JP4162400B2 - 鉄道車両用空気ばね装置の製造方法 - Google Patents

鉄道車両用空気ばね装置の製造方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主としてボルスターレス台車に装着して使用される鉄道車両用空気ばね装置の製造方法に関する。詳しくは、車両走行時に生じる垂直(上下)方向及び水平方向の変位を吸収するだけでなく、曲線走行時にレールの曲線部に追随する台車とその上方部に配置された車体上部構造との間の旋回作用に伴って生じるねじれを吸収する機能を持つベローズ形の空気ばね本体を鉄道車両の台車側と車体上部構造側との間に介在して構成される鉄道車両用空気ばね装置の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の鉄道車両用空気ばね装置は、一般的に、図7に示すように、内面ゴムと外面ゴムとの間に補強繊維20を介在させてなる弾性ゴム膜10をベローズ形に巻回し、かつ、その小径側端部及び大径側端部にそれぞれ補強繊維20に包み込まれる状態でビードリング11,12を埋設した環状隆起部13,14を形成してなるベローズ形の空気ばね本体15が使用され、このベローズ形空気ばね本体15における小径側の環状隆起部13を台車16上に固定の円筒型支持体21の上端外周面に固定されたリング状止め金具17に弾性密着状態に固定保持させる一方、大径側の環状隆起部14を車体上部構造18側に固定されたリング状止め金具19に弾性密着状態に固定保持させることにより、車両走行時に生じる垂直、水平方向の変位及びねじれをベローズ形空気ばね本体15の弾性変形作用によって吸収させるように構成されている。
【0003】
ところで、上記のような構成及び変位吸収機能を有する一般的な鉄道車両用空気ばね装置において、車両の曲線走行時に空気ばね本体15に加わるねじれは、120〜150mmにも達し、そのねじれによって、空気ばね本体15両端の環状隆起部13,14に近い箇所の弾性ゴム膜10部分とそれらに対応するリング状止め金具17,19との間では相対的な摺動作用が発生する。この摺動作用は小径側ほど激しいものであり、このような激しい摺動作用に伴い空気ばね本体15を構成する弾性ゴム膜10の小径側の環状隆起部13に近い部分が早期に摩滅損耗し、さらに、弾性ゴム膜10部分の摩滅損耗の進行によって弾性ゴム膜10を補強するためにその肉厚内に埋設されている補強繊維20までが損傷あるいは破断することになり、このような局所的な摩滅損耗や破損等によって空気ばね本体15が早期に使用不能になるといったように、耐久性の面で難点がある。特に、近年のように、高速化、高荷重化(高内圧化)が進んだ鉄道車両用の空気ばね装置において、上記のような摺動作用に伴う早期摩滅損耗や破損による耐久性の低下は深刻であり、その対策が必要不可欠である。
【0004】
上記のごとき耐久性の面での改善対策として、従来、空気ばね本体のリング状止め金具に近い部分に集中荷重がかかることを避けるべく止め金具自体を大型化したり、摺動部分の摺動作用を円滑化したり、止め金具と弾性ゴム部分を直接に加硫接着させて摺動作用そのものが起きないようにしたり、さらには、ベローズ形空気ばね本体自体を大型化して摺動荷重を低減したりする等の各種手段が講じられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記したような従来の改善対策は、いずれも製品(空気ばね装置)自体の製作加工が非常に複雑になって、装置全体のコストアップが避けられないばかりでなく、この空気ばね装置を装着使用する鉄道車両側にも改造を施す必要性が生じて鉄道車両自体が構造的に複雑かつ大型化しやすい。特に、摺動作用そのものが起こらないように止め金具と弾性ゴム部分とを加硫接着する手段の場合、ねじれに伴い生じる摺動荷重が空気ばね本体のいずれかの箇所に集中的に働くことになるために、空気ばね本体を構成する弾性ゴムや補強繊維の他の部分で剥離や破断が起きやすい。
