求項6〜9のいずれかのピロール化合物において、Yを非置換もしくはフッ素によって置換された炭素数4以下のアルキル基または非置換のフェニル基とし、Zを塩素原子、非置換またはカルボキシル基によって置換されたアルキルチオ基、非置換または炭素数4以下のアルキル基もしくはカルボキシル基によって置換されたフェニルチオ基、非置換または炭素数4以下のアルキル基によって置換されたイミダゾリルチオ基、非置換または炭素数4以下のアルキル基によって置換されたトリアゾリルチオ基、非置換またはメチル基もしくは炭素数4以下のアルコキシ基によって置換されたベンゾチアゾリルチオ基、非置換またはメチル基もしくは炭素数4以下のアルコキシ基によって置換されたベンゾキサゾリルチオ基、非置換またはメチル基もしくは炭素数4以下のアルコキシ基によって置換されたベンゾイミダゾリルチオ基のいずれかとしたものである。
【0016】
これら一般式(1)(3)(4)又は(5)におけるXの例としては、カルボキシル基、シアノ基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基、ヘプチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、ノニルオキシカルボニル基、デシルオキシカルボニル基、2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロポキシカルボニル基、2,2,3,3−テトラフルオロエトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、メチルフェノキシカルボニル基、ジメチルフェノキシカルボニル基、トリメチルフェノキシカルボニル基、クロロフェノキシカルボニル基、フルオロフェノキシカルボニル基、ブロモフェノキシカルボニル基、トリフルオロメチルフェノキシカルボニル基などが挙げられる。
【0017】
Yの例としては、炭素数1〜18の直鎖もしくは分岐のアルキル基、シクロヘキシル基、トリフルオロメチル基、フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ジメチルフェニル基、トリメチルフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、フルオロフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、ヨードフェニル基、シアノフェニル基、カルボキシフェニル基、カルバモイルフェニル基、ジメチルアミノフェニル基、ジエチルアミノフェニル基、ジブチルアミノフェニル基、ナフチル基、ピリジル基、メチルピリジル基などが挙げられる。
【0018】
Zの例としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、へプチルチオ基、オクチルチオ基、シクロヘキシルチオ基、フェニルチオ基、トリルチオ基、ジメチルフェニルチオ基、トリメチルフェニルチオ基、t−ブチルフェニルチオ基、2−メチル−5−t−ブチルフェニルチオ基、メトキシフェニルチオ基、エトキシフェニルチオ基、ヒドロキシフェニルチオ基、クロロフェニルチオ基、フルオロフェニルチオ基、ペンタフルオロフェニルチオ基、ブロモフェニルチオ基、ヨードフェニルチオ基、シアノフェニルチオ基、トリフルオロメチルフェニルチオ基、カルボキシフェニルチオ基、カルボキシメチルチオ基、カルボキシエチルチオ基、メトキシカルボニルメチルチオ基、エトキシカルボニルメチルチオ基、ピリジルチオ基、メチルピリジルチオ基、ニトロピリジルチオ基、イミダゾリルチオ基、N−メチルイミダゾリルチオ基、ベンゾイミダゾリルチオ基、N−メチルベンゾイミダゾリルチオ基、トリアゾリルチオ基、N−メチルトリアゾリルチオ基、テトラゾリルチオ基、フェニルテトラゾリルチオ基、チアゾリルチオ基、ジメチルチアゾリルチオ基、ベンゾチアゾリルチオ基、メトキシベンゾチアゾリルチオ基、エトキシベンゾチアゾリルチオ基、ニトロベンゾチアゾリルチオ基、ベンゾキサゾリルチオ基、フェノキシ基、トリフルオロメチルフェノキシ基、ペンタフルオロフェノキシ基、シアノフェノキシ基等が挙げられる。
【0019】
一般式(1)(3)(4)又は(5)において、好ましくはXはアルコキシカルボニル基またはシアノ基であり、Yは非置換またはフッ素によって置換されたアルキル基、非置換またはシアノ基もしくはジアルキルアミノ基によって置換されたフェニル基、非置換またはアルキル基によって置換されたピリジル基のいずれかであり、Zは塩素原子、非置換またはカルボキシル基によって置換されたアルキルチオ基、非置換またはアルキル基もしくはカルボキシル基によって置換されたフェニルチオ基、非置換またはアルキル基もしくはアリール基によって置換されたイミダゾリルチオ基、非置換またはアルキル基によって置換されたトリアゾリルチオ基、非置換またはアルキル基もしくはアルコキシ基によって置換されたベンゾチアゾリルチオ基、非置換またはアルキル基もしくはアルコキシ基によって置換されたベンゾキサゾリルチオ基、非置換またはアルキル基、アルコキシ基もしくはニトロ基によって置換されたベンゾイミダゾリルチオ基のいずれかである。ここにおいて、更に好ましくはYは非置換もしくはフッ素によって置換された炭素数4以下のアルキル基または非置換のフェニル基であり、Zは塩素原子、非置換またはカルボキシル基によって置換されたアルキルチオ基、非置換または炭素数4以下のアルキル基もしくはカルボキシル基によって置換されたフェニルチオ基、非置換または炭素数4以下のアルキル基によって置換されたイミダゾリルチオ基、非置換または炭素数4以下のアルキル基によって置換されたトリアゾリルチオ基、非置換またはメチル基もしくは炭素数4以下のアルコキシ基によって置換されたベンゾチアゾリルチオ基、非置換またはメチル基もしくは炭素数4以下のアルコキシ基によって置換されたベンゾキサゾリルチオ基、非置換またはメチル基もしくは炭素数4以下のアルコキシ基によって置換されたベンゾイミダゾリルチオ基のいずれかである。
