JP4164588B2 - 空気調和機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はヒートポンプ式空気調和機に関し、特に運転モード切り換え時等で発生する騒音を低減するものに好適である。
【0002】
【従来の技術】
除霜運転終了後、冷媒の高圧圧力の低下速度を早め、四方弁の切り換えを早めても室内機への冷媒流入音が発生しないようにすることが知られ、例えば特開平7−174441号公報(特許文献1)に記載されている。
【0003】
また、暖房運転中の室外熱交換器入口に冷媒温度検出手段を設け、冷媒温度が所定温度より低くなったとき室外熱交換器が着霜したと判定し、圧縮機の運転周波数を下げて低速運転させ、所定時間経過後、つまり高圧圧力が低下してから四方弁を冷房運転側に切り換え除霜運転に移行することが特開平10−253205号公報(特許文献2)に記載されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−174441号公報
【特許文献2】
特開平10−253205号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
HFC系代替冷媒においては、従来のHCFC系冷媒に比べ設計圧力が高く高圧圧力が高くなるという特性がある。このため本特性に見合った冷凍サイクル構成および冷凍サイクル制御とする必要があり、特に、除霜運転が終了して四方弁を切り換えたとき、室内側へ伝播する冷媒流入音の発生を抑制しなければならない。
【0006】
また、低い外気温度で暖房運転するときに、室外熱交換器の蒸発温度が低下して室外熱交換器が着霜するが、この霜をとるために冷房運転に切り換えるいわゆる逆サイクル除霜運転が行われている。この除霜運転において、室外熱交換器送風用ファンを止め、室外熱交換器に圧縮機からの高圧ガスを流入させ霜を溶かせるが、室外熱交換器送風用ファンを止める影響で室外機熱交換器の霜が少ないときは高圧圧力が上がり易くなる。この状態で除霜運転を終了すると四方弁内の切り換え弁の前後差圧が大きくなり、四方弁を切り換えるときに室内機側への冷媒流入音が大きくなる。
【0007】
特許文献1に記載のものでは、除霜終了後圧縮機を停止させるが、除霜終了後スムーズに暖房運転を立ち上げることが困難となる。また、除霜運転後、圧縮機を停止させることで蒸発器での冷媒がガス化されにくく、圧縮機吸入側に液冷媒が戻りやすくなり圧縮機の信頼性が低下する恐れがある。
【0008】
特許文献2に記載のものでは、圧縮機の運転周波数を可変することができる空気調和機では除霜運転直前の圧力をコントロールすることができるが、運転周波数が商用電源で固定される空気調和機では圧力のコントロールができない。
【0009】
本発明の目的は、除霜運転から暖房運転に切り換えるときの室内機側への冷媒流入音による騒音の発生を低減することのできる空気調和機を得ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
記目的を達成するために、本発明は、圧縮機、四方弁、室外熱交換器、室内熱交換器、電子膨張弁を順次接続して冷凍サイクルを構成し、室外熱交換器の送風ファンを駆動する室外ファンモータを有し、暖房運転時において前記室外熱交換器に着霜したとき、前記四方弁を切り換え、冷房運転モードにして逆サイクル除霜運転を行う空気調和機において、除霜運転中は前記室外ファンモータを停止させ、除霜運転終了後は前記室外ファンモータを駆動させた後、所定時間経過後、前記四方弁を暖房運転モードに切り換える構成としたものである。
【0011】
また、本発明は、圧縮機、四方弁、室外熱交換器、室内熱交換器、電子膨張弁を順次接続して冷凍サイクルを構成し、室外熱交換器の送風ファンを駆動する室外ファンモータ有し、暖房運転において前記室外熱交換器に着霜したとき、前記四方弁を切り換え、冷房運転モードにして逆サイクル除霜運転を行う空気調和機において、前記冷凍サイクルの高圧圧力を検出する高圧圧力検出装置を備え、除霜運転中は前記室外ファンモータを停止させ、除霜運転終了後は前記室外ファンモータを駆動させ、前記高圧圧力検出装置による検出圧力が所定圧力まで低下後、前記四方弁を暖房運転モードに切り換える構成としたものである。
【0012】