【0006】
また、上記のような改善対策の場合、通常レベルの変位や速度、荷重下での使用に対しては一定以上の耐久性向上が可能であるが、内圧が非常に高いときや、曲線走行時の速度が早いとき、あるいは、長く連続した曲線を走行するときのように、通常レベルを越える変位や速度、荷重が作用する過酷な条件下での使用時には、摺動作用に伴う弾性ゴムの摩滅損耗に止まらず、補強繊維を含めた膜構造体の内部からの発熱が多く、その発熱によって弾性ゴム膜が疲労して損傷し、十分な耐久性向上が得られないという問題があった。
【0007】
本発明は上記のような実情に鑑みてなされたもので、従来から使用されていた構造の大幅な改造を必要とせず、設備面、製造面でのコストアップを最少限に止めながら、摺動作用に伴う局部的な摩滅損耗、破損等の減少と内部発熱の抑制とにより、特に高変位、高荷重下での使用に際しても耐久性を顕著に向上することができる鉄道車両用空気ばね装置の製造方法を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は以下のように構成したことを特徴とする。
【0009】
すなわち、本発明の請求項に係る鉄道車両用空気ばね装置の製造方法は、内面ゴムと外面ゴムの間に補強繊維を介在させてなる弾性ゴム膜がベローズ形に巻回され、かつ、小径側端部及び大径側端部にはそれぞれビードリングを埋設した環状隆起部が形成されてなるベローズ形空気ばね本体における小径側の環状隆起部及び大径側の環状隆起部を鉄道車両の台車側及び台車の上方部に配置の車体上部構造側に固定された小径及び大径のリング状止め金具にそれぞれ弾性密着状態に固定保持させることにより、空気ばね本体を台車と車体上部構造との間に介在させている鉄道車両用空気ばね装置の製造方法であって、上記ベローズ形空気ばね本体を構成する弾性ゴム膜のうち、少なくとも小径側の環状隆起部に近い箇所で小径リング状止め金具に対して摺動する弾性ゴム膜部分の外面ゴムを欠除し、その欠除箇所に弾性ゴム膜の外面ゴム及び内面ゴムよりも硬度が高い高硬度補強ゴムを未加硫状態で、かつ、欠除した外面ゴムよりも肉厚の大きい状態で貼り付けた後、この未加硫高硬度補強ゴムを加熱加硫する時、この高硬度補強ゴムの貼り付け箇所に対応する内面ゴムの一部を金型に設けた割面もしくはベントホールを通して外方へ排出流動させることにより、高硬度補強ゴムの内面側の一部を弾性ゴム膜を構成する補強繊維間に入り込ませるように加硫接着することを特徴とするものである。
【0010】
上記のような特徴構成を有する本発明によれば、ベローズ形空気ばね本体を構成する弾性ゴム膜のうち、少なくとも小径側の環状隆起部に近い箇所で小径リング状止め金具に対し摺動する弾性ゴム膜部分の外面ゴムを欠除し、その欠除した箇所に高硬度補強ゴムを加硫接着するといったように、既存する空気ばね本体を部分的に改善するのみで、リング状止め金具や空気ばね本体等は形状的にも構造的にも従来より使用されていた既存のものをそのまま利用して空気ばね本体の製造設備等の大幅な改造や新作を必要としないばかりでなく鉄道車両側もなんら改造する必要がなくなり、製造面及び設備面でのコストアップを最少限に止め、かつ、空気ばね本体を含めて装置全体の小型化も図ることが可能である。
【0011】
加えて、摺動作用によって最も摩滅損耗しやすい弾性ゴム膜部分の外面ゴムを高硬度補強ゴムに置換することによって、摺動作用に伴う局部的な摩滅損耗の減少が図れることと、高硬度補強ゴムの加硫接着に伴い該高硬度補強ゴムの内面側の一部を弾性ゴム膜の補強繊維間に入り込ませた構造とすることによって、内圧が非常に高いときや、曲線走行時の速度が早いとき、あるいは、長く連続した曲線を走行するときのように、通常レベルを越える予期せぬ変位や速度、荷重が作用する過酷な条件下での使用時においても補強繊維同士の擦りなどによる膜構造体の内部からの発熱を抑えて発熱に伴う弾性ゴム膜の疲労が抑制されることの相乗により、弾性ゴム膜の損傷防止効果を高めて空気ばね本体、さらには空気ばね装置全体としての耐久性の顕著な増進を図ることが可能である。