【0020】
一般式(3)におけるR21〜R25の例としては、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐のアルキル基、トリフルオロメチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、アセチル基、水酸基、カルボキシル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジペンチルアミノ基、ジヘキシルアミノ基、アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、アニリノ基、N−メチルアニリノ基等が挙げられる。一般式(3)におけるR11〜R12及び一般式(4)におけるR31〜R34の例としては、炭素数1〜18の直鎖もしくは分岐のアルキル基、シクロヘキシル基、フェニル基、トリル基、ベンジル基、シアノエチル基等が挙げられる。一般式(3)において、好ましくはR21はジアルキルアミノ基であり、R22〜R25は水素原子であり、R11またはR12は非置換のアルキル基または非置換のフェニル基である。
【0021】
一般式(5)におけるR41の例としては、二級アミノ基、三級アミノ基、ピロリジノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基が挙げられ、二級または三級アミノ基における置換基の例としては炭素数1〜18の直鎖もしくは分岐のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、メチルフェニル基、ジメチルフェニル基、トリメチルフェニル 基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、ベンジル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、メトキシプロピル基、エトキシプロピル基、ブトキシエチル基、メトキシエトキシメチル基、エトキシエトキシエチル基、シアノエチル基、シアノプロピル基等が挙げられる。一般式(5)におけるR42〜R45の例としては、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐のアルキル基、トリフルオロメチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、アセチル基、水酸基、カルボキシル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジペンチルアミノ基、ジヘキシルアミノ基、アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、アニリノ基、N−メチルアニリノ基等が挙げられる。Q5、Q6の例としては、水素原子、フェニル基、ナフチル基、(ジアルキルアミノ)フェニル基、メチルフェニル基、ジメチルフェニル基、トリメチルフェニル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、プロポキシフェニル基、ブトキシフェニル基、ペンチルオキシフェニル基等が挙げられる。一般式(5)において、好ましくは、R41はジアルキルアミノ基であり、R42〜R45は水素原子であり、Q5、Q6が互いに独立に、非置換またはアルキル基、アルコキシ基もしくはジアルキルアミノ基のいずれかによって置換されたフェニル基である。ここにおいて、更に好ましくはQ5、Q6は互いに独立に、ジアルキルアミノ基によって置換されたフェニル基、または水素原子である。
【0022】
【発明の実施の形態】
以上をさらに具体的に例示すると、前記の一般式(1)及び(3)〜(5)においてそれぞれの置換基が下記第2表〜第3表に示すようなものである化合物が挙げられる。
【0023】
【表3】
【0024】
【表4】
【0025】
【表5】
【0026】
本発明のピロール化合物のうち、一般式(1)におけるZがハロゲン原子であるものは、たとえば下記のようなスキーム1〜3のいずれかにより合成することができる。またZがハロゲン原子でXがシアノ基であるものはスキーム1〜3の他、スキーム4によっても合成することができる。
【0027】
【化21】
【0028】
これらの反応経路において出発物質となるピロリノン化合物は、公知の文献たとえば「Annalen der Chemie」260巻137−160頁(1890年)、「Tetrahedron Letters」23巻、15号、1597−1600頁(1982年)、「Synthesis」615頁(1976年)等に記載の方法等で容易に合成することができる。反応式で示すと下記スキーム5のようになる。
【0029】
【化22】
【0030】
式中、Rはアルキル基、アリール基等を表し、Lはハロゲン原子を示す。最初の反応で、アシル酢酸エステルまたはアシルアセトニトリルとハロゲン化酢酸エステルを反応させてエステル化合物を作るが、このときの反応溶媒にはアルコール系、エーテル系、アミド系、スルホキシド系、ケトン系、ニトリル系等の各種溶媒を用いることができる。この反応は塩基で促進され、たとえば各種ナトリウム塩、カリウム塩等の一般的な無機塩基の他、金属アルコラートやピリジン、トリアルキルアミン、環状イミン等の有機性の塩基を用いることができる。得られたエステル化合物に、アンモニアガスやアンモニウム塩たとえば酢酸アンモニウム等を作用させて環化させることができる。このときの反応溶媒には、アルコールや酢酸等を用いることができる。