さらに、本発明は、圧縮機、四方弁、室外熱交換器、室内熱交換器、電子膨張弁を順次接続して冷凍サイクルを構成し、室外熱交換器の送風ファンを駆動する室外ファンモータ有し、暖房運転において前記室外熱交換器に着霜したとき、前記四方弁を切り換え、冷房運転モードにして逆サイクル除霜運転を行う空気調和機において、除霜運転中は前記室外ファンモータを停止させ、除霜運転終了後は前記室外ファンモータを駆動させ、前記室外熱交換器における凝縮温度が所定温度に到達後、前記四方弁を暖房運転モードに切り換える構成としたものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して本発明の一実施の形態を説明する。
図の空気調和機は室内機と室外機を組み合わせたセパレ−ト型空気調和機であり、室内機と室外機にて冷凍サイクルを構成し、コントロ−ル装置からの信号により、冷房運転、暖房運転を行う。
図1に室内機の構造図を示し、室内機は熱交換器1、送風用電動機2、送風用ファン3より構成され、運転/停止、冷房/暖房、保護装置等を制御するための制御装置4を備えている。また、冷媒流量制御用の電子膨張弁5が取り付けられている。
【0014】
図2に室外機の構造図を示し、室外機は圧縮機6、熱交換器7、送風用電動機8、送風用ファン9、冷房・暖房切り換え用四方弁10、余剰冷媒保有用のレシーバタンク11、冷媒流量制御用の電子膨張弁16より構成され、室内機と同様、室外機にも冷房/暖房、圧縮機のON/OFF、保装置等を制御するための制御装置12を備えている。
図3はコントロ−ル装置であり、コントロ−ル装置13は室内機と接続され、運転・停止または冷房・暖房または温度設定の信号を出力することにより、任意の運転条件にて空調することができる。
【0015】
図4にサイクル系統図を示し、主として、圧縮機6、四方弁10、室外熱交換器7、送風用ファン(室外)9、レシーバタンク11、電子膨張弁(室外)16、室内熱交換器1、送風用ファン(室内)3、電子膨張弁(室内)5、から構成され、ガス管用接続管14、液管用接続管15により接続されている。
【0016】
冷凍サイクル運転時の動作について説明する。
冷房運転時には、圧縮機6から吐出された高温高圧のガス冷媒は四方弁10を経由し、室外熱交換器7にて送風用ファン(室外)9により送風される空気により冷却されガス冷媒は凝縮液化する。液冷媒はレシーバタンク11に保有された後、電子膨張弁(室外)16および液管用接続管15を通じ電子膨張弁(室内)5で減圧され、室内熱交換器1にて送風用ファン(室内)で送られる空気から熱を吸熱して蒸発することにより低温低圧のガス冷媒となる。低温低圧のガス冷媒はガス管用接続管14を介し再度室外機側に戻り、四方弁10を通過した後、圧縮機6に戻って再度同じサイクルを繰り返す。
【0017】
暖房時には、圧縮機6から吐出された高温高圧のガスは四方弁10を経由し、ガス管用接続管14を通り、室内機側に入り、室内熱交換器1で送風用ファン(室内)3から送風される空気で冷却されガス冷媒は凝縮液化する。液冷媒は膨張弁(室内)5で減圧されて液管用接続管15を通過し、再度室外機側に戻り、液冷媒はレシーバタンク11に保有された後、電子膨張弁(室外)16で減圧され、室外熱交換器7にて室外機用送風機5から送風される空気から吸熱して蒸発した後低温低圧のガス冷媒となり、四方弁10を介して圧縮機6に戻って再度同じサイクルを繰り返す。
【0018】
次に暖房運転時の除霜について説明する。
図5は暖房運転中の除霜運転時のタイムチャートを示し、外気温度が低い場合は、室外熱交換器7の蒸発温度が0度以下まで低下して熱交換器表面に霜が付着する。室外機用制御装置12は室外機熱交換器7の液側配管に取り付けた暖房室外蒸発温度検出用サーミスタ17の検出温度が除霜入条件設定温度にまで低下したことを検知し、除霜モードに入る。
室外熱交換器7に付着した霜を融かすためには、圧縮機6から吐出される高圧ガス冷媒を室外熱交換器7に流入させる。つまり、四方弁を冷房モードになるよう暖房モードから反転させるので、いわゆる逆サイクル除霜となる。そして、室外熱交換器7での放熱を防止するため室外ファンモータ8の駆動を停止させ室外ファン9により送り出される送風を停止させる。つぎに、除霜運転に入り除霜が進んでくると室外ファン9を停止させていることから高圧圧力が急激に上昇し、室外熱交換器7の温度も上昇する。
【0019】
室外機熱交換器7の液側配管に取り付けた暖房室外蒸発温度検出用サーミスタ17によって、除霜終了設定温度に到達したことが検知されると、室外機用制御装置12は四方弁10を冷房モードから暖房モードにして冷媒の流れ方向を逆転させ、除霜を終了させる。ただし、除霜終了と同時に暖房モードに復帰するため、室外ファン9を室外ファンモータ8により駆動して室外熱交換器7による室外機空気からの熱の汲み上げを促進する。