【0012】
上記のような特徴構成を有する本発明の鉄道車両用空気ばね装置の製造方法における高硬度補強ゴムとしては、請求項に記載のように、短繊維を配合したゴムを用いることが望ましく、特に、請求項に記載のように、高温状態でも物性変化の少ないアラミド短繊維を配合したゴムを用いることによって、摺動作用に伴う発熱で摺動部分の温度が上昇しても、高硬度補強ゴムによる補強性能を確保して所定どおりの耐久性増進効果を達成することができる。
【0013】
また、高硬度補強ゴムとして、請求項に記載のように、弾性ゴム膜の外面ゴム及び内面ゴムに対して15度以上高い硬度差を有するものを用いることによって、摺動作用に伴いリング状止め金具に擦りつけられる高硬度補強ゴム部分のこすれ荷重を広く分散させて摺動部分の摩滅損耗の減少という補強ゴム本来の機能を確保しながら、空気ばね本体における非摺動部分の剛性が急激に上昇することに起因して空気ばね本体の変位吸収特性が阻害されることを抑制することができる。
【0014】
因みに、高硬度補強ゴムとして、空気ばね本体を構成する弾性ゴム膜の内外面ゴムの硬度に対して15度未満の硬度差に設定された柔らかい補強ゴムを用いる場合は、上述したとおり、摺動部分の摩滅減少という補強ゴム本来の機能を十分に確保することができない。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面にもとづいて説明する。
図1は本発明に係る鉄道車両用空気ばね装置の半縦断面構造を示す。同図に示されている鉄道車両用空気ばね装置Aの基本構成は、図7に示す一般的な空気ばね装置の構成と同一であるため、該当する構成部材及び部位に同一の符号を付して、それらの詳しい説明を省略し、図7に示すものと相違する構成部分を中心にして詳細に説明する。
【0016】
図2に明示するように、ベローズ形空気ばね本体15を構成する弾性ゴム膜10のうち、小径側の環状隆起部13に近い箇所で鉄道車両が曲線走行する時に生じる矢印x−y方向のねじりによって小径リング状止め金具17に対して摺動する弾性ゴム膜10部分の外面、詳しくは、内面ゴム10Aと外面ゴム10Bの間にビードリング11,12を包み込んだ補強繊維20を埋設してなる弾性ゴム膜10の外面ゴム10B部分の全周を約40mmの長さ範囲Lに亘って欠除する。
【0017】
上記外面ゴム10Bの欠除部2に、図3に明示するように、天然ゴムにアラミド短繊維を配合した高硬度補強ゴム1を未加硫状態で、かつ、仮想線に示すように、欠除した外面ゴム10B部分よりも肉厚の大きい状態で全周に亘り貼り付けた後、この未加硫高硬度補強ゴム1を加熱加硫することによって、その外面が非欠除外面ゴム10B部分の外面と面一になる状態で高硬度補強ゴム1を弾性ゴム膜10に接着一体化している。
【0018】
上記高硬度補強ゴム1は、弾性ゴム膜10の外面ゴム10Bの欠除部2に対応する箇所の肉厚t1が約3.5mmのほぼ一定厚肉であり、欠除部2から離れるほど漸次薄肉で弾性ゴム膜10の外面ゴム10Bとの界面箇所の肉厚が最も薄肉となるような肉厚変化を持つ形状に形成されているとともに、この高硬度補強ゴム1の硬度(JIS A)は、空気ばね本体15を構成する弾性ゴム膜10の内,外面ゴム10A,10Bの硬度(通常42〜60度)に対して15度以上の硬度差を有し、かつ、それ自体は80度未満の硬度に設定されている。
【0019】
そして、上記欠除部2の全周に貼り付けられた未加硫の高硬度補強ゴム1を加硫接着する時、図3のHで示すビードリング11の背面に相当する箇所に設置して使用される金型3には、図4に明示するように、周方向の割面3a及び径方向の割面3b…が形成されており、加熱加硫時に弾性ゴム膜10の内面ゴム10Aの一部を金型3の割面3a,3b…を通して外方へ排出流動させることにより、図5に示すように、高硬度補強ゴム1の内面側の一部1a…を弾性ゴム膜10を構成する補強繊維20間に入り込ませた構造として高硬度補強ゴム1と弾性ゴム膜10とを加硫接着している。