【0031】
こうして得られたピロリノン化合物は分子内に活性メチレンをもつので、スキーム1〜3に示すように、カルボニル化合物やベンズヒドロール化合物等の求電子剤と容易に付加もしくは縮合反応を起こす。この反応は硫酸、塩酸、酢酸、スルホン酸、酸無水物、ハロゲン化リン、ハロゲン化ホスホリル、金属ハロゲン化物、ハロゲン化チオニル、ポリリン酸等の酸や脱水剤によって促進される。このときハロゲン性の試薬を使うと、付加もしくは縮合反応とハロゲン化を一浴で行うこともできる。スキーム2〜3における酸化反応にはクロラニル、過酸化水素、過塩素酸、ヨウ素、塩化第二鉄、過マンガン酸カリウム等の一般的な酸化剤や空気酸化法を用いることができる。スキーム1〜4におけるハロゲン化剤としては、ハロゲン化リン、ハロゲン化ホスホリル、ハロゲン化チオニル等を用いることができる。
【0032】
以上のスキーム1〜4のいずれかの方法によりZがハロゲンであるピロール化合物が得られるが、これらは活性水素をもった化合物たとえばフェノール、チオール類と容易に反応して、Zがアリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、複素環チオ基等となった化合物を与える。このときの反応溶媒にはアルコール系、エーテル系、アミド系、スルホキシド系、ケトン系、ニトリル系等の各種溶媒を用いることができる。このとき塩基を加えると反応が促進され、たとえば各種ナトリウム塩、カリウム塩等の一般的な無機塩基の他、金属アルコラートやピリジン、トリアルキルアミン、環状イミン等の有機性の塩基を用いることができる。
【0033】
実施例21
1)無水酢酸35ml、3,3−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−2−プロペナール3.5g、化合物M1の結晶2.7gを混合し、60〜70℃で19時間撹拌したのち反応液を放冷し濾過して得られた結晶を水、メタノールで洗浄、乾燥して、4−[3,3−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−2−プロペニリデン]−3−エトキシカルボニル−2−フェニル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−ピロールの赤黒色結晶4.9gを得た。LC/MSで508(MH+)のピークを確認した。
【0034】
2)上記1)で得た結晶4.9g、トルエン110mlを混合し撹拌しながら塩化ホスホリル40mlを2時間で滴下した。続いて90℃まで昇温し、同温度で5時間撹拌後、加熱を止め塩化ホスホリル10mlを20分かけて追加し再度、昇温し90℃で1.5時間撹拌した。加熱を止め反応液を冷水に少しずつ滴下した後、水酸化ナトリウム水溶液で中和して1時間撹拌後、析出した結晶を濾取、水洗した。この結晶をメタノールに溶かし不溶分を濾別し、濾液を濃縮して得られた結晶をヘキサンとアセトンの混合溶剤で洗浄、乾燥して下記構造式で示される化合物B1の黒緑色結晶3.2gを得た。
【0035】
【化28】
【0036】
この化合物のメタノール中でのλmaxは640nmであり、pH依存性はほとんどなかった。またアセトン中でのλmaxは639nmであり、メタノール中とほとんど差はなかった。DSC分析では発熱ピークが観測されピーク温度は194℃、発熱量は108J/g(窒素雰囲気下)であった。LC/MSで526のピーク(MH+)を確認した。また元素分析、NMR分析の結果は下記のようであった。
C% H% N% O% Cl%
分析値72.61 6.11 7.90 5.86 7.11
計算値73.06 6.13 7.99 6.08 6.74
(C32H32ClN3O2として)
1H−NMR(CDCl3):δ1.07(t,J=6.0Hz,3H),3.08(s,12H),4.16(q,J=6.6,2H),6.73(d,J=8.3,4H),7.27−7.40(m,7H),7.77(d,J=7.9Hz,1H),7.78(d,J=8.3Hz,1H),7.97(br,2H)。
【0037】
実施例22
実施例21で得た化合物B1の結晶0.80g、DMF7ml、無水炭酸カリウム0.42gを混合し撹拌しながら4−メルカプト安息香酸0.25gを15分で加え、その後1時間撹拌した。反応液に水20mlを滴下し希硫酸でpH4程度にして撹拌、濾過した。結晶を乾燥して第2表に示す化合物B5を1.1g得た。この化合物はメタノールに1%以上溶解した。メタノール溶液のλmaxは648nmであった。
【0038】
実施例23
1)3−メトキシカルボニル−2−(4−シアノフェニル)−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−ピロール0.26g、3,3−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−2−プロペナール0.29g、エタノール3ml、62%硫酸0.2mlを混合し6時間撹拌後、希水酸化ナトリウムで中和し、濾過して赤黒色結晶0.46gを得た。
【0039】
2)上記1)で得られた結晶0.4g、塩化ホスホリル16ml、ピリジン2mlを混合し撹拌しながら昇温した。80℃で1h撹拌後、反応液を冷水に排出し水酸化ナトリウムで中和しクロロホルムで抽出し有機層を濃縮、乾燥して前記第2表に示す化合物B2の黒紫色結晶0.2gを得た。この化合物のλmaxは645nm(メタノール)であった。