【0020】
また、四方弁10の反転をもって除霜を終了するが、四方弁を反転させる直前の高圧圧力は除霜終了時高くなっており四方弁10前後の差圧が大きい状態で四方弁を反転させると高圧冷媒がガス配管14を介して室内熱交換器1に流入して室内機側で四方弁10の切り換え音が聞こえることになり、除霜終了時室内機側の快適性を悪化させることになる。そこで、図6に示すように室外機用制御装置12は、暖房室外蒸発温度検出用サーミスタ17の検出温度が除霜終了設定温度に到達したことを検知したとき、停止させていた室外ファ9を室外ファンモータ8で駆動させ室外機熱交換器7に空気を送り込み室外熱交換器7での放熱を促進させ高圧圧力を強制的に低下させる。その後、室外ファン9による室外熱交換器7への送風時間が設定された所定時間を経過したとき四方弁10を反転させ暖房モードに復帰させる。
【0021】
除霜運転が終了した時点ですぐに四方弁10を反転させ除霜を終了させるのではなく、室外ファン9により室外熱交換器7空気を送り込むことにより高圧圧力を低下させ四方弁10前後差圧を低下させることにより四方弁が反転するとき発生する室内機への冷媒流入音を低減することができる。
【0022】
図7は、他の実施の形態を示し、室外機用制御装置12が暖房室外蒸発温度検出用サーミスタ17の検出温度が除霜終了設定温度に到達したことを検知したとき、室外機用制御装置12は停止させていた室外ファン9を駆動させ、室外熱交換器7での放熱を促進させ、高圧圧力を強制的に低下させる。
室外ファン9による室外熱交換器7への送風により高圧圧力が四方弁10の切り換え音を発生させない所定圧力まで低下したことを室外制御装置12が高圧圧力センサ18により検知したとき四方弁10を反転させ暖房モードに復帰させる。除霜運転が終了した時点ですぐに四方弁10を反転させ除霜を終了させるのではなく、室外ファン9により室外熱交換器7に空気を送り込むことにより高圧圧力を低下させ四方弁10前後差圧を低下させることにより四方弁10が反転するとき発生する室内機への冷媒流入音を低減することができる。除霜終了後高圧圧力を低下させるとき高圧圧力センサ18を使用することにより除霜後の高低圧をバランスさせる時間を最短になるので、早く暖房運転に復帰させることができ、除霜運転時の快適性を向上させることができる。
【0023】
図8は、さらに他の実施の形態を示し、室外機用制御装置12は暖房室外蒸発温度検出用サーミスタ17の検出温度が除霜終了設定温度に到達したことを検知したとき、停止させていた室外ファン9を室外ファンモータ8で駆動させ、室外機熱交換器7に空気を送り込み、室外熱交換器7での放熱を促進させ高圧圧力を強制的に低下させる。室外ファン9による室外熱交換器7への送風により所定圧力まで低下したことを検知したとき四方弁10を反転させ、暖房モードに復帰させ。除霜運転が終了した時点ですぐに四方弁10を反転させ除霜を終了させるのではなく、室外ファン9により室外熱交換器7に空気を送り込むことにより高圧圧力を低下させ四方弁10前後差圧を低下させることにより、四方弁が反転するとき発生する室内機への冷媒流入音を低減することができる。
【0024】
また除霜終了後高圧圧力を低下させるとき室外蒸発温度検出用サーミスタを使用することにより除霜後の高低圧をバランスさせる時間を最短にすることができ、できるだけ早く暖房運転に復帰させることができ除霜運転時の快適性を向上させることができる。
【0025】
オゾン層破壊保護のためHCFC冷媒からHFC冷媒への変更が推進されているが、HFC冷媒はHCFC冷媒に比べ設計圧力が1.1倍から1.4倍と高くなっており、騒音が発生し易いが、上記によって高圧圧力に対応した冷凍サイクルとすることができる。また、次のようなメリットがある。
1.製造者のメリット
除霜終了時、高圧配管と圧縮機吸入側の低圧側を電磁弁等の電動製開閉装置を介し連結することで高圧圧力を低減させ、四方弁の前後差圧を低減する方法では高圧冷媒を低圧側に逃がすバイパス回路が必要となり製造時銅配管を電磁弁を介してロー付け接続するという工程が必要となり製造コストがアップし、ロー付け箇所が増えるためガス漏れ等の発生する可能性がある。しかし、上記方法では、バイパス回路を必要とせず、製造コストがかからず、かつ信頼性を向上できる。2.消費者のメリット