【0020】
上記のごとく構成された鉄道車両用空気ばね装置Aにおいては、ベローズ形空気ばね本体15の小径側の環状隆起部13に近い箇所で車両の曲線走行時に生じるねじりによって小径リング状止め金具17に対して摺動する弾性ゴム膜10部分の外面ゴム10Bを欠除し、その欠除部2に高硬度補強ゴム1を加硫接着するといったように、既存する空気ばね本体15を部分的に改善するのみで、リング状止め金具17や空気ばね本体15等は形状的にも構造的にも従来より使用されていた既存のものをそのまま利用するので、空気ばね本体15の製造設備等の大幅な改造や新作を必要としないばかりでなく、鉄道車両側もなんら改造する必要がなくなり、製造面及び設備面でのコストアップを最少限に止め、かつ、空気ばね本体15を含めて装置A全体の小型化も図ることが可能である。
【0021】
その上、摺動作用によって最も摩滅損耗しやすい弾性ゴム膜10部分の外面ゴム10Bがそれよりも硬度の高い高硬度補強ゴム1に置換されていることによって、摺動作用に伴って最も摩滅損耗しやすい部分の摩滅損耗が減少されることと、高硬度補強ゴム1の加硫接着に伴い該高硬度補強ゴム1の内面側の一部1a…が弾性ゴム膜10の補強繊維20間に入り込んだ構造とされていることによって、内圧が非常に高いときや、曲線走行時の速度が早いとき、あるいは、長く連続した曲線を走行するときのように、通常レベルを越える予期せぬ変位や速度、荷重が作用する過酷な条件下での使用時においても補強繊維20同士の擦りなどによる弾性ゴム膜10内部からの発熱を抑えて発熱に伴う弾性ゴム膜10の疲労が抑制されることの相乗により、弾性ゴム膜10の損傷防止効果を高めて空気ばね本体15、さらには空気ばね装置A全体としての耐久性の顕著な増進を図ることが可能である。
【0022】
因みに、本発明者らは、以下に述べるような仕様及び条件で耐久性に関する繰り返し試験を行った。
(1)供試体の仕様について
図6に示すような断面形状のベローズ形空気ばね本体15を用いる。この空気ばね本体15は、中心長L:700mm、内径D:575mm、弾性ゴム膜径d:250mm、高さH:300mmで、図2における内面ゴム10A及び外面ゴム10Bが硬さ45度の天然ゴムで厚さ2.5mm、補強繊維20はナイロン簾コードを2プライ(1プライはゴムをフリクショントッピングして厚さ1.0mm)使用する。以上の仕様をもつものが従来の供試体(従来品)であり、本発明品は、それに加えて、図3にも示すように、弾性ゴム膜10の外面ゴム10B部分の全周を約40mmの長さ範囲Lに亘って欠除した欠除部2の全周に、天然ゴムにアラミド繊維を配合してなり、肉厚t1が約3.5mmの未加硫高硬度補強ゴム1を貼り付けた後、加熱加硫して図5に示すように、高硬度補強ゴム1の一部1a…を補強繊維20間に入り込ませた構造のものを使用する。
(2)試験条件について
上記した従来品及び本発明品の各空気ばね本体15内に、内圧0.3MPa、0.6MPa、0.9MPa及び1.2MPaを封入して所定高さにセットした上で捻り(変位)量120mmで、捻り(変位)速度を50mm/sec.と70mm/sec.の二段階に変化させて繰り返し捻り試験を行い、損傷に至る回数を測定した。
(3)試験結果について
表1に示すとおりの結果が得られた。この表1からも明らかなように、本発明品は従来品との比較において、同条件での捻りの繰り返しに対して、損傷に至る回数が少なくとも3倍以上で、多くのものは6倍以上であり、耐久性に著しい増進が見られる。特に、内圧が高い場合や変位速度が高いほど顕著な差がみられ、それだけ過酷な条件下での使用に対する耐久性の向上に効果があることが分かった。
【0023】
【表1】
Figure 0004162400
【0024】
なお、上記実施の形態では、金型3に周方向の割面3a及び径方向の割面3bを形成したもので説明したが、ベントホールを形成して加硫時に内面ゴム10Aの一部を外方へ排出流動させるようにしてもよい。