【0040】
実施例24
1)化合物M1を0.12g、3,3−ビス(4−ピロリジノフェニル)−2−プロペナール0.17gを無水酢酸1.5mlに懸濁させ撹拌しながら昇温した。70℃で3時間撹拌後、放冷し析出した結晶を濾取した。黒褐色結晶0.22gを得た。
【0041】
2)上記1)で得られた結晶0.10gをトルエン2ml、塩化ホスホリル0.8mlと混合し撹拌しながら昇温した。90℃で1時間撹拌後、反応液を濾過して結晶を得た。これを水洗後、乾燥して前記第2表に示す化合物B3の緑褐色結晶0.10gを得た。LC/MSで578(MH+)のピークを確認した。この化合物のλmaxは647nm(メタノール)であった。
【0042】
実施例25
1)反応容器に4−(ジメチルアミノ)ベンズアルデヒド3.2g、化合物M1を4.9g、エタノール60ml、62%硫酸3mlを仕込み室温で0.5時間、60℃で3時間撹拌した。反応液を放冷し、水を加え水酸化ナトリウム水溶液で中和して濾過して、下記化学式で示される4−(4−ジメチルアミノベンジリデン)−3−エトキシカルボニル−2−フェニル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−ピロール(化合物M2)の赤色結晶7.7gを得た。
【0043】
【化29】
【0044】
2)上記1)で得た結晶0.5g、N−メチル−2−フェニルインドール0.3g、トルエン7.5ml、塩化ホスホリル7.5ml、ピリジン0.5mlを順に加え昇温し60−70℃で90分撹拌した後、反応液を氷水に滴下し水酸化ナトリウム水溶液で中和した。クロロホルムで抽出し、乾燥、濃縮して0.61gの結晶を得た。
3)上記2)で得られた結晶0.61gにエタノール10ml、クロラニル0.37を加え昇温して50〜60℃で5時間撹拌した。反応液に水を加え、水酸化ナトリウム水溶液でアルカリ性としクロロホルムで抽出した。有機層に活性白土を加えて撹拌、濾過し濾液を濃縮した。カラムクロマトグラフィで精製して下記構造式で示される化合物C2の黒色結晶0.24gを得た。この化合物のλmaxは586nm(メタノール)であった。
【0045】
【化30】
【0046】
実施例26
反応容器に1,2−ジクロロエタン10ml、ピリジン0.3ml、塩化ホスホリル1.9gを仕込み撹拌しながら、実施例25の1)と同様にして得た化合物M2の結晶1.8gを15分で仕込み、続いて1,1−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)エテン1.3gを50分で仕込んだ。3時間撹拌した後、反応液を冷水200mlに滴下した後、クロロホルムを加え水層を水酸化ナトリウム水溶液で中和して1時間撹拌後、水層を捨て再び水を加え1時間撹拌した。有機層を分取しそれを撹拌しながらそこにクロラニル1.2gを0.5時間で加え、さらに1時間撹拌した。反応液を濃縮し残留物に酢酸エチル約50mlを加え撹拌、濾過した。得られた結晶をトルエン約100mlに分散し撹拌後、濾過、乾燥して粗製品結晶2.4gを得た。これをシリカゲルカラムで精製して(展開溶媒クロロホルム:メタノール=50:1〜5:1)、下記構造式で示される化合物の精製品1.0gを得た。
【0047】
【化31】
【0048】
LC/MSで645(MH+)のピークを確認した。NMR分析結果は次のようであった。1H−NMR(CDCl3):δ0.94(t,3H),3.13(s,18H),3.85(q,2H),6.63(d,4H),6.68(d,2H),7.21−7.31(m,3H),7.40−7.45(m,3H),7.50(d,2H),7.60(d,2H)。この化合物のメタノール中でのλmaxは665nm(ε=61000)と715nm(ε=57000)であった。この化合物の赤外吸収スペクトルを図1に示す。
【0049】
実施例27
実施例26の1,1−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)エテンの代わりに1−(4−ジメチルアミノフェニル)−1−(4−メトキシフェニル)エテンを用い、他は実施例26と同様に操作して下記構造の化合物B16を得た。この化合物のλmaxは739nm(メタノール)であった。この化合物の可視・近赤外吸収スペクトルを図2に示す。
【0050】
【化32】
【0051】
実施例28
1)反応容器に化合物M1を5.4g、5,5−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−2,4−ペンタジエナール7.5g、無水酢酸70mlを仕込み、50〜60℃で20時間撹拌後、放冷した。析出した結晶を濾過して分離し、クロロホルムに溶解して、水酸化ナトリウム水溶液及び水で洗浄後、濃縮して黒紫結晶7.1gを得た。LC/MSで534(MH+)のピークを確認した。
【0052】
2)反応容器に1,2−ジクロロエタン2ml、塩化ホスホリル0.3ml、N,N−ジメチルアニリン0.24gを仕込み撹拌しながら、上記1)で得た4−[5,5−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−2,4−ペンタジエニリデン]−3−エトキシカルボニル−2−フェニル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−ピロール0.53gを30分で仕込んだ。室温で3時間撹拌した後、反応液を氷水100mlに滴下した後、クロロホルムを加え水層を水酸化ナトリウム水溶液で中和して1時間撹拌した。有機層を分取し水洗、乾燥後、濃縮した。