除霜終了時の高圧冷媒が室内機側流入することにより発生する冷媒流入音を低減させ室内機側での騒音低減および室内機の振動低減をはかることができ、室内機側の快適性を損なうことない。
3.工事業者のメリット
除霜終了時の高圧冷媒が室内機側流入することにより室内外接続配管が振動するため、配管固定を頑強にして冷媒配管の振動が天井、壁等に伝播しないようにする必要があるが、上記によれば通常の配管施工でも高圧冷媒の室内機側への流入を防止することができ、配管工事施工の省工事化を図ることができる。
4.その他のメリット
所定時間圧縮機の回転数を落として高圧圧力を下げることで騒音および振動を低減させることができるが、定速圧縮機を搭載した空気調和機では対応不可であるが、上記によれば定速圧縮機の場合でも可能であり、安価で信頼性の高いものとすることができる。
【0026】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、除霜運転終了後は室外ファンを駆動させて、室外熱交換器における高圧圧力を低下させた後、四方弁を暖房運転モードに切り換える構成としているから、四方弁の前後差圧を小さくでき、この結果、四方弁切り換え時における騒音の発生を低減することができる効果がある。また、本発明は、高圧圧力が高くなりやすいHFC系代替冷媒を用いた場合に特に有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】室内機の構成を示す平面図、及び側断面図。
【図2】室外機の構成を示す内部の平面図及び側面図。
【図3】コントロ−ル装置の正面図。
【図4】本発明による一実施の形態によるサイクル系統図。
【図5】従来例による冷凍サイクルの圧力、温度を示すタイムチャート。
【図6】一実施の形態による冷凍サイクルの圧力、温度を示すタイムチャート。
【図7】他の実施の形態による冷凍サイクルの圧力、温度を示すタイムチャート。
【図8】さらに、他の実施の形態による冷凍サイクルの圧力、温度を示すタイムチャート。
【符号の説明】
1…室内熱交換器、2…送風用電動機(室内)、3…送風用ファン(室内)、4…室内制御装置、5…電子膨張弁(室内)、6…圧縮機、7…室外熱交換器、8…送風用電動機(室外)、9…送風用ファン(室外)、10…四方弁、11…レシーバタンク、12…室外制御装置、13…コントロ−ル装置、14…ガス管用接続管、15…液管用接続管、16…電子膨張弁(室外)、17…配管サ−ミスタ、18…圧力センサ、19…圧力遮断用圧力SW。

Claims (3)

  1. 圧縮機、四方弁、室外熱交換器、室内熱交換器、電子膨張弁を順次接続して冷凍サイクルを構成し、室外熱交換器の送風ファンを駆動する室外ファンモータを有し、暖房運転時において前記室外熱交換器に着霜したとき、前記四方弁を切り換え、冷房運転モードにして逆サイクル除霜運転を行う空気調和機において、
    除霜運転中は前記室外ファンモータを停止させ、除霜運転終了後は前記室外ファンモータを駆動させた後、所定時間経過後、前記四方弁を暖房運転モードに切り換える構成としたことを特徴とする空気調和機。
  2. 圧縮機、四方弁、室外熱交換器、室内熱交換器、電子膨張弁を順次接続して冷凍サイクルを構成し、室外熱交換器の送風ファンを駆動する室外ファンモータ有し、暖房運転において前記室外熱交換器に着霜したとき、前記四方弁を切り換え、冷房運転モードにして逆サイクル除霜運転を行う空気調和機において、
    前記冷凍サイクルの高圧圧力を検出する高圧圧力検出装置を備え、除霜運転中は前記室外ファンモータを停止させ、除霜運転終了後は前記室外ファンモータを駆動させ、前記高圧圧力検出装置による検出圧力が所定圧力まで低下後、前記四方弁を暖房運転モードに切り換える構成としたことを特徴とする空気調和機。
  3. 圧縮機、四方弁、室外熱交換器、室内熱交換器、電子膨張弁を順次接続して冷凍サイクルを構成し、室外熱交換器の送風ファンを駆動する室外ファンモータ有し、暖房運転において前記室外熱交換器に着霜したとき、前記四方弁を切り換え、冷房運転モードにして逆サイクル除霜運転を行う空気調和機において、
    除霜運転中は前記室外ファンモータを停止させ、除霜運転終了後は前記室外ファンモータを駆動させ、前記室外熱交換器における凝縮温度が所定温度に到達後、前記四方弁を暖房運転モードに切り換える構成としたことを特徴とする空気調和機。
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