【0025】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、ベローズ形空気ばね本体の小径側の環状隆起部に近い箇所で小径リング状止め金具に対して摺動する弾性ゴム膜部分の外面ゴムをそれよりも硬度の高い高硬度補強ゴムに置換し加硫接着するといった部分的な改善を施すのみで、リング状止め金具や空気ばね本体等は形状的にも構造的にも現有するものをそのまま活用して空気ばね本体の製造設備等の大幅な改造や新作、さらには、鉄道車両側もなんら改造する必要がなく、製造面及び設備面でのコストアップを最少限に止め、かつ、空気ばね本体を含めて装置全体の小型化も図ることができるものでありながら、摺動作用に伴って最も摩滅損耗しやすい部分の早期摩滅や損耗を減少できることと、通常レベル以上の過酷な条件下での使用に際しても補強繊維同士の擦れによる発熱を抑えて発熱に伴う弾性ゴム膜の疲労、それに伴う損傷を抑制できることの相乗により、空気ばね本体全体としての耐久性を顕著に増進することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る鉄道車両用空気ばね装置の半縦断面図である。
【図2】同上空気ばね装置の製造工程の一つを示す要部の拡大縦断面図である。
【図3】同上空気ばね装置の製造後の状態を示す要部の拡大縦断面図である。
【図4】同上空気ばね装置の製造に使用される金型構造を示す概略平面図である。
【図5】図3のX−X線での拡大断面図である。
【図6】耐久性試験に用いた供試体(従来品)の基本的な仕様を説明するための縦断面図である。
【図7】従来一般の鉄道車両用空気ばね装置の半縦断面図である。
【符号の説明】
1 高硬度補強ゴム
2 欠除部
3 金型
3a,3b 割面
10 弾性ゴム膜
11,12 ビートリング
13,14 環状隆起部
15 ベローズ形空気ばね本体
16 台車
17,19 リング状止め金具
18 車体上部構造

Claims (4)

  1. 内面ゴムと外面ゴムの間に補強繊維を介在させてなる弾性ゴム膜がベローズ形に巻回され、かつ、小径側端部及び大径側端部にはそれぞれビードリングを埋設した環状隆起部が形成されてなるベローズ形空気ばね本体における小径側の環状隆起部及び大径側の環状隆起部を鉄道車両の台車側及び台車の上方部に配置の車体上部構造側に固定された小径及び大径のリング状止め金具にそれぞれ弾性密着状態に固定保持させることにより、空気ばね本体を台車と車体上部構造との間に介在させている鉄道車両用空気ばね装置の製造方法であって、
    上記ベローズ形空気ばね本体を構成する弾性ゴム膜のうち、少なくとも小径側の環状隆起部に近い箇所で小径リング状止め金具に対して摺動する弾性ゴム膜部分の外面ゴムを欠除し、その欠除箇所に弾性ゴム膜の外面ゴム及び内面ゴムよりも硬度が高い高硬度補強ゴムを未加硫状態で、かつ、欠除した外面ゴムよりも肉厚の大きい状態で貼り付けた後、
    この未加硫高硬度補強ゴムを加熱加硫する時、この高硬度補強ゴムの貼り付け箇所に対応する内面ゴムの一部を金型に設けた割面もしくはベントホールを通して外方へ排出流動させることにより、高硬度補強ゴムの内面側の一部を弾性ゴム膜を構成する補強繊維間に入り込ませるように加硫接着することを特徴とする鉄道車両用空気ばね装置の製造方法。
  2. 上記高硬度補強ゴムとして、短繊維を配合したゴムを使用する請求項に記載の鉄道車両用空気ばね装置の製造方法。
  3. 上記高硬度補強ゴムとして、アラミド短繊維を配合したゴムを使用する請求項1または2に記載の鉄道車両用空気ばね装置の製造方法。
  4. 上記高硬度補強ゴムとして、弾性ゴム膜の外面ゴム及び内面ゴムに対して15度以上高い硬度差を有するものを使用する請求項1ないし3のいずれかに記載の鉄道車両用空気ばね装置の製造方法。
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