残留物にエタノール10mlを加え撹拌しながらクロラニル0.22gを加え、2時間撹拌した。反応液を濃縮し残留物に酢酸エチルを加え撹拌、濾過した。得られた結晶を酢酸とトルエンの混合溶媒に分散し撹拌後、濾過、乾燥して粗製品の青黒色結晶0.50gを得た。これをシリカゲルカラムで精製して(展開溶媒クロロホルム:メタノール=20:1〜5:1)、下記構造式で示される化合物の精製品0.13gを得た。LC/MSで672(MH+)のピークを確認した。この化合物のメタノール溶液のλmaxは806nm(ε=100000)であった。この化合物の可視・近赤外吸収スペクトルを図3に示す。またNMR分析の結果は次のようであった。1H−NMR(CDCl3):δ0.89(t,3H),3.09(s,6H),3.12(s,12H),3.89(q,2H),6.65(d,2H),6.77(d,4H),7.14(d,1H),7.22−7.44(m,9H),7.57(d,2H),7.74(d,2H)。
【0053】
【化33】
【0054】
実施例29
1)5,5−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−2,4−ペンタジエナール5.0g、DMF140ml、1,3−ジオキサン−2−イルメチルトリブチルホスホニウムブロミド6.3gを混合、撹拌しながら28%ナトリウムメチラート−メタノール溶液5.4gを15分で滴下した。その後、3時間撹拌した後、水1000mlに注入し、酢酸エチルで抽出した。有機層を脱水、濃縮してアセタール化合物10gを得た。これを希塩酸中で撹拌して加水分解した後、水酸化ナトリウムで中和し、酢酸エチルで抽出、水洗、脱水、濃縮して目的とする7,7−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−2,4,6−ヘキサトリエナール5.3gを得た。
2)上記1)で得たアルデヒド化合物5.3g、化合物M1を3.6g、エタノール40ml、希硫酸2mlを混合し5時間撹拌後、希水酸化ナトリウムで中和し濾過、乾燥して目的とする4−[7,7−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−2,4,6−ヘプタトリエニリデン]−3−エトキシカルボニル−2−フェニル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−ピロール3.7gを得た。
3)反応容器にジクロロメタン4ml、塩化ホスホリル0.6ml、N,N−ジメチルアニリン0.48gを仕込み撹拌しながら、2)で得たピロリノン化合物1.1gを0.5時間で加えた。4時間撹拌した後、反応液を氷水に滴下し、クロロホルムを加え水酸化ナトリウム水溶液で中和して3時間撹拌した。有機層を分取し水洗、脱水した後、クロラニル0.5gを加え一晩撹拌した。反応液を濃縮し残留物に酢酸エチルを加え撹拌、濾過した。得られた粗結晶を乾燥後、シリカゲルカラムで精製して(展開溶媒クロロホルム−メタノール)、第2表に示す化合物B14の結晶0.051gを得た。
【0055】
実施例30
反応容器に実施例26で得た化合物B10を0.1g仕込みDMF0.4ml、無水炭酸カリウム0.06gと混合し室温で撹拌しながら4−メルカプト安息香酸0.03gを加えた。3時間撹拌後、水で希釈、濾過して前記第2表に示す化合物B18の結晶0.047gを得た。この化合物のλmaxは664nmと720nm(メタノール)であった。
【0056】
実施例31
実施例22の4−メルカプト安息香酸を4−t−ブチルチオフェノールに代えた他は実施例22と同様の操作により前記第2表に示す化合物B19の結晶を得た。
【0057】
実施例33
1)反応容器に3−シアノ−4,5−ジヒドロ−5−オキソ−2−フェニルピロール1.0g、4−ジメチルアミノベンズアルデヒド0.81g、エタノール15mlを仕込み撹拌しながら62%硫酸0.5mlを滴下した。60℃で2時間撹拌した後、放冷し、反応液を濾過し、得られた結晶を水洗いし乾燥して、3−シアノ−4−(4−ジメチルアミノベンジリデン)−2−フェニル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−ピロールの赤茶色結晶0.90gを得た。
【0058】
2)反応容器に、上記で得られた結晶0.85g、ジクロロエタン15ml、塩化ホスホリル3ml、ピリジン0.4ml、1,1−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)エテン0.71gを順に加え55℃で1時間撹拌した。反応液を水に排出しクロロホルムを加え攪拌した後、有機層を除去した。水層に水酸化ナトリウム水溶液を加えてアルカリ性にしてクロロホルムで抽出した。有機層に活性白土を加えて撹拌、濾過して濾液を濃縮した。
【0059】
3)上記2)の生成物0.87gにエタノール10mlを加えクロラニル0.37gを加え60℃で2時間撹拌した。放冷後、反応液に水を加え水酸化ナトリウム水溶液でアルカリ性としクロロホルムで抽出した。有機層を脱水、濃縮し残留物をヘキサンでほぐし濾過した。前記第2表に示す化合物B20の青黒色結晶0.18gを得た。この化合物のλmaxは648nmと722nm(メタノール)であった。
【0060】
実施例34
1)1−エチル−2−メチル−3−ホルミルインドール2.8g、化合物M1を3.5g、エタノール38ml、62%硫酸2.1mlを混合し、室温で2時間、40〜50℃で2時間撹拌した。反応液を放冷後、水10mlを加え、濾過、乾燥して、下記構造式で示される化合物M3の赤橙色結晶5.3gを得た。
