JP4161489B2 - 大便器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、便鉢上部にリム通水路を配置し、該リム通水路下面に水出し穴を複数個有する大便器において、便器洗浄後のリム通水路内残留水の排出構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の、便器洗浄後のリム通水路内残留水の排出構造を図12を用いて説明すると、リム通水路3下面を水流方向に対し直角または平行な方向において、水出し穴4に対し下り勾配10をつけることにより残留水がリム通水路内全体に停滞するのを防ぎ、低部の水出し穴4に集中させ便鉢2内に排出させる構造を用いていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術における課題として、残留水を排出する水出し穴の径が小さいために、早期に排出することができず、表面張力作用により便器洗浄後長時間掛けて水出し穴より排出されるため、便鉢乾燥面に残留水の流下による水垢等の汚れ付着を引起こすことがあった。この課題を解決する手段として、単に水出し穴の径を大きくすることが考えられるが、限られた洗浄水量にて便鉢を洗浄するために全ての水出し穴に必要な水量を回さなくてはならず、水出し穴の径は制限される。
【0004】
本発明は、リム通水路内の残留水を便鉢の外観上見えない位置、または便鉢溜水内に排出させたり、また早期に便鉢内に排出させることで、従来のように水出し穴より長時間掛けて排出されることによる便鉢の外観乾燥面への水垢等の汚れ付着を防止することができる。
【0005】
上記課題を解決すべく本発明をなしたものであり、このために請求項1に記載した大便器は、便鉢上部にリム通水路を配置し、該リム通水路下面に水出し穴を複数個有する大便器において、前記リム通水路に導通し、前記水出し穴の上端面よりも低い位置から前記便鉢の外観上見えない位置排出穴を有することを特徴とする大便器で、便器洗浄後のリム通水路内の残留水を高低が低い排出穴より排出することができ、残留水が水出し穴より長時間掛けて排出されることによる便鉢の外観乾燥面への水垢等の汚れ付着を防止することができる。
また、排出穴とリム導水路を共通にしたことにより、残留水の排出のみを目的とした排出穴を必要としないため、構造を簡略化することができる。
【0006】
また、請求項2に記載した大便器は、便鉢上部にリム通水路を配置し、該リム通水路下面に水出し穴を複数個有する大便器において、前記リム通水路に導通し、前記リム通水路下面の最下部位から最も近接する水出し穴開口端までの距離より排出穴開口端までの距離が短く、前記便鉢の外観上見えない位置排出穴を有することを特徴とする大便器で、便器洗浄後のリム通水路内の残留水を距離が短い排出穴より排出することができ、残留水が水出し穴より長時間掛けて排出されることによる便鉢の外観乾燥面への水垢等の汚れ付着を防止することができる。
また、排出穴とリム導水路を共通にしたことにより、残留水の排出のみを目的とした排出穴を必要としないため、構造を簡略化することができる。
【0008】
また、請求項に記載した大便器は、リム通水路に排出穴へ向かう下り勾配が形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の大便器で、リム通水路内の残留水が排出穴に早期に集まるようにしたものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実態の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1、2は本発明に係る大便器の平面図、断面図であり、大便器1の構造は便鉢2上部にリム通水路3を配置し、該リム通水路3下面に水出し穴4を複数個有している。
【0013】
(第1の実施例)
図3は図2のA部拡大図である。リム通水路3に導通し、水出し穴4の上端面よりも低い位置から便鉢2の外観上見えない位置または便鉢溜水13内にまで穿設された排出穴5を有することを特徴とする大便器1で、便器洗浄後のリム通水路3内の残留水6を高低が低い排出穴5より排出することができ、残留水6が水出し穴4より長時間掛けて排出されることによる便鉢2の外観乾燥面7への水垢等の汚れ付着を防止することができる。
【0014】
(第2の実施例)