【0061】
【化34】
【0062】
2)反応容器に1,2−ジクロロエタン8ml、ピリジン0.8ml、塩化ホスホリル6.0gを仕込み撹拌しながら、上記1)で得た4−(1−エチル−2−メチル−3−インドリルメチリデン)−3−(エトキシカルボニル)−2−フェニル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−ピロール1.6gを仕込み、続いて1−エチル−2−メチルインドール0.9gを仕込んだ。40〜50℃で7時間撹拌した後、反応液を冷水200mlに滴下し、クロロホルムを加え水層を水酸化ナトリウム水溶液で中和して1時間撹拌後、水層を捨て再び水を加え1時間撹拌した。有機層を分取しそれを撹拌しながらそこにクロラニル0.8gを0.5時間で加え、その後2時間撹拌した。反応液を濃縮し残留物に酢酸エチルとヘキサンを加え撹拌、濾過した。得られた結晶をトルエンとヘキサンの混合溶媒に分散し撹拌後、濾過、乾燥して粗製品結晶2.1を得た。これをシリカゲルカラムで精製して(展開溶媒クロロホルム−メタノール)、下記構造式で示される化合物C1の赤黒色結晶0.24gを得た。この化合物のλmaxは488nm(メタノール)であった。NMR分析の結果は次のようであった。1H−NMR(CDCl3):δ0.47(t,3H),1.41−1.55(m,6H),2.33(s,3H),2.67(s,3H),3.54(q,1H),3.57(q,1H),4.21−4.38(m,4H),6.73−6.90(m,3H),7.13−7.39(m,8H),7.96(d,2H)。
【0063】
【化35】
【0064】
実施例35
実施例34で得た化合物C1を0.40g、DMF4ml、炭酸カリウム0.19gを混合し撹拌しながら、4−t−ブチルチオフェノール0.12gを滴下した。3時間撹拌後、別容器の水に注加し析出した結晶を濾別し、ヘキサンで洗浄、乾燥した。前記第3表に示す化合物C3の赤黒色結晶0.36g得た。この化合物のλmaxは489nm(メタノール)であった。
【0065】
実施例36
1)実施例25の1)の操作におけるジメチルアミノベンズアルデヒドの代わりに、同モル数の4−ジメチルアミノシンナムアルデヒドを用い、他は実施例25の1)と同様に操作して、下記化学式で示される化合物M4の赤黒色結晶7.5gを得た。
【0066】
【化36】
【0067】
2)反応容器に1,2−ジクロロエタン6ml、ピリジン0.6ml、塩化ホスホリル2ml、N,N−ジメチルアニリン0.72gを仕込み撹拌しながら、上記1)の操作で得た化合物M4の結晶1.2gを少しずつ仕込んだ。その後、室温で1時間、40〜50℃で2時間撹拌した後、放冷し、反応液を冷水に滴下しクロロホルムを加え水酸化ナトリウムで中和して一晩撹拌した。有機層を分取、水洗した後、クロラニル0.75gを加え、2時間撹拌した。反応液を濃縮し残留物に酢酸エチルを加え濾過して粗結晶を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製して前記第2表に示す化合物B22の青黒色結晶0.21gを得た。
【0068】
実施例43
1)N−エチル−3−ホルミルカルバゾール4.4g、化合物M1を4.6g、エタノール50ml、62%硫酸2.8mlを混合し室温で1時間、50℃で3時間撹拌後、希水酸化ナトリウムで中和して濾過、乾燥して下記構造の化合物の赤橙色結晶8.5gを得た。
【0069】
【化37】
【0070】
2)塩化ホスホリル14ml、1,2−ジクロロエタン7ml、N,N−ジブチルアニリン2.9g、上記1)で得たピロリノン化合物3.1gを混合し室温で20時間撹拌した。その後、冷水500mlに滴下し水酸化ナトリウムで中和し、クロロホルムを加え、有機層を分取、濃縮した。残分にヘキサンを加え結晶を濾別、風乾して淡黄褐色結晶4.5gを得た。
3)上記2)で得た化合物4.5gをクロロホルム50mlに溶解し、クロラニル1.7gを加え、室温で2時間撹拌後、溶媒を留去し酢酸エチルとヘキサンの混合溶媒を加えて晶析、濾過した。これをカラムクロマトグラフィで精製して下記化学式で示される化合物C5の黒紫色結晶2.6gを得た。この化合物のλmaxは556nm(メタノール)であった。
【0071】
【化38】
【0072】
実施例44
実施例26の1,1−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)エテンに代えて、
1,1−ビス(1−メチル−2−フェニル−3−インドリル)エテンを用い、他は実施例26と同様に操作して前記第3表に示す化合物C6を得た。この化合物のλmaxは728nm(メタノール)であった。
【0073】
実施例45
1)1,2−ジクロロエタン6ml、ピリジン0.6ml、塩化ホスホリル2ml、N−メチルテトラヒドロキノリン0.87gを仕込み撹拌しながら、実施例36の1)で得た化合物M4の結晶1.2gを少しずつ仕込んだ。その後、室温で1時間、40〜50℃で2時間撹拌した後、放冷し、反応液を冷水に滴下しクロロホルムを加え水酸化ナトリウムで中和して一晩撹拌した。有機層を分取、水洗しクロラニル0.75gを加え1時間撹拌した。反応液から不溶物を濾別した後、濃縮し残留物に酢酸エチルを加え濾過して粗結晶を得た。これをカラムクロマトグラフィで精製して前記第3表に示す化合物C7の青黒色結晶0.17gを得た。
【0074】
実施例46
1)ピコリノイル酢酸ブチル28.7g、アセトン130ml、無水炭酸カリウム17.9g、ブロモ酢酸メチル19.9gを混合し、溶媒の還流温度で4時間撹拌した。反応液を放冷後、水300mlにあけ酢酸エチルで抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、濃縮して下記化学式で示される化合物の粗製品21gを得た。
【0075】
【化39】
【0076】
2)上記1)で得た化合物21g、エタノール45ml、酢酸アンモニウム25gを混合し、溶媒の還流温度で4時間撹拌した。反応液を水400mlにあけ酢酸エチル少量を加え、析出した結晶を濾別、乾燥して、下記化学式で示されるピロリノン化合物6.2gを得た。LC/MSで261(MH+)の質量を示すピークを確認した。
【0077】
【化40】
【0078】
3)上記2)で得たピロリノン化合物2.9g、4−ジメチルアミノベンズアルデヒド1.9g、エタノール31ml、62%硫酸1.8mlを混合し室温で5時間攪拌した。反応液を水酸化ナトリウム水溶液で中和し濾過して結晶を乾燥して、下記化学式で示されるピロリノン化合物3.0gを得た。LC/MSで392(MH+)の質量を示すピークを確認した。
【0079】
【化41】
【0080】
4)1,2−ジクロロエタン7.8ml、塩化ホスホリル1.5g、ピリジン0.23ml、及び上記3)で得たピロリノン化合物1.5gを混合し攪拌しながら1,1−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)エテン1.2gを1時間で加え、その後、室温で20時間撹拌した。反応液を冷水200mlに滴下しクロロホルムを加え、水酸化ナトリウムで中和して2時間攪拌した。有機層を分取し水洗後、クロラニル0.86gを30分で加え1時間攪拌した。反応液を濃縮して残留物に酢酸エチルを加えて晶析、濾過した。得られた粗結晶をシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製して下記化学式で示される化合物B15の青黒色結晶0.17gを得た。LC/MSで730(MH+)の質量を示すピークを確認した。λmaxは674nm(メタノール)であった。
【0081】
【化42】
【0082】
【化44】
【0083】
実施例49
上記化学式で示される公知のピロロピロール化合物(M7)0.052g、塩化ホスホリル1mlを混合し110℃で3時間攪拌後、60℃まで冷却し1−(4−ジメチルアミノフェニル)−1−(4−メトキシフェニル)エテン0.091gを加え60℃で3時間攪拌した。室温まで放冷後、氷水に滴下しクロロホルムを加え水酸化ナトリウムで中和して有機層を分取、濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィで精製して第2表に示す化合物B24の黒紫色結晶0.025gを得た。LC/MS:542(MH+)、λmax:656nm(クロロホルム)。
【0084】
実施例50
実施例49の操作において、1−(4−ジメチルアミノフェニル)−1−(4−メトキシフェニル)エテン0.091gの代わりに1−エチル−2−フェニルインドール0.080gを用い、他は実施例49と同様に操作して第3表に示す化合物C8の黒紫色結晶0.065gを得た。LC/MS:510(MH+)、λmax:556nm(クロロホルム)。元素分析:C=80.11%,H=4.72%,N=7.91%,Cl=6.76%(計算値C=80.07%,H=4.74%,N=8.24%,Cl=6.95%、C34H24N3Cl)。
【0085】
比較例1
下記化学式で示される化合物につき溶解度を測定した。この化合物はメタノール、アセトン、酢酸エチル、クロロホルムのいずれの溶剤に対しても溶解度は0.1%以下であった。
【0086】
【化45】
【0087】
次に本発明の化合物につき塗布膜の耐光性試験を行った結果を以下に示す。
実施例X−4
前記実施例26で得た色素化合物B10を0.5g、ガラス瓶に仕込み、10%ポリビニルアルコール水溶液10g、水7.0g、ガラスビーズ20gを加えペイントシェーカーで30分振とうして色素を分散させた。この分散液を中性紙の上にワイヤーバーを用いて塗布、風乾して、色素塗布量が0.6g/m 2 である色素塗布紙を得た。塗布面の色相は黒紫色であった。この塗布膜の可視・近赤外吸収スペクトルを図4に示す。
【0088】
比較例X−1
実施例X−4における化合物B10の代わりに、下記化学式で表される色素を用い、他は実施例X−4と同様に操作して色素塗布紙を得た。塗布面の色相は青紫色であった。
【0089】
【化46】
【0090】
上記実施例X−4及び比較例X−1で得た色素塗布紙をカーボンアークを光源とするフェードテスターで7時間露光して露光前後の吸光度を測定した。その結果を下表に示す。
【0091】
【表6】
【0092】
以上の実施例から、本発明のピロール化合物が可視領域から近赤外領域まで様々な吸収波長を持ちうる色素であり、有機溶剤に対する溶解度も良く、耐光性も良好であることが確認された。
【0093】
【発明の効果】
本発明は新規なピロール化合物を提案するものであり、これらの化合物は高い吸光係数、高溶解性、高耐光性など色素としての優れた性質を有しており、産業上、利用価値の高いものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例26で得た化合物B10の赤外吸収スペクトル(KBr)
【図2】 実施例27で得た化合物B16の可視・近赤外吸収スペクトル(メタノール溶液)
【図3】 実施例28で得た化合物B13の可視・近赤外吸収スペクトル(メタノール溶液)
【図4】 実施例26で得た化合物B10を実施例X−4の方法で塗布したときの塗布膜の可視・近赤外吸収スペクトル
Claims (10)
- 下記一般式(1)で表されるピロール化合物。