図7は別の実施例に係る図2のA部拡大図である。リム通水路3に導通し、リム通水路3下面の最下部位8から最も近接する水出し穴4開口端までの距離より排出穴5開口端までの距離が短く、便鉢2の外観上見えない位置または便鉢溜水13内にまで穿設された排出穴5を有することを特徴とする大便器1で、便器洗浄後のリム通水路3内の残留水6を距離が短い排出穴5より排出することができ、残留水6が水出し穴4より長時間掛けて排出されることによる便鉢2の外観乾燥面7への水垢等の汚れ付着を防止することができる。
【0015】
(第3の実施例)
図8は別の実施例に係るA部拡大図である。排出穴5がリム通水路3に便器洗浄用の洗浄水を導くリム導水路9であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の大便器1で、排出穴5と導水路9を共通にしたことにより、残留水6の排出のみを目的とした排出穴5を必要としないため、構造を簡略化することができる。
【0016】
(第4の実施例)
図2、4、6は別の実施例に係る大便器の断面図を示す。第1の実施例乃至第3の実施例の大便器1において、リム通水路3に排出穴5へ向かう下り勾配10が形成され、リム通水路3内の残留水6が排出穴5に早期に集まるようにしたものである。
【0017】
(第5の実施例)
図3、5、7は、別の実施例に係る大便器の部分拡大断面図を示す。前記リム通水路3に導通し、前記水出し穴4の上端面よりも低い位置に前記水出し穴より大径の大径排出穴11を有することを特徴とする大便器1で、便器洗浄後のリム通水路3内の残留水6を高低が低い大径排出穴11より早期に排出することができ、残留水6が水出し穴4より長時間掛けて排出されることによる便鉢2の外観乾燥面7への水垢等の汚れ付着を防止することができる。
【0018】
(第6の実施例)
図9、10は別の実施例の大便器の平面図、断面図である。この実施例では、前記大径排出穴11がリム通水路3に形成され、前記大径排出穴11はリム通水路3内に設けられたゼット導水路12と共通化が可能であるとともに、便鉢2内に通じる大径排出穴11であれば便鉢2内であっても早期に残留水6排出することができるので、残留水6が水出し穴4より長時間掛けて排出されることによる便鉢2の外観乾燥面7への水垢等の汚れ付着を防止することができる。
【0019】
(第7の実施例)
図11は、別の実施例の大便器の平面図である。この実施例では、前記大径排出穴11がリム通水路3の水出し穴4から吐出する洗浄水と相俟って便鉢2内の留水13を旋回させる洗浄水を吐出する。
【0020】
【発明の効果】
本発明によれば、リム通水路内の残留水が短時間で排出され、便鉢の外観乾燥面への水垢等の汚れ付着を防止することができる大便器が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る大便器の平面図である。
【図2】 本発明に係る大便器の断面図である。
【図3】 第1の実施例に係る図2のA部拡大図である。
【図4】 第4の実施例に係る大便器の断面図である。
【図5】 第5の実施例に係る図4のA部拡大図である。
【図6】 第4の実施例に係る大便器の断面図である。
【図7】 第2の実施例に係る図2のA部拡大図である。
【図8】 第3の実施例に係る図2のA部拡大図である。
【図9】 第6の実施例に係る大便器の平面図である。
【図10】 第6の実施例に係る大便器の断面図である。
【図11】 第7の実施例に係る大便器の平面図である。
【図12】 従来の大便器の部分断面図である。

Claims (3)

  1. 便鉢上部にリム通水路を配置し、該リム通水路下面に水出し穴を複数個有する大便器において、
    前記リム通水路に導通し、前記水出し穴の上端面よりも低い位置から前記便鉢の外観上見えない位置排出穴を有し、排出穴は、リム通水路に便器洗浄用の洗浄水を導く前記リム導水路であることを特徴とする大便器。
  2. 便鉢上部にリム通水路を配置し、該リム通水路下面に水出し穴を複数個有する大便器において、
    前記リム通水路に導通し、前記リム通水路下面の最下部位から最も近接する水出し穴開口端までの距離より排出穴開口端までの距離が短く、前記便鉢の外観上見えない位置排出穴を有し、排出穴は、リム通水路に便器洗浄用の洗浄水を導く前記リム導水路であることを特徴とする大便器。
  3. リム通水路は、排出穴へ向かう下り勾配が形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の大便器。
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