- 下記一般式(3)で表されるピロール化合物。
- 下記一般式(4)で表されるピロール化合物。
- 下記一般式(5)で表されるピロール化合物。
- Xがアルコキシカルボニル基またはシアノ基であり、Yが非置換またはフッ素によって置換されたアルキル基、非置換またはシアノ基もしくはジアルキルアミノ基によって置換されたフェニル基、非置換またはアルキル基もしくはニトロ基によって置換されたピリジル基のいずれかであり、Zが塩素原子、非置換またはカルボキシル基によって置換されたアルキルチオ基、非置換またはアルキル基もしくはカルボキシル基によって置換されたフェニルチオ基、非置換またはアルキル基もしくはアリール基によって置換されたイミダゾリルチオ基、非置換またはアルキル基によって置換されたトリアゾリルチオ基、非置換またはアルキル基もしくはアルコキシ基によって置換されたベンゾチアゾリルチオ基、非置換またはアルキル基もしくはアルコキシ基によって置換されたベンゾキサゾリルチオ基、非置換またはアルキル基、アルコキシ基もしくはニトロ基によって置換されたベンゾイミダゾリルチオ基のいずれかである請求項1〜4のいずれかに記載のピロール化合物。
- R21がジアルキルアミノ基であり、R22〜R25が水素原子であり、R11またはR12が非置換のアルキル基または非置換のフェニル基であり、Xがアルコキシカルボニル基またはシアノ基であり、Yが非置換またはフッ素によって置換されたアルキル基、非置換またはシアノ基もしくはジアルキルアミノ基によって置換されたフェニル基、非置換またはアルキル基によって置換されたピリジル基のいずれかであり、Zが塩素原子、非置換またはカルボキシル基によって置換されたアルキルチオ基、非置換またはアルキル基もしくはカルボキシル基によって置換されたフェニルチオ基、非置換またはアルキル基もしくはアリール基によって置換されたイミダゾリルチオ基、非置換またはアルキル基によって置換されたトリアゾリルチオ基、非置換またはアルキル基もしくはアルコキシ基によって置換されたベンゾチアゾリルチオ基、非置換またはアルキル基もしくはアルコキシ基によって置換されたベンゾキサゾリルチオ基、非置換またはアルキル基、アルコキシ基もしくはニトロ基によって置換されたベンゾイミダゾリルチオ基のいずれかである請求項2記載のピロール化合物。
- R31〜R34が非置換のアルキル基または非置換のフェニル基であり、Xがアルコキシカルボニル基またはシアノ基であり、Yが非置換またはフッ素によって置換されたアルキル基、非置換またはシアノ基もしくはジアルキルアミノ基によって置換されたフェニル基、非置換またはアルキル基によって置換されたピリジル基のいずれかであり、Zが塩素原子、非置換またはカルボキシル基によって置換されたアルキルチオ基、非置換またはアルキル基もしくはカルボキシル基によって置換されたフェニルチオ基、非置換またはアルキル基もしくはアリール基によって置換されたイミダゾリルチオ基、非置換またはアルキル基によって置換されたトリアゾリルチオ基、非置換またはアルキル基もしくはアルコキシ基によって置換されたベンゾチアゾリルチオ基、非置換またはアルキル基もしくはアルコキシ基によって置換されたベンゾキサゾリルチオ基、非置換またはアルキル基、アルコキシ基もしくはニトロ基によって置換されたベンゾイミダゾリルチオ基のいずれかである請求項3記載のピロール化合物。
- R41がジアルキルアミノ基であり、R42〜R45が水素原子であり、Q5、Q6が互いに独立に、非置換またはアルキル基、アルコキシ基もしくはジアルキルアミノ基のいずれかによって置換されたフェニル基であり、Xがアルコキシカルボニル基であり、Yが非置換またはフッ素によって置換されたアルキル基、非置換またはシアノ基もしくはジアルキルアミノ基によって置換されたフェニル基、非置換またはアルキル基によって置換されたピリジル基のいずれかであり、Zが塩素原子、非置換またはカルボキシル基によって置換されたアルキルチオ基、非置換またはアルキル基もしくはカルボキシル基によって置換されたフェニルチオ基、非置換またはアルキル基もしくはアリール基によって置換されたイミダゾリルチオ基、非置換またはアルキル基によって置換されたトリアゾリルチオ基、非置換またはアルキル基もしくはアルコキシ基によって置換されたベンゾチアゾリルチオ基、非置換またはアルキル基もしくはアルコキシ基によって置換されたベンゾキサゾリルチオ基、非置換またはアルキル基、アルコキシ基もしくはニトロ基によって置換されたベンゾイミダゾリルチオ基のいずれかである請求項4記載のピロール化合物。
- Q5、Q6が互いに独立に、ジアルキルアミノ基によって置換されたフェニル基、または水素原子である請求項8記載のピロール化合物。
- Yが非置換もしくはフッ素によって置換された炭素数4以下のアルキル基または非置換のフェニル基であり、Zが塩素原子、非置換またはカルボキシル基によって置換されたアルキルチオ基、非置換または炭素数4以下のアルキル基もしくはカルボキシル基によって置換されたフェニルチオ基、非置換または炭素数4以下のアルキル基によって置換されたイミダゾリルチオ基、非置換または炭素数4以下のアルキル基によって置換されたトリアゾリルチオ基、非置換またはメチル基もしくは炭素数4以下のアルコキシ基によって置換されたベンゾチアゾリルチオ基、非置換またはメチル基もしくは炭素数4以下のアルコキシ基によって置換されたベンゾキサゾリルチオ基、非置換またはメチル基もしくは炭素数4以下のアルコキシ基によって置換されたベンゾイミダゾリルチオ基のいずれかである請求項6〜9のいずれかに記載のピロール化合物